特許第5873798号(P5873798)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5873798
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】無線端末装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/02 20060101AFI20160216BHJP
   H04B 1/40 20150101ALI20160216BHJP
   H05K 9/00 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   H04M1/02 C
   H04B1/40
   H05K9/00 L
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-529106(P2012-529106)
(86)(22)【出願日】2010年8月31日
(65)【公表番号】特表2013-505609(P2013-505609A)
(43)【公表日】2013年2月14日
(86)【国際出願番号】CN2010076481
(87)【国際公開番号】WO2011032460
(87)【国際公開日】20110324
【審査請求日】2012年4月18日
【審判番号】不服2015-8563(P2015-8563/J1)
【審判請求日】2015年5月8日
(31)【優先権主張番号】200910093387.9
(32)【優先日】2009年9月18日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509296306
【氏名又は名称】▲華▼▲為▼▲終▼端有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】シェ、ヤンピン
(72)【発明者】
【氏名】リュー、チン
(72)【発明者】
【氏名】レイ、ピン
(72)【発明者】
【氏名】ラン、ヤオ
(72)【発明者】
【氏名】スン、シュフィ
【合議体】
【審判長】 大塚 良平
【審判官】 山中 実
【審判官】 林 毅
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−128061(JP,A)
【文献】 特開2008−171261(JP,A)
【文献】 特開2000−357421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/02, H05K 9/00, H04B 1/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
USBコンバータと、前記USBコンバータに接続された第1のプリント回路基板(PCB)とを備える無線ネットワークカードであって、
前記無線ネットワークカードは、第1の導体を更に備え、
前記USBコンバータと前記第1のPCBとのうちの一方が、前記第1の導体の一方の端に第1の容量結合モジュールを介して接続され、
前記USBコンバータと前記第1のPCBとのうちの他方が、前記第1の導体の他方の端に接続される、
無線ネットワークカード
【請求項2】
前記USBコンバータと前記第1のPCBとのうちの他方が、前記第1の導体の他方の端に接続されることは、具体的には、
前記USBコンバータと前記第1のPCBとのうちの他方が、前記第1の導体の他方の端に第2の容量結合モジュールを介して接続されること、又は、
前記USBコンバータと前記第1のPCBとのうちの他方が、前記第1の導体の他方の端に直接接続されることである
請求項1に記載の無線ネットワークカード
【請求項3】
前記USBコンバータと前記第1のPCBとのうちの一方の前記第1の導体の一方の端への前記第1の容量結合モジュールを介した接続、並びに、前記USBコンバータと前記第1のPCBとのうちの他方の前記第1の導体の他方の端への接続は、具体的には、
前記USBコンバータが、前記第1の導体の一方の端に前記第1の容量結合モジュールを介して接続され、前記第1のPCBが、前記第1の導体の他方の端に接続されること、又は、
前記第1のPCBが、前記第1の導体の一方の端に前記第1の容量結合モジュールを介して接続され、前記USBコンバータが、前記第1の導体の他方の端に接続されること
を含む、請求項1に記載の無線ネットワークカード
【請求項4】
前記第1の導体と前記USBコンバータとの間に配置された第2の導体を更に備え、
前記第2の導体の一方の端は、前記USBコンバータに接続され、
前記第2の導体の他方の端は、前記第1の導体の他方の端に第2の容量結合モジュールを介して又は直接接続される、
請求項1に記載の無線ネットワークカード
【請求項5】
前記第2の導体の他方の端と前記第1の導体の他方の端との間の前記第2の容量結合モジュールを介した接続、又は、前記第2の導体の他方の端と前記第1の導体の他方の端との間の直接接続は、
前記第1の導体の一方の端が、前記第1のPCBに前記第1の容量結合モジュールを介して接続され、
前記第2の導体の他方の端が、前記第1の導体の他方の端に前記第2の容量結合モジュールを介して又は直接接続され、
前記第1の導体の一方の端が、前記第1のPCBに直接接続され、
前記第2の導体の他方の端が、前記第1の導体の他方の端に前記第2の容量結合モジュールを介して接続されること
を含む、請求項4に記載の無線ネットワークカード
【請求項6】
前記第1の容量結合モジュールは、第1の絶縁材料媒体又は第1の集中容量構成要素であり、
前記第2の容量結合モジュールは、第2の絶縁材料媒体又は第2の集中容量構成要素である、
請求項4に記載の無線ネットワークカード。
【請求項7】
USBコンバータと前記第1のPCBとの間の接続は、具体的には、
電源線Vdd、接地線GDN、及び差分信号線D+/D−が、前記USBコンバータ内に配置され、
前記電源線Vdd、前記接地線GDN、及び前記差分信号線D+/D−がそれぞれ、前記第1のPCB上の電源線Vdd、接地線GDN、及び差分信号線D+/−に対応して接続されることである、
請求項1に記載の無線ネットワークカード
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信技術の分野に関し、特に、無線端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信技術の発達に伴い、様々なタイプの無線端末装置がますます普及している。無線端末装置は、より多くの適用例を実施するために、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、略してUSB)コンバータ装置(USBコンバータとも呼ばれる)を介して他の装置に接続されることが可能である。例えば、無線ネットワークへのアクセスをノートブックコンピュータを介して実施するために、無線端末装置の無線ネットワークカードは、ノートブックコンピュータにUSBコンバータを介して接続されてもよい。あるいは、無線端末装置の無線ネットワークカードは、複数のユーザの無線ネットワークへのアクセスを実施するために、ワイヤレスフィデリティ(Wireless Fidelity、略してWIFI)のアクセスポイント(Access Point、略してAP)にUSBコンバータを介して接続される。
【0003】
従来のUSBコンバータの様々な適用例のうち主流の適用例は、無線ネットワークに接続するために、無線ネットワークカードをノートブックコンピュータに接続することである。従来技術では、無線ネットワークカードは固定式USBコンバータ手法、可動式USBコンバータ手法及び回転式USBコンバータ手法でノートブックコンピュータに接続されることが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回転式USB手法では、USBは二重接地手法を採用するため、2本の接地ワイヤをそれぞれUSBコンバータの2つの端から導き出す必要がある。図1に示すように、一方の接地ワイヤは4本の信号線の外側にスリーブ付けされた金属電導層であり、他方の接地ワイヤは接地ばねプレートであり、ここで、接地ばねプレートは、USB及びPCBに溶着を介して接続されなくてもよいが、USB及びPCBと圧着を介して接触し、接地ばねプレートを使用する間、接地ばねプレートとUSBとの間の接点のインピーダンス、及び接地ばねプレートとPCBとの間の接点のインピーダンスは、2オーム未満である必要がある。しかし、上記の構成に基づけば、接地ばねプレートがUSB及びPCBと十分に圧着されない場合、インピーダンスが増加する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、導電及び接続モジュールと第1のプリント回路基板との間の容量結合及び接地を実施するための無線端末装置を提供する。
【0006】
本発明の一実施形態は、導電及び接続モジュールと導電及び接続モジュールに接続された第1のプリント回路基板(PCB)とを含むと共に、第1の導体を更に含む無線端末装置を提供し、ここで、導電及び接続モジュールと第1のPCBとのうちの一方は第1の導体の一方の端に第1の容量結合モジュールを介して接続され、導電及び接続モジュールと第1のPCBとのうちの他方は第1の導体の他方の端に接続される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態による無線端末装置は、導電及び接続モジュール及びPCBの新たな接地手法を提供し、これは、導電及び接続モジュールとPCBとの間の容量結合及び接地を第1の容量結合モジュールを介して実施することが可能である。
【0008】
本発明の実施形態による、又は従来技術における技術的解決法をより明確に説明するために、実施形態又は従来技術を説明するための添付の図面について、以下に簡単に述べる。明らかに、以下の説明における添付の図面は本発明のいくつかの実施形態にすぎず、当業者は添付の図面から創造的な活動を行うことなく他の図面を導き出すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】従来技術における回転式USBコンバータの概略構成図である。
図2】本発明の第1の実施形態による無線端末装置の概略図である。
図3】本発明の第2の実施形態による無線端末装置の概略図である。
図4】本発明の第3の実施形態による無線端末装置の概略図である。
図5】本発明の第4の実施形態による無線端末装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の技術的解決法について、添付の図面及び特定の実施形態を参照して、以下に更に説明する。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、導電及び接続モジュールと、導電及び接続モジュールに接続された第1のPCBと、第1の導体とを含む無線端末装置が提供される。本発明の実施形態による無線端末装置では、導電及び接続モジュールと第1のPCBとのうちの一方が第1の導体の一方の端に第1の容量結合モジュールを介して接続され、導電及び接続モジュールと第1のPCBとのうちの他方が第1の導体の他方の端に接続される。すなわち、以下の2つの状況が含まれる。
【0012】
第1の状況では、導電及び接続モジュールが第1の導体の一方の端に第1の容量結合モジュールを介して接続され、第1のPCBが第1の導体の他方の端に接続される。
【0013】
第2の状況では、第1のPCBが第1の導体の一方の端に第1の容量結合モジュールを介して接続され、導電及び接続モジュールが第1の導体の他方の端に接続される。
【0014】
導電及び接続モジュールと第1のPCBとのうちの他方の第1の導体の他方の端への接続は、以下の2つの状況を含むことに留意されたい。導電及び接続モジュールと第1のPCBとのうちの他方は第1の導体の他方の端に第2の容量結合モジュールを介して接続されるか、又は、導電及び接続モジュールと第1のPCBとのうちの他方は第1の導体の他方の端に直接接続される。
【0015】
加えて、本発明の実施形態では、第1の容量結合モジュールは第1の絶縁材料媒体又は第1の集中容量構成要素(component)であってもよく、第2の容量結合モジュールは第2の絶縁材料媒体又は第2の集中容量構成要素であってもよい。
【0016】
様々な状況下での無線端末装置について、添付の図面を参照して、以下に詳細に説明する。
【0017】
図2は、本発明の第1の実施形態による無線端末装置の概略図である。図2に示すように、本発明の実施形態による無線端末装置は、導電及び接続モジュールと、第1の導体22とを含む。本発明の実施形態による無線端末装置は、携帯電話機又は無線ネットワークカードであってもよいということに留意されたい。無線端末が携帯電話機である場合、導電及び接続モジュールは第2のPCBであってもよく、無線端末が無線ネットワークカードである場合、導電及び接続モジュールはUSBコンバータ20であってもよい。例示的に、この実施形態では、導電及び接続モジュールがUSBコンバータ20である例を介して本発明の実施形態の技術的解決法が説明される。
【0018】
具体的には、電源線Vdd、接地線GDN、及び差分信号線D+/−がUSBコンバータ20内に配置され、ここで、差分信号線は、ポジティブ差分信号線D+及びネガティブ差分信号線D−を含む。USBコンバータ20内の上記の4本の信号線は、第1のPCB24上の電源線Vdd、接地線GDN、及び差分信号線D+/−にそれぞれ対応的に接続され、すなわち、USBコンバータ20内の電源線Vddは第1のPCB24上の電源線Vddに接続され、USBコンバータ20内の接地線GDNは第1のPCB24上の接地線GDNに接続され、USBコンバータ20内のポジティブ差分信号線D+は第1のPCB24上のポジティブ差分信号線D+に接続され、USBコンバータ20内のネガティブ差分信号線D−は第1のPCB24上のネガティブ差分信号線D−に接続されて、ワイヤボディを形成する。ワイヤボディは、絶縁材料によって別個にラッピングされてもよく、そして、絶縁材料によるラッピングの後、シールド及び接地のための金属導電層がワイヤボディの外側にスリーブ付けされ、ここで、金属導電層の2つの端は、USBコンバータ20及び第1のPCB24にそれぞれ接続され、これにより、ワイヤボディはシールド及び接地される。上記の手法は、USB線構成(USB line structure)又はフレキシブルプリント回路(Flexible Printed Circuit、略してFPC)構成を介して実施されてもよい。
【0019】
図2に示すように、本発明の実施形態によるコンバータ装置は第1の導体22を含み、ここで、第1の導体22の一方の端は、USBコンバータ20に第1の絶縁材料媒体26を介して接続され、更に、第1の絶縁材料媒体26は、第1の導体22の一方の端とUSBコンバータ20の外側における金属層との間に配置される。第1の導体22の一方の端がUSBコンバータ20に直接接続されないため、前述の手法における接続は仮想接続とも呼ばれる。このようにして、第1の導体22とUSBコンバータ20との仮想接続において、キャパシタ構成が形成されることが可能である。加えて、第1の絶縁材料媒体26は、第1の導体22をUSBコンバータ20上に固定する機能も果たす。実際の適用例では、第1の集中容量構成要素が、第1の絶縁材料媒体26の代わりに、すなわち、容量結合効果(capacitance coupling effect)を形成するために使用されてもよく、ここで、第1の集中容量構成要素の使用は、第1の絶縁材料媒体26の使用により達成されるのと同じ効果を達成し得る。本発明の実施形態では、第1の導体22は金属ばねプレートであってもよい。図2に示すように、2つのばね足が金属ばねプレートの2つの端において配置され、それらはそれぞれ第1のばね足220及び第2のばね足222であり、ここで、第1のばね足220はUSBコンバータ20に仮想接続される。第1のPCB24を接続するための第2の絶縁材料媒体28が第1の導体22の他方の端において配置され、すなわち、金属ばねプレートの第2のばね足222が第1のPCB24上の回路基板間の間隔に第2の絶縁材料媒体28を介して仮想接続され、これにより、金属ばねプレートの第2のばね足222と第1のPCB24との仮想接続においてキャパシタ構成が形成され、これは、第1のPCB24と第1の導体22との間の容量結合効果を実施する。実際の適用例では、第2の絶縁材料媒体28の代わりに、第2の集中容量構成要素が、第2の絶縁材料媒体28の使用により達成されるのと同じ効果を達成するために使用されてもよい。
【0020】
上記の処理を介して、二重接地回転式USBコンバータ手法と比較して、本発明の実施形態による無線端末装置では、USBコンバータは第1のPCB24に容量結合手法で接続され、これにより、第1の導体22がUSBコンバータ20及び第1のPCB24と十分に圧着されないためインピーダンスが増加するという問題が回避される。
【0021】
同時に、上記の手法は、回転式USB手法が、技術に対する高い要件を有し、容易には実施されないという従来技術における欠点を克服する可能性がある。本発明の実施形態では、第1の導体はUSBコンバータ又はPCBに絶縁媒体を介して接続され(すなわち、仮想接続)、仮想接続において容量が形成され、USBコンバータはPCBに容量結合手法で接続され、これにより、接地ワイヤと無線ネットワークカードPCBとの接点における抵抗の制御が回避され、その結果、製造が容易になり、製品の品質認定率が向上する。加えて、本発明の実施形態では、USBコンバータはPCBに容量結合手法で接続されるため、二重接地回転式USBコンバータ手法における電磁波の比吸収率(Specific Absorption Rate、略してSAR)がある程度改善される。
【0022】
本発明の一実施形態により、無線端末装置が提供され、図3は、本発明の第2の実施形態による無線端末装置の概略図である。図3に示すように、本発明の実施形態による無線端末装置は、導電及び接続モジュールと、第1の導体32とを含む。本発明の実施形態による無線端末装置は、携帯電話機又は無線ネットワークカードであってもよいということに留意されたい。無線端末が携帯電話機である場合、導電及び接続モジュールは第2のPCBであってもよく、無線端末が無線ネットワークカードである場合、導電及び接続モジュールはUSBコンバータ30であってもよい。例示的に、この実施形態では、導電及び接続モジュールがUSBコンバータ30である例を介して本発明の実施形態の技術的解決法が説明される。
【0023】
具体的には、電源線Vdd、接地線GDN、及び差分信号線D+/−がUSBコンバータ30内に配置され、ここで、差分信号線は、ポジティブ差分信号線D+及びネガティブ差分信号線D−を含み、USBコンバータ30内の上記の4本の信号線は、無線端末装置内の第1のPCB34上の電源線Vdd、接地線GDN、及び差分信号線D+/−にそれぞれ対応して接続されて、ワイヤボディを形成する。ワイヤボディは、絶縁材料によって別個にラッピングされる必要があり、そして、絶縁材料のラッピングの後、シールド及び接地のための金属導電層がワイヤボディの外側にスリーブ付けされ、ここで、金属導電層の2つの端はUSBコンバータ30及び第1のPCB34にそれぞれ接続され、これにより、ワイヤボディはシールド及び接地される。実際の適用例では、上記の手法は、USB線構成又はFPC構成を介して実施されてもよい。
【0024】
図3に示すように、本発明の実施形態によるコンバータ装置は第1の導体32を含み、ここで、第1の導体32の一方の端はUSBコンバータ30に第1の絶縁材料媒体36を介して接続され、更に、第1の絶縁材料媒体36は第1の導体32の一方の端とUSBコンバータ30の外側における金属層との間に配置される。第1の導体32の一方の端がUSBコンバータ30に直接接続されないため、前述の手法での接続は仮想接続とも呼ばれる。このようにして、第1の導体32とUSBコンバータ30との仮想接続においてキャパシタ構成が形成される。加えて、第1の絶縁材料媒体36は、第1の導体32をUSBコンバータ30上に固定する機能も果たす。実際の適用例では、第1の絶縁材料媒体36の代わりに、第1の集中容量構成要素が、第1の絶縁材料媒体36の使用により達成されるのと同じ効果を達成するために、すなわち、容量結合効果を形成するために、使用されてもよい。本発明の実施形態では、第1の導体32は金属ばねプレートであってもよい。図3に示すように、2つのばね足が金属ばねプレートの2つの端において配置され、それらはそれぞれ第1のばね足320及び第2のばね足322であり、ここで、第1のばね足320はUSBコンバータ30に仮想接続され、第2のばね足322は第1のPCB34に直接接続される。
【0025】
上記の処理を介して、二重接地回転式USBコンバータ手法と比較して、本発明の実施形態による無線端末装置では、一方の端がUSBコンバータに容量結合手法で接続され、他方の端がPCBに直接接続される。一方の端はUSBコンバータに容量結合手法で接続されるため、第1の導体32がUSBコンバータ30及び第1のPCB34と十分に圧着されないためインピーダンスが増加するという問題が回避される。
【0026】
同時に、本発明の実施形態では、無線端末装置の一方の端がUSBコンバータに容量結合手法で接続され、これにより、接地ワイヤと無線ネットワークカードPCBとの接点における抵抗を制御することが回避され、その結果、製造が容易になり、製品の品質認定率が向上する。
【0027】
本発明の一実施形態は、無線端末装置を提供し、図4は、本発明の第3の実施形態による無線端末装置の概略図である。図4に示すように、本発明の実施形態によるコンバータ装置は、導電及び接続モジュールと、第1の導体42とを含む。例示的に、本発明の実施形態による無線端末装置は、携帯電話機又は無線ネットワークカードであってもよいということに留意されたい。無線端末が携帯電話機である場合、導電及び接続モジュールは第2のPCBであってもよく、無線端末が無線ネットワークカードである場合、導電及び接続モジュールはUSBコンバータ40であってもよい。例示的に、この実施形態では、導電及び接続モジュールがUSBコンバータ40である例を介して本発明の実施形態における技術的解決法が説明される。
【0028】
具体的には、電源線Vdd、接地線GDN、及び差分信号線D+/−がUSBコンバータ40内に配置され、ここで、差分信号線は、ポジティブ差分信号線D+及びネガティブ差分信号線D−を含み、USBコンバータ40内の上記の4本の信号線は、無線端末装置内の第1のPCB44上の電源線Vdd、接地線GDN、及び差分信号線D+/−にそれぞれ対応的に接続されて、ワイヤボディを形成する。ワイヤボディは絶縁材料によって別個にラッピングされる必要があり、そして、絶縁材料のラッピングの後、シールド及び接地のための金属導電層がワイヤボディの外側にスリーブ付けされ、ここで、金属導電層の2つの端はUSBコンバータ40及び第1のPCB44にそれぞれ接続され、これにより、ワイヤボディはシールド及び接地される。実際の適用例では、上記の手法は、USB線構成又はFPC構成を介して実施されてもよい。
【0029】
図4に示すように、本発明の実施形態によるコンバータ装置は第1の導体42を含み、ここで、第1の導体42の一方の端はUSBコンバータ40に直接接続される。本発明の実施形態では、第1の導体42は金属ばねプレートであってもよい。図4に示すように、2つのばね足が金属ばねプレートの2つの端において配置され、それらはそれぞれ第1のばね足420及び第2のばね足422であり、ここで、第1のばね足420はUSBコンバータ40に直接接続され、第1の導体42の第2のばね足422は第1のPCB44に第2の絶縁材料媒体46を介して接続され、すなわち、第1の導体42の他方の端は第1のPCB44に仮想接続される。第2の絶縁材料媒体46は、第1の導体42と第1のPCB44との仮想接続において充填される必要があり、これにより、第1の導体42と第1のPCB44との仮想接続においてキャパシタ構成が形成され得る。加えて、第2の絶縁材料媒体46は、第1の導体42の第1のPCB44上への固定も行う。実際の適用例では、第2の絶縁材料媒体46の代わりに、第2の集中容量構成要素が、第2の絶縁材料媒体46の使用により達成されるのと同じ効果を達成するために使用されてもよい。
【0030】
上記の処理を介して、二重接地回転式USBコンバータ手法と比較して、本発明の実施形態による無線端末装置では、一方の端がUSBコンバータに容量結合手法で接続され、他方の端がPCBに直接接続される。一方の端はUSBコンバータに容量結合手法で接続されるため、第1の導体42がUSBコンバータ40及び第1のPCB44に十分に圧着されないためインピーダンスが増加するという問題が回避される。
【0031】
同時に、本発明の実施形態では、無線端末装置の一方の端がUSBコンバータ40に容量結合手法で接続され、他方の端がPCBに直接接続される。一方の端がUSBコンバータ40に容量結合手法で接続されるため、接地ワイヤと無線ネットワークカードPCBとの接点における抵抗の制御が回避され、製造が容易になり、製品の品質認定率が向上する。
【0032】
本発明の一実施形態は、無線端末装置を提供し、図5は、本発明の第4の実施形態による無線端末装置の概略図である。図5に示すように、本発明の実施形態による無線端末装置は、導電及び接続モジュールと、第1の導体52と、第2の導体54とを含む。本発明の実施形態による無線端末装置は、携帯電話機又は無線ネットワークカードであってもよいということに留意されたい。無線端末が携帯電話機である場合、導電及び接続モジュールは第2のPCBであってもよく、無線端末が無線ネットワークカードである場合、導電及び接続モジュールはUSBコンバータ50であってもよい。例示的に、この実施形態では、導電及び接続モジュールがUSBコンバータ50である例を介して、本発明の実施形態の技術的解決法が説明される。
【0033】
本発明の実施形態による無線端末装置では、第1の導体52とUSBコンバータ50との間に配置された第2の導体54が、第1の実施形態〜第3の実施形態におけるコンバータ装置に追加され、ここで、第2の導体54の一方の端はUSBコンバータ50に接続され、第2の導体54の他方の端は第1の導体52の他方の端に直接又は第2の容量結合モジュールを介して接続される。具体的には、第1の導体52の一方の端が第1のPCBに第1の容量結合モジュールを介して接続される場合、第2の導体54の他方の端は第1の導体52の他方の端に第2の容量結合モジュールを介して又は直接接続され、第1の導体52の一方の端が第1のPCBに直接接続される場合、第2の導体54の他方の端は第1の導体52の他方の端に第2の容量結合モジュールを介して接続される。
【0034】
図5は、第2の導体54を第1の実施形態において追加する場合を示すものにすぎず、第2の導体54を第2の実施形態及び第3の実施形態において追加する場合については図5が参照されてもよいということに留意されたい。図5に示すように、USBコンバータ50は第2の導体54の一方の端において配置され、第1の実施形態及び第2の実施形態では、第2の導体54の他方の端は第1の導体52の他方の端に第2の絶縁材料媒体を介して接続される。第3の実施形態では、第2の導体54の他方の端は第1の導体52の他方の端に直接接続される。無線端末装置内の他のモジュール(ここではその詳細を再度説明しない)の説明については、前述の実施形態を参照されたい。
【0035】
前述の処理を介して第2の導体54が追加されるため、第1の導体52はUSBコンバータ50に第2の導体54を介して接続又は仮想接続され得るので、これにより、第1の導体52とUSBコンバータ50との間の接触が最適化される。
【0036】
本発明の実施形態では、導電及び接続モジュールは第2のPCBであってもよく、その実施原理はUSBコンバータと同様であり、これについては、ここでは再度詳細に説明しない。
【0037】
前述の実施形態における無線ネットワークカードはデータカードであってもよいということを理解されたい。
【0038】
全ての実施形態において、第1の導体及び第2の導体の材料は同じであっても又は異なっていてもよく、同様に、第1の絶縁材料媒体及び第2の絶縁材料媒体の材料は同じであっても又は異なっていてもよいということに留意されたい。加えて、第1の集中容量構成要素が第1の絶縁材料媒体の代わりに使用されてもよく、かつ/又は、第2の集中容量構成要素が第2の絶縁材料媒体の代わりに使用されてもよい。実際の適用例では、実際の状況における要求に応じて選択が行われてもよい。
【0039】
本発明の実施形態による無線端末装置は無線ネットワークカードなどの小型無線端末装置であり、すなわち、導電及び接続モジュールはUSBコンバータである。無線性能は無線ネットワークカードの性能を測定するための重要な指標であり、無線ネットワークカードとコンピュータとの間の接続の効果は無線性能に対する大きな影響を有する。本発明の実施形態では、容量結合及び二重接地の技術的解決法が使用され、これにより、無線ネットワークカード回路の接地平面とコンピュータの接地平面との間の信頼性の高い接続の効果が達成されてもよく、その結果、無線ネットワークカードの無線性能が向上し、同時にSAR値が減少する。本発明の実施形態による技術的解決法は、小型無線端末装置内のUSBコンバータがPCBと共に接地される必要があるシナリオにおいて使用されてもよいということに留意されたい。
【0040】
加えて、本発明の実施形態による無線端末装置は、折り畳み式携帯電話機であってもよく、すなわち、導電及び接続モジュールは第1のPCBであってもよく、そして、全てのPCBのうちの各2つが接地される必要がある適用シナリオに適用可能である。
【0041】
装置実施形態は、例示的なものにすぎない。別個の構成要素として記載されたユニットは、物理的に別個であってもよく又は物理的に別個でなくてもよい。ユニットとして示された構成要素は、物理的なユニットであってもよく又は物理的なユニットでなくてもよく、すなわち、1つの位置において統合されてもよく又は複数のネットワークユニットに分散されてもよい。いくつか又は全てのモジュールは、実際の要求に応じて、実施形態における解決法の目的を達成するために選択されてもよい。当業者は、創造的な活動を行うことなく、本発明を理解及び実施することが可能である。
【0042】
最後に、上記の実施形態は、本発明の技術的解決法を説明するために提供されたにすぎず、本発明を限定することを意図するものではないということに留意されたい。本発明について、実施形態を参照して詳細に説明したが、実施形態において説明した技術的解決法に修正が行われてもよく、又は、技術的解決法におけるいくつかの技術的特徴に均等な置換が行われてもよく、そのような修正又は置換は対応する技術的解決法の本質を本発明の実施形態における技術的解決法の精神及び範囲から逸脱させるものではないということを当業者は理解されたい。
【0043】
本出願は、2009年9月18日に中国専利局に出願された「WIRELESS TERMINAL DEVICE(無線端末装置)」と題された中国特許出願第200910093387.9号の優先権を主張するものであり、当該出願はその全体が参照によって本明細書中に援用される。
図1
図2
図3
図4
図5