(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
テトラフルオロエチレン、第1のパーフルオロアルキルビニルエーテルおよび硬化部位を有する少なくとも1つの第1の硬化部位含有モノマーを含む第1のパーフルオロエラストマーであって、パーフルオロエラストマー中のテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルのモル比が0:100〜65:35モル%である第1のパーフルオロエラストマー、
テトラフルオロエチレン、第1のパーフルオロアルキルビニルエーテルと同じかまたは異なっていてもよい第2のパーフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの第1の硬化部位含有モノマーと同じかまたは異なっていてもよい硬化部位を有する少なくとも1つの第2の硬化部位含有モノマーを含む第2のパーフルオロエラストマーであって、パーフルオロエラストマー中のテトラフルオロエチレンと第2のパーフルオロアルキルビニルエーテルのモル比が65:35〜95:5であって、第2のパーフルオロエラストマー中のテトラフルオロエチレンと第2のパーフルオロアルキルビニルエーテルのモル比と第1のパーフルオロエラストマー中のテトラフルオロエチレンと第1のパーフルオロアルキルビニルエーテルのモル比が異なっている第2のパーフルオロエラストマー、および
少なくとも1つの第1の硬化部位含有モノマーおよび少なくとも1つの第2の硬化部位含有モノマーを硬化し得る少なくとも1つの硬化剤
を含む硬化性パーフルオロエラストマー組成物であって、
組成物中の第1のパーフルオロエラストマーと第2のパーフルオロエラストマーの重量%比が、65:35〜35:65である硬化性パーフルオロエラストマー組成物。
第1のパーフルオロエラストマー中のテトラフルオロエチレンと第1のパーフルオロアルキルビニルエーテルのモル比が50:50〜65:35であり、第2のパーフルオロエラストマー中のテトラフルオロエチレンと第2のパーフルオロアルキルビニルエーテルのモル比が65:35〜85:15である請求項1記載の組成物。
少なくとも1つの第1の硬化部位含有モノマーの架橋部位および少なくとも1つの第2の硬化部位含有モノマーの硬化部位が、ニトリル基、カルボキシル基およびアルコキシカルボニル基よりなる群から選ばれる官能基である請求項1記載の組成物。
少なくとも1つの第1の硬化部位含有モノマーが、第1のパーフルオロエラストマーの少なくともひとつの末端に官能基を与え、および/または第1のパーフルオロエラストマーのポリマー骨格にぶら下がる官能基を与える請求項5記載の組成物。
少なくとも1つの第2の硬化部位含有モノマーが、第2のパーフルオロエラストマーの少なくともひとつの末端に官能基を与え、および/または第2のパーフルオロエラストマーのポリマー骨格にぶら下がる官能基を与える請求項5記載の組成物。
少なくとも1つの硬化剤が、少なくとも1つの第1の硬化部位含有モノマーおよび/または少なくとも1つの第2の硬化部位含有モノマーの官能基と反応し、ベンゾイミダゾール架橋構造を形成する請求項5記載の組成物。
さらに、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテルおよび硬化部位含有モノマーからなる少なくとも1つの追加の硬化性パーフルオロポリマーを含む請求項1記載の組成物。
テトラフルオロエチレン、第1のパーフルオロアルキルビニルエーテルおよび硬化部位を有する少なくとも1つの第1の硬化部位含有モノマーを含む第1の硬化性パーフルオロポリマーから形成された第1のパーフルオロエラストマーであって、パーフルオロポリマー中のテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルのモル比が0:100〜65:35モル%である第1のパーフルオロエラストマー、および
テトラフルオロエチレン、第1のパーフルオロアルキルビニルエーテルと同じかまたは異なっていてもよい第2のパーフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの第1の硬化部位含有モノマーと同じかまたは異なっていてもよい硬化部位を有する少なくとも1つの第2の硬化部位含有モノマーを含む第2の硬化性パーフルオロポリマーから形成された第2のパーフルオロエラストマーであって、第2の硬化性パーフルオロポリマー中のテトラフルオロエチレンと第2のパーフルオロアルキルビニルエーテルのモル比が65:35〜95:5であって、第2のパーフルオロエラストマー中のテトラフルオロエチレンと第2のパーフルオロアルキルビニルエーテルのモル比と第1のパーフルオロエラストマー中のテトラフルオロエチレンと第1のパーフルオロアルキルビニルエーテルのモル比が異なっている第2のパーフルオロエラストマー
を含む硬化したパーフルオロエラストマー組成物であって、
組成物中の第1のパーフルオロエラストマーと第2のパーフルオロエラストマーの重量%比が65:35〜35:65である硬化したパーフルオロエラストマー組成物。
第1の硬化性パーフルオロポリマー中のテトラフルオロエチレンと第1のパーフルオロアルキルビニルエーテルのモル%比が50:50〜65:35であり、第2の硬化性パーフルオロポリマー中のテトラフルオロエチレンと第2のパーフルオロアルキルビニルエーテルのモル%比が65:35〜85:15である請求項11記載の硬化したパーフルオロエラストマー組成物。
(a)(i)テトラフルオロエチレン、第1のパーフルオロアルキルビニルエーテルおよび硬化部位を有する少なくとも1つの第1の硬化部位含有モノマーを含む第1のパーフルオロエラストマーであって、パーフルオロエラストマー中のテトラフルオロエチレンと第1のパーフルオロアルキルビニルエーテルのモル比が0:100〜65:35である第1のパーフルオロエラストマー、
(ii)テトラフルオロエチレン、第1のパーフルオロアルキルビニルエーテルと同じかまたは異なっていてもよい第2のパーフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの第1の硬化部位含有モノマーと同じかまたは異なっていてもよい硬化部位を有する少なくとも1つの第2の硬化部位含有モノマーを含む第2のパーフルオロエラストマーであって、パーフルオロエラストマー中のテトラフルオロエチレンと第2のパーフルオロアルキルビニルエーテルのモル比が65:35〜95:5であって、第2のパーフルオロエラストマー中のテトラフルオロエチレンと第2のパーフルオロアルキルビニルエーテルのモル比と第1のパーフルオロエラストマー中のテトラフルオロエチレンと第1のパーフルオロアルキルビニルエーテルのモル比が異なっている第2のパーフルオロエラストマー、および
(iii)少なくとも1つの第1の硬化部位含有モノマーの硬化部位および少なくとも1つの第2の硬化部位含有モノマーの硬化部位を硬化し得る少なくとも1つの硬化剤
を配合して硬化性パーフルオロエラストマー組成物を調製し、
(b)該パーフルオロエラストマー組成物中の第1および第2のパーフルオロエラストマーを硬化させて、硬化したパーフルオロエラストマー組成物を形成する
硬化したパーフルオロエラストマー組成物の製造方法であって、
組成物中の第1のパーフルオロエラストマーと第2のパーフルオロエラストマーの重量%比が、65:35〜35:65である
硬化したパーフルオロエラストマー組成物の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本明細書に記載された新規なパーフルオロエラストマー組成物および/またはO−リング、シール、ガスケットなどを含むシール部材などの該組成物からなる成形品は、要求される耐薬品性およびプラズマ耐性を与え、より詳しくは、特にリモートNF
3プラズマに曝されたときに、かかる成形品に優れたレベルの高温耐性およびプラズマ耐性を与える。ここで、硬化性および硬化された組成物により製造された成形品は、高濃度プラズマCVD(HDPCVD)、プラズマ増速CVD(PECVD)、原子層蒸着(ALD)およびプラズマ増速原子層蒸着CVD(PEALD)などのプラズマおよびガス化学蒸着(CVD)といった半導体製造への適用に適した特徴を有する。加工性や性能という観点からは、本明細書に記載された硬化性および硬化された組成物は、本明細書の背景技術に記載したように、粒子状フィラーとして半結晶性のフルオロプラスチックを含む従来の各種充填FFKM組成物と同等またはそれ以上の性能を発揮する成形品を与える。
【0037】
上記のパーフルオロエラストマー組成物は、2種以上のパーフルオロエラストマーを有していてもよく、そのうちの少なくとも2種は、異なるパーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)モノマー含有量を有する。組成物中の異なるPAVE含有量を有するいずれか2種のパーフルオロエラストマーの含有量の差は約5〜25モル%である。
【0038】
また、ここで、組成物の目的は、通常かかる組成物に用いられるものよりも一般的に低い含有量のPAVEを有する組成物中のパーフルオロエラストマーを用いるときに、パーフルオロエラストマーのより短い架橋速度を達成することにある。
【0039】
本明細書中で用いられているように、「パーフルオロエラストマー」または「硬化したパーフルオロエラストマー」は、特に注記しない限り、本明細書中に記載された硬化性パーフルオロエラストマー組成物中の硬化性パーフルオロポリマーなどの硬化性パーフルオロポリマーを硬化して形成される、いかなる硬化したエラストマー材料または組成物をも含む。硬化したパーフルオロエラストマーを形成するために用いることができる「硬化性パーフルオロポリマー」(本明細書において、「パーフルオロエラストマー」または、より適切には「パーフルオロエラストマーゴム」という場合もある)は、実質的に完全にフッ素化されたポリマー、好ましくはポリマー骨格が完全にパーフルオロ化されたポリマーである。架橋性官能基の一部として水素を用いているため、いずれかのパーフルオロエラストマーのその架橋構造中に残存水素が存在するということが、明細書中の記載から理解されるであろう。パーフルオロエラストマーなどの硬化した材料は、一般的に架橋したポリマー構造を有する。
【0040】
硬化により硬化したパーフルオロエラストマーを形成するためにパーフルオロエラストマー組成物に用いられる硬化性パーフルオロポリマーは、1種以上のパーフルオロモノマーを重合することにより製造され、それらのモノマーのうちの1種は、好ましくは硬化させるための官能基を有するパーフルオロ硬化部位含有モノマーであり、該官能基はパーフルオロ化されていなくてもよい反応性基を含む。本明細書に記載のとおり、2種以上のパーフルオロポリマーおよび、好ましくは少なくとも1つの硬化剤がパーフルオロエラストマー組成物に配合され、該組成物は次に硬化されて、架橋され、硬化したパーフルオロエラストマー組成物が製造される。
【0041】
本明細書において用いられているように、「パーフルオロエラストマー組成物」は、1種またはそれ以上の、好ましくは1種以上の硬化性パーフルオロポリマーを含むポリマー組成物であって、これらのポリマーは、硬化させるための少なくとも1つの官能基を有するパーフルオロモノマー、すなわち少なくとも1つの硬化部位含有モノマーを含む2種以上のパーフルオロモノマーを重合することにより製造される。かかる材料は、アメリカン スタンダーダイズド テスティング メソッド(ASTM)の標準化されたゴムの定義に準じ、また本明細書に記載されているように、一般的にはFFKMをいう。
【0042】
本明細書の中で用いられているように、「圧縮永久歪」とは、変形させる圧縮荷重が除かれた後も変形されたままで、元の形状に戻らないというエラストマー性材料の性質を言う。圧縮永久歪値は、材料が回復できない変形のパーセントで表される。逆に、圧縮永久歪値が100%とは、材料が、加えられた圧縮荷重に対してまったく回復しないということを示す。圧縮永久歪値が30%とは、変形の70%が回復したことを意味する。高い圧縮永久歪値は、一般的に封止の漏れの可能性があることを示し、したがって、30%以下の圧縮永久歪値が、封止技術において好ましい。
【0043】
本明細書に記載されているように、本発明は、好ましい硬化性パーフルオロエラストマー組成物、硬化したパーフルオロエラストマー組成物およびそれから形成された成形品に関する発明を含む。
【0044】
かかるパーフルオロエラストマー組成物は、好ましくは2種以上のパーフルオロ共重合体を含み、これらのパーフルオロ共重合体のうちの少なくとも1つが、組成物中において他のポリマーより高いテトラフルオロエチレン(TFE)含有量を有するものである。他の好適な共単量体としては、エチレン性不飽和フルオロモノマーが含まれる。かかるポリマーは、また、直鎖状または分岐鎖状であってもよいアルキル基またはアルコキシ基を含み、エーテル結合を含んでいてもよい1種以上のパーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)を含む。ここで用いられる好ましいPAVEとしては、たとえばパーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、パーフルオロエチルビニルエーテル(PEVE)、パーフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE)、パーフルオロメトキシビニルエーテルおよびその他の同様の化合物があげられ、特に好ましいPAVEは、PMVE、PEVEおよびPPVEであり、最も好ましくは、硬化性組成物を硬化することによって得られる成形品に優れた機械的強度を与えるPMVEである。上記のPAVEは、本明細書中に記載の発明と矛盾しない範囲で硬化性パーフルオロポリマーおよび最終の硬化性組成物に単独でまたは組み合わせて用いてもよい。
【0045】
好ましいパーフルオロポリマーは、TFE、少なくとも1つのPAVEおよび硬化性ポリマーを架橋させる官能基を有する少なくとも1つのパーフルオロ硬化部位含有モノマーからなる共重合体である。硬化部位含有モノマーとしては、本明細書中に記載された好ましい硬化部位を有する各種のモノマーであってもよい。好ましい硬化部位としては、窒素含有基、カルボキシル基またはアルキルカルボニル基が含まれるが、特に第1および第2の硬化性パーフルオロポリマー以外の追加の硬化性パーフルオロポリマーを組成物に配合する場合、この技術の分野において公知の他の硬化部位に加えて、ヨウ素、臭素およびその他のハロゲン化硬化部位を用いてもよい。したがって、本明細書中には各種の好ましい硬化剤(架橋剤、硬化剤ともいう)が記載されているが、この技術の分野において公知の他の硬化部位を使用する場合、かかる他の硬化部位を硬化させ得るその他の硬化剤を用いてもよい。たとえば、有機過酸化物系硬化剤および共硬化剤をハロゲン化官能性硬化部位基と共に用いてもよい。
【0046】
典型的な硬化部位含有モノマーの例としては以下に示す構造(A)を有するものであり、これらのうち殆んどのものは、それぞれ異なるPAVE系の構造および反応性部位を有する。
CF
2=CFO(CF
2CF(CF
3)O)
m(CF
2)
n−X
1 (A)
(式中、mは0〜5の整数、nは1〜3の整数、X
1はニトリルまたはシアノなどの窒素含有基、カルボキシル基および/またはアルコキシカルボニル基)
ここで、窒素含有基などの官能基は架橋のための部位である。式(A)の化合物は単独で用いてもよく、または任意の各種のものを組み合わせて用いてもよい。架橋という観点からは、架橋性官能基は窒素含有基、好ましくはニトリル基が好ましい。
【0047】
式(A)の硬化部位含有モノマーの具体例としては、式(1)〜(17):
CY
2=CY(CF
2)
n−X
2 (1)
(式中、YはHまたはF、nは1〜約8の整数である)
CF
2=CFCF
2R
f2−X
2 (2)
(式中、R
f2は(−OCF
2)
n−、−(OCF
2)
n−であり、nは0〜約5の整数である)
CF
2=CFCF
2(OCF(CF
3)CF
2)
m
(OCH
2CF
2CF
2)
nOCH
2CF
2−X
2 (3)
(式中、mは0〜約5の整数、nは0〜約5の整数である)
CF
2=CFCF
2(OCH
2CF
2CF
2)
m
(OCF(CF
3)CF
2)
nOCF(CF
2)−X
2 (4)
(式中、mは0〜約5の整数、nは0〜約5の整数である)
CF
2=CF(OCF
2CF(CF
3))
mO(CF
2)
n−X
2 (5)
(式中、mは0〜約5の整数、nは1〜約8の整数である)
CF
2=CF(OCF
2CF(CF
3))
m−X
2 (6)
(式中、mは1〜約5の整数)
CF
2=CFOCF
2(CF(CF
3)OCF
2)
nCF(−X
2)CF
3 (7)
(式中、nは1〜約4の整数)
CF
2=CFO(CF
2)
nOCF(CF
3)−X
2 (8)
(式中、nは2〜約5の整数)
CF
2=CFO(CF
2)
n−(C
6H
4)−X
2 (9)
(式中、nは1〜約6の整数)
CF
2=CF(OCF
2CF(CF
3))
nOCF
2CF(CF
3)−X
2 (10)
(式中、nは1〜約2の整数)
CH
2=CFCF
2O(CF(CF
3)CF
2O)
nCF(CF
3)−X
2 (11)
(式中、nは0〜約5の整数)
CF
2=CFO(CF
2CF(CF
3)O)
m(CF
2)
n−X
2 (12)
(式中、mは0〜約4の整数、nは1〜約3の整数である)
CH
2=CFCF
2OCF(CF
3)OCF(CF
3)−X
2 (13)
CH
2=CFCF
2OCH
2CF
2−X
2 (14)
CF
2=CFO(CF
2CF(CF
3)O)
mCF
2CF(CF
3)−X
2 (15)
(式中、mは0以上の整数である)
CF
2=CFOCF(CF
3)CF
2O(CF
2)
n−X
2 (16)
(式中、nは1以上の整数)
CF
2=CFOCF
2OCF
2CF(CF
3)OCF
2−X
2 (17)
(式中、X
2は、ニトリル(−CN)、カルボキシル(−COOH)またはアルコキシカルボニル基(−COOR
5、R
5はフルオロ化またはパーフルオロ化されていてもよい炭素数1〜約10のアルキル基)などのモノマー反応性部位のサブユニットである)で表されるモノマーなどがあげられる。これらの中で、パーフルオロポリマーを硬化して得られるパーフルオロエラストマーの耐熱性が優れ、また、パーフルオロエラストマーを重合反応により合成する際に、連鎖移動による分子量低下を抑えるために、水素原子を含まないパーフルオロ化合物を用いることが好ましい。また、TFEとの重合反応性に優れる点からCF
2=CFO−構造を持つ化合物が好ましい。
【0048】
好適な硬化部位含有モノマーは、架橋反応性が良好である点で、ニトリルまたはシアノ硬化部位などの窒素含有硬化部位を含むことが好ましい。しかしながら、(上記したものに加えて多数の各種の骨格を有し、)カルボキシル、COOHを有する硬化部位およびこの分野の技術において公知のまたは開発される他の同様の硬化部位も用いてもよい。硬化部位含有モノマーは、単独または組み合わせて用いてもよい。
【0049】
前記のような硬化部位含有モノマーを用いたパーフルオロポリマーおよび、かかるパーフルオロポリマーからなるパーフルオロエラストマーの具体例としては、国際公開00/29479号パンフレットに記載されたものがあげられ、かかるパーフルオロエラストマー、その含有量および製造方法に関連する部分が、本明細書に組み入れられる。また、特開平09−512569号公報および特開平11−092529号公報も参照される。
【0050】
本発明の組成物に用いるパーフルオロポリマーは、重合により含フッ素エラストマーを製造する公知のまたは開発される重合技術、たとえば、乳化重合、ラテックス重合、連鎖重合、バッチ重合などを用いて合成することができる。好ましくは、重合は、反応性硬化部位がポリマー骨格の片末端または両末端に存在するように、および/またはポリマー骨格にぶら下がるように行われる。
【0051】
ポリマーの製造方法の1つとして、この技術の分野において含フッ素エラストマーの重合に用いられる公知の開始剤を用いるラジカル重合をあげることができる(有機および無機の過酸化物ならびにアゾ化合物)。典型的な開始剤として過硫酸塩類、過酸化カーボネート類、過酸化エステル類などがあり、好ましくは過硫酸の塩、酸化されたカーボネートおよびエステル、ならびに過硫酸アンモニウムがあげられ、最も好ましくは過硫酸アンモニウム(APS)があげられる。これらの開始剤は、単独で使用してもよく、またサルファイト類、亜硫酸塩類のような還元剤と組み合わせて使用することもできる。
【0052】
乳化重合に使用される乳化剤としては、広範囲なものが使用可能であるが、重合中に生ずる乳化剤分子への連鎖移動反応を抑制する観点から、フルオロカーボン鎖、またはフルオロポリエーテル鎖を有するカルボン酸の塩類が望ましい。乳化剤の使用量は、一般に添加された水の約0.05〜2重量%であり、0.2〜1.5重量%が好ましい。重合装置付近にはスパークなどの着火源を避けるための特別な対策を採用することに留意すべきである。G.H.Kalb、アドヴァンスト ケミストリー シリーズ(Advanced Chemistry Series.),129,12(1973)参照。
【0053】
重合圧力は、変化させることができる。一般には、0.5〜7MPaの範囲とし得る。重合圧力は、高い程重合速度が大きくなるため、したがって、生産性の向上の観点から、0.7MPa以上であることが好ましい。
【0054】
重合方法としては、この分野の技術において公知の標準的なものを用いることができる。本発明の硬化性パーフルオロエラストマーにニトリルまたはシアノなどの窒素含有基、カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基を用いる場合、かかる基を有する硬化部位を有する追加モノマーを共重合することによってかかる基をポリマーに導入することができる。硬化部位含有モノマーは、含フッ素エラストマーを製造するときに添加して共重合すればよい。かかる基をポリマーに導入するその他の方法として、重合生成物を酸処理することにより、重合生成物に存在しているカルボン酸の金属塩やアンモニウム塩などの基をカルボキシル基に変換する方法もあげることができる。酸処理法としては、たとえば塩酸、硫酸、硝酸、発煙硝酸などにより洗浄するか、これらの酸で重合反応後の混合物の系をpH3以下にする方法が適当である。カルボキシル基を導入するその他の方法としては、ヨウ素または臭素を有する架橋性ポリマーを発煙硝酸により酸化して導入する方法があげられる。
【0055】
未硬化パーフルオロポリマーは市販されており、たとえばDyneon製のパーフルオロポリマー、日本国、大阪府のダイキン工業(株)製Daiel−Perfluor(登録商標)および同様のポリマーがあげられる。その他の好適な材料としては、Ausimont S.p.A.(イタリア国)、旭硝子(株)(日本国)およびW.L. Gore製のものがあげられる。
【0056】
本発明の各種のパーフルオロエラストマー組成物およびエラストマー含有組成物に用いる硬化剤(架橋剤ということもある)は、本明細書中に記載の各種の硬化部位と共に用いられ、組成物中の各種の未硬化パーフルオロポリマーの硬化部位を硬化(架橋)し得るものである。好ましい架橋または硬化剤は、オキサゾール架橋剤、イミダゾール架橋剤、チアゾール架橋剤、トリアジン架橋剤、アミドキシム系架橋剤、およびアミドラゾン系架橋剤である。これらの中でも機械的強度、耐熱性、耐薬品性、耐寒性に優れ、特に耐熱性と耐寒性にバランスよく優れた架橋物を与えることができる点から、イミダゾール架橋剤が好ましい。
【0057】
好ましい窒素含有硬化部位に対しては、ビスアミノフェノールとその塩を含むビスフェニール系硬化剤とその誘導体、テトラフェニルスズなどがあげられる。また、パーフルオロポリマーは、放射線硬化技術を用いて硬化してもよい。
【0058】
最も好ましいものとしては、以下の式(I)および(II)で示される架橋性基を少なくとも2個有する芳香族アミンである硬化剤で硬化されるシアノ含有硬化部位またはそれらを組み合わせたものであり、硬化によりベンゾイミダゾール架橋構造を形成する。これらの硬化剤は、この技術の分野で公知であり、米国特許第6,878,778号明細書および米国特許第6,855,774号明細書に特定の例と共に記載されており、本明細書にもそのまま組みいれられる。
【0060】
【化10】
ここで、式(II)の基において、R
1は同じかまたは異なり、NH
2、NHR
2、OH、SH、1価の有機基またはアラルキルオキシ基、アラルキル基、アリールオキシ基、芳香族基、アルコキシ基およびアルキル基などの炭素数約1〜10のその他の有機基であり、ここで非芳香族基は分岐鎖状または直鎖状および置換または非置換のものであってもよい、R
2は、−NH
2、−OH、−SH、もしくは1価の有機基もしくは脂肪族炭化水素基、フェニ−ル基およびベンジル基などのその他の有機基、もしくは炭素数約1〜10のアラルキルオキシ基、アラルキル基、アリールオキシ基、芳香族基、アルコキシ基およびアルキル基などである。ここで非芳香族基は分岐鎖状または直鎖状および置換または非置換のものであってもよい。好ましい1価の有機基またはアルキル基およびアルコキシ基(またはそれらのパーフルオロ系)などのその他の有機基の炭素数は1〜6であり、好ましい芳香族基はフェニル基およびベンジル基である。それらの例としては、−CF
3、−C
2F
5、−CH
2F、−CH
2CF
3、−CH
2C
2F
5、フェニル基、ベンジル基;−C
6F
5、−CH
2C
6F
5などのフッ素原子で1〜5個の水素原子が置換されたフェニル基またはベンジル基、これらの基は、さらに−CF
3、または他の低級パーフルオロアルキル基で置換されてもよい;−C
6H
5-n(CF
3)
n、−CH
2C
6H
5-n(CF
3)
n(nは1〜5の整数)などの−CF
3で1〜5個の水素原子が置換されたフェニル基またはベンジル基などがあげられる。水素原子は、さらにフェニル基またはベンジル基で置換されてもよい。しかしながら、耐熱性が特に優れており、架橋反応性が良好であり、さらに合成が比較的容易である点から、フェニル基、CH
3が好ましい。
【0061】
有機アミンに導入された式(I)または(II)を有する構造は、少なくとも2つの架橋反応性基を与えるように少なくとも2つの前記式(I)または(II)の基を含むものである。
【0062】
また、有用な硬化剤としては、以下に示す式(III)、(IV)および(V)の硬化剤があげられる。
【0063】
【化11】
ここで、R
3は、好ましくはSO、O、CO、有機基、またはアルキレン基、たとえば炭素数1〜6のアラルコキシ基、アラルキル基、芳香族基、アルコキシ基またはアルキル基など、もしくはそれらの基をパーフルオロ化した炭素数約1〜10で、分岐鎖状もしくは直鎖状、飽和もしくは不飽和、および分岐鎖状もしくは直鎖状のもの(非芳香族基について)、または単結合。R
4は、好ましくは以下に示す反応性基:
【化12】
【化13】
(式中、R
f1は炭素数約1〜10のパーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルコキシ基であり、直鎖状もしくは分岐鎖状および/または飽和もしくは不飽和および/または置換もしくは非置換されていてもよい)、および
【化14】
(式中、nは1〜10の整数)。
【0064】
耐熱性に関しては、オキサゾール系、イミダゾール系、チアゾール系およびトリアジン系架橋剤が好ましく、以下の式の化合物が含まれ、式(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)について、以下に述べる。具体的には、式(II)において、式中のR
1は、同じかまたは異なり、−NH
2、−NHR
2、−OHまたは−SHであり、R
2は、1価の有機基であり、好ましくは水素ではない;式(III)において、式中のR
3は、−SO
2−、−O−、−CO−、炭素数1〜約6のアルキレン基、炭素数1〜約10のパーフルオロアルキレン基または単結合であり、R
4は以下に述べるとおり;式(IV)において、式中のR
f1は炭素数1〜約10のパーフルオロアルキレン基、および式(V)であって、nは1〜10の整数のものがあげられる。かかる化合物のうち、架橋後の芳香族環の安定化により耐熱性が向上するという点から式(II)の化合物が好ましい。式(II)中のR
1については、N−R
2結合(R
2は1価の有機基であり、水素ではない)が、N−H結合よりも耐酸化性が高いため−NHR
2をR
1として用いることが好ましい。
【0065】
式(II)で示される基を少なくとも2個有する化合物が好ましく、架橋性反応基を2〜3個有する、特に2個有するものがより好ましい。
【0066】
上記の好ましい式に基づく典型的な硬化剤は、次の構造式(VI)、(VII)および(VIII)に示すように少なくとも2個の官能基を含む。
【0067】
【化15】
式中、R
5は、アルキル基、アルコキシ基、芳香族基、SO、O、COまたは炭素原子がパーフルオロ化された同様の基などの飽和もしくは不飽和の、分岐鎖状もしくは直鎖状の、置換もしくは非置換の基であり、炭素数は好ましくは約1〜約10;
【化16】
式中、R
1は前記のとおり、R
6は、O、SO
2、CO、またはアルキル基、アルコキシ基、芳香族基、アリールオキシ基、アラルキル基およびアラルキルオキシ基などの炭素数が約1〜約10のパーフルオロ化された有機基、ここで、非芳香族基は、分岐鎖状もしくは直鎖状の、置換もしくは非置換のものであってもよい、もしくは単結合またはアルキレン結合である。
【0068】
合成が容易である点から、式(II)で示される2個の架橋反応性基を有するものが好ましく、つぎの式(VIII)で示される化合物が、好ましい架橋剤である。
【0069】
【化17】
式中、R
1は前記と同じ、R
6は、−SO
2、−O−、−CO−、炭素数1〜約6のアルキレン基、炭素数1〜約10のパーフルオロアルキレン基、単結合手、または式(IX)で示される基:
【化18】
であり、このものは合成が容易である。炭素数1〜約6のアルキレン基の好ましい例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、へキシレンなどがあげられる。炭素数1〜約10のパーフルオロアルキレン基の例としては、
【化19】
などがあげられる。これらの化合物は、ビスアミノフェニル化合物の例示として知られているものである。参考文献として、たとえば特公平2−591177号公報、特開平8−120146号公報などに記載の化合物があげられる。この構造の好ましい化合物としては、式(X):
【化20】
(式中、R
7は、同じかまたは異なり、いずれも水素、炭素数1〜約10のアルキル基;炭素数1〜10のフルオロもしくはパーフルオロアルキル基;フェニル基;ベンジル基;フッ素または−CF
3などの低級アルキルもしくはパーフルオロアルキル基で1〜約5個の水素原子が置換されたフェニル基またはベンジル基である)で示される化合物である。
【0070】
具体例としては、限定的ではないが、たとえば、2,2−ビス(2,4−ジアミノフェニルヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−メチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−エチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−プロピルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−パーフルオロフェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4(N−ベンジルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどがあげられる。これらの中でも、耐熱性が優れている点から、2,2−ビス[3−アミノ−4(N−メチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−エチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−プロピルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、が好ましく、耐熱性が、特に優れる点から、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−フェニルアミノフェニル)]ヘキサフルオロプロパンが好ましい。
【0071】
その他の好適な硬化剤としては、オキサゾール、イミダゾール、チアゾール、トリアジン、アミドキシムおよびアミドラゾン系架橋剤があげられ、特に、この技術の分野において公知のまたは開発されるビスアミノフェノール類、ビスアミジン類、ビスアミドキシム類、ビスアミドラゾン類、モノアミジン類、モノアミドキシム類およびモノアミドラゾン類、たとえば米国特許出願公開第2004/0214956号明細書にあげられたものが、硬化剤、共硬化剤および促進剤を含めて本明細書に組み入れられる。イミダゾール類は、優れた機械的強度、耐熱性、耐薬品性および低温性能を与えると共に架橋特性と低温、高温特性とのバランスがよく有用である。ビスアミドキシム、ビスアミドラゾン、ビスアミノフェノール、ビスアミノチオフェノールまたはビスアミノフェニル系硬化剤は、パーフルオロポリマー中のニトリル基、シアノ基、カルボキシル基および/またはアルコキシカルボニル基と反応することができ、好ましくは本発明の組成物から得られる硬化物中に、架橋構造としてオキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアジン環を形成する。
【0072】
耐熱性を向上させ、芳香族環系をより安定化されるために、式(I)または(II)におけるような架橋反応性基と共に少なくとも2種の化学的基を含む化合物を有することが好ましい。式(I)または(II)におけるような基を2〜3個有する場合、かかる基が少ないと適切な架橋が得られないという点から、基(I)または(II)のおのおのに少なくとも2個有することが好ましい。
【0073】
ひとつの実施形態として、硬化性パーフルオロエラストマー組成物は、異なるPAVE含有量を有する少なくとも2種の硬化性パーフルオロポリマー、すなわち、第1のパーフルオロポリマーおよび第2のパーフルオロポリマーを含む。しかしながら、本明細書で述べられているように、少なくとも第1および第2のパーフルオロポリマー(および硬化された組成物における第1および第2のパーフルオロエラストマー)が異なるPAVE含有量を有するとして、PAVE含有量の異なる追加のパーフルオロエラストマーを第1および第2のパーフルオロポリマーと混合させてもよい。高PAVE含有量の硬化性パーフルオロポリマーおよび低PAVE含有量の硬化性パーフルオロポリマーを単独で使用するか、または2種のPAVEを使用するケースとして、低PAVE含有量のポリマーである1種以上の追加の硬化性パーフルオロポリマーと組み合わせて使用することが好ましく、その場合、架橋時間が短くなることがある。しかしながら、PAVE含有量の差が本明細書中に記載の最適範囲により近づくほど、架橋時間はより短くなる。かかる好ましいPAVE含有量の差は、また、含フッ素エラストマー組成物から形成される成形品などの最終製品の硬度の調整を容易にすることに役立つ。
【0074】
第1の硬化性パーフルオロポリマーは、好ましくは、テトラフルオロエチレンを約0〜約58.5モル%、好ましくは49.8〜約63.1モル%、第1のパーフルオロアルキルビニルエーテル(単独で用いることができるか、または他のパーフルオロアルキルビニルエーテルと組み合わせて用いることができる少なくとも1つのパーフルオロアルキルビニルエーテルなど)および硬化部位を有する少なくとも1つの第1の硬化部位含有モノマーを含む。パーフルオロアルキルビニルエーテルは、第1の硬化性パーフルオロポリマー中に、好ましくは31.5〜約99.99、また、好ましくはパーフルオロポリマーに対して約34〜約49.75モル%、またはポリマーに対して約38〜約50モル%の量で含まれる。ひとつの実施形態として、含フッ素エラストマー組成物において、組成物の架橋速度を向上させるため、第1のパーフルオロポリマーが高PAVE含有量の硬化性パーフルオロポリマーであり、PAVE含有量が好ましくは約38モル%以上、より好ましくは約40モル%以上である。この形態において、ポリマーを合成するときの重合速度を上げるためには、PAVE含有量は好ましくは約50モル%以下、より好ましくは約45モル%以下、最も好ましくは約42モル%以下である。
【0075】
最も好ましくは、第1の硬化性パーフルオロポリマーにおいて、ポリマー鎖中のテトラフルオロエチレンと第1のパーフルオロアルキルビニルエーテルとのモル%比が、好ましくは約0:100〜約65:35、より好ましくは約50:50〜約65:35である。
【0076】
硬化部位を有する少なくとも1つの第1の硬化部位含有モノマーは、好ましくは単一の硬化部位含有モノマーであるが、同じ官能性活性硬化基を有する硬化部位含有モノマー同士の組み合わせ、または異なる硬化部位基を有する異なる硬化部位含有モノマー同士の組み合わせ(2元硬化型(dual cure)組成物)を用いてもよい。
【0077】
第2の硬化性パーフルオロポリマーは、好ましくは、第1の硬化性パーフルオロポリマーよりも高い含有量のテトラフルオロエチレンを含み、第2の硬化性ポリマー中の含有量が、より好ましくは約65〜約85.5モル%、最も好ましくは64.7〜約82.5モル%である。第2の硬化性パーフルオロポリマー中の第2のパーフルオロアルキルビニルエーテルは、低PAVE含有量のパーフルオロポリマーであり、単独で、または組み合わせて使用される1種以上のパーフルオロアルキルビニルエーテルであってもよく、第1の硬化性パーフルオロポリマー中の第1のパーフルオロアルキルビニルエーテルと同じであっても異なっていてもよい。第2のパーフルオロアルキルビニルエーテルは、第2のパーフルオロポリマー中に、好ましくは約4.5〜約35モル%、より好ましくは約14.6〜約34.83モル%含まれる。
【0078】
含フッ素エラストマー組成物のひとつの実施形態として、低ガラス転移温度および良好な低温特性に寄与するという点で、第2の硬化性PAVEは、ポリマー中に好ましくは少なくとも18モル%、より好ましくは少なくとも21モル%、最も好ましくは少なくとも25モル%含まれる。この形態において、含フッ素エラストマー組成物を硬化して形成される架橋物の硬度を上げるのに寄与する点で、またかかる架橋物のシール性を向上させるために、PAVE含有量は、好ましくは35モル%以下、より好ましくは32モル%以下、最も好ましくは30モル%以下である。
【0079】
最も好ましくは、第2の硬化性パーフルオロポリマーにおいて、ポリマー鎖中のテトラフルオロエチレンと第2のパーフルオロアルキルビニルエーテルとのモル%比は、約65:35〜約95:5、より好ましくは約65:35〜約85:15である。
【0080】
第1の硬化性パーフルオロポリマー中のPAVE含有量と第2の硬化性パーフルオロポリマー中のPAVE含有量との差は、架橋硬度の調整という点から、少なくとも5モル%であることが最も好ましい。第1の硬化性パーフルオロポリマーと第2の硬化性パーフルオロポリマーとのPAVE含有量の差は、少なくとも8モル%が好ましく、より好ましくは少なくとも10モル%である。さらに、PAVE含有量の差は、ガラス転移点が増加することを避けるため、好ましくは約25モル%未満、より好ましくは約15モル%未満、最も好ましくは約10モル%未満である。
【0081】
また、第2の硬化性パーフルオロポリマーは、硬化部位を有する少なくとも1つの第2の硬化部位含有モノマーを含むことが好ましい。第2の硬化部位含有モノマーは、第1の硬化性パーフルオロポリマー中の少なくとも1つの第1の硬化部位含有モノマーと同じかまたは異なっていてもよいが、第1の硬化部位含有モノマーおよび第2の硬化部位含有モノマーは、いずれも同じ種類のものであるか(同じものか、または同じ硬化部位官能基を有することを意味する)、または硬化が容易である点および相溶性の点で同じ硬化剤により硬化可能であることが好ましい。ただし、好ましくは、適切な硬化が適切な硬化剤を用いることによってえられるという前提で、第1の硬化性ポリマーと第2の硬化性ポリマーに2種の硬化材料、または異なる硬化剤を本発明の範囲内で使用してもよいということを、本発明に基づいて、この技術の分野において通常の知識を有する者に理解される必要がある。
【0082】
第1の硬化性パーフルオロポリマーおよび第2のパーフルオロポリマーにおいて、硬化部位含有モノマーが、ポリマー鎖に対して約0.01〜約10モル%、より好ましくは約0.05〜約3モル%含まれることが好ましい。各種の硬化部位官能基を本発明の範囲内で用いてもよいが、少なくとも1つの第1の硬化部位含有モノマーおよび少なくとも1つの第2の硬化部位含有モノマーの硬化部位がニトリル、カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基などの窒素含有基である官能基であることが好ましい。モノマーは、第1および/または第2の硬化部位含有モノマーが窒素含有基を第1または第2の硬化性パーフルオロポリマーおのおのの1つまたは2つの末端に与えるような構成であってもよい。代わりに、または硬化部位基の末端に加えて、かかる窒素を有する硬化部位基が第1および/または第2の硬化性パーフルオロポリマーのポリマー骨格にぶら下がるような位置にあってもよい。
【0083】
含フッ素エラストマー組成物のひとつの好ましい実施形態として、架橋性を向上させるという点から、少なくとも1つの硬化部位含有モノマーの含有量は、少なくとも約0.1モル%、より好ましくは少なくとも約0.2モル%、最も好ましくは少なくとも約0.3モル%である。さらに、かかる形態において、費用の点で硬化部位含有モノマーの過剰な使用を避けるという点から、少なくとも1つの硬化部位含有モノマーの含有量は、約2.0モル%以下、より好ましくは約1.0モル%以下、最も好ましくは約0.5モル%以下である。
【0084】
本明細書に記載の硬化性パーフルオロポリマー組成物は、好ましくは2種の硬化性パーフルオロポリマーを組み合わせたものであるが、本発明は、また、その範囲において本発明の意図から乖離することなく、さらなる硬化性パーフルオロポリマーを含んでもよい。
【0085】
上述した硬化性パーフルオロポリマーに加えて、硬化性パーフルオロエラストマー組成物は、好ましくは少なくとも1つの第1の硬化部位含有モノマーおよび少なくとも1つの第2の硬化部位含有モノマーを硬化させることができる少なくとも1つの硬化剤を含む。好ましくは、官能基含有硬化部位を第1および/または第2の硬化性パーフルオロポリマーに用いる場合、ベンゾイミダゾール架橋構造などの架橋構造を形成するために、少なくとも1つの硬化剤を選び、硬化部位の官能基と反応させる。好適な硬化剤としては、本明細書中にあげられたものであり、その量は硬化性パーフルオロエラストマー組成物中に、第1および第2の硬化性パーフルオロポリマーの合計量(または全硬化性パーフルオロポリマー)に対して、硬化性パーフルオロエラストマー組成物100部につき約0.3〜約10重量部であり、好ましくは硬化性パーフルオロエラストマー組成物100部につき約0.6〜約0.9重量部である。この好ましい範囲は、良好な強度特性を与え、高温での圧縮力下でクラックまたは構造的な不良を避けるために最も有効である。また、好ましい圧縮永久歪性も与える。
【0086】
本明細書中の含フッ素エラストマーのひとつの実施形態として、硬化剤は、上記の好ましいものとしてあげられたものであって、組成物中のエラストマー100重量部に対して少なくとも約0.3重量部、より好ましくは約0.5重量部または約0.7重量部、最も好ましくは約0.6重量部の量で存在し、多いほど架橋性が向上する。硬化剤または架橋剤は、組成物中のエラストマー100重量部に対して10.0重量部以下、より好ましくは2.0重量部以下、最も好ましくは0.9重量部以下である。
【0087】
ニトリル基などを有する含フッ素硬化性パーフルオロポリマーに用いられる本明細書に記載の好ましい硬化剤に加えて、本明細書に記載の組成物に添加される第1および第2のパーフルオロポリマーおよび/またはその他のパーフルオロポリマーに対して、この分野の技術において公知の硬化剤を用いてニトリル基を硬化させることも本発明の範囲に含まれる。この分野の技術において公知の他の硬化剤の例としては、テトラフェニルスズ、トリフェニルスズなどの有機スズ化合物があげられる(これらの化合物は好ましいトリアジン環を形成する)。有機スズ化合物を用いる場合、組成物中の硬化性パーフルオロポリマー100重量部に対して、約0.05〜10重量部であることが好ましく、約1〜5重量部であることがより好ましい。有機スズ化合物が、約0.05部より少ないと、ポリマーが充分架橋されない傾向があり、10部を超えると、架橋物の物性を悪化させる傾向がある。
【0088】
上記の硬化性パーフルオロエラストマー組成物のほかに、少なくとも第1の硬化したパーフルオロエラストマーおよび第2の硬化したパーフルオロエラストマーを含む硬化したパーフルオロエラストマー組成物があげられる。硬化されたエラストマーは、上記の硬化性パーフルオロポリマーの少なくとも2つ、好ましくは2つのみから形成される。硬化後は硬化性パーフルオロエラストマー組成物中の硬化剤は、実質的に反応し、架橋し硬化したパーフルオロエラストマー組成物中に導入される。
【0089】
第1のパーフルオロポリマーと第2のパーフルオロポリマーの重量%比が約1:99〜99:1、より好ましくは約20:80〜80:20、最も好ましくは約75:25〜45:55となるように、これらの硬化性材料を異なる量で用いることは、本発明の範囲に含まれる。
【0090】
本明細書中に記載の硬化性パーフルオロエラストマー組成物から形成されるかかる硬化したパーフルオロエラストマー組成物は、硬化され、成形されて成形品としてもよい。一般的には、成形品は、O−リング、シール、ガスケット、挿入物などのシール部材に成形されるが、この分野において公知のまたは開発されるその他の成形品やその他の用途も含まれることを意図するものである。
【0091】
成形品は、表面に接着されて、たとえば、接着シールを形成してもよい。かかる接着シールは、たとえば半導体処理において使用する仮接着ドア、ゲート、スリットバルブドアなどの作製に用いてもよい。かかるシールなどの成形品を接着することができる表面としては、ポリマーの表面、金属および金属合金表面などがあげられる。実施形態としては、本発明においては、たとえばステンレススチールまたはアルミ製のゲートまたはスリットバルブドアがあげられ、シールが設けられるように構成されたドアの溝に合ったO−リングが取り付けられる。接着は、接着剤組成物を用いて、または接着剤を介してなされてもよい。さらに、パーフルオロポリマー、少なくとも1つの硬化性パーフルオロポリマーおよび硬化剤を溶解可能な3M製のFluorinert(登録商標)の1種などのフッ素溶媒を用いて接着剤を調製してもよい。
【0092】
接着剤は、O−リング作製用金型に押出されたポリマーの初期硬化の後か、またはドアなどの表面にシールを接着する前に、O−リングまたはドアの溝に塗布してもよく、または、接着剤は、押出されたポリマーに塗布することができ、押出されたポリマーは、熱硬化によりパーフルオロポリマーがO−リング中と接着剤中で同時に硬化されるように、接着される表面(ドア)においてその場で成形され、硬化される。必ずしも必要ではないが、好ましくは、接着剤に用いられるパーフルオロポリマーは、本明細書に記載されたパーフルオロエラストマー組成物中のパーフルオロポリマーの少なくとも1つと同じである。接着剤は好ましくは本明細書に記載の硬化性パーフルオロエラストマー組成物に用いられる両パーフルオロポリマーを含んでもよく、および/または、硬化されて対象とする表面に接着される好適な硬化性パーフルオロポリマーを用いることもできる。
【0093】
また、上記の硬化したパーフルオロエラストマー組成物を調製する方法について記載する。この方法において、硬化性パーフルオロエラストマー組成物は、第1および第2のパーフルオロポリマーとして本明細書に記載の少なくとも2つの硬化性パーフルオロポリマーおよび少なくとも1つの第1および第2の硬化部位含有モノマーの硬化部位を硬化し得る少なくとも1つの硬化剤を用いて調製する。
【0094】
ポリマーは、代表的なゴム用加工機械、たとえば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用いて混合することができる。組成物は、密閉式混合機を用いる方法やエマルジョン混合から共凝析する方法によっても調製することができる。好ましくは、パーフルオロポリマー(パーフルオロエラストマーゴムともいう)を混合するのに使用される代表的なミキサー、たとえば2−ロールミキサーがあげられる。好ましくは、この方法において、ポリマーは常温もしくは約30℃〜約100℃、好ましくは約50℃に加熱された温度で混合される。
【0095】
また、必要に応じて、この時点で添加剤を組成物に添加してもよい。添加剤は任意のものであり、第1および第2の硬化性パーフルオロポリマーに独特の相互作用があるため必要なものではない。しかしながら、ある種の特性を変更したい場合、硬化促進剤、共硬化剤、コエージェント(co-agent)、加工助剤、可塑剤、フィラー、シリカなどの変性剤、フルオロポリマー(TFE、およびその溶融加工可能な共重合体およびこの技術の分野で公知のミクロパウダー、ペレット、ファイバーおよびナノパウダー状のコア−シェル変性フルオロポリマー)、フルオログラファイト、シリカ、硫酸バリウム、カーボン、カーボンブラック、フッ化カーボン、クレー、タルク、金属フィラー(酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ケイ素)、金属炭化物(炭化ケイ素、炭化アルミニウム)、金属窒化物(窒化ケイ素、窒化アルミニウム)、その他の無機フィラー(フッ化アルミニウム、フッ化カーボン)、着色剤、有機色素および/または顔料、たとえば、アゾ、イソインドリノン、キナクリドン、ジケトピロロピロール、アンスラキノンなど、イミドフィラー(ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド)、ケトン系プラスチック(PEEK、PEKおよびPEKKなどのポリアリーレンケトン)、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシベンゾエートなどをこの技術の分野で公知の量で、および/または異なる特性を発現するために量を変更して使用してもよい。ここで述べたすべてのフィラーは単独で用いてもよく、また2種以上のフィラーおよび添加剤を併用してもよい。
【0096】
好ましくは、任意のフィラーは、組成物中の硬化性パーフルオロポリマー100部に対して合計で約30部未満の量で用いられる。有機フィラーは、耐熱性およびプラズマ耐性(プラズマ照射時の粒子数が少なく、重量減少率が低い)を与え、その例としては、上記したもの、有機顔料、ポリイミド、ポリアミドイミドおよびポリエーテルイミドなどのイミド構造を有するイミドフィラーおよびPEEK、PEKなどのケトン系エンジニアリングプラスチックなどがあげられ、有機顔料が好ましい。
【0097】
耐熱性および耐薬品性の点から、また本明細書に記載の組成物から形成される成形品の特性に与える影響が少ないという点から好ましい着色フィラーとしては、キナクリドン、ジケトピロロピロール、アンスラキノン系顔料および色素があげられ、キナクリドンが好ましい。
【0098】
有機フィラーのうち、プラズマの遮蔽効果の点から好ましいフィラーとしては、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ケイ素、ポリイミド、フッ化カーボンがあげられる。
【0099】
ポリマーの混合後、パーフルオロエラストマー組成物中の第1および第2の硬化性パーフルオロポリマーは、硬化されて、本明細書に記載の硬化したパーフルオロエラストマー組成物が形成される。
【0100】
硬化部位および硬化剤に応じて、硬化により各種の架橋構造を形成することができる。好ましくは、官能性硬化基が硬化部位含有モノマーに用いられ、そのため硬化したパーフルオロエラストマー組成物はベンゾイミダゾール架橋構造を形成する硬化剤を含む。
【0101】
硬化性パーフルオロエラストマー組成物は、好ましくは組成物中の硬化性パーフルオロポリマーが実質的に硬化されるまで、好ましくは70%が硬化されるまで硬化反応が進むのに充分な温度と時間で硬化される。好ましい硬化温度および時間は、約150℃〜約250℃で約5分間〜約40分間である。硬化に続いて、任意のポストキュアを行ってもよい。ポストキュアの許容温度および時間は、約250℃〜約320℃で約5時間〜約48時間である。
【0102】
硬化時には、金型に熱および圧力を加えて硬化しながら、本明細書に記載の硬化性パーフルオロエラストマー組成物を成形品に形成することができる。好ましくは、混合された硬化性パーフルオロポリマーは、予備成形体に成形される。予備成形体は、押出されたロープまたはその他の形状で、そのため予備成形体は、予備成形体を受け入れるための溝をつけた金型に入れて、硬化しながら成形品を形成するのに便利な形状を有する。
【0103】
フィラーに加えて、本明細書中の好ましい硬化部位含有モノマーと同じかまたは異なる硬化部位含有モノマーを含む各種の追加の硬化性および非硬化性パーフルオロポリマーを含むことも本発明の範囲に属する。第1および/または第2のパーフルオロポリマーの硬化を進め、促進するための、または追加の任意の硬化性パーフルオロポリマーの硬化および/または促進をするための硬化剤および硬化促進剤も含めてもよい。非硬化性パーフルオロポリマーとしては、1種以上のエチレン性不飽和モノマー(TFE、HFPおよびPAVEなど)から形成される反応性硬化部位を有さないものがあげられる。追加の硬化性パーフルオロポリマーとしては、本明細書に記載の硬化性パーフルオロポリマーのいずれもがあげられ、またこの技術の分野において公知の有機過酸化物硬化系、テトラフェニルスズ硬化剤、ビスアミノフェニル系硬化剤などとの架橋に適した硬化部位を有するものがあげられる。かかるポリマーは、他のブレンドへの展開のため、および本明細書中の組成物の特性を修正するために添加してもよい。
【0104】
本発明のパーフルオロエラストマーは、従来技術で用いられている半結晶性のフルオロプラスチックを含むFFKM組成物に代わるものであり、またかかる組成物に比べて特性が改善されたものである。この組成物は、かかるフルオロプラスチック粒子フィラーを追加せずに、また高温混合することもなしに調製することができる。第2のポリマーのTFE含有量を高くすることにより、組成物中の硬化されたパーフルオロポリマーの非晶性を維持しながら、高TFE含有量のパーフルオロポリマーが他の硬化性パーフルオロポリマーにおいて「フィラー」として作用し、他のパーフルオロポリマーの性質を変える。このように、本発明のエラストマー組成物により作製された成形品は、厳しい化学作用条件、熱的条件およびプラズマ条件におけるクラックに対してより耐性を有する。
【0105】
従来の技術に比して、本発明の組成物においては、追加のフィラーを添加する必要なしに、対象となる用途において望まれる物性をもたらす分子レベルでFFKMブレンドが調製される。さらに、従来の技術に比して、本発明の組成物は、半結晶性のポリマー成分を必要とせずに非晶性の状態を維持するため、容易に加工することができる。
【0106】
以上に検討されたように、組成物中の非晶性の高TFE含有量の硬化性パーフルオロポリマーは、理論上、得られるパーフルオロエラストマー組成物の望まれる特性を達成するのに役立つものと考えられる。組成物中の高TFE含有量の硬化性パーフルオロポリマーのTFEのモル%は、約95%を超えてはならない。特に融点として認められる結晶化点に近づくことを避けるべきである。架橋されたエラストマー組成物およびそれからなる成形品は、優れた耐熱性と非常に低い永久圧縮歪を発現する。また、高純度と優れたプラズマ耐性により、半導体の封止用途に用いることができる。
【0107】
本明細書に記載の架橋されたパーフルオロエラストマー組成物の硬度は、約40〜約95のShoreA硬度でよいが、ShoreAで約50以上が好ましく、約55以上がより好ましく、約60以上が最も好ましい。さらに、ShoreAで約95以下が好ましく、約90以下がより好ましく、約85以下が最も好ましい。かかる好ましい硬度により、より良好でさらに優れたシール性が与えられる。
【0108】
本明細書に記載の得られた硬化パーフルオロエラストマー組成物は、優れた耐薬品性、プラズマ耐性と良好な機械的強度、耐熱性を有する。また、本明細書に記載の異なるパーフルオロポリマーを組み合わせることにより、フィラーを使用するか、または使用しない場合にかかわらずに、得られるパーフルオロエラストマー組成物の硬度調整を行うことができる。また、得られるパーフルオロエラストマー組成物から発生するアウトガス成分が低減され、それによって、使用環境の汚染を避けるのに役立つ。したがって、例えば、O−リング、角−リング、コーナーリング、ガスケット、パッキン、オイルシール、ペアリングシール、リップシール、ドアシールなどとして半導体装置の封止用に好適である。かかるシールやガスケット製品は、液晶またはプラズマパネルディスプレイなどの需要の多い透明性を有する半導体製品を与える各種の半導体処理装置に用いることができる。
【0109】
本発明のパーフルオロポリマー組成物から形成されるシール製品が用いられる装置の例としては、ドライエッチング装置、プラズマエッチング装置、反応性イオンエッチング装置、反応性イオンビームエッチング装置、スパッタエッチング装置、イオンビームエッチング装置、ウェットエッチング装置、アッシング装置などのエッチング装置;乾式エッチング洗浄装置、UV/O
3洗浄装置、イオンビーム洗浄装置、レーザービーム洗浄装置、プラズマ洗浄装置、ガスエッチング洗浄装置などの洗浄装置;ソックスレー抽出洗浄装置、高温高圧抽出洗浄装置、マイクロウェーブ抽出洗浄装置、超臨界抽出洗浄装置などの抽出洗浄装置;ステッパー、コータ・デベロッパーなどの露光装置;CMP装置などの研磨装置;CVD装置、スパッタリング装置などの成膜装置;酸化拡散装置、イオン注入装置などの拡散・イオン注入装置などがあげられる。
【0110】
1つの好ましい形態として、本発明は、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)単位(a)の含有量の異なる本発明のパーフルオロエラストマー(A)として示す2種以上のパーフルオロエラストマーを含む含フッ素エラストマー組成物に関する。
【0111】
2種以上のパーフルオロエラストマー(A)におけるいずれか2種のパーフルオロエラストマー(A)のPAVE単位(a)の含有量の差は、架橋物の硬度調整が容易であるという点から5モル%以上が好ましく、8モル%以上がより好ましく、10モル%以上がさらに好ましい。また、パーフルオロエラストマー(A)におけるPAVE単位(a)の含有量の差は、PAVE単位(a)の含有量の小さい方のパーフルオロエラストマーのガラス転移温度を上昇させないという点から25モル%以下が好ましく、20モル%以下がより好ましく、15モル%以下がさらに好ましい。
【0112】
また、この形態において、2種以上のパーフルオロエラストマー(A)におけるいずれか2種のパーフルオロエラストマー(A)のうち、PAVE単位(a)の含有量の大きい方をパーフルオロエラストマー(A1)、PAVE単位(a)の含有量の小さい方をパーフルオロエラストマー(A2)とすると、パーフルオロエラストマー(A1)中のPAVE単位(a)の含有量は、組成物の架橋速度が速いという点から、38モル%以上が好ましく、40モル%以上がより好ましい。また、パーフルオロエラストマー(A1)中のPAVEの含有量は、ポリマー合成時の重合速度が速いという点から、50モル%以下が好ましく、45モル%以下がより好ましく、42モル%以下がさらに好ましい。
【0113】
この形態において、パーフルオロエラストマー(A2)中のPAVEの含有量は、ガラス転移温度が低く、低湿性が良好であるという点から、18モル%以上が好ましく、21モル%以上がより好ましく、25モル%以上がさらに好ましい。また、パーフルオロエラストマー(A2)中のPAVEの含有量は、架橋物の硬度を上げて、シール材のシール性を向上させる点から、35モル%以下が好ましく、32モル%以下がより好ましく、30モル%以下がさらに好ましい。
【0114】
さらに、この形態において、パーフルオロエラストマー(A1)およびパーフルオロエラストマー(A2)以外の第三のパーフルオロエラストマーを組成物に混合してもよい。
【0115】
PAVE単位の含有量が低いパーフルオロエラストマーのみを用いれば架橋時間が長くなるのに対し、本発明によれば、前記のようにPAVE単位の含有量の大きいパーフルオロエラストマーと小さいパーフルオロエラストマーの少なくとも2種を組み合わせることにより、架橋時間の短縮化を図ることができる。さらにこのような2種のパーフルオロエラストマーを組み合わせることにより、得られる成形品の硬度調整を簡単に行うことも可能である。
【0116】
この場合のPAVEとしては、上記の形態において示したように、たとえばパーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、パーフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE)などがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または本発明の効果を損なわない範囲で任意に組み合わせて用いることができる。
【0117】
これらのなかで、硬化物の機械強度が優れるという点から、PMVEが好ましい。
【0118】
また、この形態において、パーフルオロエラストマー(A)は、さらにニトリル基、カルボキシル基およびアルコキシカルボニル基よりなる群から選ばれる少なくとも1つを有するモノマー単位(b)を有することが好ましい。
【0119】
モノマー単位(b)の含有量は、架橋性エラストマーの架橋性を向上させる点から、パーフルオロエラストマー(A)中に0.1モル%以上であり、0.2モル%以上が好ましく、0.3モル%以上がより好ましい。また、モノマー単位(b)の含有量は、高価であるモノマー単位(b)の使用量を減らせる点から、パーフルオロエラストマー(A)中に2.0モル%以下であり、1.0モル%以下が好ましく、0.5モル%以下がより好ましい。
【0120】
モノマー単位(b)としては、たとえば、式(A):
CF
2=CFO(CF
2CF(CF
3)O)
m(CF
2)
n−X
1 (A)
(式中、mは0〜5の整数、nは1〜3の整数、X
1はニトリル基、カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基)
で表されるような単量体などがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組み合わせて用いることができる。
【0121】
このニトリル基、カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基が、硬化部位として機能することができる。また、架橋反応性に優れる点から、モノマー単位(b)における硬化部位がニトリル基であるニトリル基含有モノマーであることが好ましい。
【0122】
モノマー単位(b)の具体例としては、式(1)〜(17):
CY
2=CY(CF
2)
n−X
2 (1)
(式中、Yは水素原子またはフッ素原子、nは1〜8の整数である)
CF
2=CFCF
2R
f2−X
2 (2)
(式中、R
f2は−(OCF
2)
n−、−(OCF
2)
n−であり、nは0〜5の整数である)
CF
2=CFCF
2(OCF(CF
3)CF
2)
m
(OCH
2CF
2CF
2)
nOCH
2CF
2−X
2 (3)
(式中、mは0〜5の整数、nは0〜5の整数である)
CF
2=CFCF
2(OCH
2CF
2CF
2)
m
(OCF(CF
3)CF
2)
nOCF(CF
3)−X
2 (4)
(式中、mは0〜5の整数、nは0〜5の整数である)
CF
2=CF(OCF
2CF(CF
3))
mO(CF
2)
n−X
2 (5)
(式中、mは0〜5の整数、nは1〜8の整数である)
CF
2=CF(OCF
2CF(CF
3))
m−X
2 (6)
(式中、mは1〜5の整数)
CF
2=CFOCF
2(CF(CF
3)OCF
2)
nCF(−X
2)CF
3 (7)
(式中、nは1〜4の整数)
CF
2=CFO(CF
2)
nOCF(CF
3)−X
2 (8)
(式中、nは2〜5の整数)
CF
2=CFO(CF
2)
n−(C
6H
4)−X
2 (9)
(式中、nは1〜6の整数)
CF
2=CF(OCF
2CF(CF
3))
nOCF
2CF(CF
3)−X
2 (10)
(式中、nは1〜2の整数)
CH
2=CFCF
2O(CF(CF
3)CF
2O)
nCF(CF
3)−X
2 (11)
(式中、nは0〜5の整数)
CF
2=CFO(CF
2CF(CF
3)O)
m(CF
2)
n−X
2 (12)
(式中、mは0〜5の整数、nは1〜3の整数である)
CH
2=CFCF
2OCF(CF
3)OCF(CF
3)−X
2 (13)
CH
2=CFCF
2OCH
2CF
2−X
2 (14)
CF
2=CFO(CF
2CF(CF
3)O)
mCF
2CF(CF
3)−X
2 (15)
(式中、mは0以上の整数である)
CF
2=CFOCF(CF
3)CF
2O(CF
2)
n−X
2 (16)
(式中、nは1以上の整数)
CF
2=CFOCF
2OCF
2CF(CF
3)OCF
2−X
2 (17)
(一般式(1)〜(17)中、X
2は、ニトリル基(−CN基)、カルボキシル基(−COOH基)またはアルコキシカルボニル基(−COOR
5基、R
5は炭素数1〜10のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基)である)で表される単量体などがあげられる。これらの中で、パーフルオロエラストマー(A)の耐熱性が優れ、また、パーフルオロエラストマーを重合反応により合成する際に、連鎖移動による分子量低下を抑えるために、水素原子を含まないパーフルオロ化合物が好ましい。また、テトラフルオロエチレンとの重合反応性に優れる点からCF
2=CFO−構造を持つ化合物が好ましい。
【0123】
かかるパーフルオロエラストマー(A)の具体例としては、特表平9−512569号公報、国際公開00/29479号パンフレット、特開平11−92529号公報などに記載されているものがあげられる。
【0124】
この形態におけるパーフルオロエラストマー(A)は、常法により製造することができる。
【0125】
本発明のこの形態で使用するラジカル重合開始剤は、フッ素ゴムの重合に使用されているものであればよく、たとえば、有機および無機の過酸化物ならびにアゾ化合物がある。典型的な開始剤として過硫酸塩類、過酸化カーボネート類、過酸化エステル類などがあり、好ましい開始剤としてAPSがあげられる。APSは単独で使用してもよく、またサルファイト類、亜硫酸塩類のような還元剤と組み合わせて使用することもできる。
【0126】
本明細書に記載のとおり、乳化重合に使用される乳化剤としては、広範囲なものが使用可能であるが、重合中におこる乳化剤分子への連鎖移動反応を抑制する観点から、フルオロカーボン鎖、またはフルオロポリエーテル鎖を有するカルボン酸の塩類が好ましい。乳化剤の使用量は、添加された水の約0.05〜2重量%が好ましく、とくに0.2〜1.5重量%が好ましい。
【0127】
本発明で使用するモノマー混合ガスは、カルブ(G.H.Kalb)ら、アドヴァンシーズ・イン・ケミストリー・シリーズ(Advances in Chemistry Series.),129,13(1973)に記載されるように、爆発性を有するので、重合装置には着火源となるスパークなどが発生しないように工夫する必要がある。
【0128】
重合圧力は、広い範囲で変化させることができる。一般には、0.5〜7MPaの範囲である。重合圧力は、高い程重合速度が大きくなるため、生産性の向上の観点から、0.7MPa以上であることが好ましい。
【0129】
本発明で用いる含フッ素エラストマーにニトリル基、カルボキシル基およびアルコキシカルボニル基からなる群から選択される少なくとも1つの基を導入する方法としては、前述のように、この形態における含フッ素エラストマー製造時に、硬化部位を有する単量体を添加して共重合することにより導入することができるが、その他の方法として、たとえば、重合生成物を酸処理することにより、重合生成物に存在しているカルボン酸の金属塩やアンモニウム塩などの基をカルボキシル基に変換する方法もあげることができる。酸処理法としては、たとえば塩酸、硫酸、硝酸などにより洗浄するか、これらの酸で重合反応後の混合物の系をpH3以下にする方法が適当である。
【0130】
また、ヨウ素や臭素を含有する架橋性エラストマーを発煙硝酸により酸化してカルボキシル基を導入することもできる。
【0131】
本発明のこの形態における含フッ素エラストマー組成物は、前述した含フッ素エラストマーが有する硬化部位として作用可能な基と架橋反応可能な架橋剤(B)を有することが好ましい。
【0132】
本発明で用いる架橋剤(B)は、オキサゾール架橋剤、イミダゾール架橋剤、チアゾール架橋剤、トリアジン架橋剤、アミドキシム系架橋剤、およびアミドラゾン系架橋剤よりなる群から選ばれる1種以上の架橋剤であり、これらの中でも機械的強度、耐熱性、耐薬品性、耐寒性に優れ、特に耐熱性と耐寒性にバランスよく優れた架橋物を与えることができる点から、イミダゾール架橋剤が好ましい。
【0133】
オキサゾール架橋剤、イミダゾール架橋剤、チアゾール架橋剤、トリアジン架橋剤とし
ては、式(II):
【化21】
(式中、R
1基は、同じかまたは異なり、−NH
2、−NHR
2、−OHまたは−SHであり、R
2は、1価の有機基である)で示される架橋性反応基を少なくとも2個含む化合物、
式(III):
【化22】
で示される化合物、
式(IV):
【化23】
(式中、R
f1は炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基)で示される化合物、および
式(V):
【化24】
(式中、nは1〜10の整数)で示される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物であることが、耐熱性の点から好ましい。
【0134】
これらのなかでも、本明細書中の他の形態で述べられているように、架橋後に、芳香族環により安定化されるために耐熱性が向上する点から、式(II)で示される架橋性反応基を少なくとも2個有する化合物が好ましい。
【0135】
式(II)で示される架橋性反応基を少なくとも2個有する化合物は、架橋性反応基を2〜3個有することが好ましく、より好ましくは2個有するものである。なお、式(II)で示される架橋性反応基が2個未満であると、架橋することができない。
【0136】
式(II)で示される架橋性反応基における置換基R
1に含まれるR
2は、水素原子以外の1価の有機基である。N−R
2結合は、N−H結合よりも耐酸化性が高いため置換基R
1においては−NHR
2を用いることが好ましい。
【0137】
1価の有機基としては、限定されるものではないが、脂肪族炭化水素基、フェニル基またはベンジル基があげられる。具体的には、たとえば、R
2の少なくとも1つが−CH
3、−C
2H
5、−C
3H
7などの炭素数1〜10、特に1〜6の低級アルキル基;−CF
3、−C
2F
5、−CH
2F、−CH
2CF
3、−CH
2C
2F
5などの炭素数1〜10、特に1〜6のフッ素原子含有低級アルキル基; フェニル基; ベンジル基;−C
6F
5、−CH
2C
6F
5などのフッ素原子で1〜5個の水素原子が置換されたフェニル基またはベンジル基;−C
6H
5-n(CF
3)
n、−CH
2C
6H
5-n(CF
3)
n(nは1〜5の整数)などの−CF
3で1〜5個の水素原子が置換されたフェニル基またはベンジル基などがあげられる。
【0138】
これらのうち、耐熱性が特に優れており、架橋反応性が良好であり、さらに合成が比較的容易である点から、フェニル基、−CH
3が好ましい。
【0139】
架橋剤(B)としては、式(II)で示される架橋性反応基を2個有する式(VIII):
【化25】
(式中、R
1は前記と同じ、R
6は、−SO
2−、−O−、−CO−、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基、単結合手、または
【化26】
で示される基である)で示される化合物が合成が容易な点から好ましい。
【0140】
上記の炭素数1〜6のアルキレン基の好ましい具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基などをあげることができる。炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基としては、
【化27】
などがあげられる。なお、これらの化合物は、特公平2−59177号公報、特開平8−120146号公報などで、ビスジアミノフェニル化合物の例示として知られているものである。
【0141】
これらの中でもより好ましい架橋剤(B)としては、式(X):
【化28】
(式中、R
7基は、同じかまたは異なり、いずれも水素原子、炭素数1〜10のアルキル基;フッ素原子を含有する炭素数1〜10のアルキル基;フェニル基;ベンジル基;フッ素原子および/または−CF
3で1〜5個の水素原子が置換されたフェニル基またはベンジル基である)で示される化合物である。
【0142】
本明細書中の他の形態と同様、具体例としては、限定的ではないが、たとえば、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−メチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−エチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−プロピルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−パーフルオロフェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−ベンジルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどがあげられる。これらの中でも、耐熱性が優れている点から、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−メチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−エチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−プロピルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、が好ましく、耐熱性が、特に優れる点から、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンが好ましい。
【0143】
これらのビスアミドキシム系架橋剤、ビスアミドラゾン系架橋剤、ビスアミノフェノール系架橋剤、ビスアミノチオフェノール系架橋剤またはビスジアミノフェニル系架橋剤などは、含フッ素エラストマーが有するニトリル基、カルボキシル基およびアルコキシカルボニル基と反応し、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアジン環を形成し、架橋物を与える。
【0144】
架橋剤(B)の配合量は、組成物の架橋性を向上させるという点から、エラストマー100重量部に対して、0.3重量部以上が好ましく、0.5重量部以上がより好ましく、0.7重量部以上がさらに好ましい。また、架橋剤(B)の配合量は、エラストマー100重量部に対して、10.0重量部以下が好ましく、2.0重量部以下がより好ましい。
【0145】
本発明においては、前記架橋剤とともに、上記以外の架橋剤を併用することができる。
【0146】
また、本発明のこの形態において、含フッ素エラストマーがニトリル基を有する場合には、ニトリル基がトリアジン環を形成し、トリアジン架橋させることもできる点から、含フッ素エラストマー組成物はテトラフェニルスズ、トリフェニルスズなどの有機スズ化合物を含んでいてもよい。
【0147】
本発明のこの形態において、有機スズ化合物は、含フッ素エラストマー100重量部に対して、0.05〜10重量部であることが好ましく、1〜5重量部であることがより好ましい。有機スズ化合物が、0.05重量部より少ないと、含フッ素エラストマーが充分架橋されない傾向があり、10重量部を超えると、架橋物の物性を悪化させる傾向がある。
【0148】
本発明のこの形態の含フッ素エラストマー組成物において、必要に応じて架橋性エラストマー組成物に配合される通常の添加物、たとえばフィラー、加工助剤、可塑剤、着色剤などを配合することができる。また、組成物に前記のものとは異なる常用の架橋剤や架橋促進剤を1種またはそれ以上配合してもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲において、別種のエラストマーを混合して使用してもよい。
【0149】
この形態において、フィラーとしては、有機フィラーがあげられ、耐熱性、耐プラズマ性(プラズマ照射時の低パーティクル性、低重量減少率)の点から有機顔料;ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどのイミド構造を有するイミド系フィラー;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)などのケトン系エンジニアプラスチックが好ましく、特に有機顔料が好ましい。
【0150】
この形態において用いられる有機顔料としては、縮合アゾ系顔料、イソインドリノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アンスラキノン系顔料などがあげられる。それらの顔料の中でも、耐熱性、耐薬品性に優れ、成形体特性に与える影響が少ない点から、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アンスラキノン系顔料が好ましく、キナクリドン系顔料がより好ましい。
【0151】
さらに、本発明のこの形態の含フッ素架橋性組成物は、一般的なフィラーを含有してもよい。
【0152】
かかる一般的なフィラーとしては、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシベンゾエート、ポリテトラフルオロエチレン粉末などのエンジニアリングプラスチック製の有機物フィラー;酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化イットリウム、酸化チタンなどの金属酸化物フィラー;炭化ケイ素、炭化アルミニウムなどの金属炭化物、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどの金属窒化物フィラー;フッ化アルミニウム、フッ化カーボン、硫酸バリウム、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルクなどの無機物フィラーがあげられる。
【0153】
これらのフィラーの中でも、各種プラズマの遮蔽効果の点から、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ケイ素、ポリイミド、フッ化カーボンが好ましい。
【0154】
また、前記無機フィラー、有機フィラーを単独で、または2種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0155】
本発明のこの形態の含フッ素エラストマー組成物は、上記の各成分を、通常のゴム用加工機械、たとえば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用いて混合することにより調製することができる。この他、密閉式混合機を用いる方法やエマルジョン混合から共凝析する方法によっても調製することができる。
【0156】
本発明のこの形態の含フッ素エラストマーを架橋して得られる架橋物の硬度は、本発明のエラストマー組成物を用いたシール材におけるシール性が良好であるという点から、shoreAで50以上が好ましく、55以上がより好ましく、60以上がさらに好ましい。また、架橋物の硬度は、本発明のエラストマー組成物を用いたシール材におけるシール性が良好であるという点から、95以下が好ましく、90以下がより好ましく、85以下がさらに好ましい。
【0157】
本発明のこの形態の含フッ素エラストマー組成物を架橋成形して得られる架橋物は、耐薬品性、機械的強度、耐熱性に優れる。また、本発明のこの形態によれば2種のパーフルオロエラストマーを組み合わせることにより硬度調整を行うことができるため、フィラーを添加せずとも所望の硬度に調整することも可能である。この場合には、硬化物から発生するアウトガス成分が低減されるため、使用環境の汚染を改善するという点から、例えば半導体装置の封止用のシール材などとして好適である。シール材としてはO−リング、角−リング、ガスケット、パッキン、オイルシール、ベアリングシール、リップシールなどがあげられる。
【0158】
なお、本発明でいう半導体製造装置は、特に半導体を製造するための装置に限られるものではなく、液晶パネルやプラズマパネルを製造するための装置など、高度なクリーン度が要求される半導体分野において用いられる製造装置全般を含むものであり、たとえば次のようなものをあげることができる。
【0159】
(1)エッチング装置
ドライエッチング装置
プラズマエッチング装置
反応性イオンエッチング装置
反応性イオンビームエッチング装置
スパッタエッチング装置
イオンビームエッチング装置
ウェットエッチング装置
アッシング装置
(2)洗浄装置
乾式エッチング洗浄装置
UV/O3洗浄装置
イオンビーム洗浄装置
レーザービーム洗浄装置
プラズマ洗浄装置
ガスエッチング洗浄装置
抽出洗浄装置
ソックスレー抽出洗浄装置
高温高圧抽出洗浄装置
マイクロウェーブ抽出洗浄装置
超臨界抽出洗浄装置
(3)露光装置
ステッパー
コータ・デベロッパー
(4)研磨装置
CMP装置
(5)成膜装置
CVD装置
スパッタリング装置
(6)拡散・イオン注入装置
酸化拡散装置
イオン注入装置
【実施例】
【0160】
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
【0161】
実施例1
実施例で用いた化合物を以下に示す。硬化剤または架橋剤として、以下に示す化合物(NPh−AF)を用いた。
【0162】
【化29】
【0163】
製造例1:パーフルオロエラストマー(1)の合成
着火源をもたない内容積6リットルのステンレススチール製オートクレーブに、純水2.34リットルおよび乳化剤として
【化30】
を23.4g、(NH
4)
2CO
30.21gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換し脱気したのち、600rpmで撹拌しながら、52℃に昇温し、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)の混合ガス(TFE/PMVE=22/78モル比)を、内圧が0.78MPa・Gになるように仕込んだ。ついで、CF
2=CFO(CF
2)
5CN0.82gを窒素で圧入した後、過硫酸アンモニウム(APS)12.3gを水30gに溶解し窒素で圧入して反応を開始した。
【0164】
重合の進行に伴い、槽内圧力が低下するので、圧力が0.78MPa・Gになるように、TFEおよびPMVEを圧入し、重合終了までにTFEを323gおよびPMVE356gを、一定の比率で圧入した。反応途中、CF
2=CFO(CF
2)
5CN14.67gを17分割して圧入し、固形分濃度21.2重量%の水性分散体2989gを得た。
【0165】
この水性分散体のうち500gを水500gで希釈し、3.5重量%塩酸水溶液2800g中に、撹拌しながらゆっくりと添加した。添加後5分間撹拌した後、凝析物をろ別し、得られたポリマーをさらに2kgのHCFC−141b中にあけ、5分間撹拌し、再びろ別した。この後このHCFC−141bによる洗浄、ろ別の操作をさらに4回繰り返したのち、60℃で72時間真空乾燥させ、110gのポリマー(パーフルオロエラストマー(1))を得た。
【0166】
得られたパーフルオロエラストマー(1)は、表1に示すF−NMRにて分析した各モノマーの単位量となった。
【0167】
実施例2
製造例2:パーフルオロエラストマー(2)の合成
着火源をもたない内容積6リットルのステンレススチール製オートクレーブに、純水2.34リットルおよび乳化剤として
【化31】
を23.4g、(NH
4)
2CO
30.21gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換し脱気したのち、600rpmで撹拌しながら、52℃に昇温し、TFEとPMVEの混合ガス(TFE/PMVE=41/59モル比)を、内圧が0.78MPa・Gになるように仕込んだ。ついで、CF
2=CFO(CF
2)
5CN0.87gを窒素で圧入した後、APS12.3gを水30gに溶解し窒素で圧入して反応を開始した。
【0168】
重合の進行に伴い、槽内圧力が低下するので、圧力が0.78MPa・Gになるように、TFEおよびPMVEを圧入し、重合終了までにTFEを400gおよびPMVE284gを一定の比率で圧入した。反応途中、CF
2=CFO(CF
2)
5CN14.72gを17分割して圧入し、固形分濃度22.5重量%の水性分散体3087gを得た。
【0169】
この水性分散体のうち500gを水500gで希釈し、3.5重量%塩酸水溶液2800g中に、撹拌しながらゆっくりと添加した。添加後5分間撹拌した後、凝析物をろ別し、得られたポリマーをさらに2kgのHCFC−141b中にあけ、5分間撹拌し、再びろ別した。この後このHCFC−141bによる洗浄、ろ別の操作をさらに4回繰り返したのち、60℃で72時間真空乾燥させ、110gのポリマー(パーフルオロエラストマー2)を得た。
【0170】
【表1】
【0171】
実施例3
実施例1で得られたパーフルオロエラストマー(1)、実施例2で得られたパーフルオロエラストマー(2)および架橋剤としてNPh−AF(上に示す)を表2で示す配合量にて混合し、オープンロールにて混練して架橋可能な含フッ素エラストマー組成物を調製した。
【0172】
この含フッ素エラストマー組成物を180℃20分間プレスして架橋を行ったのち、さらに290℃で18時間のオーブン架橋を施し、O−リング(P−24)の被験サンプルを作製した。この被験サンプルの架橋時の架橋性、および常態物性を以下の方法にて測定した。結果を表2に示す。
【0173】
架橋性:
各架橋用組成物についてJSR型キュラストメーターII型により、180℃にて加硫曲線を求め、最低トルク(M
L)、最大トルク(M
H)、誘導時間(T
10)および最適加硫時間(T
90)を求める。
【0174】
常態物性:
JIS K6301に準じて厚さ2mmの架橋物の常態(25℃)での100%モジュラス(M
100)、引張強度(T
B)、伸び(E
B)および硬度(H
s)を測定する。
【0175】
比較例1
パーフルオロエラストマーとしてパーフルオロエラストマー(1)および(2)の併用の代わりにパーフルオロエラストマー(1)のみを用いた以外は、実施例3と同様にして組成物を調製し、架橋時の架橋性および常態物性を実施例3と同様にして測定した。結果を表2に示す。
【0176】
比較例2
パーフルオロエラストマーとしてパーフルオロエラストマー(1)および(2)の併用の代わりにパーフルオロエラストマー(2)のみを用いた以外は、実施例3と同様にして組成物を調製し、架橋時の架橋性および常態物性を実施例3と同様にして測定した。結果を表2に示す。
【0177】
【表2】
【0178】
実施例4〜14
実施例4〜14のエラストマー組成物は、パーフルオロポリマーと所望の添加剤とを混合または配合して調製した。ポリマーおよび添加剤は、ニュージャージー州、S.ハッケンザックのC.W.ブラベンダー インスツルメント社製の市販の密閉式混合機またはニューヨーク州、ファーミングデールのMorijama製の市販の密閉式混合機などを用いて混合してもよい。実施例4〜12では、この技術の分野で公知の通常のゴム混合方法を用いて、6インチ径の2本ロールミキサー(「オープンミルミキサー」ともいう)で混合して調製した。1回分の重量500gに対して、ロール温度は約50℃でロール速度は約25〜35rpmであった。
【0179】
この調製方法において、第1のポリマーを50℃でミルに添加し、およそ8〜9分間混合した。最初の硬化性パーフルオロポリマーをミルにおいて分出し後、第2の硬化性パーフルオロポリマーを添加した。両ポリマーを3〜4分間混合した後、硬化剤を添加し、充分に混合した。硬化剤を添加後、混合物をロール上で3度カットし、混合した。次にカット、混合を30回行った。混合物をミルから取り出し、約室温まで冷却した。冷却後、混合物をミルに戻し、カット、混合を多数回繰り返した。
【0180】
混合温度50℃およびカット/再混合工程(3+30+30カット/再混合)以外は標準の通常のゴム混合手順を用いた。
【0181】
実施例13および14では、密閉式混合機を用いて、マスターバッチの組成に基づいて第1のパーフルオロポリマーおよび硬化剤を添加し、50℃でマスターバッチを混合した。マスターバッチは100重量部のポリマーAとNPh−AF(100重量部に対して6.8部)を含有していた。次にマスターバッチを希釈して実施例13および14の組成に調製した。マスターバッチを密閉式混合機から取り出してオープンロールに移動させた。最後の工程でマ硬化剤を含むスターバッチを添加した以外は実施例4〜12(硬化剤のみを加える)における上記と同じ手順で行った。
【0182】
これらの手順は、これらの実施例のみに関するものであって、本発明においては、他のいかなる標準混合機または通常の密閉式混合機をも使用し得る。
【0183】
本発明の方法によって調製されたエラストマー組成物および成形品を表3に示す。表3に本発明によって調製されたエラストマーの物性を示す。実施例4〜14において、表4に示すASTMの手法を用いて試験を行い、エラストマーから作製したO−リングの物性パラメータ:T
b(引張破断強度psi(MPa));E
b(破断伸び%);M
100(100%モジュラスpsi(MPa));硬度(ジュロメーターM);圧縮永久歪を記録した。
【0184】
実施例のコンパウンドは市販のパーフルオロポリマーから調製し、上記のように混合した。実施例では、ここに記載のとおりダイキン工業のポリマーAが第1のパーフルオロポリマーであって、TFEとパーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)をモル比60/40で含むパーフルオロポリマーである。ダイキン工業のポリマーBが第2のパーフルオロポリマーであって、TFEとPMVEをモル比70/30で含むパーフルオロポリマーである。ポリマーAおよびポリマーBにおいて、シアノ官能基を含む硬化部位含有モノマーを0.6モル%含む。硬化剤のNPh−AFは4,4’−[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン]ビス[N1−フェニル−1,2−ベンゼンジアミン]である。各成分のポリマーAおよびBおよびNPh−AFは市販のものである。得られた実施例のエラストマー(実施例4〜14)の重量%比を表3に示す。コンパウンドは182℃で30分間硬化され、次に290℃で18時間ポストキュアした。
【0185】
本発明のエラストマーから形成された成形品、一般的にはO−リング、シールまたはガスケットが、ここに記載されている。シールはパーフルオロポリマーから、圧縮成形法、射出成形法、押出し法などの各種の加工方法により形成することができる。これらの実施例では成形法が用いられた。
【0186】
表3に示すように、高温でのリモートNF
3プラズマにおけるテスト後に、サンプルには無視してもよい程度の重量損失が見られた。サンプルの保持性および表面の外観には大きな変化は見られなかった。対照の市販のサンプルに比べて、実施例ではリモートNF
3プラズマに対する良好な耐性が示された。直接のプラズマ環境下(O
2、O
2+CF
4)では、市販品に匹敵する結果が示された。
【0187】
圧縮永久歪の評価のため、実施例4〜14で得られたエラストマーからO−リングを作製した。実施例4〜14では、25%デフレクションにおいて300℃で70時間後に25%より低い圧縮永久歪であり、25%デフレクションにおいて300℃で168時間後に40%より低い圧縮永久歪であった。これは、この技術の分野においては大きな改善である。
【0188】
実施例4〜14で得られたエラストマーから作製したO−リングをプラズマガスに曝し、評価した。表4に示すインターナルスクリーニング法に基づくそれぞれの%損失を表3に示す。
【0189】
【表3】
【0190】
【表4】
【0191】
実施例15
本明細書中で述べたように、本明細書中の各種の含フッ素エラストマーおよびパーフルオロエラストマー混合物を金属やその他の基材に接着し、成形して、接着品を作製することができる。接着サンプルを作製し、ASTM−D−429のメソッドAに準じて、室温で0.4mm/sec(1インチ/min)の速度で2枚の金属プレートを引っ張り、接着力を記録することによって接着サンプルの評価を行った。本発明に準じた2種のパーフルオロポリマーの混合物を2枚の円形の金属プレート表面の間に成形した。各表面は接着プロセス前に接着剤で処理された。2平方インチ(12.9cm
2)の表面積を有する金属プレートは、使用前に36サイズのグリットでサンドブラスト処理された。
【0192】
パーフルオロエラストマーコンパウンドCをFluorinert(登録商標)FC−77に溶解し、表3に示す実施例9の混合された組成物をアルミニウムとスチールの表面に接着した。実施例9の組成物は、ポリマーAを100部につき35部、ポリマーBを100部につき65部およびNPh−AF(100部につき0.9部)を含む。接着剤(パーフルオロエラストマーコンパウンドC)は、ニトリル官能基含有硬化部位含有モノマーを有するパーフルオロポリマー(FFKM、100部)、Aerosil(登録商標)R972(FFKM100部につき12部)、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン(硬化剤100部につき1.5部)、Cromophthal Blue A3R(着色剤として100部につき0.5部),Cromophthal Yellow 3RF(着色剤として100部につき0.5部)およびVarox(登録商標)DBPH−50(100部につき1部)を含む。ポリマーFFKM Dにおいて、TFE:PMVE:CSMのモル比は53:44:3であった。
【0193】
コンパウンドCをFC−77に溶解後、混合物を金属基材に塗布し、薄層を形成した。溶液は30分間乾燥され、実施例9の組成物のプレスされたものを360°F(182.2℃)にて30分間で基材上に成形し、次に550°F(287.8℃)にて22時間ポストキュアした。
【0194】
表5に接着力試験の結果を示す。
【0195】
【表5】
【0196】
上記の形態に対して、その明白な発明の概念から外れることなく変更を加え得ることは、当業者が認めるところである。したがって、この発明は、開示された特定の形態に限定されるものではなく、請求の範囲において定義された本発明の精神および範囲を超えることのない変更をも包含することを意図するものであることを理解されたい。