(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。
<1.全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る遊戯用撮影装置である遊戯用撮影装置の外観を示す図である。より詳細には、
図1(a)は、この遊戯用撮影装置を横から見た外観側面図であり、
図1(b)は、上から見た外観平面図である。この遊戯用撮影装置は、利用者が入る撮影室2と、利用者を撮影し背景画像および前景画像の選択を受け付ける撮影ユニット3と、利用者による落書き(描画操作)を含む編集操作を受け付け撮影画像に合成した合成画像を生成する編集ユニット4と、合成画像を出力する出力ユニット5とを備えている。
図2は、撮影ユニット3の正面図であり、
図3は、編集ユニット4の正面図であり、
図4は、出力ユニット5の正面図である。以下、
図1から
図4を参照しつつ、本実施形態に係る遊戯用撮影装置の全体構成について説明する。
【0011】
撮影室2は、略直方体形状であって、撮影ユニット3は、内部に入る利用者から見て前の面である撮影室2の前面に沿って配置されている。なお、撮影室2の左右両側面の一部には、それぞれ利用者が出入りするための開口部と、当該開口部の一部または全部を覆う遮光カーテンとが設けられている。また、撮影室2の内部に入る利用者から見て後ろの面である背面にはクロマキー合成処理のための単一の色(ここでは青色または緑色)が付されている。なお、これらの色は、例えば、撮影ユニット3の撮影範囲に含まれる床面等にも付されていてもよい。また、撮影室2は、上記の構成に限定されることはなく、撮影に適した空間であればよい。
【0012】
撮影ユニット3は、利用者を撮影する撮像手段としての2つのカメラ10,11と、当該カメラ10,11の左右や上方の位置に配置され閃光を発するストロボ13L、13R、14と、当該カメラ10の下方に配置され利用者からの操作の受け付けや撮影画像の表等を撮影操作用タッチパネル20および確認用液晶パネル12とを備える。
【0013】
カメラ10,11は、典型的には、CCD(電荷結合素子)を利用してデジタル画像信号を生成するデジタルカメラであって、利用者を撮影し、その撮影画像を表す画像信号を出力する。カメラ10は利用者の全身を撮影するため広角レンズを使用している。また、カメラ11は、利用者の上半身または顔をアップで撮影するためのものである。ストロボ13,14は、撮影のための充分な光を得るために利用者に向かって閃光を発する。撮影操作用タッチパネル20は、撮影の際に利用者による各種操作を受け付けるための操作画面を提供するとともに、カメラ11からの上記画像信号に基づく画像をリアルタイムで表示するように構成されている。また、確認用液晶パネル12は、カメラ10からの上記画像信号に基づく画像をリアルタイムで表示するように構成されている。ところで、
図1に示すように、全身撮影用のカメラ10は、アップ撮影用のカメラ11よりも低い位置に配置されている。これにより、利用者を下方から撮影することができるので、利用者の足部分が長く、かつ、同部分が短くなるように全身撮影を行うことができる。その結果、撮影画像に含まれる利用者の像がより理想に近い体型となるように、撮影を行うことができる、という効果が得られる。
【0014】
図5は、撮影操作用タッチパネル20の表示構成を示す模式図である。
図5に示すように、撮影操作用タッチパネル20には、リアルタイムで撮影画像を表示するためのリアルタイムプレビュー領域201と、ポーズの見本を表示するためのポーズ見本表示領域202と、撮影によって得られる落書き対象画像を表示するための落書き対象画像表示領域203とが表示されている。なお、リアルタイムプレビュー領域201には、撮影画像に対してリアルタイムでクロマキー合成された背景画像が合わせて表示される。
【0015】
図5は、撮影操作用タッチパネル20の表示構成を示す模式図である。
図5に示すように、撮影時点において、撮影操作用タッチパネル20には、リアルタイムで撮影画像を表示するためのリアルタイムプレビュー領域201と、ポーズの見本を表示するためのポーズ見本表示領域202と、撮影によって既に得られた落書き対象画像を表示するための落書き対象画像表示領域203とが表示されている。なお、リアルタイムプレビュー領域201には、撮影画像に対してリアルタイムでクロマキー合成された背景画像が合わせて表示される。
【0016】
また撮影ユニット3は、編集ユニット4内に内蔵されるコンピュータを中心とした構成要素、すなわち各部の制御等を行う制御装置、I/O制御装置、および他のコンピュータと通信を行うためのネットワークアダプタ等によって制御されている。また、撮影ユニット3は、前面下方にコイン投入口26を備えている。
【0017】
編集ユニット4は、撮影ユニット3を制御するコンピュータとは異なるコンピュータによって制御されている。また、編集ユニット4は、
図1(b)に示すように、2組の利用者がプレイ可能なように2つのユニット4a、4bに分かれている。そのうちの一方のユニット4aには、落書き領域や落書きのためのメニュー、ツール等を表示する領域を含みGUI(Graphical User Interface)表示手段として機能する編集操作用タッチパネル400と、当該編集操作用タッチパネル400に対する操作に使用されるポインティングデバイスとしてのタッチペン49L、49Rとが設けられている。なお、他方のユニット4bについても同様の構成となっている。ここで
図1(a)において手前に見えるユニット4aを「落書きブースA」と呼び、その反対側(図では裏側)のユニット4bを「落書きブースB」と呼ぶ。
【0018】
本実施形態における編集操作用タッチパネル400は、各ユニット4a、4bにおいてそれぞれ2人の利用者が同時に落書きを行えるような表示構成となっている。なお、本説明においては、左側の利用者が使用する構成要素には「L」を含む参照符号を付し、右側の利用者が使用する構成要素には「R」を含む参照符号を付している。もっとも、3人以上の利用者がこれらを適宜に使用してもよい。
【0019】
また、本実施形態における編集操作用タッチパネル400は、複数のタッチペン49L、49Rによる操作位置を同時に検出可能に構成されており、かつ、検出される各操作位置が、タッチペン49L、49Rのうちのいずれの操作に対応するのかも検出可能となっている。例えば、編集操作用タッチパネル400として静電容量方式のタッチパネルを使用した場合には、このような複数の操作位置の同時検出と操作されたタッチペンの識別とが可能である。
【0020】
この点、撮影操作用タッチパネル20は、タッチペンが使用されるのではなく(もちろん使用されてもよいが)、利用者の指による操作位置を複数検出可能に構成されている。このことを実現するために、撮影操作用タッチパネル20として、例えば上記静電容量方式のタッチパネルや、光センサ方式などその他の周知の方式により、指の近接、接触、または押圧を検出可能な表示パネル(このような検出が可能な表示パネルを「タッチセンサ付きパネル」という)が使用される。
【0021】
出力ユニット5は、
図4に示すように、典型的には前面下方に、編集ユニット4で編集操作が行われた合成画像を印刷した写真シールや写真カード等を取り出す取出口33を備えている。また、出力ユニット5は、例えば携帯電話端末に内蔵される赤外線ポートにより、例えばデコメール(登録商標)画像等の素材画像や撮影画像に落書きをした合成画像などを利用者の携帯電話端末に転送する際に利用者によって操作される出力操作用タッチパネル30と、出力操作用タッチパネル30の下方に配置され上記素材画像等を赤外線信号として携帯電話端末に向けて直接送信するための赤外線ポート(非接触通信ポート)31と、上記通信の際に必要な操作方法や効果音などを音声によって利用者に知らせるスピーカ32とを備えている。なおこの構成は一例であってこれらの要素の一部または全部を備えない場合もある。
【0022】
出力操作用タッチパネル30は、利用者が合成画像を印刷された写真シール等だけでなく携帯電話端末においても見たい場合に、上記素材画像等を上記非接触通信機能を備えた携帯電話端末に送信するのに必要な各種操作を受け付けるための操作画面を提供するように構成されている。なお、当該操作は主に合成画像の写真シール等が印刷されるまでの時間を利用して行われるので、利用者は写真シール等が印刷されるまでの時間を持て余すことなく有効に利用することができる。また、出力ユニット5に出力操作用タッチパネル30を設けずに、当該操作を編集ユニット4の編集操作用タッチパネル400で行うようにすることもできる。
【0023】
また出力ユニット5は、携帯電話端末装置55を内蔵しており、利用者によって使用される携帯電話端末によってサーバから当該合成画像をダウンロードできるよう、撮影画像を含む合成画像を画像データとして典型的には第3世代型携帯電話(3G)方式の無線通信方式で近傍の無線基地へ送信し、この画像データは当該無線基地局からインターネットを介して図示されない画像サーバに与えられ蓄積される。
【0024】
このような出力ユニット5も、撮影ユニット3を制御するコンピュータを中心に構成され各部の制御等を行う制御装置および他のコンピュータと通信を行うためのネットワークアダプタ等によって制御されているほか、合成画像を写真シール等として印刷するネットワークプリンタ35を備えている。
【0025】
以上のような構成において、利用者は、撮影室2において撮影を行った後、編集ユニット4の落書きブースAまたは落書きブースBの編集操作用タッチパネル400を使用することにより、撮影画像に基づいて生成された落書き対象画像に対して落書きを行う。そして、利用者は、落書きによって生成された合成画像をネットワークプリンタによって印刷したり、赤外線通信機能を有する携帯電話端末に画像を送信し、携帯電話端末で受信した画像を端末画面に表示させたりする。
【0026】
<2. 機能的構成>
図6は、本実施形態に係る遊戯用撮影装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。この
図6に示す遊戯用撮影装置は、機能的には、落書き対象画像に対する利用者の落書き操作に応じて当該落書き対象画像の編集処理を行う編集処理部8と、主として利用者を撮影する処理(撮影処理)を行うとともに、編集処理が行われた落書き対象画像を写真シール等として出力したり、作成された素材画像等を非接触通信を利用して携帯電話端末に出力したりする処理(出力処理)を行う撮影出力処理部7とから構成されている。
【0027】
撮影出力処理部7は、第1の制御部70と、撮像部71と、第1の表示・操作部72と、I/O制御部73と、照明部74と、第1の通信部75と、第4の表示・操作部91と、印刷出力部92と、音声出力部93と、非接触通信部94と、無線通信部96とによって構成されている。また、編集処理部8は、第2の制御部80と、第2の表示・操作部81と、第3の表示・操作部82と、第2の通信部85とによって構成されている。ネットワークアダプタである第1および第2の通信部75,85は、LAN(Local Area Network)であるネットワーク6を介してそれぞれ相互に通信可能となっている。
【0028】
撮像部71は、CCD等の撮像素子を用いて構成されるカメラ10,11に相当し、リアルタイムに画像を取り込んで当該画像(撮影画像)を表す画像信号を出力する。この画像信号は第1の制御部70に入力されて、その内部のメモリに撮影画像データとして一時的に記憶される。また、この撮影画像データは撮影画像信号として第1の制御部70から第1の表示・操作部72に供給され、当該撮影画像信号に基づく撮影画像がリアルタイムに表示される。なお実際には、撮影画像として保存される撮影画像データは高解像度の静止画データであり、リアルタイム表示を行うための撮影画像データ(「スルー画像データ」とも呼ばれる)は低解像度の動画データであるが、撮影対象は同一であるので、以下ではこれらを特に区別しないで説明することがある。
【0029】
第1の表示・操作部72は、ここでは撮影操作用タッチパネル20に相当する表示入力手段として機能し、撮影画像に付加されるべき背景画像(および前景画像)を選択する操作や、後述する利用者の像を補正するためのパラメータ設定等を行う操作、シャッター操作等を受け付ける。これらの操作を示す信号は、操作信号として第1の制御部70に入力される。また、第1の表示・操作部72は、確認用液晶パネル12に相当する表示手段としても機能し、例えば撮影画像データをスルー表示する。なお、撮影操作用タッチパネル20は一例であって、そのほかの表示入力装置であってもよいし、表示装置(例えば液晶パネル等)と入力装置(例えばボタンや、キーボード、トラックボール等)とにより表示入力装置が構成されており、画面に対応する入力装置による操作入力を受け付け可能に構成されていてもよい。ここで、利用者を撮影するための(選択された撮影メニューに対応する)所定の処理が開始されると、第1の表示・操作部72に利用者のための案内が表示され、その後の第1の制御部70からの指示に基づき、数秒程度の予め決められた時間の経過後にカメラ10,11の撮影方向にストロボ13,14から閃光が放たれる。そのとき、利用者の撮影画像を表す信号として撮像部71から(すなわちアップ撮影の場合にはカメラ10から、全身撮影の場合にはカメラ11から)出力される画像信号が第1の制御部70に入力され、第1の制御部70内のメモリまたは補助記憶装置としてのハードディスク装置等に撮影画像データとして格納される。
【0030】
照明部74は、カメラ10,11の左右や上方の位置に配置されたストロボ13,14(
図2参照)に相当し、第1の制御部70からの指示に基づきI/O制御部73によって点灯/消灯および調光が制御される。I/O制御部73は、撮影ユニット3に内蔵されるI/O制御装置に相当し、第1の制御部70からの指示に基づき、照明部74を制御する。また、後述のコイン検出部(不図示)からの検出信号等の入力信号を第1の制御部70へ転送する。第1の通信部75は、ネットワークアダプタに相当し、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0031】
第1の制御部70は、編集ユニット4に内蔵され、CPU、メモリ、フレームバッファ、タイマー、補助記憶装置等を含むコンピュータを中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、上述のようにして入力される操作信号等に基づき各部を制御するために、上述のように各部に指示を出す。また撮影された画像に基づいて落書き対象画像を生成する。生成された落書き対象画像はフレームバッファに書き込まれることにより、第1の表示・操作部72に表示される。さらに、第1の制御部70は、落書き対象画像に所定の背景画像や前景画像を描画した画像である合成画像を生成する。この落書き対象画像には、マスクの作成に使用されるキー色となる背景色が付されており、周知のクロマキー合成処理の手法に基づき、利用者の像のみを含む撮影画像部分を抽出し、当該撮影画像部分が背景画像中に嵌め込まれるように合成する。このように生成された合成画像はフレームバッファに書き込まれることにより第1の表示・操作部72に表示される。
【0032】
上記の構成要素の他、撮影ユニット3におけるコイン投入口26に投入されたコインを検出するためのコイン検出部(不図示)が更に撮影ユニット3に設けられており、第1の制御部70は、コイン検出部での検出結果に基づき、利用者に所定時間だけ撮影や背景画像および前景画像の選択や落書き等、本遊戯用撮影装置によるプレイを許容するように各部を制御する。このコイン検出部による検出動作やその検出結果に基づく第1の制御部70による制御動作は、従来の遊戯用撮影装置と同様であって周知であるので、その詳しい説明を省略する。
【0033】
次に第2の制御部80は、第1の制御部70とは別に、編集ユニット4に内蔵され、CPU、メモリ、フレームバッファ、タイマー、および補助記憶装置等を含むコンピュータを中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、編集ユニット4において行われる編集処理に関する全体の制御を行う。すなわち第2の制御部80は、第2および第3の表示・操作部81,82を制御するGUI制御手段として機能する。また、第2の制御部80は、生成された落書き対象画像(撮影画像を含む画像)に対する落書き処理を行うための操作信号に基づき、その落書き対象画像に所定画像を描画した画像である合成画像を生成する。描画される所定画像としては、例えば、選択されたスタンプ画像や、タッチペンで描かれた線状の画像、選択された2以上のスタンプを所定の順で重ね合わせることにより生成した合成スタンプ画像等を利用することができる。
【0034】
このような合成画像の生成が終了すると、利用者による分割レイアウトの選択指示を受け付けられ、選択された分割レイアウトを示す情報および生成された合成画像は第1の制御部70に送られる。なお、印刷出力部92が別の合成画像を出力中である場合には、その旨が表示されるとともに終了を待って送られる。なお、これらの情報はネットワーク6を介して送受信される。
【0035】
第2および第3の表示・操作部81,82は、落書きのためのGUI表示手段として機能する編集操作用タッチパネル400に相当し、タッチペンを用いた利用者の操作を受け付ける。
【0036】
第2の通信部85は、ネットワークアダプタに相当し、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0037】
また第1の制御部70は、上記の撮影処理のほか、出力処理に関する全体の制御を行う。第1の制御部70は、第2の制御部80から送られてきた合成画像を合成画像データとしてメモリに格納する。印刷出力部92は出力ユニットに内蔵されるネットワークプリンタ35に相当し、メモリに格納された合成画像データを(適宜にレイアウトした)写真シール(または写真カード)として印刷する。印刷された写真シール等は、出力ユニット5の正面下方に設けられた取出口33から取り出される。
【0038】
さらに第1の制御部70は、第2の制御部80から送られてきた分割レイアウト情報および合成画像に基づいて写真シール等の印刷処理を開始すると同時に、利用者の入力操作を受け付けるための後述する操作画面を第4の表示・操作部91に表示する。この第4の表示・操作部91は出力操作用タッチパネル30に相当し、入力手段として機能する。出力操作用タッチパネル30は、液晶ディスプレイまたはCRT(Cathode Ray Tube)等の表示手段として機能するモニタと、その上面に積層され、入力座標を認識することができる1人用のタッチパネルから構成される。モニタは複数の画面に分割された操作画面を表示することができ、タッチパネルは分割された複数の画面ごとに利用者のタッチペンを用いた入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を操作信号として第1の制御部70に入力する。
【0039】
無線通信部96は、出力ユニット5に内蔵される携帯電話端末装置55に相当し、携帯電話端末によって図示されない画像サーバ部から当該合成画像をダウンロードできるように、第1の制御部70により作成された合成画像のデータを3G方式の無線通信方式で無線基地部へ送信する。
【0040】
ここで、第1の制御部70は、落書きを終えてから操作を始めるまでの間、補助記憶装置に予め記憶されているデモ画像(デモンストレーション用の画像)をフレームバッファに書き込むことにより第4の表示・操作部91に表示する。また音声出力部93は、スピーカ32に相当する。音声出力部93は、第4の表示・操作部91に表示される操作画面と連動して入力操作方法を利用者に説明し、また第4の表示・操作部91にデモ画像が表示されているときにデモ画像に応じた楽曲等を流す。なお、入力操作方法の説明や楽曲等は補助記憶装置としてのハードディス装置等に予め格納されている。
【0041】
その後、第1の制御部70は、第4の表示・操作部91の表示や音声出力部93による音声や効果音等により合成画像の印刷が完了するまで後述するミニゲームを利用者に提供し続ける。このミニゲームの内容も同様にハードディスク装置等に予め格納されている。
【0042】
ここで、各制御装置において実行される上記所定プログラムは、例えば、そのプログラムを記録した記録媒体であるDVD−ROMによって提供される。すなわち、上記所定プログラムの記録媒体としてのDVD−ROMが補助記憶装置として制御装置内に内蔵されたDVD−ROM駆動装置に装着され、そのDVD−ROMから所定プログラムが読み出されて補助記憶装置としてのハードディスク装置にインストールされる。また、上記所定プログラムは、DVD−ROM以外の記録媒体(CD−ROM等)や通信回線を介して提供されてもよい。そして、本遊戯用撮影装置の起動のための操作がなされると、ハードディスク装置にインストールされた所定プログラムは、制御装置内のメモリに転送されてそこに一時的に格納され、制御装置内のCPUによって実行される。これにより、制御装置による上記各部の制御処理が実現される。
【0043】
なお、上記第1および第2の制御部70,80は、異なるコンピュータを含む装置に相当するものとして説明したが、このような構成は一例であって、上記第1および第2の制御部70,80は、1つまたは3つ以上の装置により実現されてもよいし、どのユニットに内蔵されていてもよい。なお、この場合には各装置において、それぞれ実現されるべき機能に応じたプログラムが実行される。また、撮影ユニット3、編集ユニット4、および出力ユニット5についても、2つ以下または4つ以上のユニットにより構成されてもよい。
【0044】
<3.遊戯用撮影装置における処理手順>
上述したように、この遊戯用撮影装置には、撮影ユニット3と編集ユニット4と出力ユニット5とが含まれている。撮影ユニット3では撮影処理が行われ、編集ユニット4では後述する落書き編集処理が行われ、出力ユニット5では出力処理が行われる。なお、或る利用者が撮影ユニット3でプレイしている時に他の利用者は編集ユニット4でプレイし、さらに他の利用者は出力ユニット5で合成画像を出力することができるように構成されている。すなわち、この遊戯用撮影装置は、撮影処理と落書き編集処理と出力処理とを並行して行うことができる。以下に、撮影処理、落書き編集処理、および出力処理の手順の概要について説明する。
【0045】
<3.1 撮影処理>
図7は、本実施形態における撮影処理の手順を示すフローチャートである。この遊戯用撮影装置が使用されていない時(プレイが行われていない時)には、撮影操作用タッチパネル20にはデモ画像が表示されている。デモ画像の表示中に利用者がコイン投入口26にコインを投入すると、プレイが開始される(ステップS100)。
【0046】
プレイが開始されると、第1の制御部70は、利用者による撮影モードの選択を受け付ける(ステップS110)。ステップS110では、例えば画質(具体的にはコントラストが高いくっきりとした画質、柔らかなふんわりとした画質、または透明感のあるクールな画質のうちのいずれか)を選択し、明るさを選択し、自動で撮影するか手動で撮影するかを選択し、自動で撮影する場合には撮影用テーマの選択が行われる。この場合、第1の制御部70は、予め用意された複数の撮影用テーマの中から1つ以上の撮影用テーマを利用者に選択させるための画面を撮影操作用タッチパネル20に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。そして、第1の制御部70は、利用者の選択操作に基づいて選択情報を取得し、選択された撮影用テーマに基づいて、撮影の際に使用するフレームと背景との組み合わせを決定する。また手動で撮影する場合は、上記フレームと背景とを利用者が自由に決定する。その後、処理はステップS120に進み、撮影が行われる。この撮影により、撮影画像データが第1の制御部70のメモリに格納される。
【0047】
ステップS130では、撮影画像に基づいて生成された落書き対象画像(撮影画像を含む画像)が、撮影操作用タッチパネル20に表示される。詳しくは、ステップS130の処理が行われる都度、
図5に示した撮影操作用タッチパネル20の落書き対象画像表示領域203に落書き対象画像が順次追加表示される。なお、典型的には、カメラ11により利用者の上半身または顔を撮影するアップ撮影と、カメラ10により利用者の全身を撮影する全身撮影とを1セット3回ずつ行うか、またはこれを2〜3セット繰り返して行う。その後、処理はステップS140に進み、第1の制御部70は、予め定められた枚数の撮影が終了したか否かを判定する。判定の結果、当該枚数の撮影が終了していれば処理はステップS150に進み、当該枚数の撮影が終了していなければステップS120に戻る。なお、実際には撮影のための制限時間(例えば3分)が設けられており、制限時間よりも(或る程度)早く予定枚数の撮影が終了した場合には、さらに所定枚数だけ撮影が行われる(ボーナスショットと呼ばれる)。
【0048】
ステップS150では、複数の落書き対象画像の中から実際の落書き対象となる画像の(利用者による)選択が行われる。具体的には、第1の制御部70は、落書きおよび印刷に使用する画像を利用者に選択させるために、落書き対象画像の一覧を撮影操作用タッチパネル20に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。ステップS150の終了後、処理はステップS160に進む。
【0049】
ステップS160では、選択された落書き対象となる画像に対して周知の歪曲収差、典型的には広角レンズを使用するカメラ10によって生じる樽型歪みを解消するための補正処理が行われる。この補正処理は、例えば方形の画像を糸巻き型に変形するような縮小変形処理を行うものである。このような補正処理は周知であるので詳しい説明は省略する。また、ここで幾何学歪みを補正する処理や、そのほかの各種補正処理を行ってもよい。ステップS160の終了後、処理はステップS170に進む。
【0050】
ステップS170では、歪曲収差が補正された撮影画像に対して撮影対象となる利用者の足部分を不自然に写らないよう伸張する、本実施形態の特徴的な処理である脚部伸張処理が行われる。なお、この撮影画像に代えて、上記落書き対象画像に対して脚部伸張処理を行ってもよいし、クロマキー合成前の後述する透明領域に対応する利用者の像のみを含む撮影画像部分(以下「利用者画像」という)に対して脚部伸張処理を行ってもよい。この脚部伸張処理は、複数の処理態様が考えられ、それらの処理内容は詳しく後述する。ステップS170の終了後、処理はステップS180に進む。
【0051】
ステップS180では、クロマキー合成処理が行われる。このクロマキー合成処理は、一般的にはクロマキーマスクを作成する処理と、背景画像を合成する処理とを含む。クロマキーマスクとは、例えば周知の合成マスク(アルファチャネル)であって、対象となる撮影画像のうちのキー色(ここでは青色または緑色)を有する領域、すなわち撮影室2の背面の像が占める領域を透明とし、それ以外の領域を非透明とするためのデータである。この合成マスクは一般的には対象となる画像の画素毎に0(完全透明)または255(完全非透明)の透過度を示す値αが設定される。このようなクロマキーマスクを使用することにより、撮影画像の非透明領域(α=255)に相当する背景画像の領域は隠され(マスクされ)、その透明領域(α=0)に相当する背景画像の領域は見えるように合成される。そのため、あたかも対象となる撮影画像の非透明領域の部分が切り取られ、切り取られた当該部分が上記背景画像に対して貼り付けられたような合成画像が得られる。このようなクロマキー処理によって遊戯性の高い画像作成を行うことができる。なお、この背景画像は撮影中に利用者によって適宜選択されるが、後述する落書き処理中に利用者の選択操作に応じて選ばれてもよい。そして、第1の制御部70は、以上のように補正されクロマキー処理された画像を実際の落書き対象画像として第2の制御部80に送る。ステップS180の終了後、処理はステップS190に進む。
【0052】
ステップS190では、案内画面の表示が行われる。具体的には、第1の制御部70は、利用者を編集ユニット4のいずれか(4aまたは4b)に導くための画面を撮影操作用タッチパネル20に表示する。これにより、撮影処理が終了する。
【0053】
<3.2 落書き編集処理>
図8は、本実施形態における落書き編集処理の手順を示すフローチャートである。第2の制御部80が所定のプログラムに基づき
図8に示すように動作することで、この落書き編集処理が実現される。この処理では、上述した撮影処理の終了後、第2の制御部80は、ネットワーク(LAN)6を介して第1の制御部70から送られる落書き対象画像(
図7のステップS150で利用者によって選択され、ステップS160,S170で補正された画像)を取得する(ステップS200)。その後、タイマーが所定の時間(具体的には、落書きを許可する時間)に設定され、カウントダウンが開始される(ステップS210)。
【0054】
タイマーのカウントダウン開始後、編集ユニット4を構成するユニット4a,4bのそれぞれの編集操作用タッチパネル400において、落書き編集操作画面が表示され、利用者による落書き操作(描画操作)が受け付けられる(ステップS232〜S236)。なおこの落書き編集処理時において、編集ユニット4では、撮影画像に基づく落書き対象画像に対する編集操作の他に、デコメール画像等の素材画像を作成するための編集操作が受け付けられてもよい。
【0055】
具体的には、編集操作画面内のボタンやツールなどの1つをタッチペンでタッチすると、その座標値が入力され(S232)、対応する落書き画面処理(S234)が行われる。その後ステップS236においてタイマーの残り時間が0になる(または利用者が終了させる操作を行う)ことにより落書きが終了したかが判定され、終了していない場合(S236においてNoの場合)にはステップS232に戻り、落書きが終了するまで処理が繰り返され、落書きが終了した場合(S236においてYesの場合)には、処理はステップS240に進む。
【0056】
ステップS240では、出力される写真の分割パターンの選択が行われる。具体的には、第2の制御部80は、予め用意された複数の分割パターンの中からいずれかの分割パターンを利用者に選択させるための画面を編集操作用タッチパネル400に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。そして、第2の制御部80は、利用者の選択操作に基づいて、選択情報を取得する。ステップS240の処理が終了した後、ステップS250の処理に進む。
【0057】
ステップS250では、案内画面の表示が行われる。具体的には、第2の制御部80は、利用者を出力ユニット5に導くための画面を編集操作用タッチパネル400に表示する。これにより、落書き編集処理が終了する。落書き編集処理が終了すると、出力ユニット5において、編集ユニット4から送られてきた合成画像に基づいて写真シール等の印刷処理が開始されることなどについては前述した通りである。
【0058】
以上のような処理のうち、前述したようにステップS170における脚部伸張処理が特徴的な内容となっており、複数の処理態様が考えられる。以下、順に具体的に説明する。なお、この脚部伸張処理(S170)は、第1の制御部70によって、撮影終了直後に行われるが、第2の制御部80によって行われてもよいし、落書き操作中に例えば利用者の指示に応じて行われる構成であってもよい。
【0059】
<3.3 脚部伸張処理の具体的な内容>
<3.3.1 第1の処理態様>
図9は、カメラ位置近傍から見た利用者U1,U2と背景との位置関係を簡略に示す図である。この
図9に示されるように、利用者U1,U2は、撮影室2内部のクロマキー色を付された背面110を背にして、クロマキー色が付された床面120の上に立っている。背面(背景)110および床面120のうち、カメラ10により撮影される撮影範囲101は点線で示されている。
【0060】
ここで、遊戯用撮影装置では、撮影対象となる撮影範囲101内に写る利用者U1,U2(以下、「利用者U」とも称する)は、実物よりも足が長く写る方が好ましい。そこで、ステップ170に示される脚部伸張処理において、利用者Uの足を含む画像部分(以下「脚部画像」という)を上下方向に伸張変形することにより、利用者Uの足をスタイル良く長くみせる。
【0061】
この脚部伸張処理では、詳しくは後述するように、脚部画像に含まれる足の部分が拡大される(伸ばされる)ように(長くなるように)変形され、脚部画像に含まれる胴の部分が縮小される(縮める)ように(短くなるように)変形されるが、脚部画像全体の上下方向の長さはほぼ変化しないように変形される。これに対して、脚部画像を下方向(または上下方向)に伸張する(拡大する)ことにより、足を長く見せる手法も考えられる。
【0062】
しかし、この手法によれば、人物の背の高さが大きく変化し、人体を構成する要素の上下方向におけるバランス(以下「頭身バランス」とも言う)が崩れ、不自然な見え方となる。また、足が長い人と短い時とでは頭身バランスが異なる場合が多いため、等しい伸張率(拡大率)で伸張(変形)すると、足は長く見せることができるとしても、スタイル良く見せることができるとは限らない。一般的には、人物の背の高さ(人物の像の上下方向の長さ)は、変形前とほぼ等しいこと、具体的にはその変化が±10%以内の範囲内にあることが好ましく、この場合には不自然な見え方とはならない。また、脚部画像と脚部画像以外の画像との境界で、拡大率が急激に変化するため、当該境界付近の画像(の連続性)が不自然なものとなる。
【0063】
そこで、本実施形態では、ステップ170に示される脚部伸張処理において、利用者Uの膝(近傍の)位置(後述する
図10の線分Pbに対応する位置)を伸張方向の変化点として、膝近傍の画像を上下方向に引き延ばすように伸張(変形)する。また、当該伸張(変形)の上限位置は、利用者Uの腹部付近(後述する
図10の線分Paに対応する位置)であり、その下限位置は、撮影画像の下端(後述する
図10の線分Pcに対応する位置)である。
【0064】
ここで、利用者Uの膝位置および腹部の位置は、予め定められた位置に決定される。すなわち、利用者が立位姿勢をとる場合、手や肘の位置は様々に変化するため、予め定めることは不可能に近い。しかし、平均的な身長の利用者の膝や腹部の位置のうち、カメラ10から見て左右方向における(立ち)位置を予め定めることは困難であっても、カメラ10から見て上下方向における(立ち)位置を予め定めることは比較的容易である。なぜなら、限定された撮影室2内で背面を背にする利用者は、当該背面からほぼ等しい距離を空けて立つことが多く、したがって、足を大きく振り上げたり屈むなどの姿勢を取らない限り、利用者Uの膝位置および腹部位置は、ほぼ一定の位置(高さ)になるからである。そこで、撮影画像における利用者Uの膝位置および腹部位置であると(比較的高い確度で)推測される予め定められた膝位置および腹部位置に基づき、上記脚部伸張処理を行う。以下、
図10から
図12までを参照して、この脚部伸張処理の具体的な処理内容について説明する。
【0065】
なお、以下において膝や腹部などの位置とは、撮影画像(または利用者画像など)における上下方向(Y軸方向)の位置(すなわち左右方向(X軸方向)の位置を考慮しない位置)を指す。
【0066】
図10は、撮影画像における予め定められた腹部位置および膝位置を示す図である。
図10では、撮影範囲101に等しいものとして撮影画像111の範囲(外周)を点線で示している。前述のように、利用者Uの腹部位置および膝位置は、ほぼ一定の位置(高さ)であると考えた場合、このことに基づき予め定められる腹部位置は図中では線分Paとして示され、膝位置は図中では線分Pbとして示されている。また、撮影画像の下端は図中では線分Pcとして示されている。
【0067】
したがって、脚部画像は、利用者U1,U2の腹部位置を含むであろうと推測され、かつ利用者U1,U2の膝位置を含むであろうと推測される画像領域、すなわち線分Paを上辺とし、線分Pcである撮影画像の下端(下辺)を下辺とし、これら上辺および下辺と撮影画像の左端(左辺)および右端(右辺)とで囲まれた領域と定めることができる。
【0068】
ここで、脚部画像の下辺を撮影画像の下端(下辺)と一致させる場合には、利用者U1,U2の足先位置を含む可能性が極めて高いが、実際の足先位置は撮影画像の下端から離れた上方であることが多い。すなわち、前述のように、限定された撮影室2内で背面を背にする利用者は、当該背面からほぼ等しい位置に立つことが多く、したがって、利用者Uの腹部位置および膝位置と同様に、足先位置もほぼ一定の位置(高さ)になる。よって、線分Pa,Pbと同様に足先位置を含むべき線分を設定することが可能であるので、この足先位置を含むべき線分を、撮影画像の下端に代えて、脚部画像の下辺とすることもできる。もっとも、後述するように、脚部画像の変形量を上下方向の位置(Y座標)で変化させる本実施形態の構成では、利用者Uの膝近傍の比較的広い範囲が伸張するように変形することが好ましく、また足先近傍が大きく縮小するように変形することは好ましくない。このように変形させるためには、脚部画像の下辺を足先位置よりも撮影画像の下端にする構成が好適である。
【0069】
次に、以上のようにして決定される脚部画像は、利用者の像の一部であるため、利用者の像としての連続性が保たれるように縮小または拡大されなければならない。そこで、脚部画像は、線分Paである上辺と線分Pcである下辺とをそれぞれ固定し、線分Pbを境界として、当該線分Pbより上方の画像を線分Paに向かって移動させ(変形し)、当該線分Pbより下方の画像を線分Pcに向かって移動させる(変形する)。このときの移動量は線分Pbに近いほど大きく設定する。そうすれば、線分Pb付近で画像が上下に大きく移動することにより、当該膝部分の画像が拡大され、線分Paおよび線分Pc近傍の画像が縮小される。
【0070】
もっとも、このような拡大および縮小は、(基準点によって変化する)相対的なものであって、線分Paから線分Pbまでの範囲の画像は、線分Paに向かって縮小されているとも言え、同様に線分Pcから線分Pbまでの範囲の画像は、線分Pcに向かって縮小されているとも言える。しかし、人の像を上記のように変形させる場合、変形方向の変化点は線分Pbの位置である膝の位置にあり、脚部を基準として(着目して)拡大または縮小が判断される(感じられる)ことが多い。したがって、上記のように変形させると、足の部分が伸張され、線分Pa近傍の胴の部分が縮小されたように感じられ、全体として利用者Uの足をスタイル良く長くみせることができる。ただし前述したように、人物の背の高さは、±10%以内の範囲内で変化することが好ましく、当該範囲内で上記拡大および縮小の程度を定めることが好ましい。
【0071】
図11は、
図10に示される画像に対してなされる脚部伸張処理の結果得られる画像を示す図であり、
図12は、脚部伸張処理と、その上下方向の位置毎の画像変形量とを説明するための図である。この
図12において、
図11に示される脚部伸張処理の結果得られる(利用者U1,U2の)脚部画像は、実線で描かれており、
図10に示される撮影画像に含まれる(利用者U1,U2の)脚部画像は、破線で描かれている。また、
図12に含まれるグラフ図の横軸に示される移動量|ΔY|は、脚部画像の変形による画素位置のY軸方向の移動量ないし変化量(の絶対値)であって、縦軸は、移動する画素のY座標である。
【0072】
図11に示されるように、脚部画像は拡大の前後でその上辺(ここでは線分Pa)および下辺(ここでは線分Pc)の位置に変化はなく、上記脚部伸張処理により膝部が上下に伸張され、胴部近傍が上下に縮小されたように見える。なお、足先近傍が上下に縮小されたように見えないのは、脚部画像の下辺が足先位置に置かれていないからである。
【0073】
具体的には、
図12に示されるY座標に応じた移動量|ΔY|の変化からわかるように、脚部画像は線分Paおよび線分Pcの位置では移動量|ΔY|がゼロであり、線分Pbの位置で最大となる。ただし、前述したように変化方向は反対となるので、線分Pbの位置で画像が上下方向に大きく変化することになる。この結果、人の膝近傍部分が伸張されたように見える。例えば、
図12に示される利用者U2の左足付け根部分の画素は、脚部伸張処理によって上方向に移動量yaだけ移動する。もっとも実際には、各画素のY座標を個別の変化させることにより画素位置を移動させるのではなく、予め定められた範囲の画素群(ブロック)毎に、画素の変化態様が定められており、そのY座標に応じて適宜の画素が間引かれ(縮小され)、または適宜に画素が補間される(拡大される)。これらの具体例としては、Y軸方向(上下方向)に3つの画素がある場合、中央の画素以外を間引いたり、3つの画素の平均値の階調で表示することにより縮小処理を行ったり、Y軸方向(上下方向)に2つの画素がある場合、上側の画素を2画素分だけ上方向へ移動させ、下側の画素を1画素分だけ下方向へ移動させ、さらに2つの画素を補完することにより、4つの画素を表示することにより拡大処理を行う。このような画素を間引くことによる縮小処理または画素を補間することによる拡大処理は、周知の画像処理手法によるため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0074】
このように、撮影画像における脚部画像部分の上端と下端とで移動量をゼロにし、かつ膝部近傍で移動量(の絶対値)を最大にすれば、脚部伸張処理後の利用者の像の連続性が保たれるとともに、利用者Uの足が不自然に長く見える(写る)状態を解消でき、利用者U1,U2の足をスタイル良く長く見せることができる。
【0075】
なお、上記脚部画像は、線分Paを上辺、撮影画像の下端である線分Pcを下辺とする撮影画像の矩形領域部分であるものとして説明したが、これらの矩形領域に含まれる(クロマキー処理によって抽出された)利用者画像部分であってもよい。撮影画像に対して上記脚部伸張処理を行った後にクロマキー処理を行う場合と、クロマキー処理後の利用者画像に対して上記脚部伸張処理を行う場合とで変わりはないからである。
【0076】
もっとも、脚部伸張処理は、多くの演算が必要であるため、演算結果を早く得るためには演算対象である画像のデータ量はできるだけ小さい方が好ましい。この点、撮影画像は例えばRGB各8ビットの階調データにより1つのカラー画素のデータが構成されるのに対して、利用者画像はこれらの階調データに加えてアルファチャネルの(例えば8ビットの)データにより1つのカラー画素データが構成される。したがって、脚部伸張処理は、撮影画像に対して行う方が、クロマキー処理のためのアルファチャネルを有する利用者画像に対して行うよりも、より高速に行うことができる。
【0077】
また前述したように、脚部画像は、
図10または
図11に示されるように、線分Paの位置が(一般的な利用者の)腹部位置となる。なお、この位置は足を長く見せるために、脚部から上方向に少し離れた位置であって、縮小するように見えた方が好ましい位置として腹部の位置が選ばれているが、その近傍や胸部位置が選ばれても同様の効果が得られる。ただし、線分Paの位置は、後述するように顔位置よりも下の位置であることが好適である。後述の各変形例等も同様である。
【0078】
このように、脚部画像の上辺は、一般的な人の足の高さの上限よりもさらに上に位置するため、一般的な利用者より相当に背が低い利用者(典型的には子供)や、しゃがんだ姿勢の利用者などが撮影対象に含まれている場合、上記脚部伸張処理により脚部画像を拡大すると違和感を生じる合成画像が生成されることがある。特に、線分Pb近傍の位置に利用者の顔部分が位置することにより脚部画像に顔の像が含まれる場合、画像の拡大によって顔の形が変形してしまうため、特に違和感を生じることになる。
【0079】
そこで、ステップ170に示される脚部伸張処理の第1の態様における変形例として、脚部画像に利用者Uの顔の像が含まれる場合には、脚部伸張処理を一切行わないか、または変形する程度(画像変形量)を小さくする構成が考えられる。このように構成すれば、顔が変形するような違和感を解消または低減することができる。具体的には、第1の制御部70は、脚部画像である線分Pa,Pcの間の撮影画像中に、人物の顔の像が含まれているか否かを周知のパターン認識などの手法に基づく顔認識処理により判定し、当該顔認識処理によって顔の像が含まれていると判定されない場合には、上記第1の態様と同一の処理を行い、含まれていると判定される場合には、脚部画像を一切変形しないか、または画像変形量を小さく設定した後に変形する。そうすれば、撮影画像に写る利用者の顔が変形するような違和感を解消または低減することができる。なお、上記顔認識には顔検出用LSIチップなどのハードウェアを使用してもよい。そうすればソフトウェア処理の場合よりも顔検出を高速化することができる。
【0080】
さらにステップS180におけるクロマキー合成処理を脚部伸張処理と関連付け、このクロマキー合成処理により得られる利用者画像に基づき、利用者U1,U2の(実際の)腹部位置および膝位置を検出する構成も考えられる。そうすれば、正確な腹部位置および膝位置が得られるので、足が不自然に長く見える状態をより確実に解消でき、また足をよりスタイル良く長く見せることができる。以下、上記利用者画像を利用した脚部伸張処理の第2の態様について説明する。
【0081】
<3.3.2 第2の処理態様>
この第2の処理態様では、上記第1の処理態様とは異なり、利用者画像に基づき、利用者U1,U2の実際の腹部位置および膝位置を検出する。この腹部位置および膝位置を検出する方法としては、周知のパターンマッチングに基づく画像認識手法など、様々な方法が考えられる。なお、腹部位置および膝位置を検出するのではなく、利用者による位置指定の入力を受け付けることにより、腹部位置および膝位置を定める構成であってもよい。
【0082】
例えば、各利用者に対応する利用者画像の上下方向の長さ(具体的には頭の上端から足先までの長さ)に基づき、腹部位置および膝位置を算出してもよい。なぜなら、人間の腹部位置および膝位置は、身長に対して所定の割合で定まる位置にあることが多いからである。
【0083】
また、利用者画像の左右方向の幅から(典型的には最も幅が大きい位置で)腰の位置を検出し、当該腰の位置(および足先位置など)を上記上下方向の長さとともに判断対象とすることにより、腹部位置および膝位置を算出してもよい。腰の位置から足の長さが定まることが多いからである。
【0084】
さらに、利用者画像の形状を解析することにより、当該利用者画像のそれぞれの足部分に対応する画像における足先からの最初の屈曲位置を腹部位置とし、二番目の屈曲位置を膝位置として検出してもよい。
【0085】
さらにまた、様々な姿勢をとる利用者を撮影することにより得られる数多くの利用者画像の画像パターンとその腹部位置および膝位置とを対応付けて予め記憶しておき、上記クロマキー処理により得られる利用者画像とその形状が近似する画像パターンを検索し、当該画像パターンに対応する腹部位置および膝位置を、本利用者画像における腹部位置および膝位置として検出してもよい。
【0086】
また、リアルタイム表示を行うためのスルー画像データに基づき、リアルタイムで生成される利用者画像を利用し、当該利用者画像の動きから膝関節や腹部の位置を検出してもよい。このような位置検出は、人体の特徴点を抽出するための(面積相関法や位相限定相関法などに基づく)周知の様々な手法を適宜採用することにより実現することができる。
【0087】
以上のようにして腹部位置および膝位置を検出すれば、上記第1の処理態様における線分Pa,Pbを設定することができるので、上記第1の処理態様と同様に脚部伸張処理を行うことにより、同様に、利用者U1,U2の足を不自然無くスタイル良く長く見せることができる。
【0088】
なお、本第2の処理態様においても第1の処理態様と同様に、上記脚部画像は、撮影画像の矩形領域部分である必要はなく、これらの矩形領域に含まれる(クロマキー処理によって抽出された)利用者画像部分であってもよい。
【0089】
また、第1の態様における変形例と同様に、脚部画像に利用者Uの顔の像が含まれる場合には、脚部画像を一切変形しないか、または変形する程度(画像変形量)を小さくしてもよい。このように構成すれば、顔が変形するような違和感を解消または低減することができる。
【0090】
ここで、上記第2の処理態様では、利用者U1,U2の各腹部位置および各膝位置は、それぞれ同一かまたはほぼ変わらない位置にあるものとして説明したが、これらが異なる場合には、全ての位置を平均化したり、最も異なる1つを除いて平均化したり、または代表的な1つの位置に基づいて決定するなど様々な手法などが考えられる。
【0091】
もっとも、さらに正確な脚部伸張処理を行うためには、利用者U1,U2の各腹部位置および各膝位置を個別に検出した上で、個別に(すなわち利用者毎に)脚部伸張処理を行う必要がある。そこでこのように個別の脚部伸張処理を行う、脚部伸張処理の第3の態様について、
図13および
図14を参照して説明する。
【0092】
<3.3.3 第3の処理態様>
図13は、撮影画像における検出された各利用者の腹部位置および膝位置を示す図である。図中では、利用者U1,U2の腹部位置(を含む線分の位置)はhaとして示され、利用者U1,U2の膝位置(を含む線分の位置)はhbとして示されている。
【0093】
図13に示されるように、利用者U1の腹部位置および膝位置と、利用者U2の腹部位置および膝位置は共に異なっている。そこで、本処理態様では、利用者毎の脚部画像が生成され、利用者毎に正確に腹部位置および膝位置が検出され、個別に適切な脚部伸張処理がなされる。
【0094】
すなわち、或る利用者の膝位置が他の利用者の膝位置とは異なる場合に、一律に上記脚部伸張処理を行うと、当該脚部画像の変形が適切なものではなくなることがある。本第3の処理態様によれば、このような不都合を解消することができ、各足に対して漏れなくより確実に、利用者U1,U2の足をそれぞれ不自然なく、よりスタイル良く長く見せることができる。
【0095】
ここで、
図13に示される場合とは異なり、利用者U1の像と利用者U2の像とが重なっている場合であって、利用者U1の腹部位置および膝位置と、利用者U2の腹部位置および膝位置が共に異なっている場合、利用者U1の像と利用者U2の像との境界線を認識できる場合には、利用者毎に脚部伸張処理が可能であるようにも思える。しかし、このような場合に個別に(画像変形量が異なる)脚部伸張処理を行うと、利用者U1の像と利用者U2の像とが重なり(重なっている部分)がずれてくるため、本来は見えないはずの部分が見えるように表示されるなど、不自然な表示状態となる場合がある。したがって、このような表示状態を回避するため、利用者U1の像と利用者U2の像とが重なっている場合には、画像変形量を小さくして脚部伸張処理を行うか、または脚部伸張処理を行わない構成が好適である。そうすれば、不自然な表示状態を回避することができる。なお、利用者U1の像と利用者U2の像とが重なっている部分がいずれかの顔部分を含む場合には、脚部伸張処理を行うべきでないことは前述したとおりである。
【0096】
また、利用者U1の像と利用者U2の像とが重なっている部分の画像変形量を小さくして脚部伸張処理を行うか、または当該重なっている部分の画像に対しては脚部伸張処理を行わず、かつ重なっていない部分については、利用者毎に個別に適切な脚部伸張処理を行う構成も好適である。そうすれば、同様に不自然な表示状態を回避することができる。さらに、この場合に、上記重なっている部分の画像変形量を同一にして脚部伸張処理を行う構成であってもよい。
【0097】
なお、ここでは説明の便宜のために、拡大または縮小の方向は上下方向であるように説明したが、これは通常、立位姿勢の利用者の各足は、床に対して垂直に伸びるためである。したがって、利用者の足毎に伸びる方向(例えば脚部画像に含まれる最も離れた2点を結ぶ線分に沿った方向等)を算出し、足毎に算出された伸びる方向へ上記脚部伸張処理における拡大および縮小を行う構成であってもよい。また、各足における脚部画像と足先画像とについて個別にそれぞれの伸びる方向を算出し、拡大または縮小を行う構成であってもよい。
【0098】
また、以上では脚部伸張処理を各足において必ず行うものとして説明したが、例えば
図14に示されるように足を大きく振り上げている場合など、足首から足先が床に対して平行またはほぼ平行になっていない場合(典型的には足先を床面から離して伸ばしている場合)、この足に対して脚部伸張処理を行うと、かえって違和感を生じる場合も考えられる。
【0099】
図14は、
図11に示す例とは異なる撮影画像における検出された各利用者の腹部位置および膝位置を示す図である。この
図14に示されるように、利用者U1,U2の腹部位置haおよび利用者U1,U2の膝位置hbは、
図11に示される場合と同一であるが、利用者U2の左足の足首位置hiおよび足先位置hjは、
図11に示される場合よりもさらに上方にあって足先を伸ばす形(すなわち膝から足先までがほぼ同一直線上にある形)となっている。
【0100】
したがって、例えば、同一の利用者U(ここでは利用者U2)の他方の足(ここでは右足)における足先位置よりも、当該足(ここでは左足)の足先位置が上である場合、当該足先は通常は床面から離れているため、床面と平行でなく伸ばされているものとして、当該足における脚部画像に対しては、上記脚部伸張処理を行わないようにする。そうすれば、違和感を生じる脚部伸張処理を行わないようにして不自然さを解消しつつ、利用者U1,U2の足をよりスタイル良く長く見せることができる。
【0101】
<4.効果>
以上のように本実施形態によれば、腹部位置を上辺とし撮影画像の下端を下辺とする脚部画像において、膝位置近傍を変化点として上下方向に画像が拡大されるので、利用者の像の連続性を保ちつつ、撮影対象となる利用者の足部分が不自然に写らないように(不自然に長く見えないように)することができ、利用者の足をスタイル良く長く見せることができる。
【0102】
<5.その他の変形例>
なお、上述した実施形態および変形例等では、線分Pa、haよりも下の範囲に、利用者の顔が含まれる場合、脚部画像を一切変形しないか、または変形する程度(画像変形量)を通常よりも小さくしたが、当該顔部分を除いた部分を通常通りの変形量で変形させることもできる。
【0103】
また、上述した実施形態および変形例等では、撮影画像における利用者の像を、その膝近傍を中心に変形させる処理を行なっているが、この処理に限らない。撮影画像における利用者の像において、足部分を長くするとともに、その長さに応じた分だけ胴部分を短くする処理であればどのようなものであってもよい。