特許第5874151号(P5874151)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5874151
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】乗用車のドア
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/04 20060101AFI20160218BHJP
【FI】
   B60J5/04 P
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-132737(P2012-132737)
(22)【出願日】2012年6月12日
(65)【公開番号】特開2013-256175(P2013-256175A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2014年8月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 忠史
(72)【発明者】
【氏名】川野 寿智
(72)【発明者】
【氏名】和田 敏伸
【審査官】 岩▲崎▼ 則昌
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−023716(JP,A)
【文献】 特開平11−180147(JP,A)
【文献】 実公昭59−18900(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インナパネルとアウタパネルとが互いの周縁部分で接合されることにより構成されるドア本体部と、そのドア本体部の上側に設けられており、前記インナパネルによって下端部が支持される構成の窓枠部と、車体の乗降口を開閉可能なように、前記ドア本体部を水平回動可能な状態で車体に取付けるヒンジ機構とを備える乗用車のドアであって、
前記インナパネルの上部に形成されて前記窓枠部の下端部を支える窓枠支持部を備えており、
前記窓枠支持部は、前記窓枠部の下端部を前側と横側と後側との三方から覆えるように構成されており、
前記窓枠部の下端部を横側から覆う前記窓枠支持部の横向き縦壁部には、前記ドア本体部と窓枠部との境界線に沿って延びるビードが形成されていることを特徴とする乗用車のドア。
【請求項2】
請求項1に記載された乗用車のドアであって、
前記ビードは、前記ドアの回動自由端側に位置する前記インナパネルの窓枠支持部に形成されていることを特徴とする乗用車のドア。
【請求項3】
請求項1、又は請求項2のいずれかに記載された乗用車のドアであって、
前記ビードは、前記インナパネルと前記アウタパネルとにより形成される前記ドア本体部の内部空間側に突出し、前記インナパネルの表面側で溝となるように形成されていることを特徴とする乗用車のドア。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載された乗用車のドアであって、
前記ビードは、前記インナパネルの窓枠支持部の高さ方向に複数本設けられていることを特徴とする乗用車のドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平回動することで車体の乗降口を開閉可能に構成された乗用車のドアに関する。
【背景技術】
【0002】
上記した乗用車のドアに関する技術が特許文献1に記載されている。
特許文献1の乗用車のドア100は、フロントドアであり、図5(A)に示すように、ドア本体部102と窓枠部104とから構成されている。ドア本体部102は、インナパネル103とアウタパネル(図示省略)とが互いの周縁部分で接合されることにより構成される。また、窓枠部104は、その窓枠部104の前後の下端部がドア本体部102のインナパネル103とアウタパネル間に収納されて、図5(B)に示すように、インナパネル103等に溶接Wにより固定されるようになっている。
なお、図5(B)は、図5(A)のB−B矢視断面図を表している。
前記ドア本体部102の前端位置には、図5(A)に示すように、上下一対のヒンジ機構105が設けられており、それらのヒンジ機構105を介してドア本体部102は車体(図示省略)の乗降口の前端縁に取付けられている。これにより、ドア100は、前記車体に対して乗降口を閉じる全閉位置と乗降口を全開にする全開位置との間で水平回動が可能になる。
また、ドア本体部102の後端部には、ドアロック機構107が設けられている。さらに、ドア100の室内側周縁、即ち、窓枠部104からドア本体部102の室内側周縁にかけてはゴム枠状のドア用ウェザーストリップ(図示省略)が設けられている。このため、ドア100が閉じられると、そのドア100と乗降口の周縁部との間でドア用ウェザーストリップが潰れ、乗降口とドア100間がシールされるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−071770号
【特許文献2】特開2008−162443号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したドア100では、そのドア100の室内側周縁にゴム枠状のドア用ウェザーストリップ(図示省略)が設けられている。このため、例えば、ドア100を閉じると、ドア用ウェザーストリップが潰れる際の潰れ反力がドア100に加わるようになる。特に、ドア100の回動自由端側である後端側でドア100を閉じる際の運動エネルギーが大きくなるため、ドア用ウェザーストリップが潰れる際の潰れ反力は大きくなる。この潰れ反力Fにより、図5(B)に示すように、ドア本体部102に対して強度が低い窓枠部104が、二点鎖線に示すようにドア本体部102に対して車両外側に変形する。そして、車両外側に変形した窓枠部104が自身の弾性力、及びインナパネル103等の弾性力で元の位置まで戻されるようになる。即ち、窓枠部104がドア本体部102に対してその窓枠部104とドア本体部102との境界線、あるいはその境界線と平行な直線回りに室内方向、あるいは車外方向に回動するように振動する。
この結果、窓枠部104の下端部が溶接されているインナパネル103の溶接部位Wの近傍に窓枠部104の振動Sに起因する折り曲げ力Kが加わり、経時的にこの部分に亀裂が発生するおそれがある。
【0005】
図6には、インナパネル103の亀裂を防止するため、そのインナパネル103と窓枠部104との連結強度を向上させたドア(特許文献2 参照)が記載されている。即ち、インナパネル103の上端後部にはブラケット103bが固定されており、このブラケット103bが連結ブラケット108により窓枠部104の下部に連結されている。このため、窓枠部104の振動による折り曲げ力Kがインナパネル103の上部に集中的に加わらなくなり、インナパネル103の経時的な亀裂を防止できるようになる。
しかし、インナパネル103の上端後部をブラケット103b、及び連結ブラケット108によって、窓枠部104の下部に連結する構成では、部品点数が増加するとともに、ブラケット103b、連結ブラケット108をそれぞれインナパネル103、窓枠部104に固定するための手間が掛かる。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、低コストでインナパネルの窓枠支持部に経時的に亀裂が入る等の不具合を防止できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、インナパネルとアウタパネルとが互いの周縁部分で接合されることにより構成されるドア本体部と、そのドア本体部の上側に設けられており、前記インナパネルによって下端部が支持される構成の窓枠部と、車体の乗降口を開閉可能なように、前記ドア本体部を水平回動可能な状態で車体に取付けるヒンジ機構とを備える乗用車のドアであって、前記インナパネルの上部に形成されて前記窓枠部の下端部を支える窓枠支持部を備えており、前記窓枠支持部は、前記窓枠部の下端部を前側と横側と後側との三方から覆えるように構成されており、前記窓枠部の下端部を横側から覆う前記窓枠支持部の横向き縦壁部には、前記ドア本体部と窓枠部との境界線に沿って延びるビードが形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明によると、インナパネルの上部には、窓枠部の下端部を前側と横側と後側との三方から覆えるように構成された窓枠支持部が設けられている。そして、窓枠部の下端部を横側から覆う窓枠支持部の横向き縦壁部には、ドア本体部と窓枠部との境界線に沿って延びるビードが形成されている。このため、ドアを閉じる際のドア用ウェザーストリップの潰れ反力を受けて、窓枠部がドア本体部に対して前記境界線等を中心に回動するように振動する際、インナパネルの窓枠支持部が窓枠部の振動に合わせてビードの位置で曲がり易くなる。即ち、インナパネルの窓枠支持部は、窓枠部の振動に合わせて前記境界線に沿うビードの中心線回りにそのビードの位置で曲がるようになる。このため、窓枠部が振動する際の折り曲げ力がインナパネルの窓枠支持部のビード全体に加わるようになり、一部分に集中することがなくなる。したがって、インナパネルの窓枠支持部の一部に経時的に亀裂が入る等の不具合を防止できる。
また、インナパネルの窓枠支持部にビードを形成することで、経時的な窓枠支持部の亀裂を防止できるため、亀裂防止対策にさほどコストが掛からない。
【0009】
請求項2の発明によると、ビードは、ドアの回動自由端側に位置する窓枠支持部に形成されていることを特徴とする。
このように、ドアを閉じる際に最も運動エネルギーが大きくなるドアの回動自由端側の窓枠支持部にビードを形成するため、効率的にインナパネルの窓枠支持部の亀裂を防止できるようになる。
【0010】
請求項3の発明によると、ビードは、インナパネルとアウタパネルとにより形成される前記ドア本体部の内部空間側に突出し、前記インナパネルの表面側で溝となるように形成されていることを特徴とする。
このため、インナパネル、及び窓枠支持部をトリム等の装飾材で覆う際にビードが邪魔にならない。
請求項4の発明によると、ビードは、インナパネルの窓枠支持部の高さ方向に複数本設けられていることを特徴とする。
このため、窓枠部の振動に起因するインナパネルの窓枠支持部に対する折り曲げ力をさらに分散できるようになる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、低コストでインナパネルの窓枠支持部の一部に経時的に亀裂が入る等の不具合を防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態1に係る乗用車のドアを室内側から見た全体模式側面図である。
図2図1のII-II矢視断面図である。
図3】前記ドアの窓枠部とドア本体部との後部境界位置を表す斜視図である。
図4図3のIV-IV矢視断面図である。
図5】従来の乗用車のドアを室内側から見た全体模式側面図(A図)、A図のB-B矢視断面図である(B図)。
図6】従来のドアの窓枠部とドア本体部との後部境界位置を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施形態1]
以下、図1から図4に基づいて本発明の実施形態1に係る乗用車のドアについて説明する。本実施形態に係る乗用車のドアは、乗用車のフロントドアに本発明を適用したものである。
ここで、図中の前後左右及び上下はフロントドアの前後左右及び上下に対応している。
【0014】
<フロントドア10の概要ついて>
フロントドア10は、図1に示すように、ドア本体部10mと、そのドア本体部10mの上側に設けられた窓枠部10wとから構成されており、前記窓枠部10wに窓ガラス12が上下スライド可能な状態で嵌め込まれている。
ドア本体部10mは、フロントドア10の意匠面を構成するアウタパネル17(図2参照)とインナパネル18とが表裏から合わせられて互いの周縁部分で溶接されることにより、内部空間を有する厚板状に構成されている。そして、ドア本体部10mの内部空間に窓ガラス12を上下動させる機構やドア補強部材等が収納されている。
また、ドア本体部10mの前端位置には、図1に示すように、上下一対のヒンジ機構11が設けられており、それらのヒンジ機構11を介してドア本体部10mは車体(図示省略)の乗降口の前端縁に取付けられている。これにより、フロントドア10は、前記車体に対して乗降口を閉じる全閉位置と乗降口を全開にする全開位置との間で水平回動が可能になる。また、ドア本体部10mの後端位置には、フロントドア10が前記乗降口を閉じた状態で車体のストライカと係合するドアロック機構(図示省略)が設けられている。
【0015】
フロントドア10の窓枠部10wは、図2に示すように、窓ガラス12の端縁を上下スライド可能な状態でシールするガラスラン13を備えており、そのガラスラン13が断面L字形の支持フレーム14と筒状のドアフレーム15とによって三方から囲まれた状態で保持されている。そして、ガラスラン13の支持フレーム14がドアフレーム15に固定されている。
ドアフレーム15と支持フレーム14との基端部(下端部)は、図1に示すように、フロントドア10の前後でドア本体部10m内に挿入されており、後記するように、ドア本体部10mのインナパネル18等に溶接等により固定されている。
フロントドア10のドア本体部10mと窓枠部10wとの室内側周縁には、図1の一点鎖線、及び図2に示すように、ゴム製のドア用ウェザーストリップ20が取付けられている。このため、フロントドア10が閉じられると、そのフロントドア10と乗降口の周縁部との間でドア用ウェザーストリップ20が潰れ、乗降口とフロントドア10間がシールされるようになる。
【0016】
<窓枠部10wの後側下端部の支持構造について>
次に、フロントドア10の窓枠部10wの後側下端部における支持構造について説明する。
ドア本体部10mを構成するインナパネル18には、図1に示すように、ドア本体部10mの上端部(ベルトライン部)の前端位置と後端位置とに窓枠部10wの前後の下端部をそれぞれ支えるための窓枠支持部180が設けられている。
インナパネル18の後端位置の窓枠支持部180は、図2図3に示すように、前側縦板部180fと横向き縦壁部180yと後側縦板部180bとにより平断面形状が略U字形に形成されている。そして、略U字形の窓枠支持部180が窓枠部10wを構成するドアフレーム15を室内側の三方から覆えるように構成されている。
また、窓枠支持部180の横向き縦壁部180yには、図3に示すように、窓枠部10wとドア本体部10mとの境界線L(図1参照)に沿って前後方向に延びる第1ビード182と第2ビード184とが上下に並んで形成されている。
【0017】
第1ビード182と第2ビード184とは、図4に示すように、インナパネル18とアウタパネル17とにより形成されるドア本体部10mの内部空間側に突出し、前記インナパネル18の表面側で溝となるように形成されている。
さらに、インナパネル18の上部内側には、図4に示すように、窓枠部10wとドア本体部10mとの境界線Lに沿って延びる補強用のインナリインフォース18eが取付けられている。さらに、インナパネル18の内側後部には、窓枠部10wのドアフレーム15を支持するとともに、インナパネル18の内側でドアロック機構を支えるロックリインフォース18kが設けられている。
窓枠部10wのドアフレーム15の下端部側面は、図4に示すように、インナパネル18の窓枠支持部180(横向き縦壁部180y)の上部と溶接Wにより接合されている。また、窓枠部10wのドアフレーム15の下端部側面は、インナパネル18との溶接箇所よりも下側でロックリインフォース18kと溶接Wにより接合されている。
ここで、インナパネル18の窓枠支持部180は、図4に示すように、ドア用ウェザーストリップ20のコーナ部20cによって覆われるようになっている。なお、図3では、ドア用ウェザーストリップ20は省略されている。
【0018】
<第1、第2ビード182,184の働きについて>
次に、インナパネル18の窓枠支持部180に形成された第1ビード182、第2ビード184の働きについて説明する。
前記フロントドア10が閉じられると、図4に示すように、ドア用ウェザーストリップ20が潰れる際の潰れ反力Fがフロントドア10に対して加わるようになる。特に、フロントドア10の回動自由端側である後端側では、フロントドア10を閉じる際の運動エネルギーが大きくなるため、ドア用ウェザーストリップ20が潰れる際の潰れ反力Fが大きくなる。これにより、図4に示すように、ドア本体部10mに対して強度が低い窓枠部10w(ドアフレーム15)が、二点鎖線に示すようにドア本体部10m(インナパネル18)に対して車両外側に変形する。そして、車両外側に変形した窓枠部10w(ドアフレーム15)が自身の弾性力、及びインナパネル18等の弾性力で元の位置まで戻されるようになる。即ち、ドアフレーム15等がインナパネル18の窓枠支持部180に対して窓枠部10wとドア本体部10mとの境界線L、あるいはその境界線Lと平行な直線回りに回動するように室内側、あるいは車両外側に振動するようになる。
【0019】
ここで、インナパネル18の窓枠支持部180には、ドア本体部10mと窓枠部10wとの境界線Lに沿って延びる第1ビード182、第2ビード184が形成されている。このため、ドアフレーム15がインナパネル18の窓枠支持部180に対して前記境界線L等を中心に回動するように振動する際、インナパネル18の窓枠支持部180がドアフレーム15の振動に合わせて第1ビード182、第2ビード184の位置で曲がり易くなる。即ち、インナパネル18の窓枠支持部180は、ドアフレーム15の振動に合わせて前記境界線Lに沿う第1ビード182、第2ビード184の中心線回りにそれらのビード182,184の位置で曲がるようになる。このため、ドアフレーム15が振動する際の折り曲げ力がインナパネル18の窓枠支持部180の第1ビード182、第2ビード184全体に加わって、一部分に集中することがなくなる。したがって、インナパネル18の窓枠支持部180の一部に経時的に亀裂が入る等の不具合を防止できる。
また、インナパネル18の窓枠支持部180にビード182,184を形成することで、窓枠支持部180の亀裂を防止できるため、亀裂防止対策にさほどコストが掛からない。
【0020】
<本実施形態に係るフロントドア10の長所について>
本実施形態に係るフロントドア10によると、ドアを閉じる際のドアフレーム15の振動に起因する折り曲げ力がインナパネル18の窓枠支持部180の第1ビード182、第2ビード184の全体に加わるようになり、一部分に集中することがなくなる。したがって、インナパネル18の窓枠支持部180の一部に経時的に亀裂が入る等の不具合を防止できる。
また、インナパネル18の窓枠支持部180にビード182,184を形成することで、窓枠支持部180の亀裂を防止できるため、亀裂防止対策にさほどコストが掛からない。
また、フロントドア10を閉じる際に最も運動エネルギーが大きくなるドアの回動自由端側の窓枠支持部180にビード182,184を形成するため、効率的に窓枠支持部180の亀裂を防止できるようになる。
また、ビード182,184は、インナパネル18とアウタパネル17とにより形成されるドア本体部10mの内部空間側に突出し、インナパネル18の表面側で溝となるように形成されている。このため、インナパネル18、及び窓枠支持部180をトリム等の装飾材で覆う際にビード182,184が邪魔にならない。
また、ビード182,184は、インナパネル18の窓枠支持部180の高さ方向に二本設けられているため、窓枠部10wの振動によるインナパネル18の窓枠支持部180に対する折り曲げ力をさらに分散することができる。
【0021】
<変更例>
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、インナパネル18の後端位置の窓枠支持部180にビード182,184を設ける例を示したが、前端位置の窓枠支持部180にもビード182,184を設けることも可能である。
また、本実施形態では、インナパネル18の窓枠支持部180に上下二本のビード182,184を設ける例を示した。しかし、ビードは一本であっても良いし、三本以上であっても良い。
また、ビード182,184をインナパネル18の窓枠支持部180の表面側で溝状になるように形成する例を示したが、窓枠支持部180の表面側で突条状になるようにビードを形成することも可能である。また、装飾材の形状に合わせて一方のビードを溝状に形成し、他方のビードを突条状に形成することも可能である。
また、本実施形態では、乗用車のフロントドア10に本発明を適用する例を示したが、リヤドアに本発明を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0022】
10・・・・フロントドア
10m・・・ドア本体部
10w・・・窓枠部
15・・・・ドアフレーム
17・・・・アウタパネル
18・・・・インナパネル
180・・・窓枠支持部
182・・・第1ビード
184・・・第2ビード
L・・・・・境界線
図1
図2
図3
図4
図5
図6