特許第5874067号(P5874067)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5874067印刷用スクリーン版と、該スクリーン版による太陽電池の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5874067
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】印刷用スクリーン版と、該スクリーン版による太陽電池の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B41N 1/24 20060101AFI20160216BHJP
   H01L 31/068 20120101ALI20160216BHJP
【FI】
   B41N1/24
   H01L31/06 300
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-53100(P2014-53100)
(22)【出願日】2014年3月17日
(65)【公開番号】特開2014-237312(P2014-237312A)
(43)【公開日】2014年12月18日
【審査請求日】2014年3月17日
(31)【優先権主張番号】102119945
(32)【優先日】2013年6月5日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】510052621
【氏名又は名称】茂迪股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(72)【発明者】
【氏名】鍾 文泰
(72)【発明者】
【氏名】林 才淵
(72)【発明者】
【氏名】陳 建文
【審査官】 亀田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−98548(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41N 1/24
H01L 31/068
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッシュ部材と、前記メッシュ部材に固定されたマスク層とを備え、前記マスク層は、第1のパターンユニットを有し、
前記第1のパターンユニットは、第1の方向に沿って延伸されており互いに隔てて形成された2つの線状開口と、2つの前記線状開口の間に配置された中央領域と、2つの前記線状開口の前記中央領域から離れた側にそれぞれ配置された2つの外側領域と、を有し、
前記中央領域は、前記第1の方向に沿って互いに隔てて並ぶと共に、前記第1の方向と直角の第2の方向に沿って2つの前記線状開口を繋いで延伸されるように形成された複数の中央開口と、それぞれ隣り合う前記中央開口の間に配置された複数の中央ブロック部と、を有し、
2つの前記外側領域のそれぞれは、2つの前記線状開口における一方より前記中央領域から離れて延伸されると共に、前記第1の方向に沿って隔てて並ぶように形成された複数の外側開口と、それぞれ隣り合う前記外側開口の間に配置された外側ブロック部とを有し、
各前記外側領域における前記外側開口の当該外側領域全体に対する正投影面積率を、前記中央領域における前記中央開口の当該中央領域全体に対する正投影面積率よりも小さく形成したことを特徴とする印刷用スクリーン版。
【請求項2】
前記外側開口はそれぞれ、2つの前記線状開口における一方より前記第2の方向に沿って前記中央領域から離れて延伸されるように形成され、
前記外側開口のそれぞれの前記第2の方向沿いの長さが150〜250μmであることを特徴とする請求項1に記載の印刷用スクリーン版。
【請求項3】
前記外側開口のそれぞれの前記第1の方向沿いの長さが20〜40μm、
前記外側ブロック部のそれぞれの前記第1の方向沿いの長さが20〜30μmであることを特徴とする請求項1に記載の印刷用スクリーン版。
【請求項4】
前記線状開口のそれぞれの前記第2の方向沿いの長さが100〜200μmであることを特徴とする請求項1に記載の印刷用スクリーン版。
【請求項5】
前記中央開口のそれぞれの前記第2の方向沿いの長さが700〜900μmであることを特徴とする請求項1に記載の印刷用スクリーン版。
【請求項6】
前記中央開口のそれぞれの前記第1の方向沿いの長さが60〜120μm、
前記中央ブロック部のそれぞれの前記第1の方向沿いの長さが20〜30μmであることを特徴とする請求項1に記載の印刷用スクリーン版。
【請求項7】
前記マスク層は更に、前記第1のパターンユニットを接続するように配置された第2のパターンユニットを有し、
前記第2のパターンユニットは、前記第1の方向に沿って互いに隔てて並ぶと共に、前記第1のパターンユニットと連結されると共に前記中央領域から離れて前記第2の方向に沿って延伸されるように設けられた複数のフィンガー状開口を有し、
前記フィンガー状開口のそれぞれの前記第1の方向沿いの長さが、前記第1のパターンユニットの前記第2の方向沿いの長さよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の印刷用スクリーン版。
【請求項8】
前記中央領域は更に、前記第1の方向に沿って互いに隔てて並ぶと共に、それぞれ前記第2の方向に沿って2つの前記線状開口を繋ぐように延伸されて形成された複数の中央連結開口を有し、
複数の前記中央開口の一部と複数の前記中央ブロック部の一部とを中央セットとしたとき、前記中央セットが隣り合う複数の前記中央連結開口の間に配置され、
前記外側領域のそれぞれは更に、前記第1の方向に沿って互いに隔てて並ぶと共に、それぞれが複数の前記フィンガー状開口における1つと複数の前記線状開口における1つとを繋ぐように形成された複数の外側連結開口を有し、
複数の前記外側開口の一部と複数の前記外側ブロック部の一部とを外側セットとしたとき、前記外側セットが隣り合う複数の前記外側連結開口の間に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の印刷用スクリーン版。
【請求項9】
前記中央連結開口のそれぞれの前記第1の方向沿いの長さが150〜250μm、
前記外側連結開口のそれぞれの前記第1の方向沿いの長さが100〜300μm、
前記外側連結開口のそれぞれの前記第2の方向沿いの長さが150〜250μmであることを特徴とする請求項8に記載の印刷用スクリーン版。
【請求項10】
受光面と該受光面と背中合わせの裏面とを有する基板を用意するステップと、
前記受光面にエミッタ層を形成するステップと、
請求項1〜6におけるいずれかの一項に記載の印刷用スクリーン版を用いて前記受光面に導電性ペーストを塗布し、前記導電性ペーストを前記印刷用スクリーン版の第1のパターンユニットにおける線状開口、中央開口及び外側開口を介して前記受光面に被覆してバスバー電極を形成するステップと、
前記受光面に複数のフィンガー電極を形成するステップと、
前記裏面に裏面電極を形成するステップと
を有することを特徴とする太陽電池の製造方法。
【請求項11】
受光面と該受光面と背中合わせの裏面とを有する基板を用意するステップと、
前記受光面にエミッタ層を形成するステップと、
請求項7〜9におけるいずれかの一項に記載の印刷用スクリーン版を用いて前記受光面に導電性ペーストを塗布し、前記導電性ペーストを前記印刷用スクリーン版の第1のパターンユニットにおける線状開口、中央開口、外側開口及び第2のパターンユニットにおけるフィンガー状開口を介して前記受光面に被覆してバスバー電極と前記バスバー電極を繋いだ複数のフィンガー電極とを形成するステップと、
前記裏面に裏面電極を形成するステップと
を有することを特徴とする太陽電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばスクリーン印刷に使用される印刷用スクリーン版と該スクリーン版を使用して太陽電池を製造する製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、太陽電池用電極を形成する手法としては、スクリーン印刷等の方法が採用されている。スクリーン印刷に用いられる印刷メッシュは、金属の糸や化学繊維を製網したメッシュ部材と呼ばれる基材を枠材に固定し、ペーストを透過させる部分以外を樹脂などで固めて成型して、被印刷物とする例えばバスバー電極、フィンガー電極のパターニングに使用する。従来のメッシュ部材を通過するペーストの量によっては、形成されたバスバー電極の表面の一部が凹んだりして、導線と接触しないボイドを生じてしまうことがある。そのため、接着不良が発生し、断線し易くなるので、太陽電池製品の信頼性が損なわれる問題点がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−98548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の特許文献1では、第1の導電部によって、導線と溶接する面積を増やすことで、導線との接着不良をなくしているが、バスバー電極の凹凸構造によって、なおも断線しやすく、太陽電池製品の信頼性が損なわれる課題がある。
【0005】
本発明は、形成されるバスバー電極と導線の接着性を安定して高め、太陽電池製品の信頼性の向上を図ることができる印刷用スクリーンと該印刷用スクリーンによる太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の目的を達成するために、一の観点によれば、本発明は、メッシュ部材と、前記メッシュ部材に固定されたマスク層とを備え、前記マスク層は、第1のパターンユニットを有し、前記第1のパターンユニットは、第1の方向に沿って延伸されており互いに隔てて形成された2つの線状開口と、2つの前記線状開口の間に配置された中央領域と、2つの前記線状開口の前記中央領域から離れた側にそれぞれ配置された2つの外側領域と、を有し、前記中央領域は、前記第1の方向に沿って互いに隔てて並ぶと共に、前記第1の方向と直角の第2の方向に沿って2つの前記線状開口を繋いで延伸されるように形成された複数の中央開口と、それぞれ隣り合う前記中央開口の間に配置された複数の中央ブロック部と、を有し、2つの前記外側領域のそれぞれは、2つの前記線状開口における一方より前記中央領域から離れて延伸されると共に、前記第1の方向に沿って隔てて並ぶように形成された複数の外側開口と、それぞれ隣り合う前記外側開口の間に配置された外側ブロック部とを有し、各前記外側領域における前記外側開口の当該外側領域全体に対する正投影面積率を、前記中央領域における前記中央開口の当該中央領域全体に対する正投影面積率よりも小さく形成したことを特徴とする印刷用スクリーン版を提供する。
【0007】
また、他の観点によれば、受光面と該受光面と背中合わせの裏面とを有する基板を用意するステップと、前記受光面にエミッタ層を形成するステップと、本発明に係る印刷用スクリーン版を用いて前記受光面に導電性ペーストを塗布し、前記導電性ペーストを前記第1の印刷用スクリーン版の第1のパターンユニットにおける線状開口、中央開口及び外側開口を介して前記受光面に被覆してバスバー電極を形成するステップと、前記受光面に複数のフィンガー電極を形成するステップと、前記裏面に裏面電極を形成するステップとを有することを特徴とする太陽電池の製造方法をも提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る印刷用スクリーン版によれば、中央領域における中央開口と複数の中央ブロック部とが交錯して並ぶように設けられ、外側領域における外側開口と複数の外側ブロック部とが交錯して並ぶように設けられていることによって、製造されるバスバー電極が第1の方向沿いに並んだ凹凸構造に形成された表面を有するようにすることができるので、バスバー電極と導線間の接着面積を大きくすることができる。また、外側領域における外側開口の外側領域全体に対する正投影面積率を、中央領域における中央開口の中央領域全体に対する正投影面積率よりも小さくすることにより、製造されるバスバー電極の断面厚みが均一になることができるので、バスバー電極と導線との接着面積を大きくすることできる。従って、接着性を安定して高めることができ、製品信頼性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る印刷用スクリーン版の第1の実施形態を示す上面図。
図2図1の部分拡大図。
図3図2におけるA−A線での部分拡大断面図。
図4】本発明に係る太陽電池の製造方法の一例を示すフローチャート。
図5】上記製造方法の一例を示す説明図。
図6】本発明に係る印刷用スクリーン版の第2の実施形態を示す上面図。
図7図6の部分拡大図。
図8】本発明に係る太陽電池の製造方法の他例を示すフローチャート。
図9】上記製造方法の他例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明においていくつかの実施形態について図面を参照して説明する。なお、同一構成及び機能を有する構成要素については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0011】
(第1の実施形態)
本発明に係る印刷用スクリーン版は、太陽電池の製造において用いられるものである。第1の実施形態に係る印刷用スクリーン版は、図1〜3に示されているように、メッシュ部材11と、メッシュ部材11に固定されたマスク層12とを備えている。
【0012】
この実施形態に使用されるメッシュ部材11は、細線111を格子状に交差させて両面貫通している多数の微細孔を有する多孔シートに編んでなったものを枠に固定したものである。なお、細線111が交差したところを結び目、両面貫通している微細孔を網目という。
【0013】
マスク層12は、例えばフォトレジストを塗布したもので、第1のパターンユニット20を有する。ここでは、太陽電池に使用されるバスバー電極は一つであってもよく、複数であってもよいので、必要に応じてマスク層12は、使用されるバスバー電極に対応して一つの第1のパターンユニット20又は複数の第1のパターンユニット20を有しても良い。以下に、一つの第1のパターンユニット20について説明する。
【0014】
第1のパターンユニット20は、第1の方向81に沿って延伸されており互いに隔てて形成された2つの線状開口21と、2つの線状開口21の間に配置された中央領域22と、2つの線状開口21の中央領域22から離れた側にそれぞれ配置された2つの外側領域23とを有する。この形態では、線状開口21のそれぞれは、第2の方向82沿いの長さL1が100〜200μmである。なお、第1の方向81は、太陽電池の帯状に延伸されたバスバー電極の延伸方向に沿う方向であり、第2の方向82は、第1の方向81と直角の方向である。
【0015】
中央領域22は、第1の方向81に沿って互いに隔てて並ぶと共に、第2の方向82に沿って2つの線状開口21を繋いで延伸されるように形成された複数の中央開口221と、それぞれ隣り合う中央開口221、221の間に配置された複数の中央ブロック部222と、を有する。中央開口221のそれぞれの第1の方向81沿いの長さL2が60〜120μm、中央開口221のそれぞれの第2の方向82沿いの長さL3が700〜900μm、中央ブロック部222のそれぞれの第1の方向81沿いの長さL4が20〜30μmである。
【0016】
2つの外側領域23のそれぞれは、第1の方向81に沿って隔てて並ぶように形成された複数の外側開口231と、それぞれ隣り合う外側開口231、231の間に配置された外側ブロック部232とを有する。複数の外側開口231のそれぞれは、2つの線状開口21、21における一方より第2の方向82に沿って中央領域22から離れて延伸されるように形成されている。この形態では、外側開口231のそれぞれの第1の方向81沿いの長さL5が20〜40μm、外側開口231のそれぞれの第2の方向82沿いの長さL6が150〜250μm、外側ブロック部232のそれぞれの第1の方向81沿いの長さL7が20〜30μmである。
【0017】
ここで、各外側領域23における外側開口231の当該外側領域23全体に対する正投影面積率は、中央領域22における中央開口221の当該中央領域22全体に対する正投影面積率よりも小さい。つまり、各外側領域23全体の正投影面積に対して各外側領域23における全ての外側開口231の合計の正投影面積が占める比率が、中央領域22全体の正投影面積に対して中央領域22における全ての中央開口221の合計の正投影面積が占める比率よりも小さく形成されていることに注意されたい。
【0018】
次に、図2図4図5を参照して本発明に係る印刷用スクリーン版を用いて太陽電池の電極を製造する製造方法の一例について説明する。
【0019】
ステップ91では、基板3を用意する。図5に示されているように、この基板3は、受光面31と該受光面31と背中合わせの裏面35とを有する平板体である。
【0020】
ステップ92では、基板3の受光面31にエミッタ層32を形成する。より詳しく言うと、例えば拡散工程で基板3の受光面31側の裏側にエミッタ層32が形成される。基板3はエミッタ層32が形成されたことによって、光起電力効果基板3とエミッタ層32との一方がn型半導体、他方がp型半導体としてn型とp型の半導体を接合したpn接合構造をもつように構成され、光起電力効果の発生源とする。そして、受光面31には更に例えば物理蒸着(PVD)、化学蒸着(CVD)などの薄膜形成法によって反射防止層(図示せず)を積層してもよい。なお、基板3の使用材料、エミッタ層、反射防止層などは既知技術で用いられるものなので、ここではそれらの詳細は省略する。
【0021】
ステップ93では、この実施形態に係る印刷用スクリーン版1を使い、導電性ペーストが印刷用スクリーン版1における第1のパターンユニット20の線状開口21、中央開口221、外側開口231を介して受光面31に被覆されるように受光面31に導電性ペーストを印刷する。そして、導電性ペーストが印刷された基板が熱処理を経ると、バスバー電極33が形成される。なお、この形態では、ブレード部材7を持って所定の掻き取り方向83に沿って印刷用スクリーン版1の導電性ペーストを削り、導電性ペーストが第1のパターンユニット20を通過して受光面31に覆われる。
【0022】
ステップ94では、基板3の受光面31にバスバー電極33を繋いだフィンガー電極34が形成される。より詳しく言うと、ステップ94では、他の印刷用スクリーン版(図示せず)を用いて受光面31に導電性ペーストを印刷し、導電性ペーストが印刷用スクリーン版の開口を通過してバスバー電極33を繋ぐように受光面31に被覆される。そして、熱処理を経て複数のフィンガー電極34が形成される。なお、ステップ92にて受光面31に反射防止層を積層したとき、ステップ93、94では、透過性の導電性ペーストを使ってバスバー電極33と複数のフィンガー電極34を形成する。そして、バスバー電極33と複数のフィンガー電極34に対して例えば焼成(firing)の熱処理を行って反射防止層を介してエミッタ層に接触されるようにすることができる。この形態に使用される導電性ペーストは、バスバー電極33と複数のフィンガー電極34とを形成するのに同じでも良く異なっても良い。使用される焼成処理を、バスバー電極33と複数のフィンガー電極34に対して同時に行ってもよく、前後に行ってよい。また、ステップ93とステップ94の順番は逆にしてもよく、即ち、複数のフィンガー電極34の形成工程はバスバー電極33を形成する前に行ってもよい。
【0023】
ステップ95では、基板3の裏面35に、裏面電極36が形成される。裏面電極36が形成されると、バスバー電極33と複数のフィンガー電極34とにより太陽電池による電気エネルギーを出力することができる。なお、裏面電極36の配置は当該技術分野では既知技術であるため、ここではその詳細は省略する。
【0024】
なお、この形態では、ステップ93〜95を順番に行うように説明したが、これに制限されない。例えば基板3の受光面31に複数のフィンガー電極34を形成してから、本発明に係る印刷用スクリーン版1を用いてバスバー電極33を形成してもよく、また、裏面35に裏面電極36を形成してから、受光面31にバスバー電極33と複数のフィンガー電極34とを形成してもよい。
【0025】
この形態では、第1の方向81に沿って延伸された2つの線状開口21、21によって中央領域22と2つの外側領域23とを連結しており、ステップ93では、スクリーン印刷によって導電性ペーストを2つの線状開口21、21、複数の中央開口221、複数の外側開口231を通過させることによって、第1の方向81に沿って帯状に連続的に延伸されたバスバー電極33を形成することができる。従って、バスバー電極33が断裂して導電効果を低下することを防止することができる。帯状に連続的に延伸されたバスバー電極を形成するために、線状開口21の第2の方向82沿いの長さL1が100〜200μmであるとよい。もし、長さL1が大きければ、中央開口221の第2の方向82沿いの長さL3と外側開口231の第2の方向82沿いの長さL6を制限してしまい、ボンドプル強度が影響される。その一方、長さL1が小さければ、導電性ペーストの線状開口21の通過量が足りず、バスバー電極33が断裂し、導電性が低下してしまう。
【0026】
この形態では、所定の間隔をおいて隔てて並ぶ中央開口221と外側開口231を形成しており、ステップ93において中央ブロック部222及び外側ブロック部232によって導電性ペーストの通過を阻むので、導電性ペーストが中央開口221及び外側開口231だけを通過する。これによって、スクリーン印刷によって形成されたバスバー電極33が、第1の方向81に沿って並んで起伏のある凹凸表面構造を有するように形成される。このようにすると、バスバー電極33の表面粗さ及び表面積を増加することができる。その後、複数の太陽電池と他の構成部材とを太陽電池モジュールにパッケージするとき、粗くしたバスバー電極33によって帯状の導線(ribbon)(図示せず)との半田付け面積を増やすことができるので、半田付けの連結性及び安定性を高めることができ、製品の信頼性が向上する効果を有する。
【0027】
この形態では、上記効果を得るために、中央開口221の第1の方向81沿いの長さL2が60〜120μm、中央ブロック部222の第1の方向81沿いの長さL4が20〜30μm、外側開口231の第1の方向81沿いの長さL5が20〜40μm、外側ブロック部232の第1の方向81沿いの長さL7が20〜30μmであることが好ましい。長さL2又はL5が大きければ、導電性ペーストの中央開口221又は外側開口231を通過する量が多くなるため、中央領域22又は外側領域23のバスバー電極33に対応するところにて一部が平らである構造が形成されることで、第1の方向81に沿って並んで粗く起伏のある凹凸構造を有する表面を形成することができず、半田付けの連結性及び安定性が低下する問題点がある。その一方、長さL2又は長さL5が小さければ、導電性ペーストが複数の中央開口221又は複数の外側開口231を通過することが困難になるため、バスバー電極33が形成できない問題点がある。
【0028】
そして、長さL4又はL7が大きければ、中央ブロック部222又は外側ブロック部232によって導電性ペーストの通過を妨げて、一部が平らである表面が形成されて、バスバー電極33の表面を粗くできないため、半田付けの連結性及び安定性が低下する問題点がある。その一方、長さL4又は長さL7が小さければ、中央ブロック部222又は外側ブロック部232によって導電性ペーストの通過を妨げる効果が低下するため、第1の方向81に沿って並んで起伏のある表面を有するバスバー電極33を得ることができず、半田付けの連結性及び安定性も低下してしまう。
【0029】
この形態では、各外側領域23における外側開口231の当該外側領域23全体に対する正投影面積率を、中央領域22における中央開口221の当該中央領域22全体に対する正投影面積率よりも小さく形成していることを特徴としている。このようにすると、中央領域22の中央開口221を通過する導電性ペーストとしては、外側領域23の外側開口231を通過する導電性ペーストよりも多くすることができるため、従来の印刷用スクリーン版によるバスバー電極の横断面が中央部で窪んで形成されてしまい導線がぴったりと接触できない問題点を克服することができる。これによって、導線との連結性を高めることができる。また、本実施形態に係る印刷用スクリーン版によって得られたバスバー電極33の中央部と該中央部の両側の外側部の厚みを均一に形成することができるので、バスバー電極33と導線との半田付け面積を大きくすることができ、バスバー電極33と導線との連結性を安定して高めることができる効果を有する。
【0030】
また、この形態では、上記効果を得るために、中央開口221の第2の方向82沿いの長さL3が700〜900μm、外側開口231の第2の方向82沿いの長さL6が150〜250μmであることが好ましい。長さL3が700μmよりも小さく又は長さL6が250μmよりも大きい場合、中央領域22で通過する導電性ペーストが少なく、又は両側の外側領域23で通過する導電性ペーストが多くなるため、印刷されたバスバー電極33の中央部が窪んだり両側の外側部が厚くなる。これにより、導線がぴったりと接着できない接触不良、断線の問題点がある。その一方、長さL3が900μmよりも大きく、又は長さL6が250μmよりも小さければ、2つの線状開口21が第1のパターンユニット20の両側に寄ってしまうため、連続して線状になるように第1のパターンユニット20の両側で通過する導電性ペーストが多くなるため、形成されるバスバー電極33もその中央部が窪んで両側部が高くなる凹凸構造になる。これにより、導線との接着性が低下して接触不良、断線などが発生することもある。
【0031】
本実施形態に係る印刷用スクリーン版は、線状開口21を、対応するバスバー電極33の最も外側に配置するのではなく、中央領域22及び2つの外側領域23の間に配置し、中央開口221と外側開口231のサイズと合わせて構成していることによって、バスバー電極33がその中央部が窪んで両側の外側部が高くなる断面構造に形成されることを防止することができる。
【0032】
以上により、本実施形態に係る印刷用スクリーン版は、中央領域22における中央開口221と複数の中央ブロック部222とが交錯して並ぶように設けられ、外側領域23における外側開口231と複数の外側ブロック部232とが交錯して並ぶように設けられていることによって、製造されるバスバー電極33が第1の方向81沿いに並んだ凹凸構造に形成された表面を有するようにすることができるので、バスバー電極33と導線間の接着面積を大きくすることができる。また、外側領域23における外側開口231の外側領域23全体に対する正投影面積率を、中央領域22における中央開口221の中央領域22全体に対する正投影面積率よりも小さくすることにより、製造されるバスバー電極33の断面厚みが均一になることができるので、バスバー電極33と導線との接着面積を大きくすることできる。従って、接着性が安定して高まり、製品信頼性の向上を図ることができる。
【0033】
(第2の実施形態)
図6図7は、本発明に係る印刷用スクリーン版1の第2の実施形態を概略的に示している。この実施形態に係る印刷用スクリーン版1は、第1のパターンユニット20を有する他、更に第1のパターンユニット20と連結した第2のパターンユニット24を有する。
【0034】
第1のパターンユニット20の中央領域22は更に、第1の方向81沿いに隔てて並ぶと共に第2の方向82に沿って延伸され、2つの線状開口21を繋ぐように設けられた複数の中央連結開口223を有する。複数の中央開口221の一部と複数の中央ブロック部222の一部とを中央セットとしたとき、隣り合う中央連結開口223の間に中央セットが配置されている。また、第1のパターンユニット20の外側領域23は更に、第1の方向81沿いに隔てて並ぶと共に2つの線状開口21の一方と連結されるように設けられた外側連結開口233を有する。複数の外側開口231の一部と複数の外側ブロック部232の一部とを外側セットとしたとき、隣り合う複数の外側連結開口233の間に外側セットが配置されている。
【0035】
第2のパターンユニット24は、第1のパターンユニット20を接続するように配置されており、この形態では、第1の方向81に沿って隔てて並ぶと共に第2の方向82に沿って延伸されたフィンガー状開口241が第1のパターンユニット20の相反する両側に配置され、フィンガー状開口241は複数の外側連結開口233を連結している。
【0036】
この形態では、フィンガー状開口241の第1の方向81沿いの長さL11が第1のパターンユニット20の第2の方向82沿いの長さL12よりも小であり、且つフィンガー状開口241の第2の方向82沿いの長さL13、L13’が第1のパターンユニット20の第1の方向81沿いの長さL14よりも小であることが好ましい。
【0037】
次に、図6〜9を参照して本発明に係る印刷用スクリーン版を用いて太陽電池の電極を製造する製造方法の他例について説明する。この例の製造方法は上記1例に係る製造方法とほぼ同じであるが、更にステップ92の後にステップ96とステップ97を有することで異なっている。
【0038】
ステップ96では、本実施形態に係る印刷用スクリーン版1を使用して基板3の受光面31に導電性ペーストを塗布し、印刷用スクリーン版1の第1のパターンユニット20の線状開口21、中央開口221、外側開口231、及び第2のパターンユニット24のフィンガー開口241を通過した導電性ペーストが受光面31を覆う。そして、熱処理などを経てバスバー電極33とバスバー電極33を連結した複数のフィンガー電極34とを形成する。
【0039】
より詳しく言うと、例えばブレード部材7を持って所定の掻き取り方向83に沿って印刷用スクリーン版1の導電性ペーストを削り、第1のパターンユニット20と第2のパターンユニット24を通過した導電性ペーストが受光面31を覆い、第1のパターンユニット20を通過した導電性ペーストがバスバー電極33に形成され、第2のパターンユニット24を通過した導電性ペーストがフィンガー電極34に形成される。バスバー電極33とフィンガー電極34に対して例えば焼成の熱処理を行うことによって、ステップ92にて受光面31に反射防止層を形成した場合、ステップ96にて透過性の導電性ペーストを使用してバスバー電極33とフィンガー電極34を形成する。これによって焼成中、バスバー電極33とフィンガー電極34が反射防止層を通り抜けてエミッタ層32に接触することができる。
【0040】
ステップ97では、基板3の裏面35に裏面電極36を積層する。なお、ステップ96とステップ97をこの順番に従って行っているが、ステップ96とステップ97との順番を逆にして行ってもよい。
【0041】
以上の構成によると、各外側連結開口233によって複数のフィンガー状開口241を繋ぎ、外側連結開口233によって対応する線状開口21を繋ぐことによってバスバー電極33と複数のフィンガー電極34の連結性を向上させることができる。
【0042】
この形態では、バスバー電極33と複数のフィンガー電極34の連結性を向上するには、外側連結開口233の第1の方向81沿いの長さL8が100〜300μm、外側連結開口233の第2方向82沿いの長さL9が150〜250μmであることが好ましい。もし、長さL8が100μmよりも小さければ、バスバー電極33と複数のフィンガー電極34の連結性が低下することになり、断線が発生し、導電効果が低下する。その一方、長さL8が300μmよりも大きければ、外側開口231と外側ブロック部232の数が少なくなるので、バスバー電極33の表面の粗さが低下し、該表面における第1の方向81沿いに並んだ凹凸構造が少なくなる。このため、バスバー電極33の外側連結開口233に対応する部位と導線との間の接着面積及び接着性が低下する。
【0043】
また、中央連結開口223を通過する導電性ペーストは外側連結開口233を通過する導電性ペーストよりも多くしなければならないため、2つの外側領域23は、第2の方向沿いの両側の外側連結開口233をセットとして、中央連結開口223の相反する側に配置していることによって、バスバー電極33の中央連結開口223と外側連結開口233とに対応する部位(バスバー電極33とフィンガー電極34とが連結された部位)にて導電性ペーストが十分通過するように構成されている。これによって、バスバー電極33とフィンガー電極34との導電性連結を良好に確保することができ、バスバー電極33の中央連結開口223と外側連結開口233とに対応する部位の断面厚みを均一にすることができる。従って、導線との接着を良好に高めることができる効果を有する。
【0044】
上記効果を達成するために、中央連結開口223の第1の方向81沿いの長さL10が150〜250μmであることが好ましい。もし、長さL10が150μmよりも小さければ、中央連結開口223にて導電性ペーストの通過量が少なくなり、バスバー電極33が一部凹む断面構造に形成されるため、導線との接着面積が少なくなり両者間の接着性が低下し、且つバスバー電極33とフィンガー電極34の接続が悪くなる。そのため、導電性効果が低下する。その一方、長さL10が250μmよりも大きければ、中央開口221と中央ブロック部222の数が少なくなるため、バスバー電極33の表面の粗さが低下する。そのため、バスバー電極の第1の方向81沿いに並んだ凹凸構造が少なくなるので、バスバー電極33の中央連結開口223に対応する部位と導線との接着面積が少なくなり、バスバー電極33と導線との接着強度が低下する。
【0045】
以上により、本発明に係るスクリーン版によれば、形成されたバスバー電極33と導線との接着を安定して強固にすることができる。また、本発明に係るスクリーン版を使用すると、一回の製造にてバスバー電極33と複数のフィンガー電極34とを形成することができるので、製造工程が少なく済み、製造効率を高めることができ、製造コストの低下を図ることができる。また、他の塗布設備を用意しなくてもよいので、設備コストの低下をも図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明に係るスクリーン版は、太陽電池の製造に有用である。
【符号の説明】
【0047】
1 印刷用スクリーン版
11 メッシュ部材
111 細線
12 マスク層
20 第1のパターンユニット
21 線状開口
22 中央領域
221 中央開口
222 中央ブロック部
223 中央連結開口
23 外側領域
231 外側開口
232 外側ブロック部
233 外側連結開口
24 第2のパターンユニット
241 フィンガー状開口
3 基板
31 受光面
32 エミッタ層
33 バスバー電極
34 フィンガー電極
35 裏面
36 裏面電極
7 ブレード部材
81 第1の方向
82 第2の方向
83 掻き取り方向
91〜97 ステップ
L1〜L14、L13’ 長さ
図2
図3
図4
図5
図7
図8
図9
図1
図6