(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年、半導体記憶装置のクロック周波数が400MHz以上と高く、また、データビット幅の増加に伴い、半導体記憶装置において、電源電圧の安定性と、多ビットI/Oのインターフェイス時におけるノイズ低減に対する要求が、厳しいものとなっている。
【0005】
また、センターパッドを有するメモリチップにおいて、センターパッドと外部回路とを接続する構成として、搭載基板の開口部を介してワイヤボンディングで接続する。そして、非昌系金属酸化膜の薄膜層を、パッケージを構成する有機基板の一面に形成した、開口部周辺のバイパス・キャパシタ(即ち電極間の寄生容量程度)では、有機基板に形成可能な容量密度が極めて低く、メモリが高速で書き込み、読み出しを多ビットで行った時、必要とする電荷を至近距離で充分に供給できないと言う不都合を有していた。
【0006】
そこで、本明細書では、センターパッドを有するメモリチップを備えた半導体記憶装置において、高周波インターフェイスに於ける電源ノイズの低減効果を向上させるとともに、メモリチップの搭載基板に外部接続用の開口部を必要としない半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書によって開示される半導体記憶装置は、複数のセンターパッドが形成されたセンターパッド領域を含む回路面と、前記回路面と反対側の面である裏面とを有するメモリチップを備えた半導体記憶装置であって、前記センターパッド領域を除いて、前記回路面に対向した位置に設けられた薄膜キャパシタと、前記薄膜キャパシタに対して、前記メモリチップと反対側に形成された第1絶縁層であって、その上に伝送路が形成された第1絶縁層と、を備え、前記薄膜キャパシタは、前記メモリチップへの一方の極性の電源電圧が供給される第1電源入力部と、供給された前記一方の極性の電源電圧を前記センターパッドに出力するために前記センターパッド領域の近傍に設けられた第1電源出力部とを含む第1面電極と、前記第1電源入力部および第1電源出力部を除く前記第1面電極上に形成された、常誘電体あるいは強誘電体の薄膜誘電体層と、前記薄膜誘電体層上に形成された第2面電極であって、前記メモリチップへの他方の極性の電源電圧が供給される第2電源入力部と、供給された前記他方の極性の電源電圧を前記センターパッドに印加するために前記センターパッド領域の近傍に設けられた第2電源出力部とを含む第2面電極と、を含み、前記伝送路は、前記メモリチップへの信号が供給される信号入力部と、供給された前記信号を前記センターパッドに供給するために前記センターパッド領域の近傍に設けられた信号出力部とを含む。
【0008】
本構成によれば、薄膜キャパシタは、センターパッド領域を除いて、メモリチップの回路面に対向した位置に設けられる。また、薄膜キャパシタの第1面電極および第2面電極には、電源電圧をセンターパッドに印加するための電源出力部が設けられ、また伝送路には、アドレス信号等の信号をセンターパッドに印加するための信号出力部が設けられている。
そのため、センターパッドを有するメモリチップを備えた半導体記憶装置において、センターパッドに至近距離で、常誘電体或いは高誘電体を用いた容量密度の高い絶縁層を形成し電源系に数GHz以上の高周波領域で充分な電荷を与え得る環境を提供し、高周波に於ける電源インピーダンスを下げ、電源ノイズの低減効果を向上させるとともに、メモリチップが搭載される基板に外部接続用の開口部を必要としない半導体記憶装置を提供できる。
【0009】
上記半導体記憶装置において、前記メモリチップがフェイスアップで搭載される基板と、前記メモリチップの前記回路面上に形成された第2絶縁層と、を備え、前記薄膜キャパシタの前記第1面電極は、前記第2絶縁層上に形成され、前記第1絶縁層は、前記第2電源入力部および第2電源出力部を除く前記第2面電極上に形成され、前記基板は、前記第1電源入力部、前記第2電源入力部、および前記信号入力部と接続される、複数の接続パッドを含み、前記第1電源入力部、前記第2電源入力部、および前記信号入力部と、前記複数の接続パッドとはワイヤボンディングによって接続され、前記第1電源出力部、前記第2電源出力部、および前記信号出力部と、前記複数のセンターパッドとはワイヤボンディングによって接続されるようにしてもよい。
本構成によれば、周知のワイヤボンディングによって、薄膜キャパシタおよび伝送路と基板とを、また、薄膜キャパシタおよび伝送路とメモリチップのセンターパッドとを接続することができる。その際、メモリチップが搭載される基板に外部接続用の開口部は、必要とされない。
【0010】
また、上記半導体記憶装置において、前記メモリチップの前記回路面上に形成された第2絶縁層を備え、前記薄膜キャパシタの前記第1面電極は、前記第2絶縁層上に形成され、前記第1絶縁層は、前記第2電源入力部および第2電源出力部を除く前記第2面電極上に形成され、前記第1電源入力部および前記第2電源入力部には、第1接続バンプが形成され、前記信号入力部には、前記第1接続バンプより高さが前記第1絶縁層の厚さ分だけ低い第2接続バンプが形成され、前記第1電源出力部、前記第2電源出力部、および前記信号出力部と、前記複数のセンターパッドとはワイヤボンディングによって接続されるようにしてもよい。
本構成によれば、高周波インターフェイスに於ける電源ノイズの低減効果を向上させるとともに、メモリチップが搭載される基板に外部接続用の開口部を必要としない半導体記憶装置を、BGA(Ball Grid Array)を有するCSP(Chip Scale Package)として構成できる。
【0011】
また、上記半導体記憶装置において、前記メモリチップがフェイスアップで載置される金属板と、前記金属板が配置される基板と、前記メモリチップの前記回路面上に形成された第2絶縁層と、前記第1絶縁層上に形成された保護層と、を備え、前記薄膜キャパシタの前記第1面電極は、前記第2絶縁層上に形成され、前記第1絶縁層は、前記第2電源入力部および第2電源出力部を除く前記第2面電極上に形成され、前記基板は、前記第1電源入力部、前記第2電源入力部、および前記信号入力部と接続される、複数の接続パッドを含み、前記第1電源入力部、前記第2電源入力部、および前記信号入力部と、前記複数の接続パッドとはワイヤボンディングによって接続され、前記第1電源出力部、前記第2電源出力部、および前記信号出力部と、前記複数のセンターパッドとはワイヤボンディングによって接続され、前記基板、前記メモリチップ、前記第2絶縁層、前記薄膜キャパシタ、前記第1絶縁層、および前記保護層は、この順に積層された記憶ユニットを形成し、当該半導体記憶装置は、積層された少なくとも二段の前記記憶ユニットを備え、最上段の記憶ユニットの保護層の上に、各金属板と熱的に接続される放熱部材が配置されているようにしてもよい。
本構成によれば、メモリチップを含む記憶ユニットを複数段重ねて構成される半導体記憶装置において、高周波インターフェイスに於ける電源ノイズの低減効果を向上させるとともに、メモリチップが搭載される基板に外部接続用の開口部を必要としない半導体記憶装置を提供できることに加え、さらに、各メモリチップによって発生する熱を好適に放熱することができる。それによって半導体記憶装置の動作の信頼性を向上させることができる。
【0012】
その際、前記金属板は、平面視において、前記ワイヤボンディングのワイヤの敷設方向に沿った方向において前記メモリチップの長さより短い長さを有し、前記ワイヤの敷設方向と直交する方向において、前記メモリチップの長さより長い長さを有する矩形の形状を有し、最下段の基板に配置される金属板は、その長手方向の端部に配置され、最下段より上段の基板に配置される金属板と、前記放熱部材とに熱的に接続される熱伝達部を有するようにしてもよい。
本構成によれば、各段の記憶ユニットからの発熱を、熱伝達部を介して放熱部材に伝達し、放熱部材から逃がすことができる。
【0013】
さらにその際、前記基板には、前記金属板を配置するための開口あるいは肉薄部が形成されているようにしてもよい。
本構成によれば、金属板を基板に簡易に配置できる。
【0014】
また、上記半導体記憶装置において、前記メモリチップがフェイスダウンの態様で搭載される基板と、前記伝送路上に形成された保護層と、前記メモリチップの前記回路面上に設けられた第2絶縁層と、を備え、前記薄膜キャパシタの前記第1面電極は、前記第2絶縁層上に形成され、前記第1絶縁層は、センターパッド側においては、第1電源出力部および第2電源出力部を露出して前記薄膜キャパシタ上に形成されており、センターパッド側と反対側においては、前記信号入力部が前記保護層上において露出するように、エッチバックされており、前記第2絶縁層は、センターパッド側と反対側においては、前記第1電源入力部および前記第2電源入力部が前記第1絶縁層上において露出するように、エッチバックされており、前記保護層は、センターパッド側においては、前記第2絶縁層上に前記信号出力部を露出し、センターパッド側と反対側においては、前記信号入力部をその上に露出するように形成されており、前記第1電源出力部、前記第2電源出力部、および前記信号出力部と、前記複数のセンターパッドとはワイヤボンディングによって接続され、前記メモリチップの前記回路面上に形成された、前記第2絶縁層、前記薄膜キャパシタ、前記第1絶縁層、前記伝送路、および前記保護層は、前記メモリチップが最上段となり、前記保護層が最下段となるように上下を反転して前記基板上に搭載されており、前記基板は、前記第1電源入力部、前記第2電源入力部、および前記信号入力部と接続される、複数の接続パッドを含み、
前記第1電源入力部、前記第2電源入力部、および前記信号入力部と、前記複数の接続パッドとはワイヤボンディングによって接続されているようにしてもよい。
本構成によれば、メモリチップがフェイスダウンの態様で基板に搭載される構成の半導体記憶装置において、高周波インターフェイスに於ける電源ノイズの低減効果を向上させるとともに、基板に外部接続用の開口部を必要としない半導体記憶装置を提供できる。また、この構成では、メモリチップの裏面を露出させることができるため、メモリチップの裏面に、ヒートスプレッダ等の放熱部材を設けることができる。
【0015】
また、上記半導体記憶装置において、基板と、前記基板上に形成された前記第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に形成された第2絶縁層と、前記薄膜キャパシタ上に形成された保護膜と、を備え、前記メモリチップは、前記保護膜上にフェイスダウンで搭載され、前記第2絶縁層は、前記伝送路の前記信号入力部を除く前記第1絶縁層上に形成され、前記薄膜キャパシタの前記第1面電極は、前記第2絶縁層上に形成され、前記第1電源出力部は第2絶縁層上に形成された第1電源出力配線を含み、前記第2電源出力部は第2絶縁層上に形成された第2電源出力配線を含み、前記伝送路の信号出力部は、前記第2絶縁層内に形成されたビアと、前記ビアと接続され第2絶縁層上に形成された信号出力配線を含み、前記基板は、前記第1電源入力部、前記第2電源入力部、および前記信号入力部と接続される、複数の接続パッドを含み、前記第1電源入力部、前記第2電源入力部、および前記信号入力部と、前記複数の接続パッドとはワイヤボンディングによって接続され、前記第1電源出力配線、前記第2電源出力配線、および前記信号出力配線と、前記複数のセンターパッドとはバンプによって接続されるようにしてもよい。
本構成によれば、メモリチップがフェイスダウンの態様で基板に搭載される構成の半導体記憶装置において、電源ノイズの低減効果を向上させるとともに、メモリチップが搭載される基板に外部接続用の開口部を必要としない半導体記憶装置を提供できる。この構成では、メモリチップの裏面を露出させることができるため、メモリチップの裏面に、ヒートスプレッダ等の放熱部材を設けることができる。
【0016】
その際、前記メモリチップの前記裏面上に配置された放熱部材を備えるようにしてもよい。
本構成によれば、メモリチップの発熱を放熱部材によって抑制することができ、それによって半導体記憶装置の動作の信頼性を向上させることができる。
【0017】
また、上記半導体記憶装置において、前記センターパッド領域の両側に形成されている少なくとも一対の前記薄膜キャパシタを備えるようにしてもよい。
本構成によれば、センターパッド領域によってメモリ領域が分離された構造の半導体記憶装置において、各メモリ領域に対応して薄膜キャパシタを設けることができる。
【0018】
また、上記半導体記憶装置において、前記第2面電極は、平面視において、前記第1面電極に対応した領域内において、複数に分割されているようにしてもよい。
本構成によれば、1個の共通の第1面電極に対して複数個の薄膜キャパシタを構成することができる。それによって、複数の異なる電源電圧を備えたメモリチップにも対応できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の半導体記憶装置によれば、センターパッドを有するメモリチップを備えた半導体記憶装置において、高周波インターフェイスに於ける電源ノイズの低減効果を向上させるとともに、メモリチップの搭載基板に外部接続用の開口部を必要としない半導体記憶装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態1>
本発明に係る実施形態1を、
図1から
図7を参照して説明する。
1.半導体記憶装置の構成
本実施形態1の半導体記憶装置1は、
図1に示されるように、大きくは、メモリチップ10、薄膜キャパシタ30、および中間基板(「基板」の一例)40を備える。
【0022】
メモリチップ10は、複数のセンターパッド13が形成されたセンターパッド領域14を含む回路面11(
図2参照)と、回路面11と反対側の面である裏面12とを有する。メモリチップ10は、
図1に示されるように、中間基板40上に、回路面11を中間基板40と反対側としてフェイスアップで搭載されている。メモリチップ10は、例えば、DDR3−SDRAMである。なお、メモリチップ10は、DDR3−SDRAMに限られず、センターパッド領域14を含む回路面11を有するメモリチップであればよい。
【0023】
薄膜キャパシタ30は、
図2等に示されるように、センターパッド領域14を除いて、メモリチップ10の回路面11に対向した位置に設けられている。実施形態1では、
図2に示されるように、薄膜キャパシタ30は、センターパッド領域14の両側に一対、形成されている。そのため、センターパッド領域14によってメモリ領域が分離された構造の半導体記憶装置において、各メモリ領域に対応して薄膜キャパシタ30を設けることができる。
【0024】
各薄膜キャパシタ30は、センターパッド領域14に設けられたセンターパッド13から、例えば、100μm(マイクロメートル)程度、離れた位置に形成されている。薄膜キャパシタ30は、
図3に示されるように、第1面電極31、薄膜誘電体層33、および第2面電極32を含む。
【0025】
第1面電極31は、メモリチップ10へのグランド電圧(ゼロ電位)Gndが提供される第1電源入力部31Ginと、グランド電圧Gndをセンターパッド13Gに印加するための第1電源出力部31Goutとを含む。第1面電極31は、例えば、スパッタリングによって形成され、2μm以上の膜厚を有する銅薄膜によって構成される。
【0026】
薄膜誘電体層33は、例えば、1μm以下の膜厚を有する、常誘電体(例えば、SrTiO)あるいは強誘電体(例えば、BST)によって構成される。
【0027】
第2面電極32は、薄膜誘電体層33上に形成され、第1面電極31と同様に、例えば、スパッタリングによって形成され、2μm以上の膜厚を有する銅薄膜によって構成される。第2面電極32は、メモリチップへ10の所定の正電圧Vddが供給される第2電源入力部32Vinと、所定の正電圧Vddをセンターパッド13Vに印加するための第2電源出力部32Voutとを含む。
【0028】
ここで、グランド電圧Gndは、メモリチップ10に印加される一方の極性の電源電圧に相当し、正電圧は、メモリチップ10に印加される他方の極性の電源電圧に相当する。なお、これに限られず、その逆であってもよい。すなわち、一方の極性の電源電圧を正電圧Vddとし、他方の極性の電源電圧をグランド電圧Gndとしてもよい。なお、本実施形態では、正電圧Vddに係る部材の符号には「V」の文字を添付し、グランド電圧Gndに係る部材の符号には「G」の文字を添付する。また、電源以外の信号に係る部材には「S」の文字を添付する。また、特に区別する必要がない場合、符号に「V」、「G」および「S」は添付されない。
【0029】
中間基板40は、メモリチップ10がフェイスアップで搭載される搭載面41と、搭載面41と反対側の面である外部接続面42とを有する。搭載面41には、メモリチップ10と接続する複数の接続パッド43(
図4参照)、および配線(図示せず)が形成されている。外部接続面42には、半導体記憶装置1をマザーボード等に接続するための複数の半田ボール44、および配線(図示せず)が設けられている。すなわち、外部接続面42には、BGAが設けられている。また、中間基板40の内部には、搭載面41と外部接続面42とを接続するビアホール等(図示せず)が設けられている。ここで、中間基板40は、例えば、有機基板である。なお、外部接続面42には、BGAに限られず、LGAが設けられていてもよい。
【0030】
さらに、半導体記憶装置1は、第1絶縁層21と第2絶縁層22とを備える。第1絶縁層21は、
図1に示されるように、薄膜キャパシタ30に対してメモリチップ10と反対側に形成されている。詳細には、
図3に示されるように、第1絶縁層21は、第2電源入力部32Vinおよび第2電源出力部32Voutを除く第2面電極32上に形成されている。第1絶縁層21上には、伝送路23が形成されている。第1絶縁層21は、伝送路23を並行に保って接着するためのBTレジン等の熱硬化樹脂からなる。第1絶縁層21の層厚は、50μm以上であることが好ましい。
【0031】
伝送路23は、メモリチップ10への信号が供給される信号入力部23Sinと、信号をセンターパッド13Gに供給するための信号出力部23Soutとを含む。ここで、第1絶縁層21上に存在する伝送路23は、メモリチップ10の有する全てのパッドに対応した信号の内、電源系(VddおよびGnd)を除く全ての信号の伝送路となる。伝送路23の特性インピーダンスは、メモリチップ10が推奨する値に設定されている。
【0032】
伝送路23の特性インピーダンスは、第1絶縁層21の材料の有する比誘電率、伝送路23の幅、および伝送路23と薄膜キャパシタ30の第2面電極32との距離(第1絶縁層21の層厚)等によって決定される。例えば、第1絶縁層21が、比誘電率εo=4.4のBTレジンであり、伝送路23の幅が25μmで、その厚みが10μmであり、特性インピーダンスとして100Ωが推奨されている場合、第1絶縁層(BTレジン)21の層厚は約120μmであり、伝送路23の配線ピッチは約100μmであることが好ましい。
【0033】
また、第2絶縁層22はメモリチップ10の回路面11上に形成され、第2絶縁層22上に、薄膜キャパシタ30の第1面電極31が形成されている。第2絶縁層22は、第1絶縁層21と同様に、BTレジン等の熱硬化樹脂からなる。また、第2絶縁層22の層厚は、50μm以上であることが好ましい。
【0034】
図4に示されるように、第1電源入力部31Gin、第2電源入力部32Vin、および信号入力部23Sinと、複数の接続パッド43とは、ワイヤ24によるワイヤボンディングによって接続されている。また、
図5に示されるように、第1電源出力部31Gout、前記第2電源出力部32Vout、および信号出力部23Soutと、複数のセンターパッド13とは、同様に、ワイヤ25によるワイヤボンディングによって接続されている。
【0035】
ワイヤ25は、Au(金)線、Al(アルミニウム)線、Cu(銅)線等である。ワイヤボンディングにおいて、ワイヤボンダーを用いた超音波接合が行われる。本実施形態では、ワイヤ25はAuワイヤである。
【0036】
なお、通常、メモリチップ10は、グランドGNDが共通で、異なる電源(正電圧)Vdd系(内部回路用、DQ(データ)用等)を有している。そのため、薄膜キャパシタ30の第1面電極31をグランド電圧Gnd用とした場合、それに対応する正電圧(Vdd1、Vdd2等)を分離するため、
図6に示すように、正電圧に応じて第2面電極32および薄膜誘電体層33を分離するようにしてもよい。
図6には、3個の薄膜キャパシタ30に分離された薄膜キャパシタ群30Gが示される。この場合、1個の共通の第1面電極31に対して複数個の薄膜キャパシタを構成することができる。それによって、複数の異なる電源電圧を備えたメモリチップにも対応できる。
【0037】
さらに、メモリチップ10においてグランドGNDが複数、存在する場合、
図7に示すように、第1面電極31を分割して構成してもよい。すなわち、
図7には、
図6に示される薄膜キャパシタ群30Gを、4個、備え、第1面電極31が4個に分割された薄膜キャパシタの構成例が示される。
【0038】
2.半導体記憶装置の作成方法の概要
図3に示されるように、第2絶縁層22上に薄膜キャパシタ30の第1面電極31を形成し、第1面電極31上に薄膜誘電体層33を形成し、薄膜誘電体層33上に第2面電極32を形成する。次いで、第2面電極32上に第1絶縁層21を形成し、第1絶縁層21上に伝送路23を形成する。
【0039】
次いで、
図3に示される中間生成物を、メモリチップ10の回路面11のセンターパッド領域14の両側に配置する。次いで、周知の方法によって、メモリチップ10を、半田ボール44等が形成された中間基板40上にフェイスアップでダイボンディングする。
【0040】
次に、第1電源入力部31Gin、第2電源入力部32Vin、および信号入力部23Sinと、複数の接続パッド43とを、Auワイヤ24によるワイヤボンディングによって接続する。また、第1電源出力部31Gout、第2電源出力部32Vout、および信号出力部23Soutと、複数のセンターパッド13とを、Auワイヤ25によるワイヤボンディングによって接続する。
【0041】
そして、周知のモールド技術を用いて、メモリチップ10等を、モールド樹脂(図示せず)によって所定の大きさにモールドすることによって、
図1に示されるような、半導体記憶装置1が完成する。
3.実施形態1の効果
実施形態1においては、薄膜キャパシタ30は、センターパッド領域14を除いて、メモリチップ10の回路面11に対向した位置に設けられる。実施形態1では、メモリチップ10の回路面11上に形成された第2絶縁層22上に薄膜キャパシタ30が形成されている、それによって、薄膜キャパシタ30と、中間基板40およびメモリチップ10のセンターパッド13との接続距離を最短化できる。すなわち、Auワイヤ24,25の長さを最短化できる。そのため、センターパッド13を有するメモリチップ10を備えた半導体記憶装置1において、薄膜キャパシタ30等によって電源ノイズの低減効果を向上させることができる。
【0042】
言い換えれば、センターパッド13に至近距離で、常誘電体或いは高誘電体を用いた容量密度の高い薄膜誘電体層33を形成し、電源系に数GHz以上の高周波領域で充分な電荷を与え得る環境を提供し、高周波に於ける電源インピーダンスを下げることができる。それによって、高周波インターフェイスに於ける電源ノイズの低減効果を向上させるとともに、メモリチップの搭載基板に外部接続用の開口部を必要としない半導体記憶装置1を提供することができる。
【0043】
また、薄膜キャパシタ30の第1面電極31および第2面電極32には、電源電圧(Gnd,Vdd)をセンターパッド13に印加するための電源出力部(31Gout,32Vout)が設けられる。また伝送路23には、アドレス信号等の信号をセンターパッド13に印加するための信号出力部23Soutが設けられている。この構成によって、メモリチップ10が搭載される中間基板40に外部接続用の開口部を形成することなく、薄膜キャパシタ30と、中間基板40およびメモリチップ10のセンターパッド13とを、ワイヤボンディングによって接続することができる。
【0044】
<実施形態2>
次に、
図8、
図9を参照して、実施形態2を説明する。なお、実施形態1と同一の部材には、同一の符号を付しその説明を省略する。そのため、実施形態1との相違点のみ説明する。
【0045】
実施形態2の半導体記憶装置1Aは、
図8に示されるように、実施形態1の半導体記憶装置1とは、大きくは、中間基板40を有さない点が異なる。すなわち、実施形態2の半導体記憶装置1Aは、CSPとして形成されている。
【0046】
そのため、薄膜キャパシタ30および伝送路23と、外部との接続は半田ボール26によって行われ、薄膜キャパシタ30および伝送路23と、センターパッド13との接続はAuワイヤ25によるワイヤボンディングによって行われる。
【0047】
詳しくは、
図9に示されるように、第1面電極31には、薄膜誘電体層33および第2面電極32がオーバーラップしない領域が4方向に設けられ、センターパッド13との接続部分を除く3方向に、半田ボール26Gが搭載可能である領域が設けられている。同様に、第2面電極32にも、3方向に、半田ボール26Vが搭載可能である領域が設けられている。
【0048】
また、第1面電極31の第1電源入力部31Ginには半田ボール(「第1接続バンプ」の一例)26Gが形成され、第2面電極32の第2電源入力部32Vinには半田ボール(「第1接続バンプ」の一例)26Vが形成されている半田ボール26Gと半田ボール26Vの高さ(直径)は、薄膜誘電体層33と第2面電極32の膜厚を加算した値(3μm程度)の差が存在するが、ほぼ等しい。
【0049】
また、伝送路23の信号入力部23Sinには、半田ボール26G,26Vより高さ(直径)が第1絶縁層21の厚さ分(50μm程度)だけ低い半田ボール26S(「第2接続バンプ」の一例)が形成されている。
【0050】
ここで、半田ボール26G,26Vの直径は200μm程度であり、半田ボール26Sの直径は150μm程度である。また、第1電源入力部31Ginおよび第2電源入力部32Vinは、直径が150μmから200μmの、金メッキされたランドであり、信号入力部23Sinは、直径が100μmから150μmの、金メッキされたランドである。なお、第2接続バンプは半田ボール26Sに限られず、例えば、金スタッドバンプであってもよい。
【0051】
このように、実施形態2においては、薄膜キャパシタ30等によって、高周波インターフェイスに於ける電源ノイズの低減効果を向上させるとともに、メモリチップ10が搭載される中間基板40に外部接続用の開口部を必要としない半導体記憶装置1Aを、CSPとして構成できる。
【0052】
<実施形態3>
次に、
図10から
図12を参照して、実施形態3を説明する。なお、実施形態1と同一の部材には、同一の符号を付しその説明を省略する。そのため、実施形態1との相違点のみ説明する。
【0053】
実施形態3では、
図10に示されるように、中間基板40、メモリチップ10、第2絶縁層22、薄膜キャパシタ30、第1絶縁層21、および保護層27によって、この順に積層された記憶ユニット50が形成されている。そして、半導体記憶装置1Bは、積層された少なくとも2段(実施形態3では2段)の記憶ユニット50A,50Bを備える。
【0054】
各中間基板40は、メモリチップ10がフェイスアップで搭載される放熱金属板(「金属板」の一例)46を含む。また、各中間基板40には、放熱金属板46を配置するための肉薄部48が形成されている。肉薄部48によって放熱金属板46を基板に簡易に配置できる。なお、中間基板40に放熱金属板46を配置する方法は、肉薄部48による方法に限られない。例えば、中間基板40に開口を設けて放熱金属板46を配置するようにしてもよい。
【0055】
放熱金属板46は、
図12に示されるように、平面視において、ワイヤボンディングのワイヤ24,25の敷設方向に沿った方向(
図12の矢印X方向)において、メモリチップ10の長さより短い長さを有し、ワイヤの敷設方向と直交する方向(矢印Y方向)において、メモリチップ10の長さより長い長さを有する矩形の形状を有する。放熱金属板46は、例えば、1mm×2mmの平面形状で、厚さは2−3mmの厚さを有する銅板である。
【0056】
また、
図10に示されるように、最上段の記憶ユニット50Bの保護層27の上に、各放熱金属板46,46Aと熱的に接続されるヒートスプレッダ(「放熱部材」の一例)45が配置されている。なお、
図12においては、ヒートスプレッダ45を除いた平面図が示される。
【0057】
また、
図11に示されるように、最下段の中間基板40に配置される放熱金属板46Aは、その長手方向(
図12の矢印Y方向)の端部に配置され、最下段より上段の中間基板40に配置される放熱金属板46と、ヒートスプレッダ45とに熱的に接続される熱伝達部47を有する。本実施形態では熱伝達部47は、放熱金属板46Aと一体形成されている。なお、これに限られず、熱伝達部47は、放熱金属板46Aとは個別に形成されていてもよい。
【0058】
この熱伝達部47によって、各放熱金属板46、46Aの熱がヒートスプレッダ45に伝達される。すなわち、各段の記憶ユニット50からの発熱を、熱伝達部47を介してヒートスプレッダ45に伝達し、ヒートスプレッダ45から逃がすことができる。なお、放熱金属板46と熱伝達部47とは、好適な熱伝導を得るために、Ag(銀)ペーストあるいはシリコングリース等によって接着される。
【0059】
このように、実施形態3においては、メモリチップ10を含む記憶ユニット50を複数段(ここでは2段)重ねて構成される半導体記憶装置1Bにおいて、薄膜キャパシタ30等によって電源ノイズの低減効果を向上させるとともに、メモリチップ10が搭載される中間基板40に外部接続用の開口部を必要としない半導体記憶装置を提供できる。さらに、記憶ユニット50の各メモリチップ10によって発生する熱を好適に放熱することができる。それによって半導体記憶装置1Bの動作の信頼性を向上させることができる。
【0060】
<実施形態4>
次に、
図13から
図16を参照して、実施形態4を説明する。なお、実施形態1と同一の部材には、同一の符号を付しその説明を省略する。そのため、実施形態1との相違点のみ説明する。
【0061】
実施形態4の半導体記憶装置1Cでは、実施形態1から3とは異なり、メモリチップ10がフェイスダウンの態様で中間基板40に搭載されている。すなわち、半導体記憶装置1Cでは、
図13に示されるように、メモリチップ10の回路面11上に設けられた、第2絶縁層22、薄膜キャパシタ30、第1絶縁層21、伝送路23、および保護層27は、メモリチップ10が最上段となり、保護層27が最下段となるように上下を反転して中間基板40上に搭載されている。
【0062】
そのため、薄膜キャパシタ30および伝送路23とメモリチップ10との接続に関して、ワイヤボンディングによって接続されている点は実施形態1と等しいものの、各入力部の配置箇所が、実施形態1と異なる。
すなわち、
図14に示されるように、第1電源入力部31Ginおよび第2電源入力部32Vinは、第1絶縁層21上に配置されており、信号入力部23Sinは、保護層27上に配置されている。そして、第1電源入力部31Gin、第2電源入力部32Vin、および信号入力部23Sinと、中間基板40上の複数の接続パッド43とは、実施形態1と同様に、ワイヤ24によるワイヤボンディングによって接続されている。
【0063】
図14に示すような各入力部の配置箇所を構成する例を、
図15および
図16を参照して説明する。まず、例えば金属基材等を用いて、二点鎖線で示されるエッチバックされる部(
図15参照)を含む第2絶縁層22、薄膜キャパシタ30、第1絶縁層21、伝送路23、および保護層27の順に積層された多層薄膜体を形成する。
【0064】
そして、
図15に示されるように、多層薄膜体を上下反転した状態において、第2絶縁層22に対して第1電源出力部31Gout等が形成された端部とは反対側の端部に炭酸ガス(CO2)レーザ光L1を照射して、二点鎖線で示される第2絶縁層22の端部をエッチバックして除去するする。
その際、有機材である第2絶縁層22のみを分解し、銅等の金属製である薄膜キャパシタ30の第1面電極31を反射する波長の長い炭酸ガスレーザ光L1が使用される。それによって、第1絶縁層21上に第1面電極31を露出させることができる。
【0065】
次いで、
図16に示されるように、露出された第1面電極31に対して、第1電源入力部31Ginとなる部分を除いて、波長の短い紫外線(UV)レーザ光L2を所定時間、照射して第1面電極31をエッチングして、SrTiO等の常誘電体等からなる薄膜誘電体層33を露出させる。さらに、露出された薄膜誘電体層33に対して、第1面電極31の近傍を除いて、紫外線レーザ光L2を所定時間、照射して薄膜誘電体層33をエッチングして、第2面電極32を露出させる。次いで、露出された第2面電極32に対して、第2電源入力部32Vinとなる部分を除いて、さらに紫外線レーザ光L2を所定時間、照射して第2面電極32をエッチングして除去する。それによって第1絶縁層21の端部が露出される。
【0066】
次いで、有機材である露出された第1絶縁層21の端部に対して、炭酸ガスレーザ光L1を照射して、第1絶縁層21の端部をエッチバックして除去する。それによって、保護層27上に伝送路23の信号入力部23Sinとなる部分が保護層27上に露出される。このように入力部に関するエッチバック処理がなされた多層薄膜体は、メモリチップ10の回路面11上に貼付けられる。そして、多層薄膜体とメモリチップ10とのワイヤボンディング処理が行われ、メモリチップ10をフェイスダウンした状態で、多層薄膜体と中間基板40とのワイヤボンディング処理が行われる。
【0067】
その際、薄膜キャパシタ30とメモリチップ10との接続方法および各出力部の配置は、共に実施形態1と等しい。すなわち、第1電源出力部31Gout、第2電源出力部32Vout、および信号出力部23Soutと、複数のセンターパッド13とは、
図5に示す実施形態1と同様の態様で、Auワイヤ25によるワイヤボンディングによって接続されている。
【0068】
すなわち、実施形態4では、第1絶縁層21は、センターパッド側においては、第1電源出力部31Goutおよび第2電源出力部32Voutを露出して薄膜キャパシタ30上に形成されており、センターパッド側と反対側、すなわち、中間基板40側においては、信号入力部23Sinが保護層27上において露出するように、エッチバックされている。
【0069】
また、第2絶縁層22は、センターパッド側と反対側、すなわち、中間基板40側においては、第1電源入力部31Ginおよび第2電源入力部32Vinが第1絶縁層21上において露出するように、エッチバックされている。
【0070】
また、保護層27は、センターパッド側においては、第2絶縁層22上に信号出力部23Soutを露出し、センターパッド側と反対側においては、信号入力部23Sinをその上に露出するように形成されている。この構成によって、メモリチップ10がフェイスダウンの態様で中間基板40に搭載される構成において、多層薄膜体のセンターパッド側および中間基板40側において、ワイヤボンディングによる接続が可能となる。
【0071】
また、このように、メモリチップ10が最上段において、フェイスダウンの態様で中間基板40に搭載される構成では、メモリチップ10の裏面12が露出されるため、
図13に示されるように、メモリチップ10の裏面12上にヒートスプレッダ45を配置することができる。
【0072】
実施形態4においては、メモリチップ10がフェイスダウンの態様で中間基板40に搭載される構成の半導体記憶装置1Cにおいて、薄膜キャパシタ30等によって高周波インターフェイスに於ける電源ノイズの低減効果を向上させるとともに、中間基板40に外部接続用の開口部を必要としない半導体記憶装置を提供できる。また、この構成では、メモリチップ10の裏面12を露出させることができるため、メモリチップの裏面12に、ヒートスプレッダ45等の放熱部材を設けることができる。
【0073】
すなわち、高速アクセスのメモリインターフェイスでは、メモリチップのジャンクションで発生する発熱を如何に低い熱抵抗でそれによってヒートスプレッダやヒートシンクと接続させ、放熱させるかが重要な課題となっている。そのため、実施形態4においては、高周波インターフェイスに於ける電源ノイズの低減効果を向上させつつ、メモリチップ10の裏面12上にヒートスプレッダ45を配置する構成によって、その課題を簡易に解決できる。なお、エッチバックの方法はレーザ光を用いたものに限られない。例えば、通常のレジストを用いたエッチング溶液による方法、あるいはガスを用いた方法であってもよい。
【0074】
<実施形態5>
次に、
図17から
図19を参照して、実施形態5を説明する。実施形態5の半導体記憶装置1Dでは、実施形態4と同様に、メモリチップ10がフェイスダウンの態様で中間基板40に搭載される。なお、実施形態1と同一の部材には、同一の符号を付しその説明を省略する。そのため、実施形態1との相違点のみ説明する。
【0075】
実施形態5は、実施形態4とは、第1電源出力部31Gout、第2電源出力部32Vout、および信号出力部23Soutと、複数のセンターパッド13とが、センターパッド13に形成されたバンプ15によって接続されている点が異なる。
【0076】
すなわち、
図18に示されるように、第1電源出力部31Goutは、第2絶縁層22上に形成された第1電源出力配線31Wを含む。第2電源出力部32Voutは、第2絶縁層22上に形成された第2電源出力配線32Wを含む。また、伝送路23の信号出力部23Soutは、第2絶縁層22内に形成されたビア22Hと、ビア22Hと接続され第2絶縁層22上に形成された信号出力配線23Wを含む。
【0077】
各出力配線23W,31W,32W上には、メモリチップ10のセンターパッド13上に形成されたバンプ15と接続されるランド23L,31L,32Lが形成されている。バンプ15は、例えば、Auスタッドバンプあるいはマイクロ半田バンプである。
【0078】
また、
図17に示されるように、第1絶縁層21は、実施形態1とは異なり、中間基板40上に形成され、第2絶縁層22は、第1絶縁層21上に形成されている。また、薄膜キャパシタ30は第2絶縁層22上に形成され、薄膜キャパシタ30上に保護層27が形成されている。そして、メモリチップ10は、保護層27上にフェイスダウンで搭載されている。
【0079】
なお、
図17および
図19に示されるように、第1電源入力部31Gin、第2電源入力部32Vin、および信号入力部23Sinと、複数の接続パッド43とは、実施形態1と同様に、Auワイヤ24によるワイヤボンディングによって接続されている。
【0080】
このように、実施形態5においては、実施形態4と同様に、メモリチップ10がフェイスダウンの態様で基板に搭載される構成の半導体記憶装置において、薄膜キャパシタ30等によって電源ノイズの低減効果を向上させるとともに、メモリチップ10が搭載される中間基板40に外部接続用の開口部を必要としない半導体記憶装置1Dを提供できる。この構成では、メモリチップの裏面を露出させることができるため、メモリチップの裏面に、ヒートスプレッダ等の放熱部材を設けることができる。
【0081】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0082】
(1)実施形態1においては、薄膜キャパシタ30が、センターパッド領域14の両側に対向して1対、形成されている例を示したが、これに限られない。例えば、薄膜キャパシタ30は、センターパッド領域14のどちらか一方の側のみに対向して形成されてもよい。あるいは、センターパッド領域14の両側に対向して2対、形成されてもよい。また、薄膜キャパシタ群30Gの形成態様(分割態様)は、
図6および
図7に示されたものに限られず、薄膜キャパシタの必要形態に応じて、適宜、分割されればよい。
【0083】
(2)実施形態4において、ヒートスプレッダ45を省略してもよい。逆に、実施形態5において、メモリチップ10の裏面12上にヒートスプレッダ45等の放熱部材を設けてもよい。
半導体記憶装置(1)は、センターパッド領域(14)を除いて、メモリチップ(10)の回路面(11)に対向した位置に設けられた薄膜キャパシタ(30)を備える。薄膜キャパシタ(30)は、第1面電極(31)、常誘電体あるいは強誘電体の薄膜誘電体層(33)、および第2面電極(32)を含む。第1面電極は、メモリチップへの一方の極性の電源電圧が供給される第1電源入力部(31Gin)と、一方の極性の電源電圧をセンターパッド(13)に出力するためにセンターパッド領域の近傍に設けられた第1電源出力部(31Gout)とを含む。第2面電極は、薄膜誘電体層上に形成され、メモリチップへの他方の極性の電源電圧が供給される第2電源入力部(32Vin)と、他方の極性の電源電圧をセンターパッドに印加するためにセンターパッド領域の近傍に設けられた第2電源出力部(32Vout)とを含む。