特許第5874196号(P5874196)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5874196
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】粒子状物質センサ
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/023 20060101AFI20160218BHJP
   F01N 3/00 20060101ALI20160218BHJP
   G01N 15/06 20060101ALI20160218BHJP
【FI】
   F01N3/023 K
   F01N3/00 F
   G01N15/06 D
【請求項の数】1
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-113540(P2011-113540)
(22)【出願日】2011年5月20日
(65)【公開番号】特開2012-241643(P2012-241643A)
(43)【公開日】2012年12月10日
【審査請求日】2014年4月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068021
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 信雄
(72)【発明者】
【氏名】野田 正文
(72)【発明者】
【氏名】内山 正
(72)【発明者】
【氏名】阿曽 充宏
【審査官】 稲村 正義
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/066462(WO,A1)
【文献】 国際公開第93/08382(WO,A1)
【文献】 特開2011−12578(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/00−3/38
G01N 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディーゼルパティキュレートフィルタの複数のセルに第一の電極と第二の電極とを挿入してなるコンデンサの静電容量に基づいて前記ディーゼルパティキュレートフィルタの粒子状物質堆積量を検出する粒子状物質センサにおいて、
前記ディーゼルパティキュレートフィルタは、前記複数のセルが縦横に積層されてなり、
前記複数のセルは、多孔質材料からなる壁で縦横の四面が囲まれると共に端面が縦横に交互に目封じされており、
前記第一の電極は、前記ディーゼルパティキュレートフィルタの直径近傍を通る対角線上に一列に配置されているか、又は前記ディーゼルパティキュレートフィルタの外周近くではない対角線上に一列に配置されており、且つ、前記複数のセルのうち電極が挿入される側の端面が目封じされていない第一の開放セルに挿入されており、
前記第二の電極は、前記ディーゼルパティキュレートフィルタの直径近傍を通る対角線上に前記第一の電極を挟んで二列に配置されているか、又は前記ディーゼルパティキュレートフィルタの外周近くではない対角線上に前記第一の電極を挟んで二列に配置されており、且つ、前記複数のセルのうち電極が挿入される側の端面が目封じされていない第二の開放セルに挿入されており、
前記第一の電極と前記第二の電極は、前記複数のセルのうち前記第一の開放セルと前記第二の開放セルとの間に配置されると共に電極が挿入される側の端面が目封じされていない第三の開放セルを挟んで平行に配置されており、
前記第三の開放セルは、前記第一の電極と前記第二の電極とが配置される対角方向と直交する方向で前記第一の開放セルと前記第二の開放セルのそれぞれに隣接している
ことを特徴とする粒子状物質センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DPF全体の平均的なPM堆積量が検出でき、かつ、検出に十分な大きさの静電容量が確保できるPMセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジンなどの内燃機関が搭載された車両では、内燃機関から大気までの排ガスの排出流路にディーゼルパティキュレートフィルタ(Diesel Particulate Filter;以下、DPFという)が設置され、このDPFに粒子状物質(Particulate Matter;以下、PMという)が捕集される。DPFは、多孔質セラミックからなるハニカム細孔状のフィルタにPMを一時的に捕集する部材である。
【0003】
DPFに捕集されているPMの量(以下、PM堆積量という)が多くなると内燃機関の排気圧力が上昇し内燃機関の特性低下をきたすため、捕集されているPMを燃焼させる処理が行われる。この処理をDPF再生という。DPF再生時には、排気温度を上昇させるための燃料噴射が行われる。排気温度が上昇すると、DPFが昇温され、DPFに捕集されているPMが燃焼する。
【0004】
このとき、PM堆積量が多すぎると、DPF再生時の熱でDPFが損傷してしまう。PM堆積量が多すぎにならないうちにDPF再生するためには、PM堆積量を正確に検出する必要がある。
【0005】
PM堆積量を検出するPMセンサとして、DPFに2つの電極が設置され、2つの電極により形成されるコンデンサの静電容量からPM堆積量が検出されるものが知られている。この種のPMセンサでは、誘電体と導体の混合物であるPMが電極間に堆積することになるので、PM堆積量に対して直線的に静電容量が増大する。
【0006】
図9に示された従来のPMセンサ91は、円柱状のDPF92の外周に半割円筒状に形成された2つの電極93、94が設置されている。2つの電極93、94がDPF92を挟んで対向することにより、2つの電極93、94により形成されるコンデンサの静電容量がDPF92の全体のPM堆積量に応じて変化する(特許文献1)。
【0007】
図10に示された従来のPMセンサ101は、円柱状のDPF102の外周に一方の電極103が設置され、これよりも内側にもう一方の電極104が同心状に設置されている。2つの電極103、104により形成されるコンデンサの静電容量が2つの電極103、104に挟まれたDPF102の一部分のPM堆積量に応じて変化する(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−144630号公報
【特許文献2】特開2011−012577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、一般に、DPFは、DPFを保護するための金属製のハウジングに収容され、このハウジングが車体に取り付けられる。このため、DPFの外周に設置された電極とハウジングとの間にもコンデンサが形成される。
【0010】
図9のPMセンサ91では、電極93、94とハウジング95との距離が2つの電極93、94間の距離よりも顕著に短いため、電極93、94とハウジング95によるコンデンサの静電容量が2つの電極93、94によるコンデンサの静電容量よりも顕著に大きい。さらに、電極93、94とハウジング95によるコンデンサの静電容量は、熱的にも機械的にも不安定である。この結果、PMセンサ91の回路は、2つの電極93、94によるコンデンサに対して電極93、94とハウジング95によるコンデンサが並列に接続された回路となる。PM堆積量を検出するべきコンデンサに、それよりも静電容量が顕著に大きく、なおかつ、不安定なコンデンサが並列に接続されたのでは、PM堆積量を正確に検出することができない。
【0011】
図10のPMセンサ101では、外周の電極103と内側の電極104との距離を近づけることにより、2つの電極103、104によるコンデンサの静電容量が大きくなる。しかし、そのためには内側の電極104をDPF102の外周近くに配置することになり、内側の電極104より内側のDPF102の一部分のPM堆積量は検出できなくなる。内側の電極104より外側のDPF102の一部分のみPM堆積量を検出したのでは、検出値がDPF102全体の平均的なPM堆積量と乖離するおそれがある。
【0012】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、DPF全体の平均的なPM堆積量が検出でき、かつ、検出に十分な大きさの静電容量が確保できるPMセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため本発明はディーゼルパティキュレートフィルタの複数のセルに第一の電極と第二の電極とを挿入してなるコンデンサの静電容量に基づいて前記ディーゼルパティキュレートフィルタの粒子状物質堆積量を検出する粒子状物質センサにおいて、前記ディーゼルパティキュレートフィルタは、前記複数のセルが縦横に積層されてなり、前記複数のセルは、多孔質材料からなる壁で縦横の四面が囲まれると共に端面が縦横に交互に目封じされており、前記第一の電極は、前記ディーゼルパティキュレートフィルタの直径近傍を通る対角線上に一列に配置されているか、又は前記ディーゼルパティキュレートフィルタの外周近くではない対角線上に一列に配置されており、且つ、前記複数のセルのうち電極が挿入される側の端面が目封じされていない第一の開放セルに挿入されており、前記第二の電極は、前記ディーゼルパティキュレートフィルタの直径近傍を通る対角線上に前記第一の電極を挟んで二列に配置されているか、又は前記ディーゼルパティキュレートフィルタの外周近くではない対角線上に前記第一の電極を挟んで二列に配置されており、且つ、前記複数のセルのうち電極が挿入される側の端面が目封じされていない第二の開放セルに挿入されており、前記第一の電極と前記第二の電極は、前記複数のセルのうち前記第一の開放セルと前記第二の開放セルとの間に配置されると共に電極が挿入される側の端面が目封じされていない第三の開放セルを挟んで平行に配置されており、前記第三の開放セルは、前記第一の電極と前記第二の電極とが配置される対角方向と直交する方向で前記第一の開放セルと前記第二の開放セルのそれぞれに隣接している粒子状物質センサである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
【0015】
(1)DPF全体の平均的なPM堆積量が検出できる。
【0016】
(2)検出に十分な大きさの静電容量が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明が適用されるDPFの部分端面図である。
図2】本発明が適用されるDPFの部分側断面図である。
図3】本発明に至る過程で考案したPMセンサが取り付けられたDPFの部分端面図である。
図4図3の要部拡大図である。
図5】本発明に至る過程で考案したPMセンサが取り付けられたDPFの部分端面図である。
図6図5の要部拡大図である。
図7】本発明のPMセンサが取り付けられたDPFの部分端面図である。
図8】本発明のPMセンサが取り付けられたDPFの斜視図である。
図9】従来のPMセンサの斜視図である。
図10】従来のPMセンサの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0019】
まず、本発明の基礎としてDPFの構造と機能について説明する。
【0020】
図1に示されるように、DPF1は、多孔質材料からなる壁2で縦横の四面が囲まれた複数のセル3が縦横に積層されセル3の端面が縦横に交互に目封じされてなる。図では、目封じをハッチングで示す。目封じされたセル3を目封じセル3a、目封じされないセルを開放セル3bという。図示のように、目封じセル3aの両縦隣及び両横隣は開放セル3bであり、開放セル3bの両縦隣及び両横隣は目封じセル3aである。なお、セル3の端面形状は、ここでは正方形としているが、長方形、平行四辺形など、連続的に並べることのできる形状であればよい。
【0021】
片側端面と反対側端面とでは、目封じと開放とが逆転する。すなわち、1つのセル3は、片側端面が目封じされていれば、反対側端面は必ず開放であり、片側端面が開放であれば、反対側端面は必ず目封じされている。従って、同じセル3が片側から見れば目封じセル3aとなり、反対側から見れば開放セル3bとなる。
【0022】
図2に示されるように、DPF1は、排ガスの排出流路に設置され、どちらかの端面が上流に望み、反対の端面が下流に望む。上流に望む面では、目封じセル3aには排ガスは流入せず、開放セル3bのみに排ガスが流入する。排ガスが流入した開放セル3bは、下流に望む反対側端面で目封じされて目封じセル3aとなっているため、排ガスは、多孔質材料からなる壁2を通り抜けて、隣の目封じセル3aに移動する。隣の目封じセル3aは、下流に望む反対側端面が開放されて開放セル3bとなっているため、排ガスは、この開放セル3bから流出する。このようにして、排ガスが壁2を通り抜けるときに、排ガス中のPMが多孔質材料からなる壁2に吸着される。図2では、1つの開放セル3bに流入した排ガスが隣接する2つの目封じセル3aに移動するように示されているが、実際には1つの開放セル3bに流入した排ガスが縦横に隣接する4つの目封じセル3aに移動するので、縦横4つの壁2にPMが吸着される。
【0023】
本発明者は、本発明に至る過程で、図3に示されるPMセンサ4を考案した。このPMセンサ4は、DPF1に第一、第二の電極5、6が設けられ、第一、第二の電極5、6により形成されるコンデンサの静電容量によりDPF1のPM堆積量が検出されるものである。
【0024】
PMセンサ4では、全ての開放セル3bのうち対角方向一列に並ぶ複数の開放セル3bに第一の電極5が挿入され、第一の電極5が挿入された複数の開放セル3bに隣接して対角方向一列に並ぶ複数の開放セル3bに第二の電極6が挿入される。開放セル3bが目封じセル3aと交互に配置されているので、開放セル3bに隣接する開放セル3bとは、目封じセル3aを縦横に1つ飛ばして隣接している開放セル3bのことである。
【0025】
開放セル3bに挿入される電極5、6は、例えば、金属線である。一列の開放セル3bに挿入された複数の第一の電極5同士は、短絡線7で短絡される。同様に、別の一列の開放セル3bに挿入された複数の第二の電極6同士は、別の短絡線8で短絡される。電極5、6が端面から挿入される深さは、任意であるが、深く挿入するほど電極5、6の長さが長くなり、電極対向面積の増加に寄与する。従って、例えば、電極5、6は、開放セル3bの反対側端面の目封じされている箇所近くまで届いているのが好ましい。
【0026】
電極5、6が挿入される端面は、排ガスの排出流路の上流に望む端面でも、下流に望む端面でもよいが、電極5、6は同じ端面に挿入される。
【0027】
図3のPMセンサ4において、複数の第一の電極5のうち、1つの電極P0に着目する。電極P0に最も近い第二の電極6は、第一の電極5が形成する列に対して交差する対角線上にある電極Q0となり、セル3のピッチ(縦横幅)をdとすると、電極P0対Q0間距離は√2dとなる。よって、電極P0と電極Q0とにより、電極間距離が√2dで、電極径に比例する電極対向面積を有するコンデンサが形成される。電極P0に次に近い第二の電極6は、第二の電極6が形成する列上で電極Q0の直近に位置する電極Q+1,Q−1となり、電極P0対Q±1間距離は2dとなる。電極P0と電極Q±1とにより、電極間距離が2dで、電極径に比例する電極対向面積を有するコンデンサが2つ形成される。同様に、電極P0と3番目以降、順次に近い複数の第二の電極6とによってもそれぞれコンデンサが形成される。これらを総合してなる複数の第一の電極5と複数の第二の電極6とからなるコンデンサは、電極間距離が√2dで、所定の電極対向面積を有する2枚の電極板からなる平行平板コンデンサと見なせる。
【0028】
複数の第一の電極5と複数の第二の電極6とからなるコンデンサは、従来のPMセンサ91、101に比べて電極間距離が√2dと短いので、静電容量が大きく、電極5、6がハウジングから離れているので、ハウジングによる影響が小さくなることが期待できる。
【0029】
ところで、PMセンサ4では、電極5、6として金属線が開放セル3bに挿入されるが、挿入される金属線は、DPF再生時の高温と車両走行時の機械的振動に対する耐久性を確保するために、ある程度太い線径が必要である。セル3のピッチdに対して壁2の厚みとクリアランスを考慮し、できるだけ太く線径が決まる。
【0030】
図4に、DPF1の端面をさらに拡大して示す。
【0031】
電極5、6が挿入された開放セル3bのうち電極P0、Q0の開放セル3bについて、目封じセル3aから壁2を通り抜けて流れ込む排ガスの流れを矢印で示す。この矢印は、図2の側断面で見た矢印を端面から見たものである。ただし、実際には、1つの開放セル3bに縦横4つの壁2を通り抜けて縦横4つの目封じセル3aから排ガスが流れ込むが、ここでは、電極5、6からなるコンデンサの内側(電極板間)についてのみ示してある。先述のように、排ガスが壁2を通り抜けるときに壁2にPMが吸着されるので、電極P0、Q0間の壁2にはPMが堆積する。同様に、電極5、6が挿入されない一般の開放セルRにも、縦横4つの目封じセル3aから排ガスが流れ込み壁2にもPMが堆積する。
【0032】
このとき、電極P0、Q0の開放セル3bは、電極5、6が挿入されているため、一般の開放セルRに比べて排ガスの流量が制約されて少なくなる。排ガス中のPM含有量が場所によらず均一であるとすると、流量の少ない場所ほどPMの流れる量が少ない。よって、電極P0、Q0の開放セル3bの壁2は、一般の開放セルRの壁2に比べてPM堆積量が少なくなる。このことは、全ての電極5、6が挿入された開放セル3bに共通である。したがって、図3で見ると、電極5、6からなるコンデンサの内側の壁2は、全て図4で説明したPM堆積量が少ない壁2となっている。これに対し、電極5、6が挿入されない全ての開放セル3bは、図4で説明した一般の開放セルRであり、四方を囲む全ての壁2がPM堆積量が多い壁2となっている。
【0033】
この結果、PMセンサ4で検出されるPM堆積量は、開放セルRにおけるPM堆積量より少なくなり、DPF1全体の平均的なPM堆積量より少なくなる。
【0034】
そこで、本発明者は、DPF1全体の平均的なPM堆積量が検出できるよう、電極配置を工夫して図5に示されるPMセンサ9を考案した。
【0035】
図5に示されるPMセンサ9は、開放セル3bのうち対角方向一列に並ぶ複数の開放セル3bに第一の電極5が挿入され、第一の電極5が挿入された各開放セル3bから2つ目に隣接する開放セル3bを含む対角方向一列に並ぶ複数の開放セル3bに第二の電極6が挿入される。2つ目に隣接する開放セル3bとは、縦横に目封じセル3aを2つと開放セル3bを1つ飛ばして隣接している開放セル3bのことである。
【0036】
図6に示されるように、PMセンサ9では、電極P0が挿入された開放セル3bと電極Q0が挿入された開放セル3bとの間に、電極5、6が挿入されない開放セル3bが1つ存在する。つまり、電極5、6からなるコンデンサの内側に電極5、6が挿入されない開放セル3bが存在する。これを検出用開放セルSと呼ぶことにする。
【0037】
検出用開放セルSを囲む4つの壁2は、一般の開放セルRの4つの壁2と同様に排ガスの流量が制約されない壁2である。よって、検出用開放セルSには開放セルRと同量のPM堆積量が得られる。
【0038】
図5で見ると、電極5、6からなるコンデンサの内側には、開放セルRとPM堆積量が同等の検出用開放セルSが存在するので、PMセンサ9で検出されるPM堆積量は、DPF1全体の平均的なPM堆積量と見なせる。
【0039】
しかしながら、図5に示されるPMセンサ9は、電極5、6によるコンデンサの電極間距離が2√2dとなり、図3のPMセンサ4に比べて電極5、6によるコンデンサの電極間距離が2倍となるため、静電容量が1/2になってしまう。
【0040】
そこで、本発明者は、DPF1全体の平均的なPM堆積量が検出でき、しかも、静電容量が大きくなるよう、電極配置をいっそう工夫して本発明に至った。すなわち、図7に示されるように、本発明のPMセンサ10は、開放セル3bのうち対角方向一列に並ぶ複数の開放セル3bに第一の電極5が挿入され、第一の電極5が挿入された各開放セル3bから縦横一方向に2つ目に隣接する開放セル3bを含む対角方向一列に並ぶ複数の開放セル3bに第二の電極6が挿入され、第一の電極5が挿入された各開放セル3bから前記一方向とは反対方向に2つ目に隣接する開放セル3bを含む対角方向一列に並ぶ複数の開放セル3bにも第二の電極6が挿入される。
【0041】
図8に示されるように、本発明のPMセンサ10は、電極5、6が挿入された開放セル3bの列に沿う短絡線8、7、8がDPF1の端面に沿って布設される。この列の長さ(セル3の個数)が長くなるほど、電極5、6の本数が増えて電極対向面積の増加に寄与するので、望ましい。例えば、円柱状のDPF1の直径近傍を列が通るように開放セル3bに電極5、6が挿入されると、電極5、6の本数が最も多くなる。例えば、DPF1の直径が200mmで、セル3のピッチ(縦横幅)dが1mmであれば、直径近傍には斜めに140個に近いセル3が並ぶので、電極5、6が挿入される開放セル3bは、各々140個に近くなる。
【0042】
このようにDPF1の開放セル3bに挿入された第一、第二の電極5、6が短絡線8、7、8でそれぞれ短絡され、短絡線8、7、8が図示しない検出回路に接続される。短絡線8、8同士は短絡される。検出回路は、従来と同様であるので、説明を省略する。
【0043】
以下、本発明のPMセンサ10の動作を説明する。
【0044】
図8のDPF1においてPMが堆積すると、図7に示した部分においても、複数の第一の電極5と複数の第二の電極6との間にあるセル3の壁2に堆積したPMの堆積量が増加する。よって、電極5、6からなるコンデンサの静電容量が大きくなる。
【0045】
このとき、本発明のPMセンサ10では、第一の電極5が挿入された対角方向一列に並ぶ複数の開放セル3bに対して、第二の電極6が挿入された対角方向一列に並ぶ複数の開放セル3bが縦横一方向に目封じセル3aを2つと開放セルを1つ挟んで隣接していると同時に、反対方向にも第二の電極6が挿入された対角方向一列に並ぶ複数の開放セル3bが目封じセル3aを2つと開放セルを1つ挟んで隣接している。これにより、一列の第一の電極5と二列の第二の電極6とからなるコンデンサは、電極間距離が各々2√2dで、所定の電極対向面積を有する3枚の電極板からなる平行平板コンデンサと見なせる。
【0046】
本発明のPMセンサ10では、一列の第一の電極5と二列の第二の電極6とからなるコンデンサを有するので、図5のPMセンサ9の2倍の静電容量、図3のPMセンサ4と同等の静電容量が得られる。しかも、PMセンサ10では、電極6、5、6からなるコンデンサの内側に検出用開放セルSが存在するので、検出されるPM堆積量は、図3のPMセンサ4と比べると、DPF1全体の平均的なPM堆積量と見なせる。
【0047】
ただし、電極5、6の本数は、図5のPMセンサ9の1.5倍となるが、静電容量が2倍になるので、利点が大きい。
【0048】
電極5の列を増やして、二列の第一の電極5と二列の第二の電極6とからなるコンデンサを形成してもよい。この場合、電極5、6の本数は、図5のPMセンサ9の2倍となるが、静電容量が3倍になるので、利点が大きい。電極5、6の列の数が増えるほど、静電容量は大きくなるが、排ガスの流量が制約される開放セル3bが増えることにもなるので、電極5、6の列の数は適宜に決めるとよい。
【0049】
以上説明したように、本発明のPMセンサ10では、電極5、6によるコンデンサは、図9のPMセンサ91のようにDPF92を挟んだ電極93、94によるコンデンサよりも顕著に静電容量が大きくなる。同時に、電極5、6と図示しないハウジングとによるコンデンサの静電容量に比べると、電極5、6がハウジングから離れているので、電極5、6によるコンデンサの方が顕著に静電容量が大きくなる。よって、PM堆積量を正確に検出することができる。
【0050】
また、本発明のPMセンサ10では、電極6、5、6がそれぞれ対角方向一列に並ぶ複数の開放セル3bに挿入されるので、図10のPMセンサ101のように、電極103、104がDPF62の外周近くに偏った配置とは異なり、電極5、6がDPF1の外周近くに偏らない配置となり、DPF1全体の平均的なPM堆積量を検出することができる。特に、本実施形態のように、電極6、5、6の列がDPF1の直径に沿う配置では、DPF1の中心部から外周部にわたる範囲のPM堆積量が検出される。
【0051】
さらに、本発明のPMセンサ10では、電極6、5、6からなるコンデンサの内側に検出用開放セルSが存在するので、検出されるPM堆積量がDPF1全体の平均的なPM堆積量と見なせる。
【符号の説明】
【0052】
1 ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)
2 壁
3 セル
3a 目封じセル
3b 開放セル
4 PMセンサ
5 第一の電極
6 第二の電極
7 短絡線
8 短絡線
9 PMセンサ
10 PMセンサ
図8
図9
図10
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7