(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の表示領域の各々で表示される演出は、数値または数値を模した画像が前記演出用数値に伴って増加または減少の少なくとも一方を行うものであって、各々の表示領域に表示される演出は、数値または数値を模した画像が異なる態様であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
操作手段を用いたこの種の演出では、操作手段を操作してもメータ等が思うように変化せず、遊技者が苛立ってしまうことがある。
【0005】
特に、この種の遊技機には、操作手段が操作されたとき、当該操作によって複数のメータ等が上昇していく演出が搭載されたものがある。当該演出では、通常、複数のメータ等(例えば、メータと数値)がリンクして上昇等することになるが、何らかの原因(制御速度の差等)によって両者がリンクしない場合が発生しうる。特に、各メータ等が別々に制御される構成や、各メータ等が別々の表示装置に表示される構成において、このような状況が発生しうる。かかる状況が生ずると、当該演出に対して遊技者が疑念を抱いてしまう。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、操作手段が操作されることによってメータ等が変化する演出における、遊技者の苛立ちや違和感が生じてしまうのを低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明にかかる遊技機は、遊技者が操作可能な操作手段と、前記操作手段の操作が有効となる所定の演出が実行されるとき、前記操作手段が操作されることを契機として
遊技者が把握することができない内部的な数値である演出用数値を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出される演出用数値に基づき、複数の表示領域に表示される演出を制御する表示制御手段と、を備え、
前記演出用数値は、前記複数の表示領域で表示される演出の各々に対応するものが複数設定されており、前記表示制御手段は、
複数の前記演出用数値
のいずれもが所定の閾値に達していないときには、前記操作手段の操作を契機とする前記演出用数値の変化に合わせて前記複数の表示領域の各々で演出を同時に進行させる一方、
複数の前記演出用数値の
少なくともいずれかが所定の閾値に達したときには、
他の演出用数値が所定の閾値に達しているか否か、および前記操作手段が操作されているか否かに拘わらず、前記複数の表示領域の各々で演出を同時に所定の段階に移行させ
て、前記複数の表示領域の各々に表示される演出の整合性を取ることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明にかかる遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、前記複数の表示領域の各々で表示される演出は、数値または数値を模した画像が前記演出用数値に伴って増加または減少の少なくとも一方を行うものであって、各々の表示領域に表示される演出は、数値または数値を模した画像が異なる態様であることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明にかかる遊技機は、請求項1または請求項2に記載の遊技機において、前記複数の表示領域の各々は、異なる表示装置に設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の遊技機では、演出用数値が所定の閾値に達したときには、操作手段が操作されているか否かに拘わらず、演出が所定の段階に移行するため、操作手段を操作しているにも拘わらず演出が進行しないことによって遊技者に苛立ちが生じてしまうのを抑制することが可能である。具体的には、演出用数値が所定の閾値に達したときには、操作手段が操作されているか否かに拘わらず、異なる態様の各演出を所定の段階に移行させて、各演出を対応づけたものとする。つまり、所定の段階まで演出が進行すれば、演出が自動的に次の段階に進み、両演出が対応した内容となるから、両演出の内容が齟齬(矛盾)すること等によって遊技者に違和感や苛立ちが生じてしまうのを抑制することが可能である。
また、ノイズ等の影響により複数の演出用数値のうちの少なくとも一つにずれが生じてしまったとしても、他の演出用数値が所定の閾値に達した時点で所定の段階に移行するので、各表示領域に表示される演出の態様が異なることによる違和感や苛立ちが生じてしまうのを抑制することが可能である。
【0012】
請求項2に記載の遊技機によれば、遊技者が数値または数値を模した画像によって演出の進行を把握することが可能である。特に、このような数値または数値を模した画像を用いる場合、複数の表示領域に表示される数値のずれなどによって、遊技者に違和感や苛立ちが生じてしまうおそれがあるところ、そのような違和感や苛立ちが生じてしまうのを抑制することが可能である。
【0013】
請求項3に記載の遊技機によれば、複数の表示装置に表示される演出を対応づけたものとすることが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態にかかる遊技機1について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する金属製の薄板からなる帯状のガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0018】
遊技領域902には、主表示装置91、第一始動入賞口904、第二始動入賞口905、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。主表示装置91は、例えば液晶表示装置が用いられ、主表示装置91の表示画面において特別図柄や普通図柄等が表示される。かかる主表示装置91の表示画面は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能である。また、本実施形態にかかる遊技機1は、上記主表示装置91(メインの表示装置)とは別の副表示装置92を備える。副表示装置92は、後述するメータ演出の際にその表示領域が視認可能な状態となる。本実施形態では、副表示装置92はメータ演出時に主表示装置91の前方で当該主表示装置91に重なる位置まで移動し、主表示装置91とともに上記開口901を通じて視認可能な状態となる。
【0019】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0020】
遊技盤90の下方には、遊技者が操作することができる操作ボタン60(本発明における操作手段に相当する)が設けられている。操作ボタン60は、少なくとも後述するメータ演出において遊技者が操作可能となるものである。メータ演出は、その操作態様に応じて演出が進行するものである。なお、遊技者が操作可能なものであれば、操作手段の態様は特定のものに限定されるわけではない。
【0021】
このような遊技機1では、発射装置を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904、905や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。以下に特に明示した場合を除き、その他の構成等は、公知の遊技機と同様のものが適用できるため、詳細な説明は省略する。
【0022】
以下、本実施形態にかかる遊技機1に搭載されたメータ演出について説明する。メータ演出は、
図2に示すサブ制御基板52によって制御されるものである。サブ制御基板52は、大当たりの判定等を実行する主制御基板51から送られた信号(コマンド)に応じて、各種演出の態様を決定・制御する(かかるメータ演出を制御する手段が本発明における表示制御手段に相当する)。
【0023】
メータ演出は、操作ボタン60が操作される(本実施形態では操作ボタン60が「連打」される)ことによって、主表示装置91に表示されたメータが上昇するとともに、副表示装置92に表示された数字が上昇(カウントアップ)するものである。メータと数字が演出の進行度合いを示すものであるとも言える。本実施形態では、メータの表示と数字はリンクしており、メータが上昇すればそれに合わせて数字がカウントアップされる。つまり、数字は、メータの表示を具体的な数値に置き換えたものということがいえる(以下、メータの表示を「メータ量」と、数字の値を「メータ値」と称する。かかる「メータ量」のような視覚的に数値を表した画像等、数値を数字ではない別のもので視覚的に表したものが、本発明における「数値を模した画像」に相当する)。このように、本実施形態では、主表示装置91と副表示装置92において、異なる態様の演出が実行され、各演出は互いにリンクするように制御される。
【0024】
メータ量およびメータ値が所定のレベル(本実施形態では最大(MAX))まで達すると、遊技者に有利な遊技状態(大当たり遊技状態等)となる。つまり、当該演出は、有利な遊技状態に突入するか否かを遊技者に報知する演出である。本実施形態では、主制御基板51において有利な遊技状態への突入が決定されていた場合、当該演出において最終的にメータが満タンとなり、これに合わせて数字が100となる。有利な遊技状態への突入が否定されていた(いわゆるはずれであった)場合、メータ量が最大となったり、メータ値が100となったりすることはない。
【0025】
メータ演出時の処理フローを
図3〜
図5に示す。メータ演出は、操作ボタン60の操作によって演出が進行するものであるため、当該演出時には操作ボタン60の操作が有効になる。
図3に示す操作処理(S1)は、当該操作ボタン60の操作の有無を検出する処理である。操作処理では、まず、操作ボタン60が操作されたときに発生する操作信号があったかどうかを判断する(S1−1)。操作信号があった場合(S1−1「Yes」)には、サブ制御基板52のCPUに操作コマンドが送信される(S1−2)。操作信号を受信していない場合(S1−1「No」)には、そのような操作コマンドは送信されない。なお、操作信号が受信していない場合に、操作ボタン60が操作されていない旨のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、操作ボタン60の操作(操作信号)の有無を検出する手段(基板)は、サブ制御基板52であってもよいし主制御基板51であってもよい。
【0026】
図4および
図5に示すメータ演出処理(S2)は、一定間隔(例えば10ms)で繰り返し実行されるものである。メータ演出処理では、まず、メータ演出が実行中か否かが確認される(S2−1)。メータ演出が実行中でない場合には、メータ演出開始コマンドの有無を判断する(S2−2)。かかるコマンドは、サブ制御基板52によって演出が抽選された結果、メータ演出を実行することが決定された場合に発生するコマンドである。メータ演出開始コマンドを受信していない場合(S2−2「No」)には、本処理を終了する。一方、メータ演出開始コマンドを受信した場合(S2−2「Yes」)には、メータ演出が実行されていることを示すフラグをONにする(S2−3)。上記S2−1におけるメータ演出実行中かどうかの判断は、当該フラグがONであるかどうかによって判断する。
【0027】
上記S2−1においてメータ演出実行中であるであると判断されたときには、タイマの減算を実行する(S2−4)。タイマは、メータ演出において操作ボタン60が操作可能な時間に設定され、その時間が経過したとき0になるものである。例えば、メータ演出処理が10msで繰り返し実行される処理であれば、タイマを10ms減算する。タイマを減算した後、タイマの値が0になっていないかどうかが判断される(S2−5)。つまり、操作ボタン60が操作可能な時間が経過したかどうかを判断する。
【0028】
タイマの値が0になっていない場合(S2−5「No」)には、操作ボタン60が操作可能な時間中であるということである。その場合、表示されるメータ量とメータ値に対応する内部的な値M(以下「内部数値M」と称する。かかる内部数値Mが本発明における演出用数値に相当する)が100になっているかどうかが判断される(S2−6)。内部数値Mは、操作ボタン60の操作を契機として0からカウントアップしていくものであり、内部数値Mが100に到達すると、メータ量が最大、メータ値が100となる(かかる内部数値Mを算出する手段が本発明における算出手段に相当する)。したがって、S2−6において内部数値Mが100になっていると判断された場合(S2−6「Yes」)には、主表示装置91に表示されるメータ量を最大、副表示装置92に表示されるメータ値を最大(100)とする(S2−7)。
【0029】
内部数値Mが100でない場合(S2−6「No」)には、内部数値Mが99になっているかどうかが判断される(S2−8)。内部数値Mが99になっていないと判断された場合(S2−8「No」)には、操作コマンドを受信したかどうかが判断される(S2−9)。操作コマンドを受信していない場合(S2−9「No」)には、内部数値Mを現時点の状態に維持する(カウントアップしない)(S2−10)。このように内部数値Mの変化がないのであるから、主表示装置91におけるメータ量の表示、副表示装置92におけるメータ値の表示も現時点の状態に維持する(メータ量、メータ値が変化しない)(S2−11)。
【0030】
一方、操作コマンドを受信している場合(S2−9「Yes」)には、内部数値Mをカウントアップする(S2−12)。そのカウントアップの設定はどのようなものであってもよい。一回の操作コマンドの受信につき、内部数値Mを一つカウントアップする設定であってもよいし、一回の操作コマンドの受信につき、内部数値Mを二つ以上カウントアップすることがある設定であってもよい。また、操作コマンド受信時に抽選を行い、この抽選に当選すればカウントアップを実行するような設定であってもよい。操作コマンドを受信したことにより内部数値Mが変化(上昇)した場合には、当該内部数値Mが変化した分、主表示装置91におけるメータ量の表示、副表示装置92におけるメータ値の表示を変化させる(S2−13)。つまり、メータ量およびメータ値を上昇させる。
【0031】
一方、S2−8において内部数値Mが99となっていると判断された場合(S2−8「Yes」)には、操作コマンドの受信の有無を判断せず、強制的に内部数値Mを100に変化させる(S2−14)。したがって、次(本実施形態では10ms後)のメータ演出処理では、S2−6において内部数値Mが100になっていると判断されるから、主表示装置91に表示されるメータ量を最大、副表示装置92に表示されるメータ値を最大(100)とすることになる。
【0032】
このように、本実施形態では、内部数値Mが99に到達したことが確認されたときには、操作ボタン60の操作の有無に関係なく、強制的に内部数値Mをその最大値である100に変化させる(内部数値99が強制的に移行させるか否かの閾値となる)。つまり、演出上では、メータ量やメータ値が内部数値99に相当するところまで到達したときには、操作ボタン60が操作されていなくても、自動的に、メータ量およびメータ値が最大となる。なお、S2−14において内部数値Mを99から100に変化させる操作は必ずしも必要ではない。内部数値Mが99まで変化したとき、自動的にメータ量およびメータ値が最大となるように変化させる構成であればよい。すなわち、メータ量およびメータ値が、最大値の直前である所定の状態まで到達したとき、操作ボタン60の操作の有無に拘わらず自動的に最大となる制御が実行されるものであれば、表面上に現れる数値ではない内部数値Mの制御はどのような態様であってもよい。また、本実施形態は、内部数値Mが99に到達した場合に、その値を強制的に100にするものであることを説明したが、当該強制的に移行させるか否かの閾値は99でなくてもよい。
【0033】
内部数値Mを用いた演出の制御は、以下のようにしてもよい。各演出(メータ量を変化させる演出およびメータ値を変化させる演出)のそれぞれに対応した内部数値(内部数値M1および内部数値M2)を設定する。基本的には、操作ボタン60の操作を契機として、内部数値M1および内部数値M2の両方がカウントアップされ、それに伴って各演出が進行する。
【0034】
このように制御される場合において、内部数値M1および内部数値M2のうちの一方が99になった時点で、他方の数値が99に到達していなくても両方の内部数値を100に変化させる。つまり、他方の数値が99に到達していなくても強制的にメータ量およびメータ値を最大とする。このように、各演出のそれぞれに対応づけられる内部数値が設定される場合において、少なくともいずれかの内部数値が所定の閾値に達したときには、他の演出用数値が所定の閾値に達しているか否かに拘わらず、各演出を所定の段階に移行させる構成とすれば、ノイズ等の影響により一方の数値のカウントアップが正常に行われなくても、各演出を所定の段階まで移行させることが可能となる。
【0035】
上記S2−5において操作ボタン60の操作時間が経過していると判断された場合(S2−5「Yes」)には、内部数値Mが100に到達しているかどうかが判断される(S2−15)。内部数値Mが100に到達している(S2−15「Yes」)ということは、主表示装置91にメータ量が最大であることが表示され、副表示装置92にメータ値が100であることが表示されているはずであるから、主表示装置91および副表示装置92の少なくともいずれか一方において、演出が成功した旨を表示する(S2−16)。一方、内部数値が100に到達していない場合には、主表示装置91および副表示装置92の少なくともいずれか一方において、演出が失敗した旨を表示する(S2−17)。
【0036】
このように制御されるメータ演出の具体例を
図6〜
図8に示す。
図6〜
図8に示したメータ演出は、最終的に「成功」となる場合の具体例である。演出開始時には、主表示装置91に表示されるメータ量および副表示装置92に表示されるメータ値はともに初期値(0)である(
図6(a)参照)。メータ演出が開始されて操作ボタン60の操作が有効となった状態で、操作ボタン60が操作されると、その操作に基づきメータ量およびメータ値が上昇していく(上記S2−9「Yes」、S2−12、S2−13)(
図6(b)参照)。本例において、メータ量は、初期状態において空洞である領域が徐々に埋まっていくような態様により表示される。メータ値は、副表示装置92に表示される数字であり、内部数値Mと同一である。操作ボタン60の操作が実行されないときには、メータ量およびメータ値の上昇が停止する(メータ量およびメータ値が維持される)(上記S2−9「No」、S2−10、S2−11)(
図7(a)参照)。
【0037】
操作ボタン60が操作され、内部数値Mが99に達すると、主表示装置91に表示されるメータ量は最大(満タン)の直前の状態となり、副表示装置92に表示されるメータ値は99となる(
図7(b)参照)。かかる状態となると、その後操作ボタン60が操作されるか否かに拘わらず、所定時間経過後、主表示装置91に表示されるメータ量が最大(満タン)となり、副表示装置92に表示されるメータ値が最大(100)となる(上記S2−8「Yes」、S2−14、S2−6「Yes」、S2−7)(
図8参照)。つまり、メータ量およびメータ値が最大となる直前まで(内部数値Mが99となるまで)は、操作手段の操作によりメータ量およびメータ値が上昇していくが、所定の時点に到達した後は、自動的にメータ量およびメータ値が最大となる。
【0038】
なお、操作ボタン60が所定回数操作されれば演出が成功となるケース(大当たりに当選したことを報知するためにメータ演出が実行されるケース等)において、操作ボタン60が全く操作されなかった、または操作回数が所定回数未満であった場合、メータ量およびメータ値が最大とならないことになるが、その場合は失敗であったように見せかけた後、成功であった旨が表示される、いわゆる逆転演出が発生するように設定してもよい。
【0039】
以上説明した本実施形態にかかる遊技機1によれば、次のような作用効果が奏される。
【0040】
本実施形態におけるメータ演出では、内部数値Mが所定の閾値(本実施形態では99)に達したときには、操作ボタン60が操作されているか否かに拘わらず、演出が所定の段階(本実施形態では最終段階)に移行するため、操作ボタン60を操作しているにも拘わらず演出が進行しないことによって遊技者に苛立ちが生じてしまうのを抑制することが可能である。
【0041】
特に、本実施形態におけるメータ演出では、主表示装置91と副表示装置92において、互いにリンクした異なる態様の演出が実行されることになるが、内部数値Mが所定の閾値に達したときには、操作ボタン60が操作されているか否かに拘わらず、当該異なる態様の各演出を所定の段階に移行させて、各演出を対応づけたものとする。つまり、所定の段階まで演出が進行すれば、演出が自動的に次の段階に進み、両演出が対応した内容となるから、両演出の内容が齟齬(矛盾)すること等によって遊技者に違和感や苛立ちが生じてしまうのを抑制することが可能である。また、従来であれば、各表示装置の制御速度の差等によって、各表示装置で実行される演出にずれが生じ、このずれが原因で違和感等が生じてしまうおそれがあるところ、本実施形態にかかる遊技機1によればこのような違和感等を低減することが可能となる。特に、本実施形態では、演出の一方が「メータ量」という数字そのものを表示したものではなく正確な値を判別することが困難であるために、他方の演出である数値そのものを表した「メータ値」との間のずれが問題になってしまうおそれがあるが、上述のように所定の段階まで演出が進行すれば、演出が自動的に次の段階に進むのであるから、当該問題の発生を抑制することが可能である。
【0042】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0043】
例えば、上記実施形態におけるメータ演出は、操作手段(操作ボタン60)が連打されることによりメータ量およびメータ値が上昇していく演出であることを説明したが、操作手段の操作態様はこのような態様に限られるものではない。例えば、操作手段が長押しされることによって両値が上昇していく演出にも本発明の思想は適用可能である。また、操作手段の態様は、上記実施形態の「ボタン」のようなものに限られるわけではなく、遊技者が操作可能であればどのような態様のものであってもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、メータ演出が成功するか否かによって有利な遊技状態(大当たり遊技等)に突入するか否かが報知されるものであることを説明したが、メータ演出によって報知される対象はこれに限られるものではない。所定のリーチ演出に移行するか否か、遊技のモード(背景等)が変化するか否か等、遊技に関する情報であれば報知する対象はどのようなものであってもよい。
【0045】
また、上記実施形態におけるメータ演出では、主表示装置91にメータ量が、副表示装置92にメータ値が表示されることを説明したが、同じ(一の)表示装置に、演出の進行度合いを示す、互いに対応する量や値が表示されるようにしてもよい。また、三つ以上の表示装置を備え、これらの表示装置のそれぞれに、互いに対応する量や値が表示されるようにしてもよい。また、上記実施形態における主表示装置91および副表示装置92の構成は特定の構成に限定されるものではない。両表示装置が視認可能となる状態になりうるものであればよい。また、上記実施形態において、主表示装置91および副表示装置92はともにサブ制御基板52によって制御されるものであることを説明したが、それぞれが別の基板(制御手段)によって制御されるものであってもよい。この場合には、各表示装置の制御速度の差がより大きくなってしまうおそれがあるため、本実施形態にかかる技術思想を適用する意義が大きい。
【0046】
また、上記実施形態におけるメータ演出では、メータ量およびメータ値が、最大値の直前である所定の状態まで到達したとき、操作ボタン60の操作の有無に拘わらず自動的に最大となる、すなわち演出が最終の段階に移行する制御が実行されるものであることを説明したが、演出の途中でこのような制御が実行されるようにしてもよい。つまり、演出の途中で、操作手段の操作の有無に拘わらず、演出が所定の段階(次の段階)に移行するような制御が実行されるようにしてもよい(演出を強制的に移行させる内部数値の閾値が99以外の値に設定されていてもよい)。
【0047】
また、上記実施形態におけるメータ演出において、操作ボタン60が操作されないときには、内部数値が減少する(メータ量およびメータ値が減少する)ことがあるような構成としてもよい。さらに、上記実施形態では、操作ボタン60が操作されることを契機として内部数値が加算される(カウントアップされる)構成であることを説明したが、操作ボタン60が操作されることを契機として内部数値が減算される構成としてもよい。また、メータ値やメータ量といった、数値または数値を模した画像が、操作ボタン60が操作されることを契機として減少する演出(例えば、メータ値やメータ量が0となるのが最終の段階である演出)としてもよい。
上記実施形態から得られる具体的手段の例を以下に記載する。
手段1にかかる遊技機は、遊技者が操作可能な操作手段と、前記操作手段の操作が有効となる所定の演出が実行されるとき、前記操作手段が操作されることを契機として演出用数値を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出される演出用数値に基づき、複数の表示領域に表示される演出を制御する表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記演出用数値が所定の閾値に達していないときには、前記操作手段の操作を契機とする前記演出用数値の変化に合わせて前記複数の表示領域の各々で演出を同時に進行させる一方、前記演出用数値が所定の閾値に達したときには、前記操作手段が操作されているか否かに拘わらず、前記複数の表示領域の各々で演出を同時に所定の段階に移行させることを特徴とする。
手段2にかかる遊技機は、上記手段1に記載の遊技機において、前記複数の表示領域の各々で表示される演出は、数値または数値を模した画像が前記演出用数値に伴って増加または減少の少なくとも一方を行うものであって、各々の表示領域に表示される演出は、数値または数値を模した画像が異なる態様であることを特徴とする。
手段3にかかる遊技機は、上記手段1または手段2に記載の遊技機において、前記複数の表示領域の各々は、異なる表示装置に設けられることを特徴とする。
手段4にかかる遊技機は、上記手段1から手段3のいずれかに記載の遊技機において、前記演出用数値は、前記複数の表示領域で表示される演出の各々に対応するものが複数設定されており、前記演出用数値の少なくともいずれかが前記所定の閾値に達したときには、他の演出用数値が所定の閾値に達しているか否かに拘わらず、前記複数の表示領域の各々の演出を同時に所定の段階に移行させることを特徴とする。
手段1にかかる遊技機では、演出用数値が所定の閾値に達したときには、操作手段が操作されているか否かに拘わらず、演出が所定の段階に移行するため、操作手段を操作しているにも拘わらず演出が進行しないことによって遊技者に苛立ちが生じてしまうのを抑制することが可能である。具体的には、演出用数値が所定の閾値に達したときには、操作手段が操作されているか否かに拘わらず、異なる態様の各演出を所定の段階に移行させて、各演出を対応づけたものとする。つまり、所定の段階まで演出が進行すれば、演出が自動的に次の段階に進み、両演出が対応した内容となるから、両演出の内容が齟齬(矛盾)すること等によって遊技者に違和感や苛立ちが生じてしまうのを抑制することが可能である。
手段2にかかる遊技機によれば、遊技者が数値または数値を模した画像によって演出の進行を把握することが可能である。特に、このような数値または数値を模した画像を用いる場合、複数の表示領域に表示される数値のずれなどによって、遊技者に違和感や苛立ちが生じてしまうおそれがあるところ、そのような違和感や苛立ちが生じてしまうのを抑制することが可能である。
手段3にかかる遊技機によれば、複数の表示装置に表示される演出を対応づけたものとすることが可能である。
手段4にかかる遊技機によれば、ノイズ等の影響により複数の演出用数値のうちの少なくとも一つにずれが生じてしまったとしても、他の演出用数値が所定の閾値に達した時点で所定の段階に移行するので、各表示領域に表示される演出の態様が異なることによる違和感や苛立ちが生じてしまうのを抑制することが可能である。