特許第5874410号(P5874410)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5874410
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】券売機
(51)【国際特許分類】
   G07B 5/00 20060101AFI20160218BHJP
   G07B 1/00 20060101ALI20160218BHJP
【FI】
   G07B5/00 D
   G07B1/00 A
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-13637(P2012-13637)
(22)【出願日】2012年1月26日
(65)【公開番号】特開2013-152651(P2013-152651A)
(43)【公開日】2013年8月8日
【審査請求日】2014年11月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】特許業務法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小森 吾朗
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−334544(JP,A)
【文献】 特開2010−086346(JP,A)
【文献】 特開平10−188045(JP,A)
【文献】 特開2001−264102(JP,A)
【文献】 特開2003−214869(JP,A)
【文献】 特開2005−284736(JP,A)
【文献】 特開2007−058632(JP,A)
【文献】 特開2007−334861(JP,A)
【文献】 特開2008−084162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 5/00
G07B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
降車駅を示す降車駅情報、および言語の種類を示す言語情報を含むコード記号を乗車券の発券要求として受け付ける発券要求受付部と、
自機が設置されている自駅から、前記発券要求受付部が発券要求として受け付けた前記コード記号に含まれている前記降車駅情報が示す降車駅までの移動経路を取得する移動経路取得部と、
前記移動経路取得部が取得した移動経路を案内する案内情報を提供している案内サイトのアドレス、および降車駅周辺の地図を提供している地図サイトのアドレスを取得するアドレス取得部と、
自機が設置されている自駅から、前記発券要求受付部が発券要求として受け付けた前記コード記号に含まれている前記降車駅情報が示す降車駅までの乗車券と、前記アドレス取得部が取得した前記案内サイトのアドレス、および前記地図サイトのアドレスを印字したリファレンスを発券する発券部と、を備え
前記アドレス取得部によってアドレスが取得される前記案内サイト、および前記地図サイトは、前記発券要求受付部が発券要求として受け付けた前記コード記号に含まれている前記言語情報が示す種類の言語で表記されている、券売機。
【請求項2】
前記発券要求受付部が発券要求として受け付けた前記コード記号に含まれている前記言語情報が示す種類の言語で、乗車券の発券操作にかかる操作ガイダンスを行うガイダンス部を備えている、請求項1に記載の券売機。
【請求項3】
前記発券部は、前記アドレス取得部が取得した前記案内サイトのアドレス、および前記地図サイトのアドレスを含む2次元バーコードを印字したリファレンスを発券する、請求項1、または2に記載の券売機。
【請求項4】
前記発券部は、自機が設置されている自駅から、前記発券要求受付部が発券要求として受け付けた前記コード記号に含まれている前記降車駅情報が示す降車駅までの運賃以上の価値の貨幣が投入されたことをトリガーにして、乗車券、およびリファレンスを発券する、請求項1〜3のいずれかに記載の券売機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鉄道等の公共交通機関の駅に設置し、鉄道網を利用して移動する利用者に対して乗車券を発券する券売機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道等の公共交通機関の駅には、利用者に対して乗車券(キップ等)を販売する券売機が設置されている。また、券売機の近くには、鉄道の利用にかかる運賃を表記した運賃表示板が取り付けられている。運賃表示板は、例えば鉄道網の路線図上に示した駅毎に、自駅からの運賃を表記している。利用者は、券売機で乗車券を購入するとき、運賃表示板によって降車駅までの運賃を確認する。
【0003】
また、空港の登場ゲートにかかる例ではあるが、利用者がインタネット等を利用して事前に取得した電子チケットを処理するゲート装置がある(特許文献1参照)。この電子チケットにかかる情報は、無線通信機能を有する非接触記録媒体に記録する方式や、チケット情報を2次元バーコード(例えば、QRコード(登録商標))で記録する方式がある。この特許文献1に記載されているゲート装置は、非接触記録媒体および2次元バーコードから、電子チケットにかかる情報を選択的に読み取る構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−193390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、その地域の路線網を知らない利用者は、券売機で乗車券を購入するときに、乗車駅(乗車券を購入した駅)から、降車駅までの移動において、路線の乗換が必要であるかどうかや、路線の乗換が必要であれば、乗換駅や、乗り換える路線等を路線図が表記されている運賃表示板等で確認しなければならなかった。このため、路線網を知らない利用者にとっては、乗車駅から降車駅までの移動経路の確認が煩わしいものであった。
【0006】
特に、利用者が外国人の場合、運賃表示板に表記されている言語(日本語)の文字が読めないこともあって、乗換駅や、乗り換える路線等を確認することができないこともある。
【0007】
この発明の目的は、鉄道網を利用して移動する利用者に対して、煩わしさを感じさせることなく、乗車駅から降車駅までの移動経路における乗換駅や、乗り換える路線等を確認させることができる券売機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の券売機は、上記課題を解決し、その目的を達するために、以下のように構成している。
【0009】
この発明にかかる券売機は、発券要求受付部が、降車駅を示す降車駅情報、および言語の種類を示す言語情報を含むコード記号を乗車券の発券要求として受け付ける。移動経路取得部が、自機が設置されている自駅から、発券要求受付部が発券要求として受け付けたコード記号に含まれている降車駅情報が示す降車駅までの移動経路を取得する。また、アドレス取得部が、移動経路取得部が取得した移動経路を案内する案内情報を提供している案内サイトのアドレス、および降車駅周辺の地図を提供している地図サイトのアドレスを取得する。案内サイト、および地図サイトは、インタネット上で情報を公開しているサイトである。また、アドレス取得部によってアドレスが取得される案内サイト、および地図サイトは、発券要求受付部が発券要求として受け付けたコード記号に含まれている言語情報が示す種類の言語で表記されているサイトである。この案内情報は、例えば乗車駅(券売機本体が設置されている駅)から、降車駅(降車駅情報が示す降車駅)まで移動する場合に、路線の乗換が必要であるかどうかや、路線の乗換が必要であれば乗換駅や乗り換える路線等を案内するものである。また、この案内情報は、例えば、自動改札機での改札処理時における乗車券の使用方法等の案内を加えたものであってもよい。
【0010】
発券部が、自機が設置されている自駅から、発券要求受付部が発券要求として受け付けたコード記号に含まれている降車駅情報が示す降車駅までの乗車券と、アドレス取得部が取得した案内サイトのアドレス、および地図サイトのアドレスを印字したリファレンスを発券する。したがって、利用者は、インタネットに接続できる携帯電話やスマートフォン等で、発券されたリファレンスにアドレスが印字されている案内サイトにアクセスすることで、利用者自身にとっての乗車駅から降車駅までの移動経路において、路線の乗換が必要であるかどうかや、路線の乗換が必要であれば乗換駅や乗り換える路線等を簡単に確認することができる。また、利用者は、発券されたリファレンスにアドレスが印字されている地図サイトにアクセスすることで、降車駅周辺の地図も簡単に確認することができる。さらに、利用者は、言語情報が示す種類の言語を利用者自身が日常的に使用している言語にしておくことにより、アクセスした案内サイト、および地図サイトにおいて表記されている文字が日常的に使用している言語であるので、とまどうことがない。したがって、外国人に対するサービスの向上も図れる。
【0011】
また、券売機は、発券要求受付部が発券要求として受け付けた前記コード記号に含まれている前記言語情報が示す種類の言語で、乗車券の発券操作にかかる操作ガイダンスを行うガイダンス部を備える構成にしてもよい。
【0012】
このように構成すれば、利用者は、言語情報が示す種類の言語を利用者自身が日常的に使用している言語にしておくことにより、乗車券の発券操作にかかる操作ガイダンスが日常的に使用している言語で行われるので、とまどうことがない。
【0016】
また、発券部は、前記アドレス取得部が取得した前記案内サイトのアドレス、および前記地図サイトのアドレスを含む2次元バーコードを印字したリファレンスを発券する構成としてもよい。このようにすれば、利用者は、インタネットに接続できる携帯電話やスマートフォン等の携帯端末で、リファレンスに印字されている2次元バーコードを読み取ることで、発券されたリファレンスにアドレスが印字されている案内サイトや地図サイトにアクセスすることができる。
【0017】
また、発券部は、自機が設置されている自駅から、発券要求受付部が発券要求として受け付けたコード記号に含まれている降車駅情報が示す降車駅までの運賃以上の価値の貨幣が投入されたことをトリガーにして、乗車券、およびリファレンスを発券する構成としてもよい。このようにすれば、乗車券の購入にかかる利用者の手間を削減することができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、鉄道網を利用して移動する利用者に対して、煩わしさを感じさせることなく、乗車駅から降車駅までの移動経路における乗換駅や、乗り換える路線等を確認させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】券売システムの構成を示す概略図である。
図2】ネットワークサーバの主要部の構成を示すブロック図である。
図3】券売機の主要部の構成を示すブロック図である。
図4】ネットワークサーバの動作を示すフローチャートである。
図5】言語選択ページを表示した携帯端末の画面を示す図である。
図6】目的地入力ページを表示した携帯端末の画面を示す図である。
図7】別の例にかかる目的地入力ページを表示した携帯端末の画面を示す図である。
図8】完了ページを表示した携帯端末の画面を示す図である。
図9】券売機における発券処理を示すフローチャートである。
図10】券売機が発券する乗車券、およびリファレンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の実施形態について説明する。
【0021】
図1は、この発明の実施形態である券売機を備える、券売システムの構成を示す概略図である。この券売システムは、ネットワークサーバ1と、券売機2と、を備えている。ネットワークサーバ1は、インタネット6に接続しており、インタネット6上で、後述する乗車券購入補助情報を携帯端末5に提供(送信)するページを公開している。図1中に示す携帯端末5は、利用者が所有する携帯電話、スマートフォン等であり、インタネット6に接続する機能を有している。また、携帯端末5は、2次元バーコード(例えば、QRコード(登録商標))を読み取る機能を有している。
【0022】
券売機2は、各駅の改札口周辺に設置しており、利用者に対して乗車券(キップ等)を発券する。この券売機2は、公知の券売機と同様に硬貨や紙幣(以下、貨幣と言う。)の投入を受け付け、投入された貨幣の合計金額以下の運賃が指定されたときに、その運賃に応じた乗車券を発券する第1の発券処理と、後述する乗車券購入補助情報の入力を受け付け、この乗車券購入補助情報に応じた乗車券を発券する第2の発券処理と、を行う。図1では、3つの駅(駅X,駅Y、駅Z)を例示している。
【0023】
利用者は、携帯端末5で、ネットワークサーバ1がインタネット6上で公開しているページにアクセスし、所定の操作を行うことで、後述する乗車券購入補助情報を取得することができる。言い換えれば、ネットワークサーバ1は、インタネット6上で公開しているページにアクセスしてきた携帯端末5に対して、この携帯端末5から要求された乗車券購入補助情報を提供する。この携帯端末5には、ネットワークサーバ1から乗車券購入補助情報を取得する取得処理、およびこの取得処理で取得した乗車券購入補助情報を出力する出力処理を行うアプリケーションプログラムがインストールされている。
【0024】
図2は、ネットワークサーバの主要部の構成を示すブロック図である。ネットワークサーバ1は、制御部11と、地図データベース12(地図DB12)と、最寄り駅検索データベース13(最寄り駅検索DB13)と、公開ページ記憶部14と、通信部15と、を備えている。
【0025】
制御部11は、ネットワークサーバ1本体各部の動作を制御する。
【0026】
図DB12は、公知の地図データを記憶したデータベースである。この地図DB12は、施設(観光名所、テーマパーク、駅等)の名前と、その施設の位置(緯度、経度)と、を対応づけたインデックスを備えている。
【0027】
最寄り駅検索DB13は、施設の名前と、その施設の最寄り駅の駅名と、を対応付けたデータベースである。
【0028】
公開ページ記憶部14は、インタネット6上で公開しているページ(アクセスしてきた携帯端末5に対して乗車券購入補助情報を提供するページ)の表示データを記憶している。公開ページ記憶部14は、日本語、英語、中国語、韓国語等、複数種類の言語別にインタネット6上で公開しているページの表示データを記憶している。
【0029】
図3は、券売機の主要部の構成を示すブロック図である。券売機2は、制御部21と、無線通信部22と、貨幣処理部23と、操作部24と、発券部25と、光学読取部26と、運賃計算データベース27(運賃計算DB27)と、アドレスデータベース28(アドレスDB28)と、を備えている。
【0030】
制御部21は、券売機2本体の動作を制御する。
【0031】
無線通信部22は、本体に投入された乗車券である非接触IC券等と近距離無線通信を行う無線通信部である。非接触IC券は、近距離の無線通信機能を有し、乗車券情報を電子データでメモリに記憶した乗車券である。
【0032】
貨幣処理部23は、利用者が投入した入金紙幣や入金硬貨を処理するとともに、利用者に対して釣銭を放出する処理を行う。この貨幣処理部は、紙幣、および硬貨について、その真偽や金種を識別する公知の貨幣識別ユニットを有する。
【0033】
操作部24は、利用者による入力操作を受け付ける。操作部24は、利用者に対して入力操作を案内する案内画面を表示する表示器や、この表示器の画面上に貼付したタッチパネルを有する。
【0034】
発券部25は、利用者の入力操作に応じた乗車券を発券する。
【0035】
光学読取部26は、後述する乗車券購入補助情報にかかる2次元バーコード(例えば、QRコード(登録商標))を光学的に読み取る。
【0036】
運賃計算DB27は、2駅間の移動経路(乗換駅や、乗り換える路線等)と、この2駅間の運賃と、を対応付けて記録したデータベースである。
【0037】
アドレスDB28は、言語の種類毎に、2駅間の移動経路(乗換駅や、乗り換える路線等)を案内するインタネット6上のサイトのページのアドレス、および駅毎にその駅周辺の地図を提供しているインタネット6上のサイトのページのアドレスを記憶している。
【0038】
次に、ネットワークサーバ1が、インタネット上で公開しいているページにアクセスしてきた携帯端末5に対して乗車券購入補助情報を提供(送信)する処理について説明する。
【0039】
携帯端末5の所有者である利用者は、携帯端末5を操作して、ネットワークサーバ1がインタネット6上で公開しているページにアクセスする。このとき、利用者は、乗車券を購入する乗車駅にいる必要はなく、どこにいてもよい(乗車券を購入する乗車駅にいてもよい。)。
【0040】
図4は、ネットワークサーバの動作を示すフローチャートである。ネットワークサーバ1は、本サービスを提供しているインタネット6上のページにアクセスしてきた携帯端末5に対して言語選択ページを送信する(s1)。
【0041】
図5は、言語選択ページを表示した携帯端末の画面を示す図である。利用者は、携帯端末5の表示部に表示された言語選択ページにおいて、言語を選択する。この言語選択ページは、図5に示すように、プルダウンメニューによって、言語の種類を選択させるものであってもよいし、言語の種類を利用者に直接入力させるものであってもよい。利用者は、日本語、中国語、韓国語、英語等の複数の言語の中から、任意の言語を選択することができる。
【0042】
したがって、外国人であっても、自分が日常的に使用している言語や、自分が理解できる言語を選択することができる。
【0043】
携帯端末5は、言語選択ページにおいて選択された言語の種類をネットワークサーバ1に送信する。
【0044】
ネットワークサーバ1は、携帯端末5から送信されてきた言語の種類を受信すると(s2)、受信した種類の言語で表記している目的地入力ページを公開ページ記憶部14から読み出し、このページを携帯端末5に送信する(s3)。
【0045】
図6は、目的地入力ページを表示した携帯端末の画面を示す図である。図6では、言語の種類として、英語が選択された場合の目的地入力ページの画面例を示している。利用者は、携帯端末5の表示部に表示された目的地入力ページにおいて、目的地を入力する。目的地は、降車駅の駅名を入力してもよいし、神社やお城等の観光名所の名前や、テーマパークの名前等、利用者が実際に訪れる場所(行き先)である施設の名前を入力してもよい。したがって、実際に訪れる場所の最寄り駅の駅名を知らない利用者であっても、目的地入力ページにおいて、目的地を入力することができる。
【0046】
また、目的地の入力にかかる利用者の負担を低減するために、施設の名前等をリストで表示し、利用者に選択させるようにしてもよい。
【0047】
さらには、図7に示すように、ネットワークサーバ1が、地図を表示させる目的地入力ページを携帯端末5に送信し、利用者が地図上で目的地の選択入力が行えるようにしてもよい。
【0048】
携帯端末5は、入力された目的地をネットワークサーバ1に送信する。
【0049】
ネットワークサーバ1は、携帯端末5から目的地が送信されてくると(s4)、送信されてきた目的地に応じた乗車券購入補助情報を生成する(s5)。s5では、携帯端末5から送信されてきた目的地が、駅名(降車駅の駅名)でなければ、送信されてきた目的地の最寄り駅を検索する。この最寄り駅の検索は、最寄り駅検索DB13を利用して行う。ネットワークサーバ1は、目的地が駅名であれば、この駅を利用者の降車駅と判断する。ネットワークサーバ1は、ここで判断した降車駅の駅名を示す降車駅情報、および利用者が今回選択した言語の種類を示す言語情報を含む乗車券購入補助情報を生成する。
【0050】
ネットワークサーバ1は、s5で生成した乗車券購入補助情報を含む完了ページを携帯端末5に送信し(s6)、本処理を終了する。
【0051】
図8は、完了ページを表示した携帯端末の画面を示す図である。携帯端末5は、この完了ページをメモリ等に記憶する。利用者は、必要に応じて、この完了ページを携帯端末5の表示部に表示させることができる。図8に示すQRコード(登録商標)が、s5で生成された乗車券購入補助情報である。
【0052】
なお、ここでは、乗車券購入補助情報がQRコード(登録商標)である場合を示しているが、10桁程度の数字によるコードであってもよい。
【0053】
次に、利用者がネットワークサーバ1から携帯端末5に取得した乗車券購入補助情報を用いて、この発明の実施形態である券売機2で乗車券を購入するときの処理について説明する。図9は、券売機における発券処理を示すフローチャートである。
【0054】
なお、この券売機2は、上述したように、公知の券売機と同様に貨幣の投入を受け付け、投入された貨幣の合計金額以下の運賃が指定されたときに、その運賃に応じた乗車券を発券する第1の発券処理を行うが、この第1の発券処理については、公知であるので、ここでは説明を省略する。言い換えれば、ネットワークサーバ1がs5で生成した乗車券購入補助情報を用いた、乗車券の発券処理(第2の発券処理)について説明する。
【0055】
利用者は、携帯端末5を操作し、ネットワークサーバ1から取得した、上述の完了ページを携帯端末5の表示部に表示させる。この完了ページには、図8に示したように、乗車券購入補助情報であるQRコード(登録商標)が含まれている。利用者は、このQRコード(登録商標)を券売機2の光学読取部26に翳す。
【0056】
券売機2は、光学読取部26にQRコード(登録商標)が翳されると(s11)、このQRコード(登録商標)から、降車駅、および乗車券購入補助情報を取得するときに選択された言語の種類を読み取る(s12)。券売機2は、このQRコード(登録商標)からの降車駅、および言語の種類の読み取りにより、乗車券の発券要求を受け付けたと判定する。
【0057】
なお、乗車券購入補助情報が10桁程度の数字である場合、利用者は携帯端末5の表示部に表示させた画面を確認しながら、券売機2に設けられているテンキーを操作して、この乗車券購入補助情報を券売機2に入力する。また、券売機2は、携帯端末5との近距離無線通信により、携帯端末5から送信されてきた乗車券購入補助情報を受信する構成であってもよい。
【0058】
券売機2は、運賃計算DB27を検索して、自駅(設置されている駅)から、s12で読み取った降車駅までの運賃、および移動経路を取得する(s13)。また、券売機2は、操作部24が有する表示器において、s13で得た運賃以上の貨幣を投入することを利用者に案内するガイダンスを、s12で読み取った種類の言語で表示する(s14)。したがって、利用者は、自身が日常的に使用している言語や、理解できる言語で貨幣を投入することが案内されるので、とまどうことなく、貨幣処理部23に貨幣を投入することができる。また、s14にかかるガイダンスは、音声でおこなってもよい。
【0059】
また、券売機2は、アドレスDB28を検索して、s13で取得した移動経路(自駅とs12で読み取った降車駅までの移動経路)を案内するページを公開しているインタネット6上のアドレス、および降車駅周辺の地図を公開しているインタネット6上のサイトのアドレスを取得する(s15)。s15では、s12で読み取った種類の言語で、表記されるインタネット6上のサイトのアドレスを取得している。
【0060】
券売機2は、利用者がs13で算出した運賃以上の貨幣を貨幣処理部23に投入すると(s16)、発券部25において、s12で読み取った降車駅までの乗車券を発券するとともに、s15で取得した、自駅とs12で読み取った降車駅までの移動経路を案内するページを公開しているインタネット6上のサイトのアドレス、および降車駅周辺の地図を提供しているインタネット6上のサイトのアドレスを含むQRコード(登録商標)を印字したリファレンスを発券する(s17)。また、券売機2は、このとき、利用者が運賃を超える金額の貨幣を投入していた場合には、その差額である釣銭を放出する。
【0061】
図10(A)は、券売機が発券する乗車券であり、図10(B)は、券売機が発券するリファレンスである。図10(B)に示すように、リファレンスには、QRコード(登録商標)に加えて、乗換駅を印字している。
【0062】
したがって、利用者は、リファレンスに印字されているQRコード(登録商標)を携帯端末5で読み取ることで、降車駅までの移動経路を、利用者自身が日常的に使用している言語や、理解できる言語で案内しているサイトに簡単にアクセスすることができる。また、同様に、降車駅周辺の地図を、利用者自身が日常的に使用している言語や、理解できる言語で提供しているインタネット6上のサイトに簡単にアクセスすることができる。
【0063】
これにより、利用者が外国人であるかどうかにかかわらず、鉄道網を利用して移動する利用者に対して、煩わしさを感じさせることなく、乗車駅から降車駅までの移動経路における乗換駅や、乗り換える路線等を携帯端末5で確認させることができる。利用者は、降車駅までの移動における路線の乗り換えがスムーズに行える。
【0064】
同様に、降車駅周辺の地図についても、利用者に携帯端末5で簡単に確認させることできる。利用者は、降車駅周辺の地図を確認することで、降車駅から目的地(利用者が実際に訪れる場所)までスムーズに移動できる。
【0065】
また、上記の例では、券売機2は、ネットワークサーバ1が携帯端末5に提供したQRコード(登録商標)(乗車券購入補助情報)を読み取ることで、発券要求を受け付けたと判定するとしたが、利用者が操作部24において、降車駅や言語の種類を指定する入力操作を行ったときに、発券要求を受け付けたと判定する構成としてもよい。このようにすれば、利用者は、ネットワークサーバ1にアクセスして、乗車券購入補助情報を取得していなくても、降車駅までの移動経路や、降車駅周辺の地図を利用者自身が日常的に使用している言語や、理解できる言語で案内しているサイトに簡単にアクセスすることができる。
【0066】
また、上述の例では、券売機2は、降車駅までの移動経路や、降車駅周辺の地図を利用者自身が日常的に使用している言語や、理解できる言語で案内しているサイトのアドレスを含むQRコード(登録商標)を印字したリファレンスを発券するとしたが、これらのアドレスを近距離無線通信等で携帯端末5に送信する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0067】
1…ネットワークサーバ
2…券売機
5…携帯端末
6…インタネット
11…制御部
12…地図データベース(地図DB
13…最寄り駅検索データベース(最寄り駅検索DB)
14…公開ページ記憶部
15…通信部
21…制御部
22…無線通信部
23…貨幣処理部
24…操作部
25…発券部
26…光学読取部
27…運賃計算データベース(運賃計算DB)
28…アドレスデータベース(アドレスDB28)
図2
図3
図4
図5
図6
図8
図9
図10
図1
図7