特許第5873899号(P5873899)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5873899
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】流体移送装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/524 20060101AFI20160216BHJP
   F16K 1/00 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   F16K31/524 A
   F16K1/00 M
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-131581(P2014-131581)
(22)【出願日】2014年6月26日
(62)【分割の表示】特願2013-32622(P2013-32622)の分割
【原出願日】2010年11月1日
(65)【公開番号】特開2014-206280(P2014-206280A)
(43)【公開日】2014年10月30日
【審査請求日】2014年6月26日
(31)【優先権主張番号】61/280172
(32)【優先日】2009年10月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504115013
【氏名又は名称】イー・エム・デイー・ミリポア・コーポレイシヨン
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ヒリアー
(72)【発明者】
【氏名】マーティン・シック
(72)【発明者】
【氏名】アーロン・バーク
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・アルマシアン
【審査官】 関 義彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−501367(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0133636(US,A1)
【文献】 特開平9−313896(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2060835(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31
F16K 1
B05B 1
A62C 31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向長さを有する弁であって、
上流側コンポーネントに装着する形状のフェースを含む第1端、下流側コンポーネントに装着する形状の第2端、前記第1端から第2端へと軸方向に伸延する穿孔、を有する胴部と、
前記穿孔内で弁開放位置及び弁閉鎖位置間を軸方向に可動であり且つ第1端及び第2端を有するプランジャと、
アクチュエータにして、フォークハンドル及び前記フォークハンドルから伸延し且つ一対のスプリットリングにより前記プランジャに作動上連結される一対のタインを有するフォークを含み、各前記スプリットリングが、半径方向内側に伸延するプランジャ係合部材、半径方向外側に伸延して前記アクチュエータとプランジャとを作動上連結するアクチュエータ係合部材、を含み、前記アクチュエータの作動により前記プランジャが前記弁開放位置と弁閉鎖位置との間で前記弁の軸方向長さを変化させずに軸方向において移動するアクチュエータと、
を含み、
前記弁が、前記プランジャの第1端が前記胴部のフェースと整合するとその閉鎖位置を取り、前記胴部のフェースと整列する前記プランジャの第1端が、スチーム受け表面を形成し且つ穿孔の残余の内側部分、プランジャ及び下流側コンポーネントの対環境無菌バリアを形成する弁。
【請求項2】
各前記タインが、半径方向外側に伸延する前記アクチュエータ係合部材の各1つと係合する溝を含む請求項1に記載の弁。
【請求項3】
各前記スプリットリングが第1及び第2のスプリットリングカラーを含み、各スプリットリングカラーが、前記胴部の外壁及び前記アクチュエータの内壁間に配置される形状を有する請求項1に記載の弁。
【請求項4】
半径方向内側に伸延するプランジャ係合部材及び半径方向外側に伸延するアクチュエータ係合部材が、第1及び第2の各スプリットリングカラー間で位置決めされる請求項3に記載の弁。
【請求項5】
胴部が、胴部の外壁上に離間状態に位置決めした半径方向に伸延する環状外側フランジを更に含み、アクチュエータの各スプリットリングが、半径方向内側に伸延する部分にして、当該部分のある長さ部分が前記環状外側フランジのある長さ部分と相互に接触する部分を更に含む請求項3に記載の弁。
【請求項6】
マニホルドアセンブリユニットであって、
送給物ポート及び透過物ポート、前記送給物ポートと流体連通する一対の弁、前記透過物ポートと流体連通する一対の弁、を有するフィルタカプセルを含み、
各前記弁が、軸方向長さを有し、且つ、上流側コンポーネントに装着する形状のフェースを含む第1端、下流側コンポーネントに装着する形状の第2端、前記第1端から第2端へと軸方向に伸延する穿孔、を有する胴部と、前記穿孔内で弁開放位置と弁閉鎖位置との間を軸方向に可動であり且つ第1端及び第2端を有するプランジャと、アクチュエータにして、フォークハンドル及び前記フォークハンドルから伸延し且つ一対のスプリットリングにより前記プランジャに作動上連結される一対のタインを有するフォークを含み、各前記スプリットリングが、半径方向内側に伸延するプランジャ係合部材、半径方向外側に伸延して前記アクチュエータとプランジャとを作動上連結するアクチュエータ係合部材、を含み、前記アクチュエータの作動により前記プランジャが前記弁開放位置と弁閉鎖位置との間で前記弁の軸方向長さを変化させずに軸方向において移動するアクチュエータと、
を含み、
前記弁が、前記プランジャの第1端が前記胴部のフェースと整合するとその閉鎖位置を取り、前記胴部のフェースと整列する前記プランジャの第1端が、スチーム受け表面を形成し且つ穿孔の残余の内側部分、プランジャ及び下流側コンポーネントの対環境無菌バリアを形成するマニホルドアセンブリユニット。
【請求項7】
前記送給物ポートと流体連通する前記弁が共軸整合される請求項6のマニホルドアセンブリユニット。
【請求項8】
前記透過物ポートと流体連通する前記弁が共軸整合される請求項6のマニホルドアセンブリユニット。
【請求項9】
前記送給物ポートと流体連通する前記弁及び前記透過物ポートと流体連通する前記弁が、共通平面内で共軸整合される請求項6のマニホルドアセンブリユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ここに参照することにより本明細書に含まれるものとする2009年10月30日付で提出された米国仮出願特許第61/280,172号の優先権を主張するものである。
本発明は、流体移送装置及び当該流体移送装置を具現するシステムに関する。或る実施例において、本発明は、製薬及び生物製剤の業界における使用に特に適した弁形態の、使い捨て性の、滅菌された流体移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製薬、生物製剤、そして食品、飲料、化粧品業界においてさえ、流体を滅菌状態下に取り扱い得るプロセスシステムの提供が望まれる場合がある。それは、バクテリア等の無用且つ危険性のある有機物のみならず、プロセスストリーム及びまたは最終製品への埃、汚染等の環境汚染物の侵入防止を図るためである。完璧なシールが望ましいが、製造プロセス上常に可能であるとは限らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
製品の、媒体または緩衝剤等の成分をバイオリアクターに添加するための、また細菌汚染、品質管理、プロセス管理等の検査上、プロセスストリームからサンプルを抜き出すための、プロセスストリームに関する材料の導入または除去、そして、製品をびん、注射器、シール済み箱、ボトルその他等の最終容器内に充填する必要がある。
【0004】
代表的には本システムはステンレススチールで作製され、使用前にライブスチームに曝露され、使用後は苛性溶液等の化学物質で洗浄され、かくして全汚染物除去が保証される。
【0005】
スチーム曝露は滅菌手段として最も有効である。固定システムでのスチーム使用は定置スチーミングまたはSIPとして既知である。飽和スチームの担持するBTU伝熱容量は、液化するスチームからの潜熱釈放により、加熱空気のそれの200倍となる。しかしながらスチーム使用は幾つかの欠点を伴う。システムの定置スチーミング後に設けた連結部または開口はシステム汚染防止上無菌化されるべきである。この無菌化は無菌コネクタを用いれば可能であるが、その手順がシステム全体における汚染の恐れを増大させる。汚染の恐れを最小化するには、代表的には、アルコール拭き取りまたは裸火で被連結コンポーネンツ(例えば、SIP後におけるシステムへのサンプル収集バッグ連結)を清浄化する。
【0006】
また、スチームの高温及び圧力差がフィルタの材料や成分の選択を非常に困難化及び限定し、高温下の突発的圧力差が、フィルタ、膜あるいはその他の非スチール製コンポーネントを故障させることさえある。
【0007】
更には、それらシステムの再利用に際しては、各使用前に当局にシステムの無菌性を証明するべく厳しい試験及び検証を実施する必要がある。検証のみならず、要求される浄化レジメントは非常に高額で且つ極めて時間浪費的(代表的には認可まで1〜2年を要する)である。加えて、使用後、次回使用に備えた適切浄化が非常に困難なコンポーネントもある。製造業者は、製品販売上のコストや時間を共に低減させる方法を模索中である。1解決策となり得るのは、滅菌様式下にセットアップし、使用後は廃棄する全廃棄性システムの採用である。
【0008】
生物製剤製造業者が全廃棄性のろ過溶液を好むのは浄化及び資本設備コストが低い故である。ユーザーは個々のコンポーネントを購入してそれらを所望の流体流路に組み立てるか、ミリポア社のMobius(商標名)溶液等の予め組立てられた流路を購入する。一般に、これら各コンポーネンツまたはアセンブリはガンマ線照射によりベンダーで予備滅菌される。これにより、製品上の生育微生物数、即ち生物負荷が減少し、ユーザーは高レベルの無菌保証を入手できる。
【0009】
アセンブリの完全滅菌化は保証できないが、環境汚染の恐れを低減させる方法は存在する。予備滅菌済みアセンブリは、実証済み無菌手段で連結する無菌コネクタ付きのミリポア社のLynx(商標名)S2Sの如く市販されている。この種のコネクタは環境要因汚染のコントロール上役立つ。直接的に自己滅菌可能なフィルタアセンブリ、例えば、ミリポア社のLynx(商標名)STを発注する顧客もある。この種のコネクタは、環境からの予備滅菌済みろ過エリアの仕切弁として作用する。連結方法及び滅菌保証性は極めて重要であり且つ改善の余地がある。
【0010】
使い捨て性のフィルタカプセルは、市販され、予備滅菌され且つ共通の無菌2重バッグ内にパッケージされ、かくして顧客は組み立てプロセスに沿った種々ステップで一度に1つのバッグを取り外すことで、生物負荷を管理できる。しかしながら、再使用済み及び使い捨て性のコンポーネントを相互組み立てした後、共に滅菌する簡単な手段が存在しないのでこのカプセルを非使い捨て性機器と共には使用できない。フィルタ膜は定置スチーミング(SIP)に耐え得るが、カプセルハウジングは軟化し、高圧及び高温曝露中に破断し得る。厳しい条件に耐える高性能材料を使用する製造業者もあるが、製品コストは増大する。高性能材料を使用した場合でさえ、カプセルは無菌的に組み込む必要がある。
【0011】
加えて、例えば製薬業者がカプセル型フィルタを使用する場合は、1つのフィルタを他のフィルタから隔絶し、組み立て中の滅菌性を保持する、または、例えばカプセルに至る流路を滅菌する必要が生じ得る。また、複数のカプセル型フィルタがしばしば並列または直列使用され、かくして各フィルタを相互連結する必要がある。並列接続能力を提供する一体型のカプセルコネクタは外部配管が回避される点で有益である。
【0012】
従って、既存の再利用可能なプロセス処理機器または使い捨て性機器に装着可能で、環境露出を減少させつつ定置スチーミング等で滅菌可能な前滅菌済みカプセルの提供が所望される。一体型の前滅菌済みカプセルを装着したろ過ユニットのみならず、1つ以上の、前滅菌済みカプセルを含むマニホルドアセンブリの提供もまた所望される。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本明細書に開示する流体移送装置は流体(例えば、液体または気体)用の滅菌移送装置に関する。ある実施例において本装置は、その内側部分の少なくとも一部を貫いて形成した穿孔を有する胴部を含む。該穿孔は胴部の全長を貫いて中心軸線に沿って形成した穿孔であることが好ましい。穿孔内には可動のプランジャが収納される。ある実施例では、プランジャは胴部の軸方向寸法を変化させることなく移動するが伸縮はしない。胴部の第1端は上流側コンポーネントに装着する形状のフェースシールを含む。胴部の第2端はフィルタ、パイプライン、サンプルバッグその他等の下流側コンポーネントに連結される。プランジャは胴部の各端部に相当する第1及び第2の端部を有する。プランジャの第1端は、その閉位置では胴部のフェースシールと整合し、フェースシールと共にスチーム受け表面を形成すると共に、胴部の残余の内側部分、プランジャ及び下流側コンポーネントの対環境無菌バリアとなる。外側の環状カラーは胴部に関して回転自在であり且つプランジャをその開位置から閉位置へと穿孔内で軸方向に移動させる。
【0014】
ある実施例では、下流側コンポーネントを装置に組み込み、閉位置で配置する。装置全体及び下流側コンポーネントはガンマ線照射等により滅菌処理され得る。使用に際し、装置及び下流側コンポーネントをフェースシールを介して、フィルタ出口、タンク出口、またはパイプの“T”字継ぎ手に装着し、然るべく固定する。次いでシステム及び装置のフェースシールを然るべくスチーム滅菌処理する。次いで装置を必要に応じて選択的に開放させ、装置を貫いて下流側コンポーネントに至る滅菌済み流路を確立させる。
【0015】
かくして、流体移送装置は、伝統的なスチール製システム、または使い捨て性システムにおいて用い得るコネクタにして、システムに対するコネクタ接合部のスチーム滅菌用手段のみならず、使用後に再浄化せずに配置可能な予備滅菌済み下流側エリアまたはコンポーネントを提供するコネクタを提供する。コネクタは非伸縮性の可動結合であることから装置動作によってはその長さが変化しないため、ユーザーは固定位置の各配管間にカプセルフィルタを組み込み得る。フェースシールはその遮断性及び形状により、上流側または下流側の各コンポーネントまたは配管の滅菌処理で使用され得るスチームからカプセルフィルタを仕切る。
【0016】
ある実施例では、コネクタまたは弁は、穿孔を有する胴部、前記穿孔内を弁開位置及び弁閉位置間を軸方向に可動のプランジャ、該プランジャに作動上連結したカムアクチュエータ、を含み、当該カムアクチュエータは作動するとプランジャを穿孔内で弁開位置から弁閉位置に軸方向に移動せしめる。ある実施例では弁は、半径方向内側に伸延する一対のプランジャ係合部材と、半径方向外側に伸延する一対のカムアクチュエータ係合部材とを含み、各部材はカムアクチュエータ及びプランジャ間を連結する。ある実施例では、カムアクチュエータは第1及び第2の各カラーを含み、各カラーは前記半径方向外側に伸延するカムアクチュエータ係合部材の各1つを摺動関係下に受ける溝を有する。
【0017】
本発明の流体移送装置によれば、多数のフィルタが直列または並列下に構成され得る有効なマニホルディングが可能となる。それにより、例えば、異等級フィルタの直列使用、単一等級リダンダントフィルタの直列使用、並列化によるフィルタ総面積の大型化、使い捨て性のカプセルハウジングへの接続、アセンブリコンパクト化による接地面積低減、が可能となる。多数のカプセル送給物入口を組み込み、外部マニホルド配管を要すること無く送給物共通ポートを共有できる。アセンブリの健全性試験の実施も容易化され得る。種々の流体移送装置を適正構成化することで、例えば、個別のカプセルフィルタをマニホルド構造から取り外さずにその健全性試験を実施し得る。
【発明の効果】
【0018】
既存の再利用可能なプロセス処理機器または使い捨て性機器に装着可能で、環境露出を減少させつつ定置スチーミングによる等で滅菌可能な予備滅菌カプセルが提供され、一体型の予備滅菌カプセルを装着したろ過ユニットのみならず、予備滅菌カプセルを含む1つ以上のマニホルドアセンブリが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、1実施例に従う、流体移送装置の閉位置での断面図である。
図2図2は、1実施例に従う、流体移送装置の開位置での断面図である。
図3図3は、1実施例に従う流体移送装置の胴部の斜視図である。
図4図4は、1実施例に従うプランジャの斜視図である。
図4A図4Aは、1実施例に従うプランジャの断面図である。
図5図5は、1実施例に従うスプリットリングの斜視図である。
図6図6は、1実施例に従うカラーハーフリングの斜視図である。
図7図7は、1実施例に従う流体移送装置の分解斜視図である。
図8図8A−8Fは、1実施例に従う、異なる構成下に多数のフィルタカプセルを連結した流体移送装置の各概略図である。
図9図9は、1実施例に従う、多数の流体移送装置を備える単一のフィルタカプセルの斜視図である。
図10図10は、1実施例に従う流体移送装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1図3を参照するに装置2が示され、第1端6及び該第1端6から離間した第2端8を有する胴部4を含んでいる。胴部4は、第1端6から第2端8に軸方向に伸延する穿孔10をも有する。ある実施例では穿孔10はその断面が全体に円形である。第1端6は半径方向外側に伸びる環状フランジ11を有することが好ましい。当該環状フランジのシール用前フェースは、当該シール用前フェースの取り付けコンポーネントに対するシールを助成するO−リングその他(図示せず)を受ける環状溝19を含む。第2端8もまた、半径方向外側に伸びる環状フランジ11’を有し、当該環状フランジ11’もやはり、シール用前フェースの取り付けコンポーネントに対するシールを助成するO−リングその他(図示せず)を受ける環状溝19’を含み得る。穿孔10の内径は、第1端6付近で環状壁21の確定する小径部分にテーパする部分を除き、実質的に一定であることが好ましい。
【0021】
胴部4の外壁上からは、図3に最も良く示されるように、環状外側フランジ28及び2
8’が半径方向に伸延する。各環状外側フランジは以下に詳しく説明するようにカムアクチュエータカラー50の位置決めに際して機能する。対向位置決めされ、好ましくは楕円形状の一対のカムスロット51、51’が以下に詳しく説明するように胴部4内に形成される。
【0022】
穿孔10はプランジャ18(図4図4A)を受ける構成を有する。ある実施例ではプランジャ18は、以下に詳しく説明する如く、作動すると穿孔10内を摺動する構成を有する。従って、ある実施例ではプランジャはその断面が全体に円形であり、その外径部分は、弁開位置から弁閉位置と当該プランジャが摺動する胴部4の穿孔10の内径よりもやや小さい。カムスロット51、51’の軸方向長さは胴部4の穿孔10内でのプランジャ18の移動距離設定に用い得る。プランジャの主胴部30は、当該プランジャ18を胴部4の内壁または穿孔10に対するシールを助成するO−リング31’あるいはその他を受ける1つ以上の環状溝31(図4には2本を示す)を有し得る。
【0023】
プランジャ18の、主胴部30から軸方向に伸延するシール端20は図1に最も良く示すように穿孔10の、半径方向内側に伸延する環状壁21に対してシールされる形状を有する。かくして、環状壁21付近における穿孔10の内径は胴部4における当該穿孔10のその他部分の内径よりも小さい。プランジャ18のシール端20内の環状溝内には、環状壁21に対する有効液密シールを形成する1つ以上のO−リング22あるいはその他を配置し得る。プランジャ18は、流体を下流側コンポーネントまたは配管(図示せず)に連結させる1つ以上の開口26のみならず流体チャネル27を含む。各開口26は、図示される如く、プランジャ18の円周方向に沿って等間隔に離間され、主胴部30をシール端20に連結するテーパ付け部分内に位置付けることが好ましい。主胴部30は、以下に詳しく説明するように、対向位置決めした半径方向内側に伸延するプランジャ係合手段62孔52、52’を含む。
【0024】
図4Aには他の実施例におけるプランジャ18’が例示される。図4Aの実施例では、
図示の如く各O−リングを受けることでシール性を改善し、かくして非滅菌環境と、流体移送装置の滅菌内容積部分との分離性を改善する追加のシール用溝がプランジャ内に設けられる。
【0025】
プランジャ18は、当該プランジャの弁閉鎖用のシール位置(図1)または弁開放用の全開位置(図2)に拘わらず装置2の長さが変化しないよう、その全体を胴部4の穿孔10内に収納することが好ましい。従って、ある実施例ではプランジャ作動用のカムメカニズムを好ましく使用する。カムメカニズムには、図5に示す如き一対のスプリットリング60、60’と、図6に示す如き、一対のスプリットカムアクチュエータカラー50、5
0’とが含まれる。
【0026】
各スプリットリング60、60’は同一で且つ図1に示す如き半径方向内側に伸延する
プランジャ係合手段62と、半径方向外側に伸延するカムアクチュエータカラー係合部材63とを含むことが好ましい。ある実施例では、半径方向内側に伸延するプランジャ係合手段62と、半径方向外側に伸延するカムアクチュエータカラー係合部材63とは、スプリットリングの孔を両方向に貫いて伸延する単一部材である。あるいは2つの別個の部材をスプリットリング上に形成または装着し得る。半径方向内側に伸延するプランジャ係合手段62は、図1及び図2に示す如く、プランジャの主胴部30上の孔52に受けられる形状を有するピンであることが好ましい。半径方向外側に伸延するカムアクチュエータカラー係合部材63は、各カムアクチュエータカラー内に設けた各傾斜溝70、70’内に載置する形状を有するピンであることが好ましい。
【0027】
図6に示すように、各カムアクチュエータカラーは、ユーザーが当該カラーを手掴みで廻し易くするローレット溝付き外壁を含むことが好ましい。各アクチュエータカラーの内壁には、組み立て状態に、各スプリットリングカラー60、60’の、各半径方向に伸延するカムアクチュエータカラー係合部材63を摺動関係下に受ける構成を有する傾斜溝70、70’を設ける。
【0028】
組み立て状態において、プランジャ18は胴部4の穿孔10内に位置決めされ、各スプリットリングカラー60、60’は胴部4の外周部分に沿って位置決めされ、かくして、半径方向内側に伸延するプランジャ係合手段62各カムスロット51、51’を貫いて突出し、プランジャ18内の相当する孔52により受けられる。その結果、各スプリットリングカラー60、60’が軸方向に動くと、相当する半径方向内側に伸延するプランジャ係合手段62が相当するスロット51または51’内で摺動し、また、半径方向内側に伸延する各プランジャ係合手段62がプランジャの孔52内に係合することから、プランジャ18は軸方向にも移動する。
【0029】
カムアクチュエータカラー50、50’は、各スプリットリングカラー60、60’の各半径方向に伸延するカムアクチュエータカラー係合部材63がカムアクチュエータカラー50、50’内の各傾斜溝70、70’により摺動関係下に受けられるよう、各スプリットリングカラー60、60’の周囲に然るべく固定される。その結果、カムアクチュエータカラーが回転するとカムアクチュエータカラー係合部材63が各傾斜溝70、70’に載置せしめられる。カムアクチュエータカラー50、50’は、各カラー内に孔72を設け2つのカラーを相互にネジ止めする等の任意の好適な方法により然るべく固定され得る。各傾斜溝70、70’の少なくとも一部分は、カムアクチュエータカラー係合部材63が溝内を摺動する際に軸方向成分をも持つように水平方向に関して傾斜される。かくして、前記傾斜溝の勾配及び長さに関する傾斜の度合いを用いて、胴部4の穿孔10内でのプランジャ18の移動長を制限させ得る。例えば、ある実施例では各傾斜溝70、70’の傾斜は図6に示す如く漸進的且つ一定であり得る。他の実施例では各溝の傾斜は、各カラー50、50’の終端付近では弱くまたはゼロとされ、当該傾斜の弱いまたはゼロの各部分間では比較的強くされ得る。カラー50の傾斜溝70は、当該カラー50が組み立て状況下にカラー50’と合致すると傾斜溝70の両端がカラー50’内に進入するように位置決めされる。同様に、カラー50’の傾斜溝70’は、当該カラー50’が組み立て状況下にカラー50と合致するとカラー50’の傾斜溝70’の両端がカラー50内に進入するべく位置決めされる。(例えば、図7の70a及び70b)
【0030】
更に他の実施例において、図10に示す如きフォーク及びピボットメカニズムをスプリットリングカラー60、60’に係合させて当該スプリットリングカラーを捕捉し、フォークを楕円状に横移動させてスプリットリングカラーを横移動させる前記フォーク及びピ
ボットメカニズムが使用され得る。フォーク80のピボットはフォークハンドル81を、第1端6方向に移動すると流体移送装置が閉位置に移動するよう胴部4に連結する。ユーザーがフォークハンドルを第2端8方向に移動すると流体移送装置が移動する。フォークは任意の好適法、例えば、フォークの各タインに、対向配置したピボット82、82’(図示せず)と係合する座ぐりを設け、ネジその他を利用してフォークをピボットに固定する、等により然るべく固定し得る。各ピボットは胴部4の一部として、または溶接またはネジ等のその他手段により胴部4に装着した別の部片として形成し得る。各フォークはその少なくとも一部に対向配置した溝83、83’(83のみを示す)を含み、当該各溝は、前記外側に伸延するカムアクチュエータカラー係合部材63、63’(図では63のみ
を、ハッチング付きで表示)と係合することで、スプリットリングカラー移動に関する機
械的利益を提供する。かくして、溝83、83’の勾配及び長さに関する傾斜の度合いを
用いて、胴部4の穿孔10内でのプランジャ18の移動長を制限させ得る。
【0031】
別の実施例ではスプリットリングカラーを係合させ、ラックアンドピニオンシステムま
たは単純プッシュプルメカニズムを用いて軸方向動作させ得るが、この場合はここで説明した他の実施例に関する機械的利益は得られない。
ある実施例では装置2を、胴部4の一部として形成したサニタリフランジ11を介して
上流側コンポーネントまたはパイプに装着させ得る。サニタリフランジ11は、Tri−Clover(商標名)フィッティング、Ladish(商標名)フィッティング、ClickClamp(商標名)クランプその他等のクランプを利用して上流側コンポーネントまたはパイプに装着し得る。スチーム処理等の滅菌処理を使用して必要または所望のインターフェース部分を滅菌処理し得る。
【0032】
ある実施例では、ユーザーが流体移送装置が開または閉の何れの位置かを判断し得る手段を設け得る。他の装置に関しては可視整合マーク付きのLynxST(商標名)コネクタ等が一般的であるが、前記手段を改善する具体的構成は他にもある。それら具体的構成の1つには、例えば、スプリットリングカラー60を目立つ色とし、カムアクチュエータカラー50に、溝70の端部、例えば70aと並ぶ孔または透明窓を設けたマルチカラードコンポーネントの使用がある。流体移送装置を全閉位置とするとスプリットリングカラー60’の色がカムアクチュエータカラー50の窓を通して見えるようになる。
【0033】
前記全閉位置は、電子センサをセンサリーダに係合させた電子手段を介しても判定され得る。RFIDタグを軸方向移動コンポーネント、例えばシール用端部20内に位置決めし得る。次いで、流体移送装置の外側に位置付けたRFIDリーダーを用いてRFIDタグからの検出範囲内の信号を検出し得る。当該信号は前記可動コンポーネントの相対位置を表示し得る。
【0034】
流体移送装置をフィルタカプセルの入口及び出口の各ポート上に設けることで、マニホルディング用の改良手段、またはユーザーの要求に合うカプセル構造を実現させ得る。特筆すべきは、外部マニホルド配管を必要とすることなく、多数のフィルタカプセルを相互連結するカスタム配管量が低減される。例えば、図9に示すように、送給物(91、及び91’)及び透過物(92、92’)用の各流体移送装置を、各軸(夫々94及び93)を共通平面95を有する状態下に並列化させた状態で一体化させ得る。当該具体構成によれば、既存アセンブリ内の接続方法が改善され、カプセルのアセンブリを任意の直交軸、例えば96から、流れストリーム(97)の軸方向で内外にスライド配置し得る。
【0035】
並列構成のカプセルフィルタにおいて、上流側の送給物の軸94は相互連結して図8Cに示す如き共通送給物ラインを創出する。プロセス処理に先立ち且つユーザーのシステム内への各フィルタ組み込み中に、全ての流体移送装置は閉(塗りつぶしで示す)位置に維持される。ユーザーは、フィルタの並列構成化が所望される場合は図8Cに示すように組み立て得る。ユーザーは、プロセスろ過能力の全体的向上またはその他プロセス上の改善を達成したい場合に並列構成を選択し得る。組み立て中、単一送給物が流体移送装置V−1Aに連結され、ユーザーの単一透過物はユーザーの透過物ラインに関する流体移送装置V−3Bに連結される。プロセス処理中、各流体移送装置は開放(白抜きで示す)され、かくして目的透過物がV−1Aを図で左側のフィルタ表面を横断して貫き、V−4Aを出、当該V−4Aと流体連通するV−1Bを介して第2フィルタに入る。
【0036】
目的透過物がフィルタ表面以前の上流側容積部分に充満すると、当該透過物は両フィルタ表面を横断して流動し、両カプセルを出る。2つの流体移送装置、V−2A及びV−4Bはその構成上閉(塗りつぶしで表示)状態に維持され、かくしてV−3Aを出る透過物をV−2B(V−3Aと流体連通する)内に流入させ、同様にV−3Bから流出させてユーザーの単一透過物ラインに流入させる。ユーザーによる流体移送装置開閉プロセスを改善し得る他の構成が存在する。フィルタカプセルと一体化させた流体移送装置において、ユーザーは各フィルタカプセルを相互にカスタムマニホルドを作製する必要無く、十分なカプセルフィルタから成る並列構成に相互にマニホルディングするべく選択し得る。その他の実施例も本発明の範囲内のものとする。
【0037】
図8Dに示す如き直列構成のカプセルフィルタにおいて、ユーザーは、例えば、目的透過物を類似または非類似の2つのフィルタに通す2重ろ過を実施し、かくして、単一のフィルタの漂白またはその他所望のプロセス条件に基づく汚染の恐れを低下させ得る。全ての流体移送装置はプロセス以前及び組み込み中は閉状態に維持される。ユーザーの送給物ラインはV−1Aに連結され、透過物ラインがV−2Bに連結される。第2フィルタ装置は、その送給物流体移送装置であるV−4Bを第1フィルタの透過物流体移送装置V−3Aと流体連通状態に配置することにより配向処理される。プロセス処理中、所定の流体移送装置が閉状態に維持され、かくして目的透過物がV−1Aに入り、フィルタ表面を横断して流動してV−3Aを介して第1フィルタを出た後、V−4Bを介して流体連通する第2フィルタに入る。目的透過物は第2フィルタ表面を横断して流動し他後、V−2Bを出る。ユーザーはその他構成の、直列構成の開閉する流体移送装置を用いてプロセス処理を単純化し得る。その他実施例は本発明の範囲内のものとする。
【0038】
単数あるいは複数の流体移送装置は、これを単数あるいは複数のカプセルフィルタとして組み立てた後、閉鎖され且つ、製造者による例えばガンマ線照射等の最終滅菌処理を経て無菌下にユーザーに供給され得る。当該状況において、ユーザーは組み込み及び使用準備状態の予備滅菌カプセルフィルタを受け取る。ミリポア社のOpticap(商標名)ユニット等のあるフィルタカプセルは一体化した流体移送装置を有さない。組み立て及びプロセス処理中、これらフィルタは目的透過物の導入以前に無菌状態化されるべきである。ユーザーはこれらフィルタを自分のシステムに組み込み、このシステムをオートクレーブ処理または定置スチーミング(SIP)処理し得る。
【0039】
システムアセンブリ全体のオートクレーブ処理は長時間を要し、オートクレーブ出し入れのためにアセンブリが複雑化される。ユーザーがSIP実施を選択する場合は、全プロセス処理時間に渡る高温及び高圧に安全に耐えるフィルタを選択すべきである。ここに開示する各実施例によれば、カプセルの内側をSIP条件から隔絶可能となり、コアの内部構造のコスト、重量、または製造上の考慮事項に一段と適した別の及びそのファミリー材料を選択可能となる。例えば、2つのタイプのOpticap(商標名)フィルタが販売される。その一方はガンマ線照射による滅菌処理には耐えるがSIP条件耐性は無い。他方はSIP及びオートクレーブ条件耐性を持つが、ガンマ線照射滅菌処理中に崩壊する。
【0040】
ある実施例において、流体移送装置をオートクレーブ、SIP、ガンマ線照射滅菌の各耐性を持つ材料から構成し得、フィルタ内部には、ポリエステル、ナイロン、その他のもっと経済的な低コストの熱可塑性材料を選択し得る。組み立て及び引き続くスチーム滅菌プロセスの間、単数あるいは複数の装置は閉状態に維持され、かくして無菌状態が維持される。滅菌処理後、各弁を開放し、単数あるいは複数のカプセルの内側をプロセスストリームに露呈させる。
【0041】
ここに開示した各実施例によれば、フィルタカプセル構成に関する健全性試験が改善され得る。健全性試験には一般に、試験仕様に対する試験結果の一致確認が含まれる。例えば、一般に、業界では空気拡散流量試験を実施してフィルタの健全性を試験する。流量が試験仕様より大きい場合は、フィルタは、欠陥による増分フローが追加される不完全状態にあると見なされる。当業者が実証し得る如く、健全性試験により共通試験ポートへのフィルタ組み込み数が多くなる程、フィルタ製造上の自然変動及びハウジング大型化による熱力学的効果に基づくエラーが増大する。ここで開示した各実施例によれば、個別のフィルタカプセルが隔絶され、かくして健全性試験法が改善される。
【0042】
例えば、図8Aには代表的な単一フィルター使用構成が示され、図8Bには健全性試験用の種々の流体移行装置が、健全性試験の圧力が流体移行装置V−5に連結され得る簡易構成で示される。試験中、その他の流体移行装置はV−3を除き閉状態に維持される。当該構成は好ましいものではあるが、ユーザーはカプセルフィルタへの配管または連結部を再配置することなく、その他の構成を選択し得る。
【0043】
図8E及び図8Fに夫々示す並列及び直列の何れかの形態での健全性試験の実施に際し、追加的な流体移行装置に試験圧力を連結する。当該追加的な流体移行装置では試験実施中の本来の流体連結が維持可能とされる。ミリポア社のOpticap(商標名)等の代表的フィルタは仕切弁を持たないため、ユーザーは連結した全フィルタの健全性試験をまとめて実施する必要がある。少量の漏れは全フィルタの追加流れに含まれて分からない。しかしながら、一体型の流体移行装置を備えるカプセルフィルタによれば、ユーザーは試験中に各フィルタカプセルをその他フィルタカプセルから隔絶し得るのでバックグラウンドリークに関わる全ガス流量を低下させ得る。開示した本発明の各実施例では各フィルタの試験を、流体間連結に関する漏れの有無を表示するプロセス処理形態下に実施し得る。一般的な試験方法として閉じた高圧を用いる圧力保持法が既知であるが、その他方法を使用可能である。例えば、図8Cに示すそれと類似の並列形態において、試験圧力はV−1A、V−2A、V−4B、V−3Bを閉じた状態下にV−5Aに接続する。ユーザーは、V−4A、V−1B、V−3A、V−2Bを開放して試験圧力を各カプセル間の相互連結点に印加させ得る。これにより、ユーザーはハウジング試験を実施し得、相互連結部位置での漏れが試験圧力の変化により表示される。
【0044】
図8Fに示す如き直列流路形態を有する一体型の流体移行装置を備える一組のカプセルフィルタの健全性試験方法が説明された。試験圧力は、V−4A及びV−3Aを閉じ、V−2Aを開放した状態下にV−5Aに連結される。健全性試験の進行に伴い、V−2Aの出口位置で流量測定を実施し、図で左側のフィルタの健全性を決定し得る。しかしながら、V−2Bからの流量測定を実施しないと、既存の各フィルタにおいて一般的である如く下流側と考え得る右側のフィルタを左側のフィルタと別個には試験できない。ここに開示した各実施例によれば、プロセス処理開始時に確立された流路の滅菌性を損なうこと無く直列状態の両フィルタを健全性試験する新規方法がユーザーに提供され得る。
【0045】
例えば、図8Dの直列プロセス処理形態において、ユーザーの流体は、他方の流体移送装置が図示の如きである状況下にV−1Aから流入してV−2Bを出る。各流体移送装置に隣り合う領域は何れも滅菌される必要があるが、2つのフィルタの健全性試験を実施し、V−2Bよりも下流側の滅菌性は健全性を保ち且つ妨害されないことが有益である。流体移送装置を持たない一般的なカプセルフィルタでは実際のガス流量測定に際して下流側の流体連結部を取り外す必要がある。しかしながら、ここに開示した各実施例によればユーザーはV−5Aを用いて実際のガス流れを使用した健全性試験を実施し得る。本実施例では、2つのフィルタはプロセス処理上、図8Fの如く配置される。図で右側のフィルタを試験するに際し、V−1B、V−4B、V−2B、V−1A、V−2A、V−3Aを閉じた状態(図示せず)下にV−5Bに試験圧力を印加する。試験ガスは図で右側の膜面を貫き、開放弁V−3B、V−4Aを貫いてV−5Aに入る。当該V−5A位置で実際のガス流量が測定され得る。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0046】
2 装置
4 胴部
6 第1端
8 第2端
10 穿孔
11 環状フランジ
18 プランジャ
19 環状溝
20 シール端
21 環状壁
22 O−リング
26 開口
27 流体チャネル
28 環状外側フランジ
30 主胴部
31 環状溝
50 カムアクチュエータカラー
51 カムスロット
52 孔
60 スプリットリングカラー
62 プランジャ係合手段
63 カムアクチュエータカラー係合部材
70 傾斜溝
72 孔
80 フォーク
81 フォークハンドル
82 ピボット
83 溝
94 軸
図1
図2
図3
図4
図4A
図5
図6
図7
図9
図10
図8