(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は本出願の実施形態による放射加熱器を用いた熱処理装置を有する画像装置30の実施例を概ね示すブロック及び概念図である。画像装置30は媒体供給システム32、露光システム34、処理システム36及び出力システム38を含む。本明細書により詳細に記載される実施形態によると、処理システム36は光熱写真フィルムを熱処理するための放射式加熱器42を用いるドラム式処理装置40を含む。
【0021】
作動において、媒体供給システム32は例えばフィルムカセットから、フィルム44のような、露光されていない光熱写真フィルムを、伝達経路46に沿って露光システム34に設ける。露光システム34はフィルム44上に、所望の画像の潜像を形成するために画像データ(例えば、デジタル又はアナログ)に基づいて、フィルム44上に所望の画像を露光する。1つの実施形態において、露光システム34はレーザーイメージャーにより所望の画像を露光する。処理システム36は露光システム34から露光されたフィルム44を受け、ドラム式処理装置40は潜像を熱現像するために放射式加熱器42によって供給される熱エネルギーを用いて露光されたフィルム44を加熱する。処理システム36は続いてユーザーによるアクセスのために出力システム38(例えば、出力トレー又はソーター)に伝達経路46に沿って現像されたフィルム44を冷やして届ける。
【0022】
図2は、処理装置ドラム50の長手方向の回転軸51に沿って、その内側に放射式加熱器42が配置された状態で内面53と外面54を備えるドラムコア52を有する回転可能処理装置ドラム50を含む1つの実施形態によるドラム式処理装置40の部分を示す断面図である。放射式加熱器42は、ドラムコア52を加熱し、ドラムコア52の外面をフィルム44の所望の現像温度に維持するために、ドラムコア52の内面53に、矢印56で示されるように、放射熱エネルギーを供給するように構成されている。1つの実施形態によると、ドラムコア52の外面54は、例えば、シリコンゴムのような、(太線で示される)被膜58を有する。複数の圧力ローラー60はドラムコア52のセグメントに沿って周囲に配列されフィルム現像処理中にドラムコア52の被膜58に接触するようにフィルム44を保持するように構成されている。
【0023】
1つの実施形態によると、ドラム式処理装置40は、処理装置ドラム50と圧力ローラー60とから離間され、入口ガイド68が配置される入口66と出口ガイド72が配置される出口70の輪郭をなす、上下カバー62及び64を含む。作動中に、矢印74で示される方向に回転するためにドラム式処理装置40が駆動される。露光された潜像を上に有する露光されたフィルム44のシートは、露光システム34(
図1参照)から伝達経路46に沿って受けられ入口ガイド68によって処理装置ドラム50に向けられる。露光されたフィルム44は、それから被膜58と圧力ローラー60との間に引かれ、伝達経路46に沿って処理装置ドラム50の外の部分の辺りに運ばれ、そこで出口ガイド72経由で出口70から出される前に被膜58経由でドラムコア52から熱エネルギーを吸収することによって所望の時間の間所望の現像温度に加熱され維持される。現像されたフィルム44はそれから伝達経路46に沿って出力システム38(
図1参照)に向けられる。
【0024】
1つの実施形態によると、以下により詳細に記載されるように、ドラム式処理装置40は処理装置ドラム50の内側に配置される温度センサー80及び制御器82を含む。1つの実施形態によると、温度センサー80はドラムコア52の内面53に搭載される。処理装置40の作動中に、制御器82は温度センサー80から温度信号84を受け、外面54と被膜58の温度を所望の温度(例えば、フィルム44の現像温度)に維持するために、制御信号86経由で、放射式加熱器42を制御する。1つの実施形態によると、制御器82は放射加熱器を「オン」、「オフ」することで放射式加熱器42によって供給される熱エネルギー56の量を制御する。
【0025】
上記のように、従来の熱用ドラム式処理装置は一般的に、正確に熱を加えドラムからの非均一な熱損失(例えば、アイドル時間中のドラム端部でのより多い熱損失と、フィルム処理中のドラムの中央部からのより多い熱損失)を補うためにブランケット加熱器が異なる出力密度を備えるゾーン又は別々に制御可能なゾーンを有する、ドラムコアの内面に搭載されたブランケット加熱器を用いる。以下に示すように、放射式加熱器42のような、放射式加熱器42はそうした正確な熱制御を自身では直ちには供給しない。
【0026】
図3は1つの実施形態による、ドラム式処理装置40の部分を示す縦断面図であり、放射式加熱器42によるドラムコア52の加熱を概ね示す。
図3は放射式加熱器42の長さに沿った単一の点から発せられた放射エネルギーの単一の光線56を示す。1つの実施形態によると、以下により詳細に記載されるように、放射式加熱器42は処理装置ドラム50の回転軸に沿って配置され、処理装置ドラム50の一端から他端に延びる直線式加熱器を備える。光線56との最初の接触からのドラムコア52によって吸収されるエネルギーの量は、ドラムコア52の放射率に左右される。材料の放射率は放射によってエネルギーを発するための面の相対能力として定義され、同じ温度で黒体によって放射されるエネルギーに対する特定の材料によって放射されるエネルギーの比である。「0」の放射率を有する物質は完全に反射し、「1」の放射率を有する物質は完全に吸収性である。
【0027】
図3によって示されるように、ドラムコア52の内面53が0.5の放射率を有し、放射式加熱器42によって発せられる光線56がQ=1のエネルギーレベルを有する場合、ドラムコア52は第1の位置で50%の熱エネルギーを吸収し、Q=0.5のエネルギーレベルを有する第1の反射された光線の形で50%反射し、次に、第2の位置でドラムコア52によって吸収されたエネルギーの50%を有し、Q=0.25のエネルギーレベルを有する第2の反射された光線の形で50%反射し、次に、第3の位置でドラムコア52によって吸収されたエネルギーの50%を有し、Q=0.125のエネルギーレベルを有する第3の反射された光線の形で50%反射し、次に、第4の位置でドラムコア52によって吸収されたエネルギーの50%を有し、Q=0.063のエネルギーレベルを有する第4の反射された光線の形で50%反射するなど、ドラムコア52によって吸収された元の光線の全てのエネルギーが最終的に吸収されるまで行われる。又、
図3は放射式加熱器42によって発せられた放射エネルギーの単一の光線のみを示し、放射式加熱器42が放射エネルギーを全長に沿って全ての角度に発することを示すことに注目されたい。
【0028】
電気ブランケット加熱器に対して、こうしたやり方の放射エネルギーの反射がドラムコア52を所与の周囲に沿って実質均一に熱する一方、放射式加熱器42からの放射エネルギーが厳密に向けられる位置の正確な制御が困難である。以下により詳細に記載されるように、ドラムコア52の端部と中央部をドラムコア52の長手方向に渡って同じ温度に維持することは困難である。
【0029】
図4はドラム式処理装置40と処理装置ドラム50の部分を示す縦断面図であり、放射式加熱器42が回転する処理装置ドラム50に放射エネルギーを供給するが、フィルムが処理されない、アイドルモードで作動中のドラム式処理装置40の熱の流れを概ね示す。図を簡単にするために、
図4に回転軸51の上の処理装置ドラム50の上半分のみを示すことに注目いただきたい。
図4において、Q1は内面53経由の放射式加熱器42からのドラムコア52に入る熱エネルギーすなわち熱流を表す。Q2とQ3はドラムコア52の中央部88と端部89a,89bから外部環境(例えば、ドラム式処理装置40が配置される空間内の空気)への熱の流れをそれぞれ表す。
図4に示されるように、アイドルモードで作動中に、Q2とQ3は実質等しい。Q4はドラムコア52からドラムコア52の端部89a,89bに搭載された 端部キャップ90a,90b経由の外部環境への熱の流れを表す。加えてQ5は放射式加熱器42によって端部キャップ90a,90bに供給される熱の流れを表し、Q6は端部キャップ90a,90bから外部環境への熱の流れを表す。
【0030】
1つの実施形態によると端部キャップ90a,90bは熱可塑性プラスチック材料から形成され、周りを処理装置ドラム50が回転するハブ又はピニオンとして働くことに注目されたい。1つの実施形態によると、放射式加熱器42の端部は端部キャップ90a,90bに搭載される。1つの実施形態において、放射式加熱器42はブラシ式コネクタ又はスライド式コネクタ経由で、放射式加熱器42がドラムコア52と端部キャップ90a,90bと共に回転するように外部電源に電気的に接続される。1つの実施形態において、放射式加熱器42がドラムコア52と端部キャップ90a,90bの回転中に静止したままでいるように、放射式加熱器42は端部キャップ90a,90bがブッシング又はベアリング式コネクタ経由で連結される。
【0031】
図5はドラム式処理装置40と処理装置ドラム50の部分を示す縦断面図であり、放射式加熱器42が回転する処理装置ドラム50に放射エネルギーを供給して露光されたフィルム44が処理されている、処理モードで作動中のドラム式処理装置40の熱の流れを概ね示す。
図4に示されるように、Q1は内面53経由の放射式加熱器42からのドラムコア52内への熱エネルギー又は熱の流れを示し、Q3はドラムコア52の端部89a,89bからの外面54経由の外部環境への熱の流れを示し、Q4はドラムコア52から端部キャップ90a,90b経由の外部環境への熱の流れを示し、Q5は放射式加熱器42による端部キャップ90a,90bに供給される熱の流れを示し、Q6は端部キャップ90a,90bからの外部環境への熱の流れを示す。しかし、処理モードで、Q2は外部環境に伝えられるのと同様に、その上の潜像の熱現像のためのフィルム44によって吸収される熱の流れを示す。
図5に示されるように、フィルム44は外面54経由で端部89a,89bで環境に失われるよりも多くの熱を吸収するので、処理モードでの作動時にQ2の大きさはQ3より大きい。
【0032】
上述の
図4と
図5を参照して、ドラム式処理装置40(
図4参照)のアイドルモード中に、熱がドラムコア52の端部89a,89bから熱の流れQ3経由で外面54から、及び熱の流れQ4経由で、端部キャップ90a,90bから失われるので、ドラムコア52の端部89a,89bからの表面積の単位あたりの熱損失の量が中央部88から失われるより大きくなる傾向がある。ドラム式処理装置40(
図5参照)の処理モード中に、ドラムコア52の中央部88から失われる熱の量Q4は、フィルム44が無い場合、アイドル状態に比べて上昇する。補償されなければ、ドラムコア52の幅、Wdにわたる熱の流れのこうした相対変化は熱の変動を生じることがあり、フィルムの非均一なクロスウェブ処理が生じることがあり、かくして現像されたフィルムの画像特性に悪影響(例えば不適当な画像濃度)を生じることがある。
【0033】
補償されなければ、ドラムコア52の幅、Wdにわたる熱の流れのこうした相対的な違いと変化は、中央部88と端部89a,89bの間の温度差を生じることがあり、かくしてフィルム44の幅(W)にわたる非均一な伝熱が起こり(
図1参照)、現像されたフィルム44の不適当な画像濃度を生じることがある。所定の時間内のプロセスで現像されたフィルムの量によってドラムコア52の端部89a,89bと中央部88との間のアイドルモード中の熱の流れの差が特に懸念されることがある。例えば、低容量処理装置(例えば毎時180フィルムを現像する高容量処理装置に対し、例えば毎時40フィルムやそれ以下のような毎時70フィルム未満を現像する処理装置)で、この状態はフィルム44の中央部に対してフィルム44の外縁の現像不足(すなわち、より暗い部分)を生じることがある。上記のように、処理モード中に、ドラムコア52の中央部88は、端部89a,89bより多くの熱を失う傾向があり、時間とともに中央部88の温度が端部89a,89bに対してより低くさせることがあるが、一般に連続で処理されるのはそうした状態に達するのに十分でないフィルムであるので、低容量画像装置でそうした状況はそれ程大きな懸念ではない。
【0034】
図6はドラム式処理装置40と処理装置ドラム50の一部を示す縦断面図であり、ドラムからの非均一な熱損失を補い、ドラムコアの外面をドラムコアの長手方向幅に渡り実質均一な所望の温度にするために、処理装置ドラム50の内側の1つ以上の放射エネルギー吸収特性を変えるための、本開示による技術を示す。以下の数Iは、放射式加熱器42のような、放射加熱源(点「A」)からドラムコア52のような、受け面(点「b」)への伝熱Qの量を示す。
【0035】
数I:
Q = s*e*F
ab*A*(T
a4−T
b4);
ここで
Q = 熱(ワット)、
s = シュテファン・ボルツマン定数、
A = 表面積;
F
ab = Aに基づく点「a」から点「b」への形態係数
T
a = 点「a」の温度;及び
T
b = 点「b」の温度である。
【0036】
1つの実施形態によると、
図6を参照して、ドラムコア52の内面53の放射率は、端部キャップ90aと90bとの間の長手方向の幅にわたり変化する。1つの実施形態によると、中央部88での内面53の放射率より大きい表面放射率を有するために、92で太線で示されるように、端部89a,89bにおける内面53は処理される。例えば、1つの実施形態によると、中央部88での内面53が0.4の放射率を有する一方で、0.8の放射率を有するために、端部89a,89bにおける内面53は被膜92で処理される。数Iを参照して、こうした処理は中央部88に対するドラムコア52の端部89a,89bにおける単位エリアあたりに加えられ、または吸収される約2倍の熱エネルギーを生じる。1つの実施形態によると、中央部88に対してより高い放射率を有するためにドラムコア52はアルミニウムを備え、端部89a,89bの内面は陽極酸化される。被膜または処理92が、端部89aであるドラムコア52の1つの端部で示されるが、用いられるときは被膜または処理92が、端部89aと89bの両方に適用されることに留意いただきたい。
【0037】
熱シールド96a,96bの反射性/放射率及びドラムコア52の伝導性Q5次第で要件は変わることがあるが、1つの実施形態によると、端部89aと89bの放射率はドラムコア52の中央部88より2から4倍の範囲で大きい。1つの実施形態によると、中央部88は0.4の放射率を有し、端部89a,89bは0.8の放射率を有する。1つの実施形態によると、端部89a,89bの放射率は0.1から0.9の範囲にある。1つの実施形態によると、端部89a,89bが中央部88で吸収される放射エネルギーの約3倍吸収するように、端部89a,89bの放射率はドラムコア52の中央部88より大きい。
【0038】
1つの実施形態によると、各端部89a,89bの幅はドラムコア52の幅W
dの約5から10パーセントの範囲にある。例えば、そうした実施形態において、ドラムコア52が16インチの幅W
dを有するとき、各端部89a,89bの幅は約0.75から1.5インチの範囲にある。1つの実施形態によると、各端部89a,89bの幅はドラムコア52の幅W
dの約5から15パーセントの範囲にある。例えば、そうした実施形態において、ドラムコア52が400ミリメートルの幅W
dを有するとき、各端部89a,89bの幅は約20から60ミリメートルの範囲にある。
【0039】
1つの実施形態によると、各端部89a,89bの幅は、ドラムコア52上の処理される最大幅フィルムの各縁に約25ミリメートル重なるように選択される。
【0040】
1つの実施形態によると、内面53の単位長さあたりの表面積は、端部キャップ90aと90bとの間のドラムコア52の長手方向の幅にわたり変化する。1つの実施形態によると、中央部88より端部89a,89bでドラムコア52の長手方向の幅にわたる単位長さあたりの表面積がより大きくなるように、94で示されるように端部89a,89bにおける内面53は溝を掘られる。増えた表面積のために、ドラムコア52の端部89a,89bにおける内面53は中央部88より多い単位長さあたりの放射エネルギーを吸収する。例えば、数Iを参照して、溝94の追加により端部89a,89bの単位長さあたりの表面積が中央部88の2倍の場合、約2倍の熱エネルギーが中央部88に対してドラムコア52の端部89a,89bでの単位長さあたり吸収される。また、溝94が、ドラムコア52の1つの端部89aで示されるが、用いられるときは溝94が、端部89aと89bの両方に適用されることに留意いただきたい。
【0041】
図4と
図5を参照して、熱の流れQ6で示されるように、端部キャップ90a,90bによって放射式加熱器42から吸収される熱の流れQ5は、ドラムコア52の加熱無しに外部環境に直接向けられることによって基本的に失われる。
図6に戻り、1つの実施形態によると、放射式加熱器42からの放射エネルギーを端部キャップ90a,90bからドラムコア52の端部89a,89bに向け直し、端部89a,89bに吸収される放射エネルギーの量をそれによって増やすために、熱シールド96aと96bはそれぞれドラムコア52と端部キャップ90a,90bとの間で、ドラムコア52の端に連結され、放射式加熱器42と端部キャップ90a,90bとの間に配置される。1つの実施形態によると、熱シールド96aと96bは、低い放射率の面を有するアルミニウムを備える。加えて、
図6には平面で描かれているが、他の実施形態において、熱シールド96a,96bは放射エネルギーをドラムコア52の端部キャップ90a,90bから離して端部89a,89bにより良く向けるために形作られたり、角度を付けられても良い。1つの実施形態によると、端部89a,89bに放射エネルギーを向け直すために、低い放射率を有するのに加えて、熱シールド96a,96bは熱シールド96a,96bから端部89a,89bに熱が伝導されることを可能にする高伝導性の材料を備える。
【0042】
単独又は1つ以上を互いに組み合わせて、上記の技術の使用を用いることによって、ドラム50の内側の1つ以上の放射エネルギー吸収特性を変えるために、追加の放射エネルギーがドラムコア52の端部89a,89bに向けられ吸収される。
図6に示されるように、Q1は熱エネルギーまたは放射式加熱器42からのドラムコア52の中央部88内への熱の流れを表し、Q1−1は熱エネルギーまたはドラムコア52の端部89a,89b内への熱の流れを表す。アイドルモードで作動するドラム式処理装置40の熱の流れを示す
図6に示されるように、ドラムコア52の端部89a,89b内への熱の流れQ1−1は、外面54(又は用いられる場合、被膜58)の温度がドラムコア52の長手方向の全幅W
dにわたって実質均一であるように、端部キャップ90a,90bから流れる熱損失Q5を補償する
図4に示されるものに比べて、ドラムコア52の中央部88内への熱の流れQ1より大きい。フィルム44のシートが熱現像されるときに、ドラムコア52の外面54の長手方向の全幅W
dにわたって実質均一な温度にすることによって、いわゆるクロスウェブ処理又はフィルム44の現像が実質均一で、それにより現像されたフィルム44の見た目の欠陥を減らしたりなくしたりするために、フィルム44はシートにわたって均一に処理される。
【0043】
上記は主に均一なクロスウェブ処理を達成するためのドラムコア52の内側の放射エネルギー吸収特性(例えば放射率)の変更に関する一方、フィルム44が現像されるにつれて均一な下降ウェブ処理(すなわちドラムコア52の周囲付近の方向に)を達成することも大切である。1つの実施形態によると、均一な下降ウェブ処理を達成するために、ドラムコア52(例えば、
図3参照)の半径周囲付近に放射エネルギーが均一に分布されるように、放射エネルギーが反射する又はドラムを「跳ね回る」ようにドラムコア52の内側の放射率のレベルが十分低いレベルに保たれる。ドラムコアの内側の放射率のレベルをそうしたレベルに保つことは又は放射式加熱器42からの放射エネルギーを遮蔽でき、ドラムコア52内の「冷点」が生じ見た目の欠陥を生むことがあるドラムコア52の内側上に、「影」を作ることが可能なドラムコア(例えば、放射式加熱器42及び温度センサー80のための)内の配線によって生じる「影効果」の可能性を減らす助けとなることが留意される。
【0044】
1つの実施形態によると、フィルムの均一な下降ウェブ熱処理を達成するために、ドラムコア52はドラムコア52の表面付近に熱を均一に伝導及び分布する所望の伝熱特性を有するアルミニウムから形成される。均一な下降ウェブ処理を達成するための別な技術は、ドラムコア52の周囲付近の温度の正確なモニターとそうした測定に基づく放射式加熱器42に供給される電力の調整である。
【0045】
図7はドラムコア52の内周付近に配置されるドラムコア52の温度を測定する構成の、いわゆる「フルリング」温度センサーである、温度センサー80を概ね示す図である。温度センサー80の長さはドラムコア52の内周より大きく、温度センサー80は端102及び104が互いにオフセットされ重なるように配置される。このように重ねることにより、温度センサー80はドラムコア52の全周付近の温度を測定可能である。1つの実施形態によると、温度センサー80はRTD温度センサーを備える。
【0046】
図8は温度センサー80とドラムコア52の一部を通した断面図である。温度センサー80は絶縁材106内に組み込まれる。1つの実施形態によると、温度センサー80とドラムコア52との間の絶縁材106の厚さT
1は温度センサー80の内に向く面上の絶縁材106の厚さT
2より薄い。温度センサー80の内側のより厚い絶縁材106は、温度センサー80により供給されるドラムコア52の温度測定を歪めることがあるドラムコア52の内側内の加熱された空気からの温度センサー80の対流及び伝導熱を減らす。
【0047】
温度センサー80及び絶縁材106は放射エネルギーがドラムコア52によって吸収されるのを防ぎ、現像されたフィルムの見た目の欠陥を生むことがあるドラムコア52の周囲付近に「冷たい」リングを生むことになる。従って、温度センサー80
および絶縁材106
の幅Wはできる限り薄くすべきであるが、幅Wはドラムコア52の厚さT
dに依存する。1つの実施形態によると、温度センサー80
および絶縁材106
の幅Wは、ドラムコア52の厚さT
dの2倍を超えてはならない。
【0048】
1つの実施形態によると、絶縁材106は温度センサー80を、温度センサー80により供給されるドラムコア52の温度測定を再び歪めることがある、放射式加熱器42からの放射エネルギーから遮蔽するために低放射率の上塗り層108で覆われる。1つの実施形態によると、上塗り層108はアルミ箔である。1つの実施形態によると、上塗り層108の放射率はドラムコア52の隣接する内面より低い。例えば、1つの実施形態によると、ドラムコア52の中央部88内の内面は0.4の放射率を有し、上塗り層108は0.2の放射率を有する。上記のように温度センサー80を用いることで、ドラムコア52の全周付近の正確な温度測定が可能である。放射式加熱器42に供給される電力は、供給される放射エネルギーの量を調節しドラムコア52を全周付近で所望の温度に保ち、フィルムの下降ウェブ処理の均一性を向上するためにそうした温度測定に基づき調整可能である。
【0049】
本発明はその特定の好ましい実施形態を具体的に参照して詳細に記述されるが、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく変形および改良を行っても良いことをご理解いただきたい。
【0050】
[好ましい態様]
(1)ドラムコアの内面の中央部に対してドラムコアの内面の端部で放射率がより大きい請求項2の熱処理装置。
【0051】
(2)ドラムコアの中央部の内面に対して端部の放射率をより大きくする材料でドラムコアの内面の端部が塗布される、上記(1)の熱処理装置。
【0052】
(3)前記材料が塗料を備える、上記(2)の熱処理装置。
【0053】
(4)ドラムコアがアルミニウムを備え、ドラムコアの中央部に対して端部の放射率がより大きくなるようにドラムコアの表面が陽極酸化される、上記(2)の熱処理装置。
【0054】
(5)前記少なくとも1つの放射エネルギー吸収特性が前記ドラムコアの内面の表面積を備え、前記内面の単位長さあたりの表面積が前記ドラムコアの長手方向の幅にわたって変わる請求項1の熱処理装置。
【0055】
(6)前記ドラムコアの長手方向の幅にわたる単位長さあたりの表面積が中央部においてよりも端部においてより大きくなるように、前記ドラムコアの内面の端部に溝が掘られている、上記(5)の熱処理装置。
【0056】
(7)前記ドラムが前記ドラムコアの側端に連結された端部キャップを含み、放射エネルギーを端部キャップから前記ドラムコアの端部に向けるために反射シールドがドラムコアと端部キャップとの間に連結され前記放射加熱器と端部キャップとの間に配置される請求項1の熱処理装置。
【0057】
(8)前記放射加熱器が前記ドラムの回転軸に沿って延びるクォーツヒーターを備える請求項1の熱処理装置。
【0058】
(9)前記放射加熱器がクォーツコアの周りに巻かれる導電性のワイヤを備え、単位長さあたりの導電性のワイヤの巻き数が、前記ドラムの中央部の直近に配置される前記クォーツコアの中央部よりも、前記ドラムの端部の直近に配置される前記クォーツコアの端部でより大きい、上記(8)の熱処理装置。
【0059】
(10)前記ドラムコアの長手方向の各端部の長さが長手方向の前記ドラムコアの幅の約5から15パーセントの範囲内にある請求項1の熱処理装置。
【0060】
(11)前記ドラムコアの中央部の内面の周囲に搭載され伸びる温度センサーを更に備え、前記温度センサーが前記ドラムコアの中央部の内面の放射率より低い放射率を有する材料で塗布される請求項1の熱処理装置。
【0061】
(12)回転する中空ドラムを加熱するために放射エネルギーを供給する、中空ドラムの内側内の放射加熱器を配置する工程と、
前記中空ドラムの外面がドラムの長手方向の幅にわたって実質均一な熱を有するように前記中空ドラムからの非均一な熱損失を補うために前記ドラムの前記内面の他のエリアより多い放射エネルギーを前記ドラムの前記内面の選択エリアが吸収するような、前記中空ドラムの内面の放射エネルギー吸収特性を変更される工程と、
を備える光熱写真フィルムを熱現像するための熱処理装置の作動の方法。
【0062】
(13)放射エネルギー吸収特性を変更させる工程が、前記中空ドラムの内面の端部が前記中空ドラムの内面の残りの中央部より高い放射率を有するように前記ドラムの前記内面の塗布又は処理を備える放射率の変更を備える、上記(12)の方法。
【0063】
(14)前記放射エネルギー吸収特性を変更される工程が、前記中空ドラムの端部の内面が前記中空ドラムの中央部内の前記内面より大きい前記中空ドラムの長手方向の単位長さあたりの表面積を有するように前記中空ドラムの前記端部の内面に溝を掘ることを備える、上記(12)の方法。
【0064】
(15)前記温度センサーと前記ドラムコアの内側との間の絶縁材の厚さが前記温度センサーと上に前記温度センサーが搭載される前記ドラムコアの内面との間の絶縁材の厚さの少なくとも2倍厚い、請求項3の熱処理装置。
【0065】
(16)前記温度センサー及び前記ドラムコアの長手方向の絶縁材の幅が前記内面と前記外面との間の前記ドラムコアの厚さの2倍を超えない、請求項3の熱処理装置。
【0066】
(17)放射エネルギーが前記温度センサーから離れるように反射するために前記ドラムの内側を向く前記絶縁材の面が弧の形状である、請求項3の熱処理装置。