【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の目的は、請求項1の特徴を備える装置によって達成される。即ち、少なくとも一つの光学監視手段と、少なくとも一つの超音波監視手段と、少なくとも一つの信号評価手段と、を備える、液体又は流体における外来物を測定及び/又は監視装置であって、前記液体は、少なくとも前記光学監視手段と、少なくとも前記超音波監視手段による超音波と、により光学的に監視され、更に、特に空気泡及び/又は血液塊のような固体物である少なくとも一つの外来物が、取得された監視信号の組み合わせを参照して、前記信号評価手段により液体中にて認識され、及び/又は、前記信号評価手段により少なくとも一つの第2の外来物から識別される、ことを特徴とする測定及び/又は監視装置が提供される。
【0016】
液体はとりわけ血液であり、流体はとりわけ血流である。
【0017】
光学監視手段と超音波監視手段との監視信号の比較を参照して、少なくとも一つの外来物の認識又は少なくとも一つの第2の外来物から第1の外来物を識別のための監視信号の組み合わせが好ましくは行われる。
【0018】
外来物は、例えば、空気泡及び/又は血液塊のような固体物である。このような空気塊はとりわけ第1の外来物であり、血液塊のような固体物は装置により認識され且つ識別される第2の外来物である。
【0019】
外来物は、光学監視手段によって検知されるかどうかにかかわらず、超音波監視手段によって検知される場合、空気泡が認識される。通常の場合、好ましくは空気泡が、超音波監視手段及び光学監視手段によって検知される。しかしながら、空気泡の検出ではこの光学監視手段は絶対的に必要というわけではない。
【0020】
利点は、簡易且つ確実な操作の監視方法、即ち光学監視手段及び超音波監視手段の利用にある。光学監視手段では、例えば簡易な透過測定理論として使用される。また超音波監視手段では、ガス泡が探知できる概ね全ての測定理論が可能である。
【0021】
例えば、超音波監視手段の受信部は、液体ガイド路の側部に配置される。超音波パルスは送信機によって結合され、液体により液体ガイドへ流れる。液体中のガス泡は、音響信号を弱める。音響信号が液体ガイドを通過した後、信号は液体ガイド路の壁に入射され、対応して反射される。次いでこの信号は液体ガイドを再度通過し、受信部により受け入れられる。ガス泡が存在しようがしまいが、音響信号の評価を参照にして区別がなされる。
【0022】
光学監視手段及び超音波監視手段により得られる監視信号の結合評価により、単純且つ確実に空気泡及び/又は固体物の存在を認識することが可能となる。
【0023】
例えば、対応する信号評価手段は計算ユニットであり、その計算ユニットはコントロール及び/又は規制手段の計算ユニットであり、血液透析装置のような血液処理装置と連絡している。
【0024】
少なくとも超音波監視手段が信号トリガ事象としての少なくとも一つの外来物を記録する場合、若しくは、光学監視手段及び超音波監視手段が信号トリガ事象としての少なくとも一つの外来物を各々実質的に同時に記録して信号を出力する場合、液体中の1以上の空気泡が信号評価手段により認識される、並びに/又は、光学監視手段が信号トリガ事象としての少なくとも一つの外来物を記録する場合、及び、超音波監視手段が信号トリガ事象として極めて小さな外来物を認識しない又は実質的に同時に外来物を記録しない場合、液体中における特に血液塊のような固体物が、信号評価手段により認識される。同時の測定は、当然のことながら、光学監視手段及び超音波監視手段が同じ場所に配置される、又は、同じ位置で信号トリガ事象を記録する場合にのみ発生する。光学監視手段及び超音波監視手段が同じ場所に配置されない場合、又は、それらが異なる場所で信号トリガ事象を記録する場合、流速と不感時間とを考慮した補正が考慮される。補正を考慮にいれた前述の文章のように、実質的に同時の場合、信号トリガ事象の記録も同様に生じる。光学監視手段及び超音波監視手段は、好ましくは、微細な又は極めて微細な補正を伴って配置される。光学信号が受信された音響信号よりも実質的に大きい又は強い場合、塊が認識されることが考えられる。このように、塊は、得られた情報の相違を参照して探知される。
【0025】
光学監視手段は少なくとも一つの光学センサであるか又は少なくとも一つの光学センサを備え、及び/又は、超音波監視手段は少なくとも一つの超音波センサであるか又は少なくとも一つの超音波センサを備え、空気泡及び特に血液塊である固体物は光学監視手段により検出され、空気泡は超音波監視手段により検出される。照射の伝送が短期で増加するため、短く且つ強い信号増加により、光学センサは、空気泡に反応すると共に同じように血液塊にも反応する。反対に、超音波センサは、流れる空気泡を検出し且つ定量化するのみである。血液又は血漿と塊との間の密度差が非常に小さいため、超音波センサでは、塊の認識は困難である。結果として、光学センサのみが信号を産生し、且つ超音波センサが信号を産生しない場合、血液塊は血流に存在することになる。従って、両方のセンサ、即ち、光学センサ及び超音波センサが信号を産生する場合、1以上の空気泡が検知される。
【0026】
光学センサが少なくとも一つの光源を備えると共に、少なくとも一つの光検知器を備えており、この光源は好ましくは少なくとも一つのLEDであるか又は少なくとも一つのLEDを備えており、及び/又は、約805nmのピーク波長の狭帯域の近赤外光が光源から照射される。赤血球におけるヘモグロビンによる吸収は極めて少ない一方、酸素の含有とは無関係であるため、約805nmの波長域は、塊を検出する光学センサに極めて適切である。結果として信号の産生は、対応している撹乱因子及び信号歪曲から解放される。
【0027】
血小板は、805nmでは極めて低い吸収係数(計測不可能)を有しているが、光散乱が細胞(赤血球を有している)にて発生する。しかしながら、赤血球と比較して血小板の数及び大きさは極めて小さいため、即ち、血液細胞の99%は直径約7.5μmの赤血球であるため(血小板は直径1.5〜3μmである)、通常の場合(血栓の形成がない場合)、この散乱は無視される。凝固が始まると、血小板が凝集し、血栓を形成して大きな体積となる。これにより、結果として、測定経路内での吸収が少なくなり、805nmでの透過照射が増加する。
【0028】
光学監視により得られる監視信号がフィルタ処理されることにより、少なくとも一つのハイパスフィルタでの光学監視手段のダウン信号が整えられる。
【0029】
ハイパスフィルタは、好ましくは、数ミリ秒の固定間隔で監視信号が集積されると共に、浮遊平均値が所定数の前述の測定から決定されると共に電流積分結果から減算されるフィルタである。このようなフィルタにより、信号の単純評価が可能となるという利点を有する。このようなフィルタで、集積結果がローパスよりも重み付けが与えられる場合、短い変化が強調される間、基本信号解析が維持される利点を有するハイブーストフィルタが得られる。ハイパスフィルタ信号が閾値を超える場合、空気泡若しくは塊の何れかは測定経路を介して流動する。このような音響センサは、流速を考慮にいれて、それ自身の信号に近い信号を検出するが、それは空気泡の場合である。しかしながら超音波センサが何も登録しない場合、塊が検出される。
【0030】
概ね、他のハイパスフィルタも評価に適している。
【0031】
装置は、好ましくはホースキット又はホースキット若しくはカセット、特に使い捨てのカセットの一部、又は測定チャンネルといった液体ガイド手段が挿入される受容部を備えることが可能であり、及び/又は、装置は測定チャンネルを備えることが可能である。このようなホースキットは、特に、血液透析装置のための対外血液循環のホースキットとすることが可能である。更に、このような使い捨てのカセットは、血液透析装置のための体外血液循環の一部が改変されている使い捨てのカセットとすることも可能である。
【0032】
更に、装置は、光学監視手段も超音波監視手段も設けられている限定された測定経路又は測定点を備えている又は形成している。空気泡及び/又は血液塊の監視は、光学監視手段の超音波監視手段への空間的近接により向上が可能である。
【0033】
測定経路又は測定点が受容部中に配置されている及び/又は受容部に配置されている場合、及び/又は、測定経路又は測定点が光学監視手段の光源、超音波センサ及び光検知器の3つの面で、好ましくはこの順番で、囲まれており、好ましくは、光学監視手段の光源、超音波センサ及び光検知器が測定経路又は測定点をU字に囲む。非常に短い測定経路が、光源、超音波センサ及び光検知器のU字配列によって実現され、これにより測定経路の比較的正確な監視が可能となる。光学監視手段の産生された信号と超音波監視手段の産生された信号との間の時間オフセットは、ここでは可能な限り低いものである。
【0034】
光学監視手段及び超音波監視手段は、送信中に流れの方向と逆方向で配置されている。また、光学監視手段は送信中に流れの方向と逆方向で配置され、超音波監視手段は送信中に流れの方向の長手方向で配置されていることも可能である。
【0035】
装置は、少なくとも一つの保護手段及び/又は少なくとも一つの警告手段を備えており、及び/又は、少なくとも一つの保護手段及び/又は少なくとも一つの警告手段と連絡しており、好ましくは流量が保護手段により止められ、及び/又は、好ましくは警告が、流体中に認識される要素である空気泡及び血液塊のような固体物に与えられる。警告手段は、例えば、音響警告手段及び/又は光学警告手段である。警告表示が、警告音と同時に、例えば画面上に警告手段から出力される。保護手段は、例えばクランプであるか又はクランプを備えており、好ましくは流量ポンプのような駆動手段と協働する。外来物が液体中に認識された場合、流体は直ちに停止されて、対応する警告が出力されることが好ましい。空気泡又は血液塊が患者へ供給されることが抑制されるため、これは、血液透析において極めて重要かつ利点を有することである。
【0036】
保護手段及び警告手段は、概して血液処理装置における通常の要素であるが、透析装置のような血液処理装置の要素である。既存の要素を使用することができる利点は、血液処理装置の単純な修復が可能となることである。
【0037】
この装置は、特に透析装置といった血液処理装置の要素であり、又は、この装置は特に透析装置といった血液処理装置である。
【0038】
本発明は、更に、請求項11の特徴を備えている、液体又は流体中における外来物の測定及び/又は監視方法に関する。特に血液又は血流といった液体又は流体中における外来物を測定及び/又は監視するため、液体は、光学的に及び超音波により監視され、空気泡及び/又は血液塊のような固体物といった少なくとも一つの外来物が、液体中で認識され、及び/又は、取得された監視信号の組み合わせを参照して、特に取得された監視信号の比較を参照して、少なくとも一つの第2の外来物から識別される。本発明によれば、空気泡のような第1の外来物が、血液塊のような第2の外来物から簡易に安全に識別される。
【0039】
少なくとも一つの外来物が少なくとも超音波モニタにより液体中に認識される場合、又は、少なくとも一つの外来物が光学監視手段及び超音波モニタにより液体中にほぼ同時に認識される場合、1以上の空気泡が液体中に認識され、及び/又は、少なくとも一つの外来物が液体中に光学的に認識され、且つ、外来物が無い又は極めて小さい外来物が超音波により認識される場合、特に血液塊である1以上の固体物が液体中に認識される。光学監視手段と超音波監視手段とが同じ場所に設置される又は同じ場所で信号トリガ事象を記録する場合、同時の測定が行われる。光学監視手段と超音波監視手段とが同じ場所に設置されない場合、又は、異なる場所で信号トリガ事象を記録する場合、オフセットが考慮される、即ち、流速及びそれに付随する不感時間が考慮される。信号トリガ事象の記録は、オフセットを考慮することにより、前述の文章にてほとんど同時に生じるとした場合にも生じる。好ましくは、光学監視手段及び超音波監視手段は小さい又は極めて小さいオフセットと共にのみ配置される。光学信号が受診された超音波信号よりも実質的に大きい又は強い場合、塊が認識されうる。このように、得られた信号の相違を参照することにより、塊が検出されうる。
【0040】
更に、光学モニタにより得られた監視信号は、ハイパスフィルタにより濾過される。
【0041】
いかなる種類のハイパスフィルタもこの目的にとって概ね最適である。
【0042】
しかしながら、ハイパスフィルタが、監視信号が数ミリ秒の固定間隔で集積され、浮遊平均値が前述の測定から決定されて電流集積結果から減算されるフィルタである場合は、特に有利である。
【0043】
この方法は、請求項1乃至10の何れかに記載の少なくとも一つの装置を用いることにより実行される。
【0044】
本発明は、更に、請求項11乃至15の何れかに記載の方法を実行するために、請求項1乃至10の何れかに記載の装置の使用に関し、及び/又は、血液処理装置、特に透析装置において請求項1乃至10の何れかに記載の装置の使用にも関する。
【0045】
本発明は、更に、請求項17の特徴を備える、特に血液透析装置といった血液処理装置にも関する。特に透析装置といった血液処理装置は、請求項1乃至10の何れかに記載の少なくとも一つの装置である。
【0046】
本発明は、請求項18の特徴を備える血液処理装置の使用にも関する。血液処理装置、特に請求項17に記載の血液処理装置が、請求項11乃至15の特徴を備える方法を実行するために使用され、及び/又は、特に血液透析装置といった血液処理装置において使用される。
【0047】
本発明は、更に請求項19の特徴を備える使い捨て品にも関する。特に使い捨てのホースセット又は使い捨てのカセットといった使い捨て品は、請求項1乃至10の何れかに記載の装置において使用され、好ましくは請求項6乃至10の何れか1項に装置の受容部において使用される。
【0048】
本発明の詳細及び効果は、図面に示される発明の実施態様において、下記に詳細に説明される。