(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1のように目印を用いて案内する場合であっても、ユーザに案内分岐点を正確に特定させることができない場合があった。特に案内に用いられた目印がユーザから遠方にある場合や目印が多数存在する場合等には、案内された目印をユーザが容易に特定することができず、その結果、ユーザに案内分岐点を正確に特定させることができなかった。
【0006】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、基準目印を基準とすることによって案内目印の位置を案内により容易に特定させることが可能となり、その結果、目印に基づいてユーザに案内分岐点を正確に特定させることを可能にした移動案内システム、移動案内装置、移動案内方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る移動案内システム(1)は、移動体(51)の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点(52)を設定する案内経路設定手段(13)と、前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側にあって、前記案内分岐点の案内を行う目印とする基準目印を設定する基準目印設定手段(13)と、前記案内分岐点の周辺にあって、前記案内分岐点の案内を行う目印とする案内目印を設定する案内目印設定手段(13)と、前記基準目印及び前記案内目印の位置をそれぞれ取得する目印位置取得手段と、前記基準目印及び前記案内目印の位置に基づいて、前記案内分岐点における案内を設定する案内設定手段(13)と、前記案内設定手段により設定された前記案内により前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内手段(13)と、を有し、前記基準目印設定手段は、前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側に前記基準目印の候補となる対象物が複数ある場合には、最も出発地側にある前記対象物を前記基準目印に設定し、前記基準目印及び前記案内目印の候補となる対象物は複数種類あって、前記案内設定手段は、前記基準目印と前記案内目印とが同一種類か否かを判定し、前記移動体と前記基準目印との位置関係を特定する第1フレーズと、前記基準目印と前記案内目印との位置関係を特定する第2フレーズとを前記判定の結果に基づいて決定し、決定された前記第1フレーズ及び前記第2フレーズをそれぞれ含む案内を設定
し、前記基準目印と前記案内目印とが同じ種類の対象物の場合、又は前記基準目印と前記案内目印とが異なる種類の対象物であって前記基準目印が信号機又は分岐点の場合には、前記第1フレーズを、前記基準目印の種類を特定するフレーズに対して該基準目印の前記移動体の通過状況を示すフレーズを付加したフレーズに決定し、前記基準目印と前記案内目印とが異なる種類の対象物であって前記基準目印が信号機でも分岐点でもない場合には、前記第1フレーズを、前記基準目印の前記移動体の通過状況を示すフレーズが付加されない前記基準目印の種類を特定するフレーズに決定することを特徴とする。
尚、「移動体」としては、車両以外に、歩行者や二輪車も含む。
また、「案内分岐点」とは、案内経路に従って移動体の移動の案内を行う際に、右左折指示等の案内を行う対象となる分岐点が該当する。
また、「目印」とは、ユーザの目印となり得る対象物であり、例えば、信号機、交差点、ランドマーク(店舗、店舗の看板、構造物)等がある。
また、「フレーズ」は、句に相当する。
【0008】
また、請求項2に係る移動案内システム(1)は、請求項1に記載の移動案内システムであって、前記案内設定手段(13)は、前記第1フレーズが前記第2フレーズよりも早く出力されるように案内を設定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項
3に係る移動案内システム(1)は、請求項1
又は請求項2に記載の移動案内システムであって
、前記案内設定手段(13)は、前記第1フレーズを、前記移動体と前記基準目印との位置関係とともに前記基準目印の種類を特定するフレーズに
決定し、前記第2フレーズを、前記基準目印と前記案内目印との位置関係とともに前記案内目印の種類を特定するフレーズに
決定することを特徴とする。
【0011】
また、請求項
4に係る移動案内システム(1)は、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の移動案内システムであって、前記案内設定手段(13)は、前記基準目印から前記案内目印までの間に、前記案内目印と同じ種類の他の対象物がある場合には、前記第2フレーズを、前記基準目印から前記案内目印までに存在する前記対象物の数を特定するフレーズに
決定することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に係る移動案内システム(1)は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の移動案内システムであって、前記案内設定手段(13)は、前記基準目印と前記案内目印とが同じ種類の対象物の場合、又は前記基準目印と前記案内目印とが異なる種類の対象物であって
前記基準目印が信号機又は分岐点の場合には、前記第1フレーズを、前記基準目印の種類を特定するフレーズの前に該基準目印
の前記移動体の通過状況を示すフレーズを付加したフレーズに決定することを特徴とする。
【0013】
また、請求項
6に係る移動案内システム(1)は、請求項1乃至請求項
5のいずれかに記載の移動案内システムであって、前記案内設定手段(13)は、前記分岐点案内手段(13)による案内が行われている間に前記移動体(51)が前記基準目印を通過完了しない場合には、前記第1フレーズを、前記基準目印を将来的に前記移動体が通過する目印であることを示すフレーズに
決定することを特徴とする。
【0014】
また、請求項
7に係る移動案内システム(1)は、請求項1乃至請求項
6のいずれかに記載の移動案内システムであって、前記案内設定手段(13)は、前記分岐点案内手段(13)による案内が行われている間に前記移動体(51)が前記基準目印を通過完了する場合には、前記第1フレーズを、前記基準目印を前記移動体が現在通過中の目印であることを示すフレーズに
決定することを特徴とする。
【0015】
また、請求項8に係る移動案内装置(1)は、移動体(51)の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点(52)を設定する案内経路設定手段(13)と、前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側にあって、前記案内分岐点の案内を行う目印とする基準目印を設定する基準目印設定手段(13)と、前記案内分岐点の周辺にあって、前記案内分岐点の案内を行う目印とする案内目印を設定する案内目印設定手段(13)と、前記基準目印及び前記案内目印の位置をそれぞれ取得する目印位置取得手段と、前記基準目印及び前記案内目印の位置に基づいて、前記案内分岐点における案内を設定する案内設定手段(13)と、前記案内設定手段により設定された前記案内により前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内手段(13)と、を有し、前記基準目印設定手段は、前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側に前記基準目印の候補となる対象物が複数ある場合には、最も出発地側にある前記対象物を前記基準目印に設定し、前記基準目印及び前記案内目印の候補となる対象物は複数種類あって、前記案内設定手段は、前記基準目印と前記案内目印とが同一種類か否かを判定し、前記移動体と前記基準目印との位置関係を特定する第1フレーズと、前記基準目印と前記案内目印との位置関係を特定する第2フレーズとを前記判定の結果に基づいて決定し、決定された前記第1フレーズ及び前記第2フレーズをそれぞれ含む案内を設定
し、前記基準目印と前記案内目印とが同じ種類の対象物の場合、又は前記基準目印と前記案内目印とが異なる種類の対象物であって前記基準目印が信号機又は分岐点の場合には、前記第1フレーズを、前記基準目印の種類を特定するフレーズに対して該基準目印の前記移動体の通過状況を示すフレーズを付加したフレーズに決定し、前記基準目印と前記案内目印とが異なる種類の対象物であって前記基準目印が信号機でも分岐点でもない場合には、前記第1フレーズを、前記基準目印の前記移動体の通過状況を示すフレーズが付加されない前記基準目印の種類を特定するフレーズに決定することを特徴とする。
【0016】
また、請求項9に係る移動案内方法は、案内経路設定手段が、移動体(51)の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点(52)を設定するステップと、基準目印設定手段が、前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側にあって、前記案内分岐点の案内を行う目印とする基準目印を設定するステップと、案内目印設定手段が、前記案内分岐点の周辺にあって、前記案内分岐点の案内を行う目印とする案内目印を設定するステップと、目印位置取得手段が、前記基準目印及び前記案内目印の位置をそれぞれ取得するステップと、案内設定手段が、前記基準目印及び前記案内目印の位置に基づいて、前記案内分岐点における案内を設定するステップと、分岐点案内手段が、前記案内設定手段により設定された前記案内により前記案内分岐点の案内を行うステップと、を有し、前記基準目印設定手段は、前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側に前記基準目印の候補となる対象物が複数ある場合には、最も出発地側にある前記対象物を前記基準目印に設定し、前記基準目印及び前記案内目印の候補となる対象物は複数種類あって、前記案内設定手段は、前記基準目印と前記案内目印とが同一種類か否かを判定し、前記移動体と前記基準目印との位置関係を特定する第1フレーズと、前記基準目印と前記案内目印との位置関係を特定する第2フレーズとを前記判定の結果に基づいて決定し、決定された前記第1フレーズ及び前記第2フレーズをそれぞれ含む案内を設定
し、前記基準目印と前記案内目印とが同じ種類の対象物の場合、又は前記基準目印と前記案内目印とが異なる種類の対象物であって前記基準目印が信号機又は分岐点の場合には、前記第1フレーズを、前記基準目印の種類を特定するフレーズに対して該基準目印の前記移動体の通過状況を示すフレーズを付加したフレーズに決定し、前記基準目印と前記案内目印とが異なる種類の対象物であって前記基準目印が信号機でも分岐点でもない場合には、前記第1フレーズを、前記基準目印の前記移動体の通過状況を示すフレーズが付加されない前記基準目印の種類を特定するフレーズに決定することを特徴とする。
【0017】
更に、請求項10に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、移動体(51)の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点(52)を設定する案内経路設定手段と、前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側にあって、前記案内分岐点の案内を行う目印とする基準目印を設定する基準目印設定手段と、前記案内分岐点の周辺にあって、前記案内分岐点の案内を行う目印とする案内目印を設定する案内目印設定手段と、前記基準目印及び前記案内目印の位置をそれぞれ取得する目印位置取得手段と、前記基準目印及び前記案内目印の位置に基づいて、前記案内分岐点における案内を設定する案内設定手段と、前記案内設定手段により設定された前記案内により前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内手段と、して機能させる為のコンピュータプログラムであって、前記基準目印設定手段は、前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側に前記基準目印の候補となる対象物が複数ある場合には、最も出発地側にある前記対象物を前記基準目印に設定し、前記基準目印及び前記案内目印の候補となる対象物は複数種類あって、前記案内設定手段は、前記基準目印と前記案内目印とが同一種類か否かを判定し、前記移動体と前記基準目印との位置関係を特定する第1フレーズと、前記基準目印と前記案内目印との位置関係を特定する第2フレーズとを前記判定の結果に基づいて決定し、決定された前記第1フレーズ及び前記第2フレーズをそれぞれ含む案内を設定
し、前記基準目印と前記案内目印とが同じ種類の対象物の場合、又は前記基準目印と前記案内目印とが異なる種類の対象物であって前記基準目印が信号機又は分岐点の場合には、前記第1フレーズを、前記基準目印の種類を特定するフレーズに対して該基準目印の前記移動体の通過状況を示すフレーズを付加したフレーズに決定し、前記基準目印と前記案内目印とが異なる種類の対象物であって前記基準目印が信号機でも分岐点でもない場合には、前記第1フレーズを、前記基準目印の前記移動体の通過状況を示すフレーズが付加されない前記基準目印の種類を特定するフレーズに決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
前記構成を有する請求項1に記載の移動案内システムによれば、案内分岐点の案内を行う目印とする基準目印と案内目印とをそれぞれ設定し、車両と基準目印との位置関係を特定する第1フレーズと、基準目印と案内目印との位置関係を特定する第2フレーズとをそれぞれ含む案内により案内分岐点の案内を行うので、案内目印がユーザから遠方にある場合や目印が多数存在する場合等であっても、基準目印を基準とすることによって案内目印の位置を案内により容易に特定させることが可能となる。その結果、目印に基づいてユーザに案内分岐点を正確に特定させることが可能となる。
また、案内分岐点よりも案内経路の出発地側に基準目印となる対象物が複数ある場合には、最も出発地側にある対象物を基準目印に設定するので、ユーザから最も視認しやすい目印を基準にして案内目印を特定させることが可能となる。
【0019】
また、請求項2に記載の移動案内システムによれば、第1フレーズが第2フレーズよりも早く出力されるように案内を設定するので、基準目印と案内目印とが容易に識別でき、先に出力された基準目印を基準として案内目印をユーザに容易に特定させることが可能となる。
【0021】
また、請求項
3に記載の移動案内システムによれば、第1フレーズを、移動体と基準目印との位置関係とともに基準目印の種類を特定するフレーズに設定し、第2フレーズを、基準目印と案内目印との位置関係とともに案内目印の種類を特定するフレーズに設定するので、基準目印及び案内目印を他の目印と誤認させることなく、各目印をより確実にユーザに特定させることが可能となる。
【0022】
また、請求項
4に記載の移動案内システムによれば、基準目印から案内目印までの間に、案内目印と同じ種類の他の対象物がある場合には、第2フレーズを、基準目印から案内目印までに存在する対象物の数を特定するフレーズに設定するので、基準目印から案内目印までの間に案内目印と同じ種類の他の対象物がある場合であっても、案内目印を他の目印と誤認させることなく、確実にユーザに特定させることが可能となる。
【0023】
また、請求項5に記載の移動案内システムによれば、基準目印と案内目印とが同じ種類の対象物の場合、又は基準目印と案内目印とが異なる種類の対象物であって
基準目印が信号機又は分岐点の場合には、第1フレーズを、基準目印の種類を特定するフレーズの前に該基準目印
の移動体の通過状況を示すフレーズを付加したフレーズに設定するので、基準目印を最初に出力した場合であっても、基準目印を右左折対象の目印(即ち案内目印)と誤認識される虞がない。従って、基準目印の周辺の分岐点を案内分岐点であると誤認識される虞がない。
【0024】
また、請求項
6に記載の移動案内システムによれば、案内分岐点の案内が行われている間に移動体が基準目印を通過完了しない場合には、第1フレーズを、基準目印を将来的に移動体が通過する目印であることを示すフレーズに設定するので、分岐点の間隔が短い都心部等においても、ユーザに案内のフレーズが示す基準目印を他の目印と間違わせることなく正確に特定させることが可能となる。その結果、ユーザに案内分岐点を正確に特定させることを可能にする。
【0025】
また、請求項
7に記載の移動案内システムによれば、案内分岐点の案内が行われている間に移動体が基準目印を通過完了する場合には、第1フレーズを、基準目印を移動体が現在通過中の目印であることを示すフレーズに設定するので、分岐点の間隔が短い都心部等においても、ユーザに案内のフレーズが示す基準目印を他の目印と間違わせることなく正確に特定させることが可能となる。その結果、ユーザに案内分岐点を正確に特定させることを可能にする。
【0026】
また、請求項
8に記載の移動案内装置によれば、案内分岐点の案内を行う目印とする基準目印と案内目印とをそれぞれ設定し、車両と基準目印との位置関係を特定する第1フレーズと、基準目印と案内目印との位置関係を特定する第2フレーズとをそれぞれ含む案内により案内分岐点の案内を行うので、案内目印がユーザから遠方にある場合や目印が多数存在する場合等であっても、基準目印を基準とすることによって案内目印の位置を案内により容易に特定させることが可能となる。その結果、目印に基づいてユーザに案内分岐点を正確に特定させることが可能となる。
また、案内分岐点よりも案内経路の出発地側に基準目印となる対象物が複数ある場合には、最も出発地側にある対象物を基準目印に設定するので、ユーザから最も視認しやすい目印を基準にして案内目印を特定させることが可能となる。
【0027】
また、請求項
9に記載の移動案内方法によれば、案内分岐点の案内を行う目印とする基準目印と案内目印とをそれぞれ設定し、車両と基準目印との位置関係を特定する第1フレーズと、基準目印と案内目印との位置関係を特定する第2フレーズとをそれぞれ含む案内により案内分岐点の案内を行うので、案内目印がユーザから遠方にある場合や目印が多数存在する場合等であっても、基準目印を基準とすることによって案内目印の位置を案内により容易に特定させることが可能となる。その結果、目印に基づいてユーザに案内分岐点を正確に特定させることが可能となる。
また、案内分岐点よりも案内経路の出発地側に基準目印となる対象物が複数ある場合には、最も出発地側にある対象物を基準目印に設定するので、ユーザから最も視認しやすい目印を基準にして案内目印を特定させることが可能となる。
【0028】
更に、請求項
10に記載のコンピュータプログラムによれば、案内分岐点の案内を行う目印とする基準目印と案内目印とをそれぞれ設定させ、車両と基準目印との位置関係を特定する第1フレーズと、基準目印と案内目印との位置関係を特定する第2フレーズとをそれぞれ含む案内により案内分岐点の案内を行わせるので、案内目印がユーザから遠方にある場合や目印が多数存在する場合等であっても、基準目印を基準とすることによって案内目印の位置を案内により容易に特定させることが可能となる。その結果、目印に基づいてユーザに案内分岐点を正確に特定させることが可能となる。
また、案内分岐点よりも案内経路の出発地側に基準目印となる対象物が複数ある場合には、最も出発地側にある対象物を基準目印に設定するので、ユーザから最も視認しやすい目印を基準にして案内目印を特定させることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る移動案内システム及び移動案内装置をナビゲーション装置に具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るナビゲーション装置1の概略構成について
図1を用いて説明する。
図1は本実施形態に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
【0031】
図1に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置1は、ナビゲーション装置1が搭載された車両の現在位置を検出する現在位置検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU13と、ユーザからの操作を受け付ける操作部14と、ユーザに対して車両周辺の地図や施設の関する施設情報を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ17と、プローブセンタやVICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール18と、から構成されている。
【0032】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部11は、GPS21、車速センサ22、ステアリングセンサ23、ジャイロセンサ24等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ22は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU13に出力する。そして、ナビゲーションECU13は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記5種類のセンサをナビゲーション装置1が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置1が備える構成としても良い。
【0033】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB31や所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、データ記録部12をハードディスクの代わりにメモリーカードやCDやDVD等の光ディスクにより構成しても良い。
【0034】
ここで、地図情報DB31は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ33、ノード点に関するノードデータ34、各分岐点に関する分岐点データ35、目印に関する目印データ36、施設等の地点に関する地点データ、地図を表示するための地図表示データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
【0035】
ここで、リンクデータ33としては、例えば、該リンクを識別するリンクID、該リンクの端部に位置するノードを特定する端部ノード情報、該リンクを構成する道路の道路種別、車線数等が記憶される。また、ノードデータ34としては、該ノードを識別するノードID、該ノードの位置座標、該ノードがリンクを介して接続される接続先ノードを特定する接続先ノード情報等が記憶される。また、分岐点データ35としては、該分岐点(交差点)を形成するノードを特定する該当ノード情報、該分岐点に接続されるリンク(以下、接続リンクという)を特定する接続リンク情報等が記憶される。
【0036】
尚、目印データ36としては、案内交差点の案内を行う場合に目印となり得る対象物(以下、目印対象物候補という)が記憶される。ここで、目印対象物候補としては、例えば分岐点、信号機、ランドマーク等がある。また、ランドマークとしては、遠方からも識別可能な施設(例えば、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、ファーストフード店等)や構造物(例えば、歩道橋等)、該施設の看板等が該当する。そして、目印データ36は、全国にある目印対象物候補毎に目印対象物候補の種類(名称)と位置座標と分岐点の周辺に位置する場合には該分岐点を識別するIDとが記憶されている(但し、目印対象物候補の内、分岐点に関しては分岐点データ35に記憶される)。尚、ランドマークとしては、分岐点から所定範囲内(例えば半径100m以内)に位置する物のみを記憶対象としても良い。
【0037】
ここで、
図2は地図情報DB31に記憶される目印データ36の一例を示した図である。
図2に示すように目印データ36は、目印対象物候補の種類(名称)と、目印対象物が分岐点の周辺に位置する場合において該分岐点を識別する識別IDと、目印対象物候補が位置する位置座標とがそれぞれ対応付けて記憶されている。
例えば、目印対象物候補として信号機がID「10001」の分岐点に設置されており、その設置位置が(X1,Y1)であることを示している。また、目印対象物候補として「コンビニ○○の看板」が(X3,Y3)に設置されていることを示している。同様に他の目印対象物候補に関する情報も記憶されている。尚、一の分岐点に対して複数の信号機が設置されている場合には、複数の信号機毎に上記目印データ36を記憶しても良いし、特定の信号機のみ記憶する構成としても良い。例えば、分岐点からの退出方向毎に、最も退出側にある信号機(即ち車両が分岐点を通過する際に、その分岐点で最後に視認できる信号機であり、以下、退出側信号機という)のみを記憶する構成としても良い。また、分岐点からの進入方向毎に、最も進入側(即ち出発地側)にある信号機(即ち車両が最初に視認できる信号機であり、以下、進入側信号機という)のみを記憶する構成としても良い。
【0038】
また、目印データ36には、目印対象物候補の種類毎に、案内交差点の音声案内に用いられる音声フレーズの内、目印対象物候補をユーザに特定させるための音声フレーズが記憶されている。例えば、「コンビニ○○の看板」の目印対象物候補をユーザに特定させるための音声フレーズとしては『コンビニ○○を』が記憶され、「信号機」の目印対象物候補をユーザに特定させるための音声フレーズとしては『信号を』が記憶される。同様にして、他の目印対象物候補についても記憶されている。
そして、ナビゲーションECU13は、後述のように地図情報DB31に記憶された目印データ36に基づいて、車両の進行方向前方にある案内分岐点を案内する為の基準目印と案内目印をそれぞれ設定する。そして、設定された基準目印や案内目印に基づいて、車両の進行方向前方にある案内分岐点の案内を設定する。尚、案内分岐点とは、ナビゲーション装置1に設定されている案内経路に従ってナビゲーション装置1が走行の案内を行う際に、右左折指示等の案内を行う対象となる分岐点である。
【0039】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の分岐点案内処理プログラム(
図3、
図4、
図6、
図7、
図9、
図10参照)等が記録されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。尚、ナビゲーションECU13は、処理アルゴリズムとしての各種手段を構成する。例えば、案内経路設定手段は、車両(移動体)の移動を案内する出発地(例えば、車両の現在位置)から目的地までの案内経路及び案内分岐点を設定する。基準目印設定手段は、案内分岐点よりも案内経路の出発地側にあって、案内分岐点の案内を行う目印とする基準目印を設定する。案内目印設定手段は、案内分岐点の周辺にあって、案内分岐点の案内を行う目印とする案内目印を設定する。目印位置取得手段は、基準目印及び案内目印の位置をそれぞれ取得し、案内設定手段は、基準目印及び案内目印の位置に基づいて、案内分岐点における案内を設定する。分岐点案内手段は、案内設定手段により設定された案内により案内分岐点の案内を行う。
【0040】
操作部14は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーションECU13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部14は液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。また、マイクと音声認識装置によって構成することもできる。
【0041】
また、液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの案内経路、案内経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。特に本実施形態では、案内分岐点が車両の進行方向前方の所定距離以内(例えば300m)に接近した場合には、案内分岐点付近の拡大図や車両の案内分岐点における進行方向について表示する。
【0042】
また、スピーカ16は、ナビゲーションECU13からの指示に基づいて案内経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。特に本実施形態では、案内分岐点が車両の進行方向前方にある場合には、案内内容に基づく所定の案内の開始タイミング(例えば、「これから通過する信号の、2つ目の信号を左方向です」との音声案内を出力する場合には、基準目印となる信号機から100m手前に到達したタイミング)で案内分岐点の音声案内を出力する。
【0043】
また、DVDドライブ17は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、地図情報DB31の更新等が行われる。
【0044】
また、通信モジュール18は、交通情報センタ、例えば、VICSセンタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。
【0045】
続いて、前記構成を有するナビゲーション装置1においてナビゲーションECU13が実行する分岐点案内処理プログラムについて
図5に基づき説明する。
図5は本実施形態に係る分岐点案内処理プログラムのフローチャートである。ここで、分岐点案内処理プログラムは車両のACCがONされた後に所定間隔(例えば車両の現在位置の検出周期毎)で繰り返し実行され、案内経路上にある案内分岐点に対する案内を行うプログラムである。尚、以下の
図3、
図4、
図6、
図7、
図9、
図10にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
【0046】
先ず、分岐点案内処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU41は、ナビゲーション装置1において設定された案内経路に基づく経路案内が行われているか否か判定する。ここで、案内経路は、出発地(例えば自車の現在位置)からユーザに選択された目的地までの推奨経路であり、経路探索処理の結果に基づいて設定される。また、経路探索処理は、地図情報DB31に記憶されたリンクデータ33やノードデータ34、VICSセンタから取得した交通情報等を用いて、公知のダイクストラ法等により行われる。
【0047】
そして、ナビゲーション装置1において設定された案内経路に基づく経路案内が行われていると判定された場合(S1:YES)には、S2へと移行する。それに対して、ナビゲーション装置1において設定された案内経路に基づく経路案内が行われていないと判定された場合(S1:NO)には、当該分岐点案内処理プログラムを終了する。
【0048】
S2においてCPU41は、車両の現在位置を現在位置検出部11の検出結果に基づいて取得する。尚、車両の現在位置を地図データ上で特定するマップマッチング処理についても行う。更に、車両の現在位置は、高精度ロケーション技術を用いて詳細に特定することが望ましい。ここで、高精度ロケーション技術とは、車両後方のカメラから取り込んだ白線や路面ペイント情報を画像認識により検出し、更に、白線や路面ペイント情報を予め記憶した地図情報DBと照合することにより、走行車線や高精度な車両位置を検出可能にする技術である。尚、高精度ロケーション技術の詳細については既に公知であるので省略する。
【0049】
次に、S3においてCPU41は、ナビゲーション装置1において設定されている案内経路(案内経路中の案内分岐点を含む)を取得する。
【0050】
続いて、S4においてCPU41は、前記S2で取得した車両の現在位置と前記S3で取得した案内経路に基づいて、車両の進行方向前方の所定距離以内(例えば、1.47km以内)に案内分岐点が有るか否か判定する。尚、案内分岐点とは、前記したようにナビゲーション装置1に設定された案内経路に従ってナビゲーション装置1が走行の案内を行う際に、右左折指示等の案内を行う対象となる分岐点である。
【0051】
そして、車両の進行方向前方の所定距離以内に案内分岐点が有ると判定された場合(S4:YES)には、S5へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方の所定距離以内に案内分岐点が無いと判定された場合(S4:NO)には、当該分岐点案内処理プログラムを終了する。
【0052】
S5においてCPU41は、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内が既に行われたか否か判定する。尚、前記S5では、案内分岐点に対する案内の内、特に案内分岐点での右左折等を指示する音声案内が行われたか否かを判定する。
【0053】
そして、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内が既に行われたと判定された場合(S5:YES)には、当該分岐点案内処理プログラムを終了する。それに対して、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内が行われていないと判定された場合(S5:NO)には、S6へと移行する。
【0054】
S6においてCPU41は、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内が、後述の案内設定処理(S7)において既に設定されたか否か判定する。尚、前記S6では、案内分岐点に対する案内の内、特に案内分岐点での右左折等を指示する音声案内が設定されたか否かを判定する。
【0055】
そして、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内が既に設定されたと判定された場合(S6:YES)には、S8へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内がまだ設定されていないと判定された場合(S6:NO)には、S7へと移行する。
【0056】
S7においてCPU41は、後述の案内設定処理(
図4)を実行する。尚、案内設定処理は、後述のように基準目印と案内目印をそれぞれ設定するとともに、設定された基準目印と案内目印に基づいて、車両の進行方向前方に位置する案内分岐点を案内する為の最適な案内フレーズを生成し、案内として設定する処理である。
【0057】
S8においてCPU41は、前記S7で設定された車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内を行う案内開始地点が、後述のS9において既に設定されたか否か判定する。尚、案内開始地点は、後述のように車両において案内を開始するタイミングを特定するものであり、CPU41は車両が案内開始地点に到達したタイミングで案内分岐点に対する案内を行うように制御する。
【0058】
そして、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内を行う案内開始地点が既に設定されたと判定された場合(S8:YES)には、S10へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内を行う案内開始地点がまだ設定されていないと判定された場合(S8:NO)には、S9へと移行する。
【0059】
S9においてCPU41は、前記S7で設定された車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内を行う案内開始地点を設定する。尚、案内開始地点は案内フレーズの内容や案内分岐点までの距離等によって適宜設定することが可能であるが、例えば、基準目印に設定された対象物(信号機、交差点、ランドマーク(店舗、店舗の看板、構造物)等)の所定距離手前(例えば100m手前)を案内開始地点に設定する。また、設定された案内開始地点に車両が到達したタイミングで案内を開始した場合に、適切な期間内(例えば、案内目印に車両が到達するまでの間)で案内を終了できないと判定された場合には、案内を行わないようにしたり、目印を用いない他の案内(例えば、案内分岐点までの距離を用いた案内)に切り替えて案内を行うことが望ましい。
【0060】
次に、S10においてCPU41は、前記S9で設定された案内開始地点に車両が到達したか否か判定される。
【0061】
そして、前記S9で設定された案内開始地点に車両が到達したと判定された場合(S10:YES)には、S11へと移行する。それに対して、前記S9で設定された案内開始地点に車両が到達していないと判定された場合(S10:NO)には、当該分岐点案内処理プログラムを終了する。
【0062】
S11においてCPU41は、前記S7で案内に設定された案内候補に基づいて、案内分岐点に関する案内を行う。具体的には、案内分岐点を特定させる案内と車両の案内分岐点での退出方向を特定する案内(即ち、車両が案内分岐点から退出する退出道路を特定させる為の案内)を行う。例えば、前記S7において基準目印及び基準目印として信号機が設定された場合であって、案内中に車両が基準目印を通過完了せず、基準目印から案内目印までに存在する信号機(又は信号機の設置された分岐点)の数が、該基準目印を除き該案内目印を含めて2つである場合には、車両が案内開始地点に到達したタイミングで「これから通過する信号の、2つ目の信号を左(右)方向です」とのフレーズをスピーカ16から出力する。更に、案内分岐点が車両の所定距離以内(例えば300m)に接近した場合には、案内分岐点付近の拡大図や車両の案内分岐点における進行方向について液晶ディスプレイ15に表示する。
その結果、案内分岐点及び該案内分岐点から車両が退出する道路をユーザに正確に特定させることが可能となる。
【0063】
次に、前記S7において実行される案内設定処理のサブ処理について
図4に基づき説明する。
図4は案内設定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【0064】
先ず、S21においてCPU41は、車両の現在位置から案内分岐点までの案内経路沿い(案内分岐点の周辺も含む)にある目印対象物候補を地図情報DB31から抽出する。ここで、目印対象物候補とは、案内交差点の案内を行う場合に目印となり得る対象物であり、信号機、交差点、ランドマーク(店舗、店舗の看板、構造物)等が該当する。また、全国にある目印対象物候補に関する情報(種別や位置情報等)は、目印データ36として予め地図情報DB31に記憶されている(
図2参照)。
【0065】
次に、S22においてCPU41は、後述の基準目印設定処理(
図6)を実行する。尚、基準目印設定処理は、前記S21で抽出された目印対象物候補から、案内分岐点よりも案内経路の出発地側にあって、案内分岐点の案内を行う目印とする基準目印を設定する処理である。
【0066】
続いて、S23においてCPU41は、後述の案内目印設定処理(
図7)を実行する。尚、案内目印設定処理は、前記S21で抽出された目印対象物候補から、案内分岐点の周辺にあって、案内分岐点の案内を行う目印とする案内目印を設定する処理である。
【0067】
その後、S24においてCPU41は、前記S22及び前記S23で設定された基準目印及び案内目印に関する情報(種別、位置情報、目印が設置された分岐点のID等)を地図情報DB31から読み出し、RAM42等に格納する。
【0068】
次に、S25においてCPU41は、前記S3で取得された案内経路と地図情報に基づいて、車両の進行方向前方に位置する案内分岐点の案内方向(即ち、案内分岐点からの車両の退出方向)を決定する。尚、案内方向としては例えば、右(左)方向、斜め右(左)方向、右(左)手前方向等がある。
【0069】
その後、S26においてCPU41は、前記S22の基準目印設定処理において基準目印が設定されたか否か判定する。
【0070】
そして、基準目印が設定されたと判定された場合(S26:YES)には、S27へと移行する。それに対して、基準目印が設定されていないと判定された場合(S26:NO)には、S30へと移行する。
【0071】
また、S27においてCPU41は、後述の第1フレーズ決定処理(
図9)を実行する。尚、第1フレーズ決定処理は、前記S22で設定された基準目印に基づいて、車両と基準目印との位置関係を特定する第1フレーズ(第1句)を決定する処理である。尚、後述のように前記S27で決定された第1フレーズと後述のS28で決定された第2フレーズ(第2句)との組合せに基づいて、案内分岐点の案内フレーズが生成され、生成された案内フレーズにより車両の進行方向前方にある案内分岐点の案内が設定される。
【0072】
次に、S28においてCPU41は、後述の第2フレーズ決定処理(
図10)を実行する。尚、第2フレーズ決定処理は、前記S22で設定された基準目印と前記S23で設定された案内目印とに基づいて、基準目印と案内目印との位置関係を特定する第2フレーズを決定する処理である。
【0073】
その後、S29においてCPU41は、前記S27で決定された“第1フレーズ”と前記S28で決定された“第2フレーズ”と前記S25で決定された案内方向を示すフレーズ(以下、“案内方向フレーズ”という)との組合せによって、案内分岐点の案内フレーズを生成する。具体的には、“第1フレーズ”が“第2フレーズ”よりも早く出力されるように、“第1フレーズ”の後に“第2フレーズ”をつなぎ合わせ、その後に更に“案内方向フレーズ”を追加することにより、案内分岐点の案内フレーズを生成する。
【0074】
例えば、“第1フレーズ”が「これから通過する信号の」であって、“第2フレーズ”が「2つ目の信号を」であって、“案内方向フレーズ”が「左方向です」である場合には、前記S29で生成される案内フレーズは、
図5に示すように「これから通過する信号の、2つ目の信号を左方向です」となる。その結果、案内フレーズを聞いたユーザは、案内分岐点がこれから通過する信号機の更に2つ先にある信号機が設置された分岐点であり、該案内分岐点を左折する必要があることを把握することが可能となる。
【0075】
また、“第1フレーズ”が「通過中のコンビニ○○の」であって、“第2フレーズ”が「次の分岐を」であって、“案内方向フレーズ”が「右方向です」である場合には、前記S29で生成される案内フレーズは、
図5に示すように「通過中のコンビニ○○の、次の分岐を右方向です」となる。その結果、案内フレーズを聞いたユーザは、案内分岐点が現在通過中の施設である『コンビニ○○』の次にある分岐点であり、該案内分岐点を右折する必要があることを把握することが可能となる。
【0076】
一方、S30においてCPU41は、前記S23で設定された案内目印と車両から案内目印までの距離と“案内方向フレーズ”とに基づいて、案内分岐点の案内フレーズを生成する。具体的には、車両から案内目印までの距離と案内目印の種類をそれぞれ特定するフレーズの後に“案内方向フレーズ”を追加することにより、案内分岐点の案内フレーズを生成する。
【0077】
例えば、案内目印が信号機であって、“案内方向フレーズ”が「左方向です」である場合には、前記S30で生成される案内フレーズは、「700m先(又は300m先)の信号を左方向です」となる。その結果、案内フレーズを聞いたユーザは、案内分岐点がこれから700m先(又は300m先)の信号機が設置された分岐点であり、該案内分岐点を左折する必要があることを把握することが可能となる。尚、前記S30で案内フレーズが生成された場合には、案内開始点は案内フレーズ中に含まれる距離に対応した地点(例えば、案内目印から750m手前の地点)となる。
【0078】
続いて、S31においてCPU41は、前記S29で生成された案内フレーズをRAM42等に格納する。そして、格納した案内フレーズを出力する案内を、車両の進行方向前方に位置する案内分岐点を案内する為の案内として設定する。その後、S8へと移行する。
【0079】
次に、前記S22において実行される基準目印設定処理のサブ処理について
図6に基づき説明する。
図6は基準目印設定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【0080】
先ず、S41においてCPU41は、前記S21で抽出された目印対象物候補に基づいて、案内分岐点よりも案内経路の出発地側に、目印対象物候補として信号機が有るか否か判定する。尚、案内分岐点の周辺にある信号機(例えば案内分岐点に設置された信号機)は判定対象から除かれる。
【0081】
そして、案内分岐点よりも案内経路の出発地側に、目印対象物候補として信号機が有ると判定された場合(S41:YES)には、S42へと移行する。それに対して、案内分岐点よりも案内経路の出発地側に、目印対象物候補として信号機が存在しないと判定された場合(S41:NO)には、S43へと移行する。
【0082】
S42においてCPU41は、基準目印として案内分岐点よりも案内経路の出発地側にある信号機を設定する。尚、該当する信号機が複数ある場合には、最も出発地側にある信号機を基準目印に設定する。その後、S23へと移行する。
【0083】
S43においてCPU41は、前記S21で抽出された目印対象物候補に基づいて、案内分岐点よりも案内経路の出発地側に、目印対象物候補としてランドマーク(店舗、店舗の看板、構造物等)が有るか否か判定する。尚、案内分岐点の周辺(例えば50m以内)にあるランドマークは判定対象から除かれる。
【0084】
そして、案内分岐点よりも案内経路の出発地側に、目印対象物候補としてランドマークが有ると判定された場合(S43:YES)には、S44へと移行する。それに対して、案内分岐点よりも案内経路の出発地側に、目印対象物候補としてランドマークが存在しないと判定された場合(S43:NO)には、S45へと移行する。
【0085】
S44においてCPU41は、基準目印として案内分岐点よりも案内経路の出発地側にあるランドマークを設定する。尚、該当するランドマークが複数ある場合には、最も出発地側にあるランドマークを基準目印に設定する。その後、S23へと移行する。
【0086】
S45においてCPU41は、前記S21で抽出された目印対象物候補に基づいて、案内分岐点よりも案内経路の出発地側に、目印対象物候補として分岐点が有るか否か判定する。尚、案内分岐点は判定対象から除かれる。
【0087】
そして、案内分岐点よりも案内経路の出発地側に、目印対象物候補として分岐点が有ると判定された場合(S45:YES)には、S46へと移行する。それに対して、案内分岐点よりも案内経路の出発地側に、目印対象物候補として分岐点が存在しないと判定された場合(S45:NO)には、S47へと移行する。
【0088】
S46においてCPU41は、基準目印として案内分岐点よりも案内経路の出発地側にある分岐点を設定する。尚、該当する分岐点が複数ある場合には、最も出発地側にある分岐点を基準目印に設定する。その後、S23へと移行する。一方、S47でCPU41は、基準目印を設定せずにS23へと移行する。
【0089】
次に、前記S23において実行される案内目印設定処理のサブ処理について
図7に基づき説明する。
図7は案内目印設定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【0090】
先ず、S51においてCPU41は、前記S21で抽出された目印対象物候補に基づいて、案内分岐点の周辺に目印対象物候補として信号機が有るか否か、即ち、案内分岐点に信号機が設置されているか否か判定する。
【0091】
そして、案内分岐点の周辺に目印対象物候補として信号機が有ると判定された場合(S51:YES)には、S52へと移行する。それに対して、案内分岐点の周辺に目印対象物候補として信号機が存在しないと判定された場合(S51:NO)には、S53へと移行する。
【0092】
S52においてCPU41は、案内目印として案内分岐点の周辺にある信号機を設定する。尚、該当する信号機が複数ある場合には、最も出発地側にある信号機(進入側信号機)を案内目印に設定する。その後、S24へと移行する。
【0093】
S53においてCPU41は、前記S21で抽出された目印対象物候補に基づいて、案内分岐点の周辺(例えば50m以内)に目印対象物候補としてランドマーク(店舗、店舗の看板、構造物等)が有るか否か判定する。
【0094】
そして、案内分岐点の周辺に目印対象物候補としてランドマークが有ると判定された場合(S53:YES)には、S54へと移行する。それに対して、案内分岐点の周辺に目印対象物候補としてランドマークが存在しないと判定された場合(S53:NO)には、S55へと移行する。
【0095】
S54においてCPU41は、案内目印として案内分岐点の周辺にあるランドマークを設定する。尚、該当するランドマークが複数ある場合には、出発地側及び案内方向側にあるランドマークを優先的に案内目印に設定する。その後、S24へと移行する。
【0096】
一方、S55においてCPU41は、案内目印として案内分岐点を設定する。その後、S24へと移行する。
【0097】
従って、例えば
図8に示すように、車両51の進行方向前方に案内分岐点52が存在する場合であって、案内分岐点52よりも案内経路の出発地側に、目印対象物候補として信号機53、54、ランドマーク55、分岐点56、57が有る場合には、信号機53が基準目印として設定されることとなる。また、案内分岐点52の周辺に信号機58とランドマーク59がある場合には、信号機58が案内目印に設定されることとなる。
【0098】
次に、前記S27において実行される第1フレーズ決定処理のサブ処理について
図9に基づき説明する。
図9は第1フレーズ決定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【0099】
先ず、S61においてCPU41は、前記S22で設定された基準目印と前記S23で設定された案内目印とが同じ種類の目印であるか否か判定する。尚、目印の種類としては、例えば、信号機、ランドマーク、分岐点がある。
【0100】
そして、前記S22で設定された基準目印と前記S23で設定された案内目印とが同じ種類の目印であると判定された場合(S61:YES)には、S64へと移行する。それに対して、前記S22で設定された基準目印と前記S23で設定された案内目印とが異なる種類の目印であると判定された場合(S61:NO)には、S62へと移行する。
【0101】
S62においてCPU41は、前記S22で設定された基準目印が信号機又は分岐点であるか否か判定する。
【0102】
そして、前記S22で設定された基準目印が信号機又は分岐点であると判定された場合(S62:YES)には、S64へと移行する。それに対して、前記S22で設定された基準目印が信号機でも分岐点でもないと判定された場合(S62:NO)、例えば基準目印がランドマークであると判定された場合には、S63へと移行する。
【0103】
S63においてCPU41は、第1フレーズを「○○(基準目印を示すフレーズ)を通過して」に決定する。即ち、前記S63で決定される第1フレーズは、車両の前方にある基準目印の種類を示すフレーズとなる。尚、基準目印と案内目印が同じ種類ではなく、基準目印と同じ種類の目印の内、最も出発地側(即ち車両側)にある目印が基準目印となるので、基準目印の種類のみ案内すれば、基準目印をユーザに確実に特定させることが可能となる。また、基準目印が信号機や分岐点ではないので、基準目印の種類を特定するフレーズの前に該基準目印が通過対象であることを示すフレーズ(例えば、「これから通過する」や「通過中の」)を付加せず、基準目印を最初に出力した場合であっても、基準目印を右左折対象の目印(案内目印)と誤認識される虞はない(即ち、基準目印の周辺の分岐点を案内分岐点であると誤認識される虞はない)。
【0104】
一方、S64においてCPU41は、案内開始点(例えば、基準目印の所定距離手前)で案内の出力を開始したと仮定した場合において、案内の出力中に前記S23で設定された基準目印を車両が通過するか否か判定する。
【0105】
そして、案内の出力中に前記S23で設定された基準目印を車両が通過すると判定された場合(S64:YES)には、S65へと移行する。それに対して、案内の出力中に前記S23で設定された基準目印を車両が通過しないと判定された場合(S64:NO)、即ち、基準目印を車両が通過する前又は通過中に案内の出力が終了すると判定された場合には、S66へと移行する。
【0106】
S65においてCPU41は、第1フレーズを「通過中の○○(基準目印を示すフレーズ)の」に決定する。即ち、前記S65で決定される第1フレーズは、車両の前方にある基準目印の種類とともに車両と基準目印との位置関係、より具体的には基準目印を車両が現在通過中の目印であることを示すフレーズとなる。尚、基準目印と案内目印が同じ種類であっても、案内中に車両が通過する目印が基準目印となるので、「通過中の」とのフレーズを付加することにより、基準目印をユーザに確実に特定させることが可能となる。また、基準目印が信号機や分岐点であっても、基準目印の種類を特定するフレーズの前に該基準目印が通過対象であることを示すフレーズ(「通過中の」)を付加するので、基準目印を最初に出力した場合であっても、基準目印を右左折対象の目印(案内目印)と誤認識される虞がない(即ち、基準目印の周辺の分岐点を案内分岐点であると誤認識される虞はない)。
【0107】
一方、S66においてCPU41は、第1フレーズを「これから通過する○○(基準目印を示すフレーズ)の」に決定する。即ち、前記S66で決定される第1フレーズは、車両の前方にある基準目印の種類とともに車両と基準目印との位置関係、より具体的には基準目印を将来的に車両が通過する目印であることを示すフレーズとなる。尚、基準目印と案内目印が同じ種類であっても、案内後の最初に車両が通過する目印が基準目印となるので、「これから通過する」とのフレーズを付加することにより、基準目印をユーザに確実に特定させることが可能となる。また、基準目印が信号機や分岐点であっても、基準目印の種類を特定するフレーズの前に該基準目印が通過対象であることを示すフレーズ(「これから通過する」)を付加するので、基準目印を最初に出力した場合であっても、基準目印を右左折対象の目印(案内目印)と誤認識される虞がない(即ち、基準目印の周辺の分岐点を案内分岐点であると誤認識される虞はない)。
【0108】
次に、前記S28において実行される第2フレーズ決定処理のサブ処理について
図10に基づき説明する。
図10は第2フレーズ決定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【0109】
先ず、S71においてCPU41は、基準目印から案内目印までの間に、案内目印と同じ種類の他の目印があるか否か判定する。
【0110】
そして、基準目印から案内目印までの間に、案内目印と同じ種類の他の目印があると判定された場合(S71:YES)には、S72へと移行する。それに対して、基準目印から案内目印までの間に、案内目印と同じ種類の他の目印が無いと判定された場合(S71:NO)には、S73へと移行する。
【0111】
S72においてCPU41は、第2フレーズを「Mつ目の××(案内目印を示すフレーズ)を」に決定する。ここで、Mは、基準目印から案内目印までの間にある案内目印と同じ種類の目印(基準目印は含まず、案内目印は含む)の数を示す。即ち、前記S72で決定される第2フレーズは、車両の前方にある案内目印の種類と、基準目印と案内目印との位置関係を示すフレーズとなる。尚、基準目印と案内目印との間に案内目印と同じ種類の目印があっても、案内されたMの値を参照することによって、基準目印に基づいて案内目印をユーザに確実に特定させることが可能となる。
【0112】
一方、S73においてCPU41は、前記S22で設定された基準目印と前記S23で設定された案内目印とが同じ種類の目印であるか否か判定する。尚、目印の種類としては、例えば、信号機、ランドマーク、分岐点がある。
【0113】
そして、前記S22で設定された基準目印と前記S23で設定された案内目印とが同じ種類の目印であると判定された場合(S73:YES)には、S76へと移行する。それに対して、前記S22で設定された基準目印と前記S23で設定された案内目印とが異なる種類の目印であると判定された場合(S73:NO)には、S74へと移行する。
【0114】
S74においてCPU41は、前記S23で設定された案内目印が信号機又は分岐点であるか否か判定する。
【0115】
そして、前記S23で設定された案内目印が信号機又は分岐点であると判定された場合(S74:YES)には、S76へと移行する。それに対して、前記S23で設定された案内目印が信号機でも分岐点でもないと判定された場合(S74:NO)、例えば案内目印がランドマークであると判定された場合には、S75へと移行する。
【0116】
S75においてCPU41は、第2フレーズを「××(案内目印を示すフレーズ)を」に決定する。即ち、前記S75で決定される第2フレーズは、車両の前方にある案内目印の種類を示すフレーズとなる。尚、基準目印と案内目印が同じ種類ではなく、基準目印と案内目印との間に案内目印と同じ種類の目印も無く、案内目印が信号機でも分岐点でもないので、案内目印の種類のみ案内すれば、基準目印に基づいて案内目印をユーザに確実に特定させることが可能となる。
【0117】
一方、S76においてCPU41は、第2フレーズを「次の××(案内目印を示すフレーズ)を」に決定する。即ち、前記S76で決定される第2フレーズは、車両の前方にある案内目印の種類と、基準目印と案内目印との位置関係を示すフレーズとなる。尚、基準目印と案内目印が同じ種類であったり、案内目印が信号機や分岐点であっても、基準目印と案内目印との間に案内目印と同じ種類の目印が他に無いので、案内目印の種類と案内目印が基準目印の次にある目印であることを案内すれば、基準目印に基づいて案内目印をユーザに確実に特定させることが可能となる。その後、S29へと移行する。
【0118】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1を用いた移動案内方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラムによれば、分岐点、信号機、ランドマーク等の目印対象物候補の内から、案内分岐点よりも案内経路の出発地側にあって、案内分岐点の案内を行う目印とする基準目印を設定し(S22)、案内分岐点の周辺にあって、案内分岐点の案内を行う目印とする案内目印を設定し(S23)、車両の進行方向前方にある案内分岐点の案内として、車両と基準目印との位置関係を特定する第1フレーズと、基準目印と案内目印との位置関係を特定する第2フレーズとをそれぞれ含む案内を設定し(S27〜S29)、設定した案内により案内分岐点の案内を行う(S11)ように構成するので、案内目印がユーザから遠方にある場合や目印が多数存在する場合等であっても、基準目印を基準とすることによって案内目印の位置を案内により容易に特定させることが可能となる。その結果、目印に基づいてユーザに案内分岐点を正確に特定させることが可能となる。
また、第1フレーズが第2フレーズよりも早く出力されるように案内を設定するので、基準目印と案内目印とが容易に識別でき、先に出力された基準目印を基準として案内目印をユーザに容易に特定させることが可能となる。
また、案内分岐点よりも案内経路の出発地側に基準目印となる対象物が複数ある場合には、最も出発地側にある対象物を基準目印に設定するので、ユーザから最も視認しやすい目印を基準にして案内目印を特定させることが可能となる。
また、第1フレーズを、車両と基準目印との位置関係とともに基準目印の種類を特定するフレーズに設定し、第2フレーズを、基準目印と案内目印との位置関係とともに案内目印の種類を特定するフレーズに設定するので、基準目印及び案内目印を他の目印と誤認させることなく、各目印をより確実にユーザに特定させることが可能となる。
また、基準目印から案内目印までの間に、案内目印と同じ種類の他の対象物がある場合には、第2フレーズを、基準目印から案内目印までに存在する対象物の数を特定するフレーズに設定するので、基準目印から案内目印までの間に案内目印と同じ種類の他の対象物がある場合であっても、案内目印を他の目印と誤認させることなく、確実にユーザに特定させることが可能となる。
また、基準目印と案内目印とが同じ種類の対象物の場合、又は基準目印と案内目印とが異なる種類の対象物であって該案内目印が信号機又は分岐点の場合には、第1フレーズを、基準目印の種類を特定するフレーズの前に該基準目印が通過対象であることを示すフレーズを付加したフレーズに設定するので、基準目印を最初に出力した場合であっても、基準目印を右左折対象の目印(即ち案内目印)と誤認識される虞がない。従って、基準目印の周辺の分岐点を案内分岐点であると誤認識される虞がない。
また、案内分岐点の案内が行われている間に車両が基準目印を通過完了しない場合には、第1フレーズを、基準目印を将来的に車両が通過する目印であることを示すフレーズに設定するので、分岐点の間隔が短い都心部等においても、ユーザに案内のフレーズが示す基準目印を他の目印と間違わせることなく正確に特定させることが可能となる。その結果、ユーザに案内分岐点を正確に特定させることを可能にする。
また、案内分岐点の案内が行われている間に車両が基準目印を通過完了する場合には、第1フレーズを、基準目印を車両が現在通過中の目印であることを示すフレーズに設定するので、分岐点の間隔が短い都心部等においても、ユーザに案内のフレーズが示す基準目印を他の目印と間違わせることなく正確に特定させることが可能となる。その結果、ユーザに案内分岐点を正確に特定させることを可能にする。
【0119】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態ではナビゲーション装置1による案内分岐点の案内をスピーカ16から音声案内により出力することにより行う構成としているが、液晶ディスプレイ15に文章を表示することにより案内を行う構成としても良い。
【0120】
また、本実施形態では、基準目印と案内目印の2つの目印を用いて案内分岐点を特定させる案内フレーズを生成することとしているが、2以上の基準目印又は2以上の案内目印を設定し、2以上の基準目印又は2以上の案内目印を用いた案内フレーズを生成しても良い。
【0121】
また、本実施形態では目印として、信号機、交差点、ランドマーク(店舗、店舗の看板、構造物)を例に挙げて説明しているが、ユーザの目印となり得る対象物であれば他の対象物でも良い。
【0122】
また、本実施形態では、基準目印と案内目印との位置関係を特定するフレーズとして、基準目印から案内目印までにある目印の数を特定するフレーズを用いているが、他のフレーズを用いても良い。例えば、基準目印から案内目印までの距離を特定するフレーズを用いても良い。
【0123】
また、本発明はナビゲーション装置以外に、案内経路に基づく経路案内を行う機能を有する装置に対して適用することが可能である。例えば、携帯電話機やPDA等の携帯端末、パーソナルコンピュータ、携帯型音楽プレイヤ等(以下、携帯端末等という)に適用することも可能である。また、サーバと携帯端末等から構成されるシステムに対しても適用することが可能となる。その場合には、上述した分岐点案内処理プログラム(
図3、
図4、
図6、
図7、
図9、
図10)の各ステップは、サーバと携帯端末等のいずれが実施する構成としても良い。また、本発明を携帯端末等に適用する場合には、車両以外の移動体、例えば、携帯端末等のユーザや2輪車等に対する走行案内を行う場合もある。