特許第5874434号(P5874434)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5874434
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】端子接続構造体
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/46 20060101AFI20160218BHJP
   H01R 43/24 20060101ALI20160218BHJP
   B60N 2/44 20060101ALI20160218BHJP
【FI】
   H01R13/46 Z
   H01R43/24
   B60N2/44
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-36463(P2012-36463)
(22)【出願日】2012年2月22日
(65)【公開番号】特開2013-171790(P2013-171790A)
(43)【公開日】2013年9月2日
【審査請求日】2015年1月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089082
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 脩
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 孝輔
(72)【発明者】
【氏名】宅間 摂
(72)【発明者】
【氏名】梁井 慶一
【審査官】 前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−097866(JP,A)
【文献】 特開平08−031505(JP,A)
【文献】 特開平05−278155(JP,A)
【文献】 実開昭61−144576(JP,U)
【文献】 特開2010−257813(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/46
B60N 2/44
H01R 43/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の検知部および当該検知部と連結される導通部を備えたフィルム状荷重検出回路の荷重検出回路端子部と、外部機器に接続される外部接続線の接続線端子部と、を両端で接続する中間接続体を樹脂成型体内にホットメルトモールディングによって一体成型した車両シートのクッション部に設けられる着座センサの端子接続構造体であって、
前記端子接続構造体同士が隣接したときに、隣接する前記端子接続構造体の対向する表面を離間させるための1以上の突起が前記対向する表面のうちの少なくとも一方表面に設けられ、
前記突起のうち少なくとも1つの突起は、前記表面から所定量以上突出し、かつ前記端子接続構造体が前記クッション部のパッド部材の着座面上に配置される場合に、前記突起が前記パッド部材に設けられた係合溝に係合して前記パッド部材に対する前記端子接続構造体の位置決めを行なう位置決め部を兼ねる、端子接続構造体。
【請求項2】
請求項1において、
前記少なくとも1つの突起は、前記パッド部材に設けられた前記係合溝に係合した場合、前記パッド部材の前記着座面と平行な方向への前記端子接続構造体の移動を規制する、端子接続構造体。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記中間接続体は異なる板厚の複数の板厚部を有する板状部材であり、前記中間接続体の表面を覆う前記樹脂成型体の肉厚が前記複数の板厚部に依らず均等となるよう一体成型されることにより前記表面に段差が形成され、当該段差が形成された前記表面に前記突起が設けられる端子接続構造体。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項において、
記突起は前記対向する表面間で複数設けられ、
前記複数の突起の前記表面からの高さは、前記複数の突起の先端が前記対向する表面または前記対向する表面に設けられた前記突起の先端に当接したときに、前記対向する表面同士が平行になるよう設定される端子接続構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知部および当該検知部と連結される導通部を備えた検出回路の荷重検出回路端子部と外部機器に接続される外部接続線の接続線端子部と、を接続する端子接続構造体、特に検知部にフィルム状のメンブレンスイッチを備え、着座センサとして好適な荷重センサの端子接続構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車に装備されたシートベルトやエアバッグ等の各種安全装置の性能を向上させるため、車両シートに乗員が着座している状態を検知して、これらの安全装置をコントロールする技術がある。そして、このような乗員の着座状態を検知するのに適する荷重検知装置として、薄くて可撓性があるフィルム状のメンブレンスイッチを備えた着座センサがある。
【0003】
着座センサは、複数の検知部および当該検知部と連結される導通部を備えたフィルム状荷重検出回路の荷重検出回路端子部と、外部機器に接続される外部接続線の接続線端子部と、フィルム状荷重検出回路端子部と接続線端子部とを両端で接続する中間接続体とからなる。そして、特許文献1に示すように、中間接続体は樹脂成型体内にホットメルトモールディングによって一体成型されて端子接続構造体が形成されている。このとき、一体成型に使用される材料としては、一般的にポリアミド(Polyamide)やポリエステル(Polyester)等の比較的タック性(粘着性)の強い樹脂材料が選定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−97866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、実際に端子接続構造体を有する製品状態のフィルム状着座センサを海路や陸路で箱詰め輸送する場合には、隣設する端子接続構造体、特に上下に配置される端子接続構造体の相互の表面(平面)同士が密着し、輸送中にタック性によって張り付いてしまう虞がある。そこで、現状では、上下に配置されるフィルム状センサの間に、シート状のセパレータを介在させて表面同士が密着するのを防ぎ、張り付きを抑制しているものがある。これによって、多くの工数およびセパレータ代が掛かりコスト増大の要因となっている。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、低コストで輸送に適した端子接続構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る端子接続構造体の発明は、複数の検知部および当該検知部と連結される導通部を備えたフィルム状荷重検出回路の荷重検出回路端子部と、外部機器に接続される外部接続線の接続線端子部と、を両端で接続する中間接続体を樹脂成型体内にホットメルトモールディングによって一体成型した車両シートのクッション部に設けられる着座センサの端子接続構造体であって、前記端子接続構造体同士が隣接したときに、隣接する前記端子接続構造体の対向する表面を離間させるための1以上の突起が前記対向する表面のうちの少なくとも一方表面に設けられ、前記突起のうち少なくとも1つの突起は、前記表面から所定量以上突出し、かつ前記端子接続構造体が前記クッション部のパッド部材の着座面上に配置される場合に、前記突起が前記パッド部材に設けられた係合溝に係合して前記パッド部材に対する前記端子接続構造体の位置決めを行なう位置決め部を兼ねる
請求項2に係る端子接続構造体の発明は、請求項1において、前記少なくとも1つの突起は、前記パッド部材に設けられた前記係合溝に係合した場合、前記パッド部材の前記着座面と平行な方向への前記端子接続構造体の移動を規制する。
【0008】
請求項に係る端子接続構造体の発明は、請求項1又は2において、前記中間接続体は異なる板厚の複数の板厚部を有する板状部材であり、前記中間接続体の表面を覆う前記樹脂成型体の肉厚が前記複数の板厚部に依らず均等となるよう一体成型されることにより前記表面に段差が形成され、当該段差が形成された前記表面に前記突起が設けられる。
【0012】
請求項に係る端子接続構造体の発明は、請求項1から3の何れか1項において、前記突起は前記対向する表面間で複数設けられ、前記複数の突起の前記表面からの高さは、前記複数の突起の先端が前記対向する表面または前記対向する表面に設けられた前記突起の先端に当接したときに、前記対向する表面同士が平行になるよう設定される端子接続構造体。
【発明の効果】
【0013】
上記のように構成した請求項1に係る発明によれば、端子接続構造体同士が隣接したときに、隣接する端子接続構造体の対向する表面を離間させるための突起が、対向する表面のうちの少なくとも一方表面に設けられている。このため、端子接続構造体同士が隣接しても、表面同士が密着することはない。これにより、隣接する端子接続構造体間に、張り付き防止のためのシートを介在させなくとも端子接続構造体同士が張り付くことはなく、簡易な方法によって張り付きを防止し輸送を低コストに行なうことができる。また、突起のうち少なくとも1つの突起は、表面から所定量以上突出し、端子接続構造体が配置されるクッション部のパッド部材に設けられる係合溝に係合して端子接続構造体の位置決めを行なう位置決め部を兼ねる。これにより、フィルム状荷重検出回路、外部接続線、および端子接続構造体からなる完成製品を、短時間で精度よく着座面上に位置決めし、設置できる。
【0014】
請求項に係る発明によれば、中間接続体は異なる板厚の複数の板厚部を有する板状部材であり、中間接続体の表面を覆う樹脂成型体の肉厚は板厚部の厚さに依らず均等に成型される。このため、モールディング成型実施後、樹脂材が冷却される過程においては、中間接続体を覆う樹脂材は外表面から内部に向って均一に冷却されていく。これにより、部分的に樹脂材の固化の速度にばらつきが生じてひけが発生したり、中間接続体の近傍に気泡が発生したりする虞がなく、高品質の製品が得られる。また、樹脂成型体の肉厚は板厚部の厚さに依らず均等に成型されるので、樹脂成型体の表面には段差が形成される。そして、当該段差が形成された表面には突起が設けられる。これにより、段差が形成された表面と、別の端子接続構造体のいずれかの表面とが隣接し対向しても、表面同士は突起によって離間され、張り付く虞はない。
【0018】
請求項に係る発明によれば、複数の突起の大きさは、複数の突起の先端が対向する表面または対向する表面に設けられた突起の先端に当接したときに、対向する表面同士が平行になるよう設定される。これによって、端子接続構造体の表面を運搬用の箱の底面と平行にして積み上げることができ、運搬用の箱1箱に収納できる数を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る端子接続構造体を有した着座センサを搭載した車両シートの全体構成を示す斜視図である。
図2】車両シートのクッション部上面図である。
図3】第1の実施形態に係る着座センサ8の図2、III−III 断面図である。
図4】着座センサ8の全体図である。
図5図3のV−V断面図である。
図6】第1の実施形態に係る端子接続構造体9の上面拡大図である。
図7】上下に隣接する端子接続構造体9の重なりの状態を示した図である。
図8】第1の実施形態に係る変形例1の側面図(a)と下面図(b)である。
図9】第1の実施形態に係る変形例2の側面図(a)と下面図(b)である。
図10】第1の実施形態に係る変形例3の側面図(a)と下面図(b)である。
図11】第1の実施形態に係る変形例4の側面図である。
図12】第2の実施形態に係る端子接続構造体39の側面図(a)と下面図(b)である。
図13】第2の実施形態に係る着座センサ38の図2、III−III 断面図である。
図14】第2の実施形態に係る変形例5の側面図である。
図15】第2の実施形態に係る変形例6の側面図である。
図16】第2の実施形態に係る変形例7の側面図である。
図17】側面に突出部を備えた端子接続構造体の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る第1の実施形態の端子接続構造体9について、端子接続構造体9を備えたフィルム状の着座センサ8を適用例の一つである車両シート2に配置した場合に基づいて説明する。なお、本明細書中において使用する「前後、左右、上下」の方向は車両のそれを基準として記述している。
【0021】
図1に示すように、車両シート2は、クッション部4およびシートバック部6を備えている。クッション部4は、図2に示すように、ウレタン等から構成されるパッド部材10とパッド部材10の着座側表面である上面を覆うように装着される布製(またはビニールレザーや皮革製等)の表皮部材12とを備えている。パッド部材10の上面の一部には、図2に示すように、左右方向(図2の上下方向)に延在する凹溝14が陥没形成されている。そして、着座センサ8は、パッド部材10と表皮部材12との間で凹溝14を横切って配置される。図3に示すように、凹溝14では、後述する着座センサ8が有するフィルム状荷重検出回路15の連結部28が凹溝14の形状に沿って挿入され曲成されている。そして、フィルム状荷重検出回路15の後述する各連結部24、26、30の裏面には、図略の両面テープ(または接着材)が貼付され、フィルム状荷重検出回路15がパッド部材10の着座面上でズレないように固定されている。
【0022】
着座センサ8について説明する。着座センサ8は、図4図5に示すようにフィルム状荷重検出回路15と、フィルム状荷重検出回路15の基端部である荷重検出回路端子部17と、外部接続線16と、外部接続線16の基端部である接続線端子部18と、荷重検出回路端子部17および接続線端子部18を両端で電気的に接続する中間接続体19と、を有している。中間接続体19は、銅や鉄などの導電性を有する金属製の板状部材によって形成されている。そして中間接続体19は、荷重検出回路端子部17および接続線端子部18を両端で接続した状態で、後に詳述するホットメルトモールディングによって樹脂成型体11内に一体成型され、本発明に係る端子接続構造体9が形成されている。
【0023】
図4に示すように、フィルム状荷重検出回路15は、荷重を検知する検知部としての接点A〜D(メンブレンスイッチ)と、4つの接点A〜Dの間および荷重検出回路端子部17との間を連結する第1〜第4の4つの連結部24、26、28、30と、を有している。連結部24、26、28、30には、各接点A〜Dを電気的に接続する図略の導通部(センサ回路)が形成されている。接点A〜Dにより検知された荷重信号は、各連結部24、26、28、30が有する導通部(センサ回路)を介して荷重検出回路端子部17から出力される。
【0024】
そして、接点A〜D、連結部24、26、28、30(導通部(センサ回路)含む)および荷重検出回路端子部17は、いずれも図略の対となった上部フィルムと下部フィルムとに絶縁スペーサを介して重合されることによりフィルム状に形成されている。上部フィルムおよび下部フィルムは、例えばポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂材からなる薄肉状のフィルムで、接点A〜Dおよび各連結部24、26、28、30(導通部(センサ回路)含む)の外形をなしている。絶縁スペーサは、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂からなり、上部フィルムおよび下部フィルムの形状に略沿う外形をなし、接点A〜Dに対応する位置には円形の開口部が設けられている。
【0025】
各接点A〜D部においては、上部フィルムに配された円形状の上部電極(図略)と、下部フィルムに配された円形状の下部電極(図略)とが、開口部を挟んで同心で対向するように設けられている。これにより、接点A〜D部において設定値以上の荷重が厚み方向に加わると、入力された荷重値に応じて上部電極が設けられた上部フィルムが撓み、上部電極と下部電極とが接触して電流が流れ、設定値以上の荷重の入力が検出される。各接点A〜Dの各電極は、各連結部24、26、28、30が有する導通部(センサ回路)、荷重検出回路端子部17および中間接続体19を介して接続線端子部18および外部接続線16に接続されている。このようにして、接点A〜Dは、パッド部材10へ付与される荷重を検出する。なお、以降、フィルム状荷重検出回路15(着座センサ8)においてパッド部材10の着座側表面に当接する側を裏側と称し、表皮部材12と当接する側を表側と称す。
【0026】
第1連結部24は、接点Aと接点Bとを連結し、第2連結部26は接点Cと接点Dとを連結している。また、第3連結部28は、第1連結部24と第2連結部26とを連結し、第4連結部30は第3連結部28と荷重検出回路端子部17とを連結している。前述したように、各連結部24、26、28、30内には、各接点同士を電気的に接続する図略の導通部(センサ回路)が形成されている。具体的には、導通部(センサ回路)は、各連結部24、26、28、30を構成する上部フィルムおよび下部フィルムの少なくとも一方のフィルムの絶縁スペーサ側の表面に例えば銀によってスクリーン印刷され形成されている。このとき、センサ回路は任意に配線すればよい。例えば、接点Aと接点B(または接点Cと接点D)の上部電極同士を上部フィルムに印刷した導通部で直接接続する。そして、接点A(または接点C)の下部電極を、下部フィルムに印刷された入力側導通部を介して荷重検出回路端子部17に接続する。また、接点B(または接点D)の下部電極を、下部フィルムに印刷された出力側導通部を介して荷重検出回路端子部17に接続する。これによって、接点Aと接点B(または接点Cと接点D)とが同時にONしたときに入力側導通部から出力側導通部に電流が流れて荷重の入力が検知される。ただし、以上のセンサ回路はあくまで一例であるので、どのように回路構成してもよい。
【0027】
そして、連結部30の端部である荷重検出回路端子部17まで配線されたセンサ回路の入力側導通部および出力側導通部は、荷重検出回路端子部17で、中間接続体19の一方の端部とそれぞれ電気的に接続されている。このとき、連結はどのような手段によって行なってもよい。本実施形態においては、連結の一例として、導体である中間接続体19の端部に中間接続体19と一体的に形成した図略の入力側および出力側爪部を設けている。そして、下部フィルムの上面に露出された荷重検出回路端子部17の入力側導通部および出力側導通部に当接するよう入力側および出力側爪部を倒してカシメを行ない、荷重検出回路端子部17の入力側導通部および出力側導通部と各爪部、即ち中間接続体19とを電気的に接続している。
【0028】
外部接続線16は、ワイヤハーネスであり、入力側導電線および出力側導電線が絶縁被覆により被覆されている。外部接続線16の中間接続体19側の端部には接続線端子部18を有し、反対側の端部には外部出力部27が設けられている。接続線端子部18は、前述したとおり、外部接続線16の絶縁被覆が除去され露出された2本の導電線である。接続線端子部18の2本の導電線は、相互に絶縁状態が維持されながら、中間接続体19の他方の入力側および出力側端部にそれぞれカシメられ、電気的に接続される。
【0029】
図4に示す、外部出力部27は、検知部(接点A〜D)で検知された荷重を、中間接続体19を介して出力するものであり出力電極が形成されている。そして、この外部出力部27にはコネクタ37が接続される。コネクタ37は、乗員の着座状態を判断する本発明の外部機器に該当する図略のECU(Electronic Control Unit)に連結される。
【0030】
図5の断面図に示すように、中間接続体19は、異なる2つの板厚の板厚部19a、19bを有する板状部材である。板厚部19a、19bのうち、薄い方の板厚部19aの端部が前述したように荷重検出回路端子部17と電気的に接続されている。また、厚い板厚部19bの端部が外部接続線16の接続線端子部18と電気的に接続されている。板厚部19a、19bの板厚が異なるのは、それぞれ接続する荷重検出回路端子部17および接続線端子部18の大きさに応じて形成されているためである。
【0031】
そして、このような状態において、荷重検出回路端子部17と中間接続体19との接続部、接続線端子部18と中間接続体19との接続部、および中間接続体19を絶縁および防水するために、ホットメルトモールディングが実施され、これらの外周部が樹脂によって包囲され一体成型されて端子接続構造体9を形成している。具体的には、荷重検出回路端子部17(フィルム状荷重検出回路15の端部の一部を含む)と中間接続体19との接続部、接続線端子部18(外部接続線16の一部を含む)と中間接続体19との接続部、および中間接続体19の周囲を包囲する樹脂用型枠がセットされる。そして、型枠内にホットメルトモールド成型樹脂材として例えばポリエステル樹脂が加圧注入され、ポリエステル樹脂(樹脂成型体11)が中間接続体19等と一体成型される。なお、加圧圧力や温度等の成型条件は任意に設定すればよい。
【0032】
このとき、図5の断面図に示すように、中間接続体19の表側および裏側の表面を覆うポリエステル樹脂の肉厚dは、中間接続体19の板厚に依らず均等になるよう形成される。これにより、端子接続構造体9の表側の表面13には薄い板厚部19aと、厚い板厚部19bとの板厚の差分だけ段差Dが生じる。このように、肉厚dが均等になるようポリエステル樹脂が成型されるので、ホットメルトモールディング実施後、ポリエステル樹脂が冷却されていく過程においては、中間接続体19を覆うポリエステル樹脂(樹脂成型体11)は、場所に依らず外表面から内部に向って均一に冷却される。このため、部分的にポリエステル樹脂の固化速度にばらつきが生じ、これによって外表面にひけが発生したり、中間接続体19の近傍に気泡が発生したりする虞がなく、端子接続構造体9の品質が向上する。
【0033】
段差Dを有した端子接続構造体9の表側の表面13(本発明の表面に該当する)には、本発明の突出部に該当する半球状の3個の突起21、22、23が設けられている。3個のうち2個の突起21、22は、低い方の段差表面13a上において、図6に示す位置に設けられている。また、1個の突起23は、段差表面13aから段差Dだけ突出した突出段差部31の段差表面13b上において、図6に示す位置に設けられている。2個の突起21、22は、図6に示す端子接続構造体9の長手方向の中心線Lを挟んで左右方向に対称に配置されている。また、突起23は中心線L上に配置されている。
【0034】
3個の突起21、22、23は、それぞれの間が所定の距離をもって上記のように配置され3角形を形成している。そして、別の端子接続構造体9が上方から隣接し、表側の表面13が別の端子接続構造体9の裏側の表面33と対向した場合、この3個の突起21、22、23が、対向する表面33(または突起)を確実に支持し、対向する表面と3個の突起21、22、23が形成される表面13との接触を好適に防止する。ここで、上記における3個の突起21、22、23の間に設けられる所定の距離は、端子接続構造体9同士を、どのように隣接させても対向する表面(または突起)を突起21、22、23が確実に支持し、対向する表面同士の密着を好適に抑制できる大きさとする。そして、3個の突起21、22、23は、半球形状を呈し、例えばSR0.5mm〜SR1.0mmによって形成される。
【0035】
端子接続構造体9の裏側の表面33にも、表側の表面13と同様に、本発明の突出部に該当する3個の突起34、35、36が設けられている。2個の突起34、35は、表側の表面13側から投影して見たときに表面13(段差表面13a)上に設けられた突起21、22と重なる位置に設けられている。1個の突起36は、表面13側から投影して見たときに中心線L上で、表面13における突出段差部31の段差表面13b上に設けられた突起23よりも外部接続線16側に若干ずれた位置に設けられている。そして、3個の突起34、35、36も、突起21、22、23と同様に半球形状を呈し、例えばSR0.5mm〜SR1.0mmで形成される。
【0036】
そして、図7に示すように、本実施形態においては、端子接続構造体9の表面13と裏側の表面33とが対向して、突起21、22と突起34、35の頂点同士が当接し、突起23の頂点が表面33と当接し、且つ突起36の頂点が表面13の段差表面13bと当接したときに、表面13と表面33とが平行になるよう各突起21、22、23、34、35、36の大きさが設定されている。なお、6個の突起21、22、23、34、35、36の大きさSR0.5mm〜SR1.0mmは一例であって、どのようなサイズで設定してもよい。
【0037】
次に、第1の実施形態における着座センサ8の輸送時の作用について説明する。図7は、着座センサ8を運搬用の通箱に下から同じ向きで、かつ表側を上にした状態で敷き詰め、積み上げていった場合を想定した状態を示している。つまり、図7では、特に上下に隣接する端子接続構造体9同士の重なり状態を拡大して示している。
【0038】
このように、下方にある端子接続構造体9の表側の表面13(段差表面13aおよび突出段差部31の段差表面13bを有する)に、上方の端子接続構造体9の裏側の表面33が対向するように端子接続構造体9同士を積み重ねたときには、段差表面13b上の突起23と裏側の表面33上の突起36とはそれぞれの配置位置が中心線L方向にズレているので、頂点同士は当接せず、各頂点は対向する表面33および段差表面13bと当接する。
【0039】
また、下方にある端子接続構造体9の表側の段差表面13a上の突起21、22と、上方にある端子接続構造体9の裏側の表面33上の突起34、35とは、対向したときに同じ位置になるよう配置されているので各突起の頂点同士が当接する。これにより、下方にある端子接続構造体9の表側の表面13(段差表面13aおよび段差表面13b)と上方に位置する端子接続構造体9の裏側の表面33とは、密着することがなく、張り付く虞れはない。また、前述したように、このような状態においては、下方にある端子接続構造体9の表側の表面13(段差表面13aおよび段差表面13b)と、上方に位置する端子接続構造体9の裏側の表面33とが平行となる様、各突起21、22、23、34、35、36の大きさが設定されている。このため、上方に向って端子接続構造体9を積み上げ易く、一箱に多くの着座センサ8(端子接続構造体9)を詰め込むことができ効率的である。ただし、この態様に限らず、端子接続構造体9を積み上げたときに、表面13と表面33とが平行とならないよう各突起21、22、23、34、35、36の大きさを設定してもよい。これによっても、表面13と表面33との間の張り付きに対する抑制効果が充分得られる。
【0040】
なお、第1の実施形態においては、突起21、22、23、34、35、36の配置位置は図6図7に示す位置とした。しかし、これに限らず、各突起が、図6図7に示す位置の近傍にあれば任意の位置に変更してもよい。さらに、図6図7に示す位置の近傍でなくとも、端子接続構造体9同士が隣接したときに、対向する各表面13、33を離間させ、表面同士が密着しない配置関係であればどこに設けてもよい。
【0041】
また、上記、第1の実施形態においては、端子接続構造体9の表側の表面13の上方に別の端子接続構造体9の裏側の表面33が対向するよう積み上げた。しかし、これに限定されるものではなく、端子接続構造体9の表側の表面13の上方に別の端子接続構造体9の表側の表面13が対向するよう、積み上げてもよい。 このとき、突起21、22、23は、突起22、21、23の頂点とそれぞれ当接し、対向する各表面同士を離間させることができる。
【0042】
また、端子接続構造体9の裏側の表面33の上方に別の端子接続構造体9の裏側の表面33が対向するよう積み上げてもよい。このとき、突起34、35、36は、突起35、34、36の頂点とそれぞれ当接し、対向する各表面同士を離間させることができる。
【0043】
また、突起21、22(または突起34、35)の中心線Lを中心とした左右両側の配置を非対称とし、かつ突起23(または突起36)を中心線L上から中心線Lと直交する方向にずらして配置してもよい。これによって、表面13同士または表面33同士をそれぞれ対向させた場合に、突起21、22、23(または突起34、35、36)の頂点同士は当接せず、突起21、22、23の頂点が各対向する表面13または表面33に当接する。これによっても、面13同士または表面33同士は離間され、効果は充分得られる。
【0044】
また、第1の実施形態では、突起21、22、23、34、35、36の形状を半球形状とし、その大きさを例えばSR0.5mm〜SR1.0mmとした。しかし、これに限定されるものではない。例えばSRの大きさをさらに大きくしたり小さくしたりしても良いし、半球形状を、円錐形状や三角錘形状若しくは円柱形状としてもよい。
【0045】
上述の説明から明らかなように、第1の実施形態においては、端子接続構造体9同士が隣接したときに、隣接する端子接続構造体9の対向する表面を離間させるための突起21、22、23(突出部)が対向する表面に3個ずつ設けられている。このため、端子接続構造体9同士がどのように隣接しても、表面13、33同士、表面13、13同士または、表面33、33同士が密着することはない。これにより、隣接する端子接続構造体9の間に、張り付き防止のためのシートを介在させる必要はない。このような簡易な方法によって張り付きを防止し輸送を低コストに行なうことができる。
【0046】
また、第1の実施形態においては、中間接続体19は異なる板厚の複数の板厚部19a,19bを有する板状部材である。そして中間接続体19の表面13を覆う樹脂成型体11の肉厚dは、板厚部19a、19bの厚さに依らず均等に成型される。このため、モールディング成型実施後、樹脂材(ポリエステル樹脂)が冷却される過程においては、中間接続体19を覆う樹脂材(ポリエステル樹脂)は外表面から内部に向って均一に冷却されていく。これにより、部分的にポリエステル樹脂の固化の速度にばらつきが生じてひけが発生したり、中間接続体19の近傍に気泡が発生したりする虞がなく、高品質の製品が得られる。
【0047】
また、樹脂成型体11の肉厚dは、板厚部19a、19bの厚さに依らず均等に成型されることにより、表面13には、段差Dを有する突出段差部31が形成される。そして、段差表面13aおよび突出段差部31の段差表面13bにはそれぞれ突起21、22および23(突出部)が設けられる。これにより、段差表面13a、13bと、隣接する端子接続構造体19のいずれかの表面(表面13または表面33)とは、突起21、22および23(突出部)によって確実に離間され、これにより張り付く虞はない。
【0048】
また、第1の実施形態においては、突出部は表面に突設される半球形状の突起であるので、ホットメルトモールディングによって簡易に成型でき低コストに対応できる。
【0049】
また、第1の実施形態においては、複数の突起21、22、23、34、35、36の大きさは、突起23、36の先端が、それぞれ対向する表面33および突出段差部31の段差表面13bに当接し、かつ突起21、22が、対向する表面33に設けられた突起34、35の先端に当接したときに、対向する表面13、33同士が平行になるよう設定される。これによって、端子接続構造体9の表面13、33を運搬用の箱の底面と平行にして積み上げることができるので、運搬用の箱1箱に収納できる数を増加させることができ効率がよい。
【0050】
次に、第1の実施形態の変形例について説明する。まず、変形例1は、第1の実施形態に対して突起21、22、23、34、35、36の配置位置を変更したものである。変形例1では、図8(a)、(b)に示すように、突起21、22、23を全て表面13における突出段差部31の段差表面13b上に、突起相互間に所定の距離をとって配置する。そして、表面33の突起34、35、36の配置位置を、段差表面13bと対向するよう変更する。具体的には、表面13(段差表面13b)と表面33とを対向させたときに、表面33の突起34、35、36が、突起21、22、23と当接せずに表面13の段差表面13bと当接するように配置する(図8(a)の2点鎖線図参照)。これによっても充分効果が得られる。
【0051】
次に、変形例2について説明する。変形例2も、変形例1と同様に第1の実施形態に対して突起21、22、23、34、35、36の配置位置を変更する。図9(a)、(b)に示すように、変形例2では、表面13の段差表面13a上に突起21を一つだけ配置し、突出段差部31の段差表面13b上に突起22、23を配置する。そして表面33上においては、当該表面33が表面13と対向したときに突起34の頂点が突起21の頂点と当接するよう配置し、突起35、36が表面13と当接し、突起22、23は表面33と当接するよう配置する(図9(a)の2点鎖線図参照)。これによっても充分効果が得られる。
【0052】
次に、変形例3では、図10(a)、(b)に示すように、表面13における突出段差部31の段差表面13b上の所定位置に突起21を一つだけ配置する。そして、表面33のうち段差表面13bに対向する部分の所定の位置に突起34を一つだけ配置する。これによって、図10(a)に示すように、対向する表面13(突出段差部31の段差表面13b)と2点鎖線で示す表面33とには、あわせて複数(2個)の突起が配置されることになり、張り付き抑制のための相応の効果は得られる。また、表面13と表面33のうち一方表面のみに、対向する表面に当接するよう一つだけ突起を設けてもよい。
【0053】
さらに、変形例4として、図11に示すように、第1の実施形態、および変形例1乃至変形例3の表面13に設けられた突起21、22、23を全て廃止してもよい。このときには表面13の突出段差部31自体が本発明の突出部として機能する。本来、表面13に段差がなければ、表面13の全面で表面33と当接し密着する。しかし、突出段差部31が設けられたことによって表面33との密着面積を低減することができ、張り付きに対して相応の効果が得られる。なお、突出段差部31は、図11に示すような形状に限定せず、表面13において、着座センサ8の延在方向と直交する方向に帯状に横断させ設けてもよい。このとき帯状の突出段差部31の幅は、どのように設定してもよいし、所定の間隔を空けて複数設けてもよい。また、突出段差部31は、表面13において着座センサ8の延在方向と平行な方向に帯状に縦断するよう一つだけ設けてもよいし、所定の間隔を空けて複数設けてもよい。
【0054】
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る着座センサ38の端子接続構造体39は、図12(a)、(b)に示すように、表側の表面43と裏側の表面53とを有している。端子接続構造体39は、表側の表面43に第1の実施形態における端子接続構造体9と同様の突出段差部41を有し、これによって低い方の段差表面43aおよび突出段差部41上の段差表面43bが形成されている。そして、表側の表面43には端子接続構造体9で説明したのと同様の位置に、同様の形状の突起44、45が設けられている。また、図12(b)に示すように、突起46が、中心線Lから直交方向に若干離間した位置に形成されている。
【0055】
端子接続構造体39の裏側の表面53には、図12(a)、(b)に示す位置に表面53から所定量以上突出する本発明に係る板状の突起兼位置決め部54が立設されている。そして、端子接続構造体39(着座センサ38)を車両シート2のパッド部材10(本発明の相手部材に該当する)の着座面上に配置する際に、着座面に形成される係合溝56(本発明の係合孔に該当する)に突起兼位置決め部54を挿入して係合させている。これにより、着座センサ38は、短時間で精度良く位置決めできる。なお、突起兼位置決め部54の先端部は平面形状ではなく、Rで接続してもよい。
【0056】
着座センサ38の輸送時においては、端子接続構造体39を同じ方向で積み重ねたとき、つまり下方にある端子接続構造体39の表側の表面43に上方の端子接続構造体39の裏側の表面53が対向するように積み重ねたときには、突起兼位置決め部54の先端が、対向する表面43に当接する。なお、このとき、突起兼位置決め部54は、板状部材であるので、表面43とは、突起兼位置決め部54の先端部が線または面で当接する。つまり、第1の実施形態においては、突起が対向する表面と点で接触したが、第2の実施形態においては、突起が複数連続的に集合し、対向する表面との接触部では線または面で接触して、表面43と表面53とが密着することを抑制している。これにより、端子接続構造体39が対向する表面43に対して大きく傾くものの、張り付く虞はない。なお、表側の表面43同士が対向するよう端子接続構造体39を重ねて積み上げる場合には、突起44、45、46の作用によって表面43同士が張り付く虞はない。
【0057】
さらに、表面53同士が対向するよう端子接続構造体39を重ねて積み上げる場合には、所定量以上突出するそれぞれの突起兼位置決め部54の先端部が対向するそれぞれの表面53に当接するので表面53同士が張り付く虞はない。なお、このとき、表面53同士が対向した場合に、突起兼位置決め部54同士が干渉しないよう突起兼位置決め部54の位置を決定することはいうまでもない。
【0058】
なお、上記において表面53から突出される突起兼位置決め部54の高さの所定量とは、図13に示すように、パッド部材10(本発明の相手部材に該当する)の着座面上に端子接続構造体39(着座センサ38)が配置され、突起兼位置決め部54が係合溝56に係合したときに、端子接続構造体39(着座センサ38)を良好に位置決めするとともに、端子接続構造体39の着座面と平行な方向への移動を好適に規制するのに必要な長さをいい、任意に決定すればよい。
【0059】
また、このように、着座センサ38が、突起兼位置決め部54によってパッド部材10上に固定されるので、着座センサ38を固定するための、両面テープ(または接着材)は、第1の実施形態の着座センサ8に対して少量でよく、低コストに対応できる。なお、上記において、突起兼位置決め部54の形状は板状に限らず、図14に示すように、所定量以上の高さを有するかまぼこ状の突起兼位置決め部55として形成し、当該突起兼位置決め部55をパッド部材10の図略の係合溝に係合させてもよい。
【0060】
また、第2の実施形態の変形例6として、図15に示すように、第1の実施形態に係る突起を所定量以上の高さになるよう円錐状の突起兼位置決め部56として形成し、円錐状に形成されたパッド部材10の図略の係合孔に係合させてもよい。このとき、突起兼位置決め部56は1個でもよいし、2個を越えて設けてもよい。さらに、図16に示すように、変形例7として、突起兼位置決め部57を円柱状に形成し、円筒状に形成されたパッド部材10の図略の係合孔に係合させてもよい。このときも、突起兼位置決め部57は1個でもよいし、2個以上設けてもよい。これらによっても、同様の効果を得ることができる。
【0061】
上述の説明から明らかな様に、第2の実施形態の端子接続構造体39によれば、パッド部材10(相手部材)の上面に接触する側の表面53に設けられる端子接続構造体39の突起のうち少なくとも1つの突起は、表面53から所定量以上突出している。そして、所定量以上突出した突起は、パッド部材10(相手部材)に設けられる係合溝56(係合孔)に係合して端子接続構造体39の位置決めを行なう位置決め部54を兼ねている。これにより、フィルム状荷重検出回路15、外部接続線16、および端子接続構造体39からなる着座センサ38の運搬時には、位置決め部54、55、56、57および他の突起によって端子接続構造体39の表面同士を離間させ張り付きを抑制することができる。そして、その後、着座センサ38を、相手部材である例えば車両シート2の着座面上に配置する際には、端子接続構造体58の位置決め部55を着座面上に予め設けておいた係合溝56等に係合させて、短時間で精度よく位置決めすることができる。
【0062】
なお、第1および第2の実施形態では、表面13および表面43に突出段差部31、41を設けた。しかし、突出段差部31、41自体を突出部とした、第1の実施形態の変形例4以外については、この態様に限らず、突出段差部31、41を廃止してもよい。これによって、表面13および表面43をフラットにし、当該フラットな表面13および表面43上に本発明に係る各突起を設けてもよい。これによっても張り付きを抑制する効果は得られる。
【0063】
また、第1および第2の実施形態では、端子接続構造体9、39の表面13、33、43、53のみに各突起を設けた。しかし、これに限らず、図17に示すように、端子接続構造体9、39の側面9a、39a(本発明に表面に該当する)にも、少なくとも1つの突起63を設けてもよい(図17に示す実施形態では、2つずつ設けた)。このとき、突起63の形状は、第1および第2の実施形態と同様、半球状であり、これによって着座センサ8、38運搬時に、側面同士が密着して張り付くことを抑制できる。ただし、側面9a、39aに設けられる突起は、半球形状に限らない。なお、図17では、表面13、33、43、53の各突起は省略してあるが、第1および第2の実施形態同様、各突起を設けてもよいし、必要無ければ設けなくてもよい。
【0064】
さらに、第1、第2の実施形態において着座センサ8、38は、検知部としての4個の接点A〜Dを矩形状に配置するものとした。しかし、これに限定されず、検知部がどのような形状を呈していてもよい。また、検知部の数は4個に限定されるものではなく2個以上であればいくつでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明に係る荷重検出センサの端子接続構造体は、クッション部に乗員が着座したことを検知する車両シート用着座センサに用いるのに適している。
【符号の説明】
【0066】
2…車両シート、4…クッション部、6…シートバック部、8、38…着座センサ、9、39…端子接続構造体、10…パッド部材、11…樹脂成型体、12…表皮部材、13、33、43、53…表面、15…フィルム状荷重検出回路、16…外部接続線、17…検出回路端子部、18…接続線端子部 、19…中間接続体、21、22、23、34、35、36…突出部(突起)、24…第1連結部、26…第2連結部、28…第3連結部、30…第4連結部、31…突出部(突出段差部)、A〜D…接点(検知部)、54、55、56、57…突起兼位置決め部、63…突出部(突起)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17