特許第5873906号(P5873906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5873906
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】リーチ式フォークリフト
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/24 20060101AFI20160216BHJP
   B66F 9/075 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   B66F9/24 Z
   B66F9/075 E
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-170621(P2014-170621)
(22)【出願日】2014年8月25日
【審査請求日】2014年8月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】ニチユ三菱フォークリフト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊澤 弘顕
(72)【発明者】
【氏名】卯路 彰
【審査官】 大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−106200(JP,A)
【文献】 特開2003−267699(JP,A)
【文献】 特開2003−155200(JP,A)
【文献】 特開2006−281991(JP,A)
【文献】 実開昭63−148531(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0193930(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0239238(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第2168905(EP,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0245038(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102008030554(DE,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0036581(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/24
B66F 9/075
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
前記車体の後部に設けられた運転席と、
前記運転席の前方に位置し、荷役操作あるいは走行操作を行うための操作機器と、
前記運転席の左方または右方に位置するステアリングハンドルと、
各種の情報を表示するディスプレイと、を備え、
前記車体の上面は、前記操作機器の後端よりも後方に、前記ステアリングハンドルの前端よりも前方に、前記ステアリングハンドルの左端または右端のうち前記運転席から遠い端部よりも前記運転席側に、かつ、前記操作機器より低い位置に、後方かつ上方に向く傾斜面を有しており、
前記ディスプレイは、前記傾斜面に設けられ、前記傾斜面に沿っており、後方かつ上方に向いている、
ことを特徴とするリーチ式フォークリフト。
【請求項2】
前記傾斜面は、さらに前記運転席側に向いており、前記ディスプレイは、さらに前記運転席側に向いている、ことを特徴とする請求項1に記載のリーチ式フォークリフト。
【請求項3】
前記車体の上面は、前記操作機器が設けられた第一上面と、前記ステアリングハンドルが設けられ、前記第一上面より低い位置にある第二上面とをさらに備え、
前記傾斜面は、前記第一上面と前記第二上面との間にあり前記第一上面と前記第二上面に接続されている、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリーチ式フォークリフト。
【請求項4】
前記運転席は、底面と、前記底面の前側に設けられた内前面と、前記底面の左側に設けられた内左側面と、前記底面の右側に設けられた内右側面とによって形成され、後方に開放されており、
前記ディスプレイは、前記操作機器と前記ステアリングハンドルとの間で、前記内前面と、前記内左側面または前記内右側面のうち前記ステアリングハンドルに近い側面とによって形成された角部の近傍に位置している、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のリーチ式フォークリフト。
【請求項5】
前記内左側面または前記内右側面のうち前記ステアリングハンドルに近い側面の上部には、駆動源となるバッテリを充電するために前記バッテリに接続されたコンセントが設けられ、
前記ディスプレイに表示される情報には、前記バッテリの充電に関する情報が含まれる、
ことを特徴とする請求項4項に記載のリーチ式フォークリフト。
【請求項6】
前記ディスプレイ表示面は、曲面である、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のリーチ式フォークリフト。
【請求項7】
前記ディスプレイは前記傾斜面に複数設けられている、ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のリーチ式フォークリフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイを備えるリーチ式フォークリフトに関する。
【背景技術】
【0002】
リーチ式のフォークリフトでは、車体の後部に運転席が設けられており、オペレータは、運転席に乗車し、荷役レバー、アクセルレバーなどの操作機器を操作してフォークリフトを操縦する(特許文献1〜特許文献4等参照)。
【0003】
図7に、従来のフォークリフトの車体の斜視図を示す。このフォークリフトの車体3は、特許文献1に開示されたものと同様の構成である。車体3の右後部は、後方に開放するように形成された運転席30となっている。車体30の上面31には、運転席30の前方に位置するように荷役レバー32(リフトレバー、ティルトレバー、及びリーチレバー)、アクセルレバー33、ディスプレイ34が配置されている。また、車体3の上面31には、運転席30の左方に位置するようにステアリングハンドル35が配置されている。
【0004】
ディスプレイ34には、各種の情報が表示される。各種の情報とは、例えば、車体3の走行速度、加速度、走行距離などの車体3の走行に関する情報や、フォークの揚高、傾倒角度、リーチ距離などの荷役に関する情報、或いは自他フォークリフトの位置、荷物に関する情報、オペレータに関する情報などである。即ち、ディスプレイ34には、運転席30に搭乗しているオペレータがフォークリフトの操縦の際に確認したい情報が表示される。
【0005】
しかしながら、図7から明らかな通り、ディスプレイ34は荷役レバー32の前方に配置されているので、運転席30にいるオペレータは、通常の乗車姿勢では、荷役レバー32が邪魔でディスプレイ34の表示情報を確認し難かった。そのため、オペレータは、ディスプレイ34の表示情報を、前のめりの姿勢になって覗き込んで確認しなければならなかった。
【0006】
なお、特許文献4のフォークリフトでは、ディスプレイ(メータパネル)が荷役レバーの前方に配置されず、荷役レバーから左方に大きく間隔をあけて配置されている。この構成によれば、ディスプレイの表示情報を確認するとき荷役レバーは邪魔にならない。しかしながら、ディスプレイが運転席から離れすぎており、結局、覗き込むようにしなければディスプレイの表示情報をはっきりと確認できなかった。
【0007】
また、以下のような問題もあった。図7のフォークリフトはバッテリ式であり、車体3の内部に駆動源となるバッテリが収納されている。運転席30の内左側面36の上部にはコンセント37が設けられており、充電コードを介して外部電源に接続された充電プラグをコンセント37に差し込むことで、バッテリを充電できる。このようなバッテリ式のフォークリフトでは、充電時に運転席30の外から充電状態を確認できるようにすることが好ましい。
【0008】
しかしながら、ディスプレイ32が荷役レバーの前方等に配置されていると運転席30の外から見ることが難しい。そのため、図7のように、ディスプレイ32とは別に、充電状態を表示する追加のディスプレイ38を内左側面36のコンセント37の近傍に設けて、充電状態を運転席30の外から確認できるようにする必要があった。そしてこれが、フォークリフトのコストアップの要因となっていた。
上記の通り、従来のフォークリフトではディスプレイの視認性が問題となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−235111号公報
【特許文献2】特開2010−37011号公報
【特許文献3】特開2006−281991号公報
【特許文献4】実開昭63−148531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ディスプレイの視認性が向上したリーチ式フォークリフトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係るリーチ式フォークリフトは、車体と、前記車体の後部に設けられた運転席と、前記運転席の前方に位置し、荷役操作あるいは走行操作を行うための操作機器と、前記運転席の左方または右方に位置するステアリングハンドルと、各種の情報を表示するディスプレイと、を備え、前記車体の上面は、前記操作機器の後端よりも後方に、前記ステアリングハンドルの前端よりも前方に、前記ステアリングハンドルの左端または右端のうち前記運転席から遠い端部よりも前記運転席側に、かつ、前記操作機器より低い位置に、後方かつ上方に向く傾斜面を有しており、前記ディスプレイは、前記傾斜面に設けられ、前記傾斜面に沿っており、後方かつ上方に向いている、ことを特徴とする。
【0012】
好ましくは、前記傾斜面は、さらに前記運転席側に向いており、前記ディスプレイは、さらに前記運転席側に向いている。
【0013】
好ましくは、前記車体の上面は、前記操作機器が設けられた第一上面と、前記ステアリングハンドルが設けられ、前記第一上面より低い位置にある第二上面とをさらに備え、前記傾斜面は、前記第一上面と前記第二上面との間にあり前記第一上面と前記第二上面に接続されている。
【0014】
好ましくは、前記運転席は、底面と、前記底面の前側に設けられた内前面と、前記底面の左側に設けられた内左側面と、前記底面の右側に設けられた内右側面とによって形成され、後方に開放されており、前記ディスプレイは、前記操作機器と前記ステアリングハンドルとの間で、前記内前面と、前記内左側面または前記内右側面のうち前記ステアリングハンドルに近い側面とによって形成された角部の近傍に位置している。
【0015】
好ましくは、前記内左側面または前記内右側面のうち前記ステアリングハンドルに近い側面の上部には、駆動源となるバッテリを充電するために前記バッテリに接続されたコンセントが設けられ、前記ディスプレイに表示される情報には、前記バッテリの充電に関する情報が含まれる。
【0016】
好ましくは、前記ディスプレイの表示面は、曲面である。
【0017】
好ましくは、前記ディスプレイは前記傾斜面に複数設けられている。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ディスプレイが操作機器の後方側に位置していることにより、運転席からディスプレイを見たときに操作機器でディスプレイが隠れてしまうことがない。従って、運転席にいるオペレータは、ディスプレイの表示情報を従来のように覗き込んで確認する必要がない。さらに、ディスプレイが操作機器の後方側に位置していることにより、ディスプレイを車体の後方からも確認し易い。また、ディスプレイがステアリングハンドルよりも前方側に位置していることにより、ステアリングハンドルや、ステアリングハンドルを握るオペレータの腕でディスプレイが隠れてしまうこともない。従って、運転席にいるオペレータは、ディスプレイの表示情報を容易に確認することができる。さらに、ディスプレイが、ステアリングハンドルの左端または右端のうち運転席から遠い端部よりも運転席側に位置することにより、つまり、運転席に近い側にディスプレイが位置することにより、オペレータはさらにディスプレイの表示情報を容易に確認することができる。
【0022】
また、ディスプレイが、さらに、運転席側に向くことにより、運転席にいるオペレータからディスプレイを確認し易い。また、ディスプレイが、さらに、後方斜め上方に向いていることにより、運転席にいるオペレータからディスプレイを確認し易いと共に、運転席の外にいる人からもディスプレイを確認し易い。さらに、ディスプレイが運転席側に向き、後方斜め上方に向いていることにより、運転席にいるオペレータからも、運転席の外にいる人からもディスプレイを確認し易く、特に、ディスプレイが運転席に近い側に位置することにより、人が運転席に乗車せず運転席の後部に立った状態から車体に手を付けて上半身を運転席の中に入れてディスプレイを覗き込むような体勢をとれば、車体の外からでもディスプレイをより近くで確認することができる。
【0023】
また、本発明によれば、ディスプレイが、傾斜面に沿って設けられていることにより、ディスプレイのみがインパネ部上面より突出することがなく、人や物の接触等でディスプレイが破壊されることを防止できる。
【0024】
また、本発明によれば、ディスプレイは、表示する情報にバッテリの充電に関する情報を含むことにより、従来のように、コンセント37の近傍に設けた充電状態確認専用のディスプレイを必要とせず、バッテリの充電に関する情報を確認することができる。従って、従来のように充電状態を表示するための追加のディスプレイを設ける必要がなく、部品点数の削減やコストダウンを図ることができる。本発明のディスプレイが従来のコンセント37の近傍に設けた充電状態確認専用のディスプレイも兼ねることとなるため、従来の充電状態確認専用のディスプレイの位置での確認ができず、充電状態の確認が不便になるのでは、と案じそうになるが、本発明のディスプレイは上記のように、前後方向にも、左右方向にも運転席に近い位置にあることにより、車体の外からも充電状態を確認し易く、何ら充電状態の確認が不便になることもない。
【0025】
また、本発明によれば、ディスプレイは、リーチ式フォークリフトに設けられている。フォークリフト作業は、荷物を取りに前進する、荷物を取って後進する、という前進と後進を頻繁に繰り返す作業であるため、リーチ式フォークリフトの運転席に乗車したオペレータは、斜め前方を向く運転姿勢がよくとられる。本発明のディスプレイは、この斜め前方を向く運転姿勢をとるオペレータの正面に位置することとなり、リーチ式フォークリフトでは特にディスプレイの視認性が増すこととなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の第一実施形態に係るフォークリフトの側面図である。
図2図1のフォークリフトの車体の斜視図である。
図3図1のフォークリフトの車体の平面図である。
図4図1のフォークリフトにおける乗車姿勢の一例を示す平面図である。
図5】本発明の第二実施形態に係るフォークリフトの車体の斜視図である。
図6】本発明の第三実施形態に係るフォークリフトの車体の斜視図である。
図7】従来のフォークリフトの車体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図1から図4までの図面を参照して、本発明に係るフォークリフトの第一実施形態について説明する。
本実施形態のフォークリフトは、リーチ式のフォークリフトであり、また駆動源となるバッテリを搭載したバッテリ式のフォークリフトである。
【0028】
図1を参照して、フォークリフトは、車体1と、車体1から前方に延びる左右一対のストラドルレッグ2と、一対のストラドルレッグ2の間に設けられてストラドルレッグ2に沿って前後方向に進退可能なキャリッジ3とを備えている。
【0029】
キャリッジ3には、左右一対のアウタマスト4が上下方向に設けられている。それぞれのアウタマスト4の内側には、インナマスト(図示されない)が上下方向に設けられている。キャリッジ3には、リフトシリンダ5が上下方向に伸縮するように立てて設けられている。リフトシリンダ5の伸縮動作によってインナマストがアウタマスト4に沿って昇降するようになっている。インナマストには、リフトブラケット6がインナマストに沿って昇降可能に設けられており、リフトブラケット6には、左右一対のフォーク7が前後方向に傾倒可能に支持されている。
【0030】
リフトシリンダ5の伸縮動作によってインナマストが昇降し、それに伴い、リフトブラケット6と共にフォーク7が昇降する。即ち、フォーク7のリフト動作が行われる。図示されないティルトシリンダの伸縮動作によってフォーク7が前傾及び後傾する。即ち、フォーク7のティルト動作が行われる。また、図示されないリーチシリンダの伸縮動作によってキャリッジ3が前後方向に進退し、それに伴い、アウタマスト4等と共にフォーク7が前後方向に進退する。即ち、フォーク7のリーチ動作が行われる。
【0031】
さらに、フォークリフトは、左右一対のストラドルレッグ2のそれぞれに、前輪としての従動輪8を備える。フォークリフトは、車体1に、右後輪としての従動輪9を、左後輪としての駆動輪10を備えている。
【0032】
図2から図4を参照して、車体1の構成について説明する。
車体1の内部には、バッテリが収納されるバッテリ収納室が設けられている。車体1の右後部は、運転席11となっている。運転席11は、内前面12、内右側面13、内左側面14及び底面15によって形成され、後方に開放されている。オペレータ40(図4)は、車体1の後方から運転席11に乗車して、起立した状態でフォークリフトを操縦する。
【0033】
図2の通り、運転席11の内左側面14の上部には、バッテリを充電するためにバッテリに接続されたコンセント16が設けられる。ケーブルを介して外部電源に接続された充電プラグがコンセント16に差し込まれることにより、バッテリが充電される。
【0034】
運転席11の底面15の左前部には、デッドマンブレーキを操作するためのブレーキペダル17が設けられている。デッドマンブレーキとは、ブレーキペダル17が踏み込まれているときに、ブレーキを解除してフォークリフトを走行可能な状態にするものである。
【0035】
車体1の上面18に、各種の操作スイッチやレバーを有するインパネ部19(インストルメントパネル)が設置されている。インパネ部19は、運転席11の前方に位置している。インパネ部19は、フォーク7を操作するための荷役レバー20と、車体1の走行におけるアクセルを操作するためのアクセルレバー21とを備えている。言い換えれば、フォークリフトの荷役操作を行うための操作機器と、フォークリフトの走行操作を行うための操作機器とを備えている。
【0036】
荷役レバー20は、フォーク7をリフト操作するためのリフトレバー、フォーク7をティルト操作するためのティルトレバー、及び、フォーク7をリーチ操作するためのリーチレバーからなる。例えば、オペレータ40がリフトレバーを操作すると、リフトシリンダ5が伸縮し、それによってフォーク7が昇降する。ティルトレバー、リーチレバーも同じように機能する。
【0037】
オペレータ40がブレーキペダル17を踏みながらアクセルレバー21を操作すると駆動輪10が回転し、それによって車体1が走行する。アクセルレバー21の前傾及び後傾によって車体1の前進及び後進を選択でき、アクセルレバー21の操作量によって走行速度を調整できる。
【0038】
また、車体1の上面18には、車体1を操舵するためのステアリングハンドル22が設けられている。ステアリングハンドル22は、運転席11の左方に位置している。オペレータがステアリングハンドル22を操作すると、操作量に応じて駆動輪10の操舵角が変化し、それによって車体1を操舵できるようになっている。
【0039】
さらに、車体1の上面18には、ディスプレイ23が設けられている。ディスプレイ23は、各種の情報を表示する。各種の情報とは、例えば、車体1の走行速度、走行距離などの車体1の走行に関する情報や、フォーク7の揚高、フォーク7が水平か水平ではないか、フォーク7の傾倒角度、荷重などの荷役に関する情報、或いは自他フォークリフトの位置、オペレータ40に関する情報、或いは通常モード、エコモードなどの運転モード、運転時間、バッテリの残量などである。即ち、ディスプレイ23は、オペレータ40が運転席11に乗車してフォークリフトを操縦する際に確認したい情報を表示する。
【0040】
さらに、ディスプレイ23は、充電プラグがコンセント16に差し込まれてバッテリが充電されている間に、バッテリの充電に関する情報を表示することもできる。バッテリの充電に関する情報は、充電の進行状況、充電完了までの時間などであり、オペレータ40がバッテリの充電状態を把握するための情報である。
【0041】
ディスプレイ23の配置は、以下の通りである。図3の通り、ディスプレイ23は、荷役レバー20の後端よりも後方に位置し(一点鎖線L1参照)、ステアリングハンドル22の前端よりも前方に位置し(一点鎖線L2参照)、かつ、ステアリングハンドル22の左端よりも右方に位置している(一点鎖線L3参照)。
さらに具体的には、ディスプレイ23は、荷役レバー20とステアリングハンドル22の間で、運転席11の内前面12と内左側面14とにより形成される角部の近傍に位置している。
【0042】
また、図2に最もよく示される通り、車体1の上面18は、荷役レバー20を有するインパネ部19が設置された第一上面18aと、ステアリングハンドル22が設けられた、第一上面18aよりも低い位置にある第二上面18bとを備えている。さらに、車体1の上面18は、この第一上面18aと第二上面18bとの間にこれらを接続する傾斜面18cを備えている。そして、傾斜面18cは、荷役レバー20の後端よりも後方に、ステアリングハンドル22の前端よりも前方に、かつ、ステアリングハンドル22の左端よりも右方において、上方に、後方に、かつ右方に(運転席11よりに)向く傾斜部分を有している。つまり、傾斜面18cは、後方側斜め上方に、かつ運転席11側に向く傾斜面を有している。そして、ディスプレイ23は、傾斜面18cのこの傾斜部分に設けられている。つまり、ディスプレイ23の表示面は、傾斜面18cの傾斜面に沿って位置しており、ディスプレイ23の表示面は、後方側斜め上方に、かつ運転席11側に向いている。
【0043】
以上のようなディスプレイ23の配置によって、次のような作用効果が得られる。
ディスプレイ23が荷役レバー20の後方側に位置していることにより、運転席11からディスプレイ23を見たときに荷役レバー20でディスプレイ23が隠れてしまうことがない。従って、運転席11にいるオペレータ40は、ディスプレイ23の表示情報を従来のように覗き込んで確認する必要がない。さらに、ディスプレイ23が操作機器の後方側に位置していることにより、ディスプレイ23を車体1の後方からも確認し易い。また、ディスプレイ23がステアリングハンドル22よりも前方側に位置していることにより、ステアリングハンドル22や、ステアリングハンドル22を握るオペレータ40の腕でディスプレイ23が隠れてしまうこともない。従って、運転席11にいるオペレータ40は、ディスプレイ23の表示情報を容易に見ることができる。さらに、ディスプレイ23が、ステアリングハンドル22の左端または右端のうち運転席11から遠い端部よりも運転席11側に位置することにより、つまり、運転席11に近い側にディスプレイ23が位置することにより、オペレータ40はさらにディスプレイ23の表示情報を容易に確認することができる。即ち、これら効果により図7の従来のフォークリフトに比べてディスプレイ23の視認性が向上している。
【0044】
ディスプレイ23は、前記の傾斜面18cに設けられることで、運転席11にいるオペレータ40の顔の方にも車体1の後方にも向いている。従って、ディスプレイ23を運転席11の中から見ても、或いは外から見ても視認性が良い。ディスプレイ23が、傾斜面18cに沿って設けられていることにより、ディスプレイ23のみがインパネ部19上面より突出することがなく、オペレータ40の腕や物の接触等でディスプレイ23が破壊されることを防止できる。
【0045】
ディスプレイ23は運転席11の外から見ても視認性が良いため、オペレータ40は、このディスプレイ23により、運転席11の外から充電状態を確認することができる。従って、従来のような追加のディスプレイ(図7の符号38参照)を設けなくてよく、それによって部品点数の削減やコストダウンを図ることができる。
【0046】
図4の通り、オペレータ40が、左前方を向いて、左手でステアリングハンドル22を、右手でアクセルレバー21を、左足でデッドマンブレーキ17を操作してフォークリフトを操縦する斜め向きの乗車姿勢がある。本実施形態のディスプレイ23の配置によれば、オペレータ40がこのような乗車姿勢でフォークリフトを操縦する場合にディスプレイ23が非常に見易くなっている。
【0047】
次に、図5を参照して、第二実施形態について説明する。
本実施形態の説明では、上記第一実施形態で述べた構成と同様の構成は省略し、異なる構成のみを説明する。即ち、本実施形態のディスプレイ23は、その表示面が曲面である。傾斜面18cは、後方側斜め上方に、かつ運転席11側に向く傾斜面であって、しかも平面視で運転席11を一部囲う曲面と成している。ディスプレイ23は、曲面を成すこの傾斜面18cに設けられている。つまり、ディスプレイ23の表示面は、傾斜面18cの傾斜面かつ曲面に沿って位置しており、ディスプレイ23の表示面は、後方側斜め上方に向き、かつ、運転席11側に向き、かつ、平面視で運転席11を一部囲う曲面と成している。
【0048】
本実施形態のディスプレイ23は、上記第1実施形態におけるディスプレイ23の作用効果に加えて、次のような作用効果が得られる。ディスプレイ23は、その表示面が平面視で運転席11を一部囲う曲面と成していることにより、ディスプレイ23のサイズが大型化しても、或いは横長になっても、表示面がオペレータ40側に向くことになり、表示画面の左隅から右隅までを容易に見ることができ、視認性が向上する。逆の見方をすると、表示画面を大型化、或いは横長化しても、視認性が落ちにくいため、表示画面を大型化、或いは横長化し易く、大きな表示画面に各種の情報を表示させることができる。これにより、一度に多くの情報を表示することができ、オペレータ40による情報の取得性が増大し、作業の効率化を図ることができる。また、小さな表示画面では、一度に表示される情報量が少ないため、オペレータ40による頻繁な画面の切り替え操作が必要であったが、表示画面の大型化、或いは横長化により、一度に表示される情報量が多くなり、オペレータ40による頻繁な画面の切り替え作業をなくすことができ、作業の効率化を図ることができる。
【0049】
次に、図6を参照して、第三実施形態について説明する。
本実施形態の説明では、上記第一実施形態で述べた構成と同様の構成は省略し、異なる構成のみを説明する。即ち、本実施形態のディスプレイ23は、複数備える。図6ではディスプレイ23は傾斜面18cに横に2つ並べて配置されている。ディスプレイ23の数は2つに限らず、3つ以上でも良い。また、横に並べて配置することに限らず、縦に並べて配置しても良いし、或いは斜めに並べて配置しても良い。
【0050】
本実施形態のディスプレイ23は、上記第1実施形態におけるディスプレイ23の作用効果に加えて、次のような作用効果が得られる。ディスプレイ23を複数備えることにより、それぞれ別個の情報を表示することが可能となり、1つのディスプレイ23の場合に比べて多くの情報を表示することができる。これにより、オペレータ40による情報の取得性が増大し、作業の効率化を図ることができる。また、1つのディスプレイ23では、一度に表示される情報量が少ないため、オペレータ40による頻繁な画面の切り替え操作が必要であったが、複数のディスプレイ23により、一度に表示される情報量が多くなり、オペレータ40による頻繁な画面の切り替え作業をなくすことができ、作業の効率化を図ることができる。また、異なる情報をそれぞれ異なるディスプレイ23に表示することが可能となり、どのディスプレイ23に何の情報が表示されているか、を区別して把握し易く、情報を正確に区別して理解し易くなる。
【0051】
以上、本発明に係る好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態では、ステアリングハンドル22は運転席11の左方に設けられていることから、ディスプレイ23が、ステアリングハンドル22の左端よりも右方に設けられていた(図3の一点鎖線L3参照)。ステアリングハンドル22が運転席11の右方に設けられる場合には、ディスプレイ23を、ステアリングハンドル22の右端よりも左方に設ければよい。要するに、ディスプレイ23は、ステアリングハンドル22の左端または右端のうち運転席11から遠い端部よりも、左方または右方のうち運転席11に向かう方に設けられる。
【符号の説明】
【0052】
1 車体
11 運転席
16 コンセント
18 上面
18a 第一上面
18b 第二上面
18c 傾斜面
2 ストラドルレッグ
20 荷役レバー
21 アクセルレバー
22 ステアリングハンドル
23 ディスプレイ
40 オペレータ
【要約】
【課題】ディスプレイの視認性が向上したフォークリフトを提供する。
【解決手段】車体1と、車体1の後部に設けられた運転席11と、運転席11の前方に位置し、荷役操作あるいは走行操作を行うための操作機器と、運転席11の左方または右方に位置するステアリングハンドル22と、各種の情報を表示するディスプレイ23と、を備える。ディスプレイ23は、操作機器よりも後方に、かつ、ステアリングハンドル22よりも前方に、かつ、ステアリングハンドル22の左端または右端のうち運転席11から遠い端部よりも運転席11側に位置する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7