【実施例】
【0099】
実施例1
IL−28はインターフェロンの最新のクラス、インターフェロンラムダの一員であり、IL−28RアルファとIL−10Rベータから構成されるヘテロダイマーの受容体を有する。IL−10Rベータ鎖はIL−10受容体の一部でもあるので、標的受容体へのIL−10の結合の阻止を期待してワクチン接種試験にIL−28を採用した。
【0100】
プラスミドHIVGag構築物と一緒にプラスミドIL−28を含むことは、プラスミドがGagプラスミドのみである組成物で免疫化したマウスに比べると、マウスの脾細胞のインターフェロンガンマの応答を有意に増強した。空のベクター(pVAX)、複数クレードHIVGag構築物(HIVGag−クエン酸ナトリウムとブピバカイン水溶液30μL中10μgのプラスミドHIVGag)又はIL−28プラスミドを伴ったHIVGag構築物(HIVGagIL−28−クエン酸ナトリウムとブピバカイン水溶液30μL中プラスミドHIVGagDNA10μg+プラスミドIL−28DNA5μg)によってマウスを免疫化した。
図1のデータに示すように、IL−28は、HIVGagのみに比べて7倍を超えてELISpotの数を増やした。
【0101】
また驚くべきことに、フローサイトメトリーを用いた脾細胞の解析は、IL−28が脾臓のCD8T細胞を増やすことを示唆した。上記のようにマウスを免疫化し、フローサイトメトリーによってCD8T細胞の比率を解析した。
図2のデータに示すように、IL−28の添加は、pVAXのみで免疫化したマウスを4.72%超えてCD8T細胞の比率を高め、それは、CD8全体の約20%の増加を説明する。HIVGag構築物のみで免疫化したマウスは、pVAXのマウスを0.48%超えるのみの増加を示したにすぎず、それはCD8全体の約2%の増加を説明する(白棒はpVAX対照を超えたCD8の%増加を示す)。
【0102】
従って、ワクチン接種にアジュバントとしてインターフェロンを用いる以前の試みが期待はずれの結果を有した一方で、本明細書の結果はIL−28がワクチン接種、特にDNAワクチンの接種で有効なアジュバントであることを示している。
【0103】
実施例2
1)HIVGag構築物(HIVGag−クエン酸ナトリウムとブピバカイン水溶液30μL中10μgのプラスミドHIVGag)、又は2)IL−28プラスミドを伴ったHIVGag構築物(HIVGagIL−28−クエン酸ナトリウムとブピバカイン水溶液30μL中プラスミドHIVGagDNA10μg+プラスミドIL−28DNA3μg)、又は3)IL−28タンパク質を伴ったHIVGag構築物(HIVGag−クエン酸ナトリウムとブピバカイン水溶液30μL中10μgのプラスミドHIVGagプラス40ngのIL−28タンパク質)、又は4)インターフェロンγタンパク質を伴ったHIVGag構築物(HIVGag−クエン酸ナトリウムとブピバカイン水溶液30μL中10μgのプラスミドHIVGagプラス40ngのインターフェロンγタンパク質)によってマウスを免疫化した。
【0104】
ELISpotを用いて、プラスミドIL−28を与えたマウスは、HIVGagのみと比べて高い抗Gag免疫応答を示した。IL−28タンパク質もインターフェロンγタンパク質もHIVGagのみと比べて抗Gag免疫応答を高めなかった。
【0105】
実施例3
IL−28B(IFNλ3)はDNAワクチン接種のマウスでの試験で強力なアジュバントとして使用されると示唆されたが、抗原特異的な免疫応答を増強することに関するその有効性は大きな動物、たとえば、非ヒト霊長類では研究されていない。我々は、コドンとRNAを最適化させたアカゲザルIL−28Bを、この動物での免疫アジュバントとしてHIV抗原に対するワクチン接種試験で調べることを望んだ。この方法におけるアジュバントプラスミドの最適化は、コードされた遺伝子の発現を高め、得られたRNAの構造を安定化させるだけでなく、宿主ゲノムへの統合の可能性を低減し、遺伝子内にコードされている可能性があるミクロRNAを排除して結果的に高い安全性特性を生じる。サルIL−28B(macIL−28)の発現の解析は、macIL−28又は空のベクターによる横紋筋肉腫(RD)細胞株の試験管内形質移入を介して行った。空のベクターではなく、macIL−28を形質移入した細胞から回収した上清は、ELISAでアッセイした際、形質移入後48時間で存在する多量のサルIL−28を示し、高度のプラスミド発現を示唆した(
図3)。
【0106】
試験管内で高度の発現を見て、我々は、アカゲザルにおけるHIVPolに対する免疫処方計画にmacIL−28Bを加えることを決定した。IL−28Bの添加は、2回の免疫の後、ELISpotで測定した場合、HIVPol特異的なIFNγの放出にて約3倍の増加をもたらす(
図4)。これらのデータは、macIL−28BプラスミドはIL−28Bを高いレベルで発現する新規の方法であり、DNAワクチン接種の非ヒト霊長類モデルにて有効な免疫アジュバントとして使用できることを示唆している。
【0107】
実施例4
免疫応答の有効性を改善することは、生命にかかわる病原体に対するワクチンに関する課題の中で最重要である。IL−28Bは、サイトカインの新規に記載されたインターフェロンラムダ(IFNλ)ファミリーに属するが、適応免疫応答に影響を及ぼす、又はワクチンのアジュバントとして作用するその潜在的能力については未だ評価されていない。我々は、DNAワクチン接種の間、複数クレードのコンセンサスHIVGagプラスミドに対する免疫応答を後押しする能力についてIL−28をコードするプラスミドをIL−12のそれと比較した。我々はここで、IL−12と同様にIL−28Bも適応免疫を確実に高めることが可能であることを示す。さらに、我々は、IL−28BがDNAワクチン接種の間、どのように制御性T細胞集団を減らし、一方でIL−12がこの細胞サブセットを増やすのかを初めて記載する。我々はまた、IL−12とは異なって、IL−28Bはワクチン接種された動物で脾臓CD8
+T細胞の比率を高めることができ、アジュバントとしてIL−12を与えた動物から得た細胞と比べると、これらの細胞は顆粒性が高く、高い抗原特異的な細胞溶解性の脱顆粒を有することも示す。最後に我々は、IL−28Bが致死的なインフルエンザ抗原投与後の死亡から100%の保護を誘導できることを報告する。これらのデータは、IL−28Bがワクチン又は免疫療法のプロトコールのさらなる検討にとって強い候補であることを示唆している。
【0108】
序論
免疫系とその構成要素の包括的な理解を有することは、感染の間の宿主−病原体の相互作用の理解にとってだけでなく、ワクチンの開発と設計の背景でも重要である。免疫関連のシグナル伝達化合物、たとえば、サイトカインに関して、ワクチン接種試験は、これらの分子がどのように抗原特異的な免疫応答に影響を及ぼすのかを検討する手段を我々に与え得る。
【0109】
DNAワクチン接種は、生体内で抗原特異的な免疫応答を誘導する安全で且つ有効な方法であり
1〜3、免疫モジュレータの導入に役立つ。DNAワクチン接種の基本骨格にサイトカインをコードするプラスミドを容易に添加する能力によって、ワクチンのアジュバントとしての潜在的価値を決定することと同様にサイトカインがどのように適応免疫応答に影響するのかを同時に評価することが可能になる。さらに、最適化されたDNAの処方による非ヒト霊長類の最近のデータは、さらに有望な免疫特性を示しつつある。これらの励みになる結果に改良を加えることが重要な目標である。
【0110】
インターフェロンラムダファミリーは、最近発見された3つのサイトカイン、IL−29とIL−28AとIL−28B(それぞれIFNλ1、2及び3)から成る
4〜7。3つのサイトカインはすべて試験管内でウイルス感染に応答して発現し、主として樹状細胞及びマクロファージから分泌される
4〜7。さらに、これらサイトカインによる細胞の処理が、IL−28受容体を介したSTAT、IRF及びISGFの活性化によって培養におけるウイルスの複製を阻害する抗ウイルス状態を誘導できるという事実により3つのサイトカインはすべてインターフェロンとして分類されている
4〜7。受容体の発現が、Tリンパ球を始めとして種々の白血球で示されているが
8、抗原特異的な適応免疫応答を方向付けるIL−28の相対的な能力はこの点で広範には検討されていない。
【0111】
この試験では、我々は、DNAワクチン接種の背景でアジュバントとして作用するIL−28Bの能力を分析し、免疫応答を増強するその能力を、強力な且つ最良の確立されたDNA免疫アジュバントである
9〜13IL−12のそれと比較した。そうすることで、我々は未だ検討されていない、抗原特異的な適応免疫応答に対するIL−28Bの影響を特徴付けた。IL−28B又はIL−12をコードするプラスミドを含むことは、IFNγのELISpot及びフローサイトメトリーによるパーフォリンの検出によって測定した場合、抗原のみによるワクチン接種を超えて高い抗原特異的な細胞性の免疫応答をもたらす。IL−12ではなくIL−28Bはさらに、抗原特異的IgG2a、抗原特異的細胞溶解性脱顆粒及び脾臓に見られるCD8
+T細胞の比率を増やすことができた。さらに、我々は、IL−28Bアジュバントがワクチン接種した動物の脾臓で見られるCD4
+/CD25
hi/FoxP3
+(Treg)細胞の数を減らす一方で、IL−12はこの集団の大きさを増やすことを見い出した。最後に我々はここで、マウスにおけるワクチン接種のアジュバントとして使用したとき、IL−28Bは、致死的なインフルエンザ抗原投与後の死から100%の保護を結果的に生じるように免疫応答を増強することができることを示す。この試験は、IL−28Bが生体内での細胞性免疫の有効なアジュバントとして作用することを示し、DNAワクチン接種後のTreg集団に対するIL−28BとIL−12の差次的効力を初めて記載する。これは、生体内で適応免疫応答を方向付けるIL−28Bの能力の最初の主な分析を構成する。
【0112】
材料及び方法
プラスミド:マウスのp35とp40のタンパク質をコードするIL−12プラスミドは記載されている
11,14。マウスのIL−28Bは、遺伝子の5’末端に付加された効率の高いリーダー配列を有し、合成されたが、コドンを最適化し、続いてGeneArt(ドイツ、レネンスベルグ)によりpVAX1の基幹にサブクローニングした。HIV−1Gag(Gag4Y)を発現するプラスミドは以前記載された
15ように調製した。
【0113】
動物:動物はすべてペンシルベニア大学の温度制御した光周期のある施設に収容し、その世話は、米国国立衛生研究所とペンシルベニア大学の指針のもとにあった。動物実験はすべて、動物の世話に関する国家と施設の指針に従って実施し、ペンシルベニア大学の施設内倫理委員会によって認可された。
【0114】
マウスの免疫:8週齢のメスBALB/cマウス(ジャクソンラボラトリー)の大腿四頭筋に2週間離して2回注射し、CELLECTRA(登録商標)適合定電流装置(テキサス州、ザウッドランドのVGXファーマシューティカルズ)を用いて以前記載された
16ように電気穿孔を行った。マウスにおける実験については、10μgのpVAX1又は10μgのHIV−1Gag(Gag4Y)又はインフルエンザNP(NP)のいずれかのみで、又は実験によって種々の量のマウスIL−12又はマウスIL−28Bのプラスミドと共に動物(群当たりn=4又は8)を免疫化した。種々の遺伝子プラスミドの同時投与には、等張クエン酸緩衝液における0.25%の塩酸ブピバカイン(シグマ)に最終体積30μLで注入する前に指定されたDNAを混合することが含まれる。
【0115】
ELISpot:IFNγとIL−4のELISpotを実施して免疫化したマウスからの抗原特異的なサイトカインの分泌を測定した。ELISpotは、96穴プレート(ミリポア)を用い、製造元のプロトコール(R&Dシステムズ)によって実行した。免疫化したマウスからの2×10
5個の脾細胞をプレートの各ウェルに加え、R10(陰性対照)、コンカナバリンA(陽性対照)、又は特異的ペプチド(HIV−1がg)抗原(10μg/mL)の存在下で37℃、5%CO
2にて刺激した。タンパク質全体に及び、11のアミノ酸が重なり合うHIV−1のコンセンサスGagクレードC15量体ペプチドはAIDS試薬と参照リポジトリ(メリーランド州、フレデリック)から獲得した。
【0116】
細胞培養及びフローサイトメトリー用の染色:免疫化したマウスから回収した脾細胞を洗浄し、次いで最終濃度10
7細胞/mLでR10培地に再浮遊させた。100μLの体積で細胞を96穴プレートに播き、追加の100μLの培地のみ、HIV−1のGagコンセンサスクレードCを含有する培地又はPMAとイオノマイシン(陽性対照)を含有する培地を加え、プレートを37℃に置いた。脱顆粒を測定するのに使用される培養では、このとき増強染色剤として抗CD107aPEを加えた。細胞内のパーフォリンのレベルを測定するのに使用する培養にはこの抗体を与えなかった。これらの培養について、培地、ペプチド又はPMA/イオノマイシンの添加後10分にMg
2+とEGTAをそれぞれ最終濃度6mMと8mMで培養に加え、カルシウム依存性の細胞溶解性の脱顆粒を阻害した
17。培養はすべて37℃にて6時間インキュベートした。このインキュベーション時間の最後に、プレートを遠心し、PBSで2回洗浄した。次いで生存率についてのバイオレット染料(LIVE/DEADバイオレット生存率染料、インビトロゲン)で細胞を37℃にて10分間染色した。上記のようにPBSで洗浄した後、4℃にて抗CD4PerCPCy5.5(BDバイオサイエンス)と抗CD8APCCy7(BDバイオサイエンス)によって細胞を外的に染色し、次いで固定と透過化を行った。抗CD3PE−Cy5(BDバイオサイエンス)と抗パーフォリンAPC(eバイオサイエンス)を加え、細胞を再び4℃にてインキュベートした。最後に細胞をPBSで洗浄し、最終濃度1%のPFAで固定した。CD4
+/CD25
hi/FoxP3
+細胞を含むフローサイトメトリーについては、マウス制御性T細胞染色キット(eバイオサイエンス)を採用した。外部染色は上記のように抗CD4FITCと抗CD25APCによって行った。固定、透過化及び内部染色は、抗FoxP3PEを用いて上記のように行った。
【0117】
インフルエンザ抗原の投与:免疫後28日に、30μLのPBS中の10LD50のA/プエルトリコ/8/34を麻酔したマウスに鼻内接種した。抗原投与のマウス群はすべて群当たり8匹のマウスで構成された。抗原投与後、臨床的兆候と死亡率を毎日14日間記録した。
【0118】
統計学:データは、少なくとも3つの独立した実験から回収したデータから算出した平均値±平均値の標準誤差(SE)として表す。適宜、対応のあるスチューデントのt検定を用いて免疫群間の統計的差異を評価し、各実験群について具体的なp値を得た。p値<0.05となる試料間の比較を統計学的に差異があるので有意であるとみなした。
【0119】
結果
マウスのIL−12及びIL−28Bをコードするプラスミドはタンパク質を発現し、分泌する
種々のウイルス病原体に対するワクチン接種についての新規の且つ改善されたアジュバントの発見に対する絶え間ないニーズがある。過去において、IL−12はワクチン接種の試験に採用されると強力なアジュバントであることが示されてきた
9〜13。IL−28Bはこの目的で使用されたことはない。抗原特異的な免疫応答を増強するこれらサイトカインの相対的な能力を比較するために、我々はDNAワクチン接種試験で使用するためにマウスIL−12
11とマウスIL−28Bをコードするプラスミドを構築した(
図5A及び5B)。これら構築物がIL−12及びIL−28Bを発現するかどうかを確認するために、我々は、3μgのプラスミドによるHEK293T細胞への形質移入を介してそれらを試験管内で調べた。その後、細胞を溶解し、溶解物をウエスタンブロットに使用してタンパク質の発現について調べた。マウスIL−12p40とマウスIL−28Bのタンパク質についてのブロットは、双方の構築物が試験管内で上手く発現されることを示している(
図6A)。細胞外環境へのサイトカインの分泌を調べるために、形質移入後48時間で細胞上清を得た。形質移入した細胞の培養上清から活性のあるIL−12p35/p40へテロダイマー及びIL−28Bタンパク質を検出するELISAを行った。
図6Bに示すように、IL−12及びIL−28Bは双方とも、形質移入した培養上清にておおまかに10,000pg/mLの濃度で存在することが認められた。形質移入した細胞からの双方のサイトカインの発現と放出を確認して、我々は、これらのサイトカインの抗原特異的な免疫応答のアジュバントになる能力を調べるワクチン接種に取り掛かった。
【0120】
IL−28Bはワクチン接種後のHIVGag特異的IFNγ放出のアジュバントになる
IL−28Bが免疫アジュバントとして機能する能力を有するのか有さないのかを判定するために、我々は我々の標的抗原としての複数クレードのコンセンサスHIV−1Gagタンパク質(Gag4Y)をコードするプラスミドとの組み合わせでDNAワクチン接種試験にそれを用いた。IL−28Bのアジュバント効力の有効性を比較する目安を有するために、我々は、非常に強力な免疫アジュバント効力を有することが以前から示されているという事実のためにワクチン接種でアジュバントとして頻繁に採用されるサイトカインであるIL−12
9〜13とそれを比較した。その目的で、10μgの空のpVAXベクター(対照)又は10μgのHIVGag4Y構築物のみによって右後の大腿四頭筋にて筋肉内で8週齢のBALB/cマウスの群(群当たりn=4)を免疫化し、次いで電気穿孔を行った。追加の群に様々な用量のIL−28B又はIL−12と組み合わせた10μgのHIVGag4Yを与え、その後電気穿孔を行った。IFNγのELISpotアッセイの結果は、Gag4Yのみによる免疫がマウスにおいて細胞性の免疫応答を誘導することができた(100万個の脾細胞当たり約400SFU)が、IL−28Bの包含は、調べたすべての用量でGag特異的なIFNγの放出をさらに数倍高めることができたことを示している(
図7A)。IL−28Bの最適なアジュバント効力(Gag4Yのみを3〜4倍上回る)は7〜9μgの範囲に見られ(
図7A)、さらなる実験におけるこの用量の使用に我々を導いた。IL−12も、IL−28Bの用量と同じ範囲でちょうど3倍このアッセイでGag特異的なIFNγの放出を高めた(
図7A)。各アッセイの解析は、応答にはCD8
+T細胞が優勢に介在し(応答全体の>85%)、ワクチン接種の間アジュバントの存在又は非存在によってこの特性は影響されないことを示した(データは示さず)。これらの結果は、IL−28Bは、実際、ワクチン接種の間、抗原特異的な免疫応答を増強するのに使用することができることを示唆し、確立された強力な免疫アジュバントであるIL−12で見られたものに匹敵するか、それを超えるIFNγの放出における増加を伴った。
【0121】
IL−28BがTh1に関連するIFNγの放出の増加を介して細胞性免疫応答を高めるのに使用できたことを確認して、我々は次にこのアジュバントが原型的なTh2サイトカインの放出に影響を及ぼすことができるかどうかを判定することを試みた。従って、我々は、IL−28BがどのようにこのTh2関連のサイトカインの放出に影響するのかを観察するために上記と同様にIL−4のELISpotを採用した。興味深いことに、ワクチン接種にIL−12を含めることは結果的に調べたすべての用量で約200〜約600SFUに及ぶGag特異的なIL−4の放出の増加を生じた(
図7B)。IL−4のELISpotアッセイにおけるIL−12の最適な用量は結果的にIL−4のELISpotアッセイにて約400〜約450SFUを生じたが、IL−28を含めることはこの種の効力を示さなかった。代わりに、ワクチン接種にIL−28Bを含めることは結果的にHIVGag4Y構築物のみ(
図7B)に全く類似したIL−4の放出を生じ、IL−28Bは、それらの用量で高いIFNγ放出と同時にはIL−4の放出を高めないことを示唆している。従って、IL−28Bは、IFNγの放出(Th1関連の)を誘導するがIL−4の放出(Th2関連の)を誘導しないという点で、IL−12と比べた場合、ワクチン接種の間、さらに「純粋な」Th1関連のサイトカイン特性を誘導するとして考えられ得る。
【0122】
IL−12ではなくIL−28BがHIVGag特異的IgG2aを高める
ウイルス病原体に対する有効なワクチン接種は細胞性と液性の双方の免疫応答を必要とするので、我々は、ワクチン接種の間、アジュバントとして採用した場合、循環しているHIVGag特異的抗体のレベルを増強するIL−28B及びIL−12の相対的な能力を調べることを決定した。これを達成するために、我々は、抗原特異的ELISAにて免疫化したマウスから採取した血清を調べた。HIVGag4Y構築物と併せてIL−12又はIL−28Bを含めることは、結果として
図8に示すような顕著に異なる抗体反応を生じた。Gag特異的な総IgGに関しては、IL−28B構築物と一緒にGag4Y構築物による免疫は、調べた最低希釈(1:25)でのGag4Yのみによる免疫に比べて抗原特異的な抗体のレベルでは小さな増加をもたらしている(
図8A)。しかしながら、Gag4Yの免疫とともにIL−12を含めることは、抗原特異的なIgGを積極的に抑制し、対照(pVAX)マウスのそれに非常に類似する値を読み取った。IL−12のこの効力は、以前、DNAワクチン接種で報告されていた現象であり
14、この試験でも同様に支持されている。我々は次にIgG1とIgG2aを含むIgGの異なった亜型を調べ、免疫分極の追加の効果を判定した。IgG1アイソタイプはマウスにおいてTh2の偏りに関係し、IgG2aはTh1の偏りに関係する
18。アジュバントを含めることにかかわりなく、DNAワクチン接種は我々のアッセイではいずれの群でもGag特異的なIgG1抗体のレベルを上げるとは思えなかった(
図8B)。しかしながら、ワクチン接種にIL−28Bを含めることは、HIVGag4Yのみでワクチン接種したマウスの血清に比べて、IgG2aの2倍を超える増加をもたらす(
図8C)。さらに、対照(pVAX)群と比べてIL−12の群ではIgG2aの増加が見られなかったという事実によって証拠付けられるように、IL−12はこのアッセイで抗体反応を抑制し続けた。従って、IL−28BはTh1に強く偏って抗原特異的な液性の免疫応答を高めることができると思われ、それは、細胞性の免疫応答における効力に一致する(
図7A及び7B)。
【0123】
IL−28Bは脾臓のCD4
+/CD25
hi/FoxP3
+細胞を減らすが、IL−12はそれらを増やす
IL−28Bは新規に記載されたIFNλファミリーのメンバーなので、IFNλ3として知られる
18〜21。IFNλのそのほかのメンバーにはIL−28A(IFNλ2)及びIL−29(IFNλ1)が挙げられる
18〜21。以前の研究によって、IL−29は、IL−2への応答でCD25
hi/FoxP3
+CD4
+T細胞(Treg細胞)の増殖を特異的に誘導するように樹状細胞に働きかける可能性があるという点で免疫の抑制及び寛容で役割を担うことが示唆された
5。Treg細胞の誘導又は増殖は、特定の設定の範囲内ではワクチン接種戦略にとって不利な点であるとみなされうるが、CD4
+T細胞のこの亜集団に影響を及ぼすIL−28Bの能力は以前検討されていなかった。IL−28BはIL−29と同じIFNファミリーに入るので、我々はそれがTreg細胞集団に類似の効力を発揮しうる可能性に対処した。さらに、我々は、以前調べられていなかった、この種のワクチン接種に設定におけるTreg細胞に影響を及ぼすIL−2の能力も見てみた。
【0124】
フローサイトメトリーによってCD4、CD25及びFoxP3の発現を見ることによって(
図9A)、我々は免疫化したマウスにおけるTreg集団に対する、サイトカインの存在及び非存在下でのワクチン接種の影響を検討することができた。この解析の結果は、HIVGag4Y構築物のみによる免疫は、ワクチン接種したマウスの脾臓Tregの比率で小さいが統計的に有意な低下を生じたことを示している(
図10B)。この結果は、免疫後のTreg集団における類似の変化を記載している以前の報告に一致する
20。ワクチン接種にサイトカインアジュバントを含めることは、様々なやり方でTreg集団を劇的に変化させた。興味深いことに、免疫アジュバントとしてのIL−12の採用は、HIVGag4Y構築物のみによってワクチン接種したマウスに比べて免疫化したマウスにおける脾臓Tregの数を有意に増やした(
図9B)。この現象がワクチン接種の設定で報告されたのはこれが初めてであり、免疫についてのアジュバントとしてのIL−12の以前知られていない表現型を構成する可能性がある。また相当に興味があるのは、免疫アジュバントとしてIL−28Bをワクチン接種に含めることは、HIVGag4Y構築物のみによるワクチン接種に比べて脾臓Tregの数を統計的に有意に減らす原因になるという事実であった(
図9B)。IL−28Bのこの能力が記載されたのはこれが初めてであり、ワクチン接種のアジュバントとして使用される場合、それはサイトカインの有意な利益としてみなされうる。さらにそれは、同じIFNファミリーにいるが、IL−28BとIL−29の間には重要な差異がありうるという可能性を示唆している。
【0125】
IL−28Bを与えたマウスの脾細胞はTGFβをあまり分泌しない
我々は、IL−12又はIL−28Bをワクチン接種に含めることが、完全に機能的なT制御性細胞の増殖を誘導する代わりに、正常なCD4
+細胞をTregに見えるように表現型を変えつつあることが可能であると推論した。従って、これらの細胞が表現型上Tregに似ていることに加えてTregとして機能しているかどうかを判定するために、我々は、Tregを基にした非接触性の免疫抑制の主なメディエータの1つとして認識される
21TGFβを産生する能力をワクチン接種したマウスの脾細胞で測定した。これを達成するために、我々は、活性化細胞からのTGFβの放出を測定するために、PMA及びイオノマイシンとの組み合わせと共に各群のマウスの脾細胞を48時間培養した。この時間の最後に、細胞培養から上清を取り、ELISAを用いてTGFβを検出した。
図9Bに示すように、Gag4Yのみを与えたマウスに比べてIL−12をアジュバントとして与えたマウスから単離した脾細胞の活性化は結果としてTGFβ産生の統計的に有意な増加を生じた(
図9B)。この結果は、IL−12を与えたマウスとHIVGag4Yのみを与えたマウスの間でのフローサイトメトリーで認められたTregの数の差異はTregの集団を正しく特定していることを示唆している。さらに、アジュバントとしてIL−28Bを与えたマウスから単離した脾細胞は、PMAとイオノマイシンで活性化した場合、有意に少ないTGFβしか産生しなかった(
図9B)。このことは再び、HIVGag4Yのみを与えたマウスと比べてIL−28Bを与えたマウスにおけるTreg集団での差異を示唆するフローサイトメトリーのデータを支持している。
【0126】
IL−2はTregの誘導及び増殖に重要なサイトカインであるので
21、我々は、ワクチン接種した群間でのTreg集団の差異は、IL−2の差次的産生により得ると推論した。この可能性を調べるために、我々は再び各群から単離した活性化脾細胞からのサイトカインの放出を測定した。これらの細胞から産出されたIL−2の解析は、いずれの群間にも有意差がないことを示し、DNAワクチン接種後に見られるTreg集団における差異に関与する代替メカニズムがあることを示唆している。
【0127】
IL−12ではなくIL−28Bが脾臓のCD8
+T細胞を増やす
IL−28Bが脾臓のTregの量に影響を及ぼしうることを判定して、我々は、このアジュバントがワクチン接種後そのほかの細胞種に対して類似の効力を有するかどうかを検討することを決定した。その目的で、対照マウス及びワクチン接種したマウスからの脾細胞をフローサイトメトリーによってCD8T細胞(CD3
+/CD8
+)の存在について解析した。
図10Aに示すように、対照(pVAX)の脾臓におけるCD8T細胞の比率は、Gag4Y構築物のみ、又はIL−12アジュバントを伴ったGag4Y構築物を与えたマウスと有意に異なることはなかった。しかしながら、IL−28Bをアジュバントとして与えたマウスは、ほかの群すべてと比べて、脾臓における有意に高い比率のCD8T細胞を示したが、それはIL−28Bが免疫後、脾臓のCD8T細胞集団を増殖させる能力を有することを示唆している。IL−28Bのこの効力が脾臓に限定されているのか、ほかのリンパ系臓器や末梢血で見られうるのかどうかを判定するために、我々は次にマウスの各群からの循環PBMCと同様に腸間膜リンパ節(MLN)から単離したリンパ球を解析した。HIVGag4Y構築物のみで免疫化したマウスは対照のマウスと比べると、MLNで見い出されたCD8
+T細胞の数において小さいが統計的に有意な増加を示した。アジュバントとしてIL−12を与えたマウスは、Gag4Yのみを与えたマウスに比べてMLNでCD8
+T細胞の数の増加を示し、この増加は統計的に有意に達することができた(
図10A)。HIVGag4Yと併せてIL−28Bを与えたマウスは免疫の間、CD8
+T細胞の比率でやや高い増加を有したが、それは、印象的な統計的有意(p<0.005)に達した。末梢血から単離されたリンパ球は、IL−28Bアジュバントを与えた群ではCD8
+T細胞集団のみの増加を示したが、それは、脾臓において見られたパターンを彷彿させものである(
図10A)。これらの結果は、IL−12ではなくIL−28Bが免疫化したマウスの脾臓及び末梢血でCD8
+T細胞集団の大きさを高めるが、双方のアジュバントがMLNにおけるCD8
+T細胞を増やすことができることを示している。
【0128】
IL−28BはHIVGag特異的なCD8
+T細胞のパーフォリン誘導と脱顆粒を高める
IL−28Bがワクチン接種後、脾臓のCD8
+T細胞の比率において有意な影響を有すると判定して、我々は、この細胞のサブセットをさらに解析することを決定した。IL−12はCD8
+T細胞の顆粒性に影響を及ぼすことが以前から示されていた
19。我々の以前の実験は、IL−28BがIL−12に等しいがそれを超える細胞性免疫(IFNγの放出を介した)に対する強い影響を有している(
図7A)ことを示唆していたので、我々は、IL−28BがIL−12と同様に細胞の顆粒性に影響を及ぼすことができるかどうかを尋ねた。従って、我々は、各群のマウスの脾臓から単離したCD8
+T細胞におけるパーフォリンの抗原特異的誘導を測定する実験を設計した。抗原特異的なパーフォリンの上方制御の量を決定するために、我々は、培地対照と共に、又は一連の重なり合うHIVGagクレードCペプチドと共に単離脾細胞を6時間インキュベートし、その後、細胞性マーカー及びパーフォリンについて細胞外及び細胞内の染色を行い、次いでフローサイトメトリーによる解析を行った(
図10B)。細胞溶解性の脱顆粒を防ぐために、方法
17に記載したように、EGTAとMg
2+を培養に加えた。この刺激の結果は
図10Cに提示する。培地のみとインキュベートした群すべてからの脾細胞におけるCD8
+T細胞はおおまかに等量のパーフォリンの量を示し、そのことは、アジュバントの有無によるワクチン接種は、この系における基本となるCD8
+T細胞の顆粒性に有意な効力を有さないことを示唆している。重なり合うHIVGagペプチドによる脾細胞の刺激は異なる結果を示した。HIVGag4Y構築物のみで免疫化したマウスからの脾細胞におけるCD8
+T細胞は、対照マウスに比べてパーフォリン
hiのゲートに入る控えめな増加を示した。しかしながら、IL−12又はIL−23Bを与えたマウスから得たCD8
+T細胞は双方とも、Gar4Y構築物のみを与えたマウスから得たものよりも明らかに高いパーフォリン
hi細胞の比率での増加を示した(
図10C)。これらの結果は、IL−12がリンパ球のパーフォリン含量を高める可能性があるという以前の報告
22に一致し、この効力がIL−28Bで報告されたのは初めてである。
【0129】
IL−28BがCD8
+T細胞のパーフォリン含量に影響を及ぼすという知識と共に、我々はこのサイトカインアジュバントが同様に抗原特異的な脱顆粒に影響を及ぼし得るかどうかを調べた。これを調べるのに、我々は、EGTA又はMg
2+を培養に加えないという事実を除いてパーフォリン誘導を測定したのと同様に細胞をインキュベートし、脱顆粒のマーカーであるCD107aに対する抗体
23を代わりにペプチド刺激の時点で増強染色剤として加えた。細胞を再び細胞性マーカーの染色に供し、その後フローサイトメトリーによって解析した。我々は、Gag4Y構築物のみを与えたマウスからのCD8
+T細胞が低レベルのGag特異的な脱顆粒を示すことを認めた(
図10C)。HIVGag4Y構築物との組み合わせでIL−12を与えたマウスからのCD8
+T細胞は、Gag構築物のみを与えたマウスと比べて抗原特異的な脱顆粒で小幅な増加を示したが、この差異は統計的な有意には達しなかった。しかしながら、ワクチン接種におけるアジュバントとしてのIL−28Bを与えたマウスからのCD8
+T細胞は、アジュバントを与えなかったマウスから採取したT細胞に比べてHIVGag特異的な脱顆粒において有意な増加を示した(
図10C)。結果は、IL−28BがDNAワクチン接種でアジュバントとして用いられるとCD8
+T細胞の脱顆粒にてより大きい且つ統計的に有意な増加を招くことを示している。
【0130】
IL−28Bは生体内での致死的インフルエンザ抗原投与から保護する
細胞性の免疫応答に関する我々のアッセイは、IL−28BがTh1に偏った細胞性免疫に対して強いアジュバントとして作用する潜在力を有することを示唆したので、我々は、生体内での致死的なウイルス抗原の投与に対して保護するこのサイトカインの能力を調べることを決定した。これを達成するために、我々は上記と同様の方法で4セットの追加マウス(各群当たりn=8匹)を免疫化し、その後電気穿孔を行った。対照マウスには10μgの空のpVAXベクターを与えたが、ほかの群のマウスは、インフルエンザ核タンパク質(NP)をコードする10μgのプラスミドのみ、又はそれに加えてIL−12若しくはIL−28Bを与えた。インフルエンザの核タンパク質は内部構造のタンパク質であり、ビリオンの外側に暴露されていない。従って、NPタンパク質に対して標的とされるインフルエンザ感染に対する免疫は、液性免疫であると同時に細胞性免疫である
16。IFNγELISpotを介したワクチン接種したマウスの細胞性免疫の解析は、HIVGag4Y構築物に対する応答を増強したのとほぼ同じようにIL−12及びIL−28BのアジュバントはインフルエンザNP抗原に対して高い応答を誘導した(
図11A)。免疫後4週間の休息期間の後(
図11B)、H1N1インフルエンザ株:A/プエルトリコ8/34(A/PR/8/34)の10LD50を鼻内にてすべてのマウスに抗原投与した。ウイルス感染に関連した死亡率について次の14日間の経過にわたってマウスをモニターした。この実験の結果は、対照マウスの抗原投与は感染後8日目で結果的に100%の死亡率を生じたことを示している(
図11C)。10μgのNP構築物を与えたマウスが以後の14日間で50%の死亡率を示したということは、NP構築物のみでは保護を誘導するのに完全に十分ではないことを示唆している。IL−12は、抗原投与試験でアジュバントとして使用した場合、ウイルス感染に関連した死亡に対して十分な保護を誘導することができることが過去において示されている
13,14。NPに対するアジュバントとしてIL−12を与えたマウスが感染による死亡から100%の保護を示したという事実によって示されたように、現在の試験でもこれはそのとおりである。さらに、IL−28Bは強力な細胞性の免疫応答を誘導することができたことを示唆する我々の以前のアッセイに一致して、NPに対するアジュバントとしてIL−28Bを与えたマウスもウイルス抗原投与後100%の生存を示した。この実験の結果は、IL−28BがDNAワクチン接種の間にアジュバントとして使用されると生体内でのウイルス感染に伴った死亡から100%の保護を誘導し得ることを示している。
【0131】
考察
ここに提示した試験は、プラスミドにコードされたIL−28BがDNAワクチン接種でアジュバントとして使用された場合、抗原特異的な免疫応答に対して強力な効力を有し得ることを示している。IL−28Bは、Th1に偏って複数クレードHIVGag抗原に対する抗原特異的な免疫応答を増強することができたが、それは、ワクチン接種したマウスの血清で検出される高いレベルのGag特異的IgG2aと同様に抗原特異的なELISpotにおける大きく高められたIFNγの放出によって証拠付けられた。さらに、これは、DNAワクチン接種後の脾臓Treg集団を減らすIL−28Bの能力を記載する最初の記録である。IL−28Bはまたここで、脾臓CD8
+T細胞を増殖させることができることが示され、これらの細胞が同族の抗原に応答して高いパーフォリン誘導と脱顆粒を示すことが示された。IL−28Bが致死的なウイルス抗原投与においてマウスの保護を増強することができたという事実は、ワクチン接種におけるアジュバントとしてのこのサイトカインの継続した試験を強く主張する。
【0132】
IL−12はワクチン接種試験におけるアジュバントとして使用されることが多い高度に強力なサイトカインである
9〜13ことが知られているという事実のために、IL−28Bの影響をIL−12に対して測定した。この組み合わせの解析はIL−28Bが、それ以上ではなくても場合によっては少なくともIL−12と同じくらい強力であることを示している。さらに、IL−28Bは、抗原特異的な抗体力価の上昇と、高い程度の抗原特異的な細胞溶解性の脱顆粒か可能である脾臓CD8
+T細胞集団の増加を含む、IL−12にはない、ワクチン接種についての追加の利益を与えている。Treg集団に対するIL−28BとIL−12の効力は劇的に異なった。これは、DNAワクチン接種においてIL−12に応答したTregの誘導を分析し、このアジュバントがこの細胞集団を増やし得ることを報告する最初の試験である。この知見の影響は今のところ明らかではないが、この結果は、IL−28Bは細胞性免疫が最重要である特定の状況では優れうることを支持し得る。最近の報告は生体内でのTregの生成に対するIL−12受容体の重要性を強調しているが
24、IL−12を与えたマウスがさらに大きなTreg集団を有する具体的なメカニズムは不明のままであり、このサイトカインとTreg集団の誘導及び増殖との間の連鎖の可能性を示唆している。Tregメンバーを減らすIL−28Bの能力は、それがT細胞の一部のサブセット(CD8)を増やすことができる一方でほか(Treg)を減らすので、標的メカニズムである可能性が高いと思われる。具体的なメカニズムに対する追加の試験が必要とされるが、これもまたIL−28受容体が介在することが可能である。
【0133】
ここに提示した結果は、生体内でのIL−28Bの機能の重要な分析を含み、構成し、IL−28Bが免疫応答にどのように影響を及ぼすかということの我々の理解の始まりに寄与する。データは、IL−28BがIFN様の機能に加えて適応免疫応答のレギュレータであり得ることを示唆し、この効力はCD8
+T細胞の数と機能に大きく集中していると思われる。IL−28Bが抗原特異的免疫応答を方向付けることができることに加えて抗ウイルス状態を誘導するという事実は、それが天然の免疫と適応性の免疫との間のギャップを繋ぐ独特の能力を有することを示唆している。さらに、IL−28Bは、特定のアジュバント設定にてIL−12を超えた免疫療法のアプローチで独特の役割を有し得る。特に、寛容が特に問題である腫瘍免疫におけるアジュバントとして、IL−28Bが非常に有用であり得る。これを適切に検証するためにさらなる試験が必要である。
【0134】
参考文献
1. Greenland JR, Letvin NL. Chemical adjuvants for plasmid DNA vaccines. Vaccine. 2007;25:3731−3741.
2. Hokey DA, Weiner DB. DNA vaccines for HIV: challenges and opportunities. Springer Semin Immunopathol. 2006;28:267−279.
3. Schoenly KA, Weiner DB. Human immunodeficiency virus type 1 vaccine development: recent advances in the cytotoxic T−lymphocyte platform “spotty business”. J Virol. 2008;82:3166−3180.
4. Ank N, West H, Paludan SR. IFN−lambda: novel antiviral cytokines. J Interferon Cytokine Res. 2006;26:373−379.
5. Mennechet FJ, Uze G. Interferon−lambda−treated dendritic cells specifically induce proliferation of FOXP3−expressing suppressor T cells. Blood. 2006;107:4417−4423.
6. Sheppard P, Kindsvogel W, Xu W, et al. IL−28, IL−29 and their class II cytokine receptor IL−28R. Nat Immunol. 2003;4:63−68.
7. Uze G, Monneron D. IL−28 and IL−29: newcomers to the interferon family. Biochimie. 2007;89:729−734.
8. Siebler J, Wirtz S, Weigmann B, et al. IL−28A is a key regulator of T−cell−mediated liver injury via the T−box transcription factor T−bet. Gastroenterology. 2007;132:358−371.
9. Boyer JD, Robinson TM, Kutzler MA, et al. SIV DNA vaccine co−administered with IL−12 expression plasmid enhances CD8 SIV cellular immune responses in cynomolgus macaques. J Med Primatol. 2005;34:262−270.
10. Chong SY, Egan MA, Kutzler MA, et al. Comparative ability of plasmid IL−12 and IL−15 to enhance cellular and humoral immune responses elicited by a SIVgag plasmid DNA vaccine and alter disease progression following SHIV(89.6P) challenge in rhesus macaques. Vaccine. 2007;25:4967−4982.
11. Kim JJ, Maguire HC, Jr., Nottingham LK, et al. Coadministration of IL−12 or IL−10 expression cassettes drives immune responses toward a Th1 phenotype. J Interferon Cytokine Res. 1998;18:537−547.
12. Morrow MP, Weiner DB. Cytokines as adjuvants for improving anti−HIV responses. AIDS. 2008;22:333−338.
13. Schadeck EB, Sidhu M, Egan MA, et al. A dose sparing effect by plasmid encoded IL−12 adjuvant on a SIVgag−plasmid DNA vaccine in rhesus macaques. Vaccine. 2006;24:4677−4687.
14. Sin JI, Kim JJ, Arnold RL, et al. IL−12 gene as a DNA vaccine adjuvant in a herpes mouse model: IL−12 enhances Th1−type CD4+ T cell−mediated protective immunity against herpes simplex virus−2 challenge. J Immunol. 1999;162:2912−2921.
15. Hirao LA, Wu L, Khan AS, Satishchandran A, Draghia−Akli R, Weiner DB. Intradermal/subcutaneous immunization by electroporation improves plasmid vaccine delivery and potency in pigs and rhesus macaques. Vaccine. 2008;26:440−448.
16. Laddy DJ, Yan J, Kutzler M, et al. Heterosubtypic protection against pathogenic human and avian influenza viruses via in vivo electroporation of synthetic consensus DNA antigens. PLoS ONE. 2008;3:e2517.
17. Wilson JL, Heffler LC, Charo J, Scheynius A, Bejarano MT, Ljunggren HG. Targeting of human dendritic cells by autologous NK cells. J Immunol. 1999;163:6365−6370.
18. DeKruyff RH, Rizzo LV, Umetsu DT. Induction of immunoglobulin synthesis by CD4+ T cell clones. Semin Immunol. 1993;5:421−430.
19. McFarland EJ, Harding PA, MaWhinney S, Schooley RT, Kuritzkes DR. In vitro effects of IL−12 on HIV−1−specific CTL lines from HIV−1−infected children. J Immunol. 1998;161:513−519.
20. Moore AC, Gallimore A, Draper SJ, Watkins KR, Gilbert SC, Hill AV. Anti−CD25 antibody enhancement of vaccine−induced immunogenicity: increased durable cellular immunity with reduced immunodominance. J Immunol. 2005;175:7264−7273.
21. Tang Q, Bluestone JA. The Foxp3+ regulatory T cell: a jack of all trades, master of regulation. Nat Immunol. 2008;9:239−244.
22. Rubio V, Stuge TB, Singh N, et al. Ex vivo identification, isolation and analysis of tumor−cytolytic T cells. Nat Med. 2003;9:1377−1382.
23. Belyakov IM, Derby MA, Ahlers JD, et al. Mucosal immunization with HIV−1 peptide vaccine induces mucosal and systemic cytotoxic T lymphocytes and protective immunity in mice against intrarectal recombinant HIV−vaccinia challenge. Proc Natl Acad Sci U S A. 1998;95:1709−1714.
24. Zhao Z, Yu S, Fitzgerald DC, et al. IL−12Rbeta2 promotes the development of CD4+CD25+ regulatory T cells. J Immunol. 2008;181:3870−3876.