【実施例】
【0025】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、表1中の化合物1〜11は、式(1)で示される化合物における各種パラメーターを表1に示す数値等にしたものである。また、表1中のEOはオキシエチレン基、AOはオキシアルキレン基、POはオキシプロピレン基、BOはオキシブチレン基であり、化合物1〜11はいずれもEOとAOがランダム状に付加したものである。さらに、[(EO)/(PO)]はEOとPOのランダム状結合を表す。
【0026】
(合成例1)
ポリオキシエチレン(3モル)ポリオキシプロピレン(2モル)ジメチルエーテル〔化合物1〕
CH
3O[(EO)
3/(PO)
2]CH
3
【0027】
プロピレングリコール76gと、触媒として水酸化カリウム3.1gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に、滴下装置によりエチレンオキシド132gとプロピレンオキシド58gの混合物を滴下させ、2時間攪拌した。次に、水酸化カリウム224gを仕込み、系内を乾燥窒素で置換した後、塩化メチル188gを温度80〜130℃で圧入し5時間反応させた。その後、オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するため減圧−0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、化合物1を得た。
【0028】
塩化メチルを反応させる前にサンプリングし、精製したものの水酸基価が106であるのに対して、化合物1の水酸基価が0.5、末端メチル基数に対する水素原子数の割合が0.005であることから、化合物1はほぼ完全に水素原子がメチル基に変換されている。
【0029】
(合成例2〜11)
合成例1と同様に表1に示す化合物2〜11の合成を行った。
【0030】
(実施例および比較例)
化合物1〜11および表1の比較例6〜9に示す化合物をアスファルト合材付着防止剤として用いて、下記の評価テストを行なった。その結果を表1に併せて示す。なお、全てのテストにおいて「◎」および「○」の評価の化合物を合格と判定した。
【0031】
(1)付着防止テスト
各アスファルト合材付着防止剤を水で10倍に希釈した液を20cm×15cmのSS400鋼材に1g噴霧した後、150℃に加熱したストレートアスファルト合材(密粒度アスファルト合材 ストレートアスファルト 6% ストレートアスファルト針入度60〜80:JISK2207)を1.0kg乗せて1分間常温で放置した。その後、鋼材を70度の角度に傾斜させ、ストレートアスファルト合材を落とした。このストレートアスファルト合材を乗せて放置し、傾斜させてストレートアスファルト合材を落とす一連の操作を計5回繰り返し行った。鋼材に付着しているアスファルト合材を計量し、下記の基準に従い評価を行なった。
【0032】
(評価基準)
◎:付着量が5g未満である。
○:付着量が5g以上10g未満である。
△:付着量が10g以上100g未満である。
×:付着量が100g以上である。
【0033】
(2)剥離性テスト
150℃に加熱したストレートアスファルト合材(密粒度アスファルト合材 ストレートアスファルト 6% ストレートアスファルト針入度60〜80:JISK2207)を20cm×15cmのSS400鋼材に1.0kg乗せて10分間常温で放置し、アスファルト合材が1.0kg付着した鋼材を作成した。その後、アスファルト合材が付着した鋼材を、各アスファルト合材付着防止剤を水で10倍に希釈した液に、10分間70℃にて浸漬した。液から鋼材を取り出し、鋼材を70度の角度に傾斜させ、ストレートアスファルト合材を落とした。鋼材に付着しているアスファルト合材を計量し、下記の基準に従い評価を行なった。
【0034】
(評価基準)
◎:付着量が5g未満である。
○:付着量が5g以上10g未満である。
△:付着量が10g以上100g未満である。
×:付着量が100g以上である。
【0035】
(3)ノズルの詰まりテスト
各アスファルト合材付着防止剤を水で10倍に希釈した液を、噴霧器(アイリスオーヤマ株式会社製IR−N3000、噴霧能力250ml/分)を用いて、噴霧した。噴霧初期の吐出量を100%とし、噴霧10分後の吐出量と噴霧状態を確認し、次の4段階の基準でノズルの詰まりを評価した。
【0036】
(評価基準)
◎:吐出量が噴霧1回目の98%以上であり、噴霧状態が均一で細かい。
○:吐出量が噴霧1回目の95%以上98%未満であり、噴霧状態が細かいが、やや偏りがある。
△:吐出量が噴霧1回目の80%以上95%未満であり、噴霧状態に偏りがあり、不均一である。
×:吐出量が噴霧1回目の80%未満であり、噴霧状態が細かくならず、噴霧不良である。
【0037】
【表1】
【0038】
表1に示す結果より、本発明に係る実施例1〜6のアスファルト合材付着防止剤は、アスファルト合材に対する付着防止効果および剥離効果が高く、噴霧時にノズルに詰まり難いことが分かる。
【0039】
一方、比較例1(化合物7)は式(1)中のmが0であり、AO/(EO+AO)=10であるので、ノズルがやや詰まり易い。比較例2(化合物8)は式(1)中のnが0であり、AO/(EO+AO)=0であるので、剥離効果が低い。比較例3(化合物9)は式(1)中のmが5を超えており、AO/(EO+AO)が20質量%未満であるので、剥離効果が低い。比較例4(化合物10)は式(1)中のR
2が水素原子なので付着防止効果および剥離効果が低い。比較例5(化合物11)はR
1が水酸基、R
2が水素原子であり、m+nが10を超えているので付着防止効果および剥離効果が低い。比較例6はポリビニルアルコールなので付着防止効果および剥離効果が低い。比較例7はポリオキシプロピレングリセリンなので付着防止効果および剥離効果が低い。比較例8のポリオキシプロピレンソルビトールなので付着防止効果および剥離効果が低い。なお、これはポリオキシプロピレンソルビトールの末端がすべて水酸基であることによると推測される。比較例9は油性成分を含む配合なのでノズルが詰まり易く、剥離効果が低い。