(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5873859
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】少なくとも1つの濾過値の制御のための装置、血液透析装置、並びにそのための方法及びその使用
(51)【国際特許分類】
A61M 1/14 20060101AFI20160216BHJP
【FI】
A61M1/14 553
A61M1/14 535
A61M1/14 510
【請求項の数】27
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-500371(P2013-500371)
(86)(22)【出願日】2011年3月17日
(65)【公表番号】特表2013-521956(P2013-521956A)
(43)【公表日】2013年6月13日
(86)【国際出願番号】EP2011001333
(87)【国際公開番号】WO2011113602
(87)【国際公開日】20110922
【審査請求日】2014年3月17日
(31)【優先権主張番号】102010012050.2
(32)【優先日】2010年3月19日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】599117152
【氏名又は名称】フレゼニウス メディカル ケアー ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Fresenius Medical Care Deutschland GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルネ ペテルス
(72)【発明者】
【氏名】アレクザンダー ハイデ
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ヴィクトル
【審査官】
石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−076394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの遠心ポンプ手段を有する、医学的流体の処理のための装置における少なくとも1つの濾過値を制御するための装置であって、
前記医学的流体の粘度は、前記遠心ポンプ手段により決定され、少なくとも1つの濾過値が決定された前記粘度を参照して制御され、
前記遠心ポンプ手段は、前記医学的流体が前記遠心ポンプ手段により運ばれずに、前記遠心ポンプ手段内で循環されるような速度のモードで動作され得ることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記遠心ポンプ手段は遠心ポンプの一部である、若しくは遠心ポンプを含むこと、及び/又は前記医学的流体は、前記遠心ポンプ手段により運ばれ得ることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記遠心ポンプ手段は、少なくとも1つの運搬モード及び少なくとも1つの測定モードで動作され得ることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記遠心ポンプ手段は、少なくとも1つの第1駆動部及び1つの第2駆動部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1駆動部から前記第2駆動部に磁気結合によりトルク伝達及び/又は力伝達が起こることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記医学的流体の粘度は、前記遠心ポンプ手段の速度及び駆動トルクを参照して決定され得ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも部分的に使い捨て品として作られていること、又は使い捨て品として作られた取り替え可能な構成要素を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記遠心ポンプ手段の少なくとも第2駆動部は、前記使い捨て品に設けられていること、及び/又は前記使い捨て品は、カセット様の様態で作られている、若しくは使い捨てカセットとして作られていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記医学的流体の処理のための装置は血液透析装置であること、並びに/又は前記濾過値は限外濾過率及び/若しくは限外濾過目標であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記医学的流体は血液であり、該血液のヘマトクリット値は、決定された粘度を参照して決定され得ることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記医学的流体は透析液であり、血液の状態は、決定された粘度を参照して決定され得ることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記医学的流体は、濾液であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
少なくとも1つの調節若しくは制御手段、又は少なくとも1つの前記調節若しくは制御手段と接続され得る少なくとも1つの接続部を有し、前記調節若しくは制御手段により、前記医学的流体の粘度が測定され得る及び/又は濾過値が制御され得ることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記遠心ポンプ手段は、前記調節若しくは制御手段により前記運搬モードと前記測定モードとを切り換えられ得ること、及び/又は前記遠心ポンプ手段の速度は、前記調節若しくは制御手段により制御され得ることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記遠心ポンプ手段は、前記遠心ポンプ手段をその入口側及び/又は出口側で閉じられ得るように、前記入口側及び/又は出口側に少なくとも1つの閉鎖手段を有することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記遠心ポンプ手段は、少なくとも1つの前記閉鎖手段が前記遠心ポンプ手段をその入口側及び/又は出口側で閉じている場合に、前記測定モードで動作され得ることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記医学的流体の体積流量の検出、及び/又は測定のために、前記遠心ポンプ手段の下流又は上流に少なくとも1つの検出手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記遠心ポンプ手段は、前記医学的流体が前記遠心ポンプ手段により運ばれずに、前記遠心ポンプ手段内で循環されるような速度の前記モードで動作され、
前記モードにおける速度は、200rpm又はそれ未満であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の装置を含む血液透析装置。
【請求項20】
前記医学的流体の粘度が決定できる少なくとも前記遠心ポンプ手段の要素を有する使い捨て品が挿入されたマウントを有し、前記遠心ポンプ手段の前記第1駆動部が設けられていることを特徴とする請求項19に記載の血液透析装置。
【請求項21】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の装置及び/又は請求項19若しくは20の血液透析装置のための使い捨て品であって、
少なくとも前記医学的流体の粘度が測定可能である前記遠心ポンプ手段の要素を有し、請求項7〜18のいずれか1項に記載の使い捨て品の特徴を有する使い捨て品。
【請求項22】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の装置及び/又は請求項19若しくは20に記載の血液透析装置のための遠心ポンプ手段であって、
請求項1〜18のいずれか1項に記載の遠心ポンプ手段の特徴を有する遠心ポンプ手段。
【請求項23】
血液透析装置のための請求項1〜18のいずれか1項に記載の装置の作動方法であって、
前記作動方法は、前記医学的流体の粘度を前記遠心ポンプ手段により決定するために、調節又は制御手段が、前記遠心ポンプ手段を、前記医学的流体が前記遠心ポンプ手段により運ばれずに、前記遠心ポンプ手段内で循環されるような速度の前記モードで動作させる工程を含むことを特徴とする作動方法。
【請求項24】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の装置のための、請求項21に記載の使い捨て品における遠心ポンプ手段の作動方法であって、
前記作動方法は、前記医学的流体の粘度を前記遠心ポンプ手段により決定するために、調節又は制御手段が、前記遠心ポンプ手段を、前記医学的流体が前記遠心ポンプ手段により運ばれずに、前記遠心ポンプ手段内で循環されるような速度の前記モードで動作させる工程を含むことを特徴とする作動方法。
【請求項25】
少なくとも1つの遠心ポンプ手段を有する、医学的流体の処理のための血液処理装置における作動方法であって、
前記作動方法は、前記医学的流体の粘度を前記遠心ポンプ手段により決定するために、調節又は制御手段が、前記遠心ポンプ手段を、前記医学的流体が前記遠心ポンプ手段により運ばれずに、前記遠心ポンプ手段内で循環されるような速度のモードで動作させる工程を含むことを特徴とする作動方法。
【請求項26】
前記遠心ポンプ手段は、少なくとも1つの運搬モード及び/若しくは少なくとも1つの測定モードで動作されること、並びに/又は前記医学的流体の粘度は、前記遠心ポンプ手段の速度及び駆動トルクを参照して決定されることを特徴とする請求項25に記載の作動方法。
【請求項27】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の装置、及び/又は請求項19若しくは20に記載の血液透析装置の作動方法であることを特徴とする請求項25又は26に記載の作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの遠心ポンプ手段を有する、医学的流体の処理のための装置、特に血液処理装置、さらに特に細胞分離装置及びアフェレーシスに用いられる装置における濾過値の制御のための装置、血液透析器、並びにそのための方法及び使用に関する。
【背景技術】
【0002】
透析の主な目的の1つは、患者の血液から水を除去することである。一般に、患者は、できたとしても、水又は尿をわずかに通すことができるだけであるため、処理(限外濾過)の間、患者から3Lまでの水が除去される。この水へのアクセスは血液を介してのみ可能となる。従って、血液に水がない場合、密度及び粘度が増大する。血液は、「より濃厚」となる。相関関係は以下のように説明され得る。
【0003】
血液は、実質的に血漿及び血球を含む。血漿は、水と、電解質、タンパク質及び代謝物等のその中に溶解した物質とから構成されている。赤血球、白血球及び血小板は、血球と言われ、中でも赤血球が非常に多い。
【0004】
ヘマトクリット(HCT)は、総血液量における細胞成分の分量である。赤血球が一般的であるため、血液量における赤血球の分量がよく単純化のために用いられる。透析装置における限外濾過の制御に用いられる相対血液量(RBV)は、参照時間におけるヘマトクリット(Hct(t
0))と、測定時のヘマトクリット(Hct(t))から算出される。
【0005】
RBV=Hct(t
0)/Hct(t)
血漿の密度(〜1.03g/cm
3)は、赤血球の密度(〜1.10g/cm
3)とわずかに異なる。それにより、15%から60%までの範囲の非常に広いヘマトクリット範囲で、1.04〜1.07g/cm
3の密度スペクトルが生じる。密度に対して、血液の粘度は、以下の表に示すように、種々のヘマトクリットによってかなり異なる。
【0006】
【表1】
【0007】
血液の密度の増大は、上記のように、特に明確でない。密度におけるこれらの差を測定することを意図する実在の測定プロセスは、一致する精度で行うことができなければならない。測定手段は、どんな場合でも、血管の壁を通って外側から測定しなければならないため、全ての従来の測定方法は、材料の特性及び測定手段の組み合わせに大きな影響を受けていた。そのようなシステムのコストは、測定経路の質の増大に従って増大する(例えば、厳密なホースの径、使い捨てのキュベット等)。
【0008】
現存する血液量測定装置は、HCTの測定のために超音波を用いることができ、光学プロセスにおいて、「光干渉パーティクル(light interfering particles)」測定は、光源を用いて散乱又は反射を介して測定される。
【0009】
例えばEP 0 867 195 B1に従った釣り合わせシステムを介した限外濾過の実行及びモニタリングのために、透析膜の中に流れる透析液の量は、再び透析膜の外に流れる透析液の量と同等であることが保証される。液体の追加量は、限外濾過ポンプを介して制御された方法で、透析膜から除かれ得る。このポンプは、透析膜の繊維の孔を介して透析液側に患者の血液からの液体を移すために相応の膜横断圧力を生成し、これは、本技術分野において、限外濾過と呼ばれる。血液側から透析液側への半透膜を介した対流物質伝達は、さらに増大するため、透析処理のクリアランスは、膜の上流(前希釈とも呼ばれる)又は下流(後希釈とも呼ばれる)で希釈溶液の追加を介して増大され得る。従って、水は、制御された方法で患者から除かれ得る。限外濾過率及び限外濾過目標の事前設定は、これに関連する治療医により設定される。しかしながら、これらの周知の釣り合わせシステムは、非常に複雑であり、作製するのにコストがかかる。
【0010】
一般に、蠕動ポンプによって体外血液回路で処理されるための患者の血液を運ぶことができるように血液透析装置は構成されている。しかしながら、散発的に、透析における遠心ポンプの使用も記載されている。例えば、US 6,439,845は、携帯可能及び/又は移植可能な透析のための遠心ポンプに関する。
【0011】
さらに、液体、特に血液の粘度の測定のために、遠心ポンプを使用することも先行技術から周知である。
【0012】
EP 1 284 369 A1及びEP 1 284 370 A1は、調整可能で実質的に一定の体積流量を発生するための方法及びポンプ装置に関する。これに関して、運ばれる流体の粘度は、モータ電流の測定により単純な方法で且つオンラインで測定される。この目的のために、ロータの固定された試験速度が設定され、この試験速度におけるモータ電流は、粘度の決定のために測定される。流体の粘度は、先に行われた校正測定及び/又は算出を参照して、既知の適用されたモータ電流を用いて決定され得る。この方法の実行は、フォトレジスト、又は研磨目的のために用いられる流体中の微粒子の懸濁液に関連して記載されている。
【0013】
さらに、方法は、流れシステムでの通過流の校正のためにEP 2 037 236 A2から周知であり、この方法の実行のための流れシステムも同様である。運ばれる流体は、回転ポンプ又は遠心ポンプによって流れシステムを通って運ばれ、通過流の量は、ポンプの電気的な動作のパラメータから決定され、流体の通過流の量は、事前設定時間における超音波による校正センサを用いた校正測定で決定され、通過流の測定は、校正測定を参照して再校正される。
【0014】
さらに、それは、透析装置に備え付けが可能な使い捨てのカセットシステムと、皿穴チャンバ及びチャンネルを有する実質的に硬いベースカセット本体を含むそれらのカセットと、それらを覆う膜とを有する血液透析装置を提供するDE 102 24 750 A1から周知である。これに関して、アクチュエータ及びセンサは、カセットが種々の統合形態で用いられ得るように、装置の動作のために備え付けられたカセット内の流体処理装置に設けられる。
【0015】
実際に、遠心ポンプは、特に人工心肺で用いられる。そのような、遠心ポンプを有する人工心肺装置は、例えばEP 1 661 593 B1に開示されている。
【0016】
さらに、血液透析処理における限外濾過率の制御のための戻り値として血液の粘度を利用することは、先行技術が既に提示していた(Greenwood, RN等.; Serial blood water estimations and in-line blood viscometry: the continuous measurement of blood volume during dialysis procedures; in: Clinical Science, 1984, 66, pp. 575-583)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従って、本発明の目的は、有利な方法で医学的流体を処理するための装置をさらに発展させ、特に、装置を、容易に準備ができ、限外濾過に関するパラメータの非常に正確に決定できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的は、請求項1の特徴を有する装置による本発明に従って達成される。医学的流体の処理のための装置における少なくとも1つの濾過値を制御する装置は、少なくとも1つの遠心ポンプ手段を有し、その医学的流体の粘度は、遠心ポンプ手段により間接的及び/又は直接的に設定され、少なくとも1つの濾過値が決定された粘度を参照して制御され得るようになっている。
【0019】
濾過値は、濾過される量、単位時間当たりの体積流量又は濾過に関して考えられる他の値であってもよい。なお、濾過値は、装置内で処理される液体に関する。この液体は、例えば血液であってもよい。
【0020】
なお、有利な実施形態において、医学的流体の処理のための装置は、血液処理装置である。さらに、その装置は、細胞分離装置及び/又はアフェレーシスに用いられることも考えられる。
【0021】
遠心ポンプ手段自体が必要な制御パラメータの決定のために設けられるため、例えば追加のセンサを設けることなく、濾過値の制御を可能とするという利点が生じる。簡単に言うと、センサ及びポンプは、今では少なくとも機能的に、一つの部分として有利に作製される。この点に関して、絶対に必要ではないが、特に流量の決定のための安全性の理由のために、追加のセンサが設けられ得ることが示されなければならない。対応する制御パラメータの決定、及び十分に正確な流体の運搬は、用いられる遠心ポンプ手段自体により可能となるため、コストが大きい釣り合わせシステムを完全に省くことが可能となる。血液量モニター(BVM)を、省くこともできる。これにより、コストの大幅な低減を達成できる。
【0022】
さらに、この目的のために流体の粘度に注目することが可能となるため、従来のアプローチと比較して、濾過値の決定のための制御変数の実質的により正確な決定が可能となり、それは、例えば流体の密度の測定と比較して有利となる。間接的な測定プロセスによる測定エラーが起こらないようにするための、流体の直接的な測定が今では可能であり、これにより、さらなる利点が生じる。
【0023】
遠心手段は遠心ポンプの一部である、若しくは遠心ポンプを含む、及び/又は医学的流体が遠心ポンプ手段により運ばれ得るように構成されている。
【0024】
遠心ポンプ手段は、少なくとも1つの運搬モード及び/又は少なくとも1つの測定モードで動作され得ることがさらに考えられる。例えば、体外循環のために、遠心ポンプ手段は、事前設定ポンプ速度で、通常運転において運搬モードで駆動するようにできる。その後、対応する制御変数が決定された粘度により得られて、少なくとも1つの濾過値が決定された粘度を参照して制御され得るようにするために、遠心ポンプ手段は、医学的流体の粘度が間接的及び/又は直接的に決定され得る測定モードに周期的に切り換えられ得る。
【0025】
医学的流体の粘度は、遠心ポンプ手段の運搬モードで決定され得ることもさらに考えられ、追加の流れ測定センサは、医学的流体の流れを決定するように設けられる。この目的のための方法は、EP 1 284 369 A1及びEP 1 284 370 A1により開示され、これらは全て、ここに参照として組み込まれる。
【0026】
遠心ポンプ手段は、少なくとも1つの第1駆動部及び1つの第2駆動部を有するように構成され得る。遠心ポンプ手段のその部分、すなわち、第1駆動部及び第2駆動部は、それらが落ち着いた状態でポンプされ得るが、特に流体の処理が終了した後に互いに分離され得るように互いに関連して設けられる。これは、特に遠心ポンプ手段の操作だけでなく保守を容易にする。
【0027】
さらに、トルク及び/又は力の伝達は、磁気結合により第1駆動部から第2駆動部へ起こるように構成され得る。これにより、非接触及び極めて低い摩耗性のトルク伝達及び/又は力伝達を可能とする。
【0028】
この実施形態において、ポンプ手段の駆動トルクがポンプされる液体の粘度の尺度となるように、ポンプ手段の機械的サポートにおける損失はない。
【0029】
遠心ポンプ手段の第1駆動部及び遠心ポンプ手段の第2駆動部は、磁気結合による方法とは異なる非接触の方法により接続されることも、一般に考えられる。
【0030】
医学的流体の粘度は、遠心ポンプ手段の速度及び駆動トルクを参照して、間接的及び/又は直接的に決定され得るように構成されてもよい。これは、例えばピックアップされたモータ電流を参照して行うことができる。測定モードにおける固定されたエンジン電流を事前設定すること、及び/又は固定された速度を事前設定すること、また、そのために必要なモータ電流を決定することが、特に考えられる。実行及び評価は、例えば遠心ポンプ手段又は装置自体の調節及び/若しくは制御手段によって行われ得る。
【0031】
その装置は、少なくとも部分的に使い捨て品として作られている、又は使い捨て品として作られている取り替え可能な構成要素を有していてもよい。
【0032】
少なくとも遠心ポンプ手段の第2駆動部は、その使い捨て品に設けられている、及び/又はその使い捨て品がカセットの態様で若しくは使い捨てカセットとして作られることが特に可能である。これは、使い捨て品の品質が選択された測定方法に起因する測定パラメータに影響しないため、有利に可能となる。
【0033】
さらに、その使い捨て品に追加の接続を行うことは必要ない。これは、特に、トルク伝達及び/又は力伝達が、磁気結合により第1駆動部から第2駆動部へ起こる場合である。これにより、必要なパラメータが非接触の磁気結合を介して既に伝達され得る、及びそこから決定され得るという利点が生じる。
【0034】
さらに、医学的流体の処理のための装置が血液透析装置であること、並びに/又は1つ若しくは複数の濾過値が限外濾過率及び/若しくは限外濾過目標であることも可能である。限外濾過率又は限外濾過目標は、入力手段により装置に入力及び/又は保存され得ることも特に考えられる。これにより、例えば、治療医は限外濾過率及び/又は限外濾過目標のためのこれらの値を予め容易に入力し得るという利点が生じる。
【0035】
医学的流体が血液であれば特に好ましく、血液のヘマトクリット値は、決定された粘度を参照して決定され得る。これにより、血液の状態は、特に有利に決定され得る。さらに、これによる濾過値で結果を出すことが可能となるように、容易且つ有利に、どの程度の流体が既に血液から除かれたか、これから決定され得る。
【0036】
医学的流体が透析液であること、及び血液の状態が決定された粘度を参照して特に有利に決定され得ることも考えられる。結果を出すことがそれによる濾過値で可能となるように、どの程度の流体が、既に透析膜の半透膜を介して血液から透析液に移されたかということからそれは容易且つ有利に決定され得る。それは、医学的流体の粘度の決定が透析膜のダウンフロー又は下流で行われる透析の制御のために特に必要となる。
【0037】
医学的流体が、例えば血漿の分離における濾液であることも考えられ、濾過された血漿の粘度は特に有利な方法で決定され得る。
【0038】
さらに、装置は、少なくとも1つの調節及び/若しくは制御手段を有する、並びに/又は少なくとも1つの調節及び/若しくは制御手段と接続され得る少なくとも1つの接続部を有し、調節及び/若しくは制御手段により間接的に及び/若しくは直接的に医学的流体の粘度が測定され得る並びに/又は濾過値は制御され得るように構成され得る。
【0039】
さらに、遠心ポンプ手段が調節及び/若しくは制御手段により運搬モードと測定モードとの間で切り換えられ得ること、並びに/又は遠心ポンプ手段の速度が調節及び/若しくは制御手段により制御され得ることが考えられる。
【0040】
さらに、遠心ポンプ手段は、遠心ポンプ手段をその入口側及び/又は出口側で閉じられ得るように、入口側及び/又は出口側に少なくとも1つの閉鎖手段を有するように構成され得る。これに関して、閉鎖手段は、特に、遠心ポンプ手段の入口側及び/又は出口側において流入を閉じることができるクランプ又はプランジャとすることもできる。この閉鎖手段の調節は、例えば調節及び/又は制御手段により行われ得る。
【0041】
遠心ポンプ手段は、少なくとも1つの閉鎖手段が遠心ポンプ手段をその入口側及び/又は出口側で閉じている場合、好ましくは、両方の閉鎖手段が遠心ポンプ手段をその入口側及び出口側で閉じている場合に、測定モードで動作され得ることが可能である。遠心ポンプの動翼等の遠心ポンプ手段の運搬手段を介して、完全な又はほぼ完全な再循環を可能とすることも考えられる。再循環流体の粘度は、ポンプの特定の駆動トルクにおける遠心ポンプのロータ速度を決定する。これに関して、ロータ速度は、周知の測定装置(例えば、ホールプローブ、速度計ケーブル)により測定され得る。ロータ速度は、動作電圧がロータ速度のための尺度として用いられ得るように、遠心ポンプの動作電圧にほぼ比例する。駆動トルクは、動作電流が駆動トルクのための尺度として用いられ得るように、遠心ポンプの動作電流にほぼ比例する。遠心ポンプの既知のロータ速度及び既知の駆動トルクを用いて、再循環流体の粘度の結果を出すことが可能である。EP 1 284 369 A1、EP 1 284 370 A1及びEP 0 967 475 A1は、全てが参照とされるための方法を開示する。特に、血液処理装置及び血液透析装置の場合に、医学的流体の処理のための装置の動作の間に、粘度が変化する又は変化すると思われるので、決定された粘度は、医学的流体、特に血液の状態の情報を表す。その後、現在の粘度が決定された場合、ポンプ体積流量のより正確に補正された算出が、粘度の新規のオフセット値を用いて実行され得る。これにより、少なくとも1つの濾過値の特に有利な制御が可能となる。
【0042】
遠心ポンプ手段により運ばれる医学的流体の粘度の決定のために、EP 0 967 475 A1に従って、遠心ポンプ手段又は遠心ポンプ手段のロータに関する測定パラメータから粘度を決定することが可能である。ロータの駆動トルク若しくは駆動電流、及び/又はロータ速度は、測定パラメータとして測定され得る。その後、医学的流体の粘度は、駆動トルク又は駆動電流の値から決定され得る。速度は事前設定され、実際の速度は、例えばホールセンサにより検出され得る。
【0043】
更なる実施形態では、医学的流体の体積流量の間接的及び/又は直接的な検出、及び/又は測定のために、遠心ポンプ手段の下流又は上流に少なくとも1つの検出手段、特に流れ測定センサが設けられていてもよい。粘度の測定は、EP 1 284 369 A 1又はEP 1 284 370 A1に従った方法に類似して、オンライン、すなわち運搬動作中に行われ得る。
【0044】
さらに、遠心ポンプ手段は、医学的流体が遠心ポンプ手段により運ばれ得ないが、遠心ポンプ手段内に循環され得る、又は遠心ポンプ手段により運ばれないが、遠心ポンプ手段内に循環されるように、十分に遅い速度のモードで動作され、十分に遅い速度は、好ましくは
毎分数百回転、特に200rpm又はそれ未満であり、さらに好ましくは、医学的流体の粘度は、流れ測定センサ及び/又はブロッキング装置を追加することなく決定され得るように構成され得る。遠心ポンプ手段の十分に遅い速度、例えば
毎分数百回転、特に200rpm又はそれ以下の速度で、遠心ポンプ手段による流体は運ばれないが、遠心ポンプ手段内を循環することが認められている。粘度は、流れ測定センサ又はブロッキング装置を追加することなく上記の方法に類似して、この動作モードで決定され得る。
例えば血液、透析液又は濾液が遠心ポンプ手段によって運ばれないほど十分に速度が遅い場合には、粘度の測定はクランプ及び流れ測定の両方が無い状態で行われ得る。
【0045】
医学的流体の体積流量は一定であることが有利に考えられる、及び/又は、遠心ポンプ手段が最大性能の半分以下の性能、好ましくは多くても最大性能の20%で動作されることがさらに有利であると考えられる。
【0046】
本発明は、さらに、請求項19の特徴を有する血液透析装置に関する。血液透析装置は、請求項1〜18のいずれか1項に記載の装置を有するように構成される。
【0047】
さらに、医学的流体の粘度が間接的又は直接的に決定できる少なくとも遠心ポンプ手段の要素を有する使い捨て品が挿入されたマウントを有し、好ましくは遠心ポンプ手段の第1駆動部が設けられているように構成され得る。
【0048】
本発明は、さらに、請求項21の特徴を有する使い捨て品に関する。使い捨て品は、請求項1〜18のいずれか1項に記載の装置及び/又は請求項19若しくは20の血液透析装置のための使い捨て品であって、少なくとも医学的流体の粘度が間接的及び/又は直接的に測定可能である遠心ポンプ手段の要素を有し、好ましくは請求項7〜18ののいずれか1項に記載の使い捨て品の特徴を有するように構成される。
【0049】
本発明は、さらに、請求項22の特徴を有する遠心ポンプ手段に関する。遠心ポンプ手段は、請求項1〜18のいずれか1項に記載の装置及び/又は請求項19若しくは20に記載の血液透析装置のための遠心ポンプ手段であって、請求項1〜18のいずれか1項に記載の遠心ポンプ手段の特徴を有するように構成される。
【0050】
本発明は、さらに、請求項23の特徴を有する装置の
作動方法に関する
。請求項1〜18のいずれか1項に記載の装置の作動方法は、医学的流体の粘度を遠心ポンプ手段により決定するために、遠心ポンプ手段を、医学的流体が遠心ポンプ手段により運ばれずに、遠心ポンプ手段内で循環されるような速度のモードで動作させる工程を含み得る。
【0051】
本発明は、さらに、請求項24の特徴を有する遠心ポンプ手段の
作動方法に関する。
請求項1〜18のいずれか1項に記載の装置のための、請求項21に記載の使い捨て品における遠心ポンプ手段の作動方法は、医学的流体の粘度を遠心ポンプ手段により決定するために、遠心ポンプ手段を、医学的流体が遠心ポンプ手段により運ばれずに、遠心ポンプ手段内で循環されるような速度のモードで動作させる工程を含み得る。
【0052】
本発明は、さらに、請求項25の特徴を有する
血液処理装置の
作動方法に関する。
少なくとも1つの遠心ポンプ手段を有する、医学的流体の処理のための血液処理装置の作動方法は、医学的流体の粘度を遠心ポンプ手段により決定するために、遠心ポンプ手段を、医学的流体が遠心ポンプ手段により運ばれずに、遠心ポンプ手段内で循環されるような速度のモードで動作させる工程を含み得る。
【0053】
本発明は、さらに、請求項26の特徴を有する血液処理装置の作動方法に関する。請求項25に記載の作動方法において、遠心ポンプ手段は、少なくとも1つの運搬モード及び/若しくは少なくとも1つの測定モードで動作される、並びに/又は医学的流体の粘度は、遠心ポンプ手段の速度及び駆動トルクを参照して間接的又は直接的に決定され得る。
【0054】
本発明は、さらに、請求項27の特徴を有する血液処理装置の作動方法に関する。請求項25又は請求項26に記載の作動方法は、請求項1〜18のいずれか1項に記載の装置、及び/又は請求項19若しくは20に記載の血液透析装置により実行され得る。
【0055】
本発明の更なる詳細及び利点を、図面に示された実施形態を参照して、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】遠心ポンプのロータ速度が4000rpmの場合における粘度と水力トルクとの間の相関を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明の実現を特に有利に可能とする本発明の実施形態は、血液透析装置での体外血液循環における血液輸送のための閉塞している蠕動ホースポンプの代わりに遠心ポンプを用いることで行われ得る。この点に関して、この遠心ポンプは、一方では血液の運搬のための運搬モードで用いられ、他方では血液の粘度の決定のための測定モードで用いられる。測定により決定された血液の粘度のための値は、血液のヘマトクリット量を決定するためにさらに用いられる。この点に関して、相対的な血液量は、ヘマトクリットの経時変化を参照して決定され得る。これにより、限外濾過の制御変数が作成される。本発明に係る装置は、この実施形態における血液透析装置の必須の要素である。
【0058】
限外濾過率は、医師及び限外濾過目標により事前設定され、すなわち、除去される水の総量は、もはや血液から除かれた流体の絶対量がモニターされず、その粘度又はヘマトクリット量を介した血液中の水の濃度、及びその経時変化をモニターするように、本発明に従って制御される。遠心ポンプは、規則的に、すなわち、定期的に繰り返される間隔で、血液運搬モードから粘度の決定のための測定モードに切り換えられる。
【0059】
粘度の決定は、既知の流量での運搬動作の間に決定され得る。流体の運搬の妨げは、もはや必要でない。
【0060】
測定モードでの動作の際に、この目的のためにポンプの入口及び出口は、対応する閉鎖手段で閉じられる。それらは、例えば圧力により流入ラインと流出ラインとを接続するクランプ又はプランジャーであってもよい。そのとき、ポンプチャンバ中の血液は再循環される。再循環する流体の粘度は、ポンプの特定の駆動トルクにおける遠心ポンプのロータの速度を決定する。これに関して、ロータ速度は、周知の測定装置(例えば、ホールプローブ、速度計ケーブル)により測定され得る。ロータ速度は、動作電圧がロータ速度のための尺度として用いられ得るように、遠心ポンプの動作電圧にほぼ比例する。駆動トルクは、動作電流が駆動トルクのための尺度として用いられ得るように、遠心ポンプの動作電流にほぼ比例する。遠心ポンプの既知のロータ速度及び既知の駆動トルクを用いて、再循環流体の粘度の結果を出すことが可能となる。EP 1 284 369 A1又はEP 1 284 370 A1は、全て参照として組み込まれるための方法を開示する。粘度が医学的流体の処理のための装置、特定の場合では血液処理装置及びここでは特に血液透析装置の動作中に変化する、又は変化すると思われるため、決定された粘度は血液の流体状態における情報を表す。その後、現在の粘度が決定されている場合、ポンプ体積流量のより正確に補正された算出は、粘度の新規のオフセット値を用いて行われ得る。例えば医師により事前設定された限外濾過率のための、少なくとも1つの濾過値の特に有利な制御、及び事前設定された限外濾過目標の制御は、それにより実行される。
【0061】
この比較及びそれに基づく制御は、血液透析装置の調節及び/又は制御手段により、好適に実行される。この目的のために、別々の調節及び/又は制御手段は、血液透析装置に設けられ得る。しかしながら、調節及び/又制御手段が血液透析装置の中央調節及び制御ユニットにより、行われることも同様に可能である。
【0062】
これに関して、多くの調節及び/又制御手段は、有利に設けられる。
【0063】
粘度の決定が、遠心ポンプ手段の出口及び/又は入口が閉じられた測定モジュールで行われる場合には、血液の粘度の決定のための追加のセンサは不要である。粘度の決定が医学的流体の運搬の際に行われる場合に、少なくとも1つの追加の流れ測定センサが流量の決定のために必要となる。
【0064】
特に有利な実施形態では、遠心ポンプが非接触の磁気的方法で互いに接続された第1駆動部及び第2駆動部を有するように構成される。従って、遠心ポンプの第1駆動部から第2駆動部への力の伝達又はトルク伝達は、磁気結合により起こる。これに関して、遠心ポンプ手段の第2駆動部、すなわち、遠心ポンプのポンプロータ、並びに流入及び流出で対応するポンプチャンバがカセット様の方法で作られた使い捨て品の要素である場合、特に有利である。
【0065】
DE 102 24 750 A1に従うカセットに類似して作られ得る、そのようなカセット様使い捨て品は、血液透析装置の対応するマウントに挿入されることが可能であり、容易且つ明確な挿入は、対応する接続部により事前設定され得る。これに関して、特に遠心ポンプの第1駆動部は、血液透析装置自体、実際に、カセットのためのマウントの領域に設けられ得る。さらに、遠心ポンプの又は遠心ポンプチャンバへの流入及び流出のための閉鎖手段は、装置側に設けられるプランジャーにより形成されることが可能である。これらのプランジャーは、例えば、チャンネル様形状に形成された流入及び流出を遠心ポンプチャンバに押し入れる。
【0066】
限外濾過の制御のためのパラメータの決定の詳細を、以下に理論的に示す。
【0067】
最初に示した表1は、種々のヘマトクリット値において、粘度が密度よりも顕著に変化することを示す。本発明に従って、限外濾過値又は限外濾過のためのパラメータの制御は、血液の粘度の測定を参照して行われる。この測定は、血液で直接に行われ、使い捨て品の品質に依存しない。磁気的に支持された使い捨ての遠心ポンプは、測定のために用いられる。そのポンプは、透析器を通して血液を運ぶ。ポンプの入口及び出口の時々の閉鎖は、動翼を介する100%の再循環を生じる。再循環している流体の粘度は、ポンプの特定の駆動トルクにおける遠心ポンプのロータの速度を決定する。これに関して、ロータ速度は、周知の測定装置(例えばホールプローブ、速度計ケーブル)により測定され得る。ロータ速度は、動作電圧がロータ速度のための尺度として用いられ得るように、遠心ポンプの動作電圧にほぼ比例する。駆動トルクは、動作電圧が駆動トルクのための尺度として用いられ得るように、遠心ポンプの動作電流にほぼ比例する。遠心ポンプの既知のロータ速度及び既知の駆動トルクを用いて、再循環流体の粘度の結果を出すことが可能である。EP 1 284 369 A1又はEP 1 284 370 A1は、全て参照に組み込むための方法を開示する。医学的流体の処理のための装置、特定の場合では血液処理装置、ここでは特に血液透析装置の動作の際に、粘度が変化する、又は粘度が変化すると思われるので、決定された粘度は、医学的流体、特に血液の流体状態における情報を表す。
【0068】
その後、現在の粘度が決定されている場合、ポンプの体積流量のより正確に補正された算出は、粘度の新規のオフセット値を用いて行われ得る。
【0069】
血液の粘度の決定のための相互接続を以下に再び示す。
【0070】
Brookshier及びTarbellは、Biorheology (Volume 28: p. 569-587, Pergamon Press plc., USA 1992)に、血液の粘度のヘマトクリットへの依存について記載している。
η=1,4175+5,878・Hkt−15,98・Hkt
2+31,964・Hkt
3
ここで、HCTを%/100の単位で示し、ηをcPの単位で示す。
【0071】
遠心ポンプの水力トルクM
L、及び水力P
L=M
Lωは、ポンプ内の流体の密度ρ及び粘度vに依存するパラメータである。
【0072】
これに関して、さらに、密度と体積流量との間に線形接続がある。体積流量から独立し、同様に密度への線形の依存性を有する水力トルクの一部にも同様のことが言える。さらに、体積流量から独立する水力トルクの一部の粘度に対する非線形の依存性がある。遠心ポンプが磁気的に支持され、これにより機械的摩擦損失が全くないので、これは、主に羽根車とハウジングとの間の水力摩擦損失に起因するものである。
【0073】
所望の速度でポンプを通る通過流の閉塞において、以下の関係が水力トルクのために生じる。
M
L(Q=0)=ρ・(k
2(γ)・ω
2+k
1(γ)・ω)
これに関して、ポンプパラメータkは、粘度に対して二乗の依存性(squared dependence)を有する。ポンプは、上記のこれらの限界条件に基づいて、回転粘度計と同等に働く。
【0074】
一定の速度を用いる場合、算出の労力をかなり低減することができる。粘度は、以下のように算出し得る。
η=k
2M
L02+k
1M
L0+k
0
この関係は、図において4000rpmのロータ速度で示される。
【0075】
トルクは、遠心ポンプの電流のピックアップを介して決定され得る。このパラメータが既知である場合、粘度が得られ、それからヘマトクリットが決定され得る。ヘマトクリットを用いて、相対的な血液量が順に算出され、それは限外濾過の制御のための戻り値を有する。
【0076】
この点において、両方のポンプ側の簡素な閉鎖は、血液にダメージが生じないことも注釈しなければならない。