【文献】
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America,2007年 2月27日,Vol. 104, No. 9,p. 3627-3632
【文献】
Plant Physiology,2007年,Vol. 145,p. 547-558
【文献】
Pest Management Science,2008年,Vol. 64,p. 1179-1186
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プラスチドACCaseが、アロペクルス・ミオスロイデス(Am)のプラスチドACCaseの位置に対応する位置1,785、1,786、1,811、1,864、2,027、2,039、2,041、2,049、2,074、2,075、2,080、2,088、2,095、2,096又は2,098でのアミノ酸置換、位置2,075(Am)でのバリンの重複、又は位置2,080(Am)でのアミノ酸の欠失をさらに含む、請求項1に記載のイネ植物。
前記植物が、各系列の種子の代表的サンプルが、それぞれ、特許受託番号PTA-10267、PTA-10568、PTA-10569、PTA-10570若しくはPTA-10571の下でAmerican Type Culture Collection(ATCC)に寄託されている、OsHPHI2、OsARWI1、OsARWI3、OsARWI8若しくはOsHPHN1系列のいずれか1つの植物であり、又はOsHPHI2、OsARWI1、OsARWI3、OsARWI8若しくはOsHPHN1系列のいずれか1つの植物のハイブリッド、子孫、若しくは遺伝子工学的に操作された誘導体である、請求項1に記載のイネ植物。
前記プラスチドACCaseが、アロペクルス・ミオスロイデス(Am)のプラスチドACCaseの位置に対応する位置1,785、1,786、1,811、1,864、2,027、2,039、2,041、2,049、2,074、2,075、2,080、2,088、2,095、2,096又は2,098でのアミノ酸置換、位置2,075(Am)でのバリンの重複、又は位置2,080(Am)でのアミノ酸の欠失をさらに含む、請求項9に記載のイネ種子。
前記ACCase-阻害性除草剤が、アロキシジム、ブトロキシジム、クレトジム、クロプロキシジム、シクロキシジム、セトキシジム、テプラロキシジム、トラルコキシジム、クロラジホップ、クロジナホップ、クロホップ、ジクロホップ、フェノキサプロプ、フェノキサプロプ-P、フェンチアプロプ、フルアジホップ、フルアジホップ-P、ハロキシホップ、ハロキシホップ-P、イソキサピリホップ、プロパキザホップ、キザロホップ、キザロホップ-P、キザロホップ-P-エチル、キザロホップ-P-テフリル、トリホップ、ピノキサデン、又はこれらの農学上許容し得る塩若しくはエステルの少なくとも1つを含む、請求項13に記載の種子。
前記アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ-阻害性除草剤が、アロキシジム、ブトロキシジム、クレトジム、クロプロキシジム、シクロキシジム、セトキシジム、テプラロキシジム、トラルコキシジム、クロラジホップ、クロジナホップ、クロホップ、ジクロホップ、フェノキサプロプ、フェノキサプロプ-P、フェンチアプロプ、フルアジホップ、フルアジホップ-P、ハロキシホップ、ハロキシホップ-P、イソキサピリホップ、プロパキザホップ、キザロホップ、キザロホップ-P、キザロホップ-P-エチル、キザロホップ-P-テフリル、トリホップ、ピノキサデン、又はこれらの農学上許容し得る塩若しくはエステルの少なくとも1つを含む、請求項15又は16に記載の方法。
前記プラスチドACCaseが、アロペクルス・ミオスロイデス(Am)のプラスチドACCaseの位置に対応する位置1,785、1,786、1,811、1,864、2,027、2,039、2,041、2,049、2,074、2,075、2,080、2,088、2,095、2,096又は2,098でのアミノ酸置換、位置2,075(Am)でのバリンの重複、又は位置2,080(Am)でのアミノ酸の欠失をさらに含む、請求項22に記載の核酸分子。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
DIMおよびFOPは重要な除草剤であり、これらのクラスの除草剤に対して耐性を示すイネを提供することができれば有利であろう。現在、これらのクラスの除草剤は稲作農業においては価値が限られている。いくつかの事例においては、除草剤耐性を誘導する突然変異は、耐性植物において重大な適応ペナルティを作る。従って、適応ペナルティをも示さないAIT米が当業界において必要である。この必要性および他の必要性は、本発明により満たされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、除草剤耐性植物ならびに除草剤耐性植物を作製および処理する方法に関する。一実施形態において、本発明は、通常はイネ植物の成長を阻害するであろう除草剤レベルでアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害する少なくとも1種の除草剤に対して耐性であるイネ植物を提供する。典型的には、本発明の除草剤耐性イネ植物は、アミノ酸配列が野生型イネ植物のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ(ACCase)のアミノ酸配列とは異なるアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼを発現する。慣例により、単子葉植物のACCaseアミノ酸残基内の突然変異を、典型的には、アロペクルス・ミオスロイデス(Alopecurus myosuroides)(ブラックグラス)プラスチドモノマーACCase配列(Genbank CAC84161.1)中のその位置を参照して記載し、(Am)で表す。本発明の除草剤耐性植物のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼが対応する野生型植物のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なるアミノ酸位置の例としては、限定されるものではないが、以下の位置:1,781(Am)、1,785(Am)、1,786(Am)、1,811(Am)、1,824(Am)、1,864(Am)、1,999(Am)、2,027(Am)、2,039(Am)、2,041(Am)、2,049(Am)、2,059(Am)、2,074(Am)、2,075(Am)、2,078(Am)、2,079(Am)、2,080(Am)、2,081(Am)、2,088(Am)、2,095(Am)、2,096(Am)、または2,098(Am)のうちの1個以上が挙げられる。これらのアミノ酸位置での差異の例としては、限定されるものではないが、以下の1個以上が挙げられる:位置1,781(Am)のアミノ酸がイソロイシン以外のものである;位置1,785(Am)のアミノ酸がアラニン以外のものである;位置1,786(Am)のアミノ酸がアラニン以外のものである;位置1,811(Am)のアミノ酸がイソロイシン以外のものである;位置1,824(Am)のアミノ酸がグルタミン以外のものである;位置1,864(Am)のアミノ酸がバリン以外のものである;位置1,999(Am)のアミノ酸がトリプトファン以外のものである;位置2,027(Am)のアミノ酸がトリプトファン以外のものである;位置2,039(Am)のアミノ酸がグルタミン酸以外のものである;位置2,041(Am)のアミノ酸がイソロイシン以外のものである;位置2,049(Am)のアミノ酸がバリン以外のものである;位置2,059(Am)のアミノ酸がアラニン以外のものである;位置2,074(Am)のアミノ酸がトリプトファン以外のものである;位置2,075(Am)のアミノ酸がバリン以外のものである;位置2,078(Am)のアミノ酸がアスパラギン酸以外のものである;位置2,079(Am)のアミノ酸がセリン以外のものである;位置2,080(Am)のアミノ酸がリジン以外のものである;位置2,081(Am)のアミノ酸がイソロイシン以外のものである;位置2,088(Am)のアミノ酸がシステイン以外のものである;位置2,095(Am)のアミノ酸がリジン以外のものである;位置2,096(Am)のアミノ酸がグリシン以外のものである;または位置2,098(Am)のアミノ酸がバリン以外のものである。いくつかの実施形態においては、本発明は、1個以上の以下のもの:位置1,781(Am)のアミノ酸がロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンである;位置1,785(Am)のアミノ酸がグリシンである;位置1,786(Am)のアミノ酸がプロリンである;位置1,811(Am)のアミノ酸がアスパラギンである;位置1,824(Am)のアミノ酸がプロリンである;位置1,864(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置1,999(Am)のアミノ酸がシステインもしくはグリシンである;位置2,027(Am)のアミノ酸がシステインである;位置2,039(Am)のアミノ酸がグリシンである;位置2,041(Am)のアミノ酸がアスパラギンである;位置2,049(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置2,059(Am)のアミノ酸がバリンである;位置2,074(Am)のアミノ酸がロイシンである;位置2,075(Am)のアミノ酸がロイシン、イソロイシンもしくはメチオニンである;位置2,078(Am)のアミノ酸がグリシン、もしくはトレオニンである;位置2,079(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置2,080(Am)のアミノ酸がグルタミン酸である;位置2,080(Am)のアミノ酸が欠失している;位置2,081(Am)のアミノ酸が欠失している;位置2,088(Am)のアミノ酸がアルギニン、もしくはトリプトファンである;位置2,095(Am)のアミノ酸がグルタミン酸である;位置2,096(Am)のアミノ酸がアラニン、もしくはセリンである;または位置2,098(Am)のアミノ酸がアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、もしくはセリンである、を含むアミノ酸配列を含むアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素を発現するイネ植物を提供する。
【0009】
本発明はまた、除草剤耐性植物を作製する方法およびそのような方法により作製された植物を提供する。本発明の方法により作製された植物の一例は、通常はイネ植物の成長を阻害するであろう除草剤レベルでアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害する少なくとも1種の除草剤に対して耐性である除草剤耐性イネ植物であって、a)前記除草剤に対して耐性ではない植物から細胞を取得すること;b)該細胞と、1種以上のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ阻害剤を含む培地とを接触させること;およびc)前記細胞から除草剤耐性植物を生成させることにより作製される、前記除草剤耐性植物である。本発明の方法により作製される除草剤耐性植物としては、限定されるものではないが、上記のa)、b)およびc)を実施することにより生成された除草剤耐性植物ならびに上記のa)、b)およびc)を実施することにより生成された植物の子孫が挙げられる。一実施形態においては、この型の方法を実施するのに用いられる細胞は、カルスの形態にあるであろう。
【0010】
本発明は、規定のアミノ酸配列を含むアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素を発現する植物を提供する。例えば、本発明は、イネ植物の1個以上のゲノムが、配列番号2および3の一方または両方の改変型を含むタンパク質をコードし、コードされるタンパク質が1個以上の以下のもの:位置1,781(Am)のアミノ酸がロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンである;位置1,785(Am)のアミノ酸がグリシンである;位置1,786(Am)のアミノ酸がプロリンである;位置1,811(Am)のアミノ酸がアスパラギンである;位置1,824(Am)のアミノ酸がプロリンである;位置1,864(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置1,999(Am)のアミノ酸がシステインもしくはグリシンである;位置2,027(Am)のアミノ酸がシステインである;位置2,039(Am)のアミノ酸がグリシンである;位置2,041(Am)のアミノ酸がアスパラギンである;位置2,049(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置2,059(Am)のアミノ酸がバリンである;位置2,074(Am)のアミノ酸がロイシンである;位置2,075(Am)のアミノ酸がロイシン、イソロイシンもしくはメチオニンである;位置2,078(Am)のアミノ酸がグリシン、もしくはトレオニンである;位置2,079(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置2,080(Am)のアミノ酸がグルタミン酸である;位置2,080(Am)のアミノ酸が欠失している;位置2,081(Am)のアミノ酸が欠失している;位置2,088(Am)のアミノ酸がアルギニン、もしくはトリプトファンである;位置2,095(Am)のアミノ酸がグルタミン酸である;位置2,096(Am)のアミノ酸がアラニン、もしくはセリンである;または位置2,098(Am)のアミノ酸がアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、もしくはセリンである、を含むように前記配列が改変された、前記イネ植物を提供する。下記の
図19は、アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ配列(配列番号1)、オリザ・サティバ・インディカ1(Oryza sativa Indica1)のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ配列(配列番号2)およびオリザ・サティバ・ジャポニカ(Ory
za sativa Japonica)のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ配列(配列番号3)のアラインメントを、野生型配列が示された本発明の配列と異なってもよい位置の例と共に提供する。
【0011】
別の実施形態においては、本発明は、ブダペスト条約に従う許容可能な寄託機関に寄託された種子、そのような種子から誘導される細胞、そのような種子から成長させた植物およびそのような植物から誘導される細胞、そのような種子から成長させた植物の子孫ならびにそのような子孫から誘導される細胞を含む。寄託された種子から作製された植物およびそのような植物の子孫の成長は、典型的には、通常は対応する野生型植物の成長を阻害するであろう除草剤レベルでアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ阻害除草剤に対して耐性であろう。一実施形態においては、本発明は、それぞれの系列の種子の代表的なサンプルが、それぞれ、特許受託番号PTA-10267、PTA-10568、PTA-10569、PTA-10570、またはPTA-12571の下でAmerican Type Culture Collection (ATCC)に寄託されている、系列OsHPHI2、OsARWI1、OsARWI3、OsARWI8、またはOsHPHN1のいずれか1種の植物から作製された種子から成長させたイネ植物を提供する。本発明はまた、そのような植物または子孫が、それぞれの系列の種子の代表的なサンプルが、それぞれ、特許受託番号PTA-10267、PTA-10568、PTA-10569、PTA-10570、もしくはPTA-12571の下でATCCに寄託されている、系列OsHPHI2、OsARWI1、OsARWI3、OsARWI8、もしくはOsHPHN1のいずれか1種の植物から成長させた植物の除草剤耐性特性を有する限り、それぞれの系列の種子の代表的なサンプルが、それぞれ、特許受託番号PTA-10267、PTA-10568、PTA-10569、PTA-10570、もしくはPTA-12571の下でATCCに寄託されている、系列OsHPHI2、OsARWI1、OsARWI3、OsARWI8、もしくはOsHPHN1のいずれか1種の植物から調製された突然変異体、組換え体、および/または遺伝子工学的に操作された誘導体、ならびにそれぞれの系列の種子の代表的なサンプルが、それぞれ、特許受託番号PTA-10267、PTA-10568、PTA-10569、PTA-10570、もしくはPTA-12571の下でATCCに寄託されている、系列OsHPHI2、OsARWI1、OsARWI3、OsARWI8、もしくはOsHPHN1のいずれか1種の植物から成長させたか、もしくは育種した植物の任意の子孫を包含する。本発明はまた、そのような種子および植物から培養された細胞ならびに培養された細胞から作製されたその子孫も包含する。
【0012】
本発明の除草剤耐性植物は、オリザ・サティバ種の一員であってもよい。本発明の除草剤耐性植物は、典型的には、通常は対応する野生型植物、例えば、イネ植物の成長を阻害するであろう除草剤レベルで、アリールオキシフェノキシプロピオナート除草剤、シクロヘキサンジオン除草剤、フェニルピラゾリン除草剤またはその組合せに対して耐性である。いくつかの実施形態においては、本発明の除草剤耐性植物は、GMO植物ではない。本発明はまた、突然変異誘発された除草剤耐性植物、例えば、突然変異誘発されたイネ植物を提供する。本発明はまた、上記の除草剤耐性植物の植物および種子から誘導された細胞も包含する。
【0013】
本発明は、雑草の成長を制御するための方法を提供する。一実施形態においては、本発明は、イネ植物の周辺にある(イネ植物に近接する)雑草の成長を制御する方法を提供する。そのような方法は、天然のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害する量のアセチル-コエンザイムA阻害除草剤を、雑草および適用された量の除草剤に対して耐性であるように変化したアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を含むイネ植物に適用することを含んでもよい。本発明の方法を、限定されるものではないが、アリールオキシフェノキシプロピオナート除草剤、シクロヘキサンジオン除草剤、フェニルピラゾリン除草剤またはその組合せなどのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害する任意の除草剤を用いて実施することができる。
【0014】
本発明は、イネ植物の周辺にある雑草の成長を制御する方法を提供する。そのような方法の一例は、通常はイネ植物の成長を阻害するであろう除草剤レベルで、雑草およびイネ植物に対して、少なくとも1種の除草剤がアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害する1種以上の除草剤を適用することを含む。そのような方法を、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害する任意の除草剤を用いて実施することができる。雑草を制御する方法の実施において用いることができる除草剤の好適な例としては、限定されるものではないが、アリールオキシフェノキシプロピオナート除草剤、シクロヘキサンジオン除草剤、フェニルピラゾリン除草剤またはその組合せが挙げられる。
【0015】
本発明は、雑草の成長を制御するための方法を包含する。そのような方法の一例は、(a)除草剤耐性イネ植物と、他のイネ遺伝資源とを交配すること、および得られるハイブリッドイネ種子を収穫すること;(b)ハイブリッドイネ種子を植えること;ならびに(c)通常はイネ植物の成長を阻害するであろう除草剤レベルで、ハイブリッドイネおよびハイブリッドイネに接する雑草に、1種以上のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ阻害除草剤を適用することを含んでもよい。そのような方法を、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害する任意の除草剤を用いて実施することができる。雑草を制御する方法の実施において用いることができる除草剤の好適な例としては、限定されるものではないが、アリールオキシフェノキシプロピオナート除草剤、シクロヘキサンジオン除草剤、フェニルピラゾリン除草剤またはその組合せが挙げられる。
【0016】
別の実施形態においては、本発明は、除草剤耐性イネ植物を選択する方法を含む。そのような方法の一例は、(a)除草剤耐性イネ植物と、他のイネ遺伝資源とを交配すること、および得られるハイブリッドイネ種子を収穫すること;(b)ハイブリッドイネ種子を植えること;(c)通常はイネ植物の成長を阻害するであろう除草剤レベルで、ハイブリッドイネに、少なくとも1種の除草剤がアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼを阻害する1種以上の除草剤を適用すること;ならびに(d)除草剤が適用されたイネ植物から種子を収穫することを含んでもよい。そのような方法を、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害する任意の除草剤を用いて実施することができる。雑草を制御する方法の実施において用いることができる除草剤の好適な例としては、限定されるものではないが、アリールオキシフェノキシプロピオナート除草剤、シクロヘキサンジオン除草剤、フェニルピラゾリン除草剤またはその組合せが挙げられる。
【0017】
本発明はまた、除草剤耐性イネ植物を成長させる方法も包含する。そのような方法の一例は、(a)イネ種子を植えること;(b)該イネ種子を発芽させること;(c)通常はイネ植物の成長を阻害するであろう除草剤レベルで、前記イネ発芽物に、少なくとも1種の除草剤がアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼを阻害する1種以上の除草剤を適用することを含む。そのような方法を、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害する任意の除草剤を用いて実施することができる。雑草を制御する方法の実施において用いることができる除草剤の好適な例としては、限定されるものではないが、アリールオキシフェノキシプロピオナート除草剤、シクロヘキサンジオン除草剤、フェニルピラゾリン除草剤またはその組合せが挙げられる。
【0018】
一実施形態においては、本発明は、除草剤耐性イネ植物の種子を提供する。そのような種子を用いて、該種子から成長させた植物が、通常はイネ植物の成長を阻害するであろう除草剤レベルでアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害する少なくとも1種の除草剤に対して耐性である、除草剤耐性イネ植物を成長させることができる。本発明の種子から成長させた植物が耐性となるであろう除草剤の例としては、限定されるものではないが、アリールオキシフェノキシプロピオナート除草剤、シクロヘキサンジオン除草剤、フェニルピラゾリン除草剤またはその組合せが挙げられる。
【0019】
別の実施形態においては、本発明は、イネ植物の種子から成長させた植物が、アミノ酸配列が1個以上の以下の位置:1,781(Am)、1,785(Am)、1,786(Am)、1,811(Am)、1,824(Am)、1,864(Am)、1,999(Am)、2,027(Am)、2,039(Am)、2,041(Am)、2,049(Am)、2,059(Am)、2,074(Am)、2,075(Am)、2,078(Am)、2,079(Am)、2,080(Am)、2,081(Am)、2,088(Am)、2,095(Am)、2,096(Am)、または2,098(Am)で野生型イネ植物のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ(ACCase)のアミノ酸配列と異なるアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼを発現する、前記イネ植物の種子を提供する。これらのアミノ酸位置での差異の例としては、限定されるものではないが、1個以上の以下のもの:位置1,781(Am)のアミノ酸がイソロイシン以外のものである;位置1,785(Am)のアミノ酸がアラニン以外のものである;位置1,786(Am)のアミノ酸がアラニン以外のものである;位置1,811(Am)のアミノ酸がイソロイシン以外のものである;位置1,824(Am)のアミノ酸がグルタミン以外のものである;位置1,864(Am)のアミノ酸がバリン以外のものである;位置1,999(Am)のアミノ酸がトリプトファン以外のものである;位置2,027(Am)のアミノ酸がトリプトファン以外のものである;位置2,039(Am)のアミノ酸がグルタミン酸以外のものである;位置2,041(Am)のアミノ酸がイソロイシン以外のものである;位置2,049(Am)のアミノ酸がバリン以外のものである;位置2,059(Am)のアミノ酸がアラニン以外のものである;位置2,074(Am)のアミノ酸がトリプトファン以外のものである;位置2,075(Am)のアミノ酸がバリン以外のものである;位置2,078(Am)のアミノ酸がアスパラギン酸以外のものである;位置2,079(Am)のアミノ酸がセリン以外のものである;位置2,080(Am)のアミノ酸がリジン以外のものである;位置2,081(Am)のアミノ酸がイソロイシン以外のものである;位置2,088(Am)のアミノ酸がシステイン以外のものである;位置2,095(Am)のアミノ酸がリジン以外のものである;位置2,096(Am)のアミノ酸がグリシン以外のものである;または位置2,098(Am)のアミノ酸がバリン以外のものである、が挙げられる。いくつかの実施形態においては、前記種子から成長させた植物は、1個以上の以下のもの:位置1,781(Am)のアミノ酸がロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンである;位置1,785(Am)のアミノ酸がグリシンである;位置1,786(Am)のアミノ酸がプロリンである;位置1,811(Am)のアミノ酸がアスパラギンである;位置1,824(Am)のアミノ酸がプロリンである;位置1,864(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置1,999(Am)のアミノ酸がシステインもしくはグリシンである;位置2,027(Am)のアミノ酸がシステインである;位置2,039(Am)のアミノ酸がグリシンである;位置2,041(Am)のアミノ酸がアスパラギンである;位置2,049(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置2,059(Am)のアミノ酸がバリンである;位置2,074(Am)のアミノ酸がロイシンである;位置2,075(Am)のアミノ酸がロイシン、イソロイシンもしくはメチオニンである;位置2,078(Am)のアミノ酸がグリシン、もしくはトレオニンである;位置2,079(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置2,080(Am)のアミノ酸がグルタミン酸である;位置2,080(Am)のアミノ酸が欠失している;位置2,081(Am)のアミノ酸が欠失している;位置2,088(Am)のアミノ酸がアルギニン、もしくはトリプトファンである;位置2,095(Am)のアミノ酸がグルタミン酸である;位置2,096(Am)のアミノ酸がアラニン、もしくはセリンである;または位置2,098(Am)のアミノ酸がアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、もしくはセリンである、を含むアミノ酸配列を含むアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素を発現してもよい。
【0020】
本発明は、特定の除草剤耐性栽培品種の種子を包含する。そのような種子の一例は、イネ栽培品種インディカ1の種子であり、該栽培品種の種子の代表的なサンプルはATCC受託番号PTA-10267、PTA-10568、PTA-10569、またはPTA-10570の下で寄託されている。そのような種子の別の例は、除草剤耐性ニッポンバレ(Nipponbare)栽培品種のものであり、該栽培品種の種子の代表的なサンプルはATCC受託番号PTA-10571の下で寄託されている。本発明はまた、前記種子を成長させることにより作製されたイネ植物、またはその一部、ならびに前記種子から作製された細胞の組織培養物も包含する。細胞の組織培養物を、種子から直接、または種子から成長させた植物の一部から、例えば、葉、花粉、胚、子葉、胚軸、分裂組織細胞、根、根端、雌しべ、葯、花および/もしくは茎から作製することができる。本発明はまた、細胞の組織培養物から生成させた植物およびその子孫を含む。そのような植物は、典型的には、栽培品種インディカ1のあらゆる形態学的および生理学的特性を有するであろう。
【0021】
本発明はまた、イネ種子を作製する方法を提供する。そのような方法は、通常はイネ植物の成長を阻害するであろう除草剤レベルで、アリールオキシフェノキシプロピオナート除草剤、シクロヘキサンジオン除草剤、フェニルピラゾリン除草剤またはその組合せに対して耐性である除草剤耐性イネ植物と、他のイネ遺伝資源とを交配すること;および得られるハイブリッドイネ種子を収穫することを含んでもよい。
【0022】
本発明はまた、F1ハイブリッドイネ種子を作製する方法を含む。そのような方法は、通常はイネ植物の成長を阻害するであろう除草剤レベルで、アリールオキシフェノキシプロピオナート除草剤、シクロヘキサンジオン除草剤、フェニルピラゾリン除草剤またはその組合せに対して耐性である除草剤耐性イネ植物と、異なるイネ植物とを交配すること;および得られるF1ハイブリッドイネ種子を収穫することを含んでもよい。
【0023】
本発明はまた、F1ハイブリッド植物を作製する方法を含む。そのような方法は、通常はイネ植物の成長を阻害するであろう除草剤レベルで、アリールオキシフェノキシプロピオナート除草剤、シクロヘキサンジオン除草剤、フェニルピラゾリン除草剤またはその組合せに対して耐性である除草剤耐性イネ植物と、異なるイネ植物とを交配すること;および得られるF1ハイブリッドイネ種子を収穫し、得られるF1ハイブリッド植物を成長させることを含んでもよい。
【0024】
本発明はまた、トランスジーンをも含んでもよい除草剤耐性イネ植物を作製する方法を提供する。そのような方法の一例は、アリールオキシフェノキシプロピオナート除草剤、シクロヘキサンジオン除草剤、フェニルピラゾリン除草剤またはその組合せからなる群より選択される少なくとも1種の除草剤に対する耐性を付与するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素をコードするトランスジーンを用いて、イネ植物の細胞を形質転換することを含んでもよい。任意の好適な細胞を、本発明の方法の実施において用いることができ、例えば、前記細胞はカルスの形態にあってもよい。いくつかの実施形態においては、前記トランスジーンは、配列番号2および3の一方または両方の改変型を含むアミノ酸をコードする核酸配列であって、コードされるタンパク質が1個以上の以下のもの:位置1,781(Am)のアミノ酸がロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンである;位置1,785(Am)のアミノ酸がグリシンである;位置1,786(Am)のアミノ酸がプロリンである;位置1,811(Am)のアミノ酸がアスパラギンである;位置1,824(Am)のアミノ酸がプロリンである;位置1,864(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置1,999(Am)のアミノ酸がシステインもしくはグリシンである;位置2,027(Am)のアミノ酸がシステインである;位置2,039(Am)のアミノ酸がグリシンである;位置2,041(Am)のアミノ酸がアスパラギンである;位置2,049(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置2,059(Am)のアミノ酸がバリンである;位置2,074(Am)のアミノ酸がロイシンである;位置2,075(Am)のアミノ酸がロイシン、イソロイシンもしくはメチオニンである;位置2,078(Am)のアミノ酸がグリシン、もしくはトレオニンである;位置2,079(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置2,080(Am)のアミノ酸がグルタミン酸である;位置2,080(Am)のアミノ酸が欠失している;位置2,081(Am)のアミノ酸が欠失している;位置2,088(Am)のアミノ酸がアルギニン、もしくはトリプトファンである;位置2,095(Am)のアミノ酸がグルタミン酸である;位置2,096(Am)のアミノ酸がアラニン、もしくはセリンである;または位置2,098(Am)のアミノ酸がアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、もしくはセリンである、を含むように改変された前記配列を含んでもよい。本発明はまた、そのような方法により作製された植物も包含する。トランスジーンを含む除草剤耐性植物を作製する方法の別の例は、アリールオキシフェノキシプロピオナート除草剤、シクロヘキサンジオン除草剤、フェニルピラゾリン除草剤またはその組合せからなる群より選択される少なくとも1種の除草剤に対する耐性を付与するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素を発現するイネ植物またはその種子から作製された、イネ植物の細胞を、除草剤耐性を付与する酵素をコードするトランスジーンを用いて形質転換することを含んでもよい。任意の好適な細胞を本発明の方法の実施において用いることができ、例えば、前記細胞はカルスの形態にあってもよい。本発明はまた、そのような方法により作製された除草剤耐性植物も包含する。
【0025】
一実施形態においては、本発明は、組換え植物を作製する方法を含む。組換えイネ植物を作製する方法の例は、アリールオキシフェノキシプロピオナート除草剤、シクロヘキサンジオン除草剤、フェニルピラゾリン除草剤またはその組合せからなる群より選択される少なくとも1種の除草剤に対する耐性を付与するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素を発現するイネ植物から作製された、イネ植物の細胞を、トランスジーンを用いて形質転換することを含んでもよい。任意の好適な細胞を本発明の方法の実施において用いることができ、例えば、前記細胞はカルスの形態にあってもよい。本発明の方法における使用のためのトランスジーンは、任意の所望の核酸配列を含んでもよく、例えば、前記トランスジーンはタンパク質をコードしてもよい。一例においては、前記トランスジーンは、酵素、例えば、脂肪酸代謝および/または炭水化物代謝を改変する酵素をコードしてもよい。好適な酵素の例としては、限定されるものではないが、フルクトシルトランスフェラーゼ、レバンスクラーゼ、α-アミラーゼ、インベルターゼおよびデンプン分枝酵素またはステアリル-ACPデサチュラーゼのアンチセンスをコードする酵素が挙げられる。本発明はまた、本発明の方法により作製された組換え植物も包含する。
【0026】
本発明の方法を用いて、任意の所望の形質を有する植物、例えば、イネ植物を作製することができる。そのような方法の例は、(a)通常はイネ植物の成長を阻害するであろう除草剤レベルで、アリールオキシフェノキシプロピオナート除草剤、シクロヘキサンジオン除草剤、フェニルピラゾリン除草剤またはその組合せに対して耐性であるイネ植物と、所望の形質を含む別のイネ栽培品種の植物とを交配して、子孫植物を作製すること;(b)所望の形質を有する1個以上の子孫植物を選択して、選択された子孫植物を作製すること;(c)選択された子孫植物と、除草剤耐性植物とを交配して、戻し交配子孫植物を作製すること;(d)所望の形質および除草剤耐性を有する戻し交配子孫植物を選択すること;ならびに(e)工程(c)および(d)を3回以上繰り返した後、所望の形質および除草剤耐性を含む、選択された第4世代以上の戻し交配子孫植物を作製することを含んでもよい。本発明の方法を用いて、任意の所望の形質を導入することができる。望ましい形質の例としては、限定されるものではないが、雄性不稔性、除草剤耐性、乾燥耐性、昆虫抵抗性、改変された脂肪酸代謝、改変された炭水化物代謝および細菌疾患、菌類疾患またはウイルス疾患に対する抵抗性が挙げられる。優性不稔性イネ植物を作製する方法の例は、通常はイネ植物の成長を阻害するであろう除草剤レベルで、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害する少なくとも1種の除草剤に対して耐性であるイネ植物を、雄性不稔性を付与する核酸分子を用いて形質転換することを含んでもよい。本発明はまた、そのような方法により作製された雄性不稔性植物を包含する。
【0027】
本発明は、植物細胞、例えば、イネ植物に由来する細胞を含む組成物を提供する。そのような組成物の一例は、イネ植物の1個以上の細胞;およびアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害する化合物を含む水性媒体を含む。いくつかの実施形態においては、前記細胞を、通常はイネ植物の成長を阻害するであろう除草剤レベルで、アリールオキシフェノキシプロピオナート除草剤、シクロヘキサンジオン除草剤、フェニルピラゾリン除草剤またはその組合せに対して耐性であるイネ植物から誘導することができる。アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害する任意の化合物、例えば、アリールオキシフェノキシプロピオナート除草剤、シクロヘキサンジオン除草剤、フェニルピラゾリン除草剤およびその組合せのうちの1種以上を、本発明の組成物において用いることができる。
【0028】
本発明は、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素の全部または一部をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態においては、本発明は、アミノ酸配列が、1個以上の以下の位置:1,781(Am)、1,785(Am)、1,786(Am)、1,811(Am)、1,824(Am)、1,864(Am)、1,999(Am)、2,027(Am)、2,039(Am)、2,041(Am)、2,049(Am)、2,059(Am)、2,074(Am)、2,075(Am)、2,078(Am)、2,079(Am)、2,080(Am)、2,081(Am)、2,088(Am)、2,095(Am)、2,096(Am)、または2,098(Am)で野生型イネ植物のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ(ACCase)のアミノ酸配列と異なるイネアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする組換え、突然変異誘発された、合成、および/または単離された核酸分子を含む。これらのアミノ酸位置での差異の例としては、限定されるものではないが、1個以上の以下のもの:位置1,781(Am)のアミノ酸がイソロイシン以外のものである;位置1,785(Am)のアミノ酸がアラニン以外のものである;位置1,786(Am)のアミノ酸がアラニン以外のものである;位置1,811(Am)のアミノ酸がイソロイシン以外のものである;位置1,824(Am)のアミノ酸がグルタミン以外のものである;位置1,864(Am)のアミノ酸がバリン以外のものである;位置1,999(Am)のアミノ酸がトリプトファン以外のものである;位置2,027(Am)のアミノ酸がトリプトファン以外のものである;位置2,039(Am)のアミノ酸がグルタミン酸以外のものである;位置2,041(Am)のアミノ酸がイソロイシン以外のものである;位置2,049(Am)のアミノ酸がバリン以外のものである;位置2,059(Am)のアミノ酸がアラニン以外のものである;位置2,074(Am)のアミノ酸がトリプトファン以外のものである;位置2,075(Am)のアミノ酸がバリン以外のものである;位置2,078(Am)のアミノ酸がアスパラギン酸以外のものである;位置2,079(Am)のアミノ酸がセリン以外のものである;位置2,080(Am)のアミノ酸がリジン以外のものである;位置2,081(Am)のアミノ酸がイソロイシン以外のものである;位置2,088(Am)のアミノ酸がシステイン以外のものである;位置2,095(Am)のアミノ酸がリジン以外のものである;位置2,096(Am)のアミノ酸がグリシン以外のものである;または位置2,098(Am)のアミノ酸がバリン以外のものである、が挙げられる。いくつかの実施形態においては、本発明の核酸分子は、1個以上の以下のもの:位置1,781(Am)のアミノ酸がロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンである;位置1,785(Am)のアミノ酸がグリシンである;位置1,786(Am)のアミノ酸がプロリンである;位置1,811(Am)のアミノ酸がアスパラギンである;位置1,824(Am)のアミノ酸がプロリンである;位置1,864(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置1,999(Am)のアミノ酸がシステインもしくはグリシンである;位置2,027(Am)のアミノ酸がシステインである;位置2,039(Am)のアミノ酸がグリシンである;位置2,041(Am)のアミノ酸がアスパラギンである;位置2,049(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置2,059(Am)のアミノ酸がバリンである;位置2,074(Am)のアミノ酸がロイシンである;位置2,075(Am)のアミノ酸がロイシン、イソロイシンもしくはメチオニンである;位置2,078(Am)のアミノ酸がグリシン、もしくはトレオニンである;位置2,079(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置2,080(Am)のアミノ酸がグルタミン酸である;位置2,080(Am)のアミノ酸が欠失している;位置2,081(Am)のアミノ酸が欠失している;位置2,088(Am)のアミノ酸がアルギニン、もしくはトリプトファンである;位置2,095(Am)のアミノ酸がグルタミン酸である;位置2,096(Am)のアミノ酸がアラニン、もしくはセリンである;または位置2,098(Am)のアミノ酸がアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、もしくはセリンである、を含むアミノ酸配列を含むアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素をコードしてもよい。いくつかの実施形態においては、本発明は、配列番号2および3の一方または両方の改変型の全部または一部を含むタンパク質をコードする組換え、突然変異誘発された、合成、および/または単離された核酸であって、該核酸の配列が、コードされるタンパク質が1個以上の以下のもの:位置1,781(Am)のアミノ酸がロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンである;位置1,785(Am)のアミノ酸がグリシンである;位置1,786(Am)のアミノ酸がプロリンである;位置1,811(Am)のアミノ酸がアスパラギンである;位置1,824(Am)のアミノ酸がプロリンである;位置1,864(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置1,999(Am)のアミノ酸がシステインもしくはグリシンである;位置2,027(Am)のアミノ酸がシステインである;位置2,039(Am)のアミノ酸がグリシンである;位置2,041(Am)のアミノ酸がアスパラギンである;位置2,049(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置2,059(Am)のアミノ酸がバリンである;位置2,074(Am)のアミノ酸がロイシンである;位置2,075(Am)のアミノ酸がロイシン、イソロイシンもしくはメチオニンである;位置2,078(Am)のアミノ酸がグリシン、もしくはトレオニンである;位置2,079(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置2,080(Am)のアミノ酸がグルタミン酸である;位置2,080(Am)のアミノ酸が欠失している;位置2,081(Am)のアミノ酸が欠失している;位置2,088(Am)のアミノ酸がアルギニン、もしくはトリプトファンである;位置2,095(Am)のアミノ酸がグルタミン酸である;位置2,096(Am)のアミノ酸がアラニン、もしくはセリンである;または位置2,098(Am)のアミノ酸がアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、もしくはセリンである、を含むように改変された前記核酸を含む。
【0029】
一実施形態においては、本発明は、除草剤耐性BEPクレード植物を提供する。典型的には、そのような植物は、野生型品種の植物と比較して、ACCase阻害剤(ACCI)に対する耐性が増加したものである。そのような植物を、
(I)下記工程:
(a)第1、ゼロもしくは非ゼロレベルのACCI耐性を有するBEPクレード植物の細胞を提供する工程;
(b)培地と接触させた前記細胞を増殖させて、細胞培養物を形成する工程;
(c)前記培養物の細胞と、ACCIとを接触させる工程;
(d)工程(c)に由来するACCIと接触させた細胞を増殖させて、工程(a)の第1レベルよりも高いACCI耐性レベルを有する細胞を含有する培養物を形成する工程;および
(e)工程(d)のACCI耐性細胞から、野生型品種の植物のものよりも高いACCI耐性レベルを有する植物を生成させる工程;または
(II)下記工程:
(f)野生型品種の植物と比較してACCase阻害剤(ACCI)に対する耐性が増加した第1の除草剤耐性BEPクレード植物であって、工程(a)〜(e)を含むプロセスにより作製された前記除草剤耐性植物を提供する工程;および
(g)前記第1の植物から、第1の植物の増加した除草剤耐性特性を保持する第2の除草剤耐性BEPクレード植物を作製する工程;
のいずれかを含み、それによって、除草剤耐性BEPクレード植物を取得するプロセスにより作製することができる。
【0030】
一実施形態においては、本発明の除草剤耐性BEPクレード植物は、BETサブクレード植物である。
【0031】
一実施形態においては、本発明の除草剤耐性BETサブクレード植物は、BET作物である。
【0032】
いくつかの実施形態においては、本発明の除草剤耐性植物は、タケ亜科(Bambusoideae) - エールハルタ亜科(Ehrhartoideae)サブクレードの一員であってよい。植物細胞を増殖させるための任意の好適な培地を、本発明の実施において用いることができる。いくつかの実施形態においては、前記培地は突然変異原を含んでもよいが、他の実施形態においては、前記培地は突然変異原を含まない。いくつかの実施形態においては、本発明の除草剤耐性植物は、エールハルタ亜科の一員であってもよい。任意の好適な細胞を本発明の方法の実施において用いることができ、例えば、前記細胞はカルスの形態にあってもよい。いくつかの実施形態においては、本発明の除草剤耐性植物は、オリザ属の一員であってもよく、例えば、オリザ・サティバ種の一員であってもよい。
【0033】
本発明は、上記方法により作製された除草剤耐性BEPクレード植物を含む。そのような除草剤耐性植物は、アミノ酸配列が、1個以上の以下の位置:1,781(Am)、1,785(Am)、1,786(Am)、1,811(Am)、1,824(Am)、1,864(Am)、1,999(Am)、2,027(Am)、2,039(Am)、2,041(Am)、2,049(Am)、2,059(Am)、2,074(Am)、2,075(Am)、2,078(Am)、2,079(Am)、2,080(Am)、2,081(Am)、2,088(Am)、2,095(Am)、2,096(Am)、または2,098(Am)で、対応する野生型BEPクレード植物のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ(ACCase)のアミノ酸配列と異なるアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼを発現してもよい。これらのアミノ酸位置での差異の例としては、限定されるものではないが、1個以上の以下のもの:位置1,781(Am)のアミノ酸がイソロイシン以外のものである;位置1,785(Am)のアミノ酸がアラニン以外のものである;位置1,786(Am)のアミノ酸がアラニン以外のものである;位置1,811(Am)のアミノ酸がイソロイシン以外のものである;位置1,824(Am)のアミノ酸がグルタミン以外のものである;位置1,864(Am)のアミノ酸がバリン以外のものである;位置1,999(Am)のアミノ酸がトリプトファン以外のものである;位置2,027(Am)のアミノ酸がトリプトファン以外のものである;位置2,039(Am)のアミノ酸がグルタミン酸以外のものである;位置2,041(Am)のアミノ酸がイソロイシン以外のものである;位置2,049(Am)のアミノ酸がバリン以外のものである;位置2,059(Am)のアミノ酸がアラニン以外のものである;位置2,074(Am)のアミノ酸がトリプトファン以外のものである;位置2,075(Am)のアミノ酸がバリン以外のものである;位置2,078(Am)のアミノ酸がアスパラギン酸以外のものである;位置2,079(Am)のアミノ酸がセリン以外のものである;位置2,080(Am)のアミノ酸がリジン以外のものである;位置2,081(Am)のアミノ酸がイソロイシン以外のものである;位置2,088(Am)のアミノ酸がシステイン以外のものである;位置2,095(Am)のアミノ酸がリジン以外のものである;位置2,096(Am)のアミノ酸がグリシン以外のものである;または位置2,098(Am)のアミノ酸がバリン以外のものである、が挙げられる。いくつかの実施形態においては、本発明の除草剤耐性BEPクレード植物は、1個以上の以下のもの:位置1,781(Am)のアミノ酸がロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンである;位置1,785(Am)のアミノ酸がグリシンである;位置1,786(Am)のアミノ酸がプロリンである;位置1,811(Am)のアミノ酸がアスパラギンである;位置1,824(Am)のアミノ酸がプロリンである;位置1,864(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置1,999(Am)のアミノ酸がシステインもしくはグリシンである;位置2,027(Am)のアミノ酸がシステインである;位置2,039(Am)のアミノ酸がグリシンである;位置2,041(Am)のアミノ酸がアスパラギンである;位置2,049(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置2,059(Am)のアミノ酸がバリンである;位置2,074(Am)のアミノ酸がロイシンである;位置2,075(Am)のアミノ酸がロイシン、イソロイシンもしくはメチオニンである;位置2,078(Am)のアミノ酸がグリシン、もしくはトレオニンである;位置2,079(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置2,080(Am)のアミノ酸がグルタミン酸である;位置2,080(Am)のアミノ酸が欠失している;位置2,081(Am)のアミノ酸が欠失している;位置2,088(Am)のアミノ酸がアルギニン、もしくはトリプトファンである;位置2,095(Am)のアミノ酸がグルタミン酸である;位置2,096(Am)のアミノ酸がアラニン、もしくはセリンである;または位置2,098(Am)のアミノ酸がアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、もしくはセリンである、を含むアミノ酸配列を含むアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素を発現してもよい。
【0034】
一実施形態においては、本発明はまた、対応する野生型ACCaseと比較してそのプラスチドACCase中にただ1個の置換を有するという理由でACCase阻害剤に対して耐性であるイネ植物も含む。さらに別の実施形態においては、本発明は、対応する野生型ACCaseと比較してそのプラスチドACCase中に2個以上の置換を有するという理由でACCase阻害剤に対して耐性であるイネ植物を含む。
【0035】
一実施形態においては、本発明は、対応する野生型ACCaseと比較してそのプラスチドACCase中に2個以上の置換であって、1,781(Am)、1,785(Am)、1,786(Am)、1,811(Am)、1,824(Am)、1,864(Am)、1,999(Am)、2,027(Am)、2,039(Am)、2,041(Am)、2,049(Am)、2,059(Am)、2,074(Am)、2,075(Am)、2,078(Am)、2,079(Am)、2,080(Am)、2,081(Am)、2,088(Am)、2,095(Am)、2,096(Am)、または2,098(Am)からなる群より選択されるアミノ酸位置にある前記置換を有するという理由でACCase阻害剤に対して耐性であるイネ植物を提供する。
【0036】
一実施形態においては、本発明は、イネ植物がトランスジェニックではないプラスチドACCaseを含む前記イネ植物を提供する。一実施形態においては、本発明は、植物がトランスジェニックではないイネプラスチドACCaseを含む前記植物を提供する。
【0037】
一実施形態においては、本発明は、本明細書に記載のイネ植物の周辺にある雑草の成長を制御する方法であって、天然のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害する量のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ阻害除草剤を、前記雑草およびイネ植物が適用された量の除草剤に対して耐性となるように変化したアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を含む前記イネ植物に適用することを含む、前記方法を提供する。
【0038】
一実施形態においては、本発明は、(i)本発明の植物から作製された種子を植えること、(ii)前記種子から植物を成長させること、および(iii)前記植物から種子を収穫することを含む、種子を作製する方法を提供する。
【0039】
本発明はまた、(a)上記のように作製された除草剤耐性BEPクレード植物の種子から成長させた植物と、他の遺伝資源とを交配または戻し交配するプロセス;(b)通常は植物の成長を阻害するであろう除草剤レベルで、通常はアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼを阻害する少なくとも1種の除草剤の存在下で、前記交配または戻し交配の結果得られた植物を成長させるプロセス;ならびに(c)前記交配または戻し交配の結果得られた植物をさらに増殖させるために選択するプロセスにより作製された除草剤耐性BEPクレード植物であって、選択された植物が除草剤の存在下で有意に損傷されることなく成長する植物である、前記植物も包含する。
【0040】
本発明はまた、突然変異誘発されたアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼのアミノ酸配列が、1個以上の以下の位置:1,781(Am)、1,785(Am)、1,786(Am)、1,811(Am)、1,824(Am)、1,864(Am)、1,999(Am)、2,027(Am)、2,039(Am)、2,041(Am)、2,049(Am)、2,059(Am)、2,074(Am)、2,075(Am)、2,078(Am)、2,079(Am)、2,080(Am)、2,081(Am)、2,088(Am)、2,095(Am)、2,096(Am)、または2,098(Am)で、対応する野生型植物のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼのアミノ酸配列と異なる、イネ科のBEPクレードの植物の突然変異誘発されたアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードするヌクレオチド配列を含む組換え、突然変異誘発された、合成、および/または単離された核酸分子も包含する。そのような核酸分子を、
(I)下記工程:
(a)第1、ゼロもしくは非ゼロレベルのACCase阻害剤(ACCI)耐性を有するBEPクレード植物の細胞を提供する工程;
(b)培地と接触させた前記細胞を増殖させて、細胞培養物を形成する工程;
(c)前記培養物の細胞と、ACCIとを接触させる工程;
(d)工程(c)に由来するACCIと接触させた細胞を増殖させて、工程(a)の第1レベルよりも高いACCI耐性レベルを有する細胞を含有する培養物を形成する工程;および
(e)工程(d)のACCI耐性細胞から、野生型品種の植物のものよりも高いACCI耐性レベルを有する植物を生成させる工程;または
(II)下記工程:
(f)野生型品種の植物と比較してACCase阻害剤(ACCI)に対する耐性が増加した第1の除草剤耐性BEPクレード植物であって、工程(a)〜(e)を含むプロセスにより作製された前記除草剤耐性植物を提供する工程;および
(g)前記第1の植物から、第1の植物の増加した除草剤耐性特性を保持する第2の除草剤耐性BEPクレード植物を作製する工程;
のいずれかを含み、それによって、除草剤耐性BEPクレード植物を取得し;ならびに前記除草剤耐性BEPクレード植物から核酸を単離するプロセスにより作製することができる。
【0041】
一実施形態においては、本発明は、単子葉植物のプラスチドACCase中の除草剤耐性突然変異をスクリーニング、単離、同定、および/または特性評価する方法を包含する。一実施形態においては、本発明は、カルス、または植物細胞系の使用を包含する。他の実施形態においては、本発明は、組織培養環境中での植物材料または細胞の培養を実施することを包含する。さらに他の実施形態においては、本発明は、組織培養環境中のナイロン膜の存在を包含する。他の実施形態においては、組織培養環境は液相培地を含むが、他の実施形態においては、組織培養環境は半固形培地を含む。さらに他の実施形態においては、本発明は、液体培地中、除草剤(例えば、シクロキシジム)の存在下で植物材料を培養した後、除草剤を含む半固形培地中で培養することを包含する。さらに他の実施形態においては、本発明は、半固形培地中、除草剤の存在下で植物材料を培養した後、除草剤を含む液体培地中で培養することを包含する。
【0042】
いくつかの実施形態においては、本発明は、致死量の除草剤(例えば、シクロキシジム)の直接適用を包含する。他の実施形態においては、本発明は、致死未満量から始まる除草剤用量の段階的増加を包含する。他の実施形態においては、本発明は、一工程で、または同時に、少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、少なくとも8種以上の除草剤を包含する。
【0043】
他の実施形態においては、実験で用いられる個々のカルス数の一部としての突然変異除草剤耐性クローン数により、突然変異頻度を決定する。いくつかの実施形態においては、本発明は、少なくとも0.03%以上の突然変異頻度を包含する。いくつかの実施形態においては、本発明は、少なくとも0.03%、少なくとも0.05%、少なくとも0.10%、少なくとも0.15%、少なくとも0.20%、少なくとも0.25%、少なくとも0.30%、少なくとも0.35%、少なくとも0.40%以上の突然変異頻度を包含する。他の実施形態においては、本発明は、単子葉植物のプラスチドACCase中の除草剤耐性突然変異をスクリーニング、単離、同定、および/または特性評価する他の方法よりも少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍以上のものである突然変異頻度を包含する。
【0044】
いくつかの実施形態においては、本発明の方法は、ACCase中の除草剤耐性突然変異(複数も可)を同定することを包含する。さらなる実施形態においては、本発明は、単子葉植物細胞中の除草剤耐性突然変異(複数も可)を反復することを包含する。
【0045】
いくつかの実施形態においては、本発明は、a)宿主のACCase(すなわち、内因性)遺伝子に由来するACCase活性の欠損;およびb)単子葉植物由来プラスチドACCase遺伝子に由来するACCase活性を有する植物起源の単離された細胞または組織を包含する。
【0046】
ACCaseの単子葉植物源
他の実施形態においては、本発明は、本明細書に記載の単子葉植物科の植物に由来するプラスチドACCaseまたはその一部を包含する。
【0047】
他の実施形態においては、本発明は、宿主植物細胞中の単子葉植物のプラスチドACCaseの除草剤耐性突然変異体をスクリーニングすることを包含する。
【0048】
他の実施形態においては、本発明は、単子葉植物のプラスチドACCaseの除草剤耐性突然変異体をスクリーニングするための調製された宿主細胞の使用を包含する。いくつかの実施形態においては、本発明は、プラスチドACCase活性を欠く宿主細胞を提供する。他の実施形態においては、本発明の宿主細胞は、除草剤感受性である単子葉植物のプラスチドACCaseを発現する。
【0049】
他の実施形態においては、本発明の方法は、1個の点突然変異、複数の点突然変異、部分的欠失、部分的ノックアウト、完全な欠失および完全なノックアウトが挙げられるゲノムプラスチドACCase遺伝子の突然変異に起因してACCase活性を欠損する宿主細胞を含む。別の実施形態においては、ゲノムプラスチドACCase活性を、RNAi、siRNAもしくはアンチセンスRNAなどの他の分子生物学的技術を用いて低下させるか、または除去する。そのような分子生物学的技術は当業界でよく知られている。さらに他の実施形態においては、ゲノムACCase由来活性を、ACCaseの代謝阻害剤により低下させるか、または除去することができる。
【0050】
いくつかの実施形態においては、前記宿主細胞は、単子葉植物宿主細胞である。
【0051】
さらに他の実施形態においては、本発明は、a)単子葉植物起源を有する細胞を単離すること;b)少なくとも1コピーのゲノムACCase遺伝子を不活化すること;c)前記細胞に対して単子葉植物由来プラスチドACCase遺伝子を提供すること;d)単子葉植物由来プラスチドACCase遺伝子を含む細胞を単離すること;および必要に応じて、e)少なくともさらなるコピーのゲノムACCase遺伝子を不活化することを含み、前記細胞がゲノムACCase遺伝子により提供されるACCase活性を欠損する、トランスジェニック植物細胞を作製する方法を包含する。
【0052】
一実施形態においては、シクロキシジム耐性突然変異頻度は、0.03%より高い。
【0053】
一実施形態においては、本発明は、シクロキシジム耐性植物細胞または組織が他のACCase阻害剤に対しても耐性である、スクリーニングするための方法を提供する。
【0054】
一実施形態においては、本発明は、シクロキシジム耐性植物細胞または組織が、除草剤の存在下で培養する前に、単子葉植物プラスチドACCase中に存在しない1個の突然変異のみを含む、スクリーニングするための方法を提供する。
【0055】
一実施形態においては、本発明は、シクロキシジム耐性植物細胞または組織が、除草剤の存在下で培養する前に、単子葉植物プラスチドACCase中に存在しない2個以上の突然変異を含む、スクリーニングするための方法を提供する。
【0056】
一実施形態においては、本発明は、シクロキシジムが致死未満量で存在する、スクリーニングするための方法を提供する。
【0057】
一実施形態においては、本発明は、シクロキシジムの存在下での培養を、シクロキシジム濃度を段階的または漸進的に増加させて実施する、スクリーニングするための方法を提供する。
【0058】
一実施形態においては、本発明は、膜上で細胞を培養することを含む、スクリーニングするための方法を提供する。好ましい実施形態においては、本発明は、ナイロン膜上で細胞を培養することを含む、スクリーニングするための方法を提供する。
【0059】
一実施形態においては、本発明は、細胞の培養を液体培地または半固形培地中で行う、シクロキシジム耐性植物細胞をスクリーニングするための方法を提供する。
【0060】
一実施形態においては、本発明は、シクロキシジムの存在下で培養する前に、外因性単子葉植物のプラスチドACCase中に存在しない少なくとも1個の突然変異の同定をさらに含む、スクリーニングするための方法を提供する。
【0061】
一実施形態においては、本発明は、前記単子葉植物がイネである、スクリーニングするための方法を提供する。
【0062】
一実施形態においては、本発明は、前記外因性単子葉植物プラスチドACCaseがイネ由来のものである、スクリーニングするための方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0064】
定義
本明細書で用いられる「耐性」または「除草剤耐性」は、通常は非耐性(例えば、野生型)の植物またはその一部においては成長阻害を引き起こす量の除草剤の存在下で成長することができる植物またはその一部を示す。通常は非耐性植物の成長を阻害する除草剤のレベルは公知であり、当業者であれば容易に決定することができる。例としては、適用のために製造業者により推奨される量が挙げられる。最大速度は通常は非耐性植物の成長を阻害するであろう量の除草剤の例である。
【0065】
本明細書で用いられる「組換え体(組換え)」とは、異なる起源に由来する遺伝物質を有する生物を指す。
【0066】
本明細書で用いられる「突然変異誘発された」とは、対応する野生型生物の遺伝物質と比較して変化した遺伝物質を有する生物であって、遺伝物質の変化がヒトの行動により誘導および/または選択されたものである前記生物を指す。突然変異誘発された生物を作製するのに用いることができるヒトの行動の例としては、限定されるものではないが、致死未満量の除草剤(例えば、シクロキシジムもしくはセトキシジムなどのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ阻害剤)中での植物細胞の組織培養(例えば、カルス)、化学的変異原を用いる植物細胞の処理および除草剤(例えば、シクロキシジムもしくはセトキシジムなどのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ阻害剤)を用いるその後の選択、またはx線を用いる植物細胞の処理および除草剤(例えば、シクロキシジムもしくはセトキシジムなどのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ阻害剤)を用いるその後の選択が挙げられる。当業界で公知の任意の方法を用いて、突然変異を誘導することができる。突然変異を誘導する方法は、遺伝物質中の無作為な位置で突然変異を誘導するか、または遺伝物質中の特定の位置で突然変異を誘導する(すなわち、部位特異的突然変異誘発技術であってよい)ことができる。
【0067】
本明細書で用いられる「遺伝的に改変された生物」(GMO)は、別の起源生物に由来する遺伝物質の挿入により遺伝的特性が変化した生物または挿入された遺伝物質を保持するその子孫である。起源生物は、異なる型の生物(例えば、GMO植物は細菌遺伝物質を含有してもよい)のものであるか、または同じ型の生物(例えば、GMO植物は別の植物に由来する遺伝物質を含有してもよい)に由来するものであってよい。本明細書で用いられる「組換え体」および「GMO」は、同義語と考えられ、異なる起源に由来する遺伝物質の存在を示すが、「突然変異誘発された」は、対応する野生型生物に由来する遺伝物質が変化しているが、別の起源生物に由来する遺伝物質が存在しないことを示す。
【0068】
本明細書で用いられる「野生型」または「対応する野生型植物」とは、突然変異誘発された、および/または組換え体形態とは区別されるように、それが通常に発生する典型的な形態の生物またはその遺伝物質を意味する。
【0069】
本発明について、用語「除草剤耐性(tolerant)」および「除草剤抵抗性(resistant)」は互換的に用いられ、等価な意味および等価な範囲を有すると意図される。同様に、用語「除草剤耐性(tolerance)」および「除草剤抵抗性(resistance)」も互換的に用いられ、等価な意味および等価な範囲を有すると意図される。同様に、用語「耐性(tolerant)」および「抵抗性(resistant)」は互換的に用いられ、等価な意味および等価な範囲を有すると意図される。
【0070】
本明細書に記載の様々な実施形態において有用な除草剤に関して本明細書で用いられる、オーキシン除草剤、AHAS阻害剤、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ(ACCase)阻害剤、PPO阻害剤、EPSPS阻害剤、イミダゾリノン、スルホニルウレアなどの用語は、当業界で認識される農学上許容し得る除草活性成分(A.I.)を指す。同様に、殺菌剤、殺線虫剤、殺虫剤などの用語は、当業界で認識される他の農学上許容し得る活性成分を指す。
【0071】
特定の突然変異酵素またはポリペプチドを参照して用いられる場合、除草剤耐性(tolerant)(HT)および除草剤耐性(tolerance)などの用語は、そのような酵素またはポリペプチドが、通常は野生型(非突然変異体)の前記酵素またはポリペプチドの活性を不活化するか、または阻害するであろう量の除草剤A.I.の存在下でその生理学的活性を実行する能力を指す。例えば、AHAS酵素、またはAHASLポリペプチドに関して特異的に用いられる場合、それはAHAS阻害剤を許容する能力を特異的に指す。AHAS阻害剤のクラスとしては、スルホニルウレア、イミダゾリノン、トリアゾピリミジン、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン、およびピリミジニルオキシ[チオ]安息香酸が挙げられる。
【0072】
本明細書で用いられる「子孫(descendant)」とは、任意の世代の植物を指す。
【0073】
本明細書で用いられる「子孫(progeny)」とは、第1世代の植物を指す。
【0074】
植物
本発明は、イネ科の除草剤耐性単子葉植物を提供する。イネ科を2つの主要なクレード:タケ亜科、エールハルタ亜科、およびイチゴツナギ(Pooideae)亜科を含むクレード(BEPクレード)と、キビ(Panicoideae)亜科、ダンチク(Arundinoideae)亜科、ヒゲシバ(Chloridoideae)亜科、ラッパグサ(Centothecoideae)亜科、ミクライロイデア(Micrairoideae)、アリスチドイデア(Aristidoideae)、およびダントニオイデア(Danthonioideae)を含むクレード(PACCMADクレード)に分けることができる。タケ亜科は、オリザ族を含む。本発明は、BEPクレードの植物、特に、タケ亜科およびエールハルタ亜科の植物に関する。本発明の植物は、典型的には、以下に記載の本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素を発現する結果として、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害する少なくとも1種の除草剤に対して耐性である。BETクレードは、タケ亜科、エールハルタ亜科、およびコムギ類(Triticodae)を含み、他のイチゴツナギ亜科群を含まない。BET作物は、BETサブクレードのメンバーである食物または飼料のために成長させた植物、例えば、オオムギ、トウモロコシなどである。
【0075】
本発明はまた、商業的に重要な除草剤耐性単子葉植物、例えば、サトウキビ(Sugarcane)(サトウキビ種(Saccharum spp.))、ならびに芝草(Turfgrasses)、例えば、ナガハグサ(Poa pratensis)(ブルーグラス(Bluegrass))、ベントグラス種(Agrostis spp.)(ベントグラス(Bentgrass))、ライグラス種(Lolium spp.)(ライグラス)(Ryegrasses)、ウシノケグサ種(Festuca spp.)(フェスク(Fescues))、シバ種(Zoysia spp.)(ゾイシアグラス(Zoysia grass))、バミューダグラス種(Cynodon spp.)(バミューダグラス(Bermudagrass))、バッファローグラス(Stenotaphrum secundatum) (聖オーガスティン草(St. Augustine grass))、パスパルム種(Paspalum spp.)(バヒアグラス(Bahiagrass))、ムカデシバ(Eremochloa ophiuroides) (センチピードグラス(Centipedegrass))、アクソノプス種(Axonopus spp.)(カーペットグラス(Carpetgrass))、ボウテロウア・ダクチロイデス(Bouteloua dactyloides) (バッファローグラス(Buffalograss))、およびボウテロウア変種(Bouteloua var. spp.)(グラーマグラス(Grama grass))を提供する。
【0076】
一実施形態においては、本発明は、タケ亜科の除草剤耐性植物を提供する。そのような植物は、典型的には、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害する1種以上の除草剤に対して耐性である。タケ亜科の除草剤耐性植物の例としては、限定されるものではないが、アルンジナリア属(Arundinaria)、バンブーサ属(Bambusa)、クスケア属(Chusquea)、グアデュア属(Guadua)、およびシバテア属(Shibataea)のものが挙げられる。
【0077】
一実施形態においては、本発明は、エールハルタ亜科の除草剤耐性植物を提供する。そのような植物は、典型的には、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害する1種以上の除草剤に対して耐性である。エールハルタ亜科の除草剤耐性植物の例としては、限定されるものではないが、エールハルタ属(Erharta)、リーシア属(Leersia)、ミクロラエナ属(Microlaena)、オリザ属(Oryza)、およびジザニア属(Zizania)のものが挙げられる。
【0078】
一実施形態においては、本発明は、イチゴツナギ亜科の除草剤耐性植物を提供する。そのような植物は、典型的には、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害する1種以上の除草剤に対して耐性である。エールハルタ亜科の除草剤耐性植物の例としては、限定されるものではないが、トリチカ属(Triticeae)、アベナ属(Aveneae)、およびポア属(Poeae)のものが挙げられる。
【0079】
一実施形態においては、本発明の除草剤耐性植物はイネ植物である。2種のイネ、オリザ・サティバとオリザ・グラベリマが最もよく栽培されている。オリザ・サティバ亜種インディカ、オリザ・サティバ亜種ジャポニカ、オリザ・サティバ亜種ジャバニカ(javanica)、オリザ・サティバ亜種グルチノサ(glutinosa)(餅米)、オリザ・サティバ・アロマティカ(Aromatica)群(例えば、バスマティ)、およびオリザ・サティバ(浮稲群)などのオリザ・サティバの多くの亜種が商業的に重要である。本発明は、上記の全ての種および亜種における除草剤耐性植物を包含する。
【0080】
一実施形態においては、本発明の除草剤耐性植物はコムギ植物である。2種のコムギ、トリチカム・トリチカム・エスチバム(Triticum Triticum aestivum)およびトリチカム・ツルギダム(Triticum turgidum)が最もよく栽培されている。限定されるものではないが、トリチカム・チモフェビ(Triticum timopheevii)、トリチカム・モノコッカム(Triticum monococcum)、トリチカム・ズコフスキ(Triticum zhukovskyi)およびトリチカム・ウラルツ(Triticum urartu)ならびにそのハイブリッドなどの多くの他の種が商業的に重要である。本発明は、上記の全ての種および亜種における除草剤耐性植物を包含する。本発明の範囲内に含まれるトリチカム・エスチバム亜種の例は、エスチバム(普通コムギ)、コンパクタム(compactum)(クラブコムギ)、マチャ(macha)(マチャコムギ)、バビロビ(vavilovi) (バビロビコムギ)、スペルタ(spelta)およびスフェクロコッカム(sphaecrococcum) (ショットコムギ)である。本発明の範囲内に含まれるトリチカム・ツルギダム亜種の例は、ツルギダム(turgidum)、カルトリカム(carthlicum)、ジコッコン(dicoccon)、デュラム(durum)、パレオコルキクナ(paleocolchicuna)、ポロニカム(polonicum)、ツラニカム(turanicum)およびジコッコイデス(dicoccoides)である。本発明の範囲内に含まれるトリチカム・モノコッカム亜種の例は、モノコッカム(monococcum) (ヒトツブコムギ)およびエギロポイデス(aegilopoides)である。本発明の一実施形態においては、コムギ植物はトリチカム・エスチバム種、およびより具体的には、CDC Teal栽培品種の一員である。
【0081】
一実施形態においては、本発明の除草剤耐性植物は、オオムギ植物である。2種のオオムギ、ホルデウム・ブルガレ(Hordeum vulgare)およびホルデウム・アリゾニカム(Hordeum arizonicum)が最もよく栽培されている。限定されるものではないが、ホルデウム・ボグダニ(Hordeum bogdanii)、ホルデウム・ブラキアンテラム(Hordeum brachyantherum)、ホルデウム・ブレビスブラタム(Hordeum brevisubulatum)、ホルデウム・ブルボサム(Hordeum bulbosum)、ホルデウム・コモサム(Hordeum comosum)、ホルデウム・デプレッサム(Hordeum depressum)、ホルデウム・インテルセデンス(Hordeum intercedens)、ホルデウム・ジュバタム(Hordeum jubatum)、ホルデウム・マリナム(Hordeum marinum)、ホルデウム・マリナム(Hordeum marinum)、ホルデウム・パロジ(Hordeum parodii)、ホルデウム・プシラム(Hordeum pusillum)、ホルデウム・セカリナム(Hordeum secalinum)、およびホルデウム・スポンタネウム(Hordeum spontaneum)などの多くの他の種が商業的に重要である。本発明は、上記の全ての種および亜種における除草剤耐性植物を包含する。
【0082】
一実施形態においては、本発明の除草剤耐性植物は、ライムギ植物である。商業的に重要な種としては、限定されるものではないが、セカレ・シルベストレ(Secale sylvestre)、セカレ・ストリクタム(Secale strictum)、セカレ・セレアレ(Secale cereale)、セカレ・バビロビ(Secale vavilovii)、セカレ・アフリカナム(Secale africanum)、セカレ・シリアトグルム(Secale ciliatoglume)、セカレ・アンセストラレ(Secale ancestrale)、およびセカレ・モンタナム(Secale montanum)が挙げられる。本発明は、上記の全ての種および亜種における除草剤耐性植物を包含する。
【0083】
一実施形態においては、本発明の除草剤耐性植物は芝植物である。芝草のいくつかの商業的に重要な種としては、ゾイシア・ジャポニカ(Zoysia japonica)、アグロストリス・パルストリス(Agrostris palustris)、ポア・プラテンシス(Poa pratensis)、ポア・アヌア(Poa annua)、デジタリア・サンギナリス(Digitaria sanguinalis)、シペルス・ロタンダス(Cyperus rotundus)、キリンガ・ブレビフォリア(Kyllinga brevifolia)、シペルス・アムリカス(Cyperus amuricus)、エリゲロン・カナデンシス(Erigeron canadensis)、ヒドロコチレ・シブトルピオイデス(Hydrocotyle sibthorpioides)、クメロウィア・ストリアタ(Kummerowia striata)、ユーフォビア・フミフサ(Euphorbia humifusa)、およびビオラ・アルベンシス(Viola arvensis)が挙げられる。本発明は、上記の全ての種および亜種における除草剤耐性植物を包含する。
【0084】
アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害する除草剤を許容することができることに加えて、本発明の植物はまた、他の生理学的プロセスに対して作用する除草剤を許容することもできる。例えば、本発明の植物は、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ阻害剤に対して耐性であってよく、また、他の除草剤、例えば、酵素阻害剤に対して耐性であってもよい。本発明の植物が耐性であってよい他の酵素阻害剤の例としては、限定されるものではないが、グリホサートなどの5-エンドピルビルシキメート-3-リン酸シンターゼ(EPSPS)の阻害剤、イミダゾリノン、スルホニルウレアおよびスルホンアミド除草剤などのアセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)の阻害剤、ならびにグルホシナートなどのグルタミンシンターゼの阻害剤が挙げられる。酵素阻害剤に加えて、本発明の植物は、他の作用機序を有する除草剤、例えば、2,4-Dもしくはジカンバなどのオーキシン除草剤、ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害剤もしくはフィトエンデサチュラーゼ(PDS)阻害剤などのクロロフィル/カロテノイド色素阻害剤、プロトポルフィリノゲン-IXオキシダーゼ阻害剤、細胞膜破壊剤、ブロモキシニルもしくはイオキシニルなどの光合成阻害剤、細胞分裂阻害剤、根阻害剤、シュート阻害剤、およびその組合せに対して耐性であってもよい。かくして、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ阻害剤に対して耐性である本発明の植物を、複数のクラスの除草剤に対して抵抗性にすることができる。
【0085】
例えば、「ジム」(例えば、シクロキシジム、セトキシジム、クレトジム、もしくはテプラロキシジム)、「ホップ」(例えば、クロジナホップ、ジクロホップ、フルアジホップ、ハロキシホップ、もしくはキザロホップ)、および「デン」(ピノキサデンなど)などのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼに対して耐性である本発明の植物は、いくつかの実施形態においては、グリホサートなどのEPSPS阻害剤、ピリミジンジオンなど、サフルフェナシル、トリアゾリノンなど、スルフェントラゾン、カルフェントラゾン、フルミオキサジン、ジフェニルエーテルなど、アシフルオルフェン、ホメサフェン、ラクトフェン、オキシフルオルフェン、N-フェニルフタルアミドなど、フルミクロラック、CGA-248757などのPPO阻害剤、および/またはグルホシナートなどのGS阻害剤に対して耐性である、オーキシン除草剤耐性であってよい。これらのクラスの阻害剤に加えて、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ阻害剤に対して耐性である本発明の植物はまた、他の作用機序を有する除草剤、例えば、クロロフィル/カロテノイド色素阻害剤、細胞膜破壊剤、光合成阻害剤、細胞分裂阻害剤、根阻害剤、シュート阻害剤、およびその組合せに対しても耐性であってもよい。そのような耐性形質を、例えば、突然変異EPSPSタンパク質、もしくは突然変異グルタミンシンテターゼタンパク質として;または突然変異体の天然、近交系、もしくはトランスジェニックのアリールオキシアルカノエートジオキシゲナーゼ(AADもしくはDHT)、ハロアリールニトリラーゼ(BXN)、2,2-ジクロロプロピオン酸デハロゲナーゼ(DEH)、グリホサート-N-アセチルトランスフェラーゼ(GAT)、グリホサートデカルボキシラーゼ(GDC)、グリホサートオキシドリダクターゼ(GOX)、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(PATもしくはバー)、または除草剤分解活性を有するシトクロムP450(CYP450)タンパク質として発現させることができる。アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ阻害剤に対して耐性である植物に、限定されるものではないが、Bt Cryおよび鞘翅目昆虫、鱗翅目昆虫、線虫、もしくは他の害虫に対する殺虫活性を有する他のタンパク質などの殺虫形質;改変油含量もしくは油プロフィール形質、高いタンパク質もしくは高いアミノ酸濃度形質などの栄養もしくは栄養補助形質、ならびに当業界で公知の他の形質型などの他の形質を積み重ねることもできる。
【0086】
さらに、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害する除草剤に対して耐性にすることができることに加えて、組換えDNA技術の使用により、1種以上の殺虫タンパク質、特に、バチルス属細菌、特に、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する公知のもの、例えば、δ-エンドトキシン、例えば、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIF、CryIF(a2)、CryIIA(b)、CryIIIA、CryIIIB(b1)もしくはCry9c;植物性殺虫タンパク質(VIP)、例えば、VIP1、VIP2、VIP3もしくはVIP3A;細菌定着性線虫、例えば、フォトラブダス(Photorhabdus)種もしくはゼノラブダス(Xenorhabdus)種の殺虫タンパク質;サソリ毒、クモ毒、ハチ毒、もしくは他の昆虫特異的神経毒などの動物により産生される毒素;ストレプトミセス毒素などの菌類により産生される毒素、エンドウ豆レクチンもしくはオオムギレクチンなどの植物レクチン;アグルチニン;トリプシン阻害剤、セリンプロテアーゼ阻害剤、パラチン、シスタチンもしくはパパイン阻害剤などのプロテイナーゼ阻害剤;リシン、トウモロコシRIP、アブリン、ルフィン、サポリンもしくはブリオジンなどのリボソーム不活化タンパク質(RIP);3-ヒドロキシ-ステロイドオキシダーゼ、エクジステロイド-IDP-グリコシル-トランスフェラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、エクジソン阻害剤もしくはHMG-CoAリダクターゼなどのステロイド代謝酵素;ナトリウムもしくはカルシウムチャンネルの遮断剤などのイオンチャンネル遮断剤;幼若ホルモンエステラーゼ;利尿ホルモン受容体(ヘリコキニン受容体);スチルベンシンターゼ、ビベンジルシンターゼ、キチナーゼもしくはグルカナーゼを合成することができる植物も包含される。本発明の文脈において、これらの殺虫タンパク質または毒素は、プレ毒素、ハイブリッドタンパク質、トランケート型またはさもなければ改変型タンパク質としても明確に理解されるべきである。ハイブリッドタンパク質は、タンパク質ドメインの新しい組合せを特徴とする(例えば、WO 02/015701を参照されたい)。そのような毒素またはそのような毒素を合成することができる遺伝的に改変された植物のさらなる例は、例えば、EP-A 374 753、WO 93/007278、WO 95/34656、EP-A 427 529、EP-A 451 878、WO 03/18810およびWO 03/52073に開示されている。そのような遺伝的に改変された植物を作製する方法は、当業者には一般的に公知であり、例えば、上記の刊行物に記載されている。遺伝的に改変された植物に含まれるこれらの殺虫タンパク質は、これらのタンパク質を産生する植物に、節足動物の全ての分類群に由来する害虫、特に、甲虫(鞘翅目)、双翅目昆虫(双翅目)、および蛾(鱗翅目)ならびに線虫(線形動物門)に対する耐性を付与する。
【0087】
さらに、一実施形態においては、例えば、組換えDNA技術の使用および/または育種により、細菌、ウイルスまたは菌類病原体に対するこれらの植物の抵抗性または耐性を増加させる1種以上のタンパク質を合成することができる、および/またはさもなければそのような形質について選択された植物も包含される。そのような遺伝的に改変された植物を作製する方法は、当業者には一般的に公知である。本明細書に記載のように作製された植物に、限定されるものではないが、疾患抵抗性、増強されたミネラルプロフィール、増強されたビタミンプロフィール、増強された油プロフィール(例えば、高いオレイン酸含量)、アミノ酸プロフィール(例えば、高リジントウモロコシ)、および当業界で公知の他の形質型などの他の形質を積み重ねることもできる。
【0088】
さらに、一実施形態においては、例えば、組換えDNA技術の使用および/または育種および/または他の選択手段により、生産性(例えば、バイオマス生産、穀粒収量、デンプン含量、油含量もしくはタンパク質含量)、乾燥、塩分もしくは他の成長制限環境因子に対する耐性またはこれらの植物の害虫および菌類、細菌もしくはウイルス病原体に対する耐性を増加させる1種以上のタンパク質を合成することができる植物も包含される。
【0089】
さらに、一実施形態においては、例えば、組換えDNA技術の使用および/または育種および/または他の選択手段により、特に、ヒトまたは動物の栄養吸収を改善するための、改変された量の物質の含量または新しい物質の含量を含有する植物も包含される。さらに、組換えDNA技術の使用により、特に、生の材料生産を改善するための、改変された量の物質の含量または新しい物質の含量を含有する植物も包含される。
【0090】
さらに、いくつかの実施形態においては、例えば、組換えDNA技術の使用および/または育種により、増加したビタミンおよび/もしくはミネラルの量、ならびに/または改善された栄養補助化合物のプロフィールを含むように変化させた、および/またはさもなければそのような形質について選択された、本発明の植物も包含される。
【0091】
一実施形態においては、野生型植物と比較して、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ阻害剤に対して耐性である本発明の植物は、グルコシノレート(例えば、グルコラファニン(4-メチルスルフィニルブチル-グルコシノレート)、スルホラファン、3-インドリルメチル-グルコシノレート(グルコブラシシン)、1-メトキシ-3-インドリルメチル-グルコシノレート(ネオグルコブラシシン));フェノール類(例えば、フラボノイド(例えば、ケルセチン、ケンフェロール)、ヒドロキシシナモイル誘導体(例えば、1,2,2'-トリシナポイルゲンチオビオース、1,2-ジフェルロイルゲンチオビオース、1,2'-ジシナポイル-2-フェルロイルゲンチビオース、3-O-カフェオイル-キナ酸(ネオクロロゲン酸);ならびにビタミンおよびミネラル(例えば、ビタミンC、ビタミンE、カロテン、葉酸、ナイアシン、リボフラビン、チアミン、カルシウム、鉄、マグネシウム、カリウム、セレン、および亜鉛)からなる群より選択される化合物の量が増加しているか、またはそのプロフィールが改善されている。
【0092】
別の実施形態においては、野生型植物と比較して、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ阻害剤に対して耐性である本発明の植物は、プロゴイトリン;イソチオシアネート;インドール(グルコシノレートの加水分解産物);グルタチオン;β-カロテン、リコペンなどのカロテノイド、ならびにルテインおよびゼアキサンチンなどのキサントフィルカロテノイド;フラボノール(例えば、ケルセチン、ルチン)、フラバン/タンニン(クマリン、プロアントシアニジン、カテキン、およびアントシアニンを含むプロシアニジンなど)などのフラボノイドを含むフェノール類;フラボン;クメスタン、リグナン、レスベラトロール、イソフラボンなどのフィトエストロゲン、例えば、ゲニステイン、ダイドゼイン、およびグリシテイン;レソルシル酸ラクトン;有機硫黄化合物;フィトステロール;カルノソール、ロスマリン酸、グリチルリチンおよびサポニンなどのテルペノイド;クロロフィル;クロロフィリン、糖類、アントシアニン、およびバニラからなる群より選択される化合物の量が増加しているか、またはそのプロフィールが改善されている。
【0093】
他の実施形態においては、野生型植物と比較して、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ阻害剤に対して耐性である本発明の植物は、ビンクリスチン、ビンブラスチン、タキサン(例えば、タキソール(パクリタキセル)、バッカチンIII、10-デスアセチルバッカチンIII、10-デスアセチルタキソール、キシロシルタキソール、7-エピタキソール、7-エピバッカチンIII、10-デスアセチルセファロマニン、7-エピセファロマニン、タキソテール、セファロマニン、キシロシルセファロマニン、タキサジフィン、8-ベンキソイルオキシタキサジフィン、9-アセチルオキシタクスシン、9-ヒドロキシタクスシン、タイワンキサム、タキサンIa、タキサンIb、タキサンIc、タキサンId、GMPパクリタキセル、9-ジヒドロ13-アセチルバッカチンIII、10-デスアセチル-7-エピタキソール、テトラヒドロカナビノール(THC)、カナビジオール(CBD)、ゲニステイン、ジアドゼイン、コデイン、モルヒネ、キニン、シコニン、アジュマリシン、セルペンチンなどからなる群より選択される化合物の量が増加しているか、またはそのプロフィールが改善されている。
【0094】
本発明はまた、本発明の植物の子孫ならびに本発明の除草剤耐性植物から誘導された種子および本発明の除草剤耐性植物から誘導された細胞も包含する。
【0095】
様々な実施形態において、本明細書に記載の植物を用いて、植物産物を生産することができる。かくして、子孫種子を調製するための方法は、本明細書に記載の植物を生産することができる種子を植えること、得られる植物を成長させること、およびその子孫種子を収穫することを含む。いくつかの実施形態においては、そのような方法は、得られる植物にACCase阻害除草組成物を適用することをさらに含んでもよい。同様に、本明細書に記載の植物から誘導産物を生産する方法は、その植物の一部を加工して、誘導産物を取得することを含んでもよい。いくつかの実施形態においては、そのような方法を用いて、例えば、飼料、餌、種子粉末、油、または種子処理コーティング種子のいずれかである誘導産物を取得することができる。そのような方法により得られる種子、処理種子、および他の植物産物は、商業化することができる有用な産物である。
【0096】
様々な実施形態において、本発明は、本明細書に記載の任意の植物からの食品、消費者製品、工業製品、および動物用製品の製造を提供する。
【0097】
アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素
本発明は、対応する野生型植物中に認められるアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素を発現する植物を提供する。理解を容易にするために、本明細書で用いられるアミノ酸番号方式は、アロペクルス・ミオスロイデス[Huds.](ブラックグラスとも呼ばれる)に由来するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼに用いられる番号方式であろう。アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードするmRNA配列は、GenBankアクセッション番号AJ310767で入手可能であり、そのタンパク質配列はGenBankアクセッション番号CAC84161で入手可能であり、それらは特にいずれも参照により本明細書に組入れられるものとする。言及されるアミノ酸の番号の後に(Am)を付けて、アミノ酸が対応するアロペクルス・ミオスロイデス配列中のアミノ酸を示す。
図18は、アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼのアミノ酸配列を提供する(GenBankアクセッション番号CAC84161)。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ中で変化してもよいアミノ酸を太字の下線付きで示し、
図19は、アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと整列させた野生型オリザ・サティバのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼのアミノ酸配列を表し、いくつかの重要な残基を示している。
【0098】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置1,781(Am)で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。野生型アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にイソロイシンを有する(I1781)。本発明の1,781(Am)ACCase突然変異体は、この位置にイソロイシン以外のアミノ酸を有するであろう。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ中のこの位置に認められてよいアミノ酸の好適な例としては、限定されるものではないが、ロイシン(I1781L)、バリン(I1781V)、トレオニン(I1781T)およびアラニン(I1781A)が挙げられる。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、位置1,781(Am)にロイシンを有するであろう。
【0099】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置1,785(Am)で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。野生型アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,785(Am)にアラニンを有する(A1785)。本発明の1,785(Am)ACCase突然変異体は、この位置にアラニン以外のアミノ酸を有するであろう。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ中のこの位置に認められてよいアミノ酸の好適な例としては、限定されるものではないが、グリシン(A1785G)が挙げられる。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、位置1,785(Am)にグリシンを有するであろう。
【0100】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置1,786(Am)で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。野生型アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,786(Am)にアラニンを有する(A1786)。本発明の1,786(Am)ACCase突然変異体は、この位置にアラニン以外のアミノ酸を有するであろう。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ中のこの位置に認められてよいアミノ酸の好適な例としては、限定されるものではないが、プロリン(A1786P)が挙げられる。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、位置1,786(Am)にプロリンを有するであろう。
【0101】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置1,811(Am)で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。野生型アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,811(Am)にイソロイシンを有する(I1811)。本発明の1,811(Am)ACCase突然変異体は、この位置にイソロイシン以外のアミノ酸を有するであろう。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ中のこの位置に認められてよいアミノ酸の好適な例としては、限定されるものではないが、アスパラギン(I1811N)が挙げられる。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、位置1,811(Am)にアスパラギンを有するであろう。
【0102】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置1,824(Am)で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。野生型アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,824(Am)にグルタミンを有する(Q1824)。本発明の1,824(Am)ACCase突然変異体は、この位置にグルタミン以外のアミノ酸を有するであろう。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ中のこの位置に認められてよいアミノ酸の好適な例としては、限定されるものではないが、プロリン(Q1824P)が挙げられる。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、位置1,824(Am)にプロリンを有するであろう。
【0103】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置1,864(Am)で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。野生型アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,864(Am)にバリンを有する(V1864)。本発明の1,864(Am)ACCase突然変異体は、この位置にバリン以外のアミノ酸を有するであろう。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ中のこの位置に認められてよいアミノ酸の好適な例としては、限定されるものではないが、フェニルアラニン(V1864F)が挙げられる。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、位置1,864(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。
【0104】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置1,999(Am)で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。野生型アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,999(Am)にトリプトファンを有する(W1999)。本発明の1,999(Am)ACCase突然変異体は、この位置にトリプトファン以外のアミノ酸を有するであろう。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ中のこの位置に認められてよいアミノ酸の好適な例としては、限定されるものではないが、システイン(W1999C)およびグリシン(W1999G)が挙げられる。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、位置1,999(Am)にグリシンを有するであろう。
【0105】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,027(Am)で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。野生型アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,027 (Am)にトリプトファンを有する(W2027)。本発明の2,027 (Am)ACCase突然変異体は、この位置にトリプトファン以外のアミノ酸を有するであろう。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ中のこの位置に認められてよいアミノ酸の好適な例としては、限定されるものではないが、システイン(W2027C)およびアルギニン(W2027R)が挙げられる。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、位置2,027(Am)にシステインを有するであろう。
【0106】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,039(Am)で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。野生型アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,039 (Am)にグルタミン酸を有する(E2039)。本発明の2,039 (Am)ACCase突然変異体は、この位置にグルタミン酸以外のアミノ酸を有するであろう。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ中のこの位置に認められてよいアミノ酸の好適な例としては、限定されるものではないが、グリシン(E2039G)が挙げられる。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、位置2,039(Am)にグリシンを有するであろう。
【0107】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,041(Am)で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。野生型アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041 (Am)にイソロイシンを有する(I2041)。本発明の2,041 (Am)ACCase突然変異体は、この位置にイソロイシン以外のアミノ酸を有するであろう。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ中のこの位置に認められてよいアミノ酸の好適な例としては、限定されるものではないが、アスパラギン(I2041N)、またはバリン(I2041V)が挙げられる。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、位置2,041(Am)にアスパラギンを有するであろう。
【0108】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,049(Am)で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。野生型アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,049 (Am)にバリンを有する(V2049)。本発明の2,049 (Am)ACCase突然変異体は、この位置にバリン以外のアミノ酸を有するであろう。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ中のこの位置に認められてよいアミノ酸の好適な例としては、限定されるものではないが、フェニルアラニン(V2049F)、イソロイシン(V2049I)およびロイシン(V2049L)が挙げられる。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、位置2,049(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。
【0109】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,059(Am)で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。野生型アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,059 (Am)にアラニンを有する(A2059)。本発明の2,059 (Am)ACCase突然変異体は、この位置にアラニン以外のアミノ酸を有するであろう。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ中のこの位置に認められてよいアミノ酸の好適な例としては、限定されるものではないが、バリン(A2059V)が挙げられる。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、位置2,059(Am)にバリンを有するであろう。
【0110】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,074(Am)で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。野生型アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,074 (Am)にトリプトファンを有する(W2074)。本発明の2,074 (Am)ACCase突然変異体は、この位置にトリプトファン以外のアミノ酸を有するであろう。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ中のこの位置に認められてよいアミノ酸の好適な例としては、限定されるものではないが、ロイシン(W2074L)が挙げられる。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、位置2,074(Am)にロイシンを有するであろう。
【0111】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,075(Am)で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。野生型アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,075 (Am)にバリンを有する(V2075)。本発明の2,075 (Am)ACCase突然変異体は、この位置にバリン以外のアミノ酸を有するであろう。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ中のこの位置に認められてよいアミノ酸の好適な例としては、限定されるものではないが、メチオニン(V2075M)、ロイシン(V2075L)およびイソロイシン(V2075I)が挙げられる。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、位置2,075(Am)にバリンを有するであろう。いくつかの実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、位置2075(Am)にバリンならびに位置2075(Am)の直後および位置2076(Am)のバリンの前にさらなるバリンを有するであろう、すなわち、野生型酵素が2個のバリンを有する場合、3個の連続するバリンを有してもよい。
【0112】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,078(Am)で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。野生型アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,078 (Am)にアスパラギン酸を有する(D2078)。本発明の2,078 (Am)ACCase突然変異体は、この位置にアスパラギン酸以外のアミノ酸を有するであろう。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ中のこの位置に認められてよいアミノ酸の好適な例としては、限定されるものではないが、リジン(D2078K)、グリシン(D2078G)、またはトレオニン(D2078T)が挙げられる。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、位置2,078(Am)にグリシンを有するであろう。
【0113】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,079(Am)で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。野生型アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,079 (Am)にセリンを有する(S2078)。本発明の2,079 (Am)ACCase突然変異体は、この位置にセリン以外のアミノ酸を有するであろう。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ中のこの位置に認められてよいアミノ酸の好適な例としては、限定されるものではないが、フェニルアラニン(S2079F)が挙げられる。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、位置2,079(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。
【0114】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,080(Am)で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。野生型アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,080 (Am)にリジンを有する(K2080)。本発明の2,080 (Am)ACCase突然変異体は、この位置にリジン以外のアミノ酸を有するであろう。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ中のこの位置に認められてよいアミノ酸の好適な例としては、限定されるものではないが、グルタミン酸(K2080E)が挙げられる。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、位置2,080(Am)にグルタミン酸を有するであろう。別の実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、この位置に欠失を有するであろう(Δ2080)。
【0115】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,081(Am)で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。野生型アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,081 (Am)にイソロイシンを有する(I2081)。本発明の2,081 (Am)ACCase突然変異体は、この位置にイソロイシン以外のアミノ酸を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、この位置に欠失を有するであろう(Δ2081)。
【0116】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,088(Am)で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。野生型アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,088 (Am)にシステインを有する(C2088)。本発明の2,088 (Am)ACCase突然変異体は、この位置にシステイン以外のアミノ酸を有するであろう。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ中のこの位置に認められてよいアミノ酸の好適な例としては、限定されるものではないが、アルギニン(C2088R)、トリプトファン(C2088W)、フェニルアラニン(C2088F)、グリシン(C2088G)、ヒスチジン(C2088H)、リジン(C2088K)、セリン(C2088S)、トレオニン(C2088T)、ロイシン(C2088L)またはバリン(C2088V)が挙げられる。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、位置2,088(Am)にアルギニンを有するであろう。
【0117】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,095(Am)で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。野生型アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,095 (Am)にリジンを有する(K2095)。本発明の2,095 (Am)ACCase突然変異体は、この位置にリジン以外のアミノ酸を有するであろう。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ中のこの位置に認められてよいアミノ酸の好適な例としては、限定されるものではないが、グルタミン酸(K2095E)が挙げられる。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、位置2,095(Am)にグルタミン酸を有するであろう。
【0118】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,096(Am)で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。野生型アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,096 (Am)にグリシンを有する(G2096)。本発明の2,096 (Am)ACCase突然変異体は、この位置にグリシン以外のアミノ酸を有するであろう。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ中のこの位置に認められてよいアミノ酸の好適な例としては、限定されるものではないが、アラニン(G2096A)、またはセリン(G2096S)が挙げられる。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、位置2,096(Am)にアラニンを有するであろう。
【0119】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,098(Am)で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。野生型アロペクルス・ミオスロイデスのアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,098 (Am)にバリンを有する(V2098)。本発明の2,098 (Am)ACCase突然変異体は、この位置にバリン以外のアミノ酸を有するであろう。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ中のこの位置に認められてよいアミノ酸の好適な例としては、限定されるものではないが、アラニン(V2098A)、グリシン(V2098G)、プロリン(V2098P)、ヒスチジン(V2098H)、セリン(V2098S)またはシステイン(V2098C)が挙げられる。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、位置2,098(Am)にアラニンを有するであろう。
【0120】
一実施形態においては、本発明は、以下の位置:1,781(Am)、1,785(Am)、1,786(Am)、1,811(Am)、1,824(Am)、1,864(Am)、1,999(Am)、2,027(Am)、2,039(Am)、2,041(Am)、2,049(Am)、2,059(Am)、2,074(Am)、2,075(Am)、2,078(Am)、2,079(Am)、2,080(Am)、2,081(Am)、2,088(Am)、2,095(Am)、2,096(Am)、または2,098(Am)のうちの1個のみにおいて、対応する野生型植物のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる本発明の除草剤耐性植物のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼを包含する。一実施形態においては、本発明の除草剤耐性植物のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、以下の位置:2,078(Am)、2,088(Am)、または2,075(Am)のうちの1個のみにおいて異なるであろう。好ましい実施形態においては、本発明の除草剤耐性植物のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、以下の位置:2,039(Am)、2,059(Am)、2,080(Am)、または2,095(Am)のうちの1個のみにおいて異なるであろう。より好ましい実施形態においては、本発明の除草剤耐性植物のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、以下の位置:1,785(Am)、1,786(Am)、1,811(Am)、1,824(Am)、1,864(Am)、2,041(Am)、2,049(Am)、2,074(Am)、2,079(Am)、2,081(Am)、2,096(Am)、または2,098(Am)のうちの1個のみにおいて異なるであろう。最も好ましい実施形態においては、本発明の除草剤耐性植物のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、以下の位置:1,781(Am)、1,999(Am)、2,027(Am)、2,041(Am)、または2,096(Am)のうちの1個のみにおいて異なるであろう。
【0121】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、以下の置換:位置2,075(Am)のイソロイシン、位置2,078(Am)のグリシン、または位置2,088(Am)のアルギニンのうちの1個のみを有するであろう。好ましい実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、以下の置換:位置2,039(Am)のグリシン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,075(Am)のメチオニン、位置2,075(Am)の重複(すなわち、2,074(Am)と2,075(Am)の間でのバリンの挿入、もしくは位置2,075(Am)と2,076(Am)の間でのバリンの挿入)、アミノ酸位置2,080(Am)の欠失、位置2,080(Am)のグルタミン酸、位置2,081(Am)の欠失、または位置2,095(Am)のグルタミン酸のうちの1個のみを有するであろう。より好ましい実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、以下の置換:位置1,785(Am)のグリシン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置2,075(Am)のロイシン、位置2,075(Am)のメチオニン、位置2,078(Am)のトレオニン、位置2,080(Am)の欠失、位置2,081(Am)の欠失、位置2,088(Am)のトリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリン、位置2,096(Am)のセリン、位置2,096(Am)のアラニン、位置2,098(Am)のアラニン、位置2,098(Am)のグリシン、位置2,098(Am)のヒスチジン、位置2,098(Am)のプロリン、または位置2,098(Am)のセリンのうちの1個のみを有するであろう。最も好ましい実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、以下の置換:位置1,781(Am)のロイシン、位置1,781(Am)のトレオニン、位置1,781(Am)のバリン、位置1,781(Am)のアラニン、位置1,999(Am)のグリシン、位置2,027(Am)のシステインもしくはアルギニン、位置2,027(Am)のアルギニン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,041(Am)のバリン、位置2,096(Am)のアラニン、および位置2,096(Am)のセリンのうちの1個のみを有するであろう。
【0122】
一実施形態においては、以下の置換:位置2,075(Am)のイソロイシン、位置2,078(Am)のグリシン、または位置2,088(Am)のアルギニンのうちの1個のみを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼポリペプチドをコードする核酸を、トランスジェニック的に用いる。別の実施形態においては、単子葉植物細胞を、以下の置換:位置2,075(Am)のイソロイシン、位置2,078(Am)のグリシン、または位置2,088(Am)のアルギニンのうちの1個のみを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼポリペプチドをコードする核酸を含む発現ベクター構築物で形質転換する。
【0123】
一実施形態においては、本発明は、上記のただ1個のアミノ酸位置に置換を有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼポリペプチドをコードする核酸を含むイネ植物を提供する。
【0124】
一実施形態においては、上記のただ1個のアミノ酸位置に置換を有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼポリペプチドをコードする核酸を含むBEPクレードの植物を提供する。
【0125】
一実施形態においては、上記のただ1個のアミノ酸位置に置換を有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼポリペプチドをコードする核酸を含むBETサブクレードの植物を提供する。
【0126】
一実施形態においては、上記のただ1個のアミノ酸位置に置換を有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼポリペプチドをコードする核酸を含むBET作物を提供する。
【0127】
一実施形態においては、上記のただ1個のアミノ酸位置に置換を有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼポリペプチドをコードする核酸を含む単子葉植物を提供する。
【0128】
一実施形態においては、アミノ酸位置1,781(Am)に置換を有し、位置1,781(Am)のアミノ酸が野生型のアミノ酸と異なり、ロイシンではない、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼポリペプチドをコードする核酸を含む単子葉植物を提供する。
【0129】
一実施形態においては、アミノ酸位置1,999(Am)に置換を有し、位置1,999(Am)のアミノ酸が野生型のアミノ酸と異なり、システインではない、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼポリペプチドをコードする核酸を含む単子葉植物を提供する。
【0130】
一実施形態においては、アミノ酸位置2,027(Am)に置換を有し、位置2,027(Am)のアミノ酸が野生型のアミノ酸と異なり、システインではない、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼポリペプチドをコードする核酸を含む単子葉植物を提供する。
【0131】
一実施形態においては、アミノ酸位置2,041(Am)に置換を有し、位置2,041(Am)のアミノ酸が野生型のアミノ酸と異なり、バリンまたはアスパラギンではない、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼポリペプチドをコードする核酸を含む単子葉植物を提供する。
【0132】
一実施形態においては、アミノ酸位置2,096(Am)に置換を有し、位置2,096(Am)のアミノ酸が野生型のアミノ酸と異なり、アラニンではない、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼポリペプチドをコードする核酸を含む単子葉植物を提供する。
【0133】
本発明はまた、2個以上の位置で、対応する野生型植物中に認められるアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素のアミノ酸と異なるアミノ酸配列を有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素を包含する。例えば、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、2、3、4、5、6、または7個の位置で、対応する野生型植物中に認められるアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素のアミノ酸と異なっていてもよい。
【0134】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置1,781(Am)および1個以上のさらなるアミノ酸位置で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、またはアラニンを有するであろう。さらに、本実施形態の酵素はまた、位置1,785(Am)のグリシン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置1,824(Am)のプロリン、位置1,864(Am)のフェニルアラニン、位置1,999(Am)のシステインもしくはグリシン、位置2,027(Am)のシステインもしくはアルギニン、位置2,039(Am)のグリシン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,049(Am)のフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,074(Am)のロイシン、位置2,075(Am)のロイシン、イソロイシン、メチオニン、もしくはさらなるバリン、位置2,078(Am)のグリシンもしくはトレオニン、位置2,079(Am)のフェニルアラニン、位置2,080(Am)のグルタミン酸、位置2,080(Am)の欠失、位置2,081(Am)の欠失、位置2,088(Am)のアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、セリン、トレオニン、もしくはバリン、位置2,095(Am)のグルタミン酸、位置2,096(Am)のアラニンもしくはセリン、および位置2,098(Am)のアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンのうちの1個以上を含むであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置1,785(Am)にグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置1,786(Am)にプロリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置1,811(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置1,824(Am)にプロリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置1,864(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,039(Am)にグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,041(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,049(Am)にフェニルアラニン、ロイシンもしくはイソロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,059(Am)にバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,074(Am)にロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニン、もしくはさらなるバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,079(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,080(Am)にグルタミン酸もしくは欠失を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,081(Am)に欠失を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、セリン、トレオニン、もしくはバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,095(Am)にグルタミン酸を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニン、および位置2,041(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニン、および位置2,041(Am)にアスパラギン、および位置2,096(Am)にアラニンを有するであろう。
【0135】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置1,785(Am)および1個以上のさらなるアミノ酸位置で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、位置1,785(Am)にグリシンを有するであろう。さらに、本実施形態の酵素はまた、位置1,781(Am)のロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置1,824(Am)のプロリン、位置1,864(Am)のフェニルアラニン、位置1,999(Am)のシステインもしくはグリシン、位置2,027(Am)のシステインもしくはアルギニン、位置2,039(Am)のグリシン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,049(Am)のフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,074(Am)のロイシン、位置2,075(Am)のロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリン、位置2,078(Am)のグリシンもしくはトレオニン、位置2,079(Am)のフェニルアラニン、位置2,080(Am)のグルタミン酸、位置2,080(Am)の欠失、位置2,081(Am)の欠失、位置2,088(Am)のアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリン、位置 2,095(Am)、位置 2,096(Am)、および位置2,098(Am)のアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンのうちの1個以上を含むであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,785(Am)にグリシンおよび位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,785(Am)にグリシンおよび位置1,786(Am)にプロリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,785(Am)にグリシンおよび位置1,811(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,785(Am)にグリシンおよび位置1,824(Am)にプロリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,785(Am)にグリシンおよび位置1,864(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,785(Am)にグリシンおよび位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,785(Am)にグリシンおよび位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,785(Am)にグリシンおよび位置2,039(Am)にグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,785(Am)にグリシンおよび位置2,041(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,785(Am)にグリシンおよび位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,785(Am)にグリシンおよび位置2,059(Am)にバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,785(Am)にグリシンおよび位置2,074(Am)にロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,785(Am)にグリシンおよび位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,785(Am)にグリシンおよび位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,785(Am)にグリシンおよび位置2,079(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,785(Am)にグリシンおよび位置2,080(Am)にグルタミン酸もしくは欠失を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,785(Am)にグリシンおよび位置2,081(Am)に欠失を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,785(Am)にグリシンおよび位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,785(Am)にグリシンおよび位置2,095(Am)にグルタミン酸を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,785(Am)にグリシンおよび位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,785(Am)にグリシンおよび位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンを有するであろう。
【0136】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置1,786(Am)および1個以上のさらなるアミノ酸位置で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、位置1,786(Am)にプロリンを有するであろう。さらに、本実施形態の酵素はまた、位置1,781(Am)のロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置1,785(Am)のグリシン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置1,824(Am)のプロリン、位置1,864(Am)のフェニルアラニン、位置1,999(Am)のシステインもしくはグリシン、位置2,027(Am)のシステインもしくはアルギニン、位置2,039(Am)のグリシン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,049(Am)のフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,074(Am)のロイシン、位置2,075(Am)のロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリン、位置2,078(Am)のグリシンもしくはトレオニン、位置2,079(Am)のフェニルアラニン、位置2,080(Am)のグルタミン酸もしくは欠失、位置2,081(Am)の欠失、位置2,088(Am)のアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリン、位置2,095(Am)のグルタミン酸、位置2,096(Am)のアラニンもしくはセリン、および位置2,098(Am)のアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンのうちの1個以上を含むであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,786(Am)にプロリンおよび位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,786(Am)にプロリンおよび位置1,785(Am)にグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,786(Am)にプロリンおよび位置1,811(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,786(Am)にプロリンおよび位置1,824(Am)にプロリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,786(Am)にプロリンおよび位置1,864(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,786(Am)にプロリンおよび位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,786(Am)にプロリンおよび位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,786(Am)にプロリンおよび位置2,039(Am)にグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,786(Am)にプロリンおよび位置2,041(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,786(Am)にプロリンおよび位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,786(Am)にプロリンおよび位置2,059(Am)にバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,786(Am)にプロリンおよび位置2,074(Am)にロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,786(Am)にプロリンおよび位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,786(Am)にプロリンおよび位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,786(Am)にプロリンおよび位置2,079(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,786(Am)にプロリンおよび位置2,080(Am)にグルタミン酸もしくは欠失を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,786(Am)にプロリンおよび位置2,081(Am)に欠失を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,786(Am)にプロリンおよび位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,786(Am)にプロリンおよび位置2,095(Am)にグルタミン酸を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,786(Am)にプロリンおよび位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,786(Am)にプロリンおよび位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンを有するであろう。
【0137】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置1,811(Am)および1個以上のさらなるアミノ酸位置で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、位置1,811(Am)にアスパラギンを有するであろう。さらに、本実施形態の酵素はまた、位置1,781(Am)のロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置1,785(Am)のグリシン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,824(Am)のプロリン、位置1,864(Am)のフェニルアラニン、位置1,999(Am)のシステインもしくはグリシン、位置2,027(Am)のシステインもしくはアルギニン、位置2,039(Am)のグリシン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,049(Am)のフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,074(Am)のロイシン、位置2,075(Am)のロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリン、位置2,078(Am)のグリシンもしくはトレオニン、位置2,079(Am)のフェニルアラニン、位置2,080(Am)のグルタミン酸、位置2,080(Am)の欠失、位置2,081(Am)の欠失、位置2,088(Am)のアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリン、位置2,095(Am)のグルタミン酸、位置2,096(Am)のアラニンもしくはセリン、および位置2,098(Am)のアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンのうちの1個以上を含むであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,811(Am)にアスパラギンおよび位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,811(Am)にアスパラギンおよび位置1,785(Am)にグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,811(Am)にアスパラギンおよび位置1,786(Am)にプロリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,811(Am)にアスパラギンおよび位置1,824(Am)にプロリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,811(Am)にアスパラギンおよび位置1,864(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,811(Am)にアスパラギンおよび位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,811(Am)にアスパラギンおよび位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,811(Am)にアスパラギンおよび位置2,039(Am)にグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,811(Am)にアスパラギンおよび位置2,041(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,811(Am)にアスパラギンおよび位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,811(Am)にアスパラギンおよび位置2,059(Am)にバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,811(Am)にアスパラギンおよび位置2,074(Am)にロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,811(Am)にアスパラギンおよび位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,811(Am)にアスパラギンおよび位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,811(Am)にアスパラギンおよび位置2,079(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,811(Am)にアスパラギンおよび位置2,080(Am)にグルタミン酸もしくは欠失を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,811(Am)にアスパラギンおよび位置2,081(Am)に欠失を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,811(Am)にアスパラギンおよび位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,811(Am)にアスパラギンおよび位置2,095(Am)にグルタミン酸を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,811(Am)にアスパラギンおよび位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,811(Am)にアスパラギンおよび位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンを有するであろう。
【0138】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置1,824(Am)および1個以上のさらなるアミノ酸位置で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、位置1,824(Am)にプロリンを有するであろう。さらに、本実施形態の酵素はまた、位置1,781(Am)のロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置1,785(Am)のグリシン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置1,864(Am)のフェニルアラニン、位置1,999(Am)のシステインもしくはグリシン、位置2,027(Am)のシステインもしくはアルギニン、位置2,039(Am)のグリシン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,049(Am)のフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,074(Am)のロイシン、位置2,075(Am)のロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリン、位置2,078(Am)のグリシンもしくはトレオニン、位置2,079(Am)のフェニルアラニン、位置2,080(Am)のグルタミン酸、位置2,080(Am)の欠失、位置2,081(Am)の欠失、位置2,088(Am)のアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリン、位置2,095(Am)のグルタミン酸、位置2,096(Am)のアラニンもしくはセリン、および位置2,098(Am)のアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンのうちの1個以上を含むであろう。
【0139】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置1,864(Am)および1個以上のさらなるアミノ酸位置で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、位置1,864(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。さらに、本実施形態の酵素はまた、位置1,781(Am)のロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置1,785(Am)のグリシン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置1,824(Am)のプロリン、位置1,999(Am)のシステインもしくはグリシン、位置2,027(Am)のシステインもしくはアルギニン、位置2,039(Am)のグリシン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,049(Am)のフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,074(Am)のロイシン、位置2,075(Am)のロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリン、位置2,078(Am)のグリシンもしくはトレオニン、位置2,079(Am)のフェニルアラニン、位置2,080(Am)のグルタミン酸、位置2,080(Am)の欠失、位置2,081(Am)の欠失、位置2,088(Am)のアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリン、位置2,095(Am)のグルタミン酸、位置2,096(Am)のアラニンもしくはセリン、および位置2,098(Am)のアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンのうちの1個以上を含むであろう。
【0140】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置1,999(Am)および1個以上のさらなるアミノ酸位置で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンを有するであろう。さらに、本実施形態の酵素はまた、位置1,781(Am)のロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置1,785(Am)のグリシン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置1,824(Am)のプロリン、位置1,864(Am)のフェニルアラニン、位置2,027(Am)のシステインもしくはアルギニン、位置2,039(Am)のグリシン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,049(Am)のフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,074(Am)のロイシン、位置2,075(Am)のロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリン、位置2,078(Am)のグリシンもしくはトレオニン、位置2,079(Am)のフェニルアラニン、位置2,080(Am)のグルタミン酸、位置2,080(Am)の欠失、位置2,081(Am)の欠失、位置2,088(Am)のアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリン、位置2,095(Am)のグルタミン酸、位置2,096(Am)のアラニンもしくはセリン、および位置2,098(Am)のアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンのうちの1個以上を含むであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンおよび位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンおよび位置1,785(Am)にグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンおよび位置1,786(Am)にプロリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンおよび位置1,811(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンおよび位置1,824(Am)にプロリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンおよび位置1,864(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンおよび位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンおよび位置2,039(Am)にグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンおよび位置2,041(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンおよび位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンおよび位置2,059(Am)にシステインもしくはバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンおよび位置2,074(Am)にロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンおよび位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンおよび位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンおよび位置2,079(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンおよび位置2,080(Am)にグルタミン酸もしくは欠失を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンおよび位置2,081(Am)に欠失を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンおよび位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンおよび位置2,095(Am)にグルタミン酸を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンおよび位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンおよび位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンを有するであろう。
【0141】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,027(Am)および1個以上のさらなるアミノ酸位置で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンを有するであろう。さらに、本実施形態の酵素はまた、位置1,781(Am)のロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置1,785(Am)のグリシン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置1,824(Am)のプロリン、位置1,864(Am)のフェニルアラニン、位置1,999(Am)のシステインもしくはグリシン、位置2,039(Am)のグリシン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,049(Am)のフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,074(Am)のロイシン、位置2,075(Am)のロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリン、位置2,078(Am)のグリシンもしくはトレオニン、位置2,079(Am)のフェニルアラニン、位置2,080(Am)のグルタミン酸、位置2,080(Am)の欠失、位置2,081(Am)の欠失、位置2,088(Am)のアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリン、位置2,095(Am)のグルタミン酸、位置2,096(Am)のアラニンもしくはセリン、および位置2,098(Am)のアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンのうちの1個以上を含むであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンおよび位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンおよび位置1,785(Am)にグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンおよび位置1,786(Am)にプロリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンおよび位置1,811(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンおよび位置1,824(Am)にプロリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンおよび位置1,864(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンおよび位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンおよび位置2,039(Am)にグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンおよび位置2,041(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンおよび位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンおよび位置2,059(Am)にバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンおよび位置2,074(Am)にロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンおよび位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンおよび位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンおよび位置2,079(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンおよび位置2,080(Am)にグルタミン酸もしくは欠失を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンおよび位置2,081(Am)に欠失を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンおよび位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニンもしくはバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンおよび位置2,095(Am)にグルタミン酸を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンおよび位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンおよび位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンを有するであろう。
【0142】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,039(Am)および1個以上のさらなるアミノ酸位置で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、位置2,039(Am)にグリシンを有するであろう。さらに、本実施形態の酵素はまた、位置1,781(Am)のロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置1,785(Am)のグリシン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置1,824(Am)のプロリン、位置1,864(Am)のフェニルアラニン、位置1,999(Am)のシステインもしくはグリシン、位置2,027(Am)のシステインもしくはアルギニン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,049(Am)のフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,074(Am)のロイシン、位置2,075(Am)のロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリン、位置2,078(Am)のグリシンもしくはトレオニン、位置2,079(Am)のフェニルアラニン、位置2,080(Am)のグルタミン酸、位置2,080(Am)の欠失、位置2,081(Am)の欠失、位置2,088(Am)のアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリン、位置2,095(Am)のグルタミン酸、位置2,096(Am)のアラニンもしくはセリン、および位置2,098(Am)のアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンのうちの1個以上を含むであろう。
【0143】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,041(Am)および1個以上のさらなるアミノ酸位置で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、位置2,041(Am)にアスパラギンを有するであろう。さらに、本実施形態の酵素はまた、位置1,781(Am)のロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置1,785(Am)のグリシン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置1,824(Am)のプロリン、位置1,864(Am)のフェニルアラニン、位置1,999(Am)のシステインもしくはグリシン、位置2,027(Am)のシステインもしくはアルギニン、位置2,039(Am)のグリシン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,049(Am)のフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,074(Am)のロイシン、位置2,075(Am)のロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリン、位置2,078(Am)のグリシンもしくはトレオニン、位置2,079(Am)のフェニルアラニン、位置2,080(Am)のグルタミン酸、位置2,080(Am)の欠失、位置2,081(Am)の欠失、位置2,088(Am)のアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリン、位置2,095(Am)のグルタミン酸、位置2,096(Am)のアラニンもしくはセリン、および位置2,098(Am)のアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンのうちの1個以上を含むであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041(Am)にアスパラギンおよび位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041(Am)にアスパラギンおよび位置1,785(Am)にグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041(Am)にアスパラギンおよび位置1,786(Am)にプロリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041(Am)にアスパラギンおよび位置1,811(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041(Am)にアスパラギンおよび位置1,824(Am)にプロリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041(Am)にアスパラギンおよび位置1,864(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041(Am)にアスパラギンおよび位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041(Am)にアスパラギンおよび位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041(Am)にアスパラギンおよび位置2,039(Am)にグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041(Am)にアスパラギンおよび位置2,041(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041(Am)にアスパラギンおよび位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041(Am)にアスパラギンおよび位置2,059(Am)にバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041(Am)にアスパラギンおよび位置2,074(Am)にロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041(Am)にアスパラギンおよび位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041(Am)にアスパラギンおよび位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041(Am)にアスパラギンおよび位置2,079(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041(Am)にアスパラギンおよび位置2,080(Am)にグルタミン酸もしくは欠失を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041(Am)にアスパラギンおよび位置2,081(Am)に欠失を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041(Am)にイソロイシンおよび位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041(Am)にイソロイシンおよび位置2,095(Am)にグルタミン酸を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041(Am)にイソロイシンおよび位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,041(Am)にイソロイシンおよび位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンを有するであろう。
【0144】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,049(Am)および1個以上のさらなるアミノ酸位置で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンを有するであろう。さらに、本実施形態の酵素はまた、位置1,781(Am)のロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置1,785(Am)のグリシン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置1,824(Am)のプロリン、位置1,864(Am)のフェニルアラニン、位置1,999(Am)のシステインもしくはグリシン、位置2,027(Am)のシステインもしくはアルギニン、位置2,039(Am)のグリシン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,074(Am)のロイシン、位置2,075(Am)のロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリン、位置2,078(Am)のグリシンもしくはトレオニン、位置2,079(Am)のフェニルアラニン、位置2,080(Am)のグルタミン酸、位置2,080(Am)の欠失、位置2,081(Am)の欠失、位置2,088(Am)のアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリン、位置2,095(Am)のグルタミン酸、位置2,096(Am)のアラニンもしくはセリン、および位置2,098(Am)のアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンのうちの1個以上を含むであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンおよび位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンおよび位置1,785(Am)にグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンおよび位置1,786(Am)にプロリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンおよび位置1,811(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンおよび位置1,824(Am)にプロリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンおよび位置1,864(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンおよび位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンおよび位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンおよび位置2,039(Am)にグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンおよび位置2,041(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンおよび位置2,059(Am)にバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンおよび位置2,074(Am)にロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンおよび位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニン、もしくはさらなるバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンおよび位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンおよび位置2,079(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンおよび位置2,080(Am)にグルタミン酸もしくは欠失を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンおよび位置2,081(Am)に欠失を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンおよび位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、セリン、トレオニン、もしくはバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンおよび位置2,095(Am)にグルタミン酸を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンおよび位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンおよび位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンを有するであろう。
【0145】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,059(Am)および1個以上のさらなるアミノ酸位置で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、位置2,059(Am)にバリンを有するであろう。さらに、本実施形態の酵素はまた、位置1,781(Am)のロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置1,785(Am)のグリシン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置1,824(Am)のプロリン、位置1,864(Am)のフェニルアラニン、位置1,999(Am)のシステインもしくはグリシン、位置2,027(Am)のシステインもしくはアルギニン、位置2,039(Am)のグリシン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,049(Am)のフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシン、位置2,074(Am)のロイシン、位置2,075(Am)のロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリン、位置2,078(Am)のグリシンもしくはトレオニン、位置2,079(Am)のフェニルアラニン、位置2,080(Am)のグルタミン酸、位置2,080(Am)の欠失、位置2,081(Am)の欠失、位置2,088(Am)のアルギニンもしくはトリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリン、位置2,095(Am)のグルタミン酸、位置2,096(Am)のアラニンもしくはセリン、および位置2,098(Am)のアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンのうちの1個以上を含むであろう。
【0146】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,074(Am)および1個以上のさらなるアミノ酸位置で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、位置2,074(Am)にロイシンを有するであろう。さらに、本実施形態の酵素はまた、位置1,781(Am)のロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置1,785(Am)のグリシン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置1,824(Am)のプロリン、位置1,864(Am)のフェニルアラニン、位置1,999(Am)のシステインもしくはグリシン、位置2,027(Am)のシステインもしくはアルギニン、位置2,039(Am)のグリシン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,049(Am)のフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,075(Am)のロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリン、位置2,078(Am)のグリシンもしくはトレオニン、位置2,079(Am)のフェニルアラニン、位置2,080(Am)のグルタミン酸、位置2,080(Am)の欠失、位置2,081(Am)の欠失、位置2,088(Am)のアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリン、位置2,095(Am)のグルタミン酸、位置2,096(Am)のアラニンもしくはセリン、および位置2,098(Am)のアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンのうちの1個以上を含むであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,074(Am)にロイシンおよび位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,074(Am)にロイシンおよび位置1,785(Am)にグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,074(Am)にロイシンおよび位置1,786(Am)にプロリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,074(Am)にロイシンおよび位置1,811(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,074(Am)にロイシンおよび位置1,824(Am)にプロリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,074(Am)にロイシンおよび位置1,864(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,074(Am)にロイシンおよび位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,074(Am)にロイシンおよび位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,074(Am)にロイシンおよび位置2,039(Am)にグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,074(Am)にロイシンおよび位置2,041(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,074(Am)にロイシンおよび位置2,049(Am)にフェニルアラニン、ロイシンもしくはイソロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,074(Am)にロイシンおよび位置2,059(Am)にバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,074(Am)にロイシンおよび位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニン、もしくはさらなるバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,074(Am)にロイシンおよび位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンを有するであろう。一実
施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,074(Am)にロイシンおよび位置2,079(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,074(Am)にロイシンおよび位置2,080(Am)にグルタミン酸もしくは欠失を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,074(Am)にロイシンおよび位置2,081(Am)に欠失を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,074(Am)にロイシンおよび位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、セリン、トレオニン、もしくはバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,074(Am)にロイシンおよび位置2,095(Am)にグルタミン酸を有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,074(Am)にロイシンおよび位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,074(Am)にロイシンおよび位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンを有するであろう。
【0147】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,075(Am)および1個以上のさらなるアミノ酸位置で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンを有するであろう。さらに、本実施形態の酵素はまた、位置1,781(Am)のロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置1,785(Am)のグリシン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置1,824(Am)のプロリン、位置1,864(Am)のフェニルアラニン、位置1,999(Am)のシステインもしくはグリシン、位置2,027(Am)のシステインもしくはアルギニン、位置2,039(Am)のグリシン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,049(Am)のフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,074(Am)のロイシン、位置2,078(Am)のグリシンもしくはトレオニン、位置2,079(Am)のフェニルアラニン、位置2,080(Am)のグルタミン酸、位置2,080(Am)の欠失、位置2,081(Am)の欠失、位置2,088(Am)のアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリン、位置2,095(Am)のグルタミン酸、位置2,096(Am)のアラニンもしくはセリン、および位置2,098(Am)のアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンのうちの1個以上を含むであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンおよび位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンおよび位置1,785(Am)にグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンおよび位置1,786(Am)にプロリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンおよび位置1,811(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンおよび位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンおよび位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンおよび位置2,041(Am)にイソロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンおよび位置2,049(Am)にフェニルアラニン、ロイシンもしくはイソロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンおよび位置2,074(Am)にロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンおよび位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンおよび位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンおよび位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンおよび位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンを有するであろう。
【0148】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,078(Am)および1個以上のさらなるアミノ酸位置で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンを有するであろう。さらに、本実施形態の酵素はまた、位置1,781(Am)のロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置1,785(Am)のグリシン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置1,824(Am)のプロリン、位置1,864(Am)のフェニルアラニン、位置1,999(Am)のシステインもしくはグリシン、位置2,027(Am)のシステインもしくはアルギニン、位置2,039(Am)のグリシン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,049(Am)のフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,074(Am)のロイシン、位置2,075(Am)のロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリン、位置2,079(Am)のフェニルアラニン、位置2,080(Am)のグルタミン酸、位置2,080(Am)の欠失、位置2,081(Am)の欠失、位置2,088(Am)のアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリン、位置2,095(Am)のグルタミン酸、位置2,096(Am)のアラニンもしくはセリン、および位置2,098(Am)のアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンのうちの1個以上を含むであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンおよび位置1,781(Am)にロイシン、トレオニンもしくはアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンおよび位置1,785(Am)にグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンおよび位置1,786(Am)にプロリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンおよび位置1,811(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンおよび位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンおよび位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンおよび位置2,041(Am)にイソロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンおよび位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンおよび位置2,074(Am)にロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンおよび位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンおよび位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンおよび位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンおよび位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンを有するであろう。
【0149】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,079(Am)および1個以上のさらなるアミノ酸位置で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、位置2,079(Am)にフェニルアラニンを有するであろう。さらに、本実施形態の酵素はまた、位置1,781(Am)のロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置1,785(Am)のグリシン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置1,824(Am)のプロリン、位置1,864(Am)のフェニルアラニン、位置1,999(Am)のシステインもしくはグリシン、位置2,027(Am)のシステインもしくはアルギニン、位置2,039(Am)のグリシン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,049(Am)のフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,074(Am)のロイシン、位置2,075(Am)のロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリン、位置2,078(Am)のグリシンもしくはトレオニン、位置2,080(Am)のグルタミン酸、位置2,080(Am)の欠失、位置2,081(Am)の欠失、位置2,088(Am)のアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリン、位置2,095(Am)のグルタミン酸、位置2,096(Am)のアラニンもしくはセリン、および位置2,098(Am)のアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンのうちの1個以上を含むであろう。
【0150】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,080(Am)および1個以上のさらなるアミノ酸位置で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、位置2,080(Am)にグルタミン酸もしくは欠失を有するであろう。さらに、本実施形態の酵素はまた、位置1,781(Am)のロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置1,785(Am)のグリシン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置1,824(Am)のプロリン、位置1,864(Am)のフェニルアラニン、位置1,999(Am)のシステインもしくはグリシン、位置2,027(Am)のシステインもしくはアルギニン、位置2,039(Am)のグリシン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,049(Am)のフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,074(Am)のロイシン、位置2,075(Am)のロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリン、位置2,078(Am)のグリシンもしくはトレオニン、位置2,079(Am)のフェニルアラニン、位置2,081(Am)の欠失、位置2,088(Am)のアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリン、位置2,095(Am)のグルタミン酸、位置2,096(Am)のアラニンもしくはセリン、および位置2,098(Am)のアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンのうちの1個以上を含むであろう。
【0151】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,081(Am)および1個以上のさらなるアミノ酸位置で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、位置2,081(Am)に欠失を有するであろう。さらに、本実施形態の酵素はまた、位置1,781(Am)のロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置1,785(Am)のグリシン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置1,824(Am)のプロリン、位置1,864(Am)のフェニルアラニン、位置1,999(Am)のシステインもしくはグリシン、位置2,027(Am)のシステインもしくはアルギニン、位置2,039(Am)のグリシン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,049(Am)のフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,074(Am)のロイシン、位置2,075(Am)のロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリン、位置2,078(Am)のグリシンもしくはトレオニン、位置2,079(Am)のフェニルアラニン、位置2,080(Am)のグルタミン酸、位置2,080(Am)の欠失、位置2,088(Am)のアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリン、位置2,095(Am)のグルタミン酸、位置2,096(Am)のアラニンもしくはセリン、および位置2,098(Am)のアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンのうちの1個以上を含むであろう。
【0152】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,088(Am)および1個以上のさらなるアミノ酸位置で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンを有するであろう。さらに、本実施形態の酵素はまた、位置1,781(Am)のロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置1,785(Am)のグリシン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置1,824(Am)のプロリン、位置1,864(Am)のフェニルアラニン、位置1,999(Am)のシステインもしくはグリシン、位置2,027(Am)のシステインもしくはアルギニン、位置2,039(Am)のグリシン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,049(Am)のフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,074(Am)のロイシン、位置2,075(Am)のロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリン、位置2,078(Am)のグリシンもしくはトレオニン、位置2,079(Am)のフェニルアラニン、位置2,080(Am)のグルタミン酸、位置2,080(Am)の欠失、位置2,081(Am)の欠失、位置2,095(Am)のグルタミン酸、位置2,096(Am)のアラニンもしくはセリン、および位置2,098(Am)のアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンのうちの1個以上を含むであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンおよび位置1,781(Am)にロイシン、トレオニンもしくはアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンおよび位置1,785(Am)にグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンおよび位置1,786(Am)にプロリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンおよび位置1,811(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンおよび位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンおよび位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンおよび位置2,041(Am)にイソロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンおよび位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンおよび位置2,074(Am)にロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンおよび位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンおよび位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンおよび位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンおよび位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンを有するであろう。
【0153】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,095(Am)および1個以上のさらなるアミノ酸位置で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、位置2,095(Am)にグルタミン酸を有するであろう。さらに、本実施形態の酵素はまた、位置1,781(Am)のロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置1,785(Am)のグリシン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置1,824(Am)のプロリン、位置1,864(Am)のフェニルアラニン、位置1,999(Am)のシステインもしくはグリシン、位置2,027(Am)のシステインもしくはアルギニン、位置2,039(Am)のグリシン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,049(Am)のフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,074(Am)のロイシン、位置2,075(Am)のロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリン、位置2,078(Am)のグリシンもしくはトレオニン、位置2,079(Am)のフェニルアラニン、位置2,080(Am)のグルタミン酸、位置2,080(Am)の欠失、位置2,081(Am)の欠失、位置2,088(Am)のアルギニンもしくはトリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリン、位置2,096(Am)のアラニンもしくはセリン、および位置2,098(Am)のアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンのうちの1個以上を含むであろう。
【0154】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,096(Am)および1個以上のさらなるアミノ酸位置で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンを有するであろう。さらに、本実施形態の酵素はまた、位置1,781(Am)のロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置1,785(Am)のグリシン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置1,824(Am)のプロリン、位置1,864(Am)のフェニルアラニン、位置1,999(Am)のシステインもしくはグリシン、位置2,027(Am)のシステインもしくはアルギニン、位置2,039(Am)のグリシン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,049(Am)のフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,074(Am)のロイシン、位置2,075(Am)のロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリン、位置2,078(Am)のグリシンもしくはトレオニン、位置2,079(Am)のフェニルアラニン、位置2,080(Am)のグルタミン酸、位置2,080(Am)の欠失、位置2,081(Am)の欠失、位置2,088(Am)のアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリン、位置2,095(Am)のグルタミン酸、および位置2,098(Am)のアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンのうちの1個以上を含むであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンおよび位置1,781(Am)にロイシン、トレオニンもしくはアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンおよび位置1,785(Am)にグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンおよび位置1,786(Am)にプロリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンおよび位置1,811(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンおよび位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンおよび位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンおよび位置2,041(Am)にイソロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンおよび位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンおよび位置2,074(Am)にロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンおよび位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンおよび位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンおよび位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンおよび位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンを有するであろう。
【0155】
一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、アミノ酸位置2,098(Am)および1個以上のさらなるアミノ酸位置で、対応する野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なる。本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素は、典型的には、位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンを有するであろう。さらに、本実施形態の酵素はまた、位置1,781(Am)のロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置1,785(Am)のグリシン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置1,824(Am)のプロリン、位置1,864(Am)のフェニルアラニン、位置1,999(Am)のシステインもしくはグリシン、位置2,027(Am)のシステインもしくはアルギニン、位置2,039(Am)のグリシン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,049(Am)のフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,074(Am)のロイシン、位置2,075(Am)のロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリン、位置2,078(Am)のグリシンもしくはトレオニン、位置2,079(Am)のフェニルアラニン、位置2,080(Am)のグルタミン酸、位置2,080(Am)の欠失、位置2,081(Am)の欠失、位置2,088(Am)のアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリン、位置2,095(Am)のグルタミン酸、および位置2,096(Am)のアラニンもしくはセリンのうちの1個以上を含むであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンおよび位置1,781(Am)にロイシン、トレオニンもしくはアラニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンおよび位置1,785(Am)にグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンおよび位置1,786(Am)にプロリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンおよび位置1,811(Am)にアスパラギンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンおよび位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンおよび位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンおよび位置2,041(Am)にイソロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンおよび位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンおよび位置2,074(Am)にロイシンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンおよび位置2,075(Am)にロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンおよび位置2,078(Am)にグリシンもしくはトレオニンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンおよび位置2,088(Am)にアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンを有するであろう。一実施形態においては、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、位置2,098(Am)にアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、システイン、もしくはセリンおよび位置2,096(Am)にアラニンもしくはセリンを有するであろう。
【0156】
一実施形態においては、本発明は、位置2,075(Am)にイソロイシンおよび位置1,999(Am)にグリシンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,075(Am)にメチオニンおよび位置2,080(Am)にグルタミン酸を有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,075(Am)にメチオニンおよび位置2,095(Am)にグルタミン酸を有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,078(Am)にグリシンおよび位置2,041(Am)にバリンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,078(Am)にグリシンおよび位置2,039(Am)にグリシンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,078(Am)にグリシンおよび位置2,049(Am)にアラニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,078(Am)にグリシンおよび位置2,049(Am)にシステインを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,078(Am)にグリシンおよび位置2,049(Am)にセリンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,078(Am)にグリシンおよび位置2,049(Am)にトレオニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,078(Am)にグリシンおよび位置2,059(Am)にバリンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,078(Am)にグリシンおよび位置2,079(Am)にフェニルアラニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,078(Am)にグリシンおよび位置2,079(Am)にプロリンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;ならびに位置2,078(Am)にグリシンおよび位置2,088(Am)にグリシンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼを含む。
【0157】
好ましい実施形態においては、本発明は、位置1,781(Am)にロイシンおよび位置1,824(Am)にプロリンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置1,781(Am)にロイシンおよび位置2,027(Am)にアルギニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;ならびに位置2,078(Am)にグリシンおよび位置1,824(Am)にプロリンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼを含む。
【0158】
より好ましい実施形態においては、本発明は、位置1,781(Am)にロイシンおよび位置2,049(Am)にフェニルアラニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,098(Am)にアラニンおよび位置2,049(Am)にロイシンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,098(Am)にアラニンおよび位置2088(Am)にヒスチジンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,098(Am)にアラニンおよび位置2,088(Am)にフェニルアラニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,098(Am)にアラニンおよび位置2,088(Am)にリジンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,098(Am)にアラニンおよび位置2,088(Am)にロイシンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,098(Am)にアラニンおよび位置2,088(Am)にトレオニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,098(Am)にグリシンおよび位置2,088(Am)にグリシンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,098(Am)にグリシンおよび位置2,088(Am)にヒスチジンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,098(Am)にグリシンおよび位置2,088(Am)にロイシンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,098(Am)にグリシンおよび位置2,088(Am)にセリンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,098(Am)にグリシンおよび位置2,088(Am)にトレオニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,098(Am)にグリシンおよび位置2,088(Am)にバリンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,098(Am)にシステインおよび位置2088(Am)にトリプトファンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置2,098(Am)にセリンおよび位置2088(Am)にトリプトファンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ; ならびに位置2,080(Am)に欠失および位置2081(Am)に欠失を有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼを含む。
【0159】
最も好ましい実施形態においては、本発明は、位置1,781(Am)にロイシンおよび位置2,041(Am)にアスパラギンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置1,781(Am)にロイシンおよび位置2,027(Am)にシステインを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置1,781(Am)にロイシンおよび位置2,075(Am)にロイシンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置1,781(Am)にロイシンおよび位置1,864(Am)にフェニルアラニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置1,781(Am)にロイシンおよび位置2098(Am)にアラニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置1,781(Am)にロイシンおよび位置2,098(Am)にグリシンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置1,781(Am)にロイシンおよび2,075(Am)に重複を有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置1,999(Am)にグリシンおよび位置1,864(Am)にフェニルアラニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置1,999(Am)にグリシンおよび位置2,049(Am)にイソロイシンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ;位置1,999(Am)にグリシンおよび位置2,075(Am)にロイシンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ; ならびに位置1,999(Am)にグリシンおよび位置2,098(Am)にアラニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼを含む。
【0160】
核酸分子:
本発明はまた、上記のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素の全部または一部をコードする核酸分子も包含する。本発明の核酸分子は、配列番号2および3の一方または両方の改変型を含むアミノ酸配列をコードする核酸配列であって、コードされるタンパク質が1個以上の以下のもの:位置1,781(Am)のアミノ酸がロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンである;位置1,785(Am)のアミノ酸がグリシンである;位置1,786(Am)のアミノ酸がプロリンである;位置1,811(Am)のアミノ酸がアスパラギンである;位置1,824(Am)のアミノ酸がプロリンである;位置1,864(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置1,999(Am)のアミノ酸がシステインもしくはグリシンである;位置2,027(Am)のアミノ酸がシステインもしくはアルギニンである;位置2,039(Am)のアミノ酸がグリシンである;位置2,041(Am)のアミノ酸がアスパラギンである;位置2,049(Am)のアミノ酸がフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンである;位置2,059(Am)のアミノ酸がバリンである;位置2,074(Am)のアミノ酸がロイシンである;位置2,075(Am)のアミノ酸がロイシン、イソロイシン、メチオニンもしくはさらなるバリンである;位置2,078(Am)のアミノ酸がグリシン、もしくはトレオニンである;位置2,079(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置2,080(Am)のアミノ酸がグルタミン酸である;位置2,080(Am)のアミノ酸が欠失している;位置2,081(Am)のアミノ酸が欠失している;位置2,088(Am)のアミノ酸がアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンである;位置2,095(Am)のアミノ酸がグルタミン酸である;位置2,096(Am)のアミノ酸がアラニン、もしくはセリンである;または位置2,098(Am)のアミノ酸がアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、もしくはセリンである、を含むように改変された前記核酸配列、ならびにコードする配列の全部または一部と相補的な核酸分子を含んでもよい。いくつかの実施形態においては、本発明の核酸分子は、上記の野生型アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼから複数の差異を有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードしてもよい。
【0161】
一実施形態においては、本発明は、以下の位置:1,781(Am)、1,785(Am)、1,786(Am)、1,811(Am)、1,824(Am)、1,864(Am)、1,999(Am)、2,027(Am)、2,039(Am)、2,041(Am)、2,049(Am)、2,059(Am)、2,074(Am)、2,075(Am)、2,078(Am)、2,079(Am)、2,080(Am)、2,081(Am)、2,088(Am)、2,095(Am)、2,096(Am)、または2,098(Am)の1個のみにおいて、対応する野生型植物のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼと異なるアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子を包含する。一実施形態においては、本発明の除草剤耐性植物のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、以下の位置:2,078(Am)、2,088(Am)、または2,075(Am)の1個のみにおいて異なるであろう。好ましい実施形態においては、本発明の除草剤耐性植物のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、以下の位置:2,039(Am)、2,059(Am)、2,080(Am)、または2,095(Am)の1個のみにおいて異なるであろう。より好ましい実施形態においては、本発明の除草剤耐性植物のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、以下の位置:1,785(Am)、1,786(Am)、1,811(Am)、1,824(Am)、1,864(Am)、2,041(Am)、2,049(Am)、2,074(Am)、2,079(Am)、2,081(Am)、2,096(Am)、または2,098(Am)の1個のみにおいて異なるであろう。最も好ましい実施形態においては、本発明の除草剤耐性植物のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼは、以下の位置:1,781(Am)、1,999(Am)、2,027(Am)、2,041(Am)、または2,096(Am)の1個のみにおいて異なるであろう。
【0162】
一実施形態においては、本発明は、以下の置換:位置2,075(Am)のイソロイシン、位置2,078(Am)のグリシン、または位置2,088(Am)のアルギニンのうちの1個のみを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子を包含する。好ましい実施形態においては、以下の置換:位置2,039(Am)のグリシン、位置2,059(Am)のバリン、位置2,075(Am)のメチオニン、位置2,075(Am)の重複(すなわち、2,074(Am)と2,075(Am)の間のバリンの挿入、もしくは位置2,075(Am)と2,076(Am)の間のバリンの挿入)、アミノ酸位置2,088(Am)の欠失、位置2,080(Am)のグルタミン酸、位置2,088(Am)の欠失、または位置2,095(Am)のグルタミン酸のうちの1個のみを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子を包含する。より好ましい実施形態においては、以下の置換:位置1,785(Am)のグリシン、位置1,786(Am)のプロリン、位置1,811(Am)のアスパラギン、位置2,075(Am)のロイシン、位置2,075(Am)のメチオニン、位置2,078(Am)のトレオニン、位置2,080(Am)の欠失、位置2,081(Am)の欠失、位置2,088(Am)のトリプトファン、位置2,096(Am)のセリン、位置2,096(Am)のアラニン、位置2,098(Am)のアラニン、位置2,098(Am)のグリシン、位置2,098(Am)のヒスチジン、位置2,098(Am)のプロリン、または位置2,098(Am)のセリンのうちの1個のみを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子を包含する。最も好ましい実施形態においては、本発明は、以下の置換:位置1,781(Am)のロイシン、位置1,781(Am)のトレオニン、位置1,781(Am)のバリン、位置1,781(Am)のアラニン、位置1,999(Am)のグリシン、位置2,027(Am)のシステイン、位置2,027(Am)のアルギニン、位置2,041(Am)のアスパラギン、位置2,041(Am)のバリン、位置2,096(Am)のアラニン、および位置2,096(Am)のセリンのうちの1個のみを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子を包含する。
【0163】
一実施形態においては、本発明の核酸分子は、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置1,999(Am)にシステインもしくはグリシンを含むアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードしてもよい。一実施形態においては、本発明の核酸分子は、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,027(Am)にシステインもしくはアルギニンを含むアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードしてもよい。一実施形態においては、本発明の核酸分子は、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,041(Am)にアスパラギンを含むアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードしてもよい。一実施形態においては、本発明の核酸分子は、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,049(Am)にフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンを含むアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードしてもよい。一実施形態においては、本発明の核酸分子は、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,075(Am)にロイシンもしくはイソロイシンを含むアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードしてもよい。一実施形態においては、本発明の核酸分子は、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,078(Am)にグリシンを含むアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードしてもよい。一実施形態においては、本発明の核酸分子は、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,088(Am)にアルギニンを含むアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードしてもよい。一実施形態においては、本発明の核酸分子は、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,096(Am)にアラニンを含むアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードしてもよい。一実施形態においては、本発明の核酸分子は、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンおよび位置2,098(Am)にアラニンを含むアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードしてもよい。一実施形態においては、本発明の核酸分子は、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置2,027(Am)にシステイン、および位置2,041(Am)にアスパラギンを含むアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードしてもよい。一実施形態においては、本発明の核酸分子は、位置1,781(Am)にロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニン、位置2,027(Am)にシステイン、位置2,041(Am)にアスパラギン、および位置2,096(Am)にアラニンを含むアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードしてもよい。
【0164】
一実施形態においては、本発明は、位置2,075(Am)にイソロイシンおよび位置1,999(Am)にグリシンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,075(Am)にメチオニンおよび位置2,080(Am)にグルタミン酸を有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,075(Am)にメチオニンおよび位置2,095(Am)にグルタミン酸を有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,078(Am)にグリシンおよび位置2,041(Am)にバリンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,078(Am)にグリシンおよび位置2,039(Am)にグリシンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,078(Am)にグリシンおよび位置2,049(Am)にアラニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,078(Am)にグリシンおよび位置2,049(Am)にシステインを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,078(Am)にグリシンおよび位置2,049(Am)にセリンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,078(Am)にグリシンおよび位置2,049(Am)にトレオニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,078(Am)にグリシンおよび位置2,059(Am)にバリンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,078(Am)にグリシンおよび位置2,079(Am)にフェニルアラニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,078(Am)にグリシンおよび位置2,079(Am)にプロリンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;または位置2,078(Am)にグリシンおよび位置2,088(Am)にグリシンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子を含む。
【0165】
好ましい実施形態においては、本発明は、位置1,781(Am)にロイシンおよび位置1,824(Am)にプロリンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置1,781(Am)にロイシンおよび位置2,027(Am)にアルギニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;または位置2,078(Am)にグリシンおよび位置1,824(Am)にプロリンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子を含む。
【0166】
より好ましい実施形態においては、本発明は、位置1,781(Am)にロイシンおよび位置2,049(Am)にフェニルアラニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,098(Am)にアラニンおよび位置2,049(Am)にロイシンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,098(Am)にアラニンおよび位置2,088(Am)にヒスチジンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,098(Am)にアラニンおよび位置2,088 (Am)にフェニルアラニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,098(Am)にアラニンおよび位置2,088(Am)にリジンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,098(Am)にアラニンおよび位置2,088(Am)にロイシンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,098(Am)にアラニンおよび位置2,088(Am)にトレオニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,098(Am)にグリシンおよび位置2,088(Am)にグリシンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,098(Am)にグリシンおよび位置2,088(Am)にヒスチジンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,098(Am)にグリシンおよび位置2,088(Am)にロイシンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,098(Am)にグリシンおよび位置2,088(Am)にセリンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,098(Am)にグリシンおよび位置2,088(Am)にトレオニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,098(Am)にグリシンおよび位置2,088(Am)にバリンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,098(Am)にシステインおよび位置2,088(Am)にトリプトファンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置2,098(Am)にセリンおよび位置2,088(Am)にトリプトファンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;または位置2,080(Am)に欠失および位置2,081(Am)に欠失を有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子を含む。
【0167】
最も好ましい実施形態においては、本発明は、位置1,781(Am)にロイシンおよび位置2,041(Am)にアスパラギンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置1,781(Am)にロイシンおよび位置2,027(Am)にシステインを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置1,781(Am)にロイシンおよび位置2,075(Am)にロイシンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置1,781(Am)にロイシンおよび位置1,864(Am)にフェニルアラニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置1,781(Am)にロイシンおよび位置2,098(Am)にアラニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置1,781(Am)にロイシンおよび位置2,098(Am)にグリシンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置1,781(Am)にロイシンおよび位置2,075(Am)に重複を有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置1,999(Am)にグリシンおよび位置1,864(Am)にフェニルアラニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置1,999(Am)にグリシンおよび位置2,049(Am)にイソロイシンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;位置1,999(Am)にグリシンおよび位置2,075(Am)にロイシンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子;または位置1,999(Am)にグリシンおよび位置2,098(Am)にアラニンを有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子を含む。
【0168】
一実施形態においては、本発明は、上記の1個以上の置換を有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼポリペプチドをコードする核酸を含むイネ植物を提供する。
【0169】
一実施形態においては、本発明は、上記の1個以上の置換を有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼポリペプチドをコードする核酸を含むBEPクレードの植物を提供する。
【0170】
一実施形態においては、本発明は、上記の1個以上の置換を有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼポリペプチドをコードする核酸を含むBETサブクレードの植物を提供する。
【0171】
一実施形態においては、本発明は、上記の1個以上の置換を有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼポリペプチドをコードする核酸を含むBET作物を提供する。
【0172】
一実施形態においては、本発明は、上記の1個以上の置換を有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼポリペプチドをコードする核酸を含む単子葉植物を提供する。
【0173】
本発明の核酸分子は、ゲノムDNAもしくはcDNAから誘導されるDNA、またはRNAであってよい。本発明の核酸分子は天然のものであっても、または合成のものであってもよい。本発明の核酸分子は、単離されたもの、組換え体および/または突然変異誘発されたものであってもよい。
【0174】
一実施形態においては、本発明の核酸分子は、位置1,781(Am)のアミノ酸がロイシンもしくはアラニンであるアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素をコードするか、またはそのような核酸分子と相補的である。そのような核酸分子としては、限定されるものではないが、一次RNA転写のための鋳型として働くゲノムDNA、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードするプラスミド分子、ならびにそのようなアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードするmRNAが挙げられる。
【0175】
本発明の核酸分子は、転写されるか、または転写されなくてもよい非コード配列を含んでもよい。本発明の核酸分子に含まれていてよい非コード配列としては、限定されるものではないが、5'および3'UTR、ポリアデニル化シグナルおよび遺伝子発現を制御する調節配列(例えば、プロモーター)が挙げられる。本発明の核酸分子は、輸送ペプチド、プロテアーゼ切断部位、共有修飾部位などをコードする配列をも含んでもよい。一実施形態においては、本発明の核酸分子は、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素をコードする配列に加えて、葉緑体輸送ペプチド配列をコードする。
【0176】
別の実施形態においては、本発明の核酸分子は、配列番号2および3の一方または両方の改変型であって、コードされるタンパク質が、1個以上の以下のもの:位置1,781(Am)のアミノ酸がロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンである;位置1,785(Am)のアミノ酸がグリシンである;位置1,786(Am)のアミノ酸がプロリンである;位置1,811(Am)のアミノ酸がアスパラギンである;位置1,824(Am)のアミノ酸がプロリンである;位置1,864(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置1,999(Am)のアミノ酸がシステインもしくはグリシンである;位置2,027(Am)のアミノ酸がシステインもしくはアルギニンである;位置2,039(Am)のアミノ酸がグリシンである;位置2,041(Am)のアミノ酸がアスパラギンである;位置2,049(Am)のアミノ酸がフェニルアラニン、ロイシンもしくはイソロイシンである;位置2,059(Am)のアミノ酸がバリンである;位置2,074(Am)のアミノ酸がロイシンである;位置2,075(Am)のアミノ酸がロイシン、イソロイシンもしくはメチオニンもしくはさらなるバリンである;位置2,078(Am)のアミノ酸がグリシン、もしくはトレオニンである;位置2,079(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置2,080(Am)のアミノ酸がグルタミン酸である;位置2,080(Am)のアミノ酸が欠失している;位置2,081(Am)のアミノ酸が欠失している;位置2,088(Am)のアミノ酸がアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンである;位置2,095(Am)のアミノ酸がグルタミン酸である;位置2,096(Am)のアミノ酸がアラニン、もしくはセリンである;または位置2,098(Am)のアミノ酸がアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、もしくはセリンである、を含むように改変された前記配列に対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%以上の配列同一性を有するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素、ならびにコード配列の全部または一部と相補的である核酸分子をコードしてもよい。
【0177】
本明細書で用いられる「配列同一性(%)」は、複数の配列を整列させ、ギャップを導入し、必要に応じて、デフォルト値に設定された検索パラメーターを用いてhttp://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgiで入手可能なBLASTプログラムにより生成された最大配列同一性%を達成した後に、対象の配列(またはその特定部分)中のヌクレオチドまたはアミノ酸と同一である候補誘導体配列中のヌクレオチドまたはアミノ酸の割合(%)と定義される。
【0178】
本発明はまた、本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子にハイブリダイズする核酸分子ならびに本発明のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子の逆相補体にハイブリダイズする核酸分子を包含する。一実施形態においては、本発明の核酸分子は、ストリンジェントな条件下で、配列番号2および3の一方または両方の1個以上の改変型であって、コードされるタンパク質が、1個以上の以下のもの:位置1,781(Am)のアミノ酸がロイシン、トレオニン、バリン、もしくはアラニンである;位置1,785(Am)のアミノ酸がグリシンである;位置1,786(Am)のアミノ酸がプロリンである;位置1,811(Am)のアミノ酸がアスパラギンである;位置1,824(Am)のアミノ酸がプロリンである;位置1,864(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置1,999(Am)のアミノ酸がシステインもしくはグリシンである;位置2,027(Am)のアミノ酸がシステインもしくはアルギニンである;位置2,039(Am)のアミノ酸がグリシンである;位置2,041(Am)のアミノ酸がアスパラギンである;位置2,049(Am)のアミノ酸がフェニルアラニン、イソロイシンもしくはロイシンである;位置2,059(Am)のアミノ酸がバリンである;位置2,074(Am)のアミノ酸がロイシンである;位置2,075(Am)のアミノ酸がロイシン、イソロイシンもしくはメチオニンもしくはさらなるバリンである;位置2,078(Am)のアミノ酸がグリシン、もしくはトレオニンである;位置2,079(Am)のアミノ酸がフェニルアラニンである;位置2,080(Am)のアミノ酸がグルタミン酸である;位置2,080(Am)のアミノ酸が欠失している;位置2,081(Am)のアミノ酸が欠失している;位置2,088(Am)のアミノ酸がアルギニン、トリプトファン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、リジン、ロイシン、セリン、トレオニン、もしくはバリンである;位置2,095(Am)のアミノ酸がグルタミン酸である;位置2,096(Am)のアミノ酸がアラニン、もしくはセリンである;または位置2,098(Am)のアミノ酸がアラニン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、もしくはセリンである、を含むように改変された前記配列をコードする核酸分子にハイブリダイズする核酸分子、ならびにコード配列の全部もしくは一部と相補的である核酸分子、またはそのような核酸分子の逆相補体を含む。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを、ハイブリダイゼーションおよび洗浄の間の温度、イオン強度、pH、およびホルムアミドなどの変性剤の存在により制御することができる。用いることができるストリンジェントな条件としては、Current Protocols in Molecular Biology, Vol. 1, Chap. 2.10, John Wiley & Sons, Publishers (1994)およびSambrookら、Molecular Cloning, Cold Spring Harbor (1989)(ストリンジェントな条件の教示に関して本明細書に具体的に組入れられるものとする)に定義されたものが挙げられる。
【0179】
目的の遺伝子の組合せを含むプラスミド中の上記の突然変異体のいずれかを、形質転換において用いることができる。
【0180】
一実施形態においては、本発明は、上記のACCase突然変異体のいずれかをコードする核酸分子を含む発現ベクターを提供する。
【0181】
一実施形態においては、本発明は、突然変異ACCase核酸および選択マーカーとしての上記のそのような突然変異ACCase核酸によりコードされるタンパク質の使用を提供する。
【0182】
一実施形態においては、本発明の核酸分子は、ハイブリダイゼーションプローブ、配列決定用プライマー、および/またはPCRプライマーとして用いることができるオリゴヌクレオチドを包含する。例えば、そのようなオリゴヌクレオチドを用いて、例えば、対立遺伝子特異的PCRにより、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼをコードする核酸分子中の特定の位置のコドン配列を決定することができる。そのようなオリゴヌクレオチドは、長さ約15〜約30、約20〜約30、または約20〜25ヌクレオチドであってよい。
【0183】
二重突然変異ACCase遺伝子のための試験「DBLMアッセイ」:
(1)試験集団(例えば、少なくとも12個および好ましくは少なくとも20個)において、少なくとも二重の突然変異ACCase(すなわち、試験しようとするトランスジェニックACCase遺伝子の最少1個および最大2個の染色体挿入)をコードする1または2コピーのトランスジェニックACCase遺伝子を含有する全イネ植物であって、
T0(「Tゼロ」)再生個体である前記イネ植物と、
それと平行して、そのような植物の対照集団を未処理の基準植物として用いる;
(2)テプラロキシジム(AI)および1%作物油濃縮物(COC)を含む組成物を200 L/haの噴霧容量で前記集団に適用して、50 g/haのテプラロキシジム(AI)に等しいAI適用率を提供する;
(3)伝統的な植物損傷評価体系(例えば、好ましくは、典型的な、少なくとも5段階の損傷評価尺度に従う、除草剤による日焼け、葉の形態変化、しおれ、黄変、および他の形態学的特徴の視覚的証拠の評価)に基づいて、それぞれの試験植物および基準植物に関する植物毒性スコアを決定する;
(4)収集されたデータを分析して、試験集団中の少なくとも75%の植物が平均植物毒性、すなわち、基準植物と比較して10%未満の損傷の増加を示すかどうかを決定する;ならびに
(5)そのように決定された陽性の結果を、二重突然変異ACCaseが許容可能なAITを提供することを証明するものとして同定する。
【0184】
除草剤
本発明は、通常は野生型植物の成長を阻害する濃度の除草剤に対して耐性である植物、例えば、イネ植物を提供する。前記植物は、典型的には、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害する除草剤に対して抵抗性である。アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害する任意の除草剤を、本発明の植物と共に用いることができる。好適な例としては、限定されるものではないが、シクロヘキサンジオン除草剤、アリールオキシフェノキシプロピオナート除草剤、およびフェニルピラゾール除草剤が挙げられる。雑草を制御し、および/または除草剤耐性植物を成長させるいくつかの方法においては、少なくとも1種の除草剤を、セトキシジム、シクロキシジム、テプラロキシジム、ハロキシホップ、ハロキシホップ-Pまたはこれらの除草剤のいずれかの誘導体からなる群より選択する。表1は、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害し、本発明の除草剤耐性植物と共に用いることができるシクロヘキサンジオン除草剤(DIM、シクロヘキセンオキシムシクロヘキサンジオンオキシム除草剤;およびCHDとも呼ばれる)の一覧を提供する。当業者であれば、このクラスに他の除草剤が存在し、本発明の除草剤耐性植物と共に用いることができることを認識するであろう。また、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ活性を阻害し、本発明の除草剤耐性植物と共に用いることができるアリールオキシフェノキシプロピオナート除草剤(アリールオキシフェノキシプロパノエート;アリールオキシフェノキシアルカノエート;オキシフェノキシ;APP;AOPP;APA;APPA;FOPとも呼ばれる;これらのものは接尾辞「-oic」を用いて書かれることもあることに留意されたい)の一覧も表1に含まれる。当業者であれば、このクラスに他の除草剤が存在し、本発明の除草剤耐性植物と共に用いることができることを認識するであろう。
【表1】
【0185】
上記に列挙された除草剤に加えて、他のACCase阻害剤を本発明の除草剤耐性植物と共に用いることができる。例えば、DENとしても知られる、フェニルピラゾールクラスのACCase阻害除草剤を用いることができる。DENの例は、このクラスのフェニルピラゾリン型メンバーであるピノキサデンである。ピノキサデンを含有する除草組成物は、商標AxialおよびTraxosの下で販売されている。
【0186】
1種以上のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ阻害除草剤、ならびに必要に応じて、他の農学的A.I(複数も可)、例えば、アミドスルフロン、フルピルスルフロン、フォラムスルフロン、イマゾスルフロン、ヨードスルフロン、メソスルフロン、ニコスルフロン、チフェンスルフロン、およびトリベヌロンからなる群より選択される1種以上のスルホニルウレア(SU)、その農学上許容し得る塩およびエステル、またはイマザモックス、イマゼタピル、イマザピル、イマザピク、その組合せからなる群より選択される1種以上のイミダゾリノン、ならびにその農学上許容し得る塩およびエステルを含む本明細書に記載の除草組成物を、任意の農学上許容し得る形式で用いることができる。例えば、これらのものを、即時噴霧可能な水性溶液、粉末、懸濁液として;濃縮もしくは高濃縮された水性、油性もしくは他の溶液、懸濁液もしくは分散物として;乳濁液、油分散物、ペースト、細粉、顆粒、もしくは他の散布可能な形式として製剤化することができる。前記除草組成物を、例えば、噴霧、霧化、散粉、拡散、散水、種子処理、または種子との混合物中での同時塗布などの当業界で公知の任意の手段により適用することができる。使用形態は意図される目的に依存する;いかなる場合でも、それらは本発明に従う活性成分の最良の分布性を確保するべきである。
【0187】
他の実施形態においては、任意的なA.I.が、本明細書に記載の植物(複数も可)が通常は影響を受けやすいであろう異なるクラスに由来する除草剤を含む場合、用いられる植物を、そのような除草剤に対する耐性形質をさらに含むものから選択する。そのようなさらなる耐性形質を、例えば、ハイブリダイゼーションもしくは遺伝子移入による耐性形質を取得するための伝統的な育種、突然変異誘発および/または形質転換の技術などの当業界で公知の任意の方法により前記植物に付与することができる。そのような植物を、「積み重ねられた」形質を有すると記載することができる。
【0188】
さらに、上記のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ阻害除草剤のいずれかを、別のクラスの1種以上の除草剤、例えば、アセトヒドロキシ酸シンターゼ阻害除草剤、EPSPシンターゼ阻害除草剤、グルタミンシンターゼ阻害除草剤、脂質もしくは色素生合成阻害除草剤、細胞膜破壊除草剤、光合成もしくは呼吸阻害除草剤、または当業界で公知の成長調節因子もしくは成長阻害除草剤のいずれかと組合わせることができる。非限定例としては、Weed Science Society of America's Herbicide Handbook、第9版、S.A. Senseman(編)、著作権、2007に記載のものが挙げられる。本明細書に記載の除草組成物は、農学上許容し得る殺菌剤、ストロビルリン系殺菌剤、殺虫剤(殺線虫剤など)、殺ダニ剤、および軟体動物駆除剤から選択される1種以上の農学上の活性成分を含有してもよい。非限定例としては、2009 Crop Protection Reference (www.greenbook.net), Vance Publicationsに記載のものが挙げられる。
【0189】
本発明の一実施形態においては、上記のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ阻害除草剤のいずれかを、イネに対して示す損傷が少ない除草剤と組合せ、そのため、そのような除草剤に対するイネの耐性は、必要に応じて、作物の遺伝的改変の結果であってもよい。そのような除草剤の例は、アセトヒドロキシ酸シンターゼ阻害除草剤であるイマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピク、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、アジムスルフロン、ベンスルフロン、クロリムロン、シクロスルファムロン、エトキシスルフロン、フルセトスルフロン、ハロスルフロン、イマゾスルフロン、メツルフロン、オルトスルファムロン、プロピリスルフロン、ピラゾスルフロン、ビスピリバック、ピリミスルファンもしくはペノキススラム、EPSPシンターゼ阻害除草剤であるグリホサートもしくはスルホサート、グルタミンシンターゼ阻害除草剤であるグルホシナート、グルホシナート-Pもしくはビアラホス、脂質生合成阻害除草剤であるベンフレサート、モリナートもしくはチオベンカルブ、光合成阻害除草剤であるベンタゾン、パラコート、プロメトリンもしくはプロパニル、漂白除草剤であるベンゾビシクロン、クロマゾンもしくはテフリルトリオン、オーキシン除草剤である2,4-D、フルロキシピル、MCPA、キンクロラック、キンメラックもしくはトリクロピル、微小管阻害除草剤であるペンジメタリン、VLCFA阻害除草剤であるアニロホス、ブタクロル、フェントラザミド、イプフェンカルバゾン、メフェナセット、プレチラクロル、アセトクロル、メトラクロルもしくはS-メトラクロルまたはプロトポルフィリノゲン-IX-オキシダーゼ阻害除草剤であるカルフェントラゾン、オキサジアゾン、オキシフルオルフェン、ピラクロニルもしくはサフルフェナシルである。
【0190】
本発明の一実施形態においては、上記のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ阻害除草剤のいずれかを、コムギ、オオムギまたはライムギなどの穀類に対して示す損傷が少ない除草剤と組合せ、そのため、そのような除草剤に対する穀類の耐性は、必要に応じて、作物の遺伝的改変の結果であってもよい。そのような除草剤の例は、アセトヒドロキシ酸シンターゼ阻害除草剤であるイマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピク、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、アミドスルフロン、クロルスルフロン、フルセトスルフロン、フルピルスルフロン、ヨードスルフロン、メソスルフロン、メトスルフロン、スルホスルフロン、チフェンスルフロン、トリアスルフロン、トリベヌロン、トリトスルフロン、フロラスラム、ピロクススラム、ピリミスルファン、フルカルバゾン、プロポキシカルバゾンもしくはチエンカルバゾン、EPSPシンターゼ阻害除草剤であるグリホサートもしくはスルホサート、グルタミンシンターゼ阻害除草剤であるグルホシナート、グルホシナート-Pもしくはビアラホス、脂質生合成阻害除草剤であるプロスルホカルブ、光合成阻害除草剤であるベンタゾン、クロロトルロン、イソプロツロン、イオキシニル、ブロモキシニル、漂白除草剤であるジフルフェニカン、フルルタモン、ピコリナフェンもしくはピラスルホトール、オーキシン除草剤であるアミノシクロピラクロル、アミノピラリド、2,4-D、ジカンバ、フルオロキシピル、MCPA、クロピラリド、MCPPもしくはMCPP-P、微小管阻害除草剤であるペンジメタリンもしくはトリフルラリン、VLCFA阻害除草剤であるフルフェナセット、またはプロトポルフィリノゲン-IX-オキシダーゼ阻害除草剤であるベンカルバゾン、カルフェントラゾンもしくはサフルフェナシル、または除草剤ジフェンゾコートである。
【0191】
本発明の一実施形態においては、上記のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ阻害除草剤のいずれかを、芝に対して示す損傷が少ない除草剤と組合せ、そのため、そのような除草剤に対する芝の耐性は、必要に応じて、作物の遺伝的改変の結果であってもよい。そのような除草剤の例は、アセトヒドロキシ酸シンターゼ阻害除草剤であるイマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピク、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、フラザスルフロン、ホルマスルフロン、ハロスルフロン、トリフロキシスルフロン、ビスピリバックもしくはチエンカルバゾン、EPSPシンターゼ阻害除草剤であるグリホサートもしくはスルホサート、グルタミンシンターゼ阻害除草剤であるグルホシナート、グルホシナート-Pもしくはビアラホス、光合成阻害除草剤であるアトラジンもしくはベンタゾン、漂白除草剤であるメソトリオン、ピコリナフェン、ピラスルホトールもしくはトプラメゾン、オーキシン除草剤であるアミノシクロピラクロル、アミノピラリド、2,4-D、2,4-DB、クロピラリド、ジカンバ、ジクロルプロプ、ジクロルプロプ-P、フルオロキシピル、MCPA、MCPB、MCPP、MCPP-P、キンクロラック、キンメラックもしくはトリクロピル、微小管阻害除草剤であるペンジメタリン、VLCFA阻害除草剤であるジメテナミド、ジメテナミド-Pもしくはイプフェンカルバゾン、プロトポルフィリノゲン-IX-オキシダーゼ阻害除草剤であるサフルフェナシルもしくはスルフェントラゾン、または除草剤インダジフラムである。
【0192】
さらに、上記のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ阻害除草剤のいずれかを、除草剤解毒剤と組合わせることができる。解毒剤は、望ましくない植物に対する除草剤の除草作用に対して大きな影響を有することなく、有用な植物に対する損傷を防止するか、または減少させる化合物である。それらを、有用な植物の播種前(例えば、種子処理、新芽もしくは苗の際に)または発芽前散布もしくは発芽後散布中に適用することができる。解毒剤および上記除草剤を、同時に、または連続的に適用することができる。好適な解毒剤は、例えば、(キノリン-8-オキシ)酢酸、1-フェニル-5-ハロアルキル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボン酸、1-フェニル-4,5-ジヒドロ-5-アルキル-1H-ピラゾール-3,5-ジカルボン酸、4,5-ジヒドロ-5,5-ジアリール-3-イソキサゾールカルボン酸、ジクロロアセトアミド、α-オキシミノフェニルアセトニトリル、アセトフェノノキシム、4,6-ジハロ-2-フェニルピリミジン、N-[[4-(アミノカルボニル)フェニル]スルホニル]-2-安息香酸アミド、1,8-ナフタル酸無水物、2-ハロ-4-(ハロアルキル)-5-チアゾールカルボン酸、ホスホルチオレートおよびN-アルキル-O-フェニルカルバメートである。解毒剤の例は、ベノキサコール、クロキントセット、シオメトリニル、シプロスルファミド、ジクロルミド、ジシクロノン、ジエトレート、フェンクロラゾール、フェンクロリム、フルラゾール、フルキソフェニム、フリラゾール、イソキサジフェン、メフェンピル、メフェナート、ナフタル酸無水物、オキサベトリニル、4-(ジクロロアセチル)-1-オキサ-4-アザスピロ[4.5]デカン(MON4660、CAS 71526-07-3)および2,2,5-トリメチル-3-(ジクロロアセチル)-1,3-オキサゾリジン(R-29148、CAS 52836-31-4)である。
【0193】
いくつかの実施形態においては、本明細書に記載の除草組成物は、例えば、オーキシン除草剤、例えば、ジカンバ;AHAS阻害剤、例えば、イミダゾリノンおよび/もしくはスルホニルウレア;ACCase阻害剤;EPSPS阻害剤、例えば、グリホサート;グルタミンシンテターゼ阻害剤、例えば、グルホシナート;プロトポルフィリノゲン-IXオキシダーゼ(PPO)阻害剤、例えば、サフルフェナシル;殺菌剤、例えば、ピラクロストロビンなどのストロビルリン系殺菌剤などの組合せを含んでもよい。いくつかの実施形態においては、本明細書に記載の除草組成物は、例えば、オーキシン除草剤、例えば、ジカンバ;微小管阻害除草剤、例えば、ペンジメタリンおよびピラクロストロビンなどのストロビルリン系殺菌剤の組合せを含んでもよい。除草組成物を、本明細書に記載の植物の耐性に従って選択し、該植物を、積み重ねられた耐性形質を有するものから選択することができる。
【0194】
本発明に記載の除草剤を個別に、および/または組合せ中で、プレミックスまたはタンクミックスとして用いることができる。また、そのような除草剤を、農学上許容し得る組成物中に組入れることもできる。
【0195】
当業者であれば、いくつかの上記の除草剤および/または解毒剤が、幾何異性体、例えば、E/Z異性体を形成することができることを認識するであろう。本発明に従う組成物中では、純粋な異性体およびその混合物の両方を使用することができる。さらに、いくつかの上記除草剤および/または解毒剤は、1個以上のキラル中心を有し、結果として、エナンチオマーまたはジアステレオマーとして存在する。本発明に従う組成物中では、純粋なエナンチオマーおよびジアステレオマーならびにそれらの混合物の両方を使用することができる。特に、いくつかのアリールオキシフェノキシプロピオナート除草剤はキラルであり、そのいくつか、例えば、クロジナホップ、シハロホップ、フェノキサプロプ-P、フルアジホップ-P、ハロキシホップ-P、メタミホップ、プロパキザホップもしくはキザロホップ-Pは、一般的にはエナンチオ濃縮またはエナンチオピュア形態で用いられる。さらなる例として、グルホシナートを、エナンチオ濃縮またはエナンチオピュア形態で用いることができ、グルホシナート-Pとしても知られる。
【0196】
当業者であれば、上記の除草剤および/または解毒剤の任意の誘導体、例えば、農学上好適な塩およびエステルを、本発明の実施において用いることができる。
【0197】
前記除草剤および/もしくは解毒剤、またはそれらを含む除草組成物を、例えば、即時噴霧可能な水性溶液、粉末、懸濁液、また、高濃縮水性、油性もしくは他の懸濁液もしくは分散物、乳濁液、油分散物、ペースト、細粉、散布用材料、または顆粒の形態で、噴霧、霧化、散粉、拡散、散水または種子処理もしくは種子との混合により用いることができる。使用形態は意図される目的に依存する;いかなる場合でも、それらは本発明に従う活性成分の最良の分布性を確保するべきである。
【0198】
前記除草組成物は、除草上有効量の少なくとも1種のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ阻害除草剤および潜在的に他の除草剤および/または解毒剤および作物保護剤の製剤化にとって慣習となっている補助剤を含む。
【0199】
作物保護剤の製剤化にとって慣習となっている補助剤の例は、不活性補助剤、固体担体、界面活性剤(分散剤、保護コロイド、乳化剤、湿潤剤および粘着付与剤など)、有機および無機増粘剤、殺菌剤、凍結防止剤、消泡剤、必要に応じて、着色剤、ならびに種子製剤については、接着剤である。当業者であれば、そのような製剤化のための方策に関して十分に精通している。
【0200】
増粘剤(すなわち、改変された流動性、すなわち、静止状態では高粘度であり、運動状態では低粘度を製剤に付与する化合物)の例は、キサンタンゴム(Kelco社製のKelzan(登録商標))、Rhodopol(登録商標)(Rhone Poulenc)またはVeegum(登録商標)(R.T.Vanderbilt社製)などの多糖類、ならびにAttaclay(登録商標)(Engelhardt社製)などの有機および無機層構造鉱物である。
【0201】
消泡剤の例は、シリコン乳液(例えば、Silikon(登録商標)SRE, WackerもしくはRhodia社製のRhodorsil(登録商標)など)、長鎖アルコール、脂肪酸、脂肪酸の塩、有機フッ素化合物およびその混合物である。
【0202】
水性除草製剤を安定化させるために、殺菌剤を添加することができる。殺菌剤の例は、ジクロロフェンおよびベンジルアルコールに基づく殺菌剤ヘミホルマール(ICI社製のProxel(登録商標)またはThor Chemie社製Acticide(登録商標)RSおよびRohm & Haas社製Kathon(登録商標)MK)、ならびにまた、アルキルイソチアゾリノンおよびベンズイソチアゾリノン(Thor Chemie社製Acticide MBS)などのイソチアゾリノン誘導体である。
【0203】
凍結防止剤の例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、尿素またはグリセロールである。
【0204】
着色剤の例は、水難溶性顔料および水溶性染料の両方である。記載することができる例は、ローダミンB、C.I.ピグメントレッド112およびC.I.ソルベントレッド1、ならびにまた、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー80、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー13、ピグメントレッド112、ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:1、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド53:1、ピグメントオレンジ43、ピグメントオレンジ34、ピグメントオレンジ5、ピグメントグリーン36、ピグメントグリーン7、ピグメントホワイト6、ピグメントブラウン25、ベーシックバイオレット10、ベーシックバイオレット49、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド14、アシッドブルー9、アシッドイエロー23、ベーシックレッド10、ベーシックレッド108の下で知られる染料である。
【0205】
接着剤の例は、ポリビニルピロリドン、ポリビニル酢酸、ポリビニルアルコールおよびチロースである。
【0206】
好適な不活性補助剤は、例えば、以下のもの:ケロセンおよびディーゼル油などの中沸点から高沸点のミネラルオイル画分、さらにコールタール油および植物もしくは動物起源の油、脂肪族、環式および芳香族炭化水素、例えば、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレンおよびその誘導体、アルキル化ベンゼンおよびその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールおよびシクロヘキサノールなどのアルコール、シクロヘキサノンなどのケトンまたは強極性溶媒、例えば、N-メチルピロリドンなどのアミン、ならびに水である。
【0207】
好適な担体としては、液体および固体担体が挙げられる。液体担体としては、例えば、環式および芳香族炭化水素、例えば、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレンおよびその誘導体、アルキル化ベンゼンおよびその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールおよびシクロヘキサノールなどのアルコール、シクロヘキサノンなどのケトン、強極性溶媒、例えば、N-メチルピロリドンなどのアミンなどの非水性溶媒、および水、ならびにその混合物が挙げられる。固体担体としては、例えば、シリカ、シリカゲル、ケイ酸塩、タルク、カオリン、石灰石、石灰、チョーク、赤土、黄土、粘土、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウムおよび酸化マグネシウム、地盤合成材料などの鉱物土類、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウムおよび尿素などの肥料、ならびに穀粉、樹皮粉、木粉、および堅果殻粉、セルロース粉末などの植物起源の産物、または他の固体担体が挙げられる。
【0208】
好適な界面活性剤(アジュバント、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤およびまた乳化剤)は、芳香族スルホン酸、例えば、リグノスルホン酸(例えば、Borrespersタイプ、Borregaard)、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸(Morwetタイプ、Akzo Nobel)、およびジブチルナフタレンスルホン酸(Nekalタイプ、BASF AG)の、ならびに脂肪酸の、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびアンモニウム塩、アルキルスルホネートおよびアルキルアリールスルホネート、アルキルスルフェート、ラウリルエーテルスルフェート、および脂肪アルコールスルフェート、ならびに硫酸化ヘキサ、ヘプタ、およびオクタデカノールの塩、さらには脂肪アルコールグリコールエーテルの塩、スルホン化ナフタレンおよびその誘導体とホルムアルデヒドとの縮合物、ナフタレンまたはナフタレンスルホン酸とフェノールおよびホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシル化イソオクチル、オクチル、またはノニルフェノール、アルキルフェニルまたはトリブチルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、イソトリデシルアルコール、脂肪アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセテート、ソルビトールエステル、リグノサルファイト廃液およびタンパク質、変性タンパク質、ポリサッカリド(例えば、メチルセルロース)、疎水変性デンプン、ポリビニルアルコール(Mowiolタイプ、Clariant)、ポリカルボキシレート(BASF AG、Sokalanタイプ)、ポリアルコキシレート、ポリビニルアミン(BASF AG、Lupamineタイプ)、ポリエチレンイミン(BASF AG、Lupasolタイプ)、ポリビニルピロリドンおよびそのコポリマーである。
【0209】
粉末、散布用材料、および細粉を、活性成分を固体担体と混合または同時粉砕することにより調製することができる。
【0210】
顆粒、例えば、被覆顆粒、含浸顆粒、および均質顆粒を、活性成分を固体担体に結合させることにより調製することができる。
【0211】
水性使用形態を、水を添加することにより、乳濁濃縮物、懸濁液、ペースト、湿潤性粉末または水分散性顆粒から調製することができる。乳濁液、ペーストまたは油分散物を調製するために、除草組成物をそのまま、または油もしくは溶媒に溶解した除草組成物を、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤または乳化剤を用いて水中で均質化することができる。あるいは、活性化合物、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤または乳化剤と、必要に応じて、水を用いる希釈にとって好適である溶媒または油とを含む濃縮物を調製することもできる。
【0212】
雑草を制御する方法
本発明の除草剤耐性植物を、それらが耐性である除草剤と共に用いることができる。当業者には公知の任意の技術を用いて、本発明の植物に除草剤を適用することができる。植物の栽培プロセスにおける任意の時点で除草剤を適用することができる。例えば、除草剤を、植える前に、植える時に、発芽前に、発芽後に、またはその組合せで適用することができる。
【0213】
本明細書に記載の除草組成物を、例えば、葉面処理、土壌処理、種子処理、または土壌水浸として適用することができる。例えば、噴霧、霧化、散布、または当業界で公知有用な任意の他の様式により、適用を行うことができる。
【0214】
一実施形態においては、除草剤を用いて、本発明の除草剤耐性植物の周辺で(に近接して)成長していると認められる雑草の成長を制御することができる。この型の実施形態においては、本発明の除草剤耐性植物が雑草の周辺で成長している土地に除草剤を適用することができる。次いで、本発明の除草剤耐性植物が耐性である除草剤を、雑草を殺傷するか、またはその成長を阻害するのに十分な濃度で前記土地に適用することができる。雑草を殺傷するか、またはその成長を阻害するのに十分な除草剤の濃度は、当業界で公知である。
【0215】
本明細書に記載の方法および適用に対する他の好適な改変および適合が明らかであり、本発明の範囲またはその任意の実施形態を逸脱することなくそれらを行うことができることが、関連する業界の当業者には容易に明らかであろう。ここまで本発明を詳細に説明してきたが、例示目的のみで本明細書に含まれ、本発明を限定することを意図するものではない以下の実施例を参照することにより、同じ事をより明確に理解できるであろう。
【0216】
除草剤の選択のための組織培養の使用
除草剤耐性作物は、雑草管理のためのさらなる選択肢を農業従事者に与える。現在、いくつかの作物系において、遺伝的に改変された(GMO)溶液が利用可能である。BASF社製の現在のCLEARFIELD溶液などの除草剤抵抗性を付与する変化した酵素、活性または構造を選択するために、さらなる突然変異技術が用いられてきた。米国では、CLEARFIELD米は被害地域において赤米を管理するための第一のツールである(USDA-ARS, 2006);しかしながら、1ヘクタールあたり最大170個のF1ハイブリッドで異系交配が報告されているため(Shivrainら、2007)、赤米とCLEARFIELD米との遺伝子流動は、AHAS耐性にとってかなり危険である。多くの他の側面、非CLEARFIELD米の変化を含む管理指針は、CLEARFIELD米の市場浸透を制限し得る。様々な作用様式(MOA)のイネ科雑草防除剤(graminicide)に対する耐性を有する栽培米の作製は、これらの危険性を低下させ、雑草管理のためのより多くのツールを提供するであろう。
【0217】
既に多くの異なるイネ科除草剤のための標的である1種の酵素は、脂肪酸(FA)生合成における第1の関与段階を触媒するアセチルCoAカルボキシラーゼ(ACCase, EC 6.4.1.2)である。イネ科雑草を制御するためにイネにおいて選択的であるシハロホップ-ブチルを除いて、アリールオキシフェノキシプロピオナート(APPもしくはFOP)およびシクロヘキサンジオン(CHDもしくはDIM)型除草剤を、双子葉作物においては発芽後に使用する。さらに、これらの除草剤の多くは、土壌中で比較的低い持続性を有し、栽培者に雑草制御および輪作に関する可撓性を提供する。特定のセットのFOPSおよび/またはDIMSに対して耐性を付与するこの酵素の変異が公知である(Lieら、2007;Delyeら、2003、2005)。
【0218】
組織培養は、カルスの1個の塊が数百個または数千個もの細胞に相当し、そのそれぞれを除草剤抵抗性などの新規形質について選択することができる点で代替的な手法を提供する(Jain, 2001)。組織培養中に、またはいくつかの種類の誘導の際に自然に生じる突然変異を、培養物中で直接選択し、突然変異した事象を選択することができる。
【0219】
in vitroでの組織培養技術にとって特有のものであるソマクローナル変異の活用は、トウモロコシ(Somers, 1996; Somersら、1994;Marshalら、1992;Parkerら、1990)およびシーショア・パスパラム(天然芝)(Heckartら、2009)においてDIMおよびFOP耐性を付与する突然変異を選択的に作製するための成功した手法であった。トウモロコシの場合、再生可能な事象を作製する効率を算出することができる。Somersら、1994においては、セトキシジム抵抗性トウモロコシ植物を、組織培養選択を用いて取得した。彼らは100 gのカルスを使用し、0.5、1.0、2.0、5.0および10μMのセトキシジムでの段階的選択後に2個の耐性系列を得た。彼らのプロトコルにおいて算出される変異率は2個の系列/100 gのカルスまたは0.02個の系列/gであろう。
【0220】
シーショア・パスパラムの場合、Heckertは高レベルのセトキシジムを直接使用し、約10,000個のカルス片中、3個の再生可能な系列、または本質的には、0.03%の率で再生した。比較可能ではないが、これらの数は、イネの組織培養突然変異誘発との比較のために後に用いることができる。トウモロコシの研究において、それぞれの選択段階でカルスを定常的に間引き、成長しているカルスのみを移した;しかしながら、シーショア・パスパラムの場合、全てのカルスをそれぞれの二次培養に移した。ACCase遺伝子を選択マーカーとして用いた。
【0221】
植物の形質転換は、数個の形質転換細胞または個体を、より大きな群の非形質転換細胞または個体から同定するための選択マーカー遺伝子の使用を含む。選択マーカー遺伝子は存在するが、それらは数および利用可能性が限られている。形質を積み重ねるためには、代替的なマーカー遺伝子が必要である。さらに、農学上の形質(すなわち、除草剤抵抗性)を付与する選択マーカー遺伝子の使用が望ましいことが多い。本発明は、現在の限られた一連の利用可能な選択マーカー遺伝子に加えることができる選択マーカーとしてACCase遺伝子を開示する。本明細書に記載の任意の突然変異体を、目的の遺伝子をプラスミドに導入し、選択マーカーとして用いるために全植物、植物組織または植物細胞中に形質転換することができる。詳細な方法は、以下の実施例7に概略されている。本発明の選択マーカーを用いて、所与の群の除草剤および作物保護が示された他の除草剤(すなわち、FOP)に対して耕地(田畑)耐性を付与する事象を作製することができる。
【0222】
現代の高効率な植物形質転換系には、効率的な選択マーカー系が必要である;しかしながら、市場で許容されている利用可能な数は限られている。従って、商業的形質をも伝える選択系は常に価値がある。本明細書に記載の系は、任意の単子葉作物における使用にとって好適な除草剤耐性形質をもコードする植物細胞において/にとって効率的な選択系である。
【0223】
一実施形態においては、本発明は、目的の遺伝子をコードする核酸分子であって、アミノ酸配列が、1個のアミノ酸位置で、対応する野生型イネ植物のアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ(ACCase)のアミノ酸配列と異なる突然変異体ACCaseをさらにコードする前記核酸分子を植物細胞に導入すること;および該植物細胞とACCase阻害剤とを接触させて、形質転換植物を取得することを含み、前記突然変異体ACCaseが、発現された場合、対応する野生型品種の植物と比較して、形質転換植物に対して増加した除草剤耐性を付与する、形質転換植物を選択する方法を提供する。
【0224】
一実施形態においては、本発明は、本発明の任意の植物を、第2の植物と共に育種すること;および育種工程の子孫と、ACCase阻害剤とを接触させて、前記突然変異体ACCaseを含む子孫を取得することを含み、前記突然変異体ACCaseが第2の植物と比較して、子孫植物に対して増加した除草剤耐性を付与する、マーカーを援用して育種する方法を提供する。
【0225】
一実施形態においては、1個のACCase遺伝子を、1個の目的の遺伝子に連結する。ACCase遺伝子を、目的の遺伝子の上流または下流に連結することができる。
【0226】
一実施形態においては、本発明は、診断アッセイにおける上記のACCase核酸およびタンパク質の使用を提供する。本明細書に記載の選択マーカーのための診断的使用を用いて、ACCase遺伝子を同定することができる。診断方法は、PCR法、タンパク質アッセイ、標識プローブ、および当業界で公知の任意の他の標準的な診断方法を含んでもよい。
【実施例1】
【0228】
組織培養条件
in vitro組織培養突然変異誘発アッセイを開発して、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ阻害除草剤、例えば、テプラロキシジム、シクロキシジム、およびセトキシジムに対して耐性である植物組織(例えば、イネ組織)を単離および特性評価した。このアッセイは、in vitro組織培養物中に認められるソマクローナル変異を利用するものである。ソマクローナル変異から誘導される自然突然変異を、化学的突然変異誘発および高濃度の除草剤上での段階的様式でのその後の選択により増強することができる。
【0229】
本発明は、再生可能である、もろい胚発生イネカルスの成長を促進するための組織培養条件を提供する。ジャポニカ(Taipei 309、Nipponbare、Koshihikari)およびインディカ(インディカ1)種の両方を包含する4種の異なるイネ栽培品種から、カルスを開始させた。Dehusked種子を、70%エタノール中で約1分間、次いで、20%の市販のClorox漂白剤で20分間、表面滅菌した。種子を滅菌水で洗浄し、カルス誘導培地上に播種した。様々なカルス誘導培地を試験した。試験した培地に関する成分の一覧を表2に提示する。
【表2】
【0230】
いくつかの変化を試験した後、R001Mカルス誘導培地を選択した。培養物を暗室中、30℃に保持した。10〜14日後、胚発生カルスを新鮮な培地に移して二次培養した。
【実施例2】
【0231】
除草剤耐性カルスの選択
一度、組織培養条件を決定したら、シクロキシジム、テプラロキシジム、セトキシジム(
図1)またはハロキシホップ(示さない)を用いる殺菌曲線における組織生存の分析により、さらなる選択条件を確立した。組織中の除草剤の蓄積、ならびに細胞および培養培地中でのその持続性および安定性を注意深く考慮した。これらの実験を通じて、突然変異した物質の初期選択に関する致死未満量を確立した。
【0232】
選択培地中でのセトキシジム、シクロキシジム、テプラロキシジム、およびハロキシホップの出発用量を確立した後、毒性用量の存在下でも活発に増殖した細胞が回収されるまで、それぞれ導入しながら、ACCase阻害剤の濃度を増加させることにより、段階的様式で組織を選択した(
図2を参照)。得られたカルスを、選択剤と共に、3〜4週間毎にR001Mに移してさらに二次培養した。選択圧が殺菌曲線および継続培養の観察により決定された毒性レベルを超えるまで、26,000個を超えるカルスを4〜5回の二次培養のための選択にかけた。毒性レベルは、50μMのセトキシジム、20μMのシクロキシジム、2.5μMのテプラロキシジム(
図1)および10μMのハロキシホップ(示さない)であると決定された。
【0233】
あるいは、ゆっくりと振とうしながら、MS711R中でカルスから液体培養を開始し(
図2)、毎週二次培養した。一度、液体培養を確立したら、それぞれの二次培養時に選択剤を直接フラスコに添加した。2〜4回の液体選択後、培養物をさらなる増殖のために固体R001M培地上の濾紙に移した。
【実施例3】
【0234】
植物の再生
耐性組織を再生させ、ACCase遺伝子配列突然変異について分子的に、および/または選択剤の存在下でのACCase活性の変化について生化学的に特性評価した。
【0235】
除草剤選択の後、ウェル中で形成された新芽が発生するまで、R025Mで10〜14日間、R026Mで約2週間、R327Mの培地計画、および新芽が温室への移動のためによく根付くまで、R008Sの培地計画を用いて、カルスを再生させた(表2)。再生を光の中で実行した。再生中には選択剤を含有させなかった。
【0236】
一度、強い根が確立されたら、M0再生体を、石こうを補給した砂、NC Sandhillsローム質土壌、およびRedi-earth(2:4:6)の混合物中、4インチ角形ポット中、温室に移植した。移植片が温室条件に適応するまで(約1週間)、透明なプラスチックカップ下で移植片を維持した。温室を、14時間の日照時間を維持するために、光を補う600Wの高圧ナトリウム灯を用いて、27℃/21℃(80°F/70°F)の昼夜周期に設定した。天候に応じて1日に2〜3回、植物に水を与え、毎日施肥した。種子増加のために選択されたイネ植物を、1ガロンのポットに移植した。植物が成熟に近づき、種をつける準備ができた時、ポットを小さいフラッドフラット(flood flat)に入れて、水および栄養の送達を良好に維持した。植物を、昆虫および植物の健康についてモニターし、標準的な総合的病害虫管理実務の下で管理した。
【実施例4】
【0237】
配列分析
クローン植物から葉組織を採集し、移植のために分離し、個別に分析した。製造業者により指示されるようにWizard(登録商標)96 Magnetic DNA Plant Systemキット(Promega、米国特許第6,027,945号および第6,368,800号)を用いて、ゲノムDNAを抽出した。1個のフォワードプライマーおよび1個のリバースプライマーを用いて、単離されたDNAをPCR増幅した。
【0238】
フォワードプライマー:
OsACCpU5142: 5’-GCAAATGATATTACGTTCAGAGCTG-3’ (配列番号7)
OsACCpU5205: 5’-GTTACCAACCTAGCCTGTGAGAAG-3’ (配列番号8)。
【0239】
リバースプライマー:
OsACCpL7100: 5'-GATTTCTTCAACAAGTTGAGCTCTTC-3' (配列番号9)
OsACCpL7054: 5'-AGTAACATGGAAAGACCCTGTGGC-3' (配列番号10)。
【0240】
以下のようなタッチダウンサーモサイクリングプログラム:96℃で15分間、次いで、(96℃、30秒間;58℃-1サイクルあたり0.2℃、30秒間;72℃、3分間および30秒間)の35サイクル、72℃で10分間、を用いるHotstar Taq DNA Polymerase (Qiagen)を用いて、PCR増幅を実施した。
【0241】
アガロースゲル電気泳動を介して、濃度および断片サイズについてPCR産物を検証した。脱リン酸化PCR産物を、PCRプライマー(DNA Landmarks)を用いる直接配列により分析した。クロマトグラム追跡ファイル(.scf)を、Vector NTI Advance 10(商標)(Invitrogen)を用いてOs05g0295300と比較して突然変異について分析した。配列情報に基づけば、2個の突然変異がいくつかの個体において同定された。I1,781(Am)LおよびD2,078(Am)Gがヘテロ接合状態で存在した。代表的なクロマトグラムおよびデフォルト設定を用いる対応するAlignXアラインメント上で配列分析を実施し、二次ピークを呼び出すために編集した。
【0242】
ACCase突然変異と一致しないサンプルを耐性について噴霧試験し、エスケープとして廃棄した。驚くべきことに、回収された系列の多くが、I1,781(Am)L突然変異についてヘテロ接合性であり、シクロキシジムまたはセトキシジムを用いる試験した遺伝子型の全てにおいて抵抗性事象が生成された:インディカ1(≧18系列)、タイペイ309(≧14系列)、ニッポンバレ(≧3系列)、およびコシヒカリ(≧6系列)。1個の系列がD2,078(Am)G突然変異についてヘテロ接合性であった。D2,078(Am)Gヘテロ接合体系列は狭い葉で止まるようであったが、I1,781(Am)Lヘテロ接合体は外見が異なっていたが、多くはその親遺伝子型と比較して正常に見えた。いくつかのエスケープを回収し、配列決定および噴霧試験により確認した;しかしながら、ACCaseの除草剤感受性領域の配列決定結果は、多くの耐性突然変異体がI1,781(Am)L、AからG突然変異についてヘテロ接合性であることを示していた(表3を参照)。1個の系列OsARWI010は、D2,078(AM)G、AからG突然変異についてヘテロ接合性であった。現在まで、ACCase突然変異を欠く全ての回収された植物は、温室中での除草剤適用に対して感受性であった。
【表3】
【実施例5】
【0243】
除草剤耐性の証明
選択された突然変異体およびエスケープを小さいポットに移した。野生型栽培品種および赤米の3種の次亜種を、種子から発芽させて、対照として供給した。
【0244】
移植の約3週間後、トラックスプレーヤーを用いて、0.1%メチル化種子油を補給した400〜1600 g ai/haのシクロキシジム(BAS 517H)をM0再生体に噴霧した。植物が温室条件に適応した後、サブセットに800 g ai/haのシクロキシジムを噴霧した。一度噴霧したら、植物を乾燥条件で24時間保持した後、水をやり、再度施肥した。噴霧した植物の写真を撮影し、処理後1週間(
図3)および2週間(
図4)で、除草剤損傷について格付けした。I1,781(Am)Lヘテロ接合突然変異を含有する植物上では損傷が観察されなかったが、対照植物および組織培養エスケープ(配列決定された突然変異について陰性である再生植物)は処理後に重度に損傷していた(
図3および4)。
図5〜15は、様々な植物に由来するアセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ酵素の核酸および/またはアミノ酸配列を提供する。
図17は、イネ突然変異体対様々なACCase阻害剤に関する結果を示すグラフを提供する。
【実施例6】
【0245】
組織培養を用いる除草剤選択
培地を使用のために選択し、殺菌曲線を上記で特定されたように生じさせた。選択のために、様々な技術を用いた。段階的選択を適用するか、または即時致死量の除草剤を適用した。いずれの場合でも、全てのカルスをそれぞれの新しい周回の選択のために移した。選択は、各サイクルにつき、3〜5週間で4〜5サイクルの培養であった。カルスをナイロン膜上に置いて、移動を容易にした(200ミクロンの孔径のシート、Biodesign, Saco, Maine)。膜を切って100 x 20 mmのペトリ皿に合わせ、使用前にオートクレーブした後、プレート毎に25〜35個のカルス(カルス1個あたりの平均重量は22 mgである)を用いた。さらに、1セットのカルスを液体培養培地中での選択にかけて、毎週二次培養した後、半固体培地上でさらに選択した。
【0246】
4種の異なるイネ遺伝子型においてシクロキシジムまたはセトキシジムを用いて突然変異系列を選択した。再生可能な突然変異系列を生じるカルスの割合または用いた組織のグラムにより決定された系列の数に基づけば、突然変異体を得る効率は高かった。全体として、シーショア・パスパラムと比較した突然変異頻度は5倍であり、トウモロコシと比較すれば2倍である。いくつかの場合、この差異は、以下の表4に示されるように非常により高い(>10倍)。
【表4】
【0247】
選択基準を用いてデータを分析する場合、表5に示されるように、シクロキシジム選択がセトキシジムよりも単離された突然変異体の高い比率に寄与することがわかる。
【表5】
【0248】
この分析を用いて、シクロキシジムの比率は、セトキシジム選択を用いる以前の報告のいずれかよりもほぼ10倍高いが、セトキシジム選択を用いる比率は以前に報告されたものと同様である。さらに、選択をセトキシジム上で行った場合の21%と比較して、選択をシクロキシジム上で行った場合には、68%の系列が突然変異体と確認された。増加は、選択剤としてセトキシジムの代わりにシクロキシジムを用いたことから来るようである。さらに、膜の使用により、二次培養の間に個別にそれぞれの一片を動かすよりもカルスの移動が有意に容易になる。20個を超える突然変異体が得られた。適応ペナルティを引き起こすことが知られる突然変異を有する1個の突然変異体(D2,078(Am)G)を除いて、肥沃度は高いようである。
【実施例7】
【0249】
植物形質転換における選択マーカーとしてのACCase突然変異遺伝子の使用
方法:
特定されたように培地交換を行うことを除いて(詳細については付属の培地表を参照されたい)、本質的にはHieiおよびKomari(2008)に記載のように、インディカ1およびニッポンバレイネカルスの形質転換を実行した。形質転換における使用の前に、カルスをR001M培地上で4〜8週間誘導した。用いたアグロバクテリウムは、選択のためにRLM185(L. Mankin、未刊行:選択のためにDsRedおよび突然変異AHASを含む)、I1781(Am)Lを含有するACC遺伝子、I1781(Am)LおよびW2027Cを含有するACC遺伝子、I1781(Am)LおよびI2041(Am)Nを含有するACC遺伝子、またはI17181(Am)Aもしくは突然変異AHAS遺伝子をも含む野生型を含有するACC遺伝子で形質転換されたLBA4404(pSB1)(Ishidaら、1996)であった。固体培地上で1〜3日間増殖させたアグロバクテリウムをM-LS-002培地中に懸濁し、OD
600を約0.1に調整した。カルスをアグロバクテリウム溶液中に約30分間含浸させた。液体を除去した後、半固形イネcc培地上での共培養のためにカルスを濾紙に移した。共培養は暗室中、24℃で3日間であった。イネカルスを含有する濾紙を、回収のためにチメンチンを含有するR001M培地に1〜2週間直接移し、暗室中、30℃で培養した。チメンチンを含み、100μMイマゼタピル、10μMシクロキシジムまたは2.5μMテプラロキシジムを補給した新鮮なR001M培地上にカルスを再分割した。3〜4週間後、カルスを新鮮な選択培地に移した。さらに3〜4週間後、増殖しているカルスを新鮮な培地に移し、増殖させた後、Taqman分析を行った。Taqman分析は、Nosターミネーターに関するものであり、選択されたカルスのトランスジェニック性質の分子的確認を提供するために行った。10μMシクロキシジムまたはハロキシホップ、2.5μMテプラロキシジムまたは100μMイマゼタピルを含有する培地上でカルスを二次培養することにより、トランスジェニックカルスの増殖を様々な選択剤を用いて測定した。最初の二次培養後、次いで、約1ヶ月の増殖後、カルスのサイズを走査画像から測定した。
【0250】
トウモロコシ未熟胚の形質転換を、本質的にはLaiら(提出済)により記載のように実行した。簡単に述べると、1.0のOD
600となるようにM-LS-002培地中に懸濁されたイネ形質転換に用いられたのと同じアグロバクテリウム株と共に、未熟胚を共培養した。共培養を、暗室中、22℃で3日間、トウモロコシCC培地上で行った。胚を共培養物から除去し、27℃で4〜7日間、M-MS-101培地に移した。イマゼタピル選択のためにM-LS-202培地または1μMシクロキシジムもしくは0.75μMテプラロキシジムを補給したM-LS-213培地に、応答する胚を移した。胚を2週間培養し、シクロキシジム選択を5μMに増加させたこと以外は以前と同じ培地を用いて、増殖しているカルスを2回目の選択に移した。選択されたカルスを、5μMシクロキシジムまたは0.75μMテプラロキシジムを補給したM-LS-504またはM-LS-513培地に移し、再生のために光(16時間/8時間の昼/夜)に移動させた。新芽は2〜3週間で出現し、さらなる新芽の発生および発根のために5μMシクロキシジムまたは0.75μMテプラロキシジムを補給したM-LS-618またはM-LS-613を含有するプラントコンボックスに移した。葉のサンプルをTaqman分析に提出した。成長および種子生成のために、陽性の植物を土壌に移した。第2セットの実験においては、再生ならびに新芽および根形成の間にテプラロキシジム選択を0.5μMに低下させたこと以外は条件は同一であった。第3セットの実験においては、選択剤としてハロキシホップも試験した。これらの実験においては、選択を通じて1μMを用いた。
【0251】
結果および考察:
I1781(Am)LおよびW2027(Am)Cを含有するACC遺伝子、ならびにI1781(AM)LおよびI2041(Am)Nを含有するACC遺伝子を用いるインディカ1イネ形質転換実験から、トランスジェニックカルスを取得した。テプラロキシジム選択後にI1781(Am)LおよびW2047(Am)Cを含有するACC遺伝子から1個のカルスが得られ、I1781(Am)LおよびI2041(Am)Nを含有するACC遺伝子から3個のカルスが得られた。シクロキシジム選択を用いる場合、I1781(Am)LおよびI2041(Am)Nを含有するACC遺伝子から1個のカルスが得られた。Nos Taqmanにより、これらのカルスは全部トランスジェニックであることが示された。突然変異AHAS選択マーカーのためのイマゼタピル(Pursuit-P)などの様々な選択剤の下で、カルスを増殖についてスクリーニングした。
【0252】
表6に観察することができるように、二重突然変異構築物は、ハロキシホップに加えてシクロキシジムおよびテプラロキシジムの両方の上での増殖を可能にした。これらの増殖実験で用いられたレベルは、野生型材料にとって阻害的である。
【表6】
【0253】
第1セットのトウモロコシ実験の結果は、単一の二重突然変異体の両方を用いて、比較的高い効率でシクロキシジム抵抗性またはシクロキシジムもしくはテプラロキシジムの両方に対する抵抗性について選択することができることを示している(
図16)。
【0254】
選択剤間の効率は、これらの実験において相対的に比較可能であり、おそらくPursuit選択と比較してシクロキシジム上では単一突然変異体の効率が全体としてわずかに低下するかもしれない。しかしながら、二重突然変異体の効率はわずかに増加するかもしれない。エスケープ率(未確認の推定事象の割合)は、シクロキシジムまたはテプラロキシジムについてはより低かった。さらに、記載の条件下では、テプラロキシジム選択を用いて単一突然変異体と二重突然変異体とを識別することが可能であった。
【0255】
第2セットの実験においても同様の結果が得られた(示さず)。第3セットの実験においては、ハロキシホップもまた、単一または二重突然変異体を用いる形質転換における使用のための効率的な選択マーカーである(示さず)。
【0256】
単一突然変異体は、シクロキシジムまたはハロキシホップ選択を用いる高効率形質転換にとって有用である。また、セトキシジムなどの他の関連化合物にとっても有用であるべきである。二重突然変異体は、これらの選択剤にとって有用であり、さらに、テプラロキシジムを用いることができる。単一および二重突然変異体を、単一突然変異体をテプラロキシジム選択を用いて二重突然変異体から識別することができる2段階の形質転換において用いることができる。他の現在のBASFの選択マーカーと共に、これらのものは単子葉植物、特に、トウモロコシの高効率形質転換のための2つのさらなる選択肢を与える。
【0257】
本明細書に記載の除草剤耐性表現型はまた、600 g/haのシクロキシジム処理下の耕地(田畑)において、本明細書に記載のACCase阻害剤耐性イネ植物により示された(データは示さず)。
【0258】
上記発明を明確性および理解のためにいくらか詳細に説明してきたが、当業者であれば、本発明の真の範囲および添付の特許請求の範囲を逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更を行うことができることを、本開示を読むことから理解できるであろう。本明細書に引用される全ての特許および刊行物は、参照により本明細書に組入れられるものとする。