(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各増幅器に対する調整された供給電圧が各増幅器によって伝えられる前記信号に時間整合されるように、前記調整手段それぞれにおける前記基準信号のタイミングを制御する手段が設けられる、請求項1から6のいずれか一項に記載の電源段装置。
複数の調整された選択電源電圧を発生させる前記ステップが、前記調整された選択電源を受け取り、それを前記基準信号と比較し、それに基づいて、前記選択電源電圧に付加する誤差信号を発生させるステップを含む、請求項9に記載の方法。
各増幅器に対する前記調整された供給電圧が各増幅器に対する前記入力信号に時間整合されるように、前記調整ステップそれぞれに対して前記基準信号のタイミングを制御するステップをさらに含む、請求項9から13のいずれか一項に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
無線周波(RF)増幅段などの増幅段に供給電圧を供給するため、変調電源を提供することが知られている。特に有利な変調電源段の一例は、英国特許第2398648号に見出すことができる。
【0003】
この有利な変調電源段では、増幅器によって増幅されるRF入力信号に基づいて、RF増幅器への供給電圧を追跡する効率的な技術が提供される。第1の制御ループは、増幅段に対する所望の供給電圧を表す入力信号の包絡線を追跡し、それに基づいて、利用可能な複数の供給電圧のうち1つを選択する。
【0004】
第2の制御ループは、入力信号の包絡線と実際の出力信号を追跡し、それらの間の差を表す誤差信号を発生させる。この誤差信号は、選択された供給電圧と組み合わされて、増幅段に対する調整された選択供給電圧が提供される。第1の制御ループは低周波ループであり、第2の制御ループは高周波ループである。
【0005】
そのような改善された変調供給段は、関連する効率の改善を伴って、増幅器に対する高精度の追跡(または被追跡)電源を実現させるという点で顕著な利点および改善をもたらす。
【0006】
さらに、RF信号などの信号を増幅する際、入力信号を部分に分割し、次に各部分を別個の電力増幅器で増幅し、その後、増幅された部分を再結合させることが知られている。このように信号を増幅する複数の電力増幅器を使用することで、別のやり方で送達することができるよりも強力な信号を送達することが可能になる。一般的に、そのような増幅信号はRF送信機のアンテナに送達される。
【0007】
複数の並列増幅器による増幅のために、このようにして信号が分割され、その後に再結合される配置は、「コーポレートストラクチャ」として知られている。
【0008】
英国特許第2398648号に見出される従来技術の高精度の追跡電源配置では、電源段が、n個の電力増幅器に対する電源を実現させるコーポレートストラクチャに適合された場合、低周波ループおよび高周波ループそれぞれの出力は係数n倍に増加するはずである。これは、性能に対して負の影響を有する。ループは物理的により大型に作らなければならない。
【0009】
回路基板におけるレイアウトの問題が生じ、一部の電力増幅器にはより長いトラックが必要になることがある。組み合わせることができる増幅器の最大数も、変調電源がそれによって実現されるフィードネットワーク上の電力増幅器の物理的制約によって制限されることがある。
【0010】
あるいは、単一の増幅器段それぞれに対して単一の変調電源が設けられることがある。これは、回路を多量に複製することを必要とする。これは、実装のコストおよびサイズを増加させ、したがって、それ自体の非効率をもたらす。この配置では、単一の増幅器それぞれに対する効率的で高精度の追跡電源の利益を得るため、多数の構成要素数とそれに関連するコストを必要とする。
【0011】
上述したように、n個の増幅器およびそれに関連するn個の変調電源を有するコーポレートストラクチャでは、具体的な変調電源の実装に関わらず、性能、コスト、およびサイズについての不利な点に直面することがある。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明を、非限定的実施形態を参照して一例として以下に記載する。
図1は、英国特許第2398648号に記載されている原理による、例示的な二重ループ制御システムを示す。差分ブロック102および低周波増幅器104は第1のパス130を規定する。第1のパスはまた、第1の制御パスまたは主要パスと呼ばれてもよい。差分ブロック106および高周波増幅器108は第2のパス132を規定する。第2のパスはまた、第2の制御パスまたは誤差補正パスと呼ばれてもよい。一般に、以下の記載から理解されるように、第2のパスは第1のパスから誤差を除去する。
【0027】
2つの制御パスを組み合わせるため、加算器またはコンバイナ110が設けられる。制御システムの目的は、ライン112上で供給される入力信号の正確な複製である信号を出力ライン120上で供給することである。制御システムは、好ましくは、ライン112上の入力信号と関連して利用可能なものよりもはるかに大きな電流を有する出力信号をライン120上で供給する。そのようなシステムは、有利には、負荷が出力信号ライン120に接続された、変調された高効率の変調または追跡電源として使用されてもよい。
【0028】
ライン112上の入力信号は差分ブロック102に対する第1の入力を供給する。差分ブロック102は、低周波増幅器104に対するライン114上の出力を形成する。ライン116上の低周波増幅器104の出力は、コンバイナ110に対する第1の入力を形成し、また、フィードバックされて、スケーリングブロック150を介して差分ブロック102に対するライン118上の第2の入力を形成する。
【0029】
ライン112上の入力信号は、遅延ブロック131を介して差分ブロック106に対するライン129上の第1の入力を供給する。差分ブロック106は、高周波増幅器108に対する入力を供給するライン124上の出力を形成する。高周波増幅器108は、コンバイナ110に対する第2の入力を形成するライン126上の出力を供給する。コンバイナ110は、ライン116および126上の信号を結合して、ライン120上の出力信号を形成する。ライン120上の出力信号は、フィードバックされて、スケーリングブロック152を介して差分ブロック106に対するライン122上の第2の入力を形成する。
【0030】
ライン112上の入力信号が増幅すべきRF信号に由来する包絡線である例示的な応用例では、信号は、低周波増幅器104の動作周波数帯域幅に比べて広い周波数スペクトルを有する。このシステムでは、低周波増幅器104は、出力信号ライン120上で伝達される出力の大部分を供給するが、入力信号の高周波数範囲では動作することができない。高周波増幅器108は、誤差補正またはクリーンアップループとして有効に動作して、ライン120上の出力信号の失われた部分を供給する。誤差補正またはクリーンアップは、ライン126上の信号をライン116上の信号と合計することによって提供されて、ライン120上の所望の出力信号を伝達する。
【0031】
図1の配置では、高周波増幅器108は入力信号の全周波数範囲のほとんどにわたって動作することができなければならない。これによって、高周波増幅器108のダイナミックレンジおよび部分帯域幅に対する要求が生じ、特に、コンバイナ110の設計に対して、非常に高い部分帯域幅で動作することができなければならないという要求が生じる。
【0032】
これらの問題を緩和するため、英国特許出願第0803711.1号にて考察されている原理にしたがって、遅延ブロック131が好ましくは設けられる。
遅延ブロック131を設けることによって、さらに後述するように高周波増幅器108に供給される信号の低周波成分が低減される。
【0033】
遅延ブロック131は、第1の制御パスによる遅延と等価な遅延を第2の制御パスに導入する。
図1の配置では、有限の遅延が制御ループ130によって導入される。
図2の配置の遅延ブロック131は、平衡遅延(balancing delay)として動作して、差分ブロック106の第1の入力に印加される信号を、ライン122上の差分ブロック106の第2の入力に伝達される信号に存在する、第1の制御ループ130の遅延に対応する量だけ遅延させる。遅延ブロック131によって与えられる平衡遅延は、好ましくは周波数とほぼ一致する。
【0034】
したがって、遅延ブロック131を設けることで、差分ブロック106が低減された低周波信号を有するライン124上の出力を供給することが確保される。
このようにして低周波信号を取り消すことは、それらの信号を増幅するために高周波増幅器108が不要であり、入力ライン126上のそれらの信号を取り扱うのにコンバイナ110が不要であることを意味する。したがって、このように低周波成分を除去することによって、例えば変圧器またはコンデンサを使用して、コンバイナ110で信号を結合することが可能になる。コンバイナ110に変圧器を使用することは、特に有利で好ましい配置である。
【0035】
好ましくは、遅延ブロック131によって供給される遅延はデジタル遅延である。デジタル遅延は、すべての周波数で一定の遅延を供給するので好ましい。デジタル遅延は、入力信号がデジタル形式である場合に特に適切である。本発明およびその実施形態はデジタル遅延に限定されない。遅延はアナログネットワークとして実現することができる。
【0036】
図2を参照すると、本発明の原理による多段増幅器配置のための例示的な二重ループ制御システムが概略的に示されており、それは、
図1の好ましい二重ループ制御システムの原理を利用している。
【0037】
例証を容易にするため、以下の図面では、
図1のスケーリングブロック150および152は図示されないことに留意されたい。しかし、当業者であれば、そのようなスケーリングブロックが好ましくは設けられてもよいことを理解するであろう。
【0038】
図2を参照すると、多段増幅器配置は全体として参照番号210によって示され、複数(n個)のRF増幅器を含む。
図2では、第1のRF増幅器202
1、第2のRF増幅器202
2、およびn番目のRF増幅器202
nが示されている。個々のRF増幅器202
1〜202
nは、個々の入力204
1〜204
nで入力信号を受け取り、個々の出力206
1〜206
nで出力信号を発生させる。多段増幅器配置210の増幅器202
1〜202
nはそれぞれ、それら個々の入力204
1〜204
nで等価な入力信号を受け取る。入力信号はスプリッタ段によって供給されてもよい。出力206
1〜206
nの出力信号は後に続くコンバイナ段で結合されてもよい。
【0039】
各RF増幅器は、本発明の原理にしたがって、個々の電源ライン120
1〜120
nで変調電源電圧を受け取る。図示される例では、RF増幅器202
1〜202
nはさらに接地に接続される。
【0040】
本発明の原理によれば、多段増幅器配置210は単一の低周波増幅段およびn個の高周波増幅段を備える。単一の低周波増幅段は参照番号234によって示され、
図1の遅延段131とともに
図1の低周波増幅段130を備える。したがって、
図1の遅延段131は、付加的に、多段増幅器配置210のための単一の共通段として設けられる。
【0041】
低周波増幅段と呼ばれるものの、段234は、低周波増幅と関連しない遅延131を含むことが理解されるであろう。段234は、一般に、多段増幅器配置のための共通段であるが、本明細書では、その主な機能上の目的の観点から低周波増幅段と呼ばれる。
【0042】
図2に示されるように、多段増幅器配置210の場合、参照番号232
1〜232
nによって示される複数(n個)の高周波増幅段が設けられる。高周波増幅段232
1〜232
nはそれぞれ、
図1の高周波増幅段132に対応する。それに加えて、高周波増幅段232
1〜232
nはそれぞれ、
図1のコンバイナ110と等価なコンバイナを含む。
【0043】
高周波増幅段と呼ばれるものの、段232
1〜232
nは、やはり低周波増幅出力と関連するコンバイナ110
1〜110
nを含むことが理解されるであろう。段232
1〜232
nは、一般に、多段増幅器配置の専用段であるが、本明細書では、それらの主な機能上の目的の観点から高周波増幅段と呼ばれる。
図2に示されるように、共通の低周波増幅段234はライン112上の入力基準信号を受け取る。共通の低周波増幅段234は、
図1の配置にしたがってライン116上の出力信号を供給する。
【0044】
高周波増幅段232
1〜232
nはそれぞれ、低周波増幅段234のライン116上の出力と、入力基準信号を遅延したものであるライン129上の出力との2つの入力を受け取る。上述したように、高周波増幅段232
1〜232
nはそれぞれ、ライン116および129上の信号に基づいて、ライン120
1〜120
n上の個々の変調供給電圧を発生させる。
【0045】
高周波増幅段232
1〜232
nはそれぞれ、
図1の差分ブロック106にそれぞれ対応する差分ブロック106
1〜106
nと、
図1の高周波増幅器108にそれぞれ対応する108
1〜108
nで示される高周波増幅器とを含む。それに加えて、高周波増幅段はそれぞれ、
図1のコンバイナ110に対応する個々のコンバイナ110
1〜110
nを含む。高周波増幅段232
1〜232
nの差分ブロック、高周波増幅器、およびコンバイナの相互接続は、
図1に示されるものと同じである。
【0046】
低周波増幅段234は、高周波増幅段232
1〜232
nそれぞれと組み合わせて動作して、
図1と同じ機能的効果をもたらし、個々の各RF増幅器に対して個々のライン120
1〜120
n上の変調電源電圧を供給する。
【0047】
したがって、本発明の原理にしたがって、
図2を参照して記載されるように、複数の高周波増幅段と組み合わせた単一の低周波増幅段によって、
図1に示されるような高精度の追跡システムの利点をコーポレートストラクチャ内で維持することが可能になる。
【0048】
単一の低周波増幅段234は、複数の低周波増幅段に信号を伝達するため、適切に高出力にすることができる。低周波増幅段は、スイッチド電圧段としてのその特性により、いかなる場合でも低速段なので、不利な点を伴わない。
【0049】
しかし、高周波増幅段を分離させることによって、小型の高速段として維持することができ、それによって、高効率高精度の追跡の利点を維持することが可能になる。
【0050】
図3を参照すると、英国特許出願第0803821.8号の原理にしたがった、
図2の高周波増幅段の好ましい実現例が示される。記載される好ましい実現例は、包絡線追跡システムの複数の電力増幅器に供給される電力を変調するのに使用される、変圧器ベースの電源である。
【0051】
高周波段232
1〜232
nはそれぞれ同じ形で実現される。
図3を参照すると、ライン116上の低周波数段234からのフィルタ処理済み出力は、並列に接続された抵抗器418
nおよびコンデンサ416
nを介して、変圧器404
nの二次巻線410
nの第1のタップ403
nに連結される。二次巻線410
nの第2のタップ405
nは、出力ライン120
n上の増幅器202
nに連結される。
【0052】
バイパスインダクタ420
nは第1および第2の端子を有し、第1の端子は二次巻線410
nの第1のタップ403
nに連結され、第2の端子は、インダクタ420
nの抵抗を表す抵抗器440
nを介して二次巻線410
nの第2のタップ405
nに連結されている。抵抗器440
nについては後述する考察のために図示している。
【0053】
ライン129上の入力基準信号を遅延したものは、減算器412
nの第1の入力に連結され、減算器412
nは、二次巻線410
nの第2のタップ405
nに連結された第2の入力を有する。減算器412
nの出力は補正増幅器406
nの入力に連結される。補正増幅器406
nの出力は、変圧器404
nの一次巻線408
nの第1のタップ407
nに連結される。一次巻線408
nの第2のタップ409
nは接地に連結される。
【0054】
要約すると、ライン116上の電圧は、二次巻線の第1のタップ403
nおよびバイパスインダクタ420
nの第1の端子に印加される。減算器412
nは、入力基準信号を遅延したものを受け取り、二次巻線110の第2のタップ405
nに存在する電圧の値、すなわち出力電圧を減算して、電圧誤差信号を生成する。次に、この電圧誤差信号は、補正増幅器406
nで増幅され、一次巻線408
nの第1のタップ407
nに印加される。次に、ライン116上の電圧および補正増幅器408
nによって供給される電圧が変圧器404
nによって結合されて、二次巻線410の第2のタップ405
nで出力電圧である補正電圧出力が供給される。
【0055】
図3の配置では、低周波(スイッチド)、すなわちライン116上の粗い電圧信号は変圧器の二次巻線410
nに印加され、また、著しいDC電流を二次巻線に流してもよい。このDC電流は、変圧器コア内に著しい磁束を発生させてもよく、コアの磁気飽和をもたらしてもよい。
【0056】
この問題に対処するため、増幅段232
nは、好ましくはバイパスインダクタ420
nを備える。バイパスインダクタ420
nは、好ましくは高出力インダクタを含み、したがって、高周波信号に対して高いインピーダンスを示すが、DC電流および低周波信号に対しては非常に低いインピーダンスを示す。
【0057】
したがって、バイパスインダクタは、変圧器の周りに低インピーダンスのDC電流バイパスパスを与え、ライン116上のDC電流の大部分は、変圧器ではなくバイパスインダクタを通って流れることになる。変圧器巻線を通って流れるDC電流による変圧器コア内の磁束は、二次巻線を通って流れるDC電流が少なくなるにつれて低減されることになる。
【0058】
したがって、磁気飽和に対するコアの磁化率は低減される。これによって、別の方法では必要になるであろう変圧器に比べて、物理的に小型の変圧器が可能になる。より小型の変圧器は改善された高周波応答を有することができるので、これは有利である。
【0059】
したがって、各増幅段232
1〜232
nは、コンバイナとして、ただし低減されたサイズの変圧器を使用して実現されてもよい。
コンデンサ416
nおよび抵抗器418
nの目的は、バイパスインダクタ内にDC電流の望ましい流れをさらにもたらすことである。
【0060】
バイパスインダクタ420
nは、抵抗器440
nによって示される、インダクタコイル内のワイヤの長さによる関連する抵抗値R
Lを有する。この抵抗値R
Lは通常は小さい。抵抗器418
nは、好ましくは、R
Lよりも大きな、好ましくははるかに大きな抵抗値R
transを有するように選択される。
【0061】
したがって、ライン116上のDC電流出力は、その固有の低抵抗R
Lを有するバイパスインダクタ420
nによって提供される低抵抗パスを優先的に流れるようになる。したがって、R
transとR
Lの比によって、変圧器の二次巻線410
nを流れるDC電流の低減が決まる。
【0062】
したがって、抵抗器418
nは、有利には、変圧器を通るのではなくバイパスパスを通るように付加的な電流を方向付けるための手段を提供する。
コンデンサ416
nは、変圧器404
nの二次巻線410
nを通してAC電流を流すための低インピーダンスパスを提供する。AC電流のための低インピーダンスパスを提供することによって、抵抗器418
nにおける高周波信号の過剰な散逸を回避することができる。
【0063】
図3の有利な配置では、変圧器内の磁束がさらに低減されるので、変圧器自体のサイズをさらに低減するとともに、コアの磁気飽和を回避することができる。
増幅段232
1〜232
nにバイパスインダクタ420
nが存在することによって、より一層の利益をもたらすことができる。
【0064】
損失がない変圧器を仮定すると、ライン120
n上で増幅器202
nに伝達される平均電力は、(i)低周波増幅器104のスイッチ可能な主電圧源と、(ii)補正増幅器406
nとによって送達される平均電力の組み合わせである。しかし、増幅器202
nに送達される瞬時電力は、(i)および(ii)によって送達される瞬時電力の合計に等しくないことがある。
【0065】
これは、エネルギーがバイパスインダクタ420
nおよび変圧器の磁化インダクタンス(図示なし)に蓄えられ、このエネルギーを、瞬時出力電力が高い期間の間に放出することができるためである。
任意の時点で増幅器202
nに送達される電力の大部分は、低周波増幅器104によって供給される。しかし、出力電力がピークの間、相当量の電力はバイパスインダクタ420
nによって供給される。
【0066】
エネルギーを保存するため、(理想的な)バイパスインダクタの正味の平均電力出力はゼロにならなければならない。インダクタ420
nは、瞬時出力電力が低い期間の間は「荷電」され、瞬時出力電力が高い期間の間に蓄積エネルギーを放出する。有利には、これによって補正増幅器406
nのピーク電力要件が大幅に低減される。
【0067】
別の方法では変圧器404
nの磁化インダクタンスに蓄えられるエネルギーは、その代わりに、変圧器404
nとは異なり高周波動作のために最適化する必要のない、物理的に分離したインダクタ420
nに蓄えられる。次に、蓄積エネルギーは、瞬時出力電力が高い期間の間に増幅器202
nに伝達されてもよく、それによって、補正増幅器406
nのピーク電力要件が低減される。
【0068】
図4を参照すると、コーポレートストラクチャにおける
図2の増幅段210の実現例の詳細が示される。
図2の増幅段210を修正したものは、
図4で参照番号460によって示される。本明細書で上記した参照番号は、同様の要素が示される場合は
図4で再使用される。
【0069】
図4に示されるように、基準信号を遅延したものは、増幅配置460と共通のライン532上で伝達される。ライン532上の基準信号を遅延したものは、複数(n個)のバッファ514
1〜514
nを含むスプリッタ段512に対する入力として供給される。n個のバッファ514
1〜514
nはそれぞれ、ライン532上の基準信号を遅延したものを受け取り、それら個々の出力ライン515
1〜515
n上でその信号のコピーを発生させる。ライン515
1〜515
n上の基準信号を遅延したもののコピーは、高周波増幅段232
1〜232
nの
図2の差分ブロック106
1〜106
nの第1の入力となる。
【0070】
したがって、
図2に示されるライン129上の信号は、ライン515
1〜515
n上のその信号のn個のものと置き換えられる。
【0071】
図4の配置は、基準信号を1つまたは複数の低周波増幅段だけではなく、高周波増幅段の1つまたは複数の組に分配することが必要な、コーポレートストラクチャにおいて好ましい。コーポレートストラクチャの階層形式内で基準信号が分配されるので、適正なレベルで各増幅段104または232に信号が送達されることを確保するため、信号を分割し、次にバッファすることが必要である。
【0072】
図5を参照すると、
図4の増幅段460に対応する複数(m個)の増幅段を含むコーポレートストラクチャにおける基準信号の分配の全体概略図が示される。
【0073】
ここで
図5を参照すると、複数の増幅器を備える大規模なコーポレートストラクチャアーキテクチャの実現例が概略的に示される。
図5の例では、n個の増幅器の複数(m個)の群が開示される。nは群ごとに異なってもよい。n個の増幅器のm個の群の1つは、好ましくは
図4に示されるように配置される。
【0074】
各群のnは構造上
図4の増幅段に対応する。したがって、
図4の配置460にそれぞれ対応する、m個の増幅配置460
1〜460
mが示される。
増幅器の数n、また結果として高周波増幅段の数nは、段460
1〜460
nそれぞれにおいて異なってもよい。
【0075】
一般に、
図5を参照すると、ライン112上の基準信号は入力として供給され、また、主基準信号REF
MASと示されてもよい。ライン112上の基準信号は、デジタルアナログ変換器524に対する入力を形成して、アナログ基準信号をデジタル化したものを供給する。デジタルアナログ変換器の出力の基準信号のデジタル化したものは、REF
LF_MASと示される低周波増幅段のためのデジタル化した主基準信号として見なしてもよく、低周波スプリッタ/バッファ段516に対する入力を供給する。
【0076】
ライン112上の基準信号は、付加的に、
図1および2の遅延131と等価の遅延528に対する入力を形成する。遅延528の出力における遅延した基準信号は、デジタルアナログ変換器526に対する入力を形成し、その変換器は、その出力において遅延した基準信号をアナログにしたものを発生させ、これは、REF
HF_MASと示される高周波増幅段に対するアナログ主基準信号と見なしてもよい。デジタルアナログ変換器526の出力における基準信号REF
HF_MASは、高周波スプリッタ/バッファ段518に対する入力を形成する。
【0077】
低周波スプリッタ/バッファ段516は、REF
LF_SL1〜REF
LF_SLmと示される段460
1〜460
mそれぞれの低周波増幅段に対する従属基準信号を供給する。
高周波スプリッタ/バッファ段518は、REF
HF_SL1〜REF
HF_SLmと示される、多段増幅段510
1〜510
mそれぞれの高周波増幅段に対する従属基準信号を供給する。
【0078】
低周波スプリッタ/バッファ段516は、520
1〜520
mと示される複数(m個)のバッファを備える。各バッファはそれぞれ、ライン530
1〜530
m上の出力信号を供給し、それは、個々の増幅段510
1〜510
mの低周波増幅段に対する基準信号REF
LF_SL1〜REF
LF_SLmを提供する。
【0079】
高周波スプリッタ/バッファ518は、522
1〜522
mと示される複数(m個)のバッファを備える。バッファ522
1〜522
mは、個々の出力ライン532
1〜532
m上の出力信号を発生させ、それらはそれぞれ、増幅段460
1〜460
mそれぞれに対する高周波基準信号REF
HF_SL1〜REF
HF_SLmを供給する。
【0080】
ライン532
1〜532
m上で受け取られる高周波基準信号はそれぞれ、個々のバッファ段512
1〜512
mにおいて、増幅段460
1〜460
mによって受け取られる。
図5の増幅段460
1〜460
3では、
図4をさらに参照して分かるように、ライン532上の高周波増幅信号に対するn個の従属基準信号それぞれについて、副従属信号REF
HF_SUB_SL1〜REF
HF_SUB_SLnが発生する。
【0081】
任意の増幅段460
mに設けられる増幅器の数nは、任意の所与のバッファ段512によって高周波基準信号を複製することができる回数に応じて決まってもよい。この限定は、高周波増幅信号の最初の分割がブロック518で、その後の分割がブロック512で行われる
図5に示されるように、高周波基準電圧の階層的発生を必要とすることがある。
【0082】
しかし、これを推進する可能性が最も高い要因は、増幅器ラック内の空間、または、低周波スイッチング電源から便利に獲得可能な出力であり、それによって、個々の低周波スイッチング電源が支持することができる増幅器の数が決まる。
【0083】
したがって、
図5に示されるように、
図4に示されるような多段RF増幅段に関して有利な構造が多数回複製されてもよい。高周波増幅段232
nの数が、性能上の限定によって最大限に達した場合、
図4の増幅段460全体を、
図5に示されるように複製することができる。
【0084】
高周波増幅段を実現するための分配配置を用いて、本発明の原理を実現する際、信号の印加の間に同期が存在し、後に続く結合段において信号が時間同期性を伴って結合されるようにして、様々な高周波増幅段間のタイミングを確実に制御することが必要である。
【0085】
これは、(a)使用される各増幅段について、RF包絡線およびドレイン電圧(供給)信号を正確に整合させ、(b)コーポレートストラクチャ増幅器内のすべての電力増幅器段を正確に時間整合させるための要件である。
【0086】
以下、
図6を参照してさらに考察する。
図6は、コーポレートストラクチャ包絡線追跡増幅器の包絡線パスの高周波増幅段の分配を全体概略図で示す。
図6では、入力基準信号はライン718上で受け取られる。これは発生/変換(generation and conversion)ブロック702に対する入力を形成する。このブロックは、デジタルからアナログへと形態を変換し、「主」高周波基準電圧を発生させるための入力基準信号の処理を表す。これはまた、包絡線パスに任意の適切な遅延(
図1のブロック131の遅延に対応する)を適用することを含む。
【0087】
また、すべての電力増幅器段においてRF包絡線とドレイン(供給)電圧との間の整合を達成するため、RFパスをそれに対応して遅延することが必要である。
【0088】
その後、高周波基準信号の「主」の状態のものは、
図5のスプリッタ/コンバイナ518と等価のスプリッタ704に伝達される。一般に、スプリッタ704は、「従属」高周波基準信号である主高周波電圧信号のm個のコピーを出力するように動作し、それらはそれぞれ、
図5のスプリッタ/バッファ段512
1〜512
mに対応する個々のさらなるスプリッタ/バッファ706
1〜706
mに対する入力を形成する。
【0089】
その後、スプリッタ段706
1〜706
mはそれぞれ、多段増幅器の高周波増幅段に対する「副従属」高周波基準信号である、適切な数のコピーn個を発生させる。したがって、例えば、スプリッタ段706
mは、高周波増幅段708
m1〜708
mnに対する入力となる高周波基準電圧のn個のコピーを発生させる。同様に、スプリッタ706
2は、高周波基準電圧のコピーを高周波増幅段708
21〜708
2nに供給し、スプリッタ706
1は、高周波電圧基準のコピーを高周波増幅段708
11〜708
1nに供給する。
【0090】
図6に示されるように、高周波増幅段708はそれぞれ、参照番号709
11〜709
mnによって示される変調供給電圧を関連するRF増幅器に供給する。
図2を参照すると、これはライン120上に変調電源を供給することに相当する。
上述したように、高周波RF増幅段708に対する基準信号の送達または基準信号のコピーが確実に時間整合されることが重要である。
【0091】
図6では、様々なブロック要素間において、様々な時点での時間遅延を表す時限が示されている。発生/変換ブロック702と関連するt
0の時間遅延がある。さらなるt
1の時間遅延は、発生/変換ブロック702からスプリッタ704への送信によって引き起こされる遅延を表す。スプリッタ704とスプリッタ706
1〜706
mそれぞれとの間には個々の時間遅延があり、それらの時間遅延はそれぞれ時間t
21、t
22、およびt
2mによって示される。さらに、スプリッタ706
1〜706
mそれぞれと個々の増幅器708
11〜708
1n、708
21〜708
2n、および708
m1〜708
mnとの間に時間遅延がある。
【0092】
RF増幅器709およびそれに関連する高周波増幅段708の数は、高周波電圧の付加的な階層的発生が必要なことがあり、また時間遅延を発生させる付加段な段が必要なことがあるような数であることが、当業者には理解されるであろう。
図6は、単に、高周波基準信号を、その主の状態のものから多段環境の個々の高周波増幅段まで伝達する原理を表している。より多数またはより少数の分割段が、またしたがってより多数またはより少数の時間遅延パスが必要なことがある。
【0093】
高周波増幅段の時間整合を確保するため、ライン718上の基準信号の受取りと、個々の高周波増幅段708に対する基準信号のコピーの伝達との間の時間遅延が等しいことを確保することが必要である。したがって、発生/変換ブロック702の入力から、増幅器709と関連する高周波増幅段708のいずれか1つに対する入力までの時間遅延は等しくなければならない。例えば、これには、t
0+t
1+t
21+t
31nがt
0+t
1+t
22+t
222と等しいことを必要とする。
【0094】
さらに、各RF増幅器709のRF信号の包絡線が、各高周波増幅段によって供給される変調供給電圧と時間整合され、それによって、増幅器に供給される変調電源と増幅器によって伝えられるRF信号との間に時間整合があることが重要である。各増幅器709に対する入力信号は、
図6の高周波増幅段に対する基準信号と同様に、分割され分配される主入力信号に由来することに留意されたい。
【0095】
必須ではないものの、任意の低周波増幅段の基準信号は、高周波基準信号および入力信号と時間整合されることが好ましい。高周波増幅段は低周波増幅段によって発生する信号のあらゆる誤差を除去するように適合されているので、そのような時間信号はそれほど重大ではない。
【0096】
時間整合の要件を満たすため、信号を伝達するためのケーブルの長さを制御することなどにより、遅延を導入することによって時限を確実に時間整合する適切なアクションを行うことが必要なことがある。
【0097】
RF増幅器を利用する上述の好ましい実施形態は、そのようなRF増幅器によって駆動される任意の特定の負荷に限定されない。しかし、そのようなRF増幅器は一般的にはアンテナを駆動することが想到される。そのため、本発明は、移動通信の分野を含む通信分野における特定の有利な用途を有する。
【0098】
本発明は、特定の好ましい実施形態を参照して、特に変調電圧電源における応用例を参照して本明細書に記載されている。ただし、本明細書は単に実施例の例示である。特に、本発明は、制御システムにおいてより広く実現されてもよい。想到される、ただし非限定的な応用例としては、ダイナミック電源またはあらゆる広域周波数範囲の電源が挙げられる。