(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5874077
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】フィルタ装置、酸素濃縮装置
(51)【国際特許分類】
A61M 16/10 20060101AFI20160216BHJP
F24F 7/00 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
A61M16/10 B
F24F7/00 A
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-40271(P2015-40271)
(22)【出願日】2015年3月2日
【審査請求日】2015年3月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513096587
【氏名又は名称】ブレステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】堤 英明
【審査官】
鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−90934(JP,A)
【文献】
特開2012−117770(JP,A)
【文献】
特開2012−166182(JP,A)
【文献】
特開2013−78540(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/10
B01D 46/10
F24F 7/00
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体が流れる主流路と、
前記主流路上に配置されて前記気体が一方向に通過する円盤状のフィルタと、
前記フィルタを回転させるモータと、
前記主流路における前記フィルタよりも下流側に配置され、前記主流路の前記気体の一部を分岐させると共に、分岐した前記気体を、前記フィルタに対して前記一方向と反対となる他方向に通過させる分岐流路と、を備え、
前記フィルタを回転させることで、該フィルタと前記主流路が重なる集塵領域で該フィルタが回収した塵埃を、前記フィルタと前記分岐流路が重なる掃除領域に移動させることで、該フィルタから離脱させることを特徴とする、
フィルタ装置。
【請求項2】
前記分岐流路における前記掃除領域よりも下流側が、前記フィルタの面方向に延びることを特徴とする、
請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項3】
前記フィルタは、回転軸が水平となるように配置され、
前記分岐流路における前記掃除領域よりも下流側が、鉛直方向に延びることを特徴とする、
請求項2に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
前記主流路における前記集塵領域よりも上流側が、前記フィルタの面方向に延びることを特徴とする、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
前記フィルタは、回転軸が水平となるように配置され、
前記主流路における前記集塵領域よりも上流側が、鉛直方向に延びることを特徴とする、
請求項4に記載のフィルタ装置。
【請求項6】
前記主流路における前記集塵領域よりも上流側が、前記フィルタの面方向に延びており、
前記分岐流路における前記掃除領域よりも下流側が、前記フィルタの面方向に延びており、
前記フィルタの前記回転軸に対して直角方向から視た場合に、前記フィルタの面方向に延びる前記主流路と前記分岐流路の少なくとも一部が重なることを特徴とする、
請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項7】
前記分岐流路の下流において前記気体及び塵埃を鉛直下方に放出することを特徴とする、
請求項1〜6のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項8】
前記分岐流路における前記掃除領域よりも下流側には塵埃回収箱が着脱自在に配置されており、
前記塵埃回収箱には、前記気体を通過させると共に前記塵埃を集塵する回収フィルタが配置されることを特徴とする、
請求項1〜7のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項9】
前記回収フィルタが、前記塵埃回収箱の底面を構成することを特徴とする、
請求項8に記載のフィルタ装置。
【請求項10】
前記主流路の前記フィルタよりも上流側において、該フィルタから距離を空けるようにして、前記集塵領域と対向するように配置される主流路側カバー部を備え、
前記主流路側カバー部により、前記主流路の上流側の気体が前記フィルタの面方向に案内されることを特徴とする、
請求項1〜9のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項11】
前記主流路側カバー部が着脱自在に配置され、
前記主流路側カバー部を離脱すると、前記フィルタの少なくとも一部が外部に露出することを特徴とする、
請求項10に記載のフィルタ装置。
【請求項12】
前記主流路の前記フィルタよりも上流側の前記集塵領域と重ならない場所において、該フィルタと対向するように接近して配置される案内部を備え、
前記案内部により、前記主流路の気体が前記集塵領域まで前記フィルタの面方向に案内されることを特徴とする、
請求項1〜11のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項13】
前記分岐流路における前記フィルタよりも下流側において、前記フィルタから距離を空けるようにして、前記掃除領域と対向するように配置される分岐路側カバー部を備え、
前記分岐路側カバー部により、前記分岐流路の下流側の気体が前記フィルタの面方向に案内されることを特徴とする、
請求項1〜12のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項14】
前記主流路における前記フィルタよりも下流側に配置される吸引空間と、
前記主流路における前記吸引空間よりも下流側に配置される加圧空間と、
前記吸引空間の気体を前記加圧空間に移送する気体移送手段と、を備え、
前記分岐流路は、前記加圧空間において分岐形成されることを特徴とする、
請求項1〜13のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載のフィルタ装置を搭載したことを特徴とする酸素濃縮装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体を清浄するフィルタ装置、当該フィルタ装置を用いた酸素濃縮装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エアコン、酸素濃縮器、サーバー、プロジェクター等の各種機械又は電気機器では、空気等の気体を循環して内部を冷却したり、空気等の気体そのものを利用したりする場合がある。そのような本体機器では、気体に含まれる塵埃を清浄するフィルタ装置が採用されることが多い。このフィルタ装置では、気体の流路の途中にフィルタを配置して、そのフィルタによって塵埃を捕捉する。このフィルタは、一定期間利用すると目詰まりが発生する。
【0003】
このフィルタの目詰まりを回避するため、フィルタを定期的に自動清掃する清掃機構付のフィルタ装置が存在する(特許文献1参照)。この清掃機構は、塵埃を回収する回転ブラシをフィルタに接触させて、両者を相対運動させる。結果、フィルタに付着する塵埃が、ブラシの回転によって取り除かれる。ブラシ側に回収される塵埃は、回収箱に回収されるようになっている。この清掃作業は、一定期間経過する毎に断続的に自動実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−245460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のフィルタ装置の清掃機構は、フィルタ上の塵埃の全てがブラシによって回収される訳ではなく、一部の塵埃がフィルタに残存しやすいという問題があった。また、清掃作業中はフィルタが機能しなくなるので、本体機器の稼動中ではなく、電源をON又はOFFのタイミングで清掃を行わなければならないという問題があった。
【0006】
また、本体機器の動作音をできる限り小さくしたいという要望が多いが、従来のフィルタ装置の場合、内部のファン(ブロア)の音がフィルタを介して外部に漏れやすいという問題があった。
【0007】
更に近年の各種機器の小型化に伴い、フィルタ装置のコンパクト化が求められている。しかし、従来の清掃機構は、ブラシを配置するスペースや、ブラシとフィルタを相対移動させる空間が必要となるため、コンパクト化が難しいという問題があった。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、フィルタの塵埃を十分に回収可能で、かつ、省スペース化を実現可能なフィルタ装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明は、気体が流れる主流路と、前記主流路上に配置されて前記気体が一方向に通過する円盤状のフィルタと、前記フィルタを回転させるモータと、前記主流路における前記フィルタよりも下流側に配置され、前記主流路の前記気体の一部を分岐させると共に、分岐した前記気体を
、前記フィルタ
に対して前記一方向と反対となる他方向に通過させる分岐流路と、を備え、前記フィルタを回転させることで、該フィルタと前記主流路が重なる集塵領域で該フィルタが回収した塵埃を、前記フィルタと前記分岐流路が重なる掃除領域に移動させることで、該フィルタから離脱させることを特徴とする、フィルタ装置である。
【0010】
上記フィルタ装置に関連して、前記分岐流路における前記掃除領域よりも下流側が、前記フィルタの面方向に延びることを特徴とする。
【0011】
上記フィルタ装置に関連して、前記フィルタは、回転軸が水平となるように配置され、
前記分岐流路における前記掃除領域よりも下流側が、鉛直方向に延びることを特徴とする。
【0012】
上記フィルタ装置に関連して、前記主流路における前記集塵領域よりも上流側が、前記フィルタの面方向に延びることを特徴とする。
【0013】
上記フィルタ装置に関連して、前記フィルタは、回転軸が水平となるように配置され、前記主流路における前記集塵領域よりも上流側が、鉛直方向に延びることを特徴とする。
【0014】
上記フィルタ装置に関連して、前記主流路における前記集塵領域よりも上流側が、前記フィルタの面方向に延びており、前記分岐流路における前記掃除領域よりも下流側が、前記フィルタの面方向に延びており、前記フィルタの前記回転軸に対して直角方向から視た場合に、前記フィルタの面方向に延びる前記主流路と前記分岐流路の少なくとも一部が重なることを特徴とする。
【0015】
上記フィルタ装置に関連して、前記分岐流路の下流において前記気体及び塵埃を鉛直下方に放出することを特徴とする。
【0016】
上記フィルタ装置に関連して、前記分岐流路における前記掃除領域よりも下流側には塵埃回収箱が着脱自在に配置されており、前記塵埃回収箱には、前記気体を通過させると共に前記塵埃を集塵する回収フィルタが配置されることを特徴とする。
【0017】
上記フィルタ装置に関連して、前記回収フィルタが、前記塵埃回収箱の底面を構成することを特徴とする。
【0018】
上記フィルタ装置に関連して、前記主流路の前記フィルタよりも上流側において、該フィルタから距離を空けるようにして、前記集塵領域と対向するように配置される主流路側カバー部を備え、前記主流路側カバー部により、前記主流路の上流側の気体が前記フィルタの面方向に案内されることを特徴とする。
【0019】
上記フィルタ装置に関連して、前記主流路側カバー部が着脱自在に配置され、前記主流路側カバー部を離脱すると、前記フィルタの少なくとも一部が外部に露出することを特徴とする。
【0020】
上記フィルタ装置に関連して、前記主流路の前記フィルタよりも上流側の前記集塵領域と重ならない場所において、該フィルタと対向するように接近して配置される案内部を備え、前記案内部により、前記主流路の気体が前記集塵領域まで前記フィルタの面方向に案内されることを特徴とする。
【0021】
上記フィルタ装置に関連して、前記分岐流路における前記フィルタよりも下流側において、前記フィルタから距離を空けるようにして、前記掃除領域と対向するように配置される分岐路側カバー部を備え、前記分岐路側カバー部により、前記分岐流路の下流側の気体が前記フィルタの面方向に案内されることを特徴とする。
【0022】
上記フィルタ装置に関連して、前記主流路における前記フィルタよりも下流側に配置される吸引空間と、前記主流路における前記吸引空間よりも下流側に配置される加圧空間と、前記吸引空間の気体を前記加圧空間に移送する気体移送手段と、を備え、前記分岐流路は、前記加圧空間において分岐形成されることを特徴とする。
【0023】
上記目的を達成する本発明は、上記のいずれかに記載のフィルタ装置を搭載したことを特徴とする酸素濃縮装置である。
【発明の効果】
【0024】
本発明に記載のフィルタ装置等によれば、利用者のメンテナンス負担を軽減しながらも、確実に塵埃を回収することができる。またフィルタ装置の省スペース化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施形態に係るフィルタ装置の(A)正面図、(B)カバー部材を取り外した状態の正面図である。
【
図3】同フィルタ装置における(A)
図1「A−A」矢視側面断面図、(B)
図1「B−B」矢視側面断面図、(C)
図1「C−C」矢視側面断面図、(D)
図1「D−D」矢視平面断面図、(E)
図1「E−E」矢視平面断面図である・
【
図6】同フィルタ装置を適用した酸素濃縮器の(A)正面断面図、(B)側面断面図である。
【
図7】(A)〜(D)は同フィルタ装置の塵埃回収箱の応用例を示す斜視図である。
【
図8】同フィルタ装置の塵埃回収箱の応用例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
図1乃至
図5には、本発明の実施の形態に係るフィルタ装置1が示されている。
図5の分解図の通り、このフィルタ装置1は、円盤状のフィルタ10と、このフィルタ10を回転させるモータ14と、気体(空気)が流れる主流路18と、清掃用の気体(空気)が流れる分岐流路22と、第一流路形成部材30と、カバー部材50と、塵埃回収箱60と、動作検知手段70と、第二流路形成部材80を有する。
【0028】
主流路18は、塵埃を含む気体が流れる通路であって、フィルタ10の集塵領域11Aに気体を通過させることによって塵埃が収集される。塵埃が除去された気体は、各種目的で利用される。従って、このフィルタ装置1は、主流路18の下流側に、本フィルタ装置1を必要とする機器本体が配置される。
【0029】
分岐流路22は、主流路18のフィルタ10よりも下流側において主流路18から分岐される流路であって、フィルタ10の掃除領域11Bに気体を通過させて、フィルタ10に収集された塵埃を除去・回収する。この分岐流路22には、主流路18を流れる気体の一部が流れ込む。分岐流路22において掃除領域11Bを気体が通過する方向は、気体主流路18において集塵領域11を気体が通過する方向と反対となる。
【0030】
フィルタ10は、放射状のスポークを有するリング状のフレーム材10Aと、このフレーム材に固定されるメッシュ材10Bを有する。このメッシュ材10Bに気体を通過させることで、気体に含まれる塵埃を捕捉する。フィルタ10は、回転軸が水平となるように配置される。即ち、フィルタ10の平面は、鉛直且つ水平方向に広がっている。フィルタ10が配置される空間には、主流路18と重なる集塵領域11Aと、分岐流路22と重なる掃除領域11Bが形成される。フィルタ10(フレーム材10A、メッシュ材10B)の材料は、鉄やステンレス等の金属の他、樹脂を採用することができる。金属の場合は、表面に絶縁フィルムや絶縁コーティングを施して、筐体への漏電を抑制することが好ましい。
【0031】
第二流路形成部材80は、フィルタ10の内側(ここでは機器本体側を内側と定義する)に接近して配置されるプレート部材であって、フィルタ10に対向する主流路用開口80A及び分岐流路用開口80Bを有する。主流路用開口80Aの面積は、分岐流路用開口80Bの面積よりも大きい。この主流路用開口80Aによってフィルタ10の集塵領域11Aが画定され、分岐流路用開口80Bによってフィルタ10の掃除領域11Bが画定される。
【0032】
更に主流路用開口80Aは、フィルタ10の上半分の範囲内において、上下方向(フィルタ10にとっての半径方向)寸法よりも水平方向(フィルタ10にとっての周方向)寸法が大きくなる。一方で分岐流路用開口80Bは、フィルタ10の下半分に範囲内において、水平方向(フィルタ10にとっての周方向)寸法よりも上下方向(フィルタ10にとっての半径方向)寸法が大きくなる。また、主流路用開口80Aの半径方向寸法と比較して、分岐流路用開口80Bの半径方向寸法が大きく設定される。従って、集塵領域11Aを利用してフィルタ10で回収された塵埃が、フィルタ10の回転によって掃除領域11Bに移動すると、集塵領域11Aの半径方向の範囲全体を、掃除領域11Bがカバーできるようになっており、塵埃の回収不足が生じないようになっている。
【0033】
第二流路形成部材80における主流路18の下流側には、吸引空間82が形成される。また、主流路18における吸引空間82よりも更に下流側には、加圧空間84が形成される。また、吸引空間82と加圧空間84の間には、気体を吸引空間82から加圧空間84に移送する気体移送手段86が配置される。この気体移送手段86は、例えばファンやブロア、ポンプ等であり、気体を吸引空間82から加圧空間84へ強制的に移動させる。結果、吸引空間82が負圧状態となり、この負圧によって、外部から主流路18を経由して吸引空間82に気体が流れ込む。一方、加圧空間84は正圧状態となる。この正圧によって、加圧空間84の主流路18から分岐流路22が分岐する。従って、この加圧空間84の正圧により、主流路18の気体の一部が、分岐流路22を経てフィルタ10の外部に放出される。
【0034】
モータ14は、回転軸にフィルタ10が固定されることで、フィルタ10を直接回転させる。モータ14は、ブラケット14Aを介して第一流路形成部材30に固定される。
【0035】
動作検知手段70は、ここでは光検知機器を利用しており、フィルタ10のスポーク材10Aとメッシュ材10Bの光反射率又は光透過率の違いを利用してフィルタ10の回転を検知する。具体的には反射型フォトインタラプタを採用しており、第一流路形成部材30に固定することで、スポーク材10Aとメッシュ材10Bの光反射率の違いを検知し、フィルタ10の回転状態を認識する。特に図示しない制御装置により、フィルタ10の回転に異常が生じた場合はアラームを出す。なお、動作検知手段70として、発光部と受光部をフィルタ10の両外側に配置し、フィルタ10の光透過率の違いから回転を検知しても良い。また、モータ14にエンコーダを設置し、モータ軸の回転を直接検知することも可能である。なお、動作検知手段70の設置場所は、フィルタ10と対向できる場所であれば他の場所でも良い。
【0036】
第一流路形成部材30は、フィルタ10の外側(主流路18を基準とした場合に上流側)に配置される。第一流路形成部材30は、一対の案内プレート(案内部)32Aを有する。この案内プレート32Aは、フィルタ10を面垂直方向から視た場合に、集塵領域11Aと重ならない場所で、このフィルタ10と対向するように接近配置される。この案内プレート32Aは、ここでは鉛直方向に広がる板状部材であり、フィルタ10よりも上流側の主流路18の一部を形成する。結果、この案内プレート32Aに沿って気体が平面方向(鉛直上方向)に流れるようになっており、その気体が、フィルタ10の集塵領域11Aまで案内される。各案内プレート32Aにおける気体が流れる方向の両サイド(水平方向の両脇)には側壁32Bが形成されており、この側壁32Bによって、気体が、外部に漏れることなく鉛直方向に集塵領域11Aまで案内される(
図1(B)、
図3(B)等参照)。
【0037】
更に第一流路形成部材30は、フィルタ10から距離を空けて、掃除領域11Bと対向するように配置される分岐路側カバープレート(分岐路側カバー部)34Aを有する。この分岐路側カバープレート34Aは、ここでは鉛直方向に広がる板状部材であり、フィルタ10よりも下流側の分岐流路22の一部を形成する。フィルタ10の掃除領域11Bを面垂直方向に通過した気体は、この分岐路側カバープレート34Aに衝突して進行方向を面方向に変える(屈曲される)。なお、この分岐路側プレート34Aに沿って気体が流れる方向(鉛直下方向)の両サイド(水平方向の両脇)及び気体が流れる方向の反対方向(上端)の縁に、合計3つの側壁34Bが形成される。従って、分岐路側カバープレート34Aは、3つの側壁34Bによって取り囲まれるようにして流路を構成し、鉛直下方向に気体を案内する。なお、本実施形態では、分岐路側カバープレート34Aによって構成される分岐流路22の水平方向両脇に、案内プレート32Aによって構成される一対の主流路18が配置される(
図1(B)参照)。従って、分岐路側カバープレート34Aの両サイドの側壁34Bと、案内プレート32Aにおける内側サイドの側壁32Bは、鉛直方向に延びる一つの板状部材で兼ねている。
【0038】
従って、第一流路形成材30を水平方向且つフィルタ10の回転軸に対して直角方向から視た場合に、主流路18の上流側(
図3(B)参照)と分岐流路22の下流側(
図3(C)参照)の一部が重なる。結果、フィルタ装置1を極めて薄型に構成できる。なお、本実施形態では、分岐路側カバープレート34Aと3つの側壁34Bによって囲まれる空間の上部にモータ14が収容される。
【0039】
図5に示すように、第一流路形成部材30における分岐路側カバープレート34Aの下流端(即ち鉛直下端)には、開口36Aが形成されており、この開口36Aから分岐流路22を流れてきた気体が下向きに放出される。なお、この開口36Aには柵部材36Bが形成されており、安全面の観点から、内部に指を挿入してフィルタ10の掃除領域11Bに触れることができないようになっている。
【0040】
第一流路形成部材30における開口36Aの下流側(即ち鉛直下側)には、塵埃回収箱60の挿入空間38Aが形成される。この挿入空間38Aは、フィルタ10の反対側の面が開口しており、そこから塵埃回収箱60が着脱自在に挿入される。また、挿入空間38Aの底面38Bには、通気性を有する状態の部材又は加工が施されており、具体的には柵または格子が形成される。結果、開口36Aから挿入空間38Aに放出される気体が、この底面38Bから下方(外部)に通過(放出)できる。
【0041】
塵埃回収箱60は、上面に形成される気体取り込み口60Aと、底面に形成される回収フィルタ60Bを有する。気体取り込み口60Aは、挿入空間38Aに配置される状態において開口36Aと対向し、開口36Aから放出される気体を箱内に取り込む。底面の回収フィルタ60Bは、網目状の材料で構成されており、気体を通過させると共に気体に含まれる塵埃(即ち、フィルタ10の掃除領域11Bに付着していた塵埃)を集塵する。この回収フィルタ60Bは、挿入空間38Aの底面38Bと対向しているので、回収フィルタ60 Bを通過した気体は、挿入空間38Aの底面38Bを介して外部に放出される。回収フィルタ60Bは、着脱自在となっており、回収した塵埃を容易に洗浄できる。なお、回収フィルタ60の面積が小さい場合は、
図7(A)に示すように、底面以外にも、前面又は後面、或いは側面にも回収フィルタ60を配置することができる。また例えば、
図7(B)に示すように、塵埃回収箱60をフレーム構造とし、その中にメッシュ状の袋を配置して、それ自体を回収フィルタ60にすることもできる。また例えば、
図7(C)に示すように回収フィルタ60を波型にしたり、
図7(D)に示すようにラビリンス型にしたりすることで、回収面積を増大させることも好ましい。
【0042】
カバー部材50は、フィルタ10及び第一流路形成部材30を外側から覆う部材である。カバー部材50は、鉛直方向且つ水平方向に広がる主流路側カバープレート(主流路側カバー部)52Aを有する。この主流路側カバープレート52Aは、ここでは水平且つ鉛直方向に広がる板状部材であり、主流路18におけるフィルタ10よりも上流側において、フィルタ10から距離を空けて集塵領域11Aと対向するように配置される。主流路側カバープレート52Aにおける気体が流れる方向(鉛直下方向)の両サイド(水平方向の両脇)及び気体が流れる方向の一方(上端)の縁には、合計3つの側壁52Bが形成される。この側壁52Bは、吸音性の高いスポンジ、ウレタン等の多孔質材料で構成することもできる。
【0043】
この主流路側カバープレート52A及び3つの側壁52Bによって形成される主流路18内では、気体が鉛直上方に案内されて3つの側壁52Bに衝突し、その気体が水平方向に屈曲されて集塵領域11A側へ方向転換する。なお、主流路側カバープレート52A及び3つの側壁52Bによって構成される主流路18の上流側(鉛直下側)には、第一流路形成部材30の案内プレート32A及び側壁32Bが連続する。従って、案内プレート32A等によって鉛直上方に案内される気体は、主流路側カバープレート52A側に流れ込む。
【0044】
カバー部材50は、主流路側カバープレート52Aに連続するようにして、気体取り込みプレート54Aを有する。気体取り込みプレート54Aは、第一流路形成部材30の案内プレート32Aに対して隙間(流路)を確保した状態で対向する。この気体取り込みプレート54Aには、複数の通気用スリット54Bが形成されており、この通気用スリット54Bから気体を取り込む。取り込まれた気体は、既に述べた案内プレート32A及び主流路側カバープレート52Aを経て、フィルタ10の集塵領域11Aまで案内される。
【0045】
このカバー部材50は、第一流路形成部材30又は機器本体に対して着脱自在に配置される。従って、このカバー部材50を取り外すと、主として、フィルタ10の集塵領域11Aを含む範囲が露出する。従って、フィルタ10の定期メンテナンス作業時は、このカバー部材50を取り外すだけで、フィルタ10を布等で拭くことができる。
【0046】
次に、このフィルタ装置1の動作及び気体の流れについて説明する。
【0047】
このフィルタ装置1では、主流路18に気体を流すと共に、その気体の一部を分岐流路22に分岐させる。結果、主流路18とフィルタ10が重なる集塵領域11Aには、主流路18を流れる気体に含まれる塵埃が集められる。フィルタ10は、モータ14によって回転することで、集塵領域11Aで集めた塵埃を掃除領域11Bまで搬送する。分岐流路22の流れ方向は、主流路18と反対になるので、掃除領域11Bでは、この塵埃が気体によって離脱されて、フィルタ10が自動清掃される。なお、モータ14によるフィルタ10の回転は定速回転でも良く、一定の時間間隔を空けた断続回転でも良い。
【0048】
フィルタ10は、回転軸が水平となるように配置されており、フィルタ10の回転軸方向(水平方向)に通過する分岐流路22の下流側が、フィルタ10の平面方向(鉛直下方)に屈曲する。従って、掃除領域11Bにおいて、フィルタ10に付着した塵埃を回収した気体は、分岐流路22によって鉛直下方に屈曲して、その下流端の開口36Aから、塵埃回収箱60に放出される。この気体は、更に塵埃回収箱60の底面の回収フィルタ60Bから下方に放出されるが、その際、この回収フィルタ60Bによって塵埃が再度集塵される。従って、回収フィルタ60Bから外部に放出される気体は、塵埃を含まない清潔な状態となる。なお、この塵埃回収箱60は着脱自在に設置されているので、定期的に取り外して、回収フィルタ60Bによって集塵される塵埃を廃棄すれば、回収フィルタ60Bも常に清潔に維持できる。勿論、回収フィルタ60Bを水等で定期的に洗浄することも好ましい。
【0049】
このように、分岐流路22における掃除領域11Bよりも下流側が、気体の流れ方向に沿って、フィルタ10の平面方向(鉛直下方)に延びることから、内部の気体移送手段86の動作音が、仮に掃除領域11Bを通過したとしても、分岐路側カバープレート34Aに衝突する。従って、内部の騒音が、フィルタ装置1から外部に漏れだしにくい。塵埃回収箱60においても、底面側から気体を排出するので、同様に内部の騒音が横方向に漏れ出しにくい構造となっている。
【0050】
主流路18におけるフィルタ10の上流側も、気体の流れ方向に沿って、フィルタ10の平面方向(鉛直上下方向)に延びている。即ち、気体取り込みプレート54Aを水平方向に通過した気体は、鉛直上方に進んで上昇し、更にその上端で、フィルタ10の回転軸方向(水平方向)に再度屈曲して、フィルタ10の集塵領域11Aを通過する。このようなクランク構造型の流路にすることで、内部の気体移送手段86の動作音が、集塵領域11Aを通過しても、主流路側カバープレート52Aに衝突させることができる。従って、内部の騒音が、フィルタ装置1から直接外部に漏れだしにくい。
【0051】
更に上述のように、主流路18の上流側及び分岐流路22の下流側(まとめて表現するとフィルタ10よりも外側の流路)を、フィルタ10の平面方向に延在させているが、これらの流路は、側面方向から視た場合に互いに重なるように形成される。従って、フィルタ装置1は、静音設計であるにもかかわらず、極めて薄型に構成できる。
【0052】
次に、
図6を参照して、上述のフィルタ装置1を搭載した本体機器の事例となる酸素濃縮装置100を説明する。この酸素濃縮装置100は、フィルタ装置1と、筐体110と、外部カバー120と、HEPAフィルタ130と、ブロア132と、コンプレッサ134と、熱交換器136と、サイレンサ138と、酸素濃縮機構140と、加湿機構142と、制御装置144を有する。
【0053】
フィルタ装置1は、酸素濃縮装置100の背面側において、筐体110と外部カバー120の隙間に設置される。フィルタ装置1のカバー部材50は、外部カバー120の一部を構成する。また、フィルタ装置1の第二流路形成部材80は、筐体110の一部を兼ねる。
【0054】
筐体110内には、水平方向の仕切り部材110Aによって、上下方向に、吸引空間82と加圧空間84に分離される。外部カバー120は、筐体110の側面及び上面を覆う。
【0055】
ブロア132は、吸引空間82と加圧空間84の間に設置され、フィルタ装置1を介して外部から吸引空間82に気体を取り込んで、加圧空間84に向かって鉛直下方に気体を強制的に吐出する。加圧空間84における、ブロア132の直下には、コンプレッサ134が配置されており、ブロア132から吐出される気体がコンプレッサ132の周囲を通過することで、コンプレッサ132を冷却する。HEPAフィルタ130は、吸引空間82に設置されており、吸引空間82の気体を取り込んで除塵し、浄化した気体を点線で図示する配管を経由してコンプレッサ132に供給する。
【0056】
コンプレッサ132は、HEPAフィルタ130から供給される気体を圧縮して、熱交換器136を介して酸素濃縮機構140に供給する。酸素濃縮機構140は、ここではいわゆるPSA方式を採用しており、ゼオライトを収容した一対の吸着塔によって、圧縮気体から窒素を除去する。酸素濃縮機構140は、窒素を除去して酸素が濃縮された気体を、加湿機構142を経由して外部に供給する。なお、サイレンサ138は加圧空間84に配置されており、酸素濃縮機構140に接続されて、吸着塔で吸着した窒素を加圧空間84内に定期的に排出してリフレッシュする。制御装置144は、これらの機器全体を制御する。
【0057】
熱交換器136は、筐体110の底面側に配置される。ブロア132から吐出される気体は、コンプレッサ132の外表面を経て、更に熱交換器136の外表面を通過する。結果、熱交換器136の内部を通過する圧縮気体が冷却される。
【0058】
筐体110の底面には、排気孔110Bが形成されており、コンプレッサ132と熱交換器136を冷却した気体が排気される。なお、背面に設置されるフィルタ装置1の底面からも、分岐流路22及び塵埃回収箱60を経た気体が下方に放出される。
【0059】
本酸素濃縮装置100によれば、背面の極めて狭い空間にフィルタ装置1が収容されているため、装置全体を極めてコンパクトに構成することができる。しかも、フィルタ装置1のフィルタで収集した塵埃は、フィルタの回転によって自動的に掃除されて、塵埃回収箱60に蓄積される。従って、酸素濃縮装置100の排気には塵埃を含まない。利用者は、塵埃回収箱60と定期的に取り外して塵埃を廃棄すれば良いので、日常の作業負担を軽減できる。また、本酸素濃縮装置100では、全ての排気が底面側で行われるので、利用者側に対して排気が直接的に流れないことから、利用環境を快適化できる。またフィルタ装置1によって、塵埃を一時的に除去した気体を筐体110内に供給できるので、内部に設置されるHEPAフィルタ130を長持ちさせることができる。
【0060】
また、このフィルタ装置1によれば、筐体110内のブロア132やコンプレッサ134の動作音が外部に漏れ出しにくい。結果、酸素濃縮装置100の静粛性を大幅に高めることができる。
【0061】
以上、本実施形態のフィルタ装置1は、フィルタ10の平面が鉛直方向となるように配置する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、フィルタ10の回転軸が鉛直方向となるように配置することもできる。
【0062】
また、上記実施形態では、塵埃回収箱60の挿入空間38Aにおいて、その底面38Bが(格子状に)開口されており、塵埃回収箱60を通過する気体の全てが、底面の回収フィルタ60Bを通過して、挿入空間38Aの底面38Bから排気される場合を例示したが、本発明これに限定されない。
【0063】
例えば
図8に示すように、挿入空間38Aにおいて回収フィルタ60Bに対応する底面38Aに加えて、別の場所にも緊急用の排気口38Cを形成しておくことが好ましい。特に、この排気口38Cは、挿入空間38Aの上面側、即ち、塵埃回収箱60の気体取り込み口60Aと対応する場所に形成することが好ましい。このようにすると、矢印Cに示すようなバイパス路が形成され、万が一、回収フィルタ60Bが塵埃によって目詰まりした場合に、塵埃回収箱60に進入した気体が、気体取り込み口60A及び排気口38Cを経由して気体を排気できる。
【0064】
なお、この場合は、排気口38Cの開口面積を、回収フィルタ60B又は底面38Bの面積よりも小さくすることによって、通常は、大半の気体が回収フィルタ60B側から積極的に排気されるようにすることが好ましい。
【0065】
また、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0066】
1 フィルタ装置
10 フィルタ
11A 集塵領域
11B 掃除領域
18 主流路
22 分岐流路
30 第一流路形成部材
50 カバー部材
60 塵埃回収箱
70 動作検知手段
80 第二流路形成部材
【要約】
【課題】フィルタ装置のフィルタを自動的に掃除する。
【解決手段】フィルタ装置1では、気体が流れる主流路18上に円盤状のフィルタ10を配置し、このフィルタ10をモータ14で回転させる。主流路18におけるフィルタ10よりも下流側において、分岐流路22を分岐させて分岐した気体をフィルタ10の反対方向に通過させる。フィルタ10の回転によって、フィルタ10と主流路18が重なる集塵領域11Aで回収した塵埃を、フィルタ10と分岐流路22が重なる掃除領域11Bに移動させることで、フィルタ10から離脱させる
【選択図】
図5