(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
印字部と、前記印字部に対し印字用紙を供給する用紙ホルダ部と、前記印字部と前記用紙ホルダを所定の距離にして載置台に載置する内部ユニットとを有し、前記内部ユニットを引出し可能に収納する用紙取扱装置において、
前記載置台に前記印字部を固定し、
更に前記用紙ホルダを前記載置台にスライド可能に保持するスライダを設け、前記内部ユニットを引出したとき、前記用紙ホルダが前記スライダにより前記内部ユニットの引出方向と反対方向へ移動することで前記印字部と前記用紙ホルダ間の作業スペースを拡大させることを特徴とする用紙取扱装置。
印字部と、前記印字部に対し印字用紙を供給する用紙ホルダ部と、前記印字部と前記用紙ホルダを所定の距離にして載置台に載置する内部ユニットとを有し、前記内部ユニットを引出し可能に収納する用紙取扱装置において、
前記載置台に前記印字部を固定し、
前記用紙ホルダを前記載置台にスライド可能に保持するスライダを設け、前記内部ユニットを引出したとき前記印字部と前記用紙ホルダ間の作業スペースを拡大可能とし、
更に、前記作業スペースを拡大する方向に付勢する付勢手段を前記用紙ホルダに設け、もって内部ユニットを引出したとき前記作業スペースを拡大させることを特徴とする記載の用紙取扱装置。
印字部と、前記印字部に対し印字用紙を供給する用紙ホルダ部と、前記印字部と前記用紙ホルダを所定の距離にして載置台に載置する内部ユニットとを有し、前記内部ユニットを引出し可能に収納する用紙取扱装置において、
前記載置台に前記印字部を固定し、
前記用紙ホルダを前記載置台にスライド可能に保持するスライダを設け、前記内部ユニットを引出したとき前記印字部と前記用紙ホルダ間の作業スペースを拡大可能とし、
更に、前記用紙取扱装置本体と前記用紙ホルダ部にそれぞれラックを設け、その間を複数のギアで連結したことを特徴とする用紙取扱装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図2は第1の実施の形態に関する用紙取扱装置100の外観図である。用紙取扱装置100は、空港に設置され搭乗手続きなどを行う自動チェックイン端末として機能する。用紙取扱装置100は、手荷物タグ、レシート、搭乗券等を印刷発行する。そして、用紙取扱装置100は、顧客によって操作されるため、装置本体1の前面に顧客操作部14及び操作表示部15が設けられる。顧客操作部14には、顧客が持参した航空券や各種カード又は紙幣を投入する投入口が設けられ、更に、場合によりテンキーが設けられる。操作表示部15はタッチパネルからなり、顧客による操作をガイドする表示機能と、顧客によるタッチ入力を受付ける入力機能を有する。発券物排出口16は、装置本体1の前面に設けられ、用紙取扱装置100によって発券される手荷物タグ等を排出する。保守用扉2は次に説明する内部ユニット3を収容し、装置本体1に対し開閉可能に設けられる。ここでは、用紙取扱装置100は、空港に設置され搭乗手続きなどを行う自動チェックイン端末として説明したが、銀行などに設置され取引の記録などをレシート用紙などに印字して排出する現金自動取引装置にも適用されるのはもちろんである。
【0012】
図1は第1の実施の形態に関する用紙取扱装置100の保守用扉2を開いた状態を示す斜視図である。保守用扉2には用紙取扱装置100内部に内部ユニット3を収容し、内部ユニット3と一体に設けられる。内部ユニット3は、印字部4と、ロール紙6を印字部4へ供給する用紙ホルダ5を有する。保守用扉2が装置本体1から矢印A方向の水平方向に(保守員から見て手前に)開かれると、内部ユニット3が外部からアクセス可能となる。その結果、保守員は印字部4と用紙ホルダ5に対する保守、即ちロール紙6の交換が可能となる。なお。保守用扉2の直ぐ内側には印字部4が配置されており、印字部4により印字され、裁断された手荷物タグ等は、保守用扉2に設けられた発券物排出口16より排出される。
【0013】
図3は第1の実施の形態に関する内部ユニット3を示す概略斜視図である。印字部4と用紙ホルダ5とは、両者間に所定の距離を隔てて載置台10に載置されている。両者間の所定の距離はロール紙6の交換作業スペース8になる。用紙ホルダ5にはロール紙6がセットされ、ロール紙6は用紙ホルダ5から出て印字部4へと順次搬送される。ロール紙6は、印字部4で印字され、所定間隔に裁断後、矢印Aで示す方向に送られ、前記発券物排出口16より排出される。ロール紙6は用紙ホルダ5から搬送された後、テンションレバー7の下側を通った後、印字部4へ送られる。テンションレバー7はコ字状に設けられ、一端としての支点7−1を用紙ホルダ5に固定して、支点7−1を中心に揺動可能に設けられる。これによりロール紙6に掛かるテンションを緩和し、印字の伸びなどの印字不良を防いでいる。なお、同図においては、ロール紙6の供給ルートは図示を省略してある。
【0014】
ロール紙6の交換に際しては、前記保守用扉2を矢印A方向に開き、内部ユニット3を引き出した状態で行う。そして、新しいロール紙6の先端をテンションレバー7の下側を通し、印字部4へセットするという作業をする。そのため本発明に関する用紙取扱装置100は、内部ユニット3を引き出した状態で、交換作業スペース8としての印字部4と用紙ホルダ5間の距離を拡大可能とするものである。
【0015】
図4は第1の実施の形態に関する用紙取扱装置100の内部ユニット3を示す説明図である。同図(a)は保守用扉2を閉じ内部ユニット3を装置本体1に収納した状態を示し、同図(b)は保守用扉2を開け内部ユニット3の交換作業スペース8が拡大した状態を示す。
【0016】
内部ユニット3は載置台10を有し、載置台10には、印字部4と、印字部4にロール紙6を供給する用紙ホルダ5とが所定の距離を置いて載置されている。当該内部ユニット3は図示しない第1のスライダによって装置本体1から引出し可能になっている。印字部4と用紙ホルダ5の間には、用紙ホルダ5に支点7−1を設け、当該支点7−1を中心に揺動可能に設けられたテンションレバー7が設けられる。ロール紙6は用紙ホルダ5から出てテンションレバー7の下側を通り印字部4へ供給されるが、ロール紙6の供給ルートは図示を省略してある。
【0017】
印字部4は載置台10に固定して設けられている。一方、用紙ホルダ5は、第2のスライダ11により載置台10にスライド可能に設けられている。第2のスライダ11は、載置台10の上面に設けた下レール11−1と、用紙ホルダ5の側面下方に設けた上レール11−2と、両者に挟まれた図示しないコロとによって構成される。これにより内部ユニット3が装置本体1から引出されたとき、用紙ホルダ5は載置台10に対してスライド可能となり、印字部4と用紙ホルダ5間の交換作業スペース8は拡大可能となる。
【0018】
一方、載置台10にはロックバー12が揺動可能に設けられている。ロックバー12にはロック溝12−1が設けられ、ロック溝12−1が前記用紙ホルダ5の上レール11−2に設けられたロックピン13と嵌合することにより、用紙ホルダ5は載置台10に対し固定されることになる。
【0019】
ここで同図(a)に示すように、装置本体1に対し保守用扉2が閉じられた状態では、印字部4と用紙ホルダ5との間の距離の交換作業スペース8は狭い状態である。この状態で、ロックレバー12のロック溝12−1をロックピン13に嵌合させておく。そして、保守員による保守作業においては、保守用扉2を矢印A方向に水平に移動させると、第1のスライダによって内部ユニット3が引き出され、載置台10に載置されている印字部4と用紙ホルダ5は同時に引き出される。その後、保守員はロックレバー12のロック溝12−1をロックピン13から外す。そうすると用紙ホルダ5は載置台10から移動可能となるので、保守員は第2のスライダ11を利用して用紙ホルダ5を押すことにより、矢印B方向に移動させる。このようにすることにより、同図(b)に示すように、印字部4と用紙ホルダ5間の交換作業スペース8が拡大し、ロール紙6の交換作業が容易となる。
【0020】
交換作業終了後は、保守員は第2のスライダ11を利用して、用紙ホルダ5を矢印Bとは反対方向に移動させ、ロックレバー12のロック溝12−1をロックピン13に嵌合させる。その後、保守用扉2を閉めることで作業は完了する。
【0021】
以上、第1の実施の形態によれば、ロックレバー12を解除し、用紙ホルダ5を矢印B方向に移動することで交換作業スペース8を拡大することができるので、ロール紙6のセット作業が容易に行えるという効果を有する。また、内部ユニット3の収納時には、再びロックレバー12をロックピン13に嵌合することで、交換作業スペース8が狭くなるため、装置本体1を小型化できるという効果も得ることができる。
【0022】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。用紙取扱装置100の外観図については第1の実施の形態と概略同じであるので、同一符号を用いた構成要素については説明を省略する。
図5は第2の実施の形態に関する用紙取扱装置100の内部ユニット3を示す説明図である。同図(a)は保守用扉2を閉じ内部ユニット3を装置本体1に収納した状態を示し、同図(b)は保守用扉2を開け内部ユニット3の交換作業スペース8が拡大した状態を示す。
【0023】
内部ユニット3は第1の実施の形態と同様に載置台10を有し、載置台10には印字部4と、印字部4にロール紙6を供給する用紙ホルダ5とが所定の距離を置いて載置されている。当該内部ユニット3は図示しない第1のスライダによって装置本体1から引出し可能になっている。印字部4と用紙ホルダ5の間には、用紙ホルダ5に支点7−1を設け、当該支点7−1を中心に揺動可能に設けられたテンションレバー7が設けられる。ロール紙6は用紙ホルダ5から出てテンションレバー7の下側を通り印字部4へ供給されるが、ロール紙6の供給ルートは図示を省略してある。
【0024】
印字部4は載置台10に固定して設けられている。一方、用紙ホルダ5は、第2のスライダ21により載置台10にスライド可能に設けられている。第2のスライダ21は、載置台10の上面に設けた下レール21−1と、用紙ホルダ5の側面下方に設けた上レール21−2と、両者に挟まれた図示しないコロとによって構成される。第2のスライダ21は、用紙ホルダ5が矢印B方向(保守員から見て後方)に、即ち用紙ホルダ5が印字部4から離れる方向に下降して傾斜している。第2のスライダ21の傾斜角度は10度未満が望ましい。これにより内部ユニット3が装置本体1から引出されたとき、用紙ホルダ5は載置台10を自重によりスライド可能となり、印字部4と用紙ホルダ5間の交換作業スペース8は拡大可能となる。
【0025】
ここで同図(a)に示すように、装置本体1に対し保守用扉2が閉じられた状態では、印字部4と用紙ホルダ5との間の距離の交換作業スペース8は狭い状態である。この状態では、用紙ホルダ5は装置本体1の内部に設けられた図示しない内部ストッパーに押され、用紙ホルダ5は後方に傾斜した第2のスライダ21の前方に位置している。
【0026】
そして、保守員による保守作業においては、保守用扉2を矢印A方向に移動させると、第1のスライダによって内部ユニット3が引き出され、載置台10に載置されている印字部4と用紙ホルダ5は同時に引き出される。その後、用紙ホルダ5は装置本体1の内部ストッパーから離れることにより、傾斜した第2のスライダ21を自重により矢印B方向に徐々に下降して行く。よって、印字部4と用紙ホルダ5間の距離は拡大する。このようにすることにより、同図(b)に示すように、印字部4と用紙ホルダ5間の交換作業スペース8が拡大し、ロール紙6の交換作業が容易となる。
【0027】
交換作業終了後は、保守員は保守用扉2を矢印Aとは反対方向に移動させ、内部ユニット3を移動させる。すると、用紙ホルダ5が装置本体1の前記内部ストッパーに係合し、更に押されることにより、傾斜した第2のスライダ21を上って行くことになる。その後、保守用扉2を完全に閉めることで作業は完了する。
【0028】
以上、第2の実施の形態によれば、内部ユニット3を引き出すと同時に、用紙ホルダ5は自重により移動するので交換作業スペース8を大きく取ることができ、ロール紙6の交換作業を容易に行うことができるという効果が得られる。また、内部ユニット3の収納時には交換作業スペース8が狭くなるので、装置本体1を小型化することができるという効果を得ることができる。更に、第1の実施の形態に比較しロック解除の手間を減らすことができるとともに、ロック関連部品を削減できるので、装置本体1の価格の低減化に寄与することができる。
【0029】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。用紙取扱装置100の外観図については第1の実施の形態と概略同じであるので、同一符号を用いた構成要素については説明を省略する。
図6は第3の実施の形態に関する用紙取扱装置100の内部ユニット3を示す説明図である。同図(a)は保守用扉2を閉じ内部ユニット3を装置本体1に収納した状態を示し、同図(b)は保守用扉2を開け内部ユニット3の交換作業スペース8が拡大した状態を示す。
【0030】
内部ユニット3は第1の実施の形態と同様に載置台10を有し、載置台10には印字部4と、印字部4にロール紙6を供給する用紙ホルダ5とが所定の距離を置いて載置されている。当該内部ユニット3は図示しない第1のスライダによって装置本体1から引出し可能になっている。印字部4と用紙ホルダ5の間には、用紙ホルダ5に支点7−1を設け、当該支点7−1を中心に揺動可能に設けられたテンションレバー7が設けられる。ロール紙6は用紙ホルダ5から出てテンションレバー7の下側を通り印字部4へ供給されるが、ロール紙6の供給ルートは図示を省略してある。
【0031】
印字部4は載置台10に固定して設けられている。一方、用紙ホルダ5は、第2のスライダ31により載置台10にスライド可能に設けられている。第2のスライダ31は、載置台10の上面に設けた下レール31−1と、用紙ホルダ5の側面下方に設けた上レール31−2と、両者に挟まれた図示しないコロとによって構成される。
【0032】
一方、本実施の形態に関する内部ユニット3には、付勢手段としてのスプリング32が設けられている。スプリング32は、矢印A(手前側)と矢印B方向(奥側)に張架されている。即ち、スプリング32の一端32−2が用紙ホルダ5の手前側の端部に設けられ、他端32−1が一端32−2より奥側であって、載置台10に設けた下レール31−1の奥側の端部に設けられている。スプリング32の両端32−1及び32−2には、スプリング32の収縮力が働いている。従って、印字部4と用紙ホルダ5の間は常に開こうとする力が働いていることになる。これにより内部ユニット3が装置本体1から引出されたとき、用紙ホルダ5は載置台10をスプリング32の付勢力によりスライド可能となり、印字部4と用紙ホルダ5間の交換作業スペース8は拡大可能となる。
【0033】
ここで同図(a)に示すように、装置本体1に対し保守用扉2が閉じられた状態では、印字部4と用紙ホルダ5との間の交換作業スペース8は狭い状態である。この状態では、用紙ホルダ5は装置本体1の内部に固定して設けられた図示しない内部ストッパーに押されると、用紙ホルダ5はスプリング32の付勢力に抗して、第2のスライダ31を利用して、印字部4方向に移動している。
【0034】
そして、保守員による保守作業においては、保守用扉2を矢印A方向に移動させると、第1のスライダによって内部ユニット3が引き出され、載置台10に載置されている印字部4と用紙ホルダ5は同時に引き出される。
【0035】
その後、用紙ホルダ5は載置台10の奥側へ移動可能となるので、用紙ホルダ5はスプリング32の付勢力で矢印B方向(奥側)へ移動する。このようにすることにより、同図(b)に示すように、印字部4と用紙ホルダ5間の交換作業スペース8が拡大し、ロール紙6の交換作業が容易となる。
【0036】
交換作業終了後は、保守員は保守用扉2を矢印Aとは反対方向に移動させ、内部ユニット3を移動させる。すると、用紙ホルダ5は矢印A方向に移動することができる。その後、保守用扉2を完全に閉めることで作業は完了する。
【0037】
以上第3の実施の形態によれば、内部ユニット3を引き出すと同時に、交換作業スペース8を大きく取ることができ、ロール紙6の交換作業が容易に行うことができるという効果が得られる。また、内部ユニット3の収納時には交換作業スペース8が狭くなるので、装置本体1を小型化することができるという効果を得ることができる。更に、第1の実施の形態に比較し、ロック解除の手間を減らすことができるとともに、ロック関連部品を削減できるので、装置本体1の価格の低減化に寄与することができる。更に装置本体1の設置に際し、第2の実施の形態に比較し、床面の傾きなどに影響されることがないという効果も期待できる。
【0038】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態について説明する。用紙取扱装置100の外観図については第1の実施の形態と概略同じであるので、同一符号を用いた構成要素については説明を省略する。
図7は第4の実施の形態に関する用紙取扱装置100の内部ユニット3を示す説明図である。同図(a)は保守用扉2を閉じ内部ユニット3を装置本体1に収納した状態を示し、同図(b)は保守用扉2を開け内部ユニット3の交換作業スペース8が拡大した状態を示す。
【0039】
内部ユニット3は第1の実施の形態と同様に載置台10を有し、載置台10には印字部4と、印字部4にロール紙6を供給する用紙ホルダ5とが所定の距離を置いて載置されている。当該内部ユニット3は図示しない第1のスライダによって装置本体1から引出し可能になっている。印字部4と用紙ホルダ5の間には、用紙ホルダ5に支点7−1を設け、当該支点7−1を中心に揺動可能に設けられたテンションレバー7が設けられる。ロール紙6は用紙ホルダ5から出てテンションレバー7の下側を通り印字部4へ供給されるが、ロール紙6の供給ルートは図示を省略してある。
【0040】
印字部4は載置台10に固定して設けられている。一方、用紙ホルダ5は、第2のスライダ41により載置台10にスライド可能に設けられている。第2のスライダ41は、載置台10の上面に設けた下レール41−1と、用紙ホルダ5の側面下方に設けた上レール41−2と、両者に挟まれた図示しないコロとによって構成される。
【0041】
一方、本実施の形態に関する内部ユニット3には、ラックアンドピニオン機構が設けられる。ラックアンドピニオン機構は、内部ユニット3を装置本体1から矢印A方向へ引出す力を、用紙ホルダ5を矢印B方向に移動させる力に変える。ラックアンドピニオン機構は、用紙ホルダ5に設けたホルダ側ラック42と、装置本体1の内部に設けた筐体側ラック45と、ピニオンとしての小歯車43−1、44及び大歯車43−2からなる。小歯車43−1と大歯車43−2は同軸であり、小歯車43−1、44及び大歯車43−2は載置台10と一体に移動する。そして、小歯車43−1はホルダ側ラック42と噛合し、小歯車44は筐体側ラック45と噛合し、大歯車43−2と小歯車44は噛合する。
【0042】
同図(a)に示す状態から、内部ユニット3が装置本体1から引き出されるとき、載置台10が矢印A方向に移動すると、小歯車44は矢印A方向に移動しながら反時計方向に回転する。すると、大歯車43−2は同じく矢印A方向に移動しながら時計方向に回転する。すると、小歯車43−1も同じく矢印A方向に移動しながら時計方向に回転する。小歯車43−1が矢印A方向に移動しながら時計方向に回転すると、用紙ホルダ5に設けたホルダ側ラック42は、矢印A方向に移動しながら矢印B方向にも移動する。用紙ホルダ5は相対的に印字部4から離れる方向に移動することになる。このとき、小歯車43−1と小歯車44のギア比を同じとし、大歯車43−2と小歯車44のギア比を3:1にすれば、用紙ホルダ5の移動量は内部ユニット3の引出し量に対して1/3程度となる。
【0043】
内部ユニット3を装置本体1に引き入れるときは、これと逆の動きをする。これにより内部ユニット3が装置本体1から引出されたとき、用紙ホルダ5は載置台10をスライド可能となり、印字部4と用紙ホルダ5間の交換作業スペース8は拡大可能となる。
【0044】
ここで同図(a)に示すように、装置本体1に対し保守用扉2が閉じられた状態では、印字部4と用紙ホルダ5との間の交換作業スペース8は狭い状態である。そして、保守員による保守作業においては、保守用扉2を矢印A方向に移動させると、第1のスライダによって内部ユニット3が引き出され、載置台10に載置されている印字部4も引出されるが、用紙ホルダ5はそれより遅れて引き出される。このようにすることにより、同図(b)に示すように、印字部4と用紙ホルダ5間の交換作業スペース8が拡大し、ロール紙6の交換作業が容易となる。
【0045】
交換作業終了後は、保守員は保守用扉2を閉めることにより、載置台10を矢印B方向に移動させる。載置台10が矢印B方向に移動すると、小歯車44は矢印B方向に移動しながら時計方向に回転し、大歯車43−2は同じく矢印B方向に移動しながら反時計方向に回転する。大歯車43−2が反時計方向に回転すると小歯車43−1も反時計方向に回転することになり、ホルダ側ラック42が矢印B方向に移動しながら矢印A方向にも移動する。そうすると、用紙ホルダ5は相対的に印字部4に近づく方向に移動することになる。その後、保守用扉2を完全に閉めることで作業は完了する。
【0046】
以上第4の実施の形態によれば、内部ユニット3を引き出すと同時に、交換作業スペース8を大きく取ることができ、ロール紙6の交換作業が容易に行うことができるという効果が得られる。また、内部ユニット3の収納時には交換作業スペース8が狭くなるので、装置本体1を小型化することができるという効果を得ることができる。更に、第1の実施の形態に比較し、ロック解除の手間を減らすことができるとともに、ロック関連部品を削減できるので、装置本体1の価格の低減化に寄与することができる。更に装置本体1の設置に際し、第2の実施の形態に比較し、床面の傾きなどに影響されることがないという効果も期待できる。