(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前回の包装作業において先端があらかじめ熱溶着された2枚のフィルムシートの間に平坦な被包装物を挿入し、この被包装物の両端側と後端側のフィルムシートを熱溶着するとともに後端側を切断し、四方が溶着された2枚のフィルムシート内に被包装物を収容した包装体を作成する包装装置であって次の各手段を具備することを特徴とする包装装置。
(ア)加熱した幅方向に長い板状の部材であって、エッジがフィルムに接離可能とされた溶着ナイフ
(イ)被包装物及び2枚のフィルムの通路を挟んで溶着ナイフに対向して設けられたナイフ受け台
(ウ)溶着ナイフの被包装物挿入方向上流側に設けられ、被包装物の通路を開閉可能なシャッター
(エ)溶着ナイフが受け台から離れており且つシャッターも開である状態から溶着ナイフがナイフ受け台に向かって前進するときには、シャッターも閉じる方向へ連動し先にシャッターが閉じ、シャッターが閉じた後も溶着ナイフは前進してナイフ受け台に到達し、溶着ナイフがナイフ受け台に到達しており且つシャッターも閉じている状態から、溶着ナイフが後退し始めるとその後退の途中からシャッターも開く方向へ連動し、両者とも所定の位置で停止する連動機構
(オ)連動機構を駆動する単一の駆動源
(カ)挿入される被包装物がシャッターに近接したことを検知する検知手段
(キ)シャッターが閉じ、溶着ナイフがナイフ受け台から離れている状態で、検知手段が被包装物の先端を検知すると、溶着ナイフが後退し、シャッターが開いた状態になるように駆動源を制御する制御手段
請求項3または請求項4の包装装置に、挿入される被包装物の厚みを検知する厚み検知手段を付加し、制御手段が、この厚み検知手段によって検知された厚み情報に基いて、シャッターの開き幅が被包装物の厚み寸法となるよう駆動源を制御することを特徴とする包装装置。
請求項1ないし5のいずれか1項の包装装置において、溶着ナイフの先端がナイフ受け台に到達しているときに、閉じているシャッターが開かないようにロックするロック機構を連動機構に付加したことを特徴とする包装装置。
【背景技術】
【0002】
雨の日に配達する新聞が濡れないよう、新聞をポリエチレンなどの樹脂フィルムシートで包装する包装装置が新聞販売店で使われている。
この包装装置は、2つの樹脂フィルムシートロールを備え、挿入された新聞の表側、裏側に各々供給された樹脂フィルムシートで新聞を挟んで、新聞の紙片の周囲の樹脂フィルムシートを熱溶着して密閉する。2枚の樹脂フィルムシートは、挿入される新聞の先端側は、前回の包装ですでに溶着されているため、装置内に挿入された新聞の両サイドと、後端側で熱溶着が行われる。後端側は、溶着ラインにおいて切断され、包装済みの新聞が排出されるとともに、次の新聞の挿入を待機する。
【0003】
熱溶着は、加熱した板状の溶着ナイフのエッジを樹脂フィルムシートに押し付けることによって行う。このナイフは、新聞の両サイドを溶着するサイド溶着ナイフと、後端側を溶着する後端溶着ナイフとがあり、後端溶着ナイフはその機能上、新聞の挿入口に近い位置に配置される。そこで、ナイフが熱溶着しているときに、手等が挿入口から入って溶着ナイフに触れないように、シャッターが設けられている。従来の装置の第1の例では、熱溶着時の溶着ナイフの動きに連動して付勢力が増すようになっている。加えてシャッターは閉じる方向に常時ばねで付勢されており、新聞を挿入するときには、この付勢力に抗してシャッターを新聞で押し開けて挿入する。シャッターは常時閉じていなければ、挿入口部で樹脂フィルムシートの位置が安定せず、フィルムへ新聞が挿入したときにフィルムが破れたり、樹脂フィルムシートが溶着ナイフに接触して穴が開くなどの不具合を引き起こすからである(特許文献1参照)。
【0004】
従来装置の第2の例では、シャッターを開閉駆動する駆動源を設け、新聞を挿入する際にシャッターが開くようになっているため、新聞の厚みにかかわらずスムーズに挿入することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、包装される新聞の厚みは、配達地域、新聞の銘柄、配達日、折り込む広告の量等によって変わる。包装装置は、これらさまざまな厚さの新聞をスムーズに包装できるようにする必要がある。しかし特許文献1の装置ではシャッターが常時ばね付勢されているので、薄い新聞の場合はシャッターを押し開きにくく、挿入しにくくなるという問題があった。
【0007】
この点、特許文献2の装置では、シャッターを開閉駆動するための駆動源を別に設け、新聞を挿入する際にシャッターが開くようになっているため、新聞の厚みにかかわらずスムーズに挿入することができるが、専用の駆動源を備えるためコストがかかるという問題があった。
【0008】
本願発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて、シャッターを開閉駆動するための駆動源を別途に設けることなく、薄い新聞でも容易に挿入できる包装装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明は、上記の課題を解決するために以下の各構成を有する。
本願発明の第1の構成は、前回の包装作業において先端があらかじめ熱溶着された2枚のフィルムシートの間に平坦な被包装物を挿入し、この被包装物の両端側と後端側のフィルムシートを熱溶着するとともに後端側を切断し、四方が溶着された2枚のフィルムシート内に被包装物を収容した包装体を作成する包装装置であって次の各手段を具備することを特徴とする包装装置である。
(ア)加熱した幅方向に長い板状の部材であって、エッジがフィルムに接離可能とされた溶着ナイフ
(イ)被包装物及び2枚のフィルムの通路を挟んで溶着ナイフに対向して設けられたナイフ受け台
(ウ)溶着ナイフの被包装物挿入方向上流側に設けられ、被包装物の通路を開閉可能なシャッター
(エ)溶着ナイフが受け台から離れており且つシャッターも開である状態から溶着ナイフがナイフ受け台に向かって前進するときには、シャッターも閉じる方向へ連動し先にシャッターが閉じ、シャッターが閉じた後も溶着ナイフは前進してナイフ受け台に到達し、溶着ナイフがナイフ受け台に到達しており且つシャッターも閉じている状態から、溶着ナイフが後退し始めるとその後退の途中からシャッターも開く方向へ連動し、両者ともそれぞれ所定の位置で停止する連動機構
(オ)連動機構を駆動する単一の駆動源
(カ)挿入される被包装物がシャッターに近接したことを検知する検知手段
(キ)シャッターが閉じ、溶着ナイフがナイフ受け台から離れている状態で、検知手段が被包装物の先端を検知すると、溶着ナイフ
が後退し、シャッターが開いた状態になるように駆動源を制御する制御手段
【0010】
本発明の第2の構成は、前記第1の構成の包装装置における(キ)の制御手段に代えて、下記(ク)の制御手段を備えたことを特徴とする包装装置である。
(ク)シャッターが閉じ、溶着ナイフがナイフ受け台から離れている状態で、検知手段が被包装物の先端を検知すると、溶着ナイフは所定位置まで後退し、シャッターは開いた状態となり、被包装物の後端が溶着ナイフとナイフ受け台の間を通過したと判断したならば、溶着ナイフをナイフ受け台まで前進させて2枚のフィルムを熱溶着させ、その後、溶着ナイフがナイフ受け台から離れ、シャッターが閉じた状態に復帰させるよう駆動源を制御する制御手段
【0011】
本発明の第3の構成は、前記第1の構成の包装装置の(キ)の制御手段に代えて、下記(ケ)の制御手段を備えたことを特徴とする包装装置である。
(ケ)シャッターが閉じ、溶着ナイフがナイフ受け台から離れている状態で、検知手段が被包装物の先端を検知すると、溶着ナイフは所定の位置まで後退し、シャッターが開いた状態となり、
被包装物の先端がシャッターを通過したと判断したら、シャッターの開き幅が、フィルムシートに覆われた被包装物の厚みの幅になるようにシャッターを前進させ、
被包装物の後端が溶着ナイフとナイフ受け台との間を通過したと判断したら、溶着ナイフを前進させ2枚のフィルムをナイフ受け台との間で挟んで熱溶着させ、その後、溶着ナイフがナイフ受け台から離れ、シャッターが閉じた状態に復帰させるよう駆動源を制御する制御手段
【0012】
本発明の第4の構成は、前記第1の構成の包装装置の(キ)の制御手段に代えて、下記(コ)の制御手段を備えたことを特徴とする包装装置である。
(コ)シャッターが閉じ、溶着ナイフがナイフ受け台から離れている状態で、検知手段が被包装物の先端を検知すると、溶着ナイフがナイフ受け台か
ら後退するとともに、シャッターも後退して、フィルムシートに覆われた被包装物の厚み幅だけ開き、被包装物の後端が溶着ナイフとナイフ受け台との間を通過したと判断したならば、溶着ナイフをナイフ受け台まで前進させて2枚のフィルムを熱溶着させ、その後、溶着ナイフがナイフ受け台から離れ、シャッターが閉じた状態に復帰させるよう駆動源を制御する制御手段
【0013】
本発明の第5の構成は、前記第3の構成または前記第4の構成の包装装置に、挿入される被包装物の厚みを検知する厚み検知手段を付加し、制御手段が、この厚み検知手段によって検知された厚み情報に基いて、シャッターの開き幅が被包装物の厚み寸法となるよう駆動源を制御することを特徴とする包装装置である。
【0014】
本発明の第6の構成は、前記第1の構成ないし第5の構成のいずれか1つの構成の包装装置において、溶着ナイフの先端がナイフ受け台に到達しているときに、閉じているシャッターが開かないようにロックするロック機構を連動機構に付加したことを特徴とする包装装置である。
【発明の効果】
【0015】
第1の構成では、シャッターの開閉動作と溶着ナイフの接離動作とを連動させる連動機構を単一の駆動源で駆動することによって、コストを抑えることができるとともに、新聞のような被包装物(以下同じ)がシャッターに近接するとこれを検知し、シャッターが開くように単一の駆動源を制御するので、被包装物の挿入をスムーズにすることができるという効果がある。
【0016】
第2の構成では、第1の構成の効果に加えて、被包装物がシャッターを通過している間、シャッターが確実に開いているようにするとともに、熱溶着時には溶着ナイフの移動に連動してシャッターを閉じるので、安全を確保することができるという効果がある。
【0017】
第3の構成では、第1の構成の効果に加えて、被包装物の先端がシャッターを通過後、シャッターは開いた状態から閉じる方向に移動し、フィルムシートに覆われた被包装物の厚みと略一致する寸法の開き幅となるので、挿入する被包装物が樹脂フィルムシートとともにシャッターとナイフ受け台とに挟まれて、挿入樹脂フィルムシートが被包装物の表裏面にきれいに沿うようになるので、包装体の付加価値が向上するという効果がある。
【0018】
第4の構成では、第1の構成の効果に加えて、被包装物がシャッターに近接すると、シャッターはフィルムシートに覆われた被包装物の厚みと略一致する寸法だけ開く。この方法によっても、樹脂フィルムシートが被包装物の表裏面にきれいに沿うようになる。加えて、動作を簡略化することができるという効果がある。
【0019】
第5の構成では、第1の構成と第3の構成または第4の構成の効果に加えて、挿入される被包装物の厚みが変わってもシャッターの開き幅がそれに応じて自動的に変わるので、ユーザが一々調整しなくとも、厚みの変化にかかわらず、被包装物にフィルムシートがきれいに沿った包装体を作成することができるという効果がある。
【0020】
第6の構成では、各構成毎の効果に加えて、熱溶着中はシャッターが開かないようロックされるので安全性がより高くなるという利点がある。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態は、包装装置のシャッターの動きを溶着ナイフの動きに連動させる機構として、溶着ナイフの動きを制御することによりシャッターの動きも併せて種々の動きをするよう制御する制御手段を有するものとなっている。
まず、本発明が適用される包装装置の全体について述べ、ついで制御の例について述べる。
図1は、本発明が実施される包装装置1の外観斜視図である。挿入口3から新聞など被包装物2が挿入され、内部で2枚のフィルムが被包装物を挟んだ状態で前端側、後端側および左右両側が熱溶着されて包装状態となって排出口5から排出され、スタッカ4に積載される。
図2は、
図1の包装装置を矢印Aの方向で見た場合の内部構成品の配置を示す図である。挿入口3からは被包装物2の進入路が続き、進入路を出た所で、左右のフィルムロール6、6から繰り出されたフィルム7、7がそれぞれ方向転換ローラ31、31を経由して、ナイフ受け台9とシャッター10先端の間を下り、溶着ナイフ8の位置近くで2枚のフィルム7、7の先端が溶着された状態となっている。これは1回前の包装動作でフィルム7、7が被包装物2の後端で熱溶着され、搬送ベルト13に挟まれて搬送され切断された部分が次の包装の先端となっているものである。
【0023】
この状態で次の被包装物が入って来ると、センサS
1が被包装物の先端を検知し、それによってシャッターが開き、溶着ナイフ8とナイフ受け台9の間を下り先端が2枚のフィルム7、7の溶着部分に達し、フィルム7、7が袋状になっている状態で、押し進み、搬送ベルト13で前進し、溶着ナイフの位置を後端部分が通過した後で、溶着ナイフ8が2枚のフィルム7、7をナイフ受け台9へ押し付けて熱溶着することを繰り返す。
溶着ナイフ8の位置を被包装物2の後端が通過したことの検知は、後端がセンサS
1を通過した後の一定時間としてもよいし、センサS
2を設けて、その検知によることとしてもよい。また、搬送ベルト13の起動も、被包装物2の先端が、センサS
1で検知されたときから一定時間としてもよいし、センサS
2を設けて、センサS
2が被包装物の先端を検知した時としてもよい。
【0024】
こうして先端、後端が熱溶着されて搬送ベルト13による搬送の途中で一時停止しサイド溶着ナイフ11により左右両側が熱溶着された後、再び搬送ベルト13が搬送動作をして被包装物2は排出口5から排出され、スタッカ4に積載されて行く。
【0025】
図3〜
図6は本発明における動的な部分の構造の実施例を示す図であり、
図7は制御系を示す図である。
図3に基づき溶着ナイフ8およびシャッター10の動的構成部分を説明する。
まず、溶着ナイフ8は、スライド体21の取付け台20に、エッジをナイフ受け台9の方を向くようにして取付けられている。
スライド体21はスライドレール23上を往復動できるように組み立てられており、その回動軸25と駆動輪24の回動軸25は連結桿22によって連結されている。駆動輪24は図示されていない中心回転軸が回転駆動源28(
図7参照)に連結されている。
従って、回転駆動源28が回転すると駆動輪24は回転し、この力は連結桿22を介してスライド体21に伝えられスライド体21はスライドレール23上を往復動することになる。
この動きにより、溶着ナイフ8がナイフ受け台9に向かって進んだりナイフ受け台9から離れる向きに後退したりすることになる。
【0026】
またシャッター10は、回動軸16によって軸支されており、回動することによって先端がナイフ受け台9に接したり離れたりすることにより、被包装物進入路を閉鎖したり開放したりするようになっている。
このシャッター10への回動力の伝達は、溶着ナイフ8と同様にスライド体21の取付け台20に取り付けられたブラケット19の孔に挿入された連動桿の先端のコロ26によってシャッター10の背面側(コロ受け27)を押したり引いたりすることによりシャッターが回動して開閉動作をするようになっている。
そして、この連動桿18には先端のコロ26とブラケット19の間にコイル状の圧縮ばね17が装着されている。
【0027】
圧縮ばね17は長手方向に伸びようとしているので、コロ26は常にナイフ受け台9の方へ向かって前進しようとしている。
勿論、連動桿18には、図示されていない抜け止めが設けられている。
以上のような構造になっているので、スライド体21が
図3で左の方へ移動(後退)し、圧縮ばね17が伸び切った状態ではコロ26も後退し、従ってコロ26に接しているシャッター10も先端が下り、ナイフ受け台9との間隔も開く方向に回動することになる。
【0028】
これに対して、スライド体21が右方へ前進するときには、連動桿18先端のコロ26もナイフ受け台9の方へ前進し、シャッター10の重量や回動抵抗に相応する圧縮ばね17の圧縮を伴いつつもコロ26がシャッター10のコロ受け27を押してシャッター10を回動させその先端が上昇して被包装物進入路32を塞ぐ方向に回動する。
【0029】
図5は、こうしてシャッター10の先端がフィルム7を2枚挟んでナイフ受け台9に当接した後、更にスライド体21が前進し、圧縮ばね17が縮み溶着ナイフ8がナイフ受け台9に接近した状態を示す図である。
【0030】
図6は、スライド体21が更に前進し、溶着ナイフ8のエッジがフィルム2枚を挟んでナイフ受け台9に当接し熱溶着をする状態を示す図である。
シャッター10は
図5の状態から動きようはなく、その状態でスライド体21が前進しているので圧縮ばね17が
図5の状態より縮んだ状態となっている。
以上説明したように、溶着ナイフ8とシャッター10の動きは連動しており、その連動を担っている連動機構はスライド体21の取付け台20に取り付けられたブラケット19、連動桿18、圧縮ばね17およびコロ26から成る。
【0031】
その結果、この連動機構によれば、溶着ナイフ8がナイフ受け台9から離れており且つシャッター10も開である状態から、溶着ナイフ8がナイフ受け台9に向かって前進するときには、シャッター10も閉じる方向へ連動し、先にシャッター10が閉じ、その後も、溶着ナイフ8は前進してナイフ受け台9に到達し、逆に、溶着ナイフ8がナイフ受け台9に到達しており、且つシャッター10も閉じている状態から、溶着ナイフ8が後退し始めると、その後退の途中からシャッター10も開き始め連動して後退し両者とも所定の位置で停止するということになる。
【実施例1】
【0032】
以上のような機構において、溶着ナイフ8がナイフ受け台9から離れていて、シャッター10が閉じている(シャッター10の先端がナイフ受け台に当接している状態―以下同じ)場合に、最も基本的な動作は、被包装物2が進入路32に進入して来たときに、シャッター10を開いて被包装物2を通過させることである。
そのために被包装物がシャッター10に近接したことを検知するセンサS
1を設け(
図2参照)、このセンサS
1が進入して来た被包装物2の先端を検知すると、この検知信号は制御手段29(
図7の(a)参照)へ送られ、検知信号を受けた制御手段29は、駆動輪24を駆動する回転駆動源28に対し、シャッター10が所定位置まで開くようにする制御信号を送る。
【0033】
この制御信号に基づいて回転駆動源28は駆動輪24を回転させ、この回転は連結桿22によりスライド体21を後方へ直線移動させこれにより連動桿18を後退させ、シャッター10の先端が下って、ナイフ受け台9との間隔が予め設定された間隔になるように制御する。
【実施例2】
【0034】
実施例2は、制御手段29の制御内容が以下のようになっている実施例である。
シャッターが閉じ、溶着ナイフ8がナイフ受け台9から離れている状態で、被包装物2が進入して来て、その先端がセンサS
1で検知されるとその検知信号が制御手段29へ送られ(
図7の(a)参照)、シャッター10が開く点は実施例1と同様であるが、シャッター10が開いて被包装物2が溶着ナイフ8とナイフ受け台9の間を通り、その後端が溶着ナイフ8とナイフ受け台9の間を通過したと判断したならば、溶着ナイフ8をナイフ受け台9まで前進させて2枚のフィルム7、7を溶着させ、その後溶着ナイフ8がナイフ受け台9から離れシャッター10が閉じた状態になるように制御するというものである。
【0035】
被包装物2の後端が溶着ナイフ8とナイフ受け台9の間を通過したとの判断は、被包装物2の先端又は後端がセンサS
1で検知されてから、予め実験或いは計算により求めておいた時間の経過としてもよいし、或いは、
図2に示すように、溶着ナイフ8と搬送プーリ12との間の位置にセンサS
2を設け、このセンサS
2が被包装物2の後端を検知した検知信号を制御手段29へ送り(
図7の(b)参照)、後端の通過を判断してもよい。
【実施例3】
【0036】
実施例3は、制御手段29の制御内容が以下のようになっている実施例である。
シャッター10が閉じ、溶着ナイフ8がナイフ受け台9から離れている状態で、センサS
1が被包装物2の先端を検知すると溶着ナイフ8は所定の位置まで後退し、シャッター10が開いた状態となり、被包装物2の前端がシャッター10を通過したと判断したら、シャッター10の開き幅(シャッター10の先端とナイフ受け台9との間隔)がフィルムシートに覆われた被包装物2の厚みの幅になるように前進させ、その間を前進した被包装物2の後端が溶着ナイフ8とナイフ受け台9との間を通過したと判断したら、溶着ナイフ8を前進させるとともに、シャッター10を前進させて、シャッター10が閉じた状態で、溶着ナイフ8が2枚のフィルム7、7をナイフ受け台9との間で挟んで溶着させ、その後溶着ナイフ8がナイフ受け台9から離れ、シャッター10が閉じた状態に復帰させるよう駆動源を制御する。
【0037】
ここで、被包装物2の先端がシャッター10を通過したとの判断は、センサS
1が被包装物2の先端を検知した時点からシャッター10まで前進するのに要する時間を実験或いは計算上から求めておいて、これを制御手段29に記憶させておき、制御手段29がセンサS
1から先端検知信号を受けてから、予め記憶させておいた時間だけ経過したことを以て、被包装物2の先端がシャッター10を通過したと判断することができる。
【0038】
次に、被包装物2の厚みに関しては、被包装物2が定まればその厚みは当然に知れるからその値を制御手段に記憶させておくとよい。これは、同じ被包装物を多数連続的に包装する場合には適した手法である。
【0039】
図4は、シャッター10が被包装物2の厚みに相応した開き状態で被包装物2が下方へ進行している状態を示す図である。
また、被包装物2の後端が溶着ナイフ8とナイフ受け台9との間を通過したとの判断は、実施例2で述べたように、被包装物の先端又は後端がセンサS
1で検知されてから予め実験或いは計算により求めておいた時間の経過を以て通過と判断してもよいし、或いは、
図2に示すように、溶着ナイフ8と搬送プーリ12との間の位置にセンサS
2を設け、このセンサS
2が被包装物2の後端を検知した検知信号を制御手段29へ送り(
図7の(b)参照)、後端の通過を判断してもよい。
【実施例4】
【0040】
実施例4は、制御手段29の制御内容が以下のようになっている実施例である。
シャッター10が閉じ、溶着ナイフ8がナイフ受け台9から離れている状態で、センサS
1が被包装物2の先端を検知すると、溶着ナイフ8がナイフ受け台9から更に後退するとともにシャッター10がフィルムシートに覆われた被包装物の厚み幅だけ開き、被包装物2の後端が溶着ナイフ8とナイフ受け台9との間を通過したと判断したならば、溶着ナイフ8をナイフ受け台9まで前進させて、2枚のフィルムを溶着させ、その後、溶着ナイフ8がナイフ受け台9から離れシャッター10が閉じた状態に復帰させるよう駆動源を制御するというものである。
【0041】
ここで、被包装物2の厚みに関しては、実施例3で述べたように、被包装物2が定まればその厚みは当然に知れるから、その値を制御手段に記憶させておくとよい。
これは、同じ被包装物を多数連続的に包装する場合には適した手法である。
図4は、シャッター10が被包装物2の厚みに相応した開き状態で被包装物2が下方へ進行している状態を示している。
被包装物2の後端が溶着ナイフ8とナイフ受け台9との間を通過したとの判断は、実施例2および実施例3で述べた通りである。
【実施例5】
【0042】
実施例5は、実施例3又は実施例4のように、被包装物2がシャッター10を通過中のシャッター開き幅を被包装物2の厚みに合わせる包装装置において、被包装物2の厚みを検知する厚み検知手段14(
図2および
図7の(c)、(d)参照)を設けた例である。
実施例3および実施例4では、厚み検知手段を具備せず、被包装物2の厚みデータは予め制御手段に記憶させている。これは、同じ被包装物を多数連続的に包装する場合には、充分であるが、厚みが変化する場合には、その頻度によっては制御手段への設定変更が厄介なものとなる。
しかし、本実施例のように厚み検知手段14(
図2参照)を設け、その厚み検知データを制御手段29へ入力する(
図7の(c)、(d)参照)ことにより、被包装物の厚みの変化に対しシャッター10の動きを自動的に即応させることができる。
【実施例6】
【0043】
実施例6は、上記に述べて来た各実施例において、溶着ナイフ8がナイフ受け台9に当接して熱溶着を行っている最中に何らかの外力によりシャッター10の先端が下り、人の指やその他の物が高温の溶着ナイフ8に触れることのないよう
図6に示すように、シャッター10が下らないようにロックするロック機構15を設けた例である。