(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
該H官能性開始剤化合物を、第1に該不飽和の環状カルボン酸無水物と、続いて該アルキレンオキシド化合物と反応させるか、あるいは該H官能性開始剤化合物を、該不飽和の環状カルボン酸無水物および該アルキレンオキシド化合物と同時に反応させ、および/または、該プロセスがアミン触媒を用いて行われる、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の製造方法。
該第3級アミンが、トリエタノールアミン、テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ジメチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタンアミン、2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}エタノール、および3,3’,3’’−(1,3,5−トリアジン−1,3,5−トリイル)トリス(N,N−ジメチル−プロパン−1−アミン)からなる群から選ばれる、請求項12乃至17のいずれか1項に記載のポリ尿素/ポリウレタン系。
該成分E)が、0.2〜2.0重量%の水、および/または0.1〜1.0重量%の第3級アミンを含む、請求項12乃至18のいずれか1項に記載のポリ尿素/ポリウレタン系。
【発明を実施するための形態】
【0015】
該製法において、不定冠詞「a」、「an」等は個別に、これらの成分のいくつかでさえ適宜、本願発明に係る製法において互いに反応させることができることを意味する。
【0016】
本願発明に係る該ヒドロキシアミノポリマーは、>1個、好ましくは少なくとも2個、少なくとも3個以上のアミノ官能基を有し、従って、それは、2個以上、および好ましくは3個のNCO官能基のプレポリマーとの3次元ポリ尿素/ポリウレタンを速く形成することができる。
【0017】
該製法において、上記の化合物は、統計的観点からも、アミノ官能基に加えて1つ以上の末端ヒドロキシ基を含有するという、付加利益を有する。これらの基は、同様にNCO反応性であって、加えて該ポリマーネットワークの速い発展を促進する。このネットワークは、高い弾性、強度および接着力、および細胞毒性の欠落によって区別される。その上、該ネットワークは、ほんの短期間の後、もはや粘着性ではなく、すなわち「不粘着」である。
【0018】
加えて、本願発明に係る化合物は、それは23℃で10,000mPa未満の粘度を有するので、プレポリマーと容易に混合し得る。この方法で、該化合物はまた、2−成分スプレーシステム
(装置)(ここで、個々の成分はスプレー時に混合用ノズル中で単に一緒に混合するだけである)で使用し得る。
【0019】
該水素官能性開始剤化合物は少なくとも1つのツェレビチノフ活性H原子を含有するという上記の製法の範囲内で供給を行う。該ツェレビチノフ活性H原子は、本願発明の範囲内で酸性H原子または「活性」H原子を意味する。これは、個々のグリニャール試薬との反応性による通常の方法で同定することができる。ツェレビチノフ活性H水素の量は、典型的にメタンの放出によって測定され、該メタンは、試験する物質と臭素メチルマグネシウム(CH
3−MgBr)との反応における、以下の反応式(式1)に従って生じる。
【化1】
ツェレビチノフ活性H原子は典型的に、C−H酸性の有機基、−OH、−SH、−NH
2または−NHR(Rは有機基である)、または−COOHから生じる。
【0020】
ヒドロキシ官能性開始剤(これは、使用されることが好ましい)に加えて、アミノ官能性開始剤はまた使用し得る。
【0021】
ヒドロキシ官能性開始剤化合物の例は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、および高級脂肪族モノオール、特に脂肪族アルコール、フェノール、アルキル−置換フェノール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,12−ドデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロース、ヒドロキノン、ブレンズカテコール、レゾルシノール、ビスフェノールF、ビスフェノールA、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、並びにホルムアルデヒドおよびフェノールまたは尿素から構成されるメチロール基を含有する縮合物を挙げられる。非常に官能性の開始剤化合物はまた、水素化デンプン加水分解物に基づいて使用することができる。これらは、例えば欧州特許出願公開第1525244号において記載されている。
【0022】
アミノ基を含有するH官能性開始剤化合物の例は、アンモニア、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、アニリン、トルイジンの異性体、ジアミノトルエンの異性体、ジアミノジフェニルメタンの異性体、アニリンとホルムアルデヒドとの縮合によってジアミノジフェニルメタンを与えるより固体の生成物、加えてホルムアルデヒドとメチロール基含有のメラミンとから構成される縮合物、並びにマンニッヒ塩基を挙げられる。
【0023】
加えて、環状カルボン酸由来の開環生成物はまた、無水物とポリオールにおける開始剤化合物として使用することもできる。例としては、一方が無水フタル酸または無水コハク酸、および他方がエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,12−ドデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールまたはソルビトール、から構成される開環生成物等、を挙げられる。加えて、単官能性もしくは多官能性のカルボン酸を開始剤化合物として直接に使用することも可能である。
【0024】
その上、該開始剤化合物の既製のアルキレンオキシド付加生成物、すなわち5〜1000mg KOH/g、好ましくは10〜1000mg KOH/gのOH価を有するポリエーテルポリオールをまた、開始剤化合物として該製法に使用したり、または該反応混合物に加えることもできる。本願発明に係る製法において、好ましくは6〜800mg KOH/gの範囲のOH価を有する共開始剤として、ポリエステルポリオールを使用することも可能である。この点について、適当なポリエステルポリオールを、通常の反応に従って、例えば炭素数2〜12の有機ジカルボン酸および多価アルコール(炭素数2〜12、好ましくは炭素数2〜6のジオールが好ましい)から製造することができる。
【0025】
その上、H官能性開始剤物質としては、ポリカーボネート ポリオール、ポリエステルカーボネート ポリオール、またはポリエーテル カーボネート ポリオール(ポリカーボネート ジオール、ポリエステル カーボネート ジオール、またはポリエーテル カーボネート ジオールが好ましく、それぞれ6〜800mg KOH/gの範囲のOH価を有することが好ましい)を、開始剤または共開始剤として使用することができる。これらは、例えばホスゲン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、または炭酸ジフェニルの、二−もしくはより高い官能性のアルコール、ポリエステル ポリオール、またはポリエーテル ポリオールとの反応によって製造する。
【0026】
本願発明に係る製法の工程a)において、ヒドロキシ基を有しそしてアミノ基を有しないH官能性開始剤化合物は、活性炭化水素の運搬体として作用するのが好ましい。例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、および高級脂肪族モノオール、特に脂肪族アルコール、フェノール、アルキル−置換フェノール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,12−ドデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロース、ヒドロキノン、ブレンズカテコール、レゾルシノール、ビスフェノールF、ビスフェノールA、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、およびホルムアルデヒドとメトロール基含有のフェノールとから構成される縮合物、および水素化デンプン加水分解物を挙げられる。H官能性開始剤化合物の混合物をさらに使用し得る。H官能性開始剤化合物を以下で引用する場合には、H官能性開始剤化合物の混合物は、明白に除外しない限りにおいて、主に同じであると意図する。
【0027】
当業者に知られる全ての化合物はそれ自体が、本願発明に係る製法の範囲内で使用される不飽和の環状カルボン酸無水物のために考慮する価値がある。例えば、これらは、不飽和の環状ジカルボン酸無水物(例えば、無水マレイン酸、無水テトラヒドロフタル酸、特に3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物)、並びにそれらの組み合わせを挙げられる。
【0028】
複数の不飽和の環状カルボン酸無水物を使用する場合に、それらは同様に、該混合物でまたはブロックで個別に分配することができる。1つまたは複数の該環状カルボン酸無水物を該反応混合物に、アルキレンオキシド(1つまたは複数)と一緒に、または同時にアルキレンオキシドを分配するのではなく別のブロックとして、加えることが可能である。不飽和の環状カルボン酸無水物を以下で引用する場合には、明白に除外しない限りにおいて、主に同じであると意図する。
【0029】
本願発明に係る使用可能なアルキレンオキシド化合物としては、炭素数2〜24、特に炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜6を有するような代替物、並びに上記のタイプの様々なアルキレンオキシド化合物の組み合わせを選ぶことができる。炭素数2〜24のアルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1−ブテンオキシド、2,3−ブテンオキシド、2−メチル−1,2−プロペンオキシド(イソブテンオキシド)、1−ペンテンオキシド、2,3−ペンテンオキシド、2−メチル−1,2−ブテンオキシド、3−メチル−1,2−ブテンオキシド、1−ヘキセンオキシド、2,3−ヘキセンオキシド、3,4−ヘキセンオキシド、2−メチル−1,2−ペンテンオキシド、4−メチル−1,2−ペンテンオキシド、2−エチル−1,2−ブテンオキシド、1−ヘプテンオキシド、1−オクテンオキシド、1−ノネンオキシド、1−デセンオキシド、1−ウンデセンオキシド、1−ドデセンオキシド、4−メチル−1,2−ペンテンオキシド、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、シクロヘプテンオキシド、シクロオクテンオキシド、スチレンオキシド、メチルスチレンオキシド、ピネンオキシド、1個以上の折り畳みエポキシを増大した脂肪(例えば、モノ−、ジ−、およびトリグリセリド)、エポキシ増大した脂肪酸、エポキシ増大した脂肪酸由来のC1−C24エステル、エピクロロヒドリン、グリシドール、グリシドールの誘導体(例えば、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート)、並びにエポキシ官能性アルキルオキシシラン(例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、および3−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン)からなる群から選ばれる1個以上の化合物を挙げられる。
【0030】
エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドは、アルキレンオキシドとして使用することが好ましい。分配される該アルキレンオキシドの総量に対して占有率が40重量%以上のエチレンオキシドを使用することが特に好ましく、40〜90重量%がより好ましい。該アルキレンオキシドは、個別に、混合物でまたはブロックで分配することができる。アルキレンオキシドまたはアルキレンオキシド化合物を以下で引用する場合には、アルキレンオキシドもしくはアルキレンオキシド化合物の混合物、または様々なアルキレンオキシドもしくはアルキレンオキシド化合物のブロック単位の調製は、明白に除外しない限りにおいて、主に同じであると意図する。
【0031】
本願発明に係る製法の場合に、カルボン酸無水物と該開始剤化合物のツェレビチノフ活性H原子の数との間のモル比を、可能な範囲で、全てのツェレビチノフ活性H原子が反応するように選択して、追加の供給を行う。カルボン酸無水物と該H官能性開始剤化合物のツェレビチノフ活性H原子の数との間のモル比は、約1:1〜1.5:1、特に1:1〜1.2:1であり得る。
【0032】
更に、本願発明に係る製法は、上記の単量体の使用に限定されるものではない。従って、例えば、少なくとも1つのコモノマーを反応させ、このものを、ラクトン、ラクチド、飽和もしくは芳香族の環状カルボン酸無水物、環状カーボネートおよび/または二酸化炭素から特に選択する、ことが可能である。この方法において、得られる該ヒドロキシアミノポリマーの特性プロファイルを、例えばイソシアネート基に対するその反応性、その極性、並びにヒドロキシアミノポリマーの他の化学的もしくは物理的な性質、またはポリイソシアネートとのその反応生成物に関連して、更に改変することができる。このコモノマーは、本願発明に係る製法の工程a)において加えることが好ましい。
【0033】
とりわけ、アンモニアの第1級アミンを、ヒドロキシル基を含有する該プレポリマーの二重結合に
付加させるという供給を、本願発明に係る製法の範囲で行う。適当なアミンは、例えば、アンモニア、1個の第1級アミノ基を有する脂肪族、環状脂肪族および/または芳香族脂肪族モノアミン(例えば、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、1−アミノプロパン、2−アミノプロパン、1−アミノブタン、2−アミノブタン、イソブチルアミン、1−アミノヘキサン、2−エチル−1−アミノヘキサン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、シクロヘキシルアミン、およびベンジルアミン);1個の第1級アミノ基および第2級アミノ基を有する脂肪族、環状脂肪族、および/または芳香族脂肪族ジアミンを挙げられ、ここで、該第2級アミノ基はまた環式の一部であり得て、例えばN−メチルエチレンジアミン、N−メチルプロピレンジアミン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、および3−アミノ−1,2,4−トリアゾール;1個の第1級アミノ基および1個の第3級アミノ基、および適宜1個の第2級アミノ基を有する、脂肪族、環状脂肪族、および/またはヘテロ環式のジアミン(例えば、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジメチル−1,8−ジアミノオクタン、N,N−ジメチル−1,4−ジアミノシクロヘキサン)、および2個の第1級アミノ基および少なくとも1つの第2級アミノ基を有する脂肪族アミン(例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタミン、およびビス−(3−アミノプロピル)−アミン)を挙げられる。その上、第1級アミノ基に加えてヒドロキシ基を含有するアミン(例えば、エタノールアミンまたはイソプロパノールアミン)は、本願発明に係る製法に適当である。
【0034】
(環状)脂肪族ジアミンが同様に適当である。これらは、一般式NH
2−R−NH
2で示される2個の第1級アミノ基を有する化合物を含み、式中、Rは2〜21個の、好ましくは2〜15、および特に好ましくは2〜10個の炭素原子を有する、脂肪族または環状脂肪族の基を意味する。この例としては、エチレンジアミン、1,2−および1,3−プロピレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、2,2,4−および2,4,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、5−アミノ−1−アミノメチル−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジアミン)、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)−メタン、ビス−(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)−メタン、1−アミノ−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサン、ビス−(4−アミノ−3,5−ジエチルシクロヘキシル)−メタン、ビス−アミノメチル−ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−インダン、2,3−、2,4−および2,6−ジアミノ−1−メチルシクロヘキサン、またはこれらのジアミンの混合物を挙げられる。当然に、該特定のモノおよびオリゴアミンをまた、更に混合物として使用することができる。加えるアミンを以下で引用する場合には、加えるアミンの混合物は明白に除外しない限りにおいて主に同じであると意図する。
【0035】
付加することができる二重結合
に対する、第1級アミノ基のモル比は、好ましくは0.01:1〜1.1:1、より好ましくは0.1:1〜1.1:1、特に好ましくは0.5:1〜1.1:1、および非常に特に好ましくは1:1〜1.1:1である。該反応は、触媒
作用下または非触媒
作用下で実施することができる。適当な触媒は例えば、酢酸銅、塩化スズまたは酢酸を挙げられる。該アミンは、触媒量の添加剤なしで加えることが好ましい。この工程に適当な反応温度の範囲は、例えば0℃〜150℃、好ましくは10℃〜100℃、特に好ましくは20℃〜80℃である。
【0036】
本願発明に係る製法の好ましい実施態様によれば、アルキレンオキシド化合物とカルボン酸無水物との間のモル比は、少なくとも1:1、好ましくは少なくとも2:1、特に好ましくは少なくとも2.5:1に調節する。本願発明に係る製法のこの実施態様において、アミン官能基とヒドロキシル基との間の平均距離が7以上の共有結合の距離を有するヒドロキシアミノポリマーを製造することが可能である。
【0037】
本願発明に係る製法の別の構造配置において、該ヒドロキシアミノポリマーにおける、ヒドロキシル基に対する
、付加されるアミノ基の比率は0.8〜2.5、特に0.9〜2.0、および好ましくは0.95〜1.8である。結果として、該ヒドロキシアミノポリマーのインターコネクティビティは、多官能性NCOプレポリマーとの反応において一層更に増加し得る。
【0038】
該ヒドロキシアミノポリマーのOH官能基については、それは、好ましい形では1.5〜6個であり得て、特に1.7〜4個、および特に好ましくは1.8〜3個であり得る。
【0039】
少なくとも1つのツェレビチノフ活性H原子を含有するH官能性開始剤化合物を使用する供給を、本願発明に係る製法の範囲内で行う。この化合物は、好ましい形では、1〜35個、特に1〜8個のツェレビチノフ活性H原子を有し得る。
【0040】
該H官能性開始剤化合物のモル質量は、広範囲にわたって変えることができる。従って、該H官能性開始剤化合物は、例えば数平均分子量が17〜10,000g/molを有し得る。従って、言い換えれば、本願発明の範囲は、単量体もしくは短鎖の開始剤化合物(例えば、アンモニア)から、または高分子の開始剤化合物からでさえ、開始することが必要となる、ことを提供する。
【0041】
工程a)第1プロセスの代替法:
第1の代替法によれば、該H官能性開始剤化合物を、初期量のアルキレンオキシド化合物を用い、次いで不飽和の環状カルボン酸無水物および追加量の該アルキレンオキシド化合物を用いて、変換することが最初に可能である。従って、この場合には、該H官能性開始剤化合物の鎖長は最初に、反応が起こる前に、不飽和の環状カルボン酸無水物および追加量のアルキレンオキシド化合物を用いて伸長する。該H官能性開始剤化合物は、最初にオキシアルキレン単位のみが該当初のH官能性開始剤化合物に加えられるので、鎖の長さが増大するとき、そのツェレビチノフ活性H原子の数が大きく保持され、そして高分子量を有するH官能性開始剤化合物が達成される。
【0042】
この方法は、数平均分子量が17〜1200g/mol、特に62〜1000g/molを有するH官能性開始剤化合物から開始する場合に、特に適当である。次いで、このH官能性開始剤化合物は、該アルキレンオキシド化合物を
付加することによって、例えば数平均分子量が200〜20000g/mol、好ましくは600〜10000g/molにまで形成することができる。結果として、アミノ官能基およびヒドロキシル基の間の距離が6または7個の共有結合の長さであり得る構造を製造することができるので、この方法は有益である。
【0043】
本願発明に係る製法の更なる形態において、該H官能性開始剤化合物の反応は、不飽和の環状カルボン酸無水物を用いて、および/または複合金属シアニド触媒(DMC触媒)を用いることによる該アルキレンオキシド化合物の添加によって、実施する。ここで、該DMC触媒は、ヘキサシアノコバルト(III)酸亜鉛、ヘキサシアノイリジウム(III)酸亜鉛、ヘキサシアノ鉄(III)酸亜鉛、およびヘキサシアノコバルト(III)酸コバルト(II)を含むことが好ましい。
【0044】
該製法は、例えば分配されるアルキレンオキシド化合物の除反応後に、不飽和の環状カルボン酸無水物を例えば、存在するOH基のmol当たり約1molのカルボン酸無水物を加えるように、構成することができる。続いて、いずれかの所望する量のアルキレンオキシド化合物を再び加えて、該ヒドロキシル基を含有する該プレポリマーを得る。上記反応順序を1回以上繰り返して、その結果いずれかの所望する数の、特にツェレビチノフ活性H原子当たり1個以上の二重結合を該プレポリマー中に組み入れることができる。従って、例えば2個以上の、特に3個以上の、ツェレビチノフ活性H原子当たりのアミノ官能基を、付加によって二重結合に導入することができる。当然に、該二重結合はまた、1個以上のアルキレンオキシド化合物および1個以上の不飽和の環状カルボン酸無水物をツェレビチノフ活性H原子を含有する1個もしくは複数の開始剤化合物に並行して分配することによって、該プレポリマー中に導入することもできる。1個以上のアルキレンオキシド化合物および1個以上の不飽和の環状カルボン酸無水物のこの並行分配は、開始から、または1個の純粋なアルキレンオキシドブロックを該ツェレビチノフ活性H原子を含有する開始剤化合物に対して分配した後に、起こり得る。
【0045】
該プレポリマーの該ポリマー鎖に対する二重結合は、該アルキレンオキシド化合物および不飽和の環状カルボン酸無水物を統計的論理に従って分配するとき、広く分布し、特にアルキレンオキシド要素に基づくポリエーテル鎖のブロックはより広範囲の鎖長分布を被る。
【0046】
本願発明に係る製法は、複合金属シアニド触媒(DMC触媒)を工程a)(すなわち、該H官能性開始剤化合物の該不飽和の環状カルボン酸無水物との反応、および/または該アルキレンオキシド化合物の付加)において使用することを提供する。そうすることで、様々なDMC触媒の混合物を同様に使用することができる。
【0047】
適当なDMC触媒は技術常識から一般的に知られており、例えば米国特許第3,4040,109号、米国特許第3,829,505号、米国特許第3,941,849号、および米国特許第5,158,922号中で公開されている。
【0048】
例えば米国特許第5,470,813号、欧州特許出願公開第700 949号、欧州特許出願公開第743 093号、欧州特許出願公開第761 708号、国際公開第98/16310号、および国際公開第00/47649号中に記載されているDMC触媒は、アルキレンオキシドの重合において、場合によりアルキレンオキシドと不飽和の環状カルボン酸無水物の共重合において、非常に高レベルの活性を有し、そして非常に最少触媒濃度(25ppmまたはそれ以下)でのポリエーテル ポリオールの製造を可能とし、その結果最終生成物からの触媒の分離は一般的にもはや必要ではない。典型的な例は、欧州特許出願公開第700949号中に記載された高活性なDMC触媒であり、このものは、複合金属シアニド化合物(例えば、ヘキサシアノコバルト(III)酸亜鉛)および有機複合体リガンド(例えば、tert−ブタノール)に加えて、数平均分子量が500g/mol以上の更なるポリエーテルを含む。欧州特許出願番号10163170.3中で公開されたアルカリ性DMC触媒を使用することもできる。
【0049】
複合金属シアニド化合物の製造に適当なシアニド不含金属塩は、一般式(III):
M(X)
n (III)
で示されることが好ましい。該式中、
Mは、Zn
2+、Fe
2+、Ni
2+、Mn
2+、Co
2+、Sr
2+、Sn
2+、Pb
2+、およびCu
2+からなる群から選ばれる、金属カチオンであり、Mは、Zn
2+、Fe
2+、Co
2+またはNi
2+が好ましく;
Xは、1個以上の(すなわち、様々な)アニオンであり、これは、ハロゲン化物(すなわち、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド)、水酸化物、スルフェート、カーボネート、シアネート、チオシアネート、イソシアネート、イソチオシアネート、カルボキシレート、オキサレート、およびニトレートからなる群から選ばれることが好ましく;
Xがスルフェート、カーボネートまたはオキサレートである場合には、nは1であり;そして、
Xがハロゲン化物、水酸化物、シアネート、チオシアネート、イソシアネート、イソチオシアネートまたはニトレートである場合には、nは2である。
【0050】
更に適当なシアニド不含金属塩は、一般式(IV):
M
r(X)
3 (IV)
で示される。該式中、
Mは、Fe
3+、Al
3+およびCr
3+からなる群から選ばれる金属カチオンであり;
Xは、1個または様々なタイプのアニオンであり、ここで、該アニオンは、ハロゲン化物(すなわち、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド)、水酸化物、スルフェート、カーボネート、シアネート、チオシアネート、イソシアネート、イソチオシアネート、カルボキシレート、オキサレート、およびニトレートからなる群から選ばれることが好ましく;
Xがスルフェート、カーボネートまたはオキサレートである場合には、rは2であり;そして、
Xがハロゲン化物、水酸化物、シアネート、チオシアネート、イソシアネート、イソチオシアネート、カルボキシレート、またはニトレートである場合には、rは1である。
【0051】
他の適当なシアニド不含金属塩は、一般式(V):
M(X)
s (V)
で示される。該式中、
Mは、Mo
4+、V
4+、およびW
4+からなる群から選ばれる金属カチオンであり;
Xは、1個または様々タイプのアニオンであり、ここで、該アニオンは、ハロゲン化物(すなわち、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド)、水酸化物、スルフェート、カーボネート、シアネート、チオシアネート、イソシアネート、イソチオシアネート、カルボキシレート、オキサレート、およびニトレートからなる群から選ばれることが好ましく;
Xがスルフェート、カーボネートまたはオキサレートである場合には、sは2であり;そして、
Xがハロゲン化物、水酸化物、シアネート、チオシアネート、イソシアネート、イソチオシアネート、カルボキシレート、またはニトレートである場合には、sは4である。
【0052】
同様に適当なシアニド不金属塩は、一般式(VI):
M(X)
t (VI)
で示される。該式中、
Mは、Mo
6+およびW
6+からなる群から選ばれる金属カチオンであり;
Xは、1個または様々なタイプのアニオンであり、ここで、該アニオンは、ハロゲン化物(すなわち、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド)、水酸化物、スルフェート、カーボネート、シアネート、チオシアネート、イソシアネート、イソチオシアネート、カルボキシレート、オキサレート、およびニトレートからなる群から選ばれることが好ましく;
Xがスルフェート、カーボネートまたはオキサレートである場合には、tは3であり;そして、
Xがハロゲン化物、水酸化物、シアネート、チオシアネート、イソシアネート、イソチオシアネート、カルボキシレートまたはニトレートである場合には、tは6である。
【0053】
適当なシアニド不金属塩の例としては、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、酢酸亜鉛、亜鉛アセチルアセトネート、硫酸鉄(II)、臭化鉄(II)、塩化鉄(II)、塩化コバルト(II)、コバルト(II)チオシアネート、塩化ニッケル(II)、および硝酸ニッケル(II)を挙げられる。様々な金属塩の混合物を同様に使用することができる。
【0054】
複合金属シアニド化合物の製造に適当な金属シアニド塩は、一般式(VII):
(Y)
aM
’(CN)
b(A) (VII)
で示されることが好ましい。該式中、
M'は、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Cr(II)、Cr(III)、Mn(II)、Mn(III)、Ir(III)、Ni(II)、Rh(III)、Ru(II)、V(IV)、およびV(V)からなる群から選ばれる1個以上の金属カチオンであり、M
’は、Co(II)、Co(III)、Fe(II)、Fe(III)、Cr(III)、Ir(III)、およびNi(II)からなる群から選ばれる1個以上の金属カチオンであることが好ましく;
Yは、アルカリ金属(すなわち、Li
+、Na
+、K
+、Rb
+、Cs
+)およびアルカリ土類金属(すなわち、Be
2+、Ca
2+、Mg
2+、Sr
2+、Ba
2+)からなる群から選ばれる1個以上の金属カチオンであり;
Aは、ハロゲン化物(すなわち、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド)、水酸化物、スルフェート、カーボネート、シアネート、チオシアネート、イソシアネート、イソチオシアネート、カルボキシレート、オキサレート、およびニトレートからなる群から選ばれる1個以上のアニオンであり;そして、
a、bおよびcは整数であり、ここで、a、bおよびcの値は、金属シアニド塩の電気的中性が存在するように選択され;aは1、2、3または4が好ましく;bは4、5または6が好ましく;そして、cは0の値を有することが好ましい。
【0055】
適当な金属シアニド塩の例は、ヘキサシアノコバルト(III)酸カリウム、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム、ヘキサシアノコバルト(III)酸カルシウム、およびヘキサシアノコバルト(III)酸リチウムを挙げられる。
【0056】
本願発明に係るDMC触媒中に含まれる好ましい複合金属シアニド化合物は、一般式(VIII):
Mx[M
’x
,(CN)y]z (VIII)
で示される化合物である。該式中、
Mは、式(III)〜(VI)中で定義した通りであり;
M
’は、式(VII)中で定義した通りであり;そして、
x、x
’、yおよびzは整数であり、これらは、該複合金属シアニド化合物の電気的中性が存在するように選択される。
【0057】
好ましくは、
xが3であり、x
’が1であり、yが6であり、そしてzが2であり;
Mが、Zn(II)、Fe(II)、Co(II)、またはNi(II)であり;そして、
M
’が、Co(III)、Fe(III)、Cr(III)、またはIr(III)である。
【0058】
好ましく使用される複合金属シアニド化合物の例は、ヘキサシアノコバルト(III)酸亜鉛、ヘキサシアノイリジウム酸亜鉛(III)、ヘキサシアノ鉄酸亜鉛(III)、およびヘキサシアノコバルト(III)酸コバルト(II)を挙げられる。適当な複合金属シアニド化合物の更なる例は、例えば米国特許第5,158,922号中で知ることができる。ヘキサシアノコバルト(III)酸亜鉛を使用することが特に好ましい。
【0059】
DMC触媒の製造の間に加えられる有機複合体リガンドは、例えば米国特許第5,158,922号、米国特許第3,404,109号、米国特許第3,829,505号、米国特許第3,941,849号、欧州特許出願公開第700 949号、欧州特許出願公開第761 708号、特開平4−145123号、米国特許第5,470,813号、欧州特許出願公開第743 093号、および国際公開第97/40086号中で公開されている。該複合金属シアニド化合物と複合体を形成し得る、ヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、リンまたは硫黄)を有する水溶性有機化合物は、例えば有機複合体リガンドとして使用される。好ましい有機複合体リガンドとしては、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル、エステル、アミド、尿素、ニトリル、スルフィド、およびそれらの混合物を挙げられる。特に好ましい有機複合体リガンドとしては、脂肪族エーテル(例えば、ジメトキシエタン)、水溶性脂肪族アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソ−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール)、並びに脂肪族もしくは環状脂肪族のエーテル基および脂肪族ヒドロキシル基を含む化合物(例えば、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−モノ−tert−ブチルエーテル、トリプロピレングリコール−モノ−メチルエーテル、および3−メチル−3−オキセタン−メタノール)を含む化合物を挙げられる。非常に好ましい有機複合体リガンドとしては、ジメトキシエタン、tert−ブタノール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、および3−メチル−3−オキセタン−メタノールからなる群から選ばれる1個以上の化合物を挙げられる。
【0060】
ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアルキレングリコールソルビタンエステル、ポリアルキレングリコールグリシジルエーテル、ポリアクリルアミド、ポリ(アクリルアミド-共-アクリル酸)、ポリアクリル酸、ポリ(アクリル酸-共-マレイン酸)、ポリアクリロニトリル、ポリアルキルアクリレート、ポリビニルメタクリル酸、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニル酢酸、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリ(N−ビニルピロリドン共−アクリル酸)、ポリビニルメチルケトン、ポリ(4−ビニルフェノール)、ポリ(アクリル酸共スチレン)、オキサゾリンポリマー、ポリアルキレンイミン、マレイン酸と無水マレイン酸の共重合体、ヒドロキシエチルセルロースおよびポリアセチレン、グリシジルエーテル、グリコシド、多価アルコールのカルボン酸エステル、胆汁酸、またはそれらの塩、エステルもしくはアミド、シクロデキストリン、リン化合物、α,β−不飽和カルボン酸エステル、イオン性界面活性化合物もしくは界面活性化合物、の化合物クラス由来の1個以上の複合体形成成分は、適宜本願発明に係る好ましいDMC触媒の製造に適宜使用される。
【0061】
好ましくは、有機複合体リガンド(例えば、tert−ブタノール)の存在下で、金属シアニド塩に対して定量的な過剰量(少なくとも50mol%)(すなわち、2.25〜1.00と、金属シアニド塩に対するシアニド不含金属塩が少なくとも1モル比率)での第1工程における本願発明に係る好ましいDMC触媒を製造するのに使用される金属塩(例えば、塩化亜鉛)の水溶液、および金属シアニド塩(例えば、ヘキサシアノコバルト酸カリウム)を反応させ、その結果、該複合金属シアニド化合物(例えば、亜鉛ヘキサシアノコバルト酸塩)、水、余剰シアニド不含金属塩、および該有機複合体リガンドを含有する懸濁液を形成する。該製法において、該有機複合体リガンドは、該シアニド不含金属塩および/または該金属シアニド塩の水溶液で供し得るか、あるいは、該複合金属シアニド化合物の析出後に得られる該懸濁液に直接に加えられる。激しく撹拌しながら、該シアニド不含金属塩の水溶液、該金属シアニド塩、および該有機複合体を混合することは有利であることが分かっている。次いで、第1工程において形成する懸濁液を、適宜、更なる複合体を形成する成分を用いて処理する。この製法において、該複合体を形成する成分は、水および有機複合体リガンドとの混合物中で使用することが好ましい。該第1工程(すなわち、該懸濁液の製造)を実施するための好ましい方法は、混合ノズルを使用することによって、特に好ましくはスプレー分散剤を使用することによって(国際公開第01/39883号に記載)、行う。
【0062】
該第2工程において、固体物質を、通常の技術(例えば、遠心分離またはろ過)によって該懸濁液から単離する(すなわち、本願発明に係る触媒の予備的段階)。
【0063】
該触媒を製造するための好ましい実施態様のタイプは、該単離された固体物質を引き続いて、該有機複合体リガンドの水溶液を用いる該製法の第3工程において(例えば、再懸濁、および続くろ過および遠心分離による再単離の手法によって)、該有機複合体リガンドの水溶液を用いて洗浄する。この方法において、例えば水溶性副生成物(例えば、塩化カリウム)を、本願発明に係る触媒から除くことができる。該水性洗浄溶液中での有機複合体リガンドの量は、溶液全体に対して40〜80重量%の間であることが好ましい。
【0064】
該水性洗浄溶液の第3工程において、更なる複合体を形成する成分を、溶液全体に関して好ましくは0.5〜5重量%の間で適宜加える。
【0065】
その上、該単離した固体物質を1回以上洗浄することが有利である。この点について、例えば第1洗浄プロセスを繰り返すことができる。しかしながら、更なる洗浄プロセスのための水溶液、例えば有機複合体リガンドと別の複合体形成成分との混合物を使用することは好ましくはない。
【0066】
該単離されおよび適宜洗浄される固体物質を引き続いて、適宜粉砕後に、一般的には20〜100℃の温度で、および一般的には0.1〜標準圧(1013ミリバール)の圧力で乾燥する。
【0067】
ろ過、ろ過ケーキ洗浄および乾燥による、該懸濁液から本願発明に係るDMC触媒を単離するための好ましい方法は、国際公開第01/80994号中に記載されている。
【0068】
工程a)において使用されるDMC触媒の濃度は、製造されるヒドロキシル基を含有するプレポリマーの量に対して、5〜1000ppmであり、好ましくは10〜900ppmであり、特に好ましくは20〜800ppmである。該アミン添加からの適用終了段階の要件プロファイルに応じて、該生成物中の該DMC触媒を残したり、または(一部)分離することができる。該DMC触媒は、例えば吸着剤を用いて処理することによって、(一部)分離することができる。DMC触媒の分離のための方法は、例えば米国特許第4,987,271号、独国特許第313 22 58号、欧州特許出願公開第406 440号、米国特許第5,391,722号、米国特許第5,099,075号、米国特許第4,721,818号、米国特許第4,877,906号、欧州特許出願公開第385 619号中に記載されている。
【0069】
最少量の無機鉱酸、好ましくはリン酸を適宜、該DMC触媒と接触させる前に該H官能性開始剤化合物に加えて、該H官能性開始剤化合物中のいずれかの微量のアルカリ性物質を中和することができる。
【0070】
本願発明に係る製法を複合金属シアニド触媒を用いて実施する場合には、該H官能性開始剤化合物および該触媒を最初に供給して、一部の量の該アルキレンオキシド化合物および適宜他のコモノマーを分配し、そしてほんの次いで、該不飽和の環状カルボン酸無水物を加えることが一層有利である。この方法において、二重結合なしのポリマー構造は、最初に該H官能性開始剤化合物を用いて開始して開発することができる。この理由で、上記のアルキレンオキシド化合物の全てまたは適宜、追加のコモノマーを使用することができる。次いで、該H官能性開始剤化合物への該アルキレンオキシド化合物の上記付加反応が完結する場合には、該不飽和の環状カルボン酸無水物が典型的に該反応混合物に加えられる。
【0071】
該不飽和の環状カルボン酸無水物を加えた後に、該アルキレンオキシド化合物を引き続いて再度加え、および適宜、追加のコモノマーを加える。この点について、前述の通り、該アミン官能基と該ヒドロキシル基の間の距離を、加える不飽和の環状カルボン酸無水物の物質量に対するアルキレンオキシド化合物の物質量を選択することによって、調節することができる。特に、ツェレビチノフ活性水素のmol当たり1mol以上のアルキレンオキシド化合物を加える。これらの2個の官能
基の互いの距離は、更なるコモノマーを加えることによって影響を受け得る。上述の通り、カルボン酸無水物、およびその解除反応の後、更なるアルキレンオキシド化合物を引き続いて再度加えて、ツェレビチノフ活性H原子当たりの1個以上のアミン官能基を組み込むことの可能性を供することができる。
【0072】
本願発明に係る該方法の工程a)は、この改変に従って以下詳細に記載するが、本願発明は以下の記載に限定されるものではない。
【0073】
本願発明に係る製法の1実施態様において、該H官能性化合物を最初に、反応容器/反応容器
系中に該DMC触媒と一緒に供する。最少量の無機鉱酸(リン酸が好ましい)を適宜、該H官能性化合物に加え、その後にそのものを該DMC触媒と接触させて、該H官能性開始剤化合物中の何れかの微量のアルカリを中和したり、あるいは一般的により安定な様式で該製造方法を設計することができる。
【0074】
温度を50〜160℃まで、特に60〜140℃まで、非常に特に好ましくは70〜140℃にまで加熱した後に、該反応容器の内容物を、好ましくは10〜60分間かけて撹拌しながら、好ましい製法の改変で不活性ガスを用いてストリッピングする。不活性ガスを用いてストリッピングした後に、不活性ガスを液相中に、5〜500ミリバールの絶対圧力を有する減圧を同時に適用することによって、該揮発性成分を除去する。供するH官能性化合物の量に対して、典型的には5〜20
重量%の1個以上のアルキレンオキシド、適宜、既に少量の該不飽和の環状カルボン酸無水物および/または更なるコモノマーを含めて加えた後に、該DMC触媒を活性化する。
【0075】
1個以上のアルキレンオキシドおよび適宜、少量の該不飽和の環状カルボン酸無水物および/または更なるコモノマーの添加は、該反応容器の内容物を温度が50〜160℃にまで、好ましくは60〜140℃にまで、非常に特に好ましくは70〜140℃にまで加熱する前、その間、または後に行うことができ;それは、ストリッピングした後に行うことが好ましい。該触媒の活性化は、反応容器の圧力の加速的な低下によって顕著となり、該低下による、初期のアルキレンオキシド容量/不飽和の環状カルボン酸無水物容量の比率を示す。
【0076】
所望する量のアルキレンオキシドまたはアルキレンオキシド混合物を次いで、該反応混合物に連続して加え、適宜、所望する量の不飽和の環状カルボン酸無水物および/または分配する更なるコモノマーと一緒に加える。ここでは、20および200℃の間(50〜160℃が好ましい)の反応温度を選択する。該反応温度は、多くの例で活性化温度と同一である。
【0077】
その上、阻害剤(例えば、フェノール誘導体、フェノチアジンまたはビタミンE)を、該不飽和の環状カルボン酸無水物を加える前に、該H官能性開始剤化合物または反応混合物に加えることができる。
【0078】
該触媒は、非常に速く活性化されることが多く、その結果、該触媒の活性化のための別々の量のアルキレンオキシド/不飽和の環状カルボン酸無水物の分配を省くことができ、また該アルキレンオキシドおよび不飽和の環状カルボン酸無水物の連続的な分配を、適宜、最初は低下した分配速度で、直ちに開始することができる。該アルキレンオキシド分配段階の間の、あるいは該不飽和の環状カルボン酸無水物を分配しながらの間の、反応温度を、記載する限度内で変えることができる。同様に、該アルキレンオキシド化合物および該不飽和の環状カルボン酸無水物を、該反応容器に別々に加えることができる。気体の段階の間で、または直接に液体段階で、例えば、よく混合される領域において反応容器の底近くに位置づけた、浸漬チューブまたは分配器によって、分配することが可能である。
【0079】
DMC触媒の製法の場合には、液体段階での分配が好ましい。該アルキレンオキシドおよび不飽和の環状カルボン酸無水物を、使用する反応容器
系の安全関連の圧力限界を超えないように、該反応容器に連続して加える。開始および分配段階の間に、特にエチレンオキシドまたは純粋なエチレンオキシドを含有するアルキレンオキシド混合物を共分配するときに、十分な不活性ガスの部分圧を該反応容器中で保つのを確実にすることが必要である。このことは、例えば希ガスまたは窒素によって設定することができる。
【0080】
該液体段階の間に分配をする際に、該分配ユニットは、例えば該分配器リングの底に分配用穴を作ることによって、自己排出型に設計してもよい。該分配ユニットおよび反応物テンプレート中への反応媒質の逆流は、一般に該機械上の技術的な方法によって防止される。アルキレンオキシド/不飽和の環状カルボン酸無水物の混合物を分配する場合には、個々のアルキレンオキシドおよび個々の不飽和の環状カルボン酸無水物を、該反応容器に別々にまたは混合物として加えることができる。アルキレンオキシドの相互のおよび該不飽和の環状カルボン酸無水物との予備的な混合物は、例えば共通の分配セクションに位置する混合ユニットによって、達成し得る。例えば、熱交換器によって制御されたポンプ循環による、ポンプ吐出サイドでのアルキレンオキシドおよび適宜、該不飽和の環状カルボン酸無水物の別々のまたは予混合の分配はまた、有益であることが分かっている。該反応媒質と一緒に適当に混合するために、該アルキレンオキシド/カルボン酸無水物/反応媒質フロー中に高せん断混合ユニットを組み入れるのが有利である。発熱開環付加反応の温度は、冷却によって所望レベルに維持する。発熱反応についての重合反応容器の設計に関する最新の技術水準(例えば、Ullmann's Encyclicpedia of Industrial Chemistry, Vol. B4, pp. 167ff, 5th Ed., 1992)によれば、この冷却は、一般に反応器壁(例えば、二重円筒、ハーフパイプのコイル)によって、並びに該反応容器の内部に、および/または該ポンプ循環(例えば、冷却コイル、冷却プラグ、パネルチューブバンドル、またはミキサー熱交換器への循環)において外部から、位置している更なる熱交換器領域によって起こる。それらは、該分配段階の開始時点で既に、すなわち最少限充填されたときに、効果的な冷却を与えることができるように、構成すべきである。
【0081】
一般的に、遠心分離によるか、および市販の撹拌機の使用によって、全ての反応段階において、反応容器の内容物の十分な混合を確実にする必要があり、特にシングルまたはマルチ−ステージで配置された撹拌機、または充填レベルで広範囲に操作する撹拌機タイプがこの場合に適当である(例えば、「Apparatuses」manual; Vulkan-Verlag Essen, 1版、(1990), pp.188-208参照)。この場合に特に技術的な関連は、それぞれ該撹拌機自身の分野におけるより高い局所的な性能レベルおよび適宜低充填レベルでの、該反応容器の内容物全般にわたって媒質中に導入される混合エネルギー(これは通常、0.2〜5W/lの範囲にある)である。最適な撹拌を達成するために、バッフル(例えば、フラットなまたはチューブ状のバッフル)および冷却コイル(または冷却王ラグ)を、当該分野の技術常識に従う反応容器中に配置することができ、これらは該容器の床にわたって広げることができる。該混合ユニットの撹拌能力もまた、充填レベルに応じて分配段階の間に変えて、臨界反応段階における特に高エネルギー入力を確実にすることができる。例えば、反応の開始時(例えば、スクロースを特に集中的に使用するとき)に存在し得る、固体物質を含有する分散物を混合するのに有利であり得る。
【0082】
加えて、該反応混合物中での固体物質の十分な分散が特に固体のH官能性開始剤化合物を用いるときに、該撹拌ユニットの選択によって保証されることを確実にすることが必要である。この場合に、該反応容器の床上での撹拌段階、並びに特に懸濁に適当な攪拌器を使用することが好ましい。その上、該撹拌機の形は、反応生成物の発泡を減少させるのに役立つ。残留エポキシドを絶対圧力が1〜500ミリバールの範囲での減圧下で更に除去する場合には、反応混合物の発泡が、例えば分配の終了時におよび続く反応段階で観察され得る。該液体表面の連続的な混合を達成する攪拌機は、それらの場合に適当であることが分かった。要件に応じて、撹拌機シャフトは、床受け材および適宜、更なる補助物ベアリングを該容器中に有する。この点について、該撹拌機シャフトは、上下から動かすことができる(シャフトは、中心にまたは偏心して配置される)。
【0083】
別法として、熱交換器によって制御されたポンプ循環によって専ら必要な混合を達成したり、あるいは該撹拌機ユニット(ここでは、該反応内容物は必要に応じて移される)とは別に、更なる混合コンポーネントとしてそれを操作することが可能である(典型的に時間当たり1〜50回)。
【0084】
様々な反応容器のタイプが、本願発明に係る製造方法を実施するのに適当である。高さ:直径の比率を1:1〜10:1で有する円筒形状の容器を使用するのが好ましい。球状の、皿形の、平坦な、または円錐の床面を、例えば反応容器の床とみなすことができる。
【0085】
工程a)において、アルキレンオキシドおよび該不飽和の環状カルボン酸無水物、および適宜更なるコモノマーの分配の完結後に、残留アルキレンオキシド/不飽和の環状カルボン酸無水物/更なるコモノマーを反応させる、続く反応段階を続けることができる。該反応槽中の圧力の低下をもはや測定することができないとき、続く反応段階は完結する。微量の未反応のアルキレンオキシド/不飽和の環状カルボン酸無水物を、該反応段階の後に、適宜、絶対圧力が1〜500ミリバールの減圧下でまたはストリッピングすることによって、定量的に除去することができる。液体段階で同時に減圧を適用しながら不活性ガスまたは水蒸気を導入することによって(例えば、5〜500ミリバールの絶対圧力で不活性ガスを送ることによる)、ストリッピングにより、揮発性成分(例えば、(残留)アルキレンオキシド)を除去する。揮発性成分(例えば、未反応のエポキシド)の除去は、温度を20〜200℃で、好ましくは50〜160℃で、且つ好ましくは撹拌しながら、減圧下でまたはストリッピングによって起こり得る。これらのストリッピングプロセスはまた、いわゆるストリッピング用カラム(ここでは、不活性ガスまたは水蒸気のフローを反対方向に送る)中で行うこともできる。ストリッピングは、水蒸気の存在下で不活性ガスを用いて行うのが好ましい。一貫した圧力を達成した後、またはバキューミングおよび/またはストリッピングで揮発成分を除去した後に、生成物を反応容器から取り出すことができる。
【0086】
工程a)の第1のプロセスの代替法である変形A)の場合に、該環状カルボン酸無水物を、アルキレンオキシド/更なるコモノマーの分配を遮断するような様式で分配することができ、適宜続く反応段階の後に、該不飽和の環状カルボン酸無水物を反応容器に加え、そして所望する量の不飽和の環状カルボン酸無水物を加えた後に、アルキレンオキシド/更なるコモノマーの分配を再開する。当然に、このプロセスは反応順序の間に複数回繰り返すことができる。続くアルキレンオキシドブロックは、開始剤化合物として使用するH官能性化合物由来の活性H原子のmol当たり1mol以上の量のアルキレンオキシドを含むことが特に好ましい。
【0087】
同様に、アルキレンオキシドのシードの分配および不飽和の環状カルボン酸無水物の分配の比率を、これらの成分の両方を同時に加えながら、反対の様式で連続してまたは徐々に変えることができ、ここで、例えば、不飽和の環状カルボン酸無水物の分配フローの比率を、該アルキレンオキシド/アルキレンオキシド類の分配フローの比率を増加させ、これは0:1〜10:1の値と推定される。
【0088】
DMC触媒の1特徴は、高濃度のヒドロキシル基に対するそれらの特徴的な感受性であり、これは例えば、多量の開始剤(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、またはスクロース)および該反応混合物または該開始剤の極性不純物によって起こる。次いで、該DMC触媒を、該反応開始段階の間に重合活性形態に移すことはできない。不純物は例えば、水、または近接して位置する多数のヒドロキシル基を有する化合物(例えば、炭水化物および炭水化物誘導体)であり得る。近接して位置するカルボニル基またはヒドロキシル基に近い基を有する物質は、触媒の活性に負の影響を有する。
【0089】
高濃度のOHを有する開始剤または触媒毒として認識されている混入物を有する開始剤を、なおDMC触
媒アルキレンオキシド付加反応を被るのを可能とするために、該ヒドロキシル濃度を低下したりまたは該触媒毒を無毒にするべきである。この点について、プレポリマーを最初に、塩基性触媒によってこれらの開始剤化合物から製造することができ、これらを次いで、DMC触媒作用によって処理した後に、高モル質量の所望するアルキレンオキシド付加生成物に移す。例えば、開始剤として適当な、上記「既製のアルキレンオキシド付加生成物」は、これらのプレポリマーの分類に入る。これらの方法を用いる欠点は、塩基性触媒作用によって得られることが多いこれらのプレポリマーが、プレポリマーを介して導入される塩基性触媒の微量によるDMC触媒の失活を除外するために、非常に注意深く処理しなければいけないという点である。
【0090】
この欠点は、いわゆる連続的な開始剤の分配の
方法によって解決することができる。この点について、重大な開始剤化合物は反応容器中に供されないが、しかし、むしろ反応の間に、アルキレンオキシドに加えて該反応容器に連続的に加えられる。プレポリマーは、該反応のための開始剤媒質としてこの製法に供され得て、そして少量の生成物自身もまた開始剤媒質として使用され得る。従って、更なるアルキレンオキシド付加反応に適したプレポリマーを別途製造しなければいけない当初の必要性は排除される。
【0091】
従って、本願発明に係る工程a)の代替法である第1のプロセスの変法B)において、開始剤ポリオールおよびDMC触媒は該反応系中に供され、そして該H官能性化合物はアルキレンオキシドおよび不飽和の環状カルボン酸無水物と一緒に連続して加えられる。アルキレンオキシド付加反応生成物(例えば、ポリエーテル ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテル−エステル ポリオール、ポリカーボネート ポリオール、ポリエステル カーボネート ポリオール、ポリエーテル カーボネート ポリオール)はそれぞれ、工程a)における開始剤ポリオール(例えば、OH価は3〜1000mg KOH/gの範囲であり、好ましくは3〜300mg KOH/gを有する)として、および/または工程a)に従って別途製造される中間体生成物として、適当である。工程a)に従って別途製造される中間体生成物は、工程a)において開始剤ポリオールとして使用することが好ましい。
【0092】
この実施態様B)の好ましさが劣る変法において、アルキレンオキシドの分配速度および不飽和の環状カルボン酸無水物の分配速度の比率を、3成分の添加段階の間に反対側の様式で、連続してまたは徐々に変えることも同様に可能である。ここで、不飽和の環状カルボン酸無水物の分配フローの比率を、該アルキレンオキシド/エポキシドの分配フローの比率に対して増加させ、これは0:1〜1:0の値と推定される。この実施態様は、それによれば、工程a)に従う中間体生成物が一貫性の劣る形態で得られるので、好ましさが劣る。
【0093】
工程a)の代替法である第1プロセスの実施態様B)において、該H官能性化合物およびアルキレンオキシド、並びに不飽和の環状カルボン酸無水物の分配は、同時に完結することが好ましく、あるいは該H官能性化合物、第1部分量のアルキレンオキシドおよび第1部分量のカルボン酸無水物を最初に一緒に加え、続いて第2部分量のアルキレンオキシドおよび第2部分量の不飽和の環状カルボン酸無水物を加え、ここで、該第1および第2の部分量のアルキレンオキシド、および該第1および第2の部分量の不飽和の環状カルボン酸無水物は、工程a)において使用される、1個以上のアルキレンオキシドの量または1個以上の不飽和の環状カルボン酸無水物の量に相当する。工程a)において分配されるアルキレンオキシドの総量に対して、該第1部分量は60〜98重量%であり、そして該第2部分量は40〜2重量%であることが好ましい。工程a)において分配される1個以上の不飽和の環状カルボン酸無水物の総量に対して、該第1部分量は0〜100
重量%であり、そして該第の部分量は100〜0重量%であることが好ましい。
【0094】
該アルキレンオキシドの組成、および/または1個以上の不飽和の環状カルボン酸無水物の組成/分配比率を、該H官能性化合物の分配が終わった後に変える場合には、マルチ−ブロックの構造を有する生成物をまた、変法B)のプロセスに従って製造することができる。変法B)のプロセスに加えて、不飽和の環状カルボン酸無水物の分配をアルキレンオキシドを分配する前に終えることが好ましく、そしてこの終えるアルキレンオキシドのブロックは、開始剤化合物として使用する該H官能性化合物由来の活性H原子のmol当たり1mol以上のアルキレンオキシドの量を含む様式が特に好ましい。該試薬を加えた後に、続く反応段階をおこなうことができ、該段階において、アルキレンオキシド/不飽和の環状カルボン酸無水物の使用は圧力を追跡することによって定量化することができる。一定圧を達成した後に、上記の通り適宜、減圧に付すかまたはストリッピングで非反応性のアルキレンオキシドを除外した後に、最終生成物を取り出すことができる。
【0095】
本願発明に係る製法の工程a)由来の代替法の第1プロセスの変法C)において、二重結合を含有するプレポリマーを連続して製造することができる。この点について、DMC触媒を、アルキレンオキシド、該H官能性化合物、並びに不飽和の環状カルボン酸無水物に加えて、アルコキシ化条件下で反応容器または反応容器系に連続して加え、そして該生成物を予め選択した平均保持時間の後に、反応容器または反応容器系から連続して取り出す。変法C)のプロセスの場合に、反応容器のカスケードを反応容器系として使用することが好ましく、このために、第3の連続操作する反応容器を第2の反応容器と実際の反応容器との間に位置づけ、そこでは専ら1個以上のアルキレンオキシドを連続して分配する。変法C)のプロセスの特に好ましい実施態様において、この終えるアルキレンオキシドのブロックは、開始剤化合物として使用される該H官能性化合物由来の活性H原子のmol当たり1mol以上のアルキレンオキシドの量を含む。
【0096】
例えば、反応容器カスケードまたはチューブ反応容器中での連続した続く反応段階を行うことができる。揮発成分を、上記の通り減圧でおよび/またはストリッピングによって、除去することができる。
【0097】
工程a)の代替法である第1プロセスに従って得ることができる不飽和ポリエーテル−エステル ポリオールのOH価は、好ましくは3mg KOH/g〜200mg KOH/g、特に好ましくは10〜60mg KOH/g、および特に好ましくは20〜50mg KOH/gの値を有する。
【0098】
該OH価を、例えば規制DIN 53240に従って滴定法で、またはNIRによる分光学法で、測定することができる。
【0099】
等価な分子量とは、活性水素原子の数で割った、活性水素原子を含有する物質の全体的な質量を意味する。ヒドロキシ基を含有する物質の場合には、それは、該OH価に関連すし、以下の通りである。
等価な分子量=56100/OH価[mg KOH/g]
【0100】
アンチエイジング剤(例えば、抗酸化剤)を、適宜、本願発明にかかる製法の工程a)に従って入手可能な中間体生成物に加えることができる。
【0101】
工程a)、第2プロセスの代替法:
第2の代替プロセスに従って、該H官能性開始剤化合物を、第1に不飽和の環状カルボン酸無水物と反応させ、続いて該アルキレンオキシド化合物または該H官能性開始剤化合物を、該不飽和の環状カルボン酸無水物およびアルキレンオキシド化合物と同時に反応させることができる。例えば、該H官能性開始剤化合物が数平均分子量を200〜20000g/mol、好ましくは600〜10000g/molを有する場合には、この変法が好ましい。
【0102】
間接的なプロセスでの生成物はかならずしも、例えばポリ尿素/ポリウレタンポリマーまたはポリウレタン−尿素ポリマーの製造のために、続く使用の前にこのプロセスのために排除する必要はない。該プロセス生成物は、特に所望しないエステル交換反応の生成物に関する高い純度、および同程度の高い数のアミン基およびヒドロキシ基を有する。
【0103】
この第2の代替法に記載のプロセスはなお、例えば、不飽和の環状カルボン酸無水物を本願発明のアルキレンオキシド化合物の除反応後に再度加えるような形で構成することができ、例えば該アルキレンオキシド化合物の付加によって、OH基のmol当たり約1molのカルボン酸無水物が形成する。言い換えれば、プロセス工程a)を繰り返し、ここで、ツェレビチノフ活性H原子を含有する該H官能性開始剤化合物は当初の開始剤化合物、環状不飽和のカルボン酸無水物、およびアルキレンオキシド化合物由来の付加生成物である。続いて、所望する量のアルキレンオキシド化合物を再度加えて、ヒドロキシル基を含有するプレポリマーを得る。次いで、これは、ヒドロキシル基当たり2個の二重結合を有し、その結果2個のアミン官能基は後でマイケル付加反応によって導入することができる。上記反応を同様に2回以上繰り返し、その結果当初のツェレビチノフ活性H原子当たり所望する数のアミン官能基をヒドロキシアミノポリマー中に組み入れることができる。これは、例えば当初のツェレビチノフ活性H原子当たり2個以上の、好ましくは3個以上のアミン官能基であり得る。
【0104】
第2プロセスの代替法の場合には、これは、アミン触媒(第3級アミンから選ばれることが好ましい)の使用によって実施することが更に好ましい。該プロセスにおいて得られるヒドロキシアミノポリマーの場合には、該アミン官能基および該ヒドロキル基の間の距離は通常6または7個の結合距離である。この理由は、通常、わずか1個のアルキレンオキシド化合物がアミン触媒作用に起因するカルボン酸基と結合することができるという事実による。それ以外に、既に確立されたエステル官能基のけん化のリスク、またはエステル交換反応のリスクが存在する。該アミン触媒は、特に以下の群から選ばれる。
【0105】
(A1)一般式(2)で示されるアミン:
【化2】
[式中、
R2およびR3は、独立して、水素、アルキル、またはアリールであるか、あるいは、
R2およびR3は、それらを含む窒素(N)原子と一緒になって、脂肪族、不飽和または芳香族のヘテロ環を形成し;
nは、1〜10の整数であり;
R4は、水素、アルキル、またはアリールであるか、あるいは、
R4は、−(CH
2)
x−N(R41)(R42)であり、ここで、
R41およびR42は、独立して、水素、アルキル、またはアリールであるか、あるいは
R41およびR42は、それらを含む窒素(N)原子と一緒になって、脂肪族、不飽和または芳香族のヘテロ環を形成し;そして、
xは、1〜10の整数である];
【0106】
(B1)一般式(3)で示されるアミン:
【化3】
[式中、
R5は、水素、アルキル、またはアリールであり;
R6およびR7は、独立して、水素、アルキル、またはアリールであり;そして、
mおよびnは、独立して、1〜10の整数である];
および/または
【0107】
(C1)ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ジアルキルベンジルアミン、ジメチルピペラジン、2,2’−ジモルホリニルジエチルエーテル、および/またはピリジン。
【0108】
該一般式(2)で示されるアミンは、最も広範囲の意味でアミノアルコールまたはそれらのエーテルと定義し得る。R4が水素である場合には、本願発明に係るヒドロキシアミノポリマーがポリイソシアネートと反応する場合に、該触媒をポリウレタンマトリックス中に組み入れることができる。このことは、触媒の排出を防止する際に有益であり、これは、アミンの場合には、ポリウレタン表面上での負のにおいの問題−いわゆる「フォギング」またはVOC(揮発性有機化合物)の問題と関連付けることができる。
【0109】
該一般式(3)で示されるアミンは、最も広範囲の意味で、アミノ(ビス)アルコールまたはそれらのエーテルとして定義することができる。R6および/またはR7が水素である場合には、これらの触媒を同様に、ポリウレタンマトリックス中に組み入れることができる。
【0110】
本願明細書中、一般式(2)で示されるアミンにおいて、R2およびR3はメチルであり、R4は水素であり、そしてnは2であるか、あるいはR2およびR3はメチルであり、R4は−(CH
2)
2−N(CH
3)
2であり、そしてnは2である、ことが好ましい。結局、N,N−ジメチルエタノールアミンまたはビス(2−(ジエチルアミノ)エチル)エーテルのいずれかを意味する。
【0111】
その上、一般式(3)で示されるアミンにおいて、R5はメチルであり、R6およびR7は水素であり、mは2であり、そしてoは2である、ことが好ましい。結局、N−メチルジエタノールアミンを意味する。
【0112】
特に好ましい触媒は、ジアザビシクロオクタン、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ビス(2−(ジエチルアミノ)エチル)エーテル、ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ジアルキルベンジルアミン、ジメチルピペラジン、2,2’−ジモルホリニルジエチルエーテル、もしくはピリジン、またはそれらの組み合わせを挙げられる。
【0113】
代替のアミン触媒プロセスは、上記触媒の使用に限定されるものではない。しかしながら、ある特定のアミンは反応生成物の純度に負の影響を及ぼし得ることが分かっている。このことは、不飽和カルボン酸のエステル結合の部分的な分解、すなわちけん化が生じ得たりまたは所望しないエステル交換反応を引き起こし得るという事実によって示され得る。副生成物は、それらが除去されなかったりまたは除去することができない場合には、反応生成物の均一性を悪化させることを排除することはある程度困難である。この理由のため、これらの触媒は上記の所望しない第2の反応を引き起こし得るので、該触媒はイミダゾールまたはN−メチルイミダゾールではない。言い換えれば、これらの化合物は、反応順序全てにわたっては反応物または(中間体)生成物と接触させない。
【0114】
該触媒を加える時期に関しては、触媒を該不飽和の環状カルボン酸無水物を加えるのと同時にまたはその前に加えるならば有利である。
【0115】
このプロセスの特に好ましい実施態様によれば、該アミン触媒は、カルボキシル基を含有する該プレポリマーを該アルキレンオキシド化合物と反応させるのと同時にまたはその前に、該反応混合物に加える。反応順序の総質量に対する触媒の量は、例えば≧10ppm〜≦1000ppm、好ましくは≧50ppm〜≦5000ppm、より好ましくは≧100ppm〜≦2000ppmであり得る。
【0116】
本願発明に係るプロセスの工程b)を、以下に詳細に記載する。この記載でさえ単に例示であって、そしてこれは本願発明を限定するものとみなすことはできない。
【0117】
工程b)について、適当なアミンを、工程a)由来の生成物との、温度が0℃〜150℃、好ましくは10℃〜100℃、特に好ましくは20℃〜80℃の反応に導入する。付加反応が可能な二重結合に対する該第1級アミン基のモル比率は、例えば1:1〜1.1:1である。該反応は酢酸銅、塩化スズまたは酢酸を用いて触
媒し得るが、触媒の添加なしで実施することが好ましい。
【0118】
一般に、不活性ガス下でのアミンを、工程a)由来の供される中間体生成物に加え、そして指定の温度で1時間から約48時間の期間にわたって撹拌する。工程a)由来の中間体生成物と該アミンとの予混合は同様に、例えば集合的分配セクション(「インライン混合」)中に位置する混合ユニットを用いて、行う。
【0119】
該反応の進行は、通常の方法(例えば、オンラインもしくはオフラインで実施するガスクロマトグラフィー検査器具、または分光学的な方法(例えば、NMRまたはIR分光法))によって定量化することができる。未反応のアミンまたは見込まれる過剰量のアミンの微量を、適宜、1〜500ミリバールの絶対圧力での減圧でまたはストリッピングによって、反応段階後に、定量的に除去することができる。
【0120】
工程a)由来の代替法の第1プロセスで得られる成分と工程b)におけるアミンとの反応は、工程a)に係る成分の製造と同じ反応容器中で実際に起こすことができる。しかしながら、工程b)に係る反応は、該反応容器中の残留微量のアミンは次のDMC触
媒工程a)を実施するのを防止し得るので、別の反応容器中で実施されることが好ましい。
【0121】
ヒドロキシアミノポリマー:
既に上で説明した通り、本願発明は、その上ヒドロキシアミノポリマーに関するものであり、これは本願発明に係る製法に従って達成し得る。
【0122】
本願発明に係るヒドロキシアミノポリマーの有利な構造配置において、それは、ポリエステル ポリオール単位、ポリエステル−ポリエーテル ポリオール単位、および/またはポリエーテル ポリオール単位、特にポリエステル−ポリエーテル ポリオール単位、および/またはポリエーテル ポリオール単位を、オキシエチレン単位の占有率を40〜90重量%で含む。
【0123】
本願発明に係るヒドロキシアミノポリマーの特に好ましい実施態様によれば、それは、一般式(I):
【化4】
で示される。
式中、「開始剤」とは、該H官能性開始剤化合物の基を意味し;
Aは、以下の式(IIa)または(IIb):
【化5】
で示される構造のアスパラギン酸エステルを意味する。
式中、
R1は、水素、または脂肪族、環状脂肪族もしくは芳香族の基であって、これらはまたヘテロ原子(特に窒素原子もしくは酸素原子)、並びにヒドロキシル基を含み得て;
R2およびR3は、独立して、水素、または脂肪族もしくは芳香族の基であって、R2およびR3はまた環状脂肪族環式の成分であり得て;
R4、R5、R6およびR7は、独立して、水素、または脂肪族もしくは芳香族の基であって、R5およびR6はまた、環状脂肪族環式の成分であり得て;
lは、該H官能性開始剤化合物のツェレビチノフ活性水素の数に相当し;
m、nおよびoは、独立して整数であり、ここで、n、oは0または≧1であって、mが≧1であり、nおよびmは、好ましくは1〜430、特に2〜430、より好ましくは4〜430であり;
oは、好ましくは1〜100、特に1〜50、より好ましくは1〜10であり;そして 媒質中におけるlに対するoの比率は少なくとも0.6である。また、ここで、式Iに示す構造の等価モル質量は18900g/molの値を超えない。
【0124】
ポリ尿素/ポリウレタン
系:
本願発明の更なる目的は、以下の成分を含有するポリ尿素/ポリウレタン
系に関連する:
成分(A)としての、イソシアネート官能性プレポリマー(これは、脂肪族および/または芳香族のポリイソシアネートA1)とポリオールA2)との反応によって達成し得て、特に≧400g/molの数平均分子量および2〜6の平均OH官能基を有し得る。)、
成分B)としての、本願発明に係るヒドロキシアミノポリマー、
適宜、成分C)としての、有機増量剤(これは特に、23℃でのDIN 53019に従って測定される粘度を、10〜6000mPaの範囲で有する)、
適宜、成分D)としての、成分B)に記載するヒドロキシアミノ官能基化合物および/または成分C)に記載の有機増量剤との、成分A)に記載のイソシアネート官能性プレポリマーの反応生成物、および
適宜、成分E)としての、水および/または第3級アミン。
【0125】
本願発明に係るポリ尿素/ポリウレタン
系は、プレポリマーA)を、該一般式(I)で示される本願発明に係る該化合物B)、並びに適宜、成分C)、D)および/またはE)と、混合することによって達成し得る。この点、遊離NCO基に対する遊離または保護されたアミノ基の比率は、好ましくは1:1.5であり、特に好ましくは1:1である。水および/またはアミンを、該製法における成分B)またはC)に加える。
【0126】
イソシアネート官能性プレポリマーA)は、適宜、触媒、および第2のおよび追加の物質を用いて、ポリイソシアネートA1)とポリオールA2)との反応によって達成し得る。
【0127】
単量体の脂肪族または環状脂肪族のジ−またはトリイソシアネート(例えば、1,4−ブチレン ジイソシアネート(BDI)、1,6−ヘキサメチレン ジイソシアネート(HDI)、イソホスホロン ジイソシアネート(IPDI)、2,2,4−および/または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、異性体ビス−(4,4’−イソシアネートシクロヘキシル)−メタン、または何れかの異性体のそれら混合物、1,4−シクロヘキシレン ジイソシアネート、4−イソシアネートメチル−1,8−オクタン ジイソシアネート(ノナン トリイソシアネート)、並びにアルキル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート(リジン ジイソシアネート))を、C1〜C8アルキル基で、ポリイソシアネートA1)として使用し得る。
【0128】
上記の単量体ポリイソシアネートA1)に加えて、それらの高分子量の派生製品をまた、ウレトジオン、イソシアヌレート、ウレタン、アロファネート、ビウレット、イミノオキサジアジンジオンまたはオキサジアジントリオンの構造で、並びにその混合物で使用することができる。
【0129】
上記タイプのポリイソシアネートA1)は、専ら脂肪族的にもしくは環状脂肪族的に結合したイソシアネート基、またはそれらの混合物と一緒に使用することが好ましい。
【0130】
上記のタイプのポリイソシアネートA1)を、平均NCO官能基が1.5〜2.5個、好ましくは1.6〜2.4個、より好ましくは1.7〜2.3個、非常に特に好ましくは1.8〜2.2個、および特に2個で使用する場合も同様に好ましい。
【0131】
ヘキサメチレン ジイソシアネートを、ポリイソシアネートA1)として使用することが非常に特に好ましい。
【0132】
本願発明に係る該ポリ尿素/ポリウレタン
系の1つの好ましい実施態様は、ポリオールA2)が、ポリエステル ポリオール、および/またはポリエステル−ポリエーテル ポリオール、および/またはポリエーテル ポリオールである態様を提供する。この点について、40〜90重量%の間のエチレンオキシド占有率を有する、ポリエステル−ポリエーテル ポリオー
ルおよび/またはポリエーテル ポリオールが特に好ましい。
【0133】
該ポリオールA2)が4000〜8500g/molの数平均分子量を有する場合もまた好ましい。
【0134】
適当なポリエーテル エステル ポリオールは、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸の無水物、並びに、揮発性アルコール(C1〜C6モノオール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、またはブタノール)が好ましい)と、モル過剰量の低分子および/または高分子のポリオールとの、ポリカルボン酸のエステルからの重縮合によって、当該分野における技術に従って製造することが好ましい。ここで、エーテル基を含有するポリオールは適宜、ポリオールとして、エーテル基を全く含まない他のポリオールとの混合物で使用し得る。
【0135】
当然に、高分子および低分子のポリオールの混合物もまた、ポリエーテル−エステル合成のためにも使用し得る。
【0136】
該モル過剰量の低分子ポリオールは、2〜12個のC原子および少なくとも2個のヒドロキシル官能基を有する、分子量が62〜299ダルトンのポリオールであって、これはまた、分枝および非分枝であり、そしてそれらのヒドロキシル基は第1級または第2級のものであり得る。これらの低分子ポリオールは、その上エーテル基を有していてもよい。典型的な基は、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタン−1,5−ジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、シクロヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、および高分子量のホモログ、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、および高分子量のホモログ、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、並びにヒドロキシ末端基を有するオリゴ−テトラヒドロフランを挙げられる。当然に、それら混合物もまたこれらの基の範囲内で使用することができる。
【0137】
モル過剰量の高分子ポリオールは、300〜3000ダルトンのモル質量を有するポリオールであり、このものは、エポキシド、好ましくはエチレンおよび/またはプロピレンオキシドの開環重合、並びにテトラヒドロフランの酸触媒開環重合、によって得ることができる。アルカリ金属水酸化物または複合金属シアニド触媒の何れかが、エポキシドの開環重合に使用される。
【0138】
アミンおよび上記の低分子ポリオールの群由来の少なくとも二官能性の分子の全てを、開環エポキシド重合のための開始剤として使用することができる。典型的な基としては、1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセリン、o−TDA、エチレンジアミン、1,2−プロピレングリコール等、並びに水、およびそれらの混合物を挙げられる。当然に、それら混合物もまた、過剰量の高分子ポリオールのこの群の範囲内で使用することができる。
【0139】
エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド由来のヒドロキシル基−末端のポリアルキレンオキシドと呼称する場合には、高分子ポリオールの構造形成は、統計学的にまたはブロック単位(ここで、ミックスブロックもまた含み得る)で生じ得る。
【0140】
ポリカルボン酸は、脂肪族および芳香族のカルボン酸の両方であり、これらは、環状、直鎖、分枝または非分枝であり、4〜24個の間の炭素原子を有し得る。
【0141】
例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸が挙げられる。コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、乳酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、およびピロメリット酸が好ましい。コハク酸、グルタル酸、およびアジピン酸が特に好ましい。
【0142】
その上、ポリカルボン酸の群はまた、ヒドロキシカルボン酸、またはそれらのラクトン(例えば、カプロラクトン、乳酸、ヒドロキシ酪酸、リシノール酸等)を含む。これはまた、モノカルボン酸、特に10個以上の炭素(C)原子を有するもの(例えば、大豆油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、ピーナッツ油脂肪酸)を含み、ここで、ポリエーテル−エステル ポリオールを形成する全反応混合物中のそれらの占有率は10重量%を超えることはなく、加えて、その結果生じる官能性の低下は、低分子量または高分子量のポリオールの部分に関係なく、少なくとも三官能性のポリオールの使用によって相殺される。
【0143】
ポリエーテル−エステル ポリオールは、120〜250℃の範囲の高温で、最初は標準圧で、続けて1〜100ミリバールの減圧に付すことによって(エステル化またはトランスエステル化の触媒の使用によることは、好ましいが必ずしも必須でない)、当該分野の技術に従って製造する。ここで、該反応は、酸価が0.05〜10mg KOH/g、好ましくは0.1〜3mg KOH/g、および特に好ましくは0.15〜2.5mg KOH/gにまで低下する大きさまで、完結される。
【0144】
その上、不活性ガスは、減圧に付す前に標準圧の段階の範囲内で使用することができる。当然に、液体または気体の添加溶剤を
、またはエステル化の個々の段階で使用することができる。例えば、反応水は、共沸性添加溶剤(例えば、ベンゾール、トルエン、キシロール、ジオキサン等)を用いるのと全く同時に、キャリヤーガスとして窒素を用いて、廃棄することができる。
【0145】
当然に、ポリエーテル ポリオールの混合物は、ポリエステル ポリオールを任意の割合で共に使用することができる。
【0146】
ポリエーテル ポリオールは、エチレンオキシドおよび適宜プロピレンオキシドをベースとするポリアルキレンオキシド ポリエーテルが好ましい。
【0147】
これらのポリエーテル ポリオールは、二個の、三個またはより高い官能性の開始剤分子(例えば、二個、三個またはより高い官能性アルコールまたはアミン)をベースとすることが好ましい。
【0148】
該開始剤の例としては、水(ジオールとみなす)、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリコール、ブチレングリコール、グリセリン、TMP、ソルビトール、ペンタエリスリトール、トリエタノールアミン、アンモニア、またはエチレンジアミンを挙げられる。
【0149】
ヒドロキシル基を有するポリカーボネート、好ましくはポリカーボネートジオールは同様に、数平均分子量が400〜8000g/mol、好ましくは600〜3000g/molで使用することができる。これらは、炭酸誘導体(例えば、炭酸ジフェニル、炭酸ジメチル)またはホスゲンの、ポリオール(ジオールが好ましい)との反応によって達成し得る。
【0150】
これらのタイプのジオールの例としては、エチレングリコール、1,2−および1,3−プロパンジオール、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビスヒドロキシメチル シクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、ポリブチレングリコール、ビスフェノールA、および上記のタイプのラクトン−修飾ジオールを挙げられる。
【0151】
三官能性ポリオールは、成分A、特にグリセリン−開始ポリエーテルの製造のために使用することが特に好ましい。
【0152】
該ポリイソシアネートA1)は、ポリオールA2)と、NCO/OHの比率が好ましくは4:1〜12:1で(プレポリマーA)の製造の場合には、8:1が特に好ましい)反応させることができ、続いて未反応性のポリイソシアネートの占有率を適当な方法を用いて区別して決定することができる。薄膜蒸発法が通常この場合に使用され、ここで、残留単量体の含量を1重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、および特に好ましくは0.03重量%未満で有するプレポリマーを得ることができる。
【0153】
安定化剤(例えば、塩化ベンゾイル、塩化イソフタロイル、リン酸ジブチル、3−クロロプロピオン酸、またはメチルトシレート)を、適宜製造の間に使用することができる。
【0154】
該反応温度は、プレポリマーA)を製造する場合には20〜120℃が好ましく、60〜100℃がより好ましい。
【0155】
該製造するプレポリマーは、DIN EN ISO 11909に従って測定される平均NCO含量を2〜10重量%、好ましくは2.5〜8重量%有する。
【0156】
本願発明に係る該ポリ尿素/ポリウレタン
系の更なる実施態様によれば、プレポリマーA)は、平均NCO官能基を2〜6個、好ましくは2.3〜4.5個、より好ましく2.5〜4個、非常に特に好ましくは2.7〜3.5個、および特に3個、有し得る。
【0157】
成分C)の有機増量剤は、ヒドロキシ官能性化合物、特に繰り返しエチレンオキシド単位を有するポリエーテル ポリオールであることが好ましい。
【0158】
成分C)の増量剤が、平均OH官能基を1.5〜3個、好ましくは1.8〜2.2個、および特に好ましくは2個、有する場合が有利である。
【0159】
例えば、液体ポリエチレングリコール(例えば、PEG200〜PEG600)、それらのモノ−もしくはジアルキルエーテル(例えば、PEG500ジメチルエーテル)、液体ポリエーテルおよびポリエステル ポリオール、液体ポリエステル(例えば、ウルトラモール(ランクセスAG社製、レバークーゼン、独国)、並びにグリセリンおよびその液体誘導体(例えば、トリアセチン(ランクセスAG社製、レバークーゼン、独国)を、23℃で有機増量剤として使用することができる。
【0160】
該有機増量剤の粘度(DIN 53019に従って23℃で測定)は、好ましくは50〜4000mPa、特に好ましくは50〜2000mPaであり得る。
【0161】
本願発明に係る該ポリ尿素/ポリウレタン
系の好ましい実施態様において、ポリエチレングリコールを、有機増量剤として使用する。それらは、数平均分子量を好ましくは100〜1000g/mol、特に好ましくは200〜400g/mol有する。
【0162】
NCO反応性基に関連したプレポリマーのグループ分けについて、全体で使用される該化合物の平均等価重量を更に減少させるためには、アミノ官能基化合物B)および/または有機増量剤C)とのプレポリマーA)の反応生成物を更に製造し(それらが、アミノまたはヒドロキシ官能基である場合には、別の予備的な反応において行う)、次いでそれらを高分子量の硬化剤として使用することが可能となる。
【0163】
50:1〜1.5:1、特に15:1〜4:1のイソシアネート基に対するイソシアネート反応性基の比率は、予備的な伸長反応において使用することが好ましい。
【0164】
予備的な伸長反応によるこの改変の利益は、等価な重量および等価な体積の硬化剤成分をより大きな程度にまで改変することを可能とすることである。従って、商業的に入手可能な2−チャンバー分配システム
(装置)を該利用法に使用することができ、NCO基に対するNCO反応性基の所望する比率で該チャンバーの体積に対して現存する比率で加えることができる、接着
系を得ることができる。
【0165】
本願発明に係るポリ尿素/ポリウレタン
系の更に好ましい実施態様は、成分E)が一般式(IX):
【化6】
で示される第3級アミンを含む、ことを提供する。式中、
R
8、R
9およびR
10は、独立して、アルキル基、またはアルキル鎖中もしくはそれらの末端にヘテロ原子を有するヘテロアルキル基であり得て、あるいは、
R
8およびR
9は、それらを含む窒素原子と一緒になって、脂肪族、不飽和または芳香族のヘテロ環を形成し得て、これらは適宜更なるヘテロ原子を含み得る。
【0166】
これらのポリ尿素/ポリウレタン
系は、特に速い硬化によって区別される。
【0167】
成分E)において使用される化合物は、特に第3級アミン(これは、トリエタノールアミン、テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ジメチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタンアミン、2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}エタノール、および3,3’,3’’−(1,3,5−トリアジン−1,3,5−トリイル)トリス(N,N−ジメチル−プロパン−1−アミン)からなる群から選ばれる)であり得る。
【0168】
非常に特に高い硬化速度はまた、成分E)が0.2〜2.0重量%の水、および/または0.1〜1.0重量%の第3級アミンを含む場合に、達成し得る。
【0169】
本願発明に係る該ポリ尿素/ポリウレタン
系の特に好ましい実施態様によれば、成分A1およびA2の反応生成物は、一般式(X):
【化7】
、特に一般式(XI):
【化8】
で示される三官能性イソシアネートに相当する。
式中、式(X)のXおよびnは、例えば式(XI)に示す通り三価の有機基(例えば、グリセリン基)であり、そしてR
11、R
12およびR
13基は独立して、ツェレビチノフ活性H原子を有しない、同じかまたは異なる有機基であり;R
11、R
12およびR
13基は、オキシアルキレン単位を含むか、あるいはそれらから構成されることが好ましい。本願明細書中において、該オキシアルキレン単位がオキシエチレン単位を40〜90重量%の占有率で有する場合には、更に好ましい。
残りのオキシアルキレン単位は、オキシプロピレン単位によって特に形成される。
【0170】
当然に、薬理学的に活性な物質(例えば、抗炎症効果を有するかもしくは有しない鎮痛薬、消炎薬、抗菌活性な物質、抗真菌薬、および抗寄生虫活性な物質)を、その上ポリ尿素/ポリウレタン
系中に組み入れることができる。
【0171】
該活性物質は、純粋な活性物質であったり、または例えば徐放性を得るためにカプセル剤の形態であり得る。本願発明の範囲内において、多数のタイプおよびクラスの活性物質を、医薬的な活性物質として使用することができる。
【0172】
1つの該医薬的な活性物質は、例えばインビボ条件で一酸化窒素を放出する成分(L−アルギニンが好ましい)、またはL−アルギニン(特に、L−アルギニン塩酸が好ましい)を含有するかもしくは放出する成分を含み得る。プロリン、オルニチン、および/または他の生物起源の中間期のもの(例えば、生物起源ポリアミン(スペルミン、スペルミジン、プトレッシン、または生物活性な人工ポリアミン))を、その上使用することができる。知っての通り、これらのタイプの成分は創傷の治癒を促進し、ここで、それらの連続的で定量的にほとんど等しい放出は、特に創傷治癒に許容性である。
【0173】
本願発明に係る使用可能な更なる活性物質は、ビタミンもしくはプロビタミン、カロチノイド類、鎮痛薬、防腐剤、止血剤、抗ヒスタミン薬、抗菌性金属もしくはそれらの塩、創傷のハーブ治癒を促進する物質もしくは物質の混合物、ハーブエキス、酵素、成長因子、酵素阻害剤、またはそれらの組み合わせ、からなる群から選ばれる少なくとも1つの物質を含む。
【0174】
特に非ステロイド性の鎮痛薬、特にサリチル酸、アセチルサリチル酸およびそれらの誘導体(例えば、アスピリン(商標)およびその誘導体)、アセトアミノフェン(例えば、パラセタモール(商標))、アントラニル酸およびその誘導体(例えば、メフェナム酸)、ピラゾールおよびその誘導体(例えば、メタミゾール、ノバルジン(商標)、フェナゾン、アンピリン(商標)、イソプロピルフェナゾン、および非常に特に好ましくはアリール酢酸、並びにその誘導体、ヘテロアリール酢酸およびその誘導体、アリールプロピノン酸誘導体、およびヘテロアリールプロピン酸およびその誘導体(例えば、インドメタシン(商標)、ジクロフェナク(商標)、イブプロフェン(商標)、ナキソプロフェン(商標)、インドメタシン(商標)、ケトプロフェン(商標)、ピロキシカム(商標)が、鎮痛薬として適当である。
【0175】
成長因子として、以下のものを特に挙げられる:aFGF(酸性線維芽細胞増殖因子)、EGF(上皮成長因子)、PDGF(血小板由来成長因子)、rhPDGF−BB(ベカプレルミン)、PDECGF(血小板由来内皮細胞増殖因子)、bFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)、TGF α;(トランスフォーミング増殖因子アルファ)、TGF β(トランスフォーミング増殖因子ベータ)、KGF(ケラチノサイト成長因子)、IGF1/IGF2(インスリン様成長因子)、およびTNF(腫瘍壊死因子)を挙げられる。
【0176】
特に、それら脂溶性もしくは水溶性ビタミン、ビタミンA、レチノイドの群、プロビタミンA、カロテノイドの群(特にβ−カロテン)、ビタミンE、トコフェロールの群(特に、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、およびα−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、およびδ−トコトリエノール)、ビタミンK、フィロキノン(特に、フィトメナジオンまたは植物性のビタミンK)、ビタミンC、L−アスコルビン酸、ビタミンB1、チアミン、ビタミンB2、リボフラビン、ビタミンG、ビタミンB3、ナイアシン、ニコチン酸、およびニコチン酸アミド、ビタミンB5、パントテン酸、プロビタミンB5、パンテノールまたはデクスパンテノール、ビタミンB6、ビタミンB7、ビタミンH、ビオチン、ビタミンB9、葉酸、並びにそれらの組み合わせが、ビタミンまたはプロビタミンとして適当である。
【0177】
防腐剤として、殺菌剤、殺細菌薬、静菌薬、防かび薬、殺ウイルス薬、ウイルス抑制薬、および/または一般的な殺微生物薬として作用する媒質を使用することが必要である
【0178】
特に、レゾルシノール、ヨウ素、ポビドンヨード、クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、安息香酸、過酸化ベンゾイル、または塩化セチルピリジニウムの群から選ばれる物質が適当である。その上、特に抗菌性金属を防腐薬として使用することができる。特に、銀、銅または亜鉛、並びにそれらの塩、酸化物または複合体を、抗菌性金属して一緒にまたは別個に使用する。
【0179】
本願発明に関連して、特にカモミールエキス、ハマメリスエキス(例えば、アメリカマンサク、トウキンセンカエキス、アロエエキス(例えば、アロエベラ、アロエ・バーバデンシス、アロエフェロックス、またはアロエブルガリス)、緑茶エキス、海藻エキス(例えば、紅藻類または緑藻類のエキス)、アボガドエキス、ミルラエキス(例えば、コンミフォラ・モルモル)、竹エキス、並びにそれらの組み合わせを、創傷の治癒を促進するための植物性の活性物質と呼称する。
【0180】
該活性物質の含量は、医学的に必要な用量、並びに本願発明に係る組成物の残りの成分との許容性で主に調整される。
【0181】
本願発明に係る該ポリ尿素/ポリウレタン
系は、細胞組織を閉鎖し、細胞組織と結合し、細胞組織と接着し、もしくは細胞組織を被覆するのに、および特に血液もしくは組織液の排出を停止させるのに、または細胞組織中の漏出を閉鎖するのに、特に適合する。そのものは、ヒトまたは動物の細胞組織を閉鎖し、細胞組織と結合し、細胞組織と接着し、もしくは細胞組織を被覆するための媒質の適用または製造のために使用されることが特に好ましい。そのものは、速く硬化し、組織と強く結合し、透明で、弾力的で、および生体適合性である、接着剤接合を与えるのに役立ち得る。
【0182】
本願発明の別の目的は、本願発明に係るポリ尿素/ポリウレタン
系のための2個のチャンバーを有する分配
装置を提供することであって、ここで、成分A)は、該ポリ尿素
系の1つのチャンバー中に含まれ、そして成分B)、および適宜、成分C)、D)およびE)は、他方のチャンバー中に含まれる。該分配
装置は、該ポリ尿素/ポリウレタン
系を組織への接着剤として適用するのに特に適当である。
【実施例】
【0183】
本願発明を、以下の使用する実施態様例でさらに詳細に説明する。
【0184】
測定方法および決定方法:
分子量:
分子量は、以下の通り、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。
較正は、Mp 1,000,000〜162の分子量を有するポリスチレン標準物質を用いて行った。テトラヒドロフランp.A.を溶出剤として使用した。以下のパラメータを、二重測定の間に保持した。脱気:オンライン−脱気装置;流速:1ml/分;分析期間:45分間;検出器:屈折率計およびUV検出器;注入体積:100μl〜200μl。該モル質量平均値Mw;MnおよびMp、並びに多分散度Mw/Mn
の算出を、ソフトウェアを用いて実施した。ベースラインポイントおよび評価限界を、DIN 55672 パート1に従って定義した。
【0185】
該OH価は、DIN 53240の規則に従って測定することができる。
【0186】
該酸価は、DIN EN ISO 2114の規則に従って測定した。
【0187】
NCO含量:
該NCO含量は、特に断らない限りDIN−EN ISO 11909に従って体積分析で測定した。
【0188】
粘度:
該粘度は、ISO 3219に従って23℃で測定した。
【0189】
残留単量体の含量:
該残留単量体の含量は、DIN ISO 17025に従って測定した。
【0190】
物質:
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート(バイエル マテリアルサイエンス AG社製)
特に断らない限り、使用する化学品は、アルドリッチ社またはアクロス社から購入した。
【0191】
ヒドロキシアミノポリマーの製造:
実施例1:三官能性ヒドロキシアミノポリマーの製造:
650g(0.146mol)の三官能性のグリセリン開始ポリエーテル ポリオールを、窒素雰囲気下で、エチレンオキシド/プロピレンオキシド比率を73/27(重量比)およびOH価を37.9mg KOH/g(モル質量4440g/ml)で、1L実験用オートクレーブ中に供し、次いで60℃まで加熱した。この温度で、41.8g(0.426mmol)の無水マレイン酸および0.73gのN−メチルジエタノールアミンを加え、次いで混合物を60℃で60分間撹拌した。続いて、混合物を90℃まで加熱し、77.4g(1.756mmol)のエチレンオキシドを、オートクレーブ中、この温度で30分間以内で分配し、続いて混合物をこの温度で5時間反応させた。揮発性成分を減圧下、90℃で60分間ベークアウトし、そして該反応液を次いで室温まで冷却した。
【0192】
OH価を35.5mg KOH/gで、および酸価を0.12mg KOH/gで有する予備的な生成物を得た。
【0193】
ペンチルアミンのマイケル付加反応:
0.65g(3当量)のペンチルアミンを、11.85gの該予備的な生成物に加えた。該反応混合物をヒートブロック中、60℃で6時間撹拌した。適宜過剰量のアミンを高減圧下で除去した。
【0194】
以下のアミンを同様に反応させた。
【表1】
【0195】
表1に例示する化合物は、本願発明に係るヒドロキシアミノポリマーである。それらは、以下において三官能性NCO−末端プレポリマーと反応させる。該三官能性NCO−末端プレポリマーを以下の通り実施する。
【0196】
三官能性のNCO−末端プレポリマーの製造
465gのHDIおよび2
.35gの塩化ベンゾイルを、1Lの四つ口フラスコに供した。931.8gの三官能性ポリエーテル(これは、グリセリンを出発とする、分子量が4500であって、総アルキレンオキシド含量に関連して、それぞれエチレンオキシド含量を71%、およびプロピレンオキシド含量を29%有する)を、80℃で2時間以内に加え、続いて1時間撹拌した。次いで、過剰量のHDIを、薄膜蒸留装置によって130℃および0.13ミリバールで留去した。NCO含量を2.53%および粘度を4500mPa/23℃で有する、980g(71%)のプレポリマーを得た。残留単量体の含量は<0.03%HDIであった。
【0197】
組織接着:
2.08g(1当量)のヒドロキシアミノポリマー2を、2gの該三官能性NCO−末端プレポリマーに加え、そしてこのものをカップ中で20秒間よく撹拌した。次いで、該ポリ尿素/ポリウレタン
系の薄層を結合させる筋肉組織に直接に塗布した。該接着
系がなお低い粘度を有する間の時間を処理時間として測定し、その結果困難なく組織に塗布できるようにした。
【0198】
該ポリ尿素/ポリウレタン
系がもはや粘着性でなくなった後の時間(不粘着時間)を、ガラス棒を用いる結合試験によって測定した。このことを行う際に、該ガラス棒を該ポリ尿素/ポリウレタン
系由来の層に接触させた。もはや結合が残っていないとき、該
系は不粘着であるとみなした。加えて、該接着強度を以下の通り測定した:2片の筋肉組織の端(長さ=4cm、高さ=0.3cm、幅=1cm)を、ポリ尿素/ポリウレタン
系を用いて1cm間隔で被覆し、そして重なり様式で接着させた。該ポリ尿素/ポリウレタン
系の結合力を、それぞれ張力を用いて試験した。
【0199】
該NCO−末端プレポリマーと表1由来のヒドロキシアミノポリマーとの反応
【表2】
【0200】
該硬化の発熱反応は、23〜25℃の間であった。
【0201】
生分解性の測定:
該接着剤を、硬化のためのチューブ(径:0.5cm、長さ:2cm)中に適用した。得られた2.7gの重金属試験法用試料を、物質が完全に溶解するまで、すなわち残留なしで、撹拌インキュベーター内で、10mLの緩衝溶液(pH 7.4、アルドリッチ社製:P−5368)中、60℃または37℃で撹拌した。
全ての試料を60℃で4日後に完全に
分解した。
【0202】
2aの細胞毒性の測定
該硬化した接着剤を、ISO 10993−5:2009に従って、L929細胞を用いて、細胞毒性について試験した。該物質が非細胞毒性であることが分かった。
本発明の好ましい態様は、以下を包含する。
[1]工程:
a)ヒドロキシル基を含有するプレポリマーを得るための、少なくとも1つのツェレビチノフ活性H原子を含有するH官能性開始剤化合物と、不飽和の環状カルボン酸無水物および少なくとも1つのアルキレンオキシド化合物との反応、および
b)ヒドロキシアミノポリマーを得るための、工程a)に従って得られるヒドロキシル基を含有するプレポリマーの二重結合への、第1級アミンおよび/またはアンモニアの付加反応、
を含み、ここで、
ヒドロキシアミノポリマー中のヒドロキシル基に対する、付加されるアミノ基の比率は少なくとも0.6である、
ヒドロキシアミノポリマーの製造方法。
[2]該ヒドロキシアミノポリマー中のヒドロキシル基に対する、付加されるアミノ基の比率が0.8〜2.5、特に0.9〜2.0、好ましくは0.95〜1.8であって、および/または該ヒドロキシアミノポリマーが、OH官能基を1.5〜6個、特に1.7〜4個、好ましくは1.8〜3個有する、前記[1]記載の製造方法。
[3]該H官能性開始剤化合物が、1〜35個、特に1〜8個のツェレビチノフ活性H原子を有する、前記[1]または[2]のいずれかに記載の製造方法。
[4]該不飽和の環状カルボン酸無水物が、例えば、無水マレイン酸、無水テトラヒドロフタル酸、特に3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、またはそれらの組み合わせである、不飽和の環状ジカルボン酸無水物から選ばれる、前記[1]乃至[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]該アルキレンオキシド化合物が、炭素数2〜24のアルキレンオキシド化合物、特にエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドであり、特に好ましくは、使用するアルキレンオキシド化合物の総量に対して占有率が少なくとも40重量%のエチレンオキシド占有率を有する化合物、から選ばれる、前記[1]乃至[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]該アルキレンオキシド化合物と該カルボン酸無水物との間のモル比が、少なくとも1:1、好ましくは少なくとも2:1、特に好ましくは少なくとも2.5:1である、前記[1]乃至[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]該H官能性開始剤化合物を、第1に初期量のアルキレンオキシド化合物と、次いで不飽和の環状カルボン酸無水物および追加量のアルキレンオキシド化合物と反応させ、ここで、該H官能性開始剤化合物が数平均分子量を17〜1200g/mol、特に62〜1000g/molで有する、前記[1]乃至[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]該H官能性開始剤化合物の該不飽和の環状カルボン酸無水物との反応、および/または該アルキレンオキシド化合物の付加が、複合金属シアニド触媒(DMC触媒)を用いて行われ、ここで、該DMC触媒が、特にヘキサシアノコバルト(III)酸亜鉛、ヘキサシアノイリジウム(III)酸亜鉛、ヘキサシアノ鉄(III)酸亜鉛、またはヘキサシアノコバルト(III)酸コバルト(II)を含む、前記[1]乃至[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]該H官能性開始剤化合物を、第1に該不飽和の環状カルボン酸無水物と、続いて該アルキレンオキシド化合物と反応させるか、あるいは該H官能性開始剤化合物を、該不飽和の環状カルボン酸無水物および該アルキレンオキシド化合物と同時に反応させ、ここで、該H官能性開始剤化合物が数平均分子量を200〜10000g/mol、特に600〜9000g/molで有し、および/または、該プロセスがアミン触媒を用いて行われ、該アミン触媒が第3級アミンから選ばれることが好ましい、前記[1]乃至[6]のいずれかに記載の製造方法。
[10]前記[1]乃至[9]のいずれかに記載の製造方法に従って得られる、ヒドロキシアミノポリマー。
[11]該ヒドロキシアミノポリマーが、ポリエステルポリオール単位、ポリエステル−ポリエーテルポリオール単位、および/またはポリエーテルポリオール単位、特にオキシエチレン単位の占有率を40〜90重量%で有する、ポリエステル−ポリエーテルポリオール単位、および/またはポリエーテルポリオール単位を含み、ここで、該ヒドロキシアミノポリマーが、一般式:
【化9】
で示され、ここで、
「開始剤」とは、該H官能性開始剤化合物の基であり、
Aは、式(IIa)または(IIb):
【化10】
で示される構造のアスパラギン酸エステルであり、
上記式中、
R1は、水素、または脂肪族、環状脂肪族もしくは芳香族の基であって、これらはまたヘテロ原子、特に窒素原子もしくは酸素原子、並びにヒドロキシル基を含み得て、
R2およびR3は、独立して、水素、または脂肪族もしくは芳香族の基であって、R2およびR3はまた環状脂肪族環式の構成成分であり得て、
R4、R5、R6およびR7は、独立して、水素、または脂肪族もしくは芳香族の基であって、R5およびR6はまた、環状脂肪族環式の構成成分であり得て、
lは、該H官能性開始剤化合物のツェレビチノフ活性水素の数に相当し、
m、nおよびoは、独立して整数であり、ここで、n、oは0または≧1であって、mは≧1であり、nおよびmは、好ましくは1〜430、特に2〜430、より好ましくは4〜430であり、
oは、好ましくは1〜100、特に1〜50、より好ましくは1〜10であり、媒質中におけるlに対するoの比率は少なくとも0.6であり、そして、
式Iに示す構造の等価モル質量は18900g/molの値を超えない、
前記[10]に記載のヒドロキシアミノポリマー。
[12]成分(A)としての、イソシアネート官能性プレポリマー(これは、脂肪族および/または芳香族のポリイソシアネートA1)とポリオールA2)との反応によって得られ、特に≧400g/molの数平均分子量および2〜6の平均OH官能基を有し得る)、
成分B)としての、前記[10]もしくは[11]のいずれかに記載のヒドロキシアミノポリマー、
適宜、成分C)としての、有機増量剤(これは特に、23℃でのDIN 53019に従って測定される粘度を、10〜6000mPaの範囲で有する)、
適宜、成分D)としての、成分B)に記載するヒドロキシアミノ官能基化合物および/または成分C)に記載の有機増量剤との、成分A)に記載のイソシアネート官能性プレポリマーの反応生成物、および
適宜、成分E)としての、水および/または第3級アミン、
を含有する、ポリ尿素/ポリウレタン系。
[13]該ポリオールA2)が、ポリエステルポリオール、および/またはポリエステル−ポリエーテルポリオール、および/またはポリエーテルポリオール、特にエチレンオキシド占有率を40〜90重量%で有するポリエステル−ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールを含み、ここで、該ポリオールA2)が、4000〜8500g/molの数平均分子量を有することが好ましい、前記[12]記載のポリ尿素/ポリウレタン系。
[14]該プレポリマーA)が、平均NCO官能基を1.5〜6個、好ましくは1.6〜4個の、より好ましくは1.7〜4個、特に好ましくは1.8〜3.5個、特に3個、有する、前記[12]または[13]のいずれかに記載のポリ尿素/ポリウレタン系。
[15]三官能性ポリオールが、成分A、特にグリセリン−開始ポリエーテルを製造するために使用される、前記[12]乃至[14]のいずれかに記載のポリ尿素/ポリウレタン系。
[16]成分C)の該有機増量剤が、ヒドロキシ官能性化合物、特に繰り返しエチレンオキシド単位を有するポリエーテルポリオールであり、ここで、成分C)の該増量剤が、平均OH官能基を1.5〜3個、より好ましくは1.8〜2.2個、特に好ましくは2個、有する、前記[12]乃至[15]のいずれかに記載のポリ尿素/ポリウレタン系。
[17]成分E)が、一般式(IX):
【化11】
で示される第3級アミンを含み、式中、
R8、R9およびR10は、独立して、アルキル基、またはアルキル鎖中もしくはそれらの末端にヘテロ原子を有するヘテロアルキル基であり得て、あるいは、
R8およびR9は、それらを含む窒素原子と一緒になって、脂肪族、不飽和または芳香族のヘテロ環を形成し得て、これらは適宜更なるヘテロ原子を含み得る、
前記[12]乃至[16]のいずれかに記載のポリ尿素/ポリウレタン系。
[18]該第3級アミンが、トリエタノールアミン、テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ジメチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタンアミン、2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}エタノール、および3,3’,3’’−(1,3,5−トリアジン−1,3,5−トリイル)トリス(N,N−ジメチル−プロパン−1−アミン)からなる群から選ばれる、前記[12]乃至[17]のいずれかに記載のポリ尿素/ポリウレタン系。
[19]該成分E)が、0.2〜2.0重量%の水、および/または0.1〜1.0重量%の第3級アミンを含む、前記[12]乃至[18]のいずれかに記載のポリ尿素/ポリウレタン系。
[20]細胞組織を閉鎖し、細胞組織と結合し、細胞組織と接着し、もしくは細胞組織を被覆するための、特に血液もしくは組織液の排出を停止させるための、または細胞組織中の漏出を閉鎖するための、前記[12]乃至[19]のいずれかに記載のポリ尿素/ポリウレタン系。
[21]該ポリ尿素系の該成分A)が、1つのチャンバー中に含まれ、そして成分B)、および適宜、成分C)、D)およびE)が他方のチャンバー中に含まれる、前記[12]乃至[19]のいずれかに記載のポリ尿素/ポリウレタン系のための2個のチャンバーを有する分配装置。