特許第5873710号(P5873710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5873710荷崩れ防止装置、およびそれを用いた荷物群の結束方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5873710
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】荷崩れ防止装置、およびそれを用いた荷物群の結束方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 63/10 20060101AFI20160216BHJP
【FI】
   B65D63/10 B
   B65D63/10 G
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-283044(P2011-283044)
(22)【出願日】2011年12月26日
(65)【公開番号】特開2013-133113(P2013-133113A)
(43)【公開日】2013年7月8日
【審査請求日】2014年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000204192
【氏名又は名称】太陽工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100137143
【弁理士】
【氏名又は名称】玉串 幸久
(72)【発明者】
【氏名】小野 義弘
【審査官】 西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 実開平01−083727(JP,U)
【文献】 実開平01−066361(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3091167(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3092778(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 61/00−63/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積された荷物群に巻回してこの荷物群を結束可能とする荷崩れ防止装置において、
長手方向の中途部が上記荷物群の上面に載置可能とされ、上記長手方向の一端部側および他端部側が上記荷物群の前、後面に対面可能とされる第1帯状体と、この第1帯状体の一端部側と他端部側とからそれぞれ上記長手方向への直交方向、かつ、この直交方向で互いに逆方向に向かって延出する第2、第3帯状体と、上記第2帯状体の延出端部側を上記第1帯状体の他端部側に連結可能とする第1連結具と、上記第3帯状体の延出端部側を上記第1帯状体の一端部側に連結可能とする第2連結具とを備えたことを特徴とする荷崩れ防止装置。
【請求項2】
上記第1帯状体の一端部側および他端部側における長手方向の任意位置に対し、上記第2、第3帯状体の基端部側が第3、第4連結具により連結可能とされたことを特徴とする請求項1に記載の荷崩れ防止装置。
【請求項3】
上記第2、第3帯状体が、上記第1帯状体の長手方向で、その中央部から互いに等位置に配置されたことを特徴とする請求項1、もしくは2に記載の荷崩れ防止装置。
【請求項4】
上記第2、第3帯状体の各質量が互いに同様であることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1つに記載の荷崩れ防止装置。
【請求項5】
請求項1に記載の荷崩れ防止装置を用いた荷物群の結束方法であって、
まず、第1工程として、上記第1帯状体の長手方向の中途部を上記荷物群の上面に載置し、上記第1帯状体の長手方向の一端部側と他端部側とを垂下させて上記荷物群の前、後面に対面させ、次に、第2工程として、上記第2帯状体を上記荷物群の左右側面のうちの一側面を巻回させて、その延出端部側を上記第1帯状体の他端部側に上記第1連結具により連結し、次に、第3工程として、上記第3帯状体を上記荷物群の他側面を巻回させて、その延出端部側を上記第1帯状体の一端部側に上記第2連結具により連結するようにしたことを特徴とする荷物群の結束方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積された荷物群の荷崩れを防止するため、この荷物群に巻回してこの荷物群を結束可能とする荷崩れ防止装置、およびそれを用いた荷物群の結束方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記荷崩れ防止装置には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報の図5(a)における第1の従来の技術によれば、荷崩れ防止装置は、荷物群の上下方向の中途部の外周面に巻回される帯状体と、この帯状体の長手方向の各端部同士を互いに連結する連結具とを備えている。
【0003】
また、上記公報の図5(b)、図7図9図11図13図15、および図17における第2の従来の技術によれば、荷崩れ防止装置は、荷物群を載置させる載置台の角部に立設された柱材と、上記荷物群の上下方向の中途部の外周面に巻回される帯状体と、この帯状体の長手方向の各端部を上記柱材に連結する連結具とを備えている。
【0004】
そして、上記第1、第2の従来の技術が備える帯状体を荷物群に巻回すれば、この荷物群が結束されて、搬送時などに不意に荷崩れすることが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−338801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記した第1の従来の技術の荷崩れ防止装置を用いて荷物群の結束作業をする場合には、次のようにすることが考えられる。
【0007】
即ち、まず、一人の作業者が上記荷物群の一側方に位置して上記帯状体の一端部を把持し、所定高さに保持する。次に、この状態から、他の作業者が上記帯状体の他端部を把持してこの帯状体を荷物群の上下方向の中途部に巻回する。次に、上記帯状体の各端部を連結具で互いに連結すれば、上記結束作業が終る。しかしながら、この結束作業では、少なくとも二人の作業者が必要であり、よって、この結束作業は煩雑なものとなっている。
【0008】
一方、前記した第2の従来の技術の荷崩れ防止装置を用いて結束作業をする場合には、次のようにすることが考えられる。
【0009】
即ち、まず、上記帯状体の一端部を連結具により上記柱材に連結させる。次に、この状態から、上記帯状体の他端部を把持してこの帯状体を荷物群の上下方向の中途部に巻回させる。次に、上記帯状体の他端部を連結具により上記柱材に連結すれば、上記結束作業が終る。このため、この結束作業は一人の作業者によりできるのであり、よって、この結束作業は容易にできると考えられる。
【0010】
しかし、上記第2の従来の技術の荷崩れ防止装置は、帯状体と連結具とに加えて柱材を備えるため、荷崩れ防止装置の部品点数が多くなってその構成が複雑となっている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、荷崩れ防止装置を用いての荷物群の結束作業が容易にできるようにし、かつ、この結束作業の容易化が簡単な構成で達成できるようにすることである。
【0012】
請求項1の発明は、集積された荷物3群に巻回してこの荷物3群を結束可能とする荷崩れ防止装置において、
長手方向Aの中途部が上記荷物3群の上面に載置可能とされ、上記長手方向Aの一端部6a側および他端部6b側が上記荷物3群の前、後面に対面可能とされる第1帯状体6と、この第1帯状体6の一端部6a側と他端部6b側とからそれぞれ上記長手方向Aへの直交方向B、かつ、この直交方向Bで互いに逆方向に向かって延出する第2、第3帯状体7,8と、上記第2帯状体7の延出端部7a側を上記第1帯状体6の他端部6b側に連結可能とする第1連結具11,11´と、上記第3帯状体8の延出端部8a側を上記第1帯状体6の一端部6a側に連結可能とする第2連結具12,12´とを備えたことを特徴とする荷崩れ防止装置である。
【0013】
請求項2の発明は、図4に例示するように、上記第1帯状体6の一端部6a側および他端部6b側における長手方向Aの任意位置に対し、上記第2、第3帯状体7,8の基端部側が第3、第4連結具15,15´,16,16´により連結可能とされたことを特徴とする請求項1に記載の荷崩れ防止装置である。
【0014】
請求項3の発明は、上記第2、第3帯状体7,8が、上記第1帯状体6の長手方向Aで、その中央部6cから互いに等位置に配置されたことを特徴とする請求項1、もしくは2に記載の荷崩れ防止装置である。
【0015】
請求項4の発明は、上記第2、第3帯状体7,8の各質量が互いに同様であることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1つに記載の荷崩れ防止装置である。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1に記載の荷崩れ防止装置を用いた荷物群の結束方法であって、
まず、第1工程として、上記第1帯状体6の長手方向Aの中途部を上記荷物3群の上面に載置し、上記第1帯状体6の長手方向Aの一端部6a側と他端部6b側とを垂下させて上記荷物3群の前、後面に対面させ、次に、第2工程として、図2中二点鎖線で示すように、上記第2帯状体7を上記荷物3群の左右側面のうちの一側面(右側面)を巻回させて、その延出端部7a側を上記第1帯状体6の他端部6b側に上記第1連結具11,11´により連結し(図3)、次に、第3工程として、図2中三点鎖線で示すように、上記第3帯状体8を上記荷物3群の他側面(左側面)を巻回させて、その延出端部8a側を上記第1帯状体6の一端部6a側に上記第2連結具12,12´により連結する(図3)ようにしたことを特徴とする荷物群の結束方法である。
【0017】
なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
【発明の効果】
【0018】
本発明による効果は、次の如くである。
【0019】
請求項1の発明は、集積された荷物群に巻回してこの荷物群を結束可能とする荷崩れ防止装置において、
長手方向の中途部が上記荷物群の上面に載置可能とされ、上記長手方向の一端部側および他端部側が上記荷物群の前、後面に対面可能とされる第1帯状体と、この第1帯状体の一端部側と他端部側とからそれぞれ上記長手方向への直交方向、かつ、この直交方向で互いに逆方向に向かって延出する第2、第3帯状体と、上記第2帯状体の延出端部側を上記第1帯状体の他端部側に連結可能とする第1連結具と、上記第3帯状体の延出端部側を上記第1帯状体の一端部側に連結可能とする第2連結具とを備えている。
【0020】
このため、上記発明の荷崩れ防止装置を用いて荷物群の結束作業をする場合には、次のようにすることができる。
【0021】
即ち、まず、第1工程として、上記第1帯状体の長手方向の中途部を上記荷物群の上面に載置し、上記第1帯状体の長手方向の一端部側と他端部側とをそれぞれ垂下させて上記荷物群の前、後面に対面させる。次に、第2工程として、上記第2帯状体を上記荷物群の左右側面のうちの一側面を巻回させて、その延出端部側を上記第1帯状体の他端部側に上記第1連結具により連結する。次に、第3工程として、上記第3帯状体を上記荷物群の他側面を巻回させ、かつ、上記第2帯状体の基端部側と第3帯状体の延出端部側とを引張してこれら第2、第3帯状体に引張力を与えることにより、上記荷物群の前、後面および左、右側面に圧接させ、この状態で、上記第3帯状体の延出端部側を上記第1帯状体の一端部側に上記第2連結具により連結する。すると、上記荷崩れ防止装置により上記荷物群が結束されて、この結束作業が終る。
【0022】
そして、上記第1工程では、上記第1帯状体の長手方向の中途部が荷物群の上面に載置された状態が維持され、自由にずれ落ちることは防止される。また、第2、第3工程では、上記第2、第3帯状体は、上記のようにずれ落ちることが防止された第1帯状体によって吊り下げられた状態に維持される。よって、上記第1〜第3工程は一人の作業者でも円滑にすることができて、上記結束作業は容易にできる。
【0023】
また、上記した結束作業の容易化は、上記第1〜第3帯状体同士の組み付け構造によるものであって、前記第2の従来の技術のような柱材は設けなくて足りる。よって、その分、上記結束作業の容易化は、簡単な構成で達成できる。
【0024】
請求項2の発明は、上記第1帯状体の一端部側および他端部側における長手方向の任意位置に対し、上記第2、第3帯状体の基端部側が第3、第4連結具により連結可能とされたことを特徴とする請求項1に記載の荷崩れ防止装置ている。
【0025】
このため、複数の荷物群同士の間に高さ等寸法についての相違があるとしても、これら各寸法にそれぞれ適するよう上記第1帯状体の一端部側や他端部側のそれぞれ長手方向における所望位置に上記第2、第3帯状体の基端部側を連結してやれば、上記したように荷物群の寸法が種々相違するとしても、これらにそれぞれ所望の結束状態を得ることができる。
【0026】
請求項3の発明は、上記第2、第3帯状体が、上記第1帯状体の長手方向で、その中央部から互いに等位置に配置されている。
【0027】
このため、前記第2、第3工程において、上記第1帯状体の一端部には上記第2帯状体の自重による負荷が与えられ、上記第1帯状体の他端部には上記第3帯状体の自重による負荷が与えられるが、これら各負荷を互いに均等にさせることは、上記第1帯状体の上記中央部を単に上記荷物群の上面の中央部に位置させることによって容易にすることができる。よって、上記各負荷により上記第1帯状体が上記荷物群の上面からずれ落ちることは、より確実に防止されて、上記結束作業がより容易にできる。
【0028】
請求項4の発明は、上記第2、第3帯状体の各質量が互いに同様とされている。
【0029】
このため、前記第2、第3工程において、上記第1帯状体の一端部には上記第2帯状体の自重による負荷が与えられ、上記第1帯状体の他端部には上記第3帯状体の自重による負荷が与えられるが、これら各負荷を互いに均等にさせることはより容易にできる。よって、これら負荷により上記第1帯状体が上記荷物群の上面からずれ落ちることは、更に確実に防止されて、上記結束作業が更に容易にできる。
【0030】
請求項5の発明の効果は、前記請求項1の発明のものと同様である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】実施例1を示し、荷崩れ防止装置を展開した斜視図である。
図2】実施例1を示し、荷崩れ防止装置を用いての結束作業を示す斜視図である。
図3】実施例1を示し、荷崩れ防止装置により荷物群を結束した斜視図である。
図4】実施例2を示し、図1に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の荷崩れ防止装置、およびそれを用いた荷物群の結束方法に関し、荷崩れ防止装置を用いての荷物群の結束作業が容易にできるようにし、かつ、この結束作業の容易化が簡単な構成で達成できるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための形態は、次の如くである。
【0033】
即ち、集積された荷物群に巻回してこの荷物群を結束可能とする荷崩れ防止装置は、長手方向の中途部が上記荷物群の上面に載置可能とされ、上記長手方向の一端部側および他端部側が上記荷物群の前、後面に対面可能とされる第1帯状体と、この第1帯状体の一端部側と他端部側とからそれぞれ上記長手方向への直交方向、かつ、この直交方向で互いに逆方向に向かって延出する第2、第3帯状体と、上記第2帯状体の延出端部側を上記第1帯状体の他端部側に連結可能とする第1連結具と、上記第3帯状体の延出端部側を上記第1帯状体の一端部側に連結可能とする第2連結具とを備えている。
【実施例1】
【0034】
本発明をより詳細に説明するために、その実施例1を添付の図1〜3に従って説明する。
【0035】
図1において、符号1は、パレット2上に集積された荷物3群に巻回してこの荷物3群を結束可能とする荷崩れ防止装置である。なお、説明の便宜上、矢印Frの水平方向を前方とし、この前方に向かっての水平方向を左右として、以下説明する。
【0036】
上記各荷物3は直方体形状をなし、荷物3群も全体として直方体形状となるよう集積されている。
【0037】
上記荷崩れ防止装置1は、長手方向Aの中途部が上記荷物3群の上面に載置可能とされ、上記長手方向Aの一端部6a側および他端部6b側が上記荷物3群の前後面に体面可能とされる第1帯状体6と、この第1帯状体6の一端部6a側と他端部6b側とからそれぞれ上記長手方向Aへの直交方向B、かつ、この直交方向Bで互いに逆方向に向かって延出する第2、第3帯状体7,8と、上記第2帯状体7の延出端部7a側を上記第1帯状体6の他端部6b側に連結、離脱可能とする第1連結具11,11´と、上記第3帯状体8の延出端部8a側を上記第1帯状体6の一端部6a側に連結、離脱可能とする第2連結具12,12´とを備えている。
【0038】
上記第1〜第3帯状体6〜8は、その長手方向の各部断面が互いに同形同大とされ、全体として可撓性を有している。これら各帯状体6〜8は、ケナフ繊維等の天然繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維等により形成される織物である基材と、この基材の表裏の各外面に被覆(コーティング)されるポリ塩化ビニル(PVC)やエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)など熱可塑性樹脂材製、もしくはクロロプレンゴム(CR)などゴム製の外面材(コーティング材)とを備えているが、集積した荷物3群によっては、上記繊維織物のみからなる帯状体や、上記熱可塑性樹脂またはゴムのみからなる帯状体としてもよい。
【0039】
なお、上記第1〜第3帯状体6〜8は、これらを個別に形成し、その後、これらを溶着や縫合することにより互いに組み付けて上記荷崩れ防止装置1を形成してもよい。
【0040】
上記第1、第2連結具11,11´,12,12´は、公知の面ファスナーで構成され、対象となる両部材の一方の部材に面ファスナーの係止側が取り付けられ、他方の部材に上記係止側と係脱可能とされる被係止側が取り付けられる。
【0041】
なお、上記第1、第2連結具11,11´,12,12´は、弾性的に連結、離脱可能とされるフック等で構成してもよい。
【0042】
図2,3を参照して、上記構成の荷崩れ防止装置1を用いて荷物3群の結束作業をする場合には、次のようにすることができる。
【0043】
即ち、まず、第1工程として、図2で示すように、上記第1帯状体6の長手方向Aの中途部を上記荷物3群の上面に載置し、上記第1帯状体6の長手方向Aの一端部6a側と他端部6b側とをそれぞれ垂下させて上記荷物3群の前、後面に対面させる。次に、第2工程として、図2中二点鎖線で示すように、上記第2帯状体7を上記荷物3群の左右側面のうちの一側面(右側面)を巻回させて、その延出端部7a側を上記第1帯状体6の他端部6b側に上記第1連結具11,11´により連結する(図3)。
【0044】
次に、第3工程として、図2中三点鎖線で示すように、上記第3帯状体8を上記荷物3群の他側面(左側面)を巻回させ、かつ、上記第2帯状体7の基端部側と第3帯状体8の延出端部8a側とを引張してこれら第2、第3帯状体7,8に引張力を与えることにより、上記荷物3群の前、後面および左、右側面に圧接させ、この状態で、上記第3帯状体8の延出端部8a側を上記第1帯状体6の一端部6a側に上記第2連結具12,12´により連結する(図3)。すると、上記荷崩れ防止装置1により上記荷物3群が結束されて、この結束作業が終る(図3)。
【0045】
そして、図2で示すように、上記第1工程では、上記第1帯状体6の長手方向Aの中途部が荷物3群の上面に載置された状態が維持され、自由にずれ落ちることは防止される。また、第2、第3工程では、上記第2、第3帯状体7,8は、上記のようにずれ落ちることが防止された第1帯状体6によって吊り下げられた状態に維持される。よって、上記第1〜第3工程は一人の作業者により円滑にすることができて、上記結束作業は容易にできる。
【0046】
また、上記した結束作業の容易化は、上記第1〜第3帯状体6〜8同士の組み付け構造によるものであって、前記第2の従来の技術のような柱材は設けなくて足りる。よって、その分、上記結束作業の容易化は、簡単な構成で達成できる。
【0047】
また、上記構成において、上記第2、第3帯状体7,8が、上記第1帯状体6の長手方向Aで、その中央部6cから互いに等位置に配置されている。
【0048】
このため、前記第2、第3工程において、上記第1帯状体6の一端部6aには上記第2帯状体7の自重による負荷が与えられ、上記第1帯状体6の他端部6bには上記第3帯状体8の自重による負荷が与えられるが、これら各負荷を互いに均等にさせることは、上記第1帯状体6の上記中央部6cを単に上記荷物3群の上面の中央部に位置させることによって容易にすることができる。よって、上記各負荷により上記第1帯状体6が上記荷物3群の上面からずれ落ちることは、より確実に防止されて、上記結束作業がより容易にできる。
【0049】
また、上記構成において、上記第2、第3帯状体7,8の各質量が互いに同様とされている。
【0050】
このため、前記第2、第3工程において、上記第1帯状体6の一端部6aには上記第2帯状体7の自重による負荷が与えられ、上記第1帯状体6の他端部6bには上記第3帯状体8の自重による負荷が与えられるが、これら各負荷を互いに均等にさせることはより容易にできる。よって、これら負荷により上記第1帯状体6が上記荷物3群の上面からずれ落ちることは、更に確実に防止されて、上記結束作業が更に容易にできる。
【0051】
以下の図4は、実施例2を示している。この実施例2は、前記実施例1と構成、作用効果において多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。また、これら実施例における各部分の構成を、本発明の目的、作用効果に照らして種々組み合せてもよい。
【実施例2】
【0052】
本発明をより詳細に説明するために、その実施例2を添付の図4に従って説明する。
【0053】
図4において、上記第1帯状体6の一端部6a側および他端部6b側における長手方向Aの任意位置に対し、上記第2、第3帯状体7,8の各基端部側がそれぞれ第3、第4連結具15,15´,16,16´により連結、離脱可能とされている。
【0054】
上記の場合、第1連結具11,11´は、第1帯状体6の他端部6b側に対し第3帯状体8の基端部側を介し上記第2帯状体7の延出端部7a側を連結可能としている。また、第2連結具12,12´は、第1帯状体6の一端部6a側に対し第2帯状体7の基端部側を介し上記第3帯状体8の延出端部8a側を連結可能にしている。
【0055】
上記構成によれば、複数の荷物3群同士の間に高さ等寸法についての相違があるとしても、これら各寸法にそれぞれ適するよう上記第1帯状体6の一端部6a側や他端部6b側のそれぞれ長手方向Aにおける所望位置に上記第2、第3帯状体7,8の基端部側を連結してやれば、上記したように荷物3群の寸法が種々相違するとしても、これらにそれぞれ所望の結束状態を得ることができる。
【符号の説明】
【0056】
1 荷崩れ防止装置
2 パレット
3 荷物
6 第1帯状体
6a 一端部
6b 他端部
6c 中央部
7 第2帯状体
7a 延出端部
8 第3帯状体
8a 延出端部
11,11´ 第1連結具
12,12´ 第2連結具
15、15´ 第3連結具
16,16´ 第4連結具
A 長手方向
B 直交方向
図1
図2
図3
図4