(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記固定パネルには回転軸が形成され、前記固定パネルは、前記着脱パネルと係合する係合部を有すると共に前記回転軸を中心に前記固定パネル側の第1の位置と前記着脱パネル側の第2の位置との間を回転するレバーを有し、
前記着脱パネルは、前記レバーが第1の位置にあるとき、前記レバーの第1の係合部と係合して前記固定パネルに取り付けられ、前記レバーが回転して第2の位置に移動することに伴い前記レバーに押圧されて前記固定パネルから取り外されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子機器。
前記着脱パネルは、前記レバーが回転して第2の位置に移動するときに前記レバーに押圧される被押圧部を有し、前記レバーは、第1の位置から第2の位置に移動する間、前記被押圧部に係合することを特徴とする請求項6又は7に記載の電子機器。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態に係る電子機器について、カーナビゲーション装置を例にして説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
本実施形態のカーナビゲーション装置10は、
図1に示すように、略直方体状の外形形状を有し、自動車のコンソールパネル上等に配設され、使用される。尚、理解を容易にするため、
図1(b)に示すように、固定パネル20の上面20aの長手方向をX方向、上面20aのX方向に垂直な方向をY方向、X方向及びY方向に垂直な方向をZ方向と定義し、適宜参照して説明する。
【0020】
カーナビゲーション装置10は、着脱パネル50が取り外されたときに、カーナビゲーション装置10が有する機能を制限する点に特徴を有する。そこで、以下の説明では、着脱パネル50の着脱構造、着脱パネル50の着脱検出機構、カーナビゲーション装置10のシステム構成、カーナビゲーション装置10の動作について、順次説明する。
【0021】
まず、着脱パネル50の着脱構造について説明する。
【0022】
図1(a)及び
図1(b)に示すとおり、カーナビゲーション装置10は、略矩形状の固定パネル20と、固定パネル20に着脱可能に構成された着脱パネル50とを備える。
【0023】
固定パネル20は、前側に、表示パネル取付部21、操作ボタン取付部22、操作つまみ取付部23を有している。表示パネル取り付け部21には、後述する表示部102が配置され、地図、種々のメッセージなどを表示する。操作ボタン取付部22と操作つまみ取付部23には、種々の操作ボタン、操作つまみがセットされ、ユーザの指示を、カーナビゲーション装置10に入力する。
【0024】
固定パネル20の表示パネル取り付け部21の上方には、後ろ側が背板24aで仕切られ、下側が仕切板24fで仕切られた、X方向に細長い空間である着脱パネル取付部24が形成されている。
【0025】
図2(a)の左側に示すように、固定パネル20の背板24aには、後述する着脱パネル50の係合部56が挿通するスリット24bが形成されている。また、
図2(a)の右側に示すように、固定パネル20の背板24aには、後述するレバー40が挿通する矩形状の孔24cが形成されている。また、孔24cの近傍かつ背板24aの後ろ側には、レバー40を支持するZ軸方向を向く回転軸24dが配設されている。また、
図2(a)に示すように、固定パネル20は、レバー40と、スライダ45と、を備えている。
【0026】
レバー40は、着脱パネル50を固定パネル20に取り付けた状態を保持するための部材である。
【0027】
図2(b)に示すように、レバー40には、長孔40a、スライダ保持部40c、フック部40d、裏蓋保持部40e、テーパ部40f、頂部40gが形成されている。
【0028】
図3(a)に示すように、レバー40は、長孔40aに回転軸24dを挿通させて、
図3(a)の左右への移動が可能な状態、かつ、回転軸24dを中心に回転可能な状態で固定パネル20に配設されている。また、レバー40は、ねじりコイルばね41によって、回転軸24dを中心に
図3(a)の右回りに回転するように、かつ、
図3(a)の右方向すなわち+X方向に付勢されている。
【0029】
スライダ保持部40cは、後述するスライダの一部と係合する凹形状に形成された部位である。フック部40dは、着脱パネル50を固定パネル20に取り付けた状態を保持するために着脱パネル50と係合するフックである。裏蓋保持部40eは、着脱パネル50を半開き状態で保持するための湾曲状に形成された部位である。テーパ部40fは、後述する着脱パネル50の凹部57のエッジ部57cと当接する傾斜部である。頂部40gは、後述する裏蓋55の開口部57bに進入する部位である。
【0030】
スライダ45は、
図1(a)に示すリリースキー部45aと、
図2(a)に示すレバー保持部45bとを有している。リリースキー部45aは、使用者が着脱パネル50を着脱するために移動させる部材である。レバー保持部45bは、レバー40のスライダ保持部40cと係合する部材である。リリースキー部45aとレバー保持部45bとは、一体的に形成されている。
【0031】
図1、
図2に着脱パネル50は、着脱パネル取付部24の前側に着脱可能に配設されている。また、着脱パネル50は、X方向の長さが、固定パネル20のX方向の長さとほぼ等しく形成されている。前述したように、カーナビゲーション装置10は、着脱パネル50が、固定パネル20の着脱パネル取付部24に適切に取り付けられることによって、通常動作、例えば、地図や経路案内画面等のナビゲーション情報を表示したり、CDやラジオ等を再生したりすることができるように構成されている。
【0032】
図2(a)に示すように、着脱パネル50は、表蓋51と、裏蓋55と、を有している。
【0033】
表蓋51は、カーナビゲーション装置10の前面の一部を構成する部材である。
図9(a)に示すように、裏蓋55は、表蓋51とほぼ同じ外形を有し、表蓋51の裏面に接着材などで固定される。裏蓋55の
図2(a)の−X側の端部には、固定パネル20と係合する係合部56が形成されている。係合部56は、着脱パネル50を固定パネル20に係合したときに、着脱パネル50の−X方向への移動を規制する位置決め手段の役割を果たすと共に、着脱パネル50が回転するときの回転軸の役割を果たす。また、裏蓋55の
図2(a)の中央からやや+X側に寄った位置には、表蓋51側に凹んで形成されており、裏蓋55の他の部位より表蓋51側に位置する矩形状の被押圧面57dを有する凹部57が形成されている。凹部57の
図2(a)の+X側の側面には、後述するレバー40のフック40dと係合する開口部57aが形成されている。また、凹部57の係合部56側すなわち
図2(a)の−X側の側面には、保持用の開口部57bが形成されている。
【0034】
次に、着脱パネル50が固定パネル20に適切に取り付けられているか否かを検出する着脱検出機構について説明する。
【0035】
図3(b)に示すように、固定パネル20は、背板24aの後ろ側に、回路基板27と、スイッチ28と、磁気センサ29と、を備えている。尚、背板24aには、後述するボス58によってスイッチ28を押圧するための孔24eが形成されている。
【0036】
回路基板27は、XY平面に垂直な面を有する板状のプリント配線基板から形成されている。回路基板27には、接触することによりオンオフを検出し、検出信号を制御部(CPU:Central Processing Unit)100に出力するスイッチ28が電気的に接続されている。
【0037】
図3(b)に示すように、スイッチ28は、例えば、押圧部28aを有するマイクロスイッチから形成されている。スイッチ28は、孔24eから押圧部28aを押圧できる位置に配設されている。
【0038】
回路基板27には、磁気センサ29が実装されている。磁気センサ29は、例えば、ホール素子である。磁気センサ29は、磁力を検出し、検出した磁力の大きさを示す検出信号を制御部(CPU)100へ出力するセンサである。尚、磁気センサ29は、着脱パネル50を外しても露出しないように、背板24aの後ろ側(−Y側)に配設されている。
【0039】
また、
図3(b)に示すように、着脱パネル50は、裏蓋55のスイッチ28に対応する位置に、スイッチ28を押圧するためのボス58を有している。また、着脱パネル50は、表蓋51と裏蓋55との間の外部から視認できない位置であって、磁気センサ29に対応する位置に、マグネット59を有している。
【0040】
着脱パネル50が固定パネル20に適切に取り付けられた状態では、スイッチ28の押圧部28aは、ボス58に押圧されるように構成されている。また、磁気センサ29は、マグネット59が近傍にあるとき、すなわち、着脱パネル50が固定パネル20に適切に取り付けられている時、及び着脱パネル50が半開き状態の時、磁力が所定の値より大きいことを示す検出信号を制御部(CPU)100へ出力するように構成されている。
【0041】
次に、ナビゲーション装置10のシステム構成について説明する。
図6に示すように、カーナビゲーション装置10は、前述のスイッチ28、磁気センサ29に加えて、制御部(CPU)100と、記憶部101と、表示部102と、送信部103と、を備えている。
【0042】
制御部(CPU)100は、記憶部101内の各種プログラムに応じて、カーナビゲーション装置10の全体動作を制御する中央演算処理装置である。
記憶部101は、制御部(CPU)100が演算した結果などを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、プログラムやデータが記憶されているROM(Read Only Memory)と、を備えるメモリである。記憶部101には、
図6に示すように、相関テーブル110が保存されている。
図7に示すように、相関テーブル110は、スイッチ28及び磁気センサ29から出力された検出結果に、カーナビゲーション装置10の動作を対応させた相関テーブルである。
【0043】
制御部(CPU)100は、スイッチ28及び磁気センサ29が出力した検出信号に基づいて、相関テーブル110を参照して、カーナビゲーション装置10の動作を制御する。尚、制御部(CPU)100は、スイッチ28の押圧部28aが押圧され、かつ、磁気センサ29からの検出信号が磁力が所定の値より大きいことを示すときに、着脱パネル50が固定パネル20に適切に取り付けられていると判定する。
【0044】
表示部102は、
図1(a)及び
図1(b)の表示パネル取付部21に取り付けられる。表示部102は、例えば液晶パネルなどから形成され、制御部(CPU)100からの信号に基づいて、所定の文字、画像等を表示する。送信部(発信部)103は、制御部(CPU)100からの信号に基づいて、所定の情報、例えばGPS衛星から受信した位置情報を所定のアドレスに送信する。
【0045】
次に、上記のように構成されたカーナビゲーション装置10の動作について説明する。
【0046】
まず、着脱パネル50が固定パネル20に取り付けられているときのカーナビゲーション装置10の動作について説明する。
図3(a)及び
図3(b)に示すように、着脱パネル50が固定パネル20に適切に取り付けられた状態では、スイッチ28がボス58に押圧されることにより検出信号を制御部(CPU)100へ出力すると共に、磁気センサ29がマグネット59の磁気を検出して、検出信号を制御部(CPU)100へ出力する。制御部(CPU)100には、スイッチ28から検出信号が入力され(スイッチがオン)、かつ、磁気センサ29から磁力が所定の値より大きいことを示す検出信号が入力されるので、制御部(CPU)100は、着脱パネル50が固定パネル20に適切に取り付けられていると判定する(取付状態)。このとき、制御部(CPU)100は、
図7に示す相関テーブル110を参照して、カーナビゲーション装置10の予め定められた所定の機能を使用可能とする通常動作状態となる。例えば、制御部(CPU)100は、図示しない押しボタンなどを押すことにより、地図や経路案内画面等のナビゲーション情報を表示したり、また、CDやラジオ等を再生したりする。
【0047】
次に、着脱パネル50が、固定パネル20から取り外され、所定の角度回転した半開き状態で保持されたときのカーナビゲーション装置10の動作について説明する。
【0048】
図2(a)に示すように、着脱パネル50が固定パネル20に取り付けられた状態で、リリースキー部45aを
図1(a)の右方向(X方向)に移動させると、リリースキー部45aと一体的に形成されているレバー保持部45bが右方向(X方向)に移動して、レバー保持部45bとレバー40のスライダ保持部40cとの係合が解除される。これにより、ねじりコイルばね41の付勢力によって、レバー40が回転軸24dを中心に、
図2(a)の右回りに回転して、着脱パネル50の被押圧面57dを押圧する。そして、着脱パネル50は、係合部56を中心に、
図2(a)の右回りに回転する。その後、
図4(a)に示すように、レバー40の裏蓋保持部40eの頂部40gが、裏蓋55の開口部57bに進入する。そして、裏蓋保持部40eが裏蓋55のエッジ部57gに係合する。これにより、着脱パネル50は、レバー40によって
図2(a)に示す係合部56へ向かって付勢されるので、係合部56を中心に、
図2(a)の右回りに所定の角度回転した半開き状態で保持される。
【0049】
このとき、
図4(b)に示すように、スイッチ28は、ボス58に押圧されていないので検出信号を制御部(CPU)100へ出力しない。一方、磁気センサ29は、マグネット59の磁気を検出して、検出信号を制御部(CPU)100へ出力する。制御部(CPU)100には、スイッチ28から検出信号が入力されず(スイッチがオフ)、かつ、磁気センサ29から磁力が所定の値より大きいことを示す検出信号が入力されるので、制御部(CPU)100は、着脱パネル50が半開きの状態であると判定する。このとき、制御部(CPU)100は、
図7に示す相関テーブル110を参照して、カーナビゲーション装置10の使用可能な機能を、通常動作状態よりも制限する。例えば、制御部(CPU)100は、図示しない押しボタンなどを押しても、地図や経路案内画面等のナビゲーション情報を表示せず、また、CDやラジオ等を再生しない。なお、カーナビゲーション装置を完全に使用不可能にしてもよい。また、着脱パネル50が半開きの状態のときは、制御部(CPU)100は、表示部102に、例えば、適切に取り付けることを促すために、「着脱パネルを完全に装着してください」などのメッセージ画像を表示することが好ましい。
【0050】
次に、着脱パネル50が固定パネル20から完全に取り外されたときのカーナビゲーション装置10の動作について説明する。
【0051】
図4(a)の状態から、着脱パネル50を、さらに係合部56を中心に
図2(a)の右回りに回転させる。すると、レバー40が僅かに左回りに回転すると共に、裏蓋55のエッジ部57gが、レバー40の頂部40gを乗り越える。これにより、
図5(a)に示すように、着脱パネル50はレバー40から離間する。そして、着脱パネル50の係合部56を、固定パネル20のスリット24bから取り外すことにより、着脱パネル50を固定パネル20から完全に取り外すことができる。
【0052】
このとき、着脱パネル50と固定パネル20は離間しているので、スイッチ28は、ボス58に押圧されないので検出信号を制御部(CPU)100へ出力しない。そのため、制御部(CPU)100には、スイッチ28から検出信号が入力されない(スイッチがオフ)。また、磁気センサ29は、マグネット59の磁気を検出するが、着脱パネル50と固定パネル20は離間しているので、磁力が所定の値以下を示す検出信号を出力する。これにより、制御部(CPU)100は、着脱パネル50が固定パネル20から取り外されていると判定する。このとき、制御部(CPU)100は、
図7に示す相関テーブル110を参照して、カーナビゲーション装置10の使用可能な機能を、通常動作状態よりも制限する。例えば、制御部(CPU)100は、図示しない押しボタンなどを押しても、地図や経路案内画面等のナビゲーション情報を表示せず、また、CDやラジオ等を再生しない。
【0053】
さらに、
図5(a)の状態で、制御部(CPU)100に、外部から視認可能なスイッチ28からのみ検出信号が入力された場合、制御部(CPU)100には、スイッチ28から検出信号が入力され(スイッチがオン)、かつ、磁気センサ29から磁力が所定の値以下を示す検出信号が入力される。これにより制御部(CPU)100は、何者かが、着脱パネル50を用いずにスイッチ28を押圧したと判定する。このとき、制御部(CPU)100は、
図7に示す相関テーブル110を参照して、カーナビゲーション装置10の使用可能な機能を、通常動作状態よりも制限する。例えば、制御部(CPU)100は、図示しない押しボタンなどを押しても、地図や経路案内画面等のナビゲーション情報を表示せず、また、CDやラジオ等を再生しない。なお、カーナビゲーション装置を完全に使用不可能にしてもよい。また、制御部(CPU)100は、表示部102に、例えば、盗難を防止させる警告メッセージの画像を表示する。また、制御部(CPU)100は、送信部103から特定のアドレスにカーナビゲーション装置10の位置を示す位置情報を送信する。特定のアドレスは、本来のユーザによって予め登録されたアドレス等である。
【0054】
次に、取り外された着脱パネル50を、固定パネル20に取り付けたときのカーナビゲーション装置10の動作について説明する。
【0055】
図5(b)に示すように、レバー40を、ねじりコイルばね41の弾性力に抗して、
図5(b)の左回りに回転させた状態で、レバー保持部45bと係合させる。そして、固定パネル20のスリット24bに、
図2(a)に示す着脱パネル50の係合部56を係合した後、着脱パネル50を、係合部56を中心に、
図2(a)の左回りに回転させる。これにより、
図5(b)に示す裏蓋55のエッジ部57cが、レバー40のテーパ部40fに当接する。
【0056】
着脱パネル50をさらに左回りに回転させると、テーパ部40fは、エッジ部57cから
図5(b)の左方向(−X方向)の力を受ける。これにより、長孔40aが形成されたレバー40は、ねじりコイルばね41の付勢力に抗して
図5(b)の左方向(−X方向)に移動する。そして、着脱パネル50をさらに左回りに回転させて、裏蓋55のエッジ部57cがテーパ部40fを乗り越えると、レバー40がねじりコイルばね41の付勢力により
図5(b)の右方向(+X方向)に移動する。このとき、
図3(a)に示すように、レバー40のフック部40dが開口部57aに係合する。これにより、着脱パネル50がレバー40にロックされる。
【0057】
このとき、上述したとおり、制御部(CPU)100には、スイッチ28から検出信号が入力され(スイッチがオン)、かつ、磁気センサ29から磁力が所定の値より大きいことを示す検出信号が入力されるので、制御部(CPU)100は、着脱パネル50が固定パネル20に適切に取り付けられていると判定する(取付状態)。このとき、制御部(CPU)100は、
図7に示す相関テーブル110を参照して、カーナビゲーション装置10の予め定められた所定の機能を使用可能とする通常動作状態となる。例えば、制御部(CPU)100は、図示しない押しボタンなどを押すことにより、地図や経路案内画面等のナビゲーション情報を表示したり、また、CDやラジオ等を再生したりする。
【0058】
以上説明したように、本実施形態のカーナビゲーション装置10では、着脱パネル50を取り外すだけで、カーナビゲーション装置10の動作を制限することができる。簡単な構成でありながら、盗難を抑止する効果が高いカーナビゲーション装置を提供することができる。また、外部に露出していないセンサを備え、盗人がセンサを発見しづらくしているので、盗難を抑止する効果を一層高めることができる。
【0059】
また、スライダ45を操作するだけで、レバー40と着脱パネル50との係合が解除されると共にレバー40が着脱パネル50を回動させるので、簡単に着脱パネル50を取り外すことができる。また、レバー40の裏蓋保持部40eが、裏蓋55の開口部57bに係合して、着脱パネル50が半開き状態で保持されるので、着脱パネル50を円滑に取り外すことができる。また、レバー40には左右に移動できるように長孔40aが形成されているため、予めレバー40をスライダ45で保持した状態であっても、容易に着脱パネル50を取り付けることができる。
【0060】
(第2の実施形態)
次に、この発明の第2の実施形態について、
図8乃至
図10を用いて説明する。
【0061】
本実施形態のカーナビゲーション装置10の基本的な構成は、第1の実施形態と同様である。この実施の形態では、着脱パネル50の裏蓋55にレバー40が係合した状態で、着脱パネル50が開動作する点が上記第1の実施形態とは異なる。尚、第1の実施形態のカーナビゲーション装置10と共通する構成については、特に説明する場合を除き、同一又は対応する符号を付すなどしてその説明を省略する。
【0062】
図8(a)乃至
図8(c)に示すように、レバー40は、上面に凸部42を有している点を除いて、第1の実施形態のレバー40と同様に形成されている。尚、レバー40は、ねじりコイルばね41の弾性力により、その上面が固定パネル20の孔24cの上縁と当接している。
【0063】
また、
図8(b)及び
図8(c)に示すように、着脱パネル50の表蓋51は、上部に庇部51aを有している。裏蓋55に形成された凹部57の被押圧面57dには、被押圧面57dから後ろ側すなわち−Y方向に向かって突出した段差部57eが形成されている。段差部57eは、段差部57eの上面から表蓋51の庇部51aの下面までの距離Lが、レバー40の厚さと凸部42の高さとの和より僅かに大きくなるように形成されている。
【0064】
これにより、
図9(a)に示すように、レバー40が、被押圧面57dを押圧している間、レバー40は、段差部57eの上面と表蓋51の庇部51aとの間に係合している。
【0065】
また、着脱パネル50を背面から見た
図10(a)及び
図10(b)に示すように、裏蓋55に形成された凹部57の−X側の側面は、レバー40が回転した時に、レバー40と当接する当接面57fを構成している。当接面57fは、板面が+X方向と+Z方向の間を向く傾斜面で形成されている。
【0066】
これにより、レバー40が、当接面57fを−X方向(
図10(b)の白抜き矢印方向)に押圧している間、レバー40は、裏蓋55を下方に押し下げている。
【0067】
次に、着脱パネル50が固定パネル20から取り外される動作について説明する。尚、上述のとおり、カーナビゲーション装置10の基本的な構成は第1の実施形態と同様であるため、適宜
図1(a)及び
図2(a)を用いて説明する。
【0068】
まず、
図8(a)乃至
図8(c)に示すように、着脱パネル50が固定パネル20に取り付けられた状態で、
図1(a)のリリースキー部45aを
図1(a)の右方に移動させると、第1の実施形態と同様に、
図2(a)に示すレバー保持部45bとレバー40のスライダ保持部40cとの係合が解除される。これにより、ねじりコイルばね41の付勢力によって、レバー40は、回転軸24dを中心に、
図8(a)の右回りに回転して、着脱パネル50の被押圧面57dを押圧する。このとき、レバー40は、段差部57eの上面と表蓋51の庇部51aとの間に係合している。そして、着脱パネル50は、係合部56を中心に、
図8(a)の右回りに回転する。
【0069】
レバー40及び着脱パネル50がさらに回転すると、
図9(b)及び
図10(b)に示すように、レバー40は、凹部57の当接面57fと当接して、裏蓋55は下向きの力を受ける。これにより、レバー40の凸部42は、表蓋51の庇部51aの下面から下向きの力を受ける。
【0070】
以上説明したように、レバー40は、
図8(a)の右回りに回転しているとき、段差部57eの上面と表蓋51の庇部51aとの間に係合している。これにより、着脱パネル50は、上方向にがたつかず、回動軸24dに垂直、すなわちXY平面と平行に回転する。またレバー40が回転し、当接面57fを押圧するとレバー40の凸部42は、表蓋51の庇部51aの下面から下向きの力を受けるため、着脱パネル50が上方向にがたつかず半開き状態で確実に保持される。また
図8(c)に示すように、段差部57eの上面と表蓋51の庇部51aとの間の係合は解除されているため着脱パネル50を固定パネル20から円滑に取り外すことができる。
【0071】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。
【0072】
例えば、上記の実施形態では、電子機器の例として、カーナビゲーション装置について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、電子機器は、カーオーディオ、カーラジオなどであってもよい。
【0073】
例えば、上記の実施形態では、着脱パネル50が固定パネル20に適切に取り付けられているか否を検出するために、スイッチを使用したが、これに限定されるものではない。接触式のセンサであれば、他のセンサ、例えば、静電容量センサ、圧力センサなどを用いてもよい。
【0074】
また、上記の実施形態では、磁気センサはホール素子であったが、これに限定されるものではない。例えば、磁気抵抗素子であってもよい。
【0075】
また、上記の実施形態では、着脱パネル50が固定パネル20に適切に取り付けられているか否を検出するために、磁気センサを使用したが、これに限定されるものではない。非接触式のセンサであれば、光センサなどであってもよい。
なお、少なくとも、第1のセンサ(例えばスイッチ28)と第2のセンサ(例えば磁気センサ)の少なくともいずれか一方が、着脱パネルが固定パネルから取り外されたことを検出したときに機能を制限するように構成すれば、盗難を抑止する効果が得られる。