(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、インシュレータの突出部の径方向内側には、巻回されたコイルが径方向内側へ崩れるのを防止するために、コアから離れる方向に突出した内壁部が設けられている。コイルが巻回される前の状態では、
図12(a)に示すように、内壁部573は、突出部571に対して垂直な方向に延在している。しかし、
図12(b)に示すように、コイル590がコアの歯部562及び突出部571に巻回されると、内壁部573は、巻回されたコイル590によって径方向内側に押され、ロータ511側へ傾くように変形する。そのため、傾いた内壁部573がロータ511に接触し、ロータ511の回転を妨げるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、インシュレータの内壁部が径方向内側へ傾くことを防止できるモータ及び圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係るモータは、環状に配置された複数の歯部を有するコアと、前記コアの両端にそれぞれ配置され、前記複数の歯部とそれぞれ積層される複数の突出部を有するインシュレータと、前記歯部及び前記突出部に巻回されるコイルとを備え、前記突出部は、前記コイルが巻回される巻線装着部と、前記巻線装着部の径方向内側において前記コアから離れる方向に突出した内壁部とを有し、前記複数の突出部の少なくとも1つの突出部における前記コアと対向する面は、径方向内側端部近傍において前記コアと接触する接触部と、前記接触部の径方向外側において前記突出部の前記巻線装着部の全幅に設けられた凹部とを有する。
【0007】
このモータでは、インシュレータのコアと対向する面に、コアと接触する接触部と、その径方向外側に形成された凹部とが設けられ、突出部の巻線装着部とコアとの間に空間が形成される。そのため、コイルがコアの歯部とインシュレータの突出部とに巻回されると、巻回されたコイルから突出部の巻線装着部に対してコアに向かう力が加えられることにより、巻線装着部が変形する。これに伴って、インシュレータの内壁部は、その先端部が径方向外側へ移動するように傾く。よって、コイルが歯部と突出部とに巻回されたときに、インシュレータの内壁部が径方向内側に傾くのを防止できる。
【0008】
第2の発明に係るモータは、第1の発明に係るモータにおいて、前記突出部の前記巻線装着部の径方向に沿った縦断面において、前記凹部に対応した部分が曲線からなる。
【0009】
このモータでは、凹部に対応した部分が曲線からなり、凹部に角部が形成されないようにすることができる。これにより、巻回されたコイルから受ける応力を凹部全体に均等に作用させることができ、応力が凹部の一部に集中するのを防止できる。
【0010】
第3の発明に係るモータは、第1又は第2の発明に係るモータにおいて、前記内壁部は、径方向内側から見たときに、前記コアから離れる方向に凸である略半円形状であって、前記内壁部の湾曲部の長さは、前記突出部の前記巻線装着部の幅の2倍以上である。
【0011】
このモータでは、略半円形状の内壁部の湾曲部の長さが巻線装着部の幅の2倍以上であることによって、コイルが歯部と突出部とに巻回された場合に、インシュレータの内壁部が径方向外側に傾きやすい。したがって、インシュレータの内壁部が径方向内側に傾くのを効果的に防止できる。
【0012】
第4の発明に係るモータは、第1〜第3のいずれかの発明において、前記内壁部の高さは、前記突出部の前記巻線装着部の幅以上である。
【0013】
このモータでは、インシュレータの内壁部の高さが巻線装着部の幅以上であることによって、コイルが歯部と突出部とに巻回された場合に、インシュレータの内壁部が径方向外側に傾きやすい。したがって、インシュレータの内壁部が径方向内側に傾くのを効果的に防止できる。
【0014】
第5の発明に係る圧縮機は、第1〜第4のいずれかの発明のモータを備えており、CO
2冷媒を圧縮する。
【0015】
この圧縮機では、高圧のCO
2冷媒が用いられることから、モータに大きな能力が要求され、コイルの占積率を高める必要があるが、高い占積率でコイルが巻回された場合でも、インシュレータの内壁部が径方向内側に傾くのを防止できる。
【発明の効果】
【0016】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0017】
第1の発明では、インシュレータのコアと対向する面に、コアと接触する接触部と、その径方向外側に形成された凹部とが設けられ、突出部の巻線装着部とコアとの間に空間が形成される。そのため、コイルがコアの歯部とインシュレータの突出部とに巻回されると、巻回されたコイルから突出部の巻線装着部に対してコアに向かう力が加えられることにより、巻線装着部が変形する。これに伴って、インシュレータの内壁部は、その先端部が径方向外側へ移動するように傾く。よって、コイルが歯部と突出部とに巻回されたときに、インシュレータの内壁部が径方向内側に傾くのを防止できる。
【0018】
第2の発明では、凹部に対応した部分が曲線からなり、凹部に角部が形成されないようにすることができる。これにより、巻回されたコイルから受ける応力を凹部全体に均等に作用させることができ、応力が凹部の一部に集中するのを防止できる。
【0019】
第3の発明では、略半円形状の内壁部の湾曲部の長さが巻線装着部の幅の2倍以上であることによって、コイルが歯部と突出部とに巻回された場合に、インシュレータの内壁部が径方向外側に傾きやすい。したがって、インシュレータの内壁部が径方向内側に傾くのを効果的に防止できる。
【0020】
第4の発明では、インシュレータの内壁部の高さが巻線装着部の幅以上であることによって、コイルが歯部と突出部とに巻回された場合に、インシュレータの内壁部が径方向外側に傾きやすい。したがって、インシュレータの内壁部が径方向内側に傾くのを効果的に防止できる。
【0021】
第5の発明では、高圧のCO
2冷媒が用いられることから、モータに大きな能力が要求され、コイルの占積率を高める必要があるが、コイルが高い占積率で巻回された場合でも、インシュレータの内壁部が径方向内側に傾くのを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
【0024】
(圧縮機の構成)
図1に示すように、圧縮機1は、1シリンダ型のロータリ圧縮機であって、アキュムレータ2と、密閉ケーシング3と、密閉ケーシング3内に配置された駆動機構4及び圧縮機構5とを備えている。駆動機構4は、圧縮機構5の上方に配置されている。圧縮機構5は、シリンダ51と、フロントヘッド52と、リアヘッド53とを有する。また、密閉ケーシング3の底部には、圧縮機構5の摺動部の動作を滑らかにするための潤滑油Lが貯留されている。なお、
図1では、駆動機構4の断面を示すハッチングを省略して図示している。
【0025】
圧縮機1では、アキュムレータ2の入口管2aから導入された冷媒(本実施形態では、CO
2)が、吸入管6から密閉ケーシング3内に導入され、圧縮機構5で圧縮された後、排出管7から排出される。
【0026】
(駆動機構4)
駆動機構4は、圧縮機構5を駆動するものであって、駆動源となるモータ8と、モータ8によって駆動されるシャフト9とを有する。モータ8は、環状のコア60を含むステータ10と、その径方向内側に配置されたロータ11とを有する。シャフト9は、ロータ11の略中央部に形成された貫通孔11aに挿入されている。
【0027】
図1,2に示すように、ステータ10は、略環状のコア60と、コア60の上端及び下端に配置されたインシュレータ70,80と、コア60及びインシュレータ70,80に巻回されたコイル90とを有する。なお、
図1では、コイル90を省略して図示している。
【0028】
<コア>
図3に示すように、コア60は、環状のバックヨーク部61と、バックヨーク部61から径方向の内側に向けて突出した9個の歯部62と、隣接する歯部62の間に形成された9個のスロット63とを有する。コア60の略中央部に形成された貫通孔64には、ロータ11が配置される。
【0029】
<インシュレータ>
図2に示すように、コア60の上端及び下端に配置されたインシュレータ70,80は、コア60とコイル90とを絶縁する部材であり、例えば、液晶ポリマー(LCP)やポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリイミドやポリエステル等の耐熱性の良い樹脂により形成されている。
図4の斜視図及び
図6(a)の上面視図に示すように、インシュレータ70は、径方向内側に向けて突出した9個の突出部71と、突出部71の径方向外側端部に形成された略環状の外壁部72と、突出部71の径方向内側端部にそれぞれ形成された内壁部73とを有する。9個の突出部71は、
図3に示すコア60の9個の歯部62にそれぞれ積層される。外壁部72は、突出部71及びコア60の歯部62に巻回されたコイル90が径方向外側に向けて崩れるのを防止するものであって、内壁部73は、コイル90が径方向内側に向けて崩れるのを防止するものである。
【0030】
図5(a),(b)に示すように、突出部71は、外壁部72と内壁部73との間において、コイルが巻回されるコイル装着部(巻線装着部)74を有する。コイル装着部74の幅(
図7のWに相当)は、内壁部73の幅より狭い幅となっている。
図5(a),(b)及び
図6(b)の下面視図に示すように、突出部71において、コア60の歯部62と対向する対向面75には、突出部71の径方向内側端部近傍に設けられた接触部76と、接触部76の径方向外側に形成された凹部77とが設けられている。接触部76は、内壁部73の下方に対応する部分と、突出部71の径方向内側端部におけるコイル装着部74の下方に対応する部分とによって構成されている。したがって、凹部77は、突出部71のコイル装着部74の下面に設けられている。接触部76は、インシュレータ70がコア60の上端に配置されたときに、コア60の歯部62と接触する。
図5(b)に示すように、凹部77の底面は平面であり、突出部71のコイル装着部74とコア60との間に、略直方体状の空間が形成される。また、凹部77の隅部C
1,C
2はR状に形成されていることから、インシュレータ70の径方向に沿った縦断面において(
図5(b)参照)、凹部77に対応した部分は、直線(凹部77の底面及び側面)と曲線(隅部C
1,C
2)とから構成されており、凹部77に角部が形成されていない。そして、凹部77の高さ(
図5(b)に示す高さh)は、インシュレータ70の径方向及び周方向について略一定となっている。また、
図6(b)の下面視図及び
図7の上面視図に示すように、凹部77は、突出部71のコイル装着部74の全幅に設けられており、凹部77の幅(
図7に示すW)はインシュレータ70の径方向について一定である。ここで、
図5(b)にはインシュレータ70の径方向に沿った縦断面図を示しており、
図7には、
図6(a)の一点鎖線で囲まれた部分の拡大図を示している。
【0031】
図5(c)に示すように、内壁部73は、径方向内側から視たときに、コア60と離れる方向に凸である略半円形状に形成されている。内壁部73の略半円弧状の湾曲部の長さ(
図5(c)に示すL)は、突出部71のコイル装着部74の幅(
図7に示すW)の2倍以上である(L≧2W)。また、内壁部73の頂点部73pにおける高さ(
図5(c)に示すH)は、コイル装着部74の幅(
図7に示すW)以上である(H≧W)。
【0032】
また、
図1,2に示すコア60の下端に配置されたインシュレータ80は、コア60の上端に配置されたインシュレータ70と、略同一の構成である。
【0033】
<コイル>
図2に示すように、コイル90は、コア60の歯部62をインシュレータ70,80により上下方向から挟んだ状態で、コア60の歯部62及びインシュレータのコイル装着部74に巻回されている。
【0034】
ここで、
図8を参照しつつ、コイル90がコア60の歯部62及びインシュレータ70の突出部71に巻回された状態を説明する。
図8にはモータ8の上端部の一部を示しており、
図8(b)は
図2のB−B線に沿った断面図を示している。なお、
図8では、モータ8の断面を示すハッチングを省略して表示している。
【0035】
図8(a)に示すように、コイル巻回前は、突出部71の接触部76の径方向外側において、コイル装着部74とコア60の歯部62との間に略直方体状の空間が形成されている。
【0036】
そして、
図8(b)に示すように、コイル90がコア60の歯部62とインシュレータ70のコイル装着部74とに巻回されたときに、コイル装着部74に対してコア60に向かう力が加えられることにより、コイル装着部74の中央部が、コア60側に向けて凸状に変形する。これに伴って、インシュレータ70の内壁部73は、その先端部73aが径方向外側へ移動するようにθ
1度だけ傾く。したがって、コイルが巻回された場合でも、インシュレータ70の内壁部73がロータ11に接触することがない。
【0037】
以上のように、本実施形態のモータ8では、インシュレータ70,80のコア60と対向する対向面75に、コア60と接触する接触部76と、その径方向外側に形成された凹部77とが設けられ、突出部71のコイル装着部74とコア60との間に空間が形成される。そのため、コイル90がコア60の歯部62とインシュレータ70,80の突出部71とに巻回されたとき、コイル装着部74が、コア60側に向けて凸状に変形する。これに伴って、インシュレータ70,80の内壁部73は、その先端部73aが径方向外側へ移動するように傾く。よって、コイル90がコア60の歯部62とインシュレータ70,80の突出部71に巻回されたときに、インシュレータ70,80の内壁部73が径方向内側に傾くのを防止できる。
【0038】
また、本実施形態のモータ8では、インシュレータ70,80の略半円形状の内壁部73の湾曲部の長さ(L)がコイル装着部74の幅(W)の2倍以上であることによって、コイル90がコア60の歯部62とインシュレータ70,80の突出部71に巻回された場合に、インシュレータ70,80の内壁部73が径方向外側に傾きやすい。したがって、インシュレータ70,80の内壁部73が径方向内側に傾くのを効果的に防止できる。
【0039】
さらに、本実施形態のモータ8では、インシュレータ70,80の内壁部73の高さ(H)がコイル装着部74の幅(W)以上であることによって、コイル90がコア60の歯部62とインシュレータ70,80の突出部71に巻回された場合に、インシュレータ70,80の内壁部73が径方向外側に傾きやすい。したがって、インシュレータ70,80の内壁部73が径方向内側に傾くのを効果的に防止できる。
【0040】
加えて、本実施形態のモータ8では、高圧のCO
2冷媒が用いられることから、モータ8に大きな能力が要求され、コイル90の占積率を高める必要があるが、高い占積率でコイル90が巻回されても、インシュレータ70,80の内壁部73が径方向内側に傾くのを防止できる。
【0041】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態のモータは、第1実施形態ではインシュレータ70,80の突出部71に設けられた凹部77の底面が平面であるのに対して、第2実施形態ではインシュレータ170の突出部171に設けられた凹部177の底面が曲面である点において、第1実施形態に係るモータ8と異なっている。なお、その他の構成は、上記第1実施形態と同様であるため、同じ符号を用いて適宜その説明を省略する。
【0042】
図9に示すように、コア60の上端に配置されたインシュレータ170は、径方向内側に突出した突出部171を有する。突出部171において、コア60の歯部62と対向する対向面175には、突出部171の径方向内側端部近傍に設けられた接触部176と、接触部176の径方向外側に形成された凹部177とが設けられている。インシュレータ170の径方向に沿った縦断面において(
図9(a)参照)、凹部177の底面(凹部177に対応した部分)は、曲線から構成されているとともに略円弧状に形成されており、凹部177の中央付近で、底部までの深さが最も深くなっている。そして、インシュレータ170の径方向について、凹部177の中央付近から離れるにしたがって凹部177の深さが浅くなっている。また、凹部177は、突出部171のコイル装着部174の全幅に設けられおり、凹部177の幅はインシュレータ170の径方向について一定となっている(
図7参照)。
図9には、インシュレータ70の径方向に沿った縦断面図を示しており、断面を示すハッチングを省略して図示している。
【0043】
図9(a)に示すように、コイル巻回前は、突出部171の接触部176の径方向外側において、コイル装着部174とコア60の歯部62との間に略半円柱形状の空間が形成されている。そして、
図9(b)に示すように、コイル90がコア60の歯部62とインシュレータ170のコイル装着部174とに巻回されたときに、コイル装着部174に対してコア60に向かう力が加えられることにより、コイル装着部174の中央部が、略平坦となるようにコア60側に向けて変形する。これに伴って、インシュレータ170の内壁部73は、その先端部73aが径方向外側へ移動するようにθ
2度だけ傾く。したがって、コイルが巻回された場合でも、インシュレータ170の内壁部73がロータ11に接触することがない。
【0044】
以上のように、本実施形態のモータでは、第1実施形態のモータ8と同様に、コイル90がコア60の歯部62とインシュレータ170の突出部171とに巻回されたとき、インシュレータ170の内壁部73が径方向内側に傾くのを防止できる。
【0045】
また、本実施形態のモータでは、凹部177の底面(凹部177に対応した部分)が曲線から構成されており、凹部177に角部が形成されていないため、巻回されたコイル90から受ける応力を凹部177全体に均等に作用させることができる。これにより、応力が凹部177の一部に集中するのを防止できる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0047】
例えば、上述の第1実施形態では、凹部77が略直方体形状であり、第2実施形態では、凹部177が略半円柱形状であるが、凹部の形状は変更可能である。例えば、凹部が階段状に形成されていてもよい。また、上述の第1及び第2実施形態では、コアの上端に配置されるインシュレータと、コアの下端に配置されるインシュレータとにおいて、凹部の形状が同一である場合を説明したが、凹部の形状は異なってもよい。
【0048】
また、上述の第1実施形態では、凹部77が略直方体状に形成されるとともに凹部77の隅部C
1,C
2がR状に形成されることにより、凹部77に角部が形成されておらず、上述の第2実施形態では、凹部177が略円弧状に形成されることにより、凹部177に角部が形成されていないが、凹部は上述した構成に限られない。例えば、
図10(a)〜(c)に示すように、凹部(凹部に対応した部分)に角部が形成されてもよい。
【0049】
さらに、上述の第1実施形態では、インシュレータ70の径方向に沿った縦断面において、凹部77に対応した部分は、直線(底面及び側面)と曲線(隅部C
1,C
2)とから構成され、上述の第2実施形態では、インシュレータ170の径方向に沿った縦断面において、凹部177に対応した部分(底面)が、曲線から構成されているが、
図11(a)〜(c)に示すように、インシュレータの径方向に沿った縦断面において、凹部は直線から構成されていてもよい。
【0050】
加えて、上述の第1実施形態では、凹部77の高さ(
図5(b)に示す高さh)が、インシュレータ70の径方向及び周方向について略一定であるとともに、凹部77の幅(
図7に示すW)がインシュレータ70の径方向について一定であるが、凹部の高さや幅は一定でなく変化してもよい。例えば、
図10(b),(c)に示すように、凹部の高さをインシュレータの径方向について変化させてもよい。また、
図11(a),(b)に示すように、凹部の幅をインシュレータの径方向について変化させてもよい
【0051】
また、上述の第1実施形態及び第2実施形態では、接触部76,176が、内壁部73の下方に対応する部分と、突出部71の径方向内側端部におけるコイル装着部74の下方に対応する部分とによって構成されている場合について説明したが、接触部は、内壁部の下方に対応する部分から構成されてもよく、突出部の径方向内側端部におけるコイル装着部の下方に対応する部分から構成されてもよい。
【0052】
さらに、上述の第1実施形態及び第2実施形態では、9個の突出部71,171の全てに凹部77,177が設けられている場合について説明したが、凹部は、9個の突出部の少なくとも1つに設けられてもよい。また、上述の第1実施形態及び第2実施形態では、インシュレータ70,170が9個の突出部71,171を有し、コア60が9個の歯部62を有する場合について説明したが、突出部及び歯部の数は9個に限られない。
【0053】
加えて、上述の第1実施形態及び第2実施形態では、内壁部73の湾曲部の長さ(L)がコイル装着部74の幅(W)の2倍以上である場合について説明したが、内壁部73の湾曲部の湾曲長さ(L)はコイル装着部の幅(W)の2倍未満でもよい(L<2W)。
【0054】
また、上述の第1実施形態及び第2実施形態では、内壁部73の高さ(H)がコイル装着部74の幅(W)以上である場合について説明したが、内壁部の高さ(H)は、コイル装着部の幅(W)より小さくてもよい(H<W)。
【0055】
さらに、上述の第1実施形態及び第2実施形態では、コイル装着部74の幅(
図7のWに相当)が内壁部73の幅より狭い幅である場合について説明したが(言い換えると、内壁部73の幅がコイル装着部74の幅より広い幅である場合について説明したが)、内壁部73の幅は、コイル装着部74の幅と同じ幅でもよい。また、内壁部73の幅は、コイル装着部74の幅より狭くてもよい。
【0056】
加えて、上述の第1実施形態及び第2実施形態では、冷媒にCO
2を用いたが、冷媒はCO
2に限定されない。例えば、冷媒にHFC、HC、HCFC、NH
3等を用いてもよい。