(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5873905
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】指紋センサー
(51)【国際特許分類】
G06T 1/00 20060101AFI20160216BHJP
【FI】
G06T1/00 400G
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-169025(P2014-169025)
(22)【出願日】2014年8月22日
(65)【公開番号】特開2015-228199(P2015-228199A)
(43)【公開日】2015年12月17日
【審査請求日】2014年8月22日
(31)【優先権主張番号】103119160
(32)【優先日】2014年5月30日
(33)【優先権主張国】TW
(31)【優先権主張番号】103125010
(32)【優先日】2014年7月21日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】503386056
【氏名又は名称】正▲うえ▼精密工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】周 思▲しぇん▼
(72)【発明者】
【氏名】翁 念亭
(72)【発明者】
【氏名】林 昇源
【審査官】
板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/044250(WO,A1)
【文献】
特開2008−310468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指紋センサーにおいて、
レンズであって、上面及び底面が平面とされ、レンズ上に少なくとも一つの第1領域及び第2領域が形成された、上記レンズと、
フィルターであって、該レンズの底面に設置され、該レンズの第1領域に対応し、該第1領域の指紋画像を反射するのに用いられる、上記フィルターと、
第1ミラーであって、該レンズの底面に設置され、該レンズの第2領域に対応し、該第2領域の指紋画像を反射するのに用いられる、上記第1ミラーと、
画像キャプチャ装置であって、該フィルターと該第1ミラーが反射した該第1領域と該第2領域の指紋画像を受け取り、該フィルターは該第1ミラーから該画像キャプチャ装置にいたる光路の間に設置され、該第1領域の指紋画像は、該フィルターに反射されて該画像キャプチャ装置に至り、該第2領域の指紋画像は該第1ミラーに反射されてから該フィルターを通った後に、該画像キャプチャ装置に受け取られる、上記画像キャプチャ装置と、
少なくとも一つの第1光源であって、該画像キャプチャ装置が指紋画像を受け取るときに必要な光線を提供する、上記少なくとも一つの第1光源と、
を包含することを特徴とする、指紋センサー。
【請求項2】
請求項1記載の指紋センサーにおいて、該フィルターから該画像キャプチャ装置にいたる光路は少なくとも一つの第2ミラーによる反射を経過することを特徴とする、指紋センサー。
【請求項3】
請求項2記載の指紋センサーにおいて、該フィルターは偏光ビームスプリッターフィルターとされ、上述の画像キャプチャ装置の前方に、偏光選択器が設置され、該第1領域から該画像キャプチャ装置までの光路は第1光程とされ、該第1光程の、該フィルターから該画像キャプチャ装置にいたる光路は分極回転器を通ることを特徴とする、指紋センサー。
【請求項4】
請求項1記載の指紋センサーにおいて、該フィルターは偏光ビームスプリッターフィルター或いは二色フィルター、或いは、一部の光強度の光線を反射し一部の光強度の光線を通すフィルターとされることを特徴とする、指紋センサー。
【請求項5】
請求項1記載の指紋センサーにおいて、該画像キャプチャ装置は、ズーム画像キャプチャ装置或いはオートフォーカス画像キャプチャ装置とされることを特徴とする、指紋センサー。
【請求項6】
請求項1記載の指紋センサーにおいて、該第1光源は少なくとも一つの第2光源及び少なくとも一つの第3光源へと置き換えられ、該第2光源が該第1領域を照射し、該第3光源が該第2領域を照射し、該第2光源及び該第3光源の色は異なるものとされることを特徴とする、指紋センサー。
【請求項7】
請求項1記載の指紋センサーにおいて、上述の第1光源は赤外線光源へと置き換えられ、該赤外線光源は該レンズの下方に設置され、該画像キャプチャ装置は赤外線撮影装置とされることを特徴とする、指紋センサー。
【請求項8】
請求項1記載の指紋センサーにおいて、上述のレンズの上面周囲に少なくとも一つの第4光源が設置されることを特徴とする、指紋センサー。
【請求項9】
請求項1記載の指紋センサーにおいて、上述のレンズの下方に少なくとも一つの近赤外線光源が設置されることを特徴とする、指紋センサー。
【請求項10】
請求項1記載の指紋センサーにおいて、上述の第1光源は該レンズの側辺に設置され、その光線は該レンズの側面より該レンズに進入することを特徴とする、指紋センサー。
【請求項11】
請求項1記載の指紋センサーにおいて、上述の第1領域の指紋画像と上述の第2領域の指紋画像は同じ特徴領域を具えたことを特徴とする、指紋センサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の指紋センサーに係り、さらに具体的には一種の光学式指紋センサーに関する。
【背景技術】
【0002】
指紋センサーの現在市場における主流製品は、コンデンサ式と光学式の二種類に分けられる。
【0003】
そのうち、コンデンサ式は、指紋がチップ表面を押圧する時の指紋の峰と谷の電荷量の違いにより、指紋画像を検出し、その長所は薄型化されることであるが、その製造コストは高く、且つその検出の正確性及び耐用性は高くない。
【0004】
光学式のセンサーは成像原理を利用して指紋の画像を撮影し、それはコンデンサ式に較べて、認識度が高く、価格が低く且つ非常に耐用であるという長所を有しているが、レンズが検出面と一定の距離を保持しなければ明晰な成像ができないという制限があり、光線の進む距離が光学式のセンサーの体積を比較的大きく、比較的厚くしてしまう。
【0005】
現代の電子製品の薄型化の傾向により、各メーカーはより薄型化した光学式センサー構造を製造して、薄型化された電子製品の内部構造に対応することを目指している。
【0006】
既存の光学式センサーはプリズム及びミラーの反射成像の光路を利用し、これにより検出面とレンズの間の直線距離を短縮し、光学式指紋センサーの厚さを減らしている。
【0007】
ここで周知の実施例を挙げると、たとえば特許文献1において、その手指の指紋が押圧する素子はプリズム構造とされ、光線屈折の特性により、プリズム中で成像を屈折並びに射出させ、その後、さらにミラーで屈折させた光路をレンズに至らせ成像する。
【0008】
その他の既存の技術中、薄型化の要求に対応するため、あるものは特殊なレンズ構造より着手し、またあるものは各種の複雑な構造のプリズムを設計することで、光学式センサーの厚さを減らし、携帯電話或いはタブレットPCへの応用の可能性を増加している。
【0009】
しかし、既存の光学式センサーの光路屈折の構造は複雑であり、その製作はいずれも困難があり、これにより、これらの指紋センサーの製造価格は高くなりがちで、そのため多くの設計は実験段階にとどまっており、実際に量産された製品は多くなく、厚さも6.5mm以下を突破することはできていない。
【0010】
以上を鑑み、一種の、構造が簡易化され、製造価格が低く、厚さ6.5mm以下を達成できる光学式指紋センサーの提出の必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第8,405,757号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、上述の周知の不足に対して、一種の構造が簡素化され、製造コストが低く及び厚さが6.5mm以下を達成できる光学式指紋センサーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の目的を達成するため、本発明は一種の指紋センサーを開示し、それは、
レンズであって、上面及び底面が平面とされて、該レンズ上に少なくとも一つの第1領域と第2領域が形成されている、上記レンズと、
フィルターであって、該レンズの底面に設置され、該フィルターは該レンズの該第1領域に対応し、該第1領域の指紋画像を反射するのに用いられる、上記フィルターと、
第1ミラーであって、該レンズの底面に設置され、該第1ミラーは該レンズの第2領域に対応して、該第2領域内の指紋画像を反射するのに用いられる、上記第1ミラーと、
画像キャプチャ装置であって、該フィルターと該第1ミラーにより反射された第1領域及び第2領域の指紋画像を受け取るのに用いられ、該フィルターは該第1ミラーから該画像キャプチャ装置の光路の間に設置され、第1領域の指紋画像は、フィルターにより反射されて画像キャプチャ装置に至り、第2領域の指紋画像は第1ミラーにより反射された後にさらにフィルターをとおり、その後、該画像キャプチャ装置に受け取られる、上記画像キャプチャ装置と、
少なくとも一つの第1光源であって、該画像キャプチャ装置が指紋画像を受け取る時に必要な光源を提供する、上記少なくとも一つの第1光源と、
を包含する。
【0014】
ある実施例において、上述のフィルターは、偏光ビームスプリッターフィルター或いは二色フィルター、或いは、ある光強度範囲の光を反射し別の光強度範囲の光を通すフィルターとされる。
【0015】
ある実施例において、上述の画像キャプチャ装置はズーム画像キャプチャ装置或いはオートフォーカス画像キャプチャ装置とされる。
【0016】
ある実施例において、上述のフィルターから画像キャプチャ装置の間の光路は少なくとも一つの第2ミラーの反射を経る。
【0017】
ある実施例において、上述のフィルターは、偏光ビームスプリッターフィルターとされ、上述の画像キャプチャ装置の前方に偏光選択器が設置され、第1領域から画像キャプチャ装置の光路は第1光程とされ、上述の第1光程の、フィルターから画像キャプチャ装置の間の光路は分極回転器を通る。
【0018】
ある実施例において、上述の第1光源は、少なくとも一つの第2光源及び少なくとも一つの第3光源へと置き換えられ、第2光源は第1領域に照射し、第3光源は第2領域に照射し、第2光源及び第3光源の色は異なるものとされる。
【0019】
ある実施例において、上述の第1光源は赤外線光源へと置き換えられ、赤外線光源はレンズの下方に設置され、画像キャプチャ装置は赤外線撮影装置とされる。
【0020】
ある実施例において、上述のレンズの上面周囲に少なくとも一つの第4光源が設置される。
【0021】
ある実施例において、上述のレンズの下方に少なくとも一つの近赤外線光源が設置される。
【0022】
ある実施例において、上述の第1光源はレンズの側辺に設置され、その光線はレンズの側面よりレンズに進入する。
【0023】
ある実施例において、上述の第1領域の指紋画像は第2領域の指紋画像と同じ特徴領域を有する。
【発明の効果】
【0024】
総合すると、既存の技術と比較して、本発明の指紋センサーの認識度は高く、且つ有効に厚さを減らせ、薄型化された電子製品への応用が可能で、並びに部品の製造コストが低く、且つ指紋センサーの製造コストを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の指紋センサーの第1実施例中の側面断面図である。
【
図2】本発明の指紋センサーのレンズの平面図であり、そのうち第1領域と第2領域が一部重畳することを示す。
【
図3】本発明の指紋センサーの、光源からの光がレンズ内で全反射される表示図である。
【
図4】本発明の指紋センサーの画像キャプチャ装置の成像を示し、第1領域及び第2領域の成像パターンの大きさが異なり且つ重畳する状態を示す。
【
図5】本発明の指紋センサーの第2実施例の側面断面図である。
【
図6】本発明の指紋センサーの第3実施例の側面断面図である。
【
図7】本発明の指紋センサーの第3実施例の画像キャプチャ装置の成像を示し、第1領域と第2領域の成像パターンの大きさが同じで且つ不重畳である状態を示す。
【
図8】本発明の指紋センサーの第4実施例の側面断面図である。
【
図9A】本発明の指紋センサーの第4実施例の第1光程及び第2光程の光路表示図である。
【
図9B】本発明の指紋センサーの第4実施例のノイズ光源の光路表示図である。
【
図10】本発明の指紋センサーの第5実施例の側面断面図である。
【
図11】本発明の指紋センサーの第6実施例の側面断面図である。
【
図12】本発明の指紋センサーの第7実施例の側面断面図である。
【
図13】本発明の指紋センサーの第8実施例の側面断面図である。
【
図14】本発明の指紋センサーの第9実施例の側面断面図である。
【
図15】本発明の指紋センサーの光源からの光がレンズ内で全反射とレンズ表面透過を同時進行する表示図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に本発明の技術内容、構造特徴、達成する目的及び作用効果について、以下に例を挙げ並びに図面を組み合わせて詳細に説明する。
【0027】
図1を参照されたい。本発明は一種の指紋センサー100を開示し、それは電子装置(図示せず)上に取り付けられて、指紋の成像(imaging)に用いられ、第1実施例中の指紋センサー100は、少なくとも一つの第1光源1、レンズ2、フィルター30、第1ミラー31及び画像キャプチャ装置4を包含する。第1光源1はレンズ2の側辺に設置され並びにレンズ2と等高とされ、第1光源1の光線は、レンズ2の側面よりレンズに進入し、フィルター30及び第1ミラー31はレンズ2の底面に設置され、画像キャプチャ装置4はフィルター30及び第1ミラー31が反射する画像を受け取るのに用いられる。レンズ2はガラス或いは透明プラスチックで製造され、レンズ2の上面及び底面は平面とされる。
【0028】
第1光源1はレンズ2の側辺より照射を行ない、第1光源1からの光線はレンズ2内に至った後、全反射の法則により、レンズ2内で全反射を行ない、手指でレンズ2上面を押圧するとき、指紋の峰がレンズ2内の全反射を破壊し、レンズ2の底面上に指紋画像を発生させ、第1光源1がレンズ2の側辺より全反射の照射を行ない、画像キャプチャ装置4が高いコントラストの指紋パターンを得ることができる。
【0029】
図2を参照されたい。レンズ2上には第1領域20と第2領域21が形成され、フィルター30及び第1ミラー31はそれぞれレンズ2の第1領域20及び第2領域21に対応し、第1領域20及び第2領域21は手指による押圧に供され、一枚の完全な指紋はそれぞれ第1領域20と第2領域21により二つの部分に区分された指紋画像にされ、手指がレンズ2上面を押圧し、並びにレンズ2が第1光源1による照射を受けた後、レンズ2上の第1領域20及び第2領域21内にそれぞれ第1領域20の指紋画像と第2領域21の指紋画像が発生して画像キャプチャ装置4による成像に供され、成像の指紋は画像処理ソフトで併合されることで、一つの完全な指紋画像が獲得される。
【0030】
画像キャプチャ装置4がフィルター30及び第1ミラー31の反射した第1領域20及び第2領域21の指紋画像を受け取り、フィルター30は第1ミラー31から画像キャプチャ装置4にいたる光路の間に設置され、第1領域20の指紋画像はフィルター30により反射されて画像キャプチャ装置4に至り、第2領域21の指紋画像は第1ミラー31により反射された後、さらにフィルター30をとおり、その後、画像キャプチャ装置4により受け取られる。
【0031】
続いて
図2を参照されたい。画像処理ソフトの、分割された指紋に対する認識度をアップするため、レンズ2の第1領域20と第2領域21の一部は重畳し、第1領域20の指紋画像と第2領域21の指紋画像の一部分は同じで、第1領域20と第2領域21の画像キャプチャ装置4中で成像する指紋画像の一部は同じであるため、画像処理ソフトは第1領域20と第2領域21の画像中の同じ部分を認識して併合して一枚の指紋画像となす。
【0032】
図3を参照されたい。さらに説明すると、レンズ2内の全反射された光線の発生する成像と一般のプリズムが指紋の峰が第1光源1からの光線を吸収して黒色の線を発生してなる成像とは異なり、レンズ2内の第1光源1からの光線を全反射するとき、全反射された光線は、レンズ2の底面を通ることができず、これにより、画像キャプチャ装置4は第1光源1からの光線を受け取ることができず、指紋の峰がレンズ2の上面を押圧して、指紋の峰がもともとの全反射の反射角度を破壊することにより、散乱しレンズ2底面をとおった第1光源1からの光線が画像キャプチャ装置4により収集され、これにより、画像キャプチャ装置4はレンズ2の押圧されていない部分に関しては、第1光源1からの光線を受け取らず、押圧された部分に関しては、指紋の峰が散乱させた第1光源1からの光線を受け取れ、これにより明瞭な指紋画像を形成し、画像コントラストをアップする作用を達成する。
【0033】
さらに説明すると、本発明の指紋センサーの第1光源1はレンズ2の側辺に設置されるものとは限らず、それは画像キャプチャ装置が指紋画像を受け取るときに必要な光線を提供するのに用いられ、設置の位置は指紋画像に画像キャプチャ装置に進入するのに十分な光線を具備させられればよい。
【0034】
さらに説明すると、
図4に示されるように、第1領域20と第2領域21はレンズ2上の一部が重畳し、これにより、第1領域20と第2領域21の指紋画像が画像キャプチャ装置4において成像されるときに、同じ特徴領域22が発生し、特徴領域22は第1領域20の指紋画像の特徴と第2領域21の指紋画像の同じ特徴部分を示し、第1領域20と第2領域21の同じ指紋画像を併合することで、一枚の完全な指紋画像を取得でき、さらに説明すると、指紋画像の特徴部分は同じであり、画像処理ソフトが特徴領域22をロックしてそれを完全に重畳させることで、正確に合併して完全な指紋画像となすことができる。
【0035】
フィルター30及び第1ミラー31は画像キャプチャ装置4に対して前後に配列され、第1領域20及び第2領域21から画像キャプチャ装置4までの光路の長さは異なり、第1領域20から画像キャプチャ装置4の光路は第1光程10とされ、第2領域21から画像キャプチャ装置4までの光路は第2光程11とされ、第1光程10は第2光程11より短く、光程長さは不一致であり、第1領域20の指紋画像及び第2領域21の指紋画像は画像キャプチャ装置4内の画像サイズが異なり、且つフィルター30と第1ミラー31は前後に配列され、第1光程10及び第2光程11から画像キャプチャ装置4内にいたる光程は重畳し得て、画像キャプチャ装置4がキャプチャする成像中の第1領域20及び第2領域21の指紋画像も重畳し得て、
図4に示されるとおりである。
【0036】
指紋画像重畳及び光程不一致の問題を克服するため、本実施例では、画像キャプチャ装置4は、ズーム画像キャプチャ装置或いはオートフォーカス画像キャプチャ装置とされ、これにより、画像キャプチャ装置4が第1光程10のフォーカスに調整されるとき、第1領域20の指紋画像の成像ははっきりし、第2領域21の指紋画像の成像はぼんやりし、画像キャプチャ装置4が第2光程11のフォーカスに調整されるとき、第2領域21の指紋画像の成像ははっきりし、第1領域20の指紋画像の成像はぼんやりし、これにより、画像処理ソフトはそれぞれはっきりした第1領域20と第2領域21の指紋画像に対して拡縮及び併合を実行し、一枚の完全な指紋画像となし、並びにこの完全な指紋画像により、指紋認識を完成する。
【0037】
本実施例中、フィルター30は偏光ビームスプリッターフィルターとされ得るほか、二色フィルターを使用してもよく、或いは、一部の光強度範囲の光線を反射し一部の光強度の光線を通すフィルターを使用してもよく、フィルター30が特定の光を通し、特定の光を反射させる作用を有するものであればよい。第1光源1は好ましくは白色光光源とされる。注意が必要であることは、フィルター30が二色フィルターを使用するとき、光源は二色フィルターにより透過される部分と反射される成分を選択的に有している必要があるということである。
【0038】
図5を参照されたい。第2実施例において、一種の指紋センサー200は、その構造が第1実施例と基本的に同じであり、異なるところは、第1光源1が白色光光源とされるか、或いは二色フィルターを通る成分及び反射される成分を包含する光線の光源であり、フィルター30に二色フィルターが選択されるとき、且つ画像キャプチャ装置40のビュー深度は第1光程10及び第2光程11の長さの差の距離を包含し、且つズームの必要がない。
【0039】
具体的には、第1光源1は白色光光源とされ、フィルター30には緑色光反射及び青色光透過のものが選択され、第1領域20の第1光程10はフィルター30を透過した後に、緑色光を反射し、第2領域21の第2光程11は、フィルター30を透過した後に、青色光に変わり、これにより、第1領域20と第2領域21の画像キャプチャ装置40において成像される指紋画像は、それぞれ緑色と青色を現出し、画像処理ソフトは指紋画像の色を識別することにより、並びに色によりもともと重畳する第1領域20及び第2領域21の指紋画像を分離し、拡縮及び併合を行ない、完全な指紋画像を得られる。
【0040】
図6を参照されたい。第3の実施例中、一種の指紋センサー300は、その構造が第1実施例と基本的に同じであり、異なるところは、画像キャプチャ装置41の選択にあり、画像キャプチャ装置41はズームする必要がなく、且つビュー深度は画像キャプチャ装置40より短く、並びにフィルター30から画像キャプチャ装置41の間の第1光程10は少なくとも一つの第2ミラー32により反射され、第1光程10の長さは長くされ、並びに第2光程11の長さと同じに調整され、これにより、第1領域20と第2領域21の画像キャプチャ装置41における成像の指紋画像サイズは同じとされる。
【0041】
本実施例は、第1光程10及び第2光程11の長さが同じであり、ゆえに、画像キャプチャ装置41のビュー深度範囲はより短くなり、体積が比較的小さい画像キャプチャ装置41を選択することができる。
【0042】
第2ミラー32により、画像キャプチャ装置41内で成像される第1領域20と第2領域21の画像は重畳せず(
図7参照)、これにより、画像処理ソフトはそのキャプチャした第1領域20及び第2領域21の指紋画像を併合して、一つの完全な指紋画像を得る。
【0043】
さらに説明すると、画像キャプチャ装置41内で成像される第1領域20と第2領域21の指紋画像が重畳しない原因は、第1光程10が経由する第2ミラー32の設置位置により、第1光程10が画像キャプチャ装置41に進入する角度が変化し、これにより、第1光程10と第2光程11の、画像キャプチャ装置41に進入する光路が同一位置において重畳しないことにある。
【0044】
図6に示されるように、第1光程10は二つの第2ミラー32の反射を経る。第1光程10が二度の反射を経ることで光路角度の制御に有利とされ、これにより画像キャプチャ装置41が設置される角度の自由度が増し、二つの第2ミラー32の反射により、画像キャプチャ装置41は指紋センサー内のフィルター30及び第1ミラー31が占有する空間高度の間に位置することができ、これにより指紋センサーがより薄くされる。
【0045】
上述の第1実施例から第3実施例中の画像キャプチャ装置4、40及び41を比較すると、画像キャプチャ装置4はズームの方式を利用して、それぞれ第1光程10ズーム及び第2光程11ズームに対応し、二つの画像を成像し、画像キャプチャ装置40のビュー深度は、第1光程10及び第2光程11の長さの差を包含し、ズームの必要がなく、ただ一つの画像を成像すればよく、画像キャプチャ装置41は、第3実施例の第1光程10と第2光程11の長さが同じで、画像キャプチャ装置41のビュー深度範囲は、画像キャプチャ装置40より短く、ズームの必要がなく、これにより、画像キャプチャ装置41の体積は、画像キャプチャ装置40より短く、また一つの画像を成像するだけでよい。
【0046】
図8を参照されたい。
図4の実施例中、一種の指紋センサー400は、その構造が第3実施例と基本的に同じであるが、異なるところは、フィルター30が選択的に、偏光ビームスプリッターフィルターとされ、第1光程10の、フィルター30から画像キャプチャ装置41の間の光路は、分極回転器33(polarization rotator)をとおり、分極方向が変更され、画像キャプチャ装置41の前方に偏光選択器34が設置され、第1光源1の発生する光線はS波とP波の成分を有している必要がある。
【0047】
さらに説明すると、フィルター30は、S波を反射し、P波を通すものとされ、分極回転器33は第2ミラー32上に貼り付けられ、偏光選択器34は、P波を通しS波を吸収するか、或いは、P波を通しS波を反射するものとされ、画像キャプチャ装置41に進入する全ての光線は、いずれも、偏光選択器34を経由し、第1領域20の第1光程10はフィルター30を経由した後に、S波を反射し、第2領域21の第2光程11はフィルター30をとおった後に、P波に変わり、第2光程11は偏光選択器34を経過した後に透過可能で、第1光程10は分極回転器33を経過した後、S波をP波に変えて偏光選択器34を透過可能とし、これにより、第1領域20と第2領域21は画像キャプチャ装置41において成像しい、画像処理ソフトは取得した第1領域20と第2領域21の指紋画像を併合し、一つの完全な指紋画像となす。
【0048】
さらに説明すると、
図9Aに示されるように、第1光程10と第2光程11はP波(双頭矢印パターン)の形式で、偏光選択器34をとおり画像キャプチャ装置41に進入する。しかし、第1光程10と第2光程11が画像キャプチャ装置41に進入するほか、
図9Bに示されるように、フィルター30の反射した画像光線は、一部が反射角度の関係から、第2ミラー32を経過せずに直接画像キャプチャ装置41の方向に反射されて、光路が短くなりすぎ、ノイズ画像光線を発生する。ノイズ画像光線は画像キャプチャ装置41にいたる前にはS波(同心円パターン)とされ、これにより、偏光選択器34により除去され、及び、第1ミラー31は一部の画像光線を第2ミラー32へと反射でき、直接画像キャプチャ装置41において直接成像しないため光路が過長となり、ノイズ画像光線を発生する。この光路はフィルター30を経過するときに、P波を現出し、分極回転器33を経過してS波に変えられ、これにより、偏光選択器34により除去される。こうして、偏光分光及び分極方向の原理により、ノイズ画像光線の干渉を防止し、成像品質をアップできる。
【0049】
図10に示されるように、第5実施例において、一種の指紋センサー500は、構造が第1実施例と基本的に同じであり、異なるところは、第1光源1が、少なくとも一つの第2光源12及び少なくとも一つの第3光源13に置き換えられ、第2光源12は第1領域20に照射し、第3光源13は第2領域21に照射し、第2光源12及び第3光源13の色は異なり、本実施例は画像キャプチャ装置40を選択し、画像キャプチャ装置40は異なる色の指紋画像を成像する。
【0050】
フィルター30は一部の光強度の光線を反射し一部の光強度の光線を通すフィルター、偏光ビームスプリッターフィルター、或いは二色フィルターより選択可能であるが、注意が必要であることは、もしフィルターが二色フィルターとされるならば、第2光源12は、二色フィルターに反射され得る成分を包含していなければならず、第3光源13は二色フィルターを通る成分を包含していなければならないことである。
【0051】
具体的には、第2光源12及び第3光源13はそれぞれ緑色光光源、青色光光源を選択でき、フィルター30には一部の光強度の光線を反射し一部の光強度の光線を通すフィルターが選択され、これにより、第1領域20と第2領域21が画像キャプチャ装置40において成像する指紋画像は、スピーディーに併合処理される。画像処理ソフトは、色により、もともと重畳している第1領域20及び第2領域21の指紋画像を分離し、拡縮及び併合を実行し、一つの完全な指紋画像を得る。
【0052】
図11を参照されたい。第6実施例において、一種の指紋センサー600は、その構造が第5実施例と基本的に同じであり、異なるところは、画像キャプチャ装置41を選択し、フィルター30から画像キャプチャ装置41までの第1光程10が、第2ミラー32の反射を経て、第1領域20と第2領域21の、画像キャプチャ装置41において成像される指紋画像のサイズが同じで、第2光源12及び第3光源13がそれぞれ画像キャプチャ装置41に、異なる色の指紋画像を成像させることにある。
【0053】
画像キャプチャ装置41は、第1領域20及び第2領域21の異なる色の指紋画像をキャプチャでき、且つ画像キャプチャ装置41内で成像される第1領域20と第2領域21の画像は重畳しない(
図7を参照されたい)。これにより、画像処理ソフトはキャプチャした第1領域20と第2領域21の指紋画像を併合して一つの完全な指紋画像を得られ、且つ、異なる色の指紋画像を成像することにより、ノイズ画像光線の干渉を防止できる。
【0054】
図12を参照されたい。第7実施例において、指紋センサー700の生体認識能力を増加するため、指紋センサー700は、構造は第1実施例から第6実施例のそのうちの一つを選択可能で、レンズ2の上面周囲に、少なくとも一つの第4光源14が設置され、第4光源14は手指を照射でき、画像キャプチャ装置41に録画させるのに供され、血液が手指内で流動する時に反射する光線強度は変化し得て、これにより、画像キャプチャ装置40は光体積変化信号(PPG)を獲得し、バイタルサインを認識し、これにより現在ある構造下で、第4光源14を設置することで、生体認識機能を実現でき、指紋センサー700の認識能力をアップできる。
【0055】
続いて
図13を参照されたい。第8実施例において、指紋センサー800の生体認識能力を増加するため、指紋センサー800は、構造を第1実施例から第6実施例のうちいずれかを選択し、レンズ2の下方に、少なくとも一つの近赤外線光源15が設置され、手指の静脈中の血液に赤外線の800から850nm波長領域を反射させ、近赤外線光源15に手指の静脈を照射させて画像キャプチャ装置41により録画させ、これにより手指静脈中の血液の変化を観察し、バイタルサインを認識し、これにより、現在ある構造下で、近赤外線光源15を設置することで、生体認識機能を実現でき、指紋センサー800の認識能力をアップさせる。
【0056】
続いて
図14を参照されたい。本発明の第9実施例において、指紋センサー900は、構造が第4実施例と基本的に同じであり、第1光源1は赤外線光源16に置換され、赤外線光源16は、レンズ2の下方に設置され、画像キャプチャ装置は赤外線撮影装置42とされ、赤外線光源16からの赤外線はレンズ2内に至った後、同時に全反射され及びレンズ2上面をとおり手指を照射し、レンズ2底面上に指紋画像を発生し、本実施例の赤外線撮影装置42は手指の画像、指紋パターン及び手指内の組織パターンを成像することができる。
【0057】
さらに説明すると、
図15を参照されたいが、赤外線光源16からの赤外線はレンズ2に照射された後に、一部はレンズ2内で全反射され、一部はレンズ2の上面をとおり手指に照射され、手指がレンズ2上面を押圧するとき、画像キャプチャ装置42はもともとの指紋の峰部分が反射する赤外線のほか、手指に照射された赤外線も成像し得て、これにより、指頭の内部組織、たとえば血管を成像し、このような方法により、手指の全貌を観察することができる。
【0058】
現在ある技術と比較すると、指紋で押圧される素子として、平面のレンズ2が周知のプリズムに代わり用いており、現在ある技術中のプリズムには屈折面を設置して画像光線を屈折させて、プリズム内部の光線を屈折面で屈折させた後に、さらにプリズム本体より射出させなければならず、そのうち屈折面の大きさは画像の大きさの制限を受け、屈折面の高さは屈折角度の制限を受け、これにより屈折面はプリズムの基本高さを制限する。一方、本発明によると、平面のレンズ2の屈折面は水平の表面及び底面だけで、これにより、レンズ2の厚さはより薄く設計され得る。
【0059】
本発明は選択的に、レンズ2の底面の一部に対応するフィルター30及び第1ミラー31を、既存の技術の単一のミラーの代わりに用いており、既存の技術の単一のミラーは、全体の画像を成像するためにサイズが制限されるが、本発明のフィルター30及び第1ミラー31はそれぞれ指紋の一部分を成像するのに用いられるため、これによりサイズを減らせ、さらに説明すると、もしミラーが大きくなると、ある角度に置かれるときに占有する空間は高さが高くなり、ゆえに、フィルター30及び第1ミラー31の占有する空間高さは既存の単一ミラーに較べて薄い。
【0060】
且つ、フィルター30の特性により、第1ミラー31の反射光路はフィルター30による阻止を受けず、これにより、第1領域20の画像及び第2領域21の画像は同一の画像キャプチャ装置上で成像され、本発明は光路の反射素子が比較的少なく、及びレンズ2の製造価格は高くなく、指紋センサーの構造を簡易化し且つ製造価格を下げることができる。
【0061】
本発明の指紋センサーは認識度が高く、且つ上述の構造により、指紋センサーの厚さを6.5mm以下とする要求を突破するのに有効であり、薄型化された電子製品上への応用に適合する。
【0062】
総合すると、本発明は特許の要件を満たしており、ここに特許出願をいたす次第です。なお、以上は本発明の好ましい実施例の説明に過ぎず、並びに本発明を限定するものではなく、本発明に提示の精神より逸脱せずに完成されるその他の同等の効果の修飾或いは置換は、いずれも本発明の権利請求範囲内に属する。
【符号の説明】
【0063】
100、200、300、400、500、600、700、800、900 指紋センサー
1 第1光源
10 第1光程
11 第2光程
12 第2光源
13 第3光源
14 第4光源
2 レンズ
20 第1領域
21 第2領域
22 特徴領域
30 フィルター
31 第1ミラー
32 第2ミラー
33 分極回転器
34 偏光選択器
4、40、41 画像キャプチャ装置
42 赤外線撮影装置