特許第5874321号(P5874321)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5874321
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】発射装置およびこれを用いた遊技装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20160218BHJP
【FI】
   A63F7/02 308F
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2011-237508(P2011-237508)
(22)【出願日】2011年10月28日
(65)【公開番号】特開2013-94256(P2013-94256A)
(43)【公開日】2013年5月20日
【審査請求日】2014年8月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100100170
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 厚司
(74)【代理人】
【識別番号】100103012
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 隆宣
(72)【発明者】
【氏名】田中 淳史
(72)【発明者】
【氏名】舩坂 悠司
(72)【発明者】
【氏名】安田 英史
(72)【発明者】
【氏名】村岡 英治
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 充典
【審査官】 高藤 華代
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−049530(JP,A)
【文献】 特開平08−107962(JP,A)
【文献】 特開平04−099577(JP,A)
【文献】 特開昭61−143083(JP,A)
【文献】 特開2004−041774(JP,A)
【文献】 特開平11−253631(JP,A)
【文献】 特開2000−225236(JP,A)
【文献】 特開2005−253956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発射口に供給された遊技球を、回動するハンマーで前記発射口に連通する発射通路に発射して遊技盤に放出するとともに、前記発射通路に連通するファウル球回収口を設けた発射装置であって、
前記発射口近傍に、発射通路と発射口とを遮蔽できるようにファウル球戻り防止弁を駆動可能に支持し、
遊技球の発射前に前記ハンマーにクランク部材を介して前記ファウル球戻り防止弁を同期させて駆動し、発射口を開放する一方、
遊技球の発射後に元の位置に復帰した前記ファウル球戻り防止弁で発射通路と発射口と
を遮蔽することにより、発射通路から戻って来たファウル球をファウル球回収口にガイド
することを特徴とする発射装置。
【請求項2】
発射口に供給された遊技球を、回動するハンマーで前記発射口に連通する発射通路に発射して遊技盤に放出するとともに、前記発射通路に連通するファウル球回収口を設けた発射装置であって、
前記発射口近傍に、発射通路と発射口とを遮蔽できるようにファウル球戻り防止弁を駆動可能に支持し、
遊技球の発射前に、前記ハンマーの回動に同期する別体の駆動手段にクランク部材を介して前記ファウル球戻り防止弁を同期させて駆動し、発射口を開放する一方、
遊技球の発射後に元の位置に復帰した前記ファウル球戻り防止弁で発射通路と発射口と
を遮蔽することにより、発射通路から戻って来たファウル球をファウル球回収口にガイド
することを特徴とする発射装置。
【請求項3】
ファウル球戻り防止弁が、回動可能に支持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の発射装置。
【請求項4】
ファウル球戻り防止弁が、略扇形状を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発射装置。
【請求項5】
ファウル球戻り防止弁が、草刈り鎌形状を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発射装置。
【請求項6】
ファウル球戻り防止弁が、涙滴形状を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発射装置。
【請求項7】
ファウル球戻り防止弁が、棒形状を有し、かつ、その長手方向に沿ってスライド移動可能に支持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の発射装置。
【請求項8】
前記クランク部材が、ガイドピンがスライド移動するためのガイド溝を、長手方向に沿って設けたことを特徴とする請求項1および請求項3ないし6のいずれか1項に記載の発射装置。
【請求項9】
前記クランク部材が、シーソー運動ファウル球戻り防止弁を駆動することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の発射装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の発射装置を備えたことを特徴とする遊技装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発射装置、特に、発射口から発射された遊技球がファウル球として発射口に再び戻ることを防止でき、かつ、パチンコ遊技装置に組み込まれる発射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技装置の発射装置としては、例えば、発射位置に供給した遊技球を発射装置が遊技領域に向けて発射するように制御するとともに、該遊技領域を経た遊技球を回収し、再び該発射位置に供給して遊技球を循環利用する封入球式遊技機に組み込まれる発射装置がある(特許文献1参照)。
【0003】
前述の発射装置では、通常、図19および図20Aに示すように、遊技球60が発射口32からハンマー40で打ち出され、発射通路22を介して遊技台11に発射される。そして、発射された遊技球60が発射通路22を通過できない場合には、前記遊技球60がファウル球として排出球回収口34で回収される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−101224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述の発射装置は、図20Bに示すように、時として、発射された遊技球60が発射通路22を通過できずにファウル球として戻り、発射口32に供給された発射直前の遊技球60に積み重なってしまうという不具合がある。
特に、封入球式遊技装置では、ファウル球を遊技済み球としてカウント処理してはならないにもかかわらず、カウント処理してしまうので、戻って来たファウル球の球数を遊技済み球数から差し引く必要がある。このため、ファウル球を検出するための検出センサを設置する必要があるとともに、ファウル球数を遊技済み球数から差し引く処理を行うための処理プログラムを必要とする。この結果、検出センサの設置,配線が必要になり、生産コストを増大させるとともに、データ処理が複雑になり、結果として遊技球の発射サイクルが長くなってしまうという問題点がある。
本発明は、前述の問題点に鑑み、内部構造,データ処理が簡単で生産コストの低い発射装置、および、これを用いた遊技装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る発射装置は、前述の課題を解決すべく、発射口に供給された遊技球を、回動するハンマーで前記発射口に連通する発射通路に発射して遊技盤に放出するとともに、前記発射通路に連通するファウル球回収口を設けた発射装置であって、
前記発射口近傍に、発射通路と発射口とを遮蔽できるようにファウル球戻り防止弁を駆動可能に支持し、
遊技球の発射前に、前記ハンマーの回動に同期する別体の駆動手段にクランク部材を介して前記ファウル球戻り防止弁を同期させて駆動し、発射口を開放する一方、
遊技球の発射後に元の位置に復帰した前記ファウル球戻り防止弁で発射通路と発射口とを遮蔽することにより、発射通路から戻って来たファウル球をファウル球回収口にガイドする構成としてある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ファウル球戻り防止弁が遊技球の発射後に元の位置に復帰し、発射口と発射通路とを遮蔽するので、遊技球がファウル球となって戻って来ても、発射口に戻ることなく、ファウル球回収口で回収される。このため、検出センサ,その配線,処理プログラムが不要となり、生産コストの低い発射装置が得られる。
また、本発明によれば、ハンマーの駆動力を利用してファウル球戻り防止弁を駆動でき、タイミング調整が容易な発射装置が得られる。
【0008】
他の発明としては、発射口に供給された遊技球を、回動するハンマーで前記発射口に連通する発射通路に発射して遊技盤に放出するとともに、前記発射通路に連通するファウル球回収口を設けた発射装置であって、
前記発射口近傍に、発射通路と発射口とを遮蔽できるようにファウル球戻り防止弁を駆動可能に支持し、
遊技球の発射前に、前記ハンマーの回動に同期する別体の駆動手段にクランク部材を介して前記ファウル球戻り防止弁を同期させて駆動し、発射口を開放する一方、
遊技球の発射後に元の位置に復帰した前記ファウル球戻り防止弁で発射通路と発射口とを遮蔽することにより、発射通路から戻って来たファウル球をファウル球回収口にガイドしてもよい。別体の駆動手段としては、例えば、電磁力でプランジャを駆動できるソレノイドが挙げられる。
本発明によれば、ファウル球戻り防止弁を駆動する際のタイミング調整範囲が広くなり、使いやすい発射装置が得られる。
【0009】
本発明の実施形態としては、ファウル球戻り防止弁を回動可能に支持しておいてもよい。特に、前記ファウル球戻り防止弁は、略扇形状、草刈り鎌形状、または、涙滴形状を有していてもよい。
本実施形態によれば、必要に応じて多種多様な形状を有するファウル球戻り防止弁を回動可能に支持できるので、設計の自由度が広がる。
【0010】
本発明の他の実施形態としては、ファウル球戻り防止弁が、棒形状を有し、かつ、その長手方向に沿ってスライド移動可能に支持されている構成としてもよい。
本実施形態によれば、回動するファウル球戻り防止弁だけに限らず、スライド移動するファウル球戻り防止弁をも選択でき、設計しやすくなる
【0011】
本発明の別の実施形態としては、前記クランク部材に、ガイドピンがスライド移動するためのガイド溝を、長手方向に沿って設けてもよい。
【0012】
本発明の異なる実施形態としては、前記クランク部材が、シーソー運動ファウル球戻り防止弁を駆動してもよい。
本実施形態によれば、テコの原理を利用してファウル球戻り防止弁を駆動できるので、小さな駆動力で駆動できる発射装置が得られる
【0013】
本発明に係る遊技装置は、前述の課題を解決すべく、前述の発射装置を備えた遊技装置であってもよい。
本発明によれば、検出センサ,その配線,処理プログラムが不要となり、生産コストの低い遊技装置が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1Aおよび図1Bは本発明に係る発射装置を組み込んだ遊技装置の第1実施形態を示す正面図および分解斜視図である
図2図1に示す遊技装置の内部構成を示す斜視図である。
図3図3A図3B図2で示した発射装置の動作前、動作途中を示す部分拡大斜視図である。
図4図4A図4B図3に続く動作途中を示す部分拡大斜視図である。
図5図5A図5Bは第2実施形態に係る発射装置の動作前、動作途中を示す部分拡大斜視図である。
図6図6A図6B図5に続く動作途中を示す部分拡大斜視図である。
図7図6に続く動作途中を示す部分拡大斜視図である。
図8図8A図8Bは第3実施形態に係る発射装置の動作前、動作途中を示す部分拡大斜視図である。
図9図9A図9B図8に続く動作途中を示す部分拡大斜視図である。
図10図10A図10Bは第4実施形態に係る発射装置の動作前,動作途中を示す部分拡大斜視図である。
図11図11A図11B図10に続く動作途中を示す部分拡大斜視図である。
図12図12A図12B図11に続く動作途中を示す部分拡大斜視図である。
図13図13A図13Bは第5実施形態に係る発射装置の動作前、動作途中を示す部分拡大斜視図である。
図14図14A図14B図13に続く動作途中を示す部分拡大斜視図である。
図15図15A図15B図14に続く動作途中を示す部分拡大斜視図である。
図16図16A図16Bは第6実施形態に係る発射装置の動作前、動作途中を示す部分拡大斜視図である。
図17図17A図17B図16に続く動作途中を示す部分拡大斜視図である。
図18図18A図18B図17に続く動作途中を示す部分拡大斜視図である。
図19】従来例に係る遊技装置の内部構成を示す斜視図である。
図20図20A図20Bは従来例に係る発射装置の正常動作、異常動作を説明するための部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る発射装置を備えた遊技装置の実施形態を図1ないし図18の添付図面に従って説明する。
第1実施形態に係る遊技装置は、図1ないし図4に示すように、封入球式遊技装置10に適用した場合であり、遊技盤11の表面を透明なガラス板12で被覆するとともに、前記透明なガラス板12の下方側には持ち球表示部13が配置されている。さらに、前記持ち球表示部13の下方側には操作パネル14およびハンドル15が配置されている。
【0016】
一方、前記遊技盤11の中央部には演出表示部16を配置してあるとともに、前記演出表示部16の下方側に遊技済み球回収口17を配置してある。前記遊技済み球回収口17は、図2に示すように、遊技済み球計数センサ18を備えた遊技済み球回収通路19を介し、後述する遊技球供給口31に遊技球60を供給する遊技球供給通路20に連通している。このため、遊技済み球は遊技球供給口31に遊技球60として再び供給される。
なお、前記封入球式遊技装置10には台間機21が隣接するように設置されている。
【0017】
また、前記操作パネル14の後方には、図2に示すように、発射装置30が配置されている。前記発射装置30は、図3に示すように、遊技球供給口31から供給された遊技球60を仮保持する発射口32を有し、前記発射口32には供給された遊技球60の個数をカウントする一対の遊技球計数センサ33が設置されている。
【0018】
前記発射口32と隣り合う位置には、発射通路22に連通するファウル球回収口34を配置してある。前記ファウル球回収口34は、図2に示すように、ファウル球数計数センサ35を備えたファウル球回収通路36を介し、前記遊技球供給通路20に連通している。このため、ファウル球は遊技球供給口31に遊技球60として再び供給される。
【0019】
前記発射装置30には、図3に示すように、発射口32に仮保持された遊技球60を発射するハンマー40が回動可能に設置されている。
【0020】
また、前記発射装置30には、前記発射口32と発射通路22とを遮蔽する略扇形状のファウル球戻り防止弁50が回動可能に支持されている。前記ファウル球戻り防止弁50は、その上端部に位置規制突起51を突設してある。そして、前記位置規制突起51は、遊技球60が発射されたときに過剰な回動を規制するための第1ストッパ37a、および、発射口32と発射通路22とを遮蔽するための位置規制を行う第2ストッパ37bにそれぞれ係止可能な形状となっている。また、前記ファウル球戻り防止弁50は、その片側縁部にクランク部材55の一端部をヒンジ支持してある。そして、前記クランク部材55の片側半分に設けたガイド溝55aには、前記ハンマー40のガイドピン41がスライド移動可能に嵌合されている。
【0021】
次に、前述の第1実施形態に係る遊技装置の動作について説明する。
操作前は、図3Aに示すように、遊技球供給口31から供給された遊技球60が発射口32に仮保持されているとともに、ファウル球戻り防止弁50は、その位置規制突起51を第2ストッパ37bに係止することにより、発射口32を遮蔽している。
【0022】
そして、図3Bに示すように、ハンマー40が回動し、そのガイドピン41がクランク部材55のガイド溝55a内をスライド移動した後、前記クランク部材55を軸心方向に引っ張る。このため、図4Aに示すように、前記ファウル球戻り防止弁50が回動し、発射口32を開放すると同時に、ハンマー40が遊技球60を打ち出し、遊技球60が発射通路22を介して遊技盤11上に発射される。その直後に、図4Bに示すように、遊技球供給口31から新しい遊技球60が発射口32に供給される一方、前記ハンマー40が元の位置に復帰する。このため、ガイドピン41がクランク部材55を軸心方向に引っ張る力が解除され、ファウル球戻り防止弁50は自重で発射口を遮蔽する方向に回動し始める。さらに、ハンマー40が回動すると、ガイドピン41がクランク部材55のガイド溝55aをスライド移動した後、クランク部材55を軸心方向に押圧する。この結果、ファウル球戻り防止弁50が回動することにより、その位置規制突起51が第2ストッパ37bに係止し、発射口32を遮蔽する。
【0023】
万一、遊技球60が発射通路22を通過できずにファウル球となった場合には、前記ファウル球戻り防止弁50が既に元の位置に復帰しているので、ファウル球はファウル球戻り防止弁50に衝突した後、ファウル球回収口34に入る。このため、ファウル球となった遊技球60はファウル球回収通路36を通過し、ファウル球数計数センサ35でカウントされた後、遊技球供給通路20を介して再び、遊技球供給口31から発射口32に供給される。この結果、ファウル球は遊技済み球として処理されず、遊技者の持ち球数はファウル球の発生によって減少することはない。
【0024】
以上の説明から明らかなように、ファウル球が発生しても発射口32に戻ることがなく、複数の遊技球を誤って発射することを未然に防止できる。
また、ファウル球数計数センサ35によって検出されたファウル球を発射口32に供給する前にカウントし、遊技済み球数から差し引くことにより、遊技者の持ち球数を適正に管理できるという利点がある。
【0025】
第2実施形態に係る遊技装置は、図5ないし図7に示すように、前述の第1実施形態とほぼ同様であり、異なる点はファウル球戻り防止弁50を草刈り鎌形状とした点である。他は前述の第1実施形態と同様であるので、同一部分には同一番号を附して説明を省略する。
本実施形態によれば、ファウル球戻り防止弁50を草刈り鎌形状としてあるので、その全体重力が小さくなり、動作特性に優れた発射装置30が得られるという利点がある。
【0026】
次に、前述の第2実施形態に係る遊技装置の動作について説明する。
操作前は、図5Aに示すように、遊技球供給口31から供給された遊技球60が発射口32に仮保持されているとともに、ファウル球戻り防止弁50は、その位置規制突起51を第2ストッパ37bに係止することにより、発射口32を遮蔽している。
【0027】
そして、図5Bに示すように、ハンマー40が回動し、そのガイドピン41がクランク部材55のガイド溝55a内をスライド移動した後、前記クランク部材55を軸心方向に引っ張る。このため、前記ファウル球戻り防止弁50が回動し、発射口32を開放すると同時に、ハンマー40が遊技球60を打ち出し、遊技球60が発射通路22を介して遊技盤11上に発射される(図6A)。その直後に、図6Bに示すように、遊技球供給口31から新しい遊技球60が発射口32に供給される一方、前記ハンマー40が元の位置に復帰する。このため、ガイドピン41がクランク部材55を軸心方向に引っ張る力が解除され、ファウル球戻り防止弁50は自重で発射口を遮蔽する方向に回動し始める。さらに、ハンマー40が回動すると、ガイドピン41がクランク部材55のガイド溝55aをスライド移動した後、クランク部材55を軸心方向に押圧する。この結果、ファウル球戻り防止弁50が回動することにより、その位置規制突起51が第2ストッパ37bに係止し、位置規制される。
【0028】
万一、遊技球60が発射通路22を通過できずにファウル球となった場合には、前記ファウル球戻り防止弁50が既に元の位置に復帰しているので、ファウル球はファウル球戻り防止弁50に衝突した後、ファウル球回収口34に入る(図7)。このため、ファウル球となった遊技球60はファウル球回収通路36を通過し、ファウル球数計数センサ35でカウントされた後、遊技球供給通路20を介して再び、遊技球供給口31から発射口32に供給される。この結果、ファウル球は遊技済み球として処理されず、遊技者の持ち球数はファウル球の発生によって減少することはない。
【0029】
第3実施形態に係る遊技装置は、図8および図9に示すように、前述の第1実施形態とほぼ同様であり、異なる点はファウル球戻り防止弁50を草刈り鎌形状とするとともに、前記ファウル球戻り防止弁50をクランク部材55で回動させる点である。
すなわち、前記ファウル球戻り防止弁50は、その下端部に駆動突起52を突設してある。また、前記駆動突起52に一端部を当接させるクランク部材55は回動軸55bを中心として回動可能に支持されているとともに、その他端側をハンマー40の上端部42に当接している。他は、前述の第1実施形態とほぼ同様であるので、同一部分には同一番号を附して説明を省略する。
本実施形態によれば、テコの原理で前記ファウル球戻り防止弁50を回動できるので、小さな駆動力で駆動できる発射装置が得られるという利点がある。
【0030】
次に、前述の第3実施形態に係る遊技装置の動作について説明する。
操作前は、図8Aに示すように、遊技球供給口31から供給された遊技球60が発射口32に仮保持されているとともに、ファウル球戻り防止弁50は、その位置規制突起51を第2ストッパ37bに係止することにより、発射口32を遮蔽している。
【0031】
そして、図8Bに示すように、ハンマー40が回動し、その上端部42がクランク部材55の一端部を押し上げると、前記クランク部材55が回動軸55bを中心として回動し、前記クランク部材55の他端部が前記ファウル球戻り防止弁50の駆動突起52を押し下げる。このため、前記ファウル球戻り防止弁50が回動し、発射口32を開放すると同時に、ハンマー40が遊技球60を打ち出し、遊技球60が発射通路22を介して遊技盤11上に発射される。その直後に、図9Aに示すように、遊技球供給口31から新しい遊技球60が発射口32に供給される一方、前記ハンマー40の上端部42がクランク部材55に沿って復帰する。このため、ファウル球戻り防止弁50が自重で回動し、その位置規制突起51が第2ストッパ37bに係止して位置規制され、元の位置に復帰する。また、クランク部材55も自重で回動軸55bを中心として回動し、元の位置に復帰する。
【0032】
万一、遊技球60が発射通路22を通過できずにファウル球となった場合には、図9Bに示すように、前記ファウル球戻り防止弁50が既に元の位置に復帰しているので、ファウル球はファウル球戻り防止弁50に衝突した後、ファウル球回収口34に入る。このため、ファウル球となった遊技球60はファウル球回収通路36を通過し、ファウル球数計数センサ35でカウントされた後、遊技球供給通路20を介して再び、遊技球供給口31から発射口32に供給される。この結果、ファウル球は遊技済み球として処理されず、遊技者の持ち球数はファウル球の発生によって減少することはない。
【0033】
第4実施形態に係る遊技装置は、図10ないし図12に示すように、前述の第1実施形態とほぼ同様であり、異なる点はファウル球戻り防止弁50をクランク部材55を介してソレノイド56で駆動する点である。
すなわち、前記クランク部材55は、その一端部を略扇形状のファウル球戻り防止弁50の片側縁部にヒンジ支持してある一方、その他端部をソレノイド56のプランジャ57にヒンジ支持してある。前記プランジャ57には、それ自身を引き出す方向に付勢するコイルバネ58を嵌合してある。
他は、前述の第1実施形態とほぼ同様であるので、同一部分には同一番号を附して説明を省略する。
【0034】
次に、前述の第4実施形態に係る遊技装置の動作について説明する。
操作前は、図10Aに示すように、遊技球供給口31から供給された遊技球60が発射口32に仮保持されているとともに、ファウル球戻り防止弁50は、その位置規制突起51を第2ストッパ37bに係止することにより、発射口32を遮蔽している。
【0035】
そして、図10Bに示すように、ソレノイド56が駆動し、コイルバネ58のバネ力に抗してプランジャ57を引き込むと、クランク部材55を介し、ファウル球戻り防止弁50が引っ張られる。このため、前記ファウル球戻り防止弁50は位置規制突起51が第1ストッパ37aに当接するまで回動することにより、発射口32を開放する。その後、図11Aに示すように、ハンマー40が遊技球60を打ち出し、遊技球60が発射通路22を介して遊技盤11上に発射される。その直後に、図11Bに示すように、遊技球供給口31から新しい遊技球60が発射口32に供給される。そして、前記ソレノイド56が駆動を停止すると、図12Aに示すように、コイルバネ58のバネ力によってプランジャ57が引き出され、クランク部材55を押圧する。このため、ファウル球戻り防止弁50は自重およびコイルバネ58のバネ力で元の位置に復帰し、その位置規制突起51が第2ストッパ37bに係止し、位置規制される。
【0036】
万一、遊技球60が発射通路22を通過できずにファウル球となった場合には、図12Bに示すように、前述の実施形態と同様、前記ファウル球戻り防止弁50が既に元の位置に復帰しているので、ファウル球はファウル球戻り防止弁50に衝突した後、ファウル球回収口34に入る。このため、ファウル球となった遊技球60はファウル球回収通路36を通過し、ファウル球数計数センサ35でカウントされた後、遊技球供給通路20を介して再び、遊技球供給口31から発射口32に供給される。この結果、ファウル球は遊技済み球として処理されず、遊技者の持ち球数はファウル球の発生によって減少することはない。
【0037】
第5実施形態に係る遊技装置は、図13ないし図15に示すように、前述の第4実施形態と同様であり、異なる点は、ファウル球戻り防止弁50が涙滴形状を有している点である。他は、前述の第1実施形態とほぼ同様であるので、同一部分には同一番号を附して説明を省略する。
本実施形態によれば、ファウル球戻り防止弁50が小型、かつ、軽量であるので、動作特性の良い発射装置30が得られるとともに、第1,第2ストッパを形成する必要がなく、構造が簡単になるという利点がある。
【0038】
次に、前述の第5実施形態に係る遊技装置の動作について説明する。
操作前は、図13Aに示すように、遊技球供給口31から供給された遊技球60が発射口32に仮保持されているとともに、ファウル球戻り防止弁50は、発射口32を遮蔽している。
【0039】
そして、図13Bに示すように、ソレノイド56が駆動し、コイルバネ58のバネ力に抗してプランジャ57を引き込むと、クランク部材55を介し、ファウル球戻り防止弁50が引っ張られて回動し、発射口32を開放する。その後、図14Aに示すように、ハンマー40が遊技球60を打ち出し、遊技球60が発射通路22を介して遊技盤11上に発射される。その直後に、図14Bに示すように、遊技球供給口31から新しい遊技球60が発射口32に供給される。そして、前記ソレノイド56が駆動を停止すると、図15Aに示すように、コイルバネ58のバネ力によってプランジャ57が引き出され、クランク部材55を押し出すことにより、ファウル球戻り防止弁50が元の位置に復帰する。
【0040】
万一、遊技球60が発射通路22を通過できずにファウル球となった場合には、図15Bに示すように、前記ファウル球戻り防止弁50が既に元の位置に復帰しているので、ファウル球はファウル球戻り防止弁50に衝突した後、ファウル球回収口34に入る。このため、ファウル球となった遊技球60はファウル球回収通路36を通過し、ファウル球数計数センサ35カウントされた後、遊技球供給通路20を介して再び、遊技球供給口31から発射口32に供給される。この結果、ファウル球は遊技済み球として処理されず、遊技者の持ち球数はファウル球の発生によって減少することはない。
【0041】
第6実施形態に係る遊技装置は、図16ないし図18に示すように、前述の第1実施形態とほぼ同様であり、異なる点は一対のガイド突起38a,38bの間にスライド移動可能に位置決めされたファウル球戻り防止弁50をクランク部材55を介してソレノイド56で駆動する点である。
すなわち、前記クランク部材55は回動軸55bを中心として回動可能に支持されており、その一端部をソレノイド56のプランジャ57にヒンジ支持してある一方、その他端部を前記ファウル球戻り防止弁50の後端部にヒンジ支持してある。また、前記ファウル球戻り防止弁50は、その後端部にコイルバネ58の一端部を連結してある一方、前記コイルバネ58の他端部はガイド突起38bに接続することにより、前記ファウル球戻り防止弁50を軸心方向に付勢可能としてある。
【0042】
次に、前述の第6実施形態に係る遊技装置の動作について説明する。
操作前は、図16Aに示すように、遊技球供給口31から供給された遊技球60が発射口32に仮保持されているとともに、ファウル球戻り防止弁50は発射口32を遮蔽している。
【0043】
そして、図16Bに示すように、ソレノイド56が駆動し、プランジャ57が引き込まれると、コイルバネ58のバネ力に抗してクランク部材55が回動軸55bを中心として回動する。このため、コイルバネ58を引き延ばしながら、ファウル球戻り防止弁50が引っ張られ、発射口32を開放する。その後、図17Aに示すように、ハンマー40が遊技球60を打ち出し、遊技球60が発射通路22を介して遊技盤11上に発射される。その直後に、図17Bに示すように、遊技球供給口31から新しい遊技球60が発射口32に供給される。それと同時に、前記ソレノイド56が駆動を停止することにより、図18Aに示すように、コイルバネ58のバネ力によってファウル球戻り防止弁50が引き戻されるとともに、クランク部材55が回動することにより、プランジャ57が引き出され、元の位置に復帰する(図18B)。
【0044】
万一、遊技球60が発射通路22を通過できずにファウル球となった場合には、図18Bに示すように、前記ファウル球戻り防止弁50が既に元の位置に復帰しているので、ファウル球はファウル球戻り防止弁50に衝突した後、ファウル球回収口34に入る。このため、ファウル球となった遊技球60はファウル球回収通路36を通過し、ファウル球数計数センサ35でカウントされた後、遊技球供給通路20を介して再び、遊技球供給口31から発射口32に供給される。この結果、ファウル球は遊技済み球として処理されず、遊技者の持ち球数はファウル球の発生によって減少することはない。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明に係る発射装置を組み込む遊技装置は、パチンコ遊技装置に限らず、他の遊技装置にも適用できることは勿論である。
【符号の説明】
【0046】
10:封入球式遊技装置
11:遊技盤
14:操作パネル
15:ハンドル
17:遊技済み球回収口
18:遊技済み球計数センサ
19:遊技済み球回収通路
20:遊技球供給通路
22:発射通路
30:発射装置
31:遊技球供給口
32:発射口
33:遊技球計数センサ
34:ファウル球回収口
35:ファウル球数計数センサ
36:ファウル球回収通路
37a:第1ストッパ
37b:第2ストッパ
40:ハンマー
41:ガイドピン
42:上端部
50:ファウル球戻り防止弁
51:位置規制突起
52:駆動突起
55:クランク部材
55a:ガイド溝
55b:回動軸
56:ソレノイド
57:プランジャ
58:コイルバネ
60:遊技球
図1
図2
図3
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