(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車載電源の電圧値を検出する手段と、該手段が検出した電源電圧値及び所定電圧値に基づきデューティ比を演算するデューティ比演算手段と、該デューティ比演算手段が演算したデューティ比により、前記車載電源からの電圧をPWM制御してランプ負荷へ与えるPWM制御回路とを備える車両用電源制御装置において、
前記ランプ負荷に与えられる電圧のデューティ比を検出する手段と、該手段が検出したデューティ比、及び前記デューティ比演算手段が演算したデューティ比を比較する比較手段と、前記ランプ負荷の定格電力が所定値より小である場合に、前記ランプ負荷に与えられる電圧の平均値が前記所定電圧値より高となるように、また、前記ランプ負荷の定格電力が所定値より大である場合に、前記ランプ負荷に与えられる電圧の平均値が前記所定電圧値より低となるように、前記比較手段の比較結果に基づき、前記PWM制御回路が制御するデューティ比を補正する手段とを備えることを特徴とする車両用電源制御装置。
車載電源の電圧値を検出する手段と、該手段が検出した電源電圧値及び所定電圧値に基づき、デューティ比を演算するデューティ比演算手段と、該デューティ比演算手段が演算したデューティ比により、前記車載電源の電圧をPWM制御してランプ負荷へ与えるスイッチング回路とを備える車両用電源制御装置において、
前記ランプ負荷に与えられる電圧が、前記スイッチング回路のオン時点から、前記電源電圧値に基づく第1電圧値迄立上がった立上がり時間を検出する立上がり時間検出手段と、前記スイッチング回路のオフ時点から、前記電圧が前記電源電圧値に基づく第2電圧値迄立下がった立下がり時間を検出する立下がり時間検出手段と、前記ランプ負荷の定格電力が所定値より小である場合に、前記電圧が第1電圧値迄立上がる時点が、前記オン時点より早くなるように、また、前記ランプ負荷の定格電力が所定値より大である場合に、前記電圧が第1電圧値迄立上がる時点が、前記オン時点より遅くなるように、前記立上がり時間検出手段が検出した立上がり時間に基づき、前記スイッチング回路がオンする時点を変更する手段と、前記ランプ負荷の定格電力が所定値より小である場合に、前記電圧が第2電圧値迄立下がる時点が、前記オフ時点より遅くなるように、また、前記ランプ負荷の定格電力が所定値より大である場合に、前記電圧が第2電圧値迄立下がる時点が、前記オフ時点より早くなるように、前記立下がり時間検出手段が検出した立下がり時間に基づき、前記スイッチング回路がオフする時点を変更する手段とを備えることを特徴とする車両用電源制御装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した車両用電源制御装置では、車載バッテリ及びオルタネータからの電源電圧値及び所定電圧値を使用した演算式、(所定電圧値/電源電圧値)
2 ×100により、PWM制御のデューティ比を算出しているが、装置全体の誤差、及び電源電圧に重畳されるノイズ等の影響により、機器に与えられる電圧のデューティ比は所期通りにはなっていない。その為、機器に与えられる電圧が降下し、消費電力の低減(省電力効果)、及び機器性能の最適制御を両立させることができないという問題がある。また、機器がランプである場合、その消費電力の大小に応じて、省電力効果と機器性能の最適制御との何れかを一層追求できる余地がある。
【0006】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、ランプ負荷に与えられる電圧のデューティ比が、装置全体の誤差及びノイズ等の影響を受け難く、消費電力の低減、及びランプ性能の最適制御を両立させることができ、ランプ負荷の消費電力の大小に応じて、省電力効果と機器性能の最適制御との何れかを一層追求できる車両用電源制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明に係る車両用電源制御装置は、車載電源の電圧値を検出する手段と、該手段が検出した電源電圧値及び所定電圧値に基づきデューティ比を演算するデューティ比演算手段と、該デューティ比演算手段が演算したデューティ比により、前記車載電源からの電圧をPWM制御してランプ負荷へ与えるPWM制御回路とを備える車両用電源制御装置において、前記ランプ負荷に与えられる電圧のデューティ比を検出する手段と、該手段が検出したデューティ比、及び前記デューティ比演算手段が演算したデューティ比を比較する比較手段と、前記ランプ負荷の
定格電力が所定値より
小である場合に、前記ランプ負荷に与えられる電圧の
平均値が前記所定電圧値より
高となるように、
また、前記ランプ負荷の定格電力が所定値より大である場合に、前記ランプ負荷に与えられる電圧の平均値が前記所定電圧値より低となるように、前記比較手段の比較結果に基づき、前記PWM制御回路が制御するデューティ比を補正する手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
この車両用電源制御装置では、車載電源の電圧値を検出し、検出した電源電圧値及び所定電圧値に基づきデューティ比演算手段がデューティ比を演算し、その演算したデューティ比により、PWM制御回路が車載電源からの電圧をPWM制御してランプ負荷へ与える。ランプ負荷に与えられる電圧のデューティ比を検出し、検出したデューティ比、及びデューティ比演算手段が演算したデューティ比を比較手段が比較する。ランプ負荷の
定格電力が所定値より
小である場合に、ランプ負荷に与えられる電圧の
平均値が所定電圧値より
高となるように、
また、ランプ負荷の定格電力が所定値より大である場合に、ランプ負荷に与えられる電圧の平均値が所定電圧値より低となるように、比較手段の比較結果に基づき、PWM制御回路が制御するデューティ比を補正する。
【0009】
これにより、ランプに与えられる電圧のデューティ比が、装置全体の誤差及びノイズ等の影響を受け難く、消費電力の低減、及びランプ性能の最適制御を両立させることができる。
また、消費電力が比較的小さいランプには、所定電圧値より高めの電圧が与えられ、省電力効果は低減するが、ランプ自体の消費電力が小さいので、車両全体の省電力効果への影響は小さく、ランプは明るめとなって、ランプ性能は良好となり、チラツキもランプ性能に影響が無い程度(明るめであり、気になり難い)となる。
消費電力が比較的大きいランプには、所定電圧値より低めの電圧が与えられ、ランプ自体の消費電力が大きいので、車両全体としての省電力効果が良好であり、ランプは暗めとなるが、元が明るいのでランプ性能への影響は小さい。また、チラツキについては、概ね電流が大きく、フィラメントの時定数が有るので、ランプ性能に影響が無い程度となる。
【0010】
第2発明に係る車両用電源制御装置は、車載電源の電源電圧値Vを検出する手段と、デューティ比(所定電圧値/V)
2 ×100を演算するデューティ比演算手段と、前記車載電源からの電圧をPWM制御してランプ負荷へ与えるPWM制御回路とを備える車両用電源制御装置において、前記ランプ負荷に与えられる電圧のデューティ比を検出する手段と、該手段が検出したデューティ比、及び前記デューティ比演算手段が演算したデューティ比を比較する比較手段と、前記ランプ負荷の
定格電力が所定値より
小である場合に、前記ランプ負荷に与えられる電圧の
平均値が前記所定電圧値より
高となるように、
また、前記ランプ負荷の定格電力が所定値より大である場合に、前記ランプ負荷に与えられる電圧の平均値が前記所定電圧値より低となるように、前記比較手段の比較結果に基づき、前記デューティ比演算手段が使用する所定電圧値を変更する手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
この車両用電源制御装置では、検出した車載電源の電源電圧値Vにより、デューティ比演算手段が、デューティ比(所定電圧値/V)
2 ×100を演算し、演算したデューティ比により、PWM制御回路が、車載電源からの電圧をPWM制御してランプ負荷へ与える。ランプ負荷に与えられる電圧のデューティ比を検出し、検出したデューティ比、及びデューティ比演算手段が演算したデューティ比を比較手段が比較する。ランプ負荷の
定格電力が所定値より
小である場合に、ランプ負荷に与えられる電圧の
平均値が所定電圧値より
高となるように、
また、ランプ負荷の定格電力が所定値より大である場合に、ランプ負荷に与えられる電圧の平均値が所定電圧値より低となるように、比較手段の比較結果に基づき、デューティ比演算手段が使用する所定電圧値を変更する。
これにより、上述した第1発明に係る車両用電源制御装置の作用、効果と同様の作用、効果を奏することができる。
【0012】
第3発明に係る車両用電源制御装置は、車載電源の電源電圧値Vを検出する手段と、デューティ比(所定電圧値/V)
2 ×100を演算するデューティ比演算手段と、前記車載電源からの電圧をPWM制御してランプ負荷へ与えるPWM制御回路とを備える車両用電源制御装置において、前記ランプ負荷に与えられる電圧のデューティ比を検出する手段と、該手段が検出したデューティ比、及び前記デューティ比演算手段が演算したデューティ比を比較する比較手段と、前記ランプ負荷の
定格電力が所定値より
小である場合に、前記ランプ負荷に与えられる電圧の
平均値が前記所定電圧値より
高となるように、
また、前記ランプ負荷の定格電力が所定値より大である場合に、前記ランプ負荷に与えられる電圧の平均値が前記所定電圧値より低となるように、前記比較手段の比較結果に基づき、前記デューティ比演算手段が使用する電源電圧値Vを変更する手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
この車両用電源制御装置では、検出した車載電源の電源電圧値Vにより、デューティ比演算手段が、デューティ比(所定電圧値/V)
2 ×100を演算し、演算したデューティ比により、PWM制御回路が、車載電源からの電圧をPWM制御してランプ負荷へ与える。ランプ負荷に与えられる電圧のデューティ比を検出し、検出したデューティ比、及びデューティ比演算手段が演算したデューティ比を比較手段が比較する。ランプ負荷の
定格電力が所定値より
小である場合に、ランプ負荷に与えられる電圧の
平均値が所定電圧値より
高となるように、
また、ランプ負荷の定格電力が所定値より大である場合に、ランプ負荷に与えられる電圧の平均値が所定電圧値より低となるように、比較手段の比較結果に基づき、デューティ比演算手段が使用する電源電圧値Vを変更する。
これにより、上述した第1発明に係る車両用電源制御装置の作用、効果と同様の作用、効果を奏することができる。
【0014】
第4発明に係る車両用電源制御装置は、車載電源の電圧値をフィルタ回路を通じて検出する手段と、該手段が検出した電源電圧値Vを使用してデューティ比(所定電圧値/V)
2 ×100を演算するデューティ比演算手段と、前記車載電源の電圧をPWM制御してランプ負荷へ与えるPWM制御回路とを備える車両用電源制御装置において、前記ランプ負荷に与えられる電圧のデューティ比を検出する手段と、該手段が検出したデューティ比、及び前記デューティ比演算手段が演算したデューティ比を比較する比較手段と、前記ランプ負荷の
定格電力が所定値より
小である場合に、前記ランプ負荷に与えられる電圧の
平均値が前記所定電圧値より
高となるように、
また、前記ランプ負荷の定格電力が所定値より大である場合に、前記ランプ負荷に与えられる電圧の平均値が前記所定電圧値より低となるように、前記比較手段の比較結果に基づき、前記フィルタ回路の時定数を変更する手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
この車両用電源制御装置では、車載電源の電圧値をフィルタ回路を通じて検出し、検出した電源電圧値Vを使用して、デューティ比演算手段が、デューティ比(所定電圧値/V)
2 ×100を演算し、車載電源の電圧をPWM制御してランプ負荷へ与える。ランプ負荷に与えられる電圧のデューティ比を検出し、検出したデューティ比、及びデューティ比演算手段が演算したデューティ比を比較手段が比較する。ランプ負荷の
定格電力が所定値より
小である場合に、ランプ負荷に与えられる電圧の
平均値が所定電圧値より
高となるように、
また、ランプ負荷の定格電力が所定値より大である場合に、ランプ負荷に与えられる電圧の平均値が所定電圧値より低となるように、比較手段の比較結果に基づき、フィルタ回路の時定数を変更する。
これにより、上述した第1発明に係る車両用電源制御装置の作用、効果と同様の作用、効果を奏することができる。
【0016】
第5発明に係る車両用電源制御装置は、車載電源の電圧値を検出する手段と、該手段が検出した電源電圧値及び所定電圧値に基づき、デューティ比を演算するデューティ比演算手段と、該デューティ比演算手段が演算したデューティ比により、前記車載電源の電圧をPWM制御してランプ負荷へ与えるスイッチング回路とを備える車両用電源制御装置において、前記ランプ負荷に与えられる電圧が、前記スイッチング回路のオン時点から、前記電源電圧値に基づく第1電圧値迄立上がった立上がり時間を検出する立上がり時間検出手段と、前記スイッチング回路のオフ時点から、前記電圧が前記電源電圧値に基づく第2電圧値迄立下がった立下がり時間を検出する立下がり時間検出手段と、前記ランプ負荷の
定格電力が所定値より
小である場合に、前記電圧が第1電圧値迄立上がる時点が、前記オン時点より早
くなるように、
また、前記ランプ負荷の定格電力が所定値より大である場合に、前記電圧が第1電圧値迄立上がる時点が、前記オン時点より遅くなるように、前記立上がり時間検出手段が検出した立上がり時間に基づき、前記スイッチング回路がオンする時点を変更する手段と、前記ランプ負荷の
定格電力が所定値より
小である場合に、前記電圧が第2電圧値迄立下がる時点が、前記オフ時点より遅
くなるように、
また、前記ランプ負荷の定格電力が所定値より大である場合に、前記電圧が第2電圧値迄立下がる時点が、前記オフ時点より早くなるように、前記立下がり時間検出手段が検出した立下がり時間に基づき、前記スイッチング回路がオフする時点を変更する手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
この車両用電源制御装置では、車載電源の電圧値を検出し、検出した電源電圧値及び所定電圧値に基づき、デューティ比演算手段がデューティ比を演算し、演算したデューティ比により、スイッチング回路が、車載電源の電圧をPWM制御してランプ負荷へ与える。ランプ負荷に与えられる電圧が、スイッチング回路のオン時点から、電源電圧値に基づく第1電圧値迄立上がった立上がり時間を立上がり時間検出手段が検出し、スイッチング回路のオフ時点から、ランプ負荷に与えられる電圧が電源電圧値に基づく第2電圧値迄立下がった立下がり時間を立下がり時間検出手段が検出する。ランプ負荷の
定格電力が所定値より
小である場合に、ランプ負荷に与えられる電圧が第1電圧値迄立上がる時点が、スイッチング回路のオン時点より早
くなるように、
また、ランプ負荷の定格電力が所定値より大である場合に、ランプ負荷に与えられる電圧が第1電圧値迄立上がる時点が、スイッチング回路のオン時点より遅くなるように、立上がり時間検出手段が検出した立上がり時間に基づき、スイッチング回路がオンする時点を変更する。
【0018】
ランプ負荷の
定格電力が所定値より
小である場合に、ランプ負荷に与えられる電圧が第2電圧値迄立下がる時点が、スイッチング回路のオフ時点より遅
くなるように、
また、ランプ負荷の定格電力が所定値より大である場合に、ランプ負荷に与えられる電圧が第2電圧値迄立下がる時点が、スイッチング回路のオフ時点より早くなるように、立下がり時間検出手段が検出した立下がり時間に基づき、スイッチング回路がオフする時点を変更する。
これにより、上述した第1発明に係る車両用電源制御装置の作用、効果と同様の作用、効果を奏することができる。
【0019】
第6発明に係る車両用電源制御装置は、前記デューティ比演算手段は、前記電源電圧値及び所定電圧値を使用した演算式、(所定電圧値/電源電圧値)
2 ×100を使用して、デューティ比を演算するように構成してあることを特徴とする。
【0020】
この車両用電源制御装置では、デューティ比演算手段が、電源電圧値及び所定電圧値を使用した演算式、(所定電圧値/電源電圧値)
2 ×100を使用して、デューティ比を演算する。
【0021】
第7発明に係る車両用電源制御装置は、前記デューティ比演算手段は、前記電源電圧値及び所定電圧値を使用した演算式、(所定電圧値/電源電圧値)
2 ×100の1次近似式を使用して、デューティ比を演算するように構成してあることを特徴とする。
【0022】
この車両用電源制御装置では、デューティ比演算手段が、電源電圧値及び所定電圧値を使用した演算式、(所定電圧値/電源電圧値)
2 ×100の予め求めてある1次近似式、a×(電源電圧値)+b(a,bは任意の実数)を使用して、デューティ比を演算する。
【0023】
第8発明に係る車両用電源制御装置は、前記デューティ比演算手段は、前記電源電圧値及び所定電圧値を使用した演算式、(所定電圧値/電源電圧値)
2 ×100の折線近似式を使用して、デューティ比を演算するように構成してあることを特徴とする。
【0024】
この車両用電源制御装置では、デューティ比演算手段が、電源電圧値及び所定電圧値を使用した演算式、(所定電圧値/電源電圧値)
2 ×100の予め求めてある折線近似式、a×(電源電圧値)+b(a,bは、電源電圧値の所定区間毎に定められた実数)を使用して、デューティ比を演算する。
【0025】
第9発明に係る車両用電源制御装置は、前記デューティ比演算手段は、前記電源電圧値及び所定電圧値を使用した演算式、(所定電圧値/電源電圧値)
2 ×100の2次多項式近似を使用して、デューティ比を演算するように構成してあることを特徴とする。
【0026】
この車両用電源制御装置では、デューティ比演算手段が、電源電圧値及び所定電圧値を使用した演算式、(所定電圧値/電源電圧値)
2 ×100の予め求めてある2次多項式近似、a×(電源電圧値)
2+b×(電源電圧値)+c(a,b,cは任意の実数)を使用して、デューティ比を演算する。
【0027】
第10発明に係る車両用電源制御装置は、第1乃至9発明に係る車両用電源制御装置の何れか1つを複数備え、該複数の車両用電源制御装置は、それぞれ異なる
定格電力のランプ負荷への電圧をPWM制御するように構成してあることを特徴とする。
【0028】
この車両用電源制御装置では、第1乃至9発明に係る車両用電源制御装置の何れか1つを複数備えており、複数の車両用電源制御装置は、それぞれ異なる
定格電力のランプ負荷への電圧をPWM制御するように構成してある。これにより、ランプ負荷毎にその消費電力に応じて、消費電力の低減、及び機器性能の最適制御を両立させることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る車両用電源制御装置によれば、機器に与えられる電圧のデューティ比が、装置全体の誤差及びノイズ等の影響を受け難く、消費電力の低減、及び機器性能の最適制御を両立させることが可能な車両用電源制御装置を実現することができる。
また、消費電力が比較的小さいランプには、所定電圧値より高めの電圧が与えられ、省電力効果は低減するが、ランプ自体の消費電力が小さいので、車両全体の省電力効果への影響は小さく、ランプは明るめとなって、ランプ性能は良好となり、チラツキもランプ性能に影響が無い程度(明るめであり、気になり難い)となる。
【0030】
消費電力が比較的大きいランプには、所定電圧値より低めの電圧が与えられ、ランプ自体の消費電力が大きいので、車両全体としての省電力効果が良好であり、ランプは暗めとなるが、元が明るいのでランプ性能への影響は小さい。また、チラツキについては、概ね電流が大きく、フィラメントの時定数が有るので、ランプ性能に影響が無い程度となる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る車両用電源制御装置の実施の形態1の概略構成を示すブロック図である。
この車両用電源制御装置は、オルタネータ(車載発電機、交流発電機)1が発電し整流した電力が、バッテリ2に充電されると共に、それぞれのスイッチング素子(PWM制御回路)S1,S2,S3を通じて、ランプ負荷L1,L2,L3に給電される。バッテリ2が充電されないときは、バッテリ2からの放電電力が、スイッチング素子S1,S2,S3を通じて、ランプ負荷L1,L2,L3に給電される。
【0033】
オルタネータ1及びバッテリ2が出力する電源電圧値は、電源入力回路3を通じて電圧検出部(電圧値を検出する手段)4により検出されA/D変換されて、デューティ比演算手段5に与えられる。
デューティ比演算手段5は、与えられた電源電圧値及び所定電圧値(ここでは12.0Vとする)を用いて、理論式(厳密式)、
(12.0/電源電圧値)
2 ×100 (%) (1)
により、デューティ比を演算し、デューティ出力部(PWM制御回路)9へ与える。
【0034】
尚、デューティ比演算手段5は、演算量を低減する為に、厳密式(1)に代えて、最小二乗法等により予め求めてある厳密式(1)の1次近似式、折線近似式又は2次多項式近似により、デューティ比を演算し、デューティ出力部9に与えることも可能である。
厳密式(1)の1次近似式
a×(電源電圧値)+b (%) (2)
(a,bは任意の実数)
により、デューティ比yを演算する場合、(2)式は、例えば、y=−8.976x+201.4となり、グラフ化すると、
図2に示すようになる。比較の為に、厳密式(1)もグラフ化して示してある。
【0035】
厳密式(1)の折線近似式
a×(電源電圧値)+b (%) (3)
(a,bは、所定の電圧区間毎に定められた任意の実数)
により、デューティ比を演算する場合、(3)式は、例えば、0.1V毎に係数a、bが定められた折線となり、
図3に示すようになる。比較の為に、厳密式(1)もグラフ化して示してある。
【0036】
厳密式(1)の2次多項式近似
a×(電源電圧値)
2 +b×(電源電圧値)+c (%) (4)
(a,b,cは任意の実数)
により、デューティ比yを演算する場合、(4)式は、例えば、y=0.9062x
2 −36.162x+402.49となり、グラフ化すると、
図4に示すようになる。比較の為に、厳密式(1)もグラフ化して示してある。
【0037】
デューティ出力部9は、与えられたデューティ比により、スイッチング素子(PWM制御回路)S1,S2,S3をPWM制御し、PWM制御された電源電圧がランプ負荷L1,L2,L3に与えられる。ここで、デューティ出力部9は、デューティ比補正手段7から与えられた補正値Aが0でない場合は、与えられたデューティ比を補正値Aにより補正し、補正したデューティ比により、スイッチング素子S1,S2,S3をPWM制御する。
【0038】
デューティ比検出部(デューティ比を検出する手段)10は、スイッチング素子S1,S2,S3によりPWM制御された電源電圧の電圧変化(所定閾値との高低関係の変化点)、及びその電圧変化間の時間を検出し、デューティ比算出部(デューティ比を検出する手段)11に与える。尚、電源電圧の電圧変化、及びその電圧変化間の時間は、スイッチング素子S1,S2,S3毎に異なることも有り得るが、ここでは、その中間の組又は平均値を求めて使用する。
【0039】
デューティ比算出部11は、デューティ比検出部10が検出した電圧変化、及び電圧変化間の時間に基づき、PWM制御された電源電圧のデューティ比を算出し、デューティ比比較手段(比較手段)6に与える。
デューティ比比較手段6は、デューティ比算出部11が算出したデューティ比、及びデューティ比演算手段5から与えられたデューティ比を比較し、その比較結果(差又は比)をデューティ比補正手段(補正する手段)7に与える。
【0040】
デューティ比補正手段7は、与えられた比較結果に基づき、テーブル記憶手段8が記憶するテーブルを参照し、デューティ比演算手段5が演算したデューティ比に加減する為の補正値Aを求め、求めた補正値Aをデューティ出力部9に与える。
デューティ出力部9は、与えられた補正値Aを、デューティ比演算手段5から与えられたデューティ比に加算(減算)して補正し、補正したデューティ比により、スイッチング素子S1,S2,S3をPWM制御する。
【0041】
テーブル記憶手段8が記憶するテーブルは、デューティ比演算手段5が演算したデューティ比を補正する為の補正値Aを、デューティ比比較手段6の比較結果(差又は比)にそれぞれ対応させて、実測又は計算に基づき求めて記憶している。
ランプ負荷L1,L2,L3の基準の消費電力
(定格電力)が例えば35Wより小さい場合、補正値Aは、ランプ負荷L1,L2,L3に与えられる電圧の
平均値が12.0Vより高め(例えば12.5V)となるように定められている。
ランプ負荷L1,L2,L3の基準の消費電力が例えば35Wより大きい場合、補正値Aは、ランプ負荷L1,L2,L3に与えられる電圧の
平均値が12.0Vより低め(例えば11.6V)となるように定められている。
【0042】
デューティ比演算手段5が厳密式(1)でデューティ比を演算している場合、デューティ出力部9は、与えられた補正値Aに基づく補正式、
(12.0/電源電圧値)
2 ×100±A (%)
によりデューティ比を補正することになり、補正したデューティ比により、スイッチング素子S1,S2,S3をPWM制御する。
【0043】
例えば、デューティ比演算手段5が、厳密式(1)の折線近似式(2)でデューティ比を演算している場合、デューティ出力部9は、与えられた補正値Aに基づく補正式、
a×(電源電圧値)+b±A (%)
によりデューティ比を補正することになり、補正したデューティ比により、スイッチング素子S1,S2,S3をPWM制御する。
【0044】
以下に、このような構成の車両用電源制御装置の動作の例を説明する。
この車両用電源制御装置は、電圧検出部4が、オルタネータ1及びバッテリ2が出力する電源電圧値を、電源入力回路3を通じて検出し、検出した電源電圧値をA/D変換して、デューティ比演算手段5に与える。
デューティ比演算手段5は、与えられた電源電圧値及び所定電圧値12.0Vを用いて、例えば、厳密式(1)の1次近似式
a×(電源電圧値)+b (%) (2)
により、デューティ比を演算し、デューティ出力部9に与える。
【0045】
デューティ出力部9は、与えられたデューティ比により、スイッチング素子(PWM制御回路)S1,S2,S3をPWM制御する。これにより、PWM制御された電源電圧が、ランプ負荷L1,L2,L3に与えられる。
デューティ比検出部10は、スイッチング素子S1,S2,S3によりPWM制御された電源電圧の電圧変化(所定閾値との高低関係の変化点)、及びその電圧変化間の時間を検出し、デューティ比算出部11に与える。
【0046】
デューティ比算出部11は、デューティ比検出部10が検出した電圧変化、及び電圧変化間の時間に基づき、PWM制御された電源電圧のデューティ比を算出し、デューティ比比較手段6に与える。
デューティ比比較手段6は、デューティ比算出部11が算出したデューティ比、及びデューティ比演算手段5から与えられたデューティ比を比較し、その比較結果をデューティ比補正手段7に与える。
【0047】
デューティ比補正手段7は、与えられた比較結果に基づき、テーブル記憶手段8が記憶するテーブルを参照して補正値Aを求め、求めた補正値Aをデューティ出力部9に与える。デューティ出力部9は、与えられた補正値Aを、デューティ比演算手段5から与えられたデューティ比に加算(減算)して補正し、補正したデューティ比により、スイッチング素子S1,S2,S3をPWM制御する。
【0048】
これにより、デューティ出力部9は、与えられた補正値Aに基づく式(2)の補正式、
a×(電源電圧値)+b±A (%)
によりデューティ比を補正することになる。
デューティ出力部9は、補正したデューティ比により、スイッチング素子S1,S2,S3をPWM制御し、PWM制御した電源電圧をランプ負荷L1,L2,L3に与える。
【0049】
(実施の形態2)
図5は、本発明に係る車両用電源制御装置の実施の形態2の概略構成を示すブロック図である。
この車両用電源制御装置は、オルタネータ1及びバッテリ2が出力する電源電圧値が、電源入力回路3を通じて電圧検出部(電圧値を検出する手段)4により検出されA/D変換されて、デューティ比演算手段5に与えられる。
デューティ比演算手段5は、与えられた電源電圧値及び所定電圧値(ここでは12.0Vとする)を用いて、理論式(厳密式)
(12.0/電源電圧値)
2 ×100 (%) (1)
により、デューティ比を演算し、デューティ出力部(PWM制御回路)9へ与える。
【0050】
尚、デューティ比演算手段5は、演算量を低減する為に、厳密式(1)に代えて、最小二乗法等により予め求めてある厳密式(1)の1次近似式、折線近似式又は2次多項式近似により、デューティ比を演算し、デューティ出力部9に与えることも可能である。
厳密式(1)の1次近似式
a×(電源電圧値)+b (%) (2)
(a,bは任意の実数)
により、デューティ比yを演算する場合、(2)式は、例えば、y=−8.976x+201.4となり、グラフ化すると、
図6のeに示すようになる。比較の為に、厳密式(1)もグラフ化して示してある(
図6のd)。
【0051】
厳密式(1)の折線近似式
a×(電源電圧値)+b (%) (3)
(a,bは、所定の電圧区間毎に定められた任意の実数)
により、デューティ比を演算する場合、(3)式は、例えば、0.1V毎に係数a、bが定められた折線となり、
図7のfに示すようになる。比較の為に、厳密式(1)もグラフ化して示してある(
図7のd)。
【0052】
厳密式(1)の2次多項式近似
a×(電源電圧値)
2 +b×(電源電圧値)+c (%) (4)
(a,b,cは任意の実数)
により、デューティ比yを演算する場合、(4)式は、例えば、y=0.9062x
2 −36.162x+402.49となり、グラフ化すると、
図8のgに示すようになる。比較の為に、厳密式(1)もグラフ化して示してある(
図8のd)。
【0053】
デューティ出力部9は、与えられたデューティ比により、スイッチング素子(PWM制御回路)S1,S2,S3をPWM制御し、PWM制御された電源電圧がランプ負荷L1,L2,L3に与えられる。ここで、デューティ出力部9は、後述するデューティ比補正演算手段7aから補正されたデューティ比が与えられる場合は、その補正されたデューティ比の方を選択し、選択したデューティ比により、スイッチング素子S1,S2,S3をPWM制御する。
デューティ比検出部10及びデューティ比算出部11についての説明は、実施の形態1(
図1)において記載したので省略する。
【0054】
デューティ比比較手段6は、デューティ比算出部11が算出したデューティ比、及びデューティ比演算手段5から与えられたデューティ比を比較し、その比較結果(差又は比)をデューティ比補正演算手段(補正手段)7aに与える。
デューティ比補正演算手段7aは、与えられた比較結果に基づき、テーブル記憶手段8aが記憶するテーブルを参照し、デューティ比演算手段5が演算したデューティ比(12,0/電源電圧値)
2 ×100(%)の所定電圧値12,0に加減する為の変更値Aを求める。
【0055】
デューティ比補正演算手段7aは、次いで、求めた変更値Aで、(5)式、
((12,0±A)/電源電圧値)
2 ×100 (%) (5)
を演算してデューティ比を補正し、補正したデューティ比をデューティ出力部9に与える。
デューティ出力部9は、与えられたデューティ比により、スイッチング素子S1,S2,S3をPWM制御する。
【0056】
テーブル記憶手段8aが記憶するテーブルは、デューティ比補正演算手段7aが演算する(5)式の変更値Aを、デューティ比比較手段6の比較結果(差又は比)にそれぞれ対応させて、実測又は計算に基づき求めて記憶している。
ランプ負荷L1,L2,L3の基準の消費電力
(定格電力)が例えば35Wより小さい場合、変更値Aは、ランプ負荷L1,L2,L3に与えられる電圧の
平均値が12.0Vより高め(例えば12.5V)となるように定められている。
ランプ負荷L1,L2,L3の基準の消費電力が例えば35Wより大きい場合、変更値Aは、ランプ負荷L1,L2,L3に与えられる電圧の
平均値が12.0Vより低め(例えば11.6V)となるように定められている。
【0057】
デューティ比演算手段5が厳密式(1)でデューティ比を演算している場合、デューティ比補正演算手段7aは、求めた変更値Aに基づく(5)式によりデューティ比を補正演算することになる。デューティ出力部9は、デューティ比補正演算手段7aが補正演算したデューティ比により、スイッチング素子S1,S2,S3をPWM制御する。
【0058】
デューティ比演算手段5が、1次近似式(2)でデューティ比を演算している場合、デューティ比補正演算手段7aは、求めた変更値A=0であれば、(2)式に基づく例えばy=−8.976x+201.4(
図6のe)により、デューティ比を演算する。
【0059】
求めた変更値A=0.5であれば、y=−9.1808x+209.54
変更値A=1.0であれば、y=−9.3799x+217.69
変更値A=1.5であれば、y=−9.5735x+225.85
変更値A=2.0であれば、y=−9.7619x+234.03
変更値A=2.5であれば、y=−9.9455x+242.22
変更値A=3.0であれば、y=−10.16x+252.07
変更値A=3.5であれば、y=−10.299x+258.65
変更値A=4.0であれば、y=−10.469x+266.89
となって、1次近似式(2)の補正式のグラフは、変更値Aの増加に伴い、y軸のプラス方向へ移動して行く(
図6)。これは、折線近似式(3)でデューティ比を演算している場合でも同様であり、変更値Aの増加に伴い、補正式のグラフ(
図7のf)は、y軸のプラス方向へ移動して行く(
図7)。
【0060】
デューティ比演算手段5が、2次多項式近似(4)でデューティ比を演算している場合、デューティ比補正演算手段7aは、求めた変更値A=0であれば、(4)式に基づく例えばy=0.9062x
2 −36.162x+402.49(
図8のg)により、デューティ比を演算する。
【0061】
求めた変更値A=0.5であれば、
y=0.9101x
2 −36.938x+418.81
変更値A=1.0であれば、
y=0.9134x
2 −37.695x+435.15
変更値A=1.5であれば、
y=0.9162x
2 −38.434x+451.52
変更値A=2.0であれば、
y=0.9186x
2 −39.158x+467.91
変更値A=2.5であれば、
y=0.9206x
2 −39.865x+484.33
【0062】
変更値A=3.0であれば、
y=0.9225x
2 −40.695x+504.06
変更値A=3.5であれば、
y=0.9235x
2 −41.237x+517.24
変更値A=4.0であれば、
y=0.9245x
2 −41.902x+533.74
となって、2次多項式近似(4)の補正式のグラフは、変更値Aの増加に伴い、y軸のプラス方向へ移動して行く(
図8)。
【0063】
以下に、このような構成の車両用電源制御装置の動作の例を説明する。
この車両用電源制御装置は、電圧検出部4が、オルタネータ1及びバッテリ2が出力する電源電圧値を、電源入力回路3を通じて検出し、検出した電源電圧値をA/D変換して、デューティ比演算手段5に与える。
デューティ比演算手段5は、与えられた電源電圧値及び所定電圧値12.0Vを用いて、例えば、厳密式(1)の1次近似式
a×(電源電圧値)+b (%) (2)
により、デューティ比を演算し、デューティ出力部9に与える。
【0064】
デューティ出力部9は、与えられたデューティ比により、スイッチング素子(PWM制御回路)S1,S2,S3をPWM制御する。これにより、PWM制御された電源電圧が、ランプ負荷L1,L2,L3に与えられる。
デューティ比検出部10は、スイッチング素子S1,S2,S3によりPWM制御された電源電圧の電圧変化(所定閾値との高低関係の変化点)、及びその電圧変化間の時間を検出し、デューティ比算出部11に与える。
【0065】
デューティ比算出部11は、デューティ比検出部10が検出した電圧変化、電圧変化間の時間、及びPWM制御の周期に基づき、PWM制御された電源電圧のデューティ比を算出し、デューティ比比較手段6に与える。
デューティ比比較手段6は、デューティ比算出部11が算出したデューティ比、及びデューティ比演算手段5から与えられたデューティ比を比較し、その比較結果をデューティ比補正演算手段7aに与える。
【0066】
デューティ比補正演算手段7aは、与えられた比較結果に基づき、テーブル記憶手段8aが記憶するテーブルを参照して変更値Aを求め、求めた変更値Aにより、1次近似式(2)の補正式((5)式の1次近似式)を演算して、デューティ比を求め、デューティ出力部9に与える。
デューティ出力部9は、与えられたデューティ比により、スイッチング素子S1,S2,S3をPWM制御し、PWM制御した電源電圧をランプ負荷L1,L2,L3に与える。
【0067】
(実施の形態3)
図9は、本発明に係る車両用電源制御装置の実施の形態3の概略構成を示すブロック図である。
この車両用電源制御装置は、オルタネータ1及びバッテリ2が出力する電源電圧値が、電源入力回路3を通じて電圧検出部(電圧値を検出する手段)4aにより検出されA/D変換されて、デューティ比演算手段5に与えられる。
デューティ比演算手段5は、与えられた電源電圧値及び所定電圧値(ここでは12.0Vとする)を用いて、理論式(厳密式)、
(12.0/電源電圧値)
2 ×100 (%) (1)
により、デューティ比を演算し、デューティ出力部(PWM制御回路)9へ与える。
【0068】
尚、デューティ比演算手段5は、演算量を低減する為に、厳密式(1)に代えて、最小二乗法等により予め求めてある厳密式(1)の1次近似式、折線近似式又は2次多項式近似により、デューティ比を演算し、デューティ出力部9に与えることも可能である。
デューティ出力部9は、与えられたデューティ比により、スイッチング素子(PWM制御回路)S1,S2,S3をPWM制御し、PWM制御された電源電圧がランプ負荷L1,L2,L3に与えられる。
【0069】
デューティ比比較手段6は、デューティ比算出部11が算出したデューティ比、及びデューティ比演算手段5から与えられたデューティ比を比較し、その比較結果(差又は比)を検出電圧値変更手段(電圧値Vを変更する手段)12に与える。
検出電圧値変更手段12は、与えられた比較結果に基づき、テーブル記憶手段8bが記憶するテーブルを参照し、デューティ比演算手段5が演算したデューティ比(12.0/電源電圧値)
2 ×100(%)の電源電圧値に加減する為の変更値Bを求め、電圧検出部4aに与える。
【0070】
電圧検出部4aは、検出した電源電圧値に、与えられた変更値Bを加減し、変更値Bを加減して変更した電源電圧値をデューティ比演算手段5に与える。
デューティ比演算手段5は、変更された電源電圧値を与えられることにより、(6)式、
(12.0/(電源電圧値±B))
2 ×100 (%) (6)
を演算してデューティ比を補正し、補正したデューティ比をデューティ出力部9に与える。
デューティ出力部9は、与えられたデューティ比により、スイッチング素子S1,S2,S3をPWM制御する。
【0071】
テーブル記憶手段8bが記憶するテーブルは、デューティ比演算手段5が演算する(6)式の変更値Bを、デューティ比比較手段6の比較結果(差又は比)にそれぞれ対応させて、実測又は計算に基づき求めて記憶している。
ランプ負荷L1,L2,L3の基準の消費電力
(定格電力)が例えば35Wより小さい場合、変更値Bは、ランプ負荷L1,L2,L3に与えられる電圧の
平均値が12.0Vより高め(例えば12.5V)となるように定められている。
ランプ負荷L1,L2,L3の基準の消費電力が例えば35Wより大きい場合、変更値B
は、ランプ負荷L1,L2,L3に与えられる電圧の
平均値が12.0Vより低め(例えば11.6V)となるように定められている。
【0072】
デューティ比演算手段5は、厳密式(1)でデューティ比を演算している場合、(6)式によりデューティ比を補正演算する。デューティ出力部9は、デューティ比演算手段5が補正演算したデューティ比により、スイッチング素子S1,S2,S3をPWM制御する。
【0073】
デューティ比演算手段5は、1次近似式(2)でデューティ比を演算している場合、(2)式に基づく例えばy=−8.976x+201.4(
図6のe)のxに(電源電圧値±B)を代入して、デューティ比を演算する。これは、折線近似式(3)でデューティ比を演算している場合でも同様であり、折線近似式(3)(
図7のf)のxに(電源電圧値±B)を代入して、デューティ比を演算する。
【0074】
デューティ比演算手段5は、2次多項式近似(4)でデューティ比を演算している場合、(4)式に基づく例えばy=0.9062x
2 −36.162x+402.49(
図8のg)のxに(電源電圧値±B)を代入して、デューティ比を演算する。
本実施の形態3の車両用電源制御装置のその他の構成は、実施の形態2で説明した車両用電源制御装置の構成(
図5)と同様であるので、説明を省略する。但し、本実施の形態3では、
図5のデューティ比補正演算手段7a及びテーブル記憶手段8aは存在せず、電圧検出部4は電圧検出部4aに置換されている。
【0075】
以下に、このような構成の車両用電源制御装置の動作の例を説明する。
この車両用電源制御装置は、電圧検出部4aが、オルタネータ1及びバッテリ2が出力する電源電圧値を、電源入力回路3を通じて検出し、検出した電源電圧値をA/D変換して、デューティ比演算手段5に与える。
デューティ比演算手段5は、与えられた電源電圧値及び所定電圧値12.0Vを用いて、例えば、厳密式(1)の1次近似式
a×(電源電圧値)+b (%) (2)
により、デューティ比を演算し、デューティ出力部9に与える。
【0076】
デューティ出力部9は、与えられたデューティ比により、スイッチング素子(PWM制御回路)S1,S2,S3をPWM制御する。これにより、PWM制御された電源電圧が、ランプ負荷L1,L2,L3に与えられる。
デューティ比検出部10は、スイッチング素子S1,S2,S3によりPWM制御された電源電圧の電圧変化(所定閾値との高低関係の変化点)、及びその電圧変化間の時間を検出し、デューティ比算出部11に与える。
【0077】
デューティ比算出部11は、デューティ比検出部10が検出した電圧変化、電圧変化間の時間、及びPWM制御の周期に基づき、PWM制御された電源電圧のデューティ比を算出し、デューティ比比較手段6に与える。
デューティ比比較手段6は、デューティ比算出部11が算出したデューティ比、及びデューティ比演算手段5から与えられたデューティ比を比較し、その比較結果を検出電圧値変更手段12に与える。
【0078】
検出電圧値変更手段12は、与えられた比較結果に基づき、テーブル記憶手段8bが記憶するテーブルを参照して変更値Bを求め、求めた変更値Bを電圧検出部4aに与える。
電圧検出部4aは、検出した電源電圧値に変更値Bを加減して変更し、変更した(電源電圧値±B)をデューティ比演算手段5に与える。
【0079】
デューティ比演算手段5は、与えられた(電源電圧値±B)により、(2)式に基づく
a×(電源電圧値±B)+b (%)
を演算して、デューティ比を求め、デューティ出力部9に与える。
デューティ出力部9は、与えられたデューティ比により、スイッチング素子S1,S2,S3をPWM制御し、PWM制御した電源電圧をランプ負荷L1,L2,L3に与える。
【0080】
(実施の形態4)
図10は、本発明に係る車両用電源制御装置の実施の形態4の概略構成を示すブロック図である。
この車両用電源制御装置は、オルタネータ1及びバッテリ2が出力する電源電圧値が、電源入力回路(フィルタ回路)3aを通じて電圧検出部(電圧値を検出する手段)4により検出されA/D変換されて、デューティ比演算手段5に与えられる。
デューティ比演算手段5は、与えられた電源電圧値及び所定電圧値(ここでは12.0Vとする)を用いて、理論式(厳密式)、
(12.0/電源電圧値)
2 ×100 (%) (1)
により、デューティ比を演算し、デューティ出力部(PWM制御回路)9へ与える。
【0081】
尚、デューティ比演算手段5は、演算量を低減する為に、厳密式(1)に代えて、最小二乗法等により予め求めてある厳密式(1)の1次近似式、折線近似式又は2次多項式近似により、デューティ比を演算し、デューティ出力部9に与えることも可能である。
デューティ出力部9は、与えられたデューティ比により、スイッチング素子(PWM制御回路)S1,S2,S3をPWM制御し、PWM制御された電源電圧がランプ負荷L1,L2,L3に与えられる。
【0082】
デューティ比比較手段6は、デューティ比算出部11が算出したデューティ比、及びデューティ比演算手段5から与えられたデューティ比を比較し、その比較結果(差又は比)を時定数調整手段(時定数を変更する手段)13に与える。
時定数調整手段13は、与えられた比較結果に基づき、テーブル記憶手段8cが記憶するテーブルを参照し、電源入力回路3aの時定数を調整する為のパラメータを求める。
【0083】
時定数調整手段13は、求めたパラメータに基づき、電源入力回路3aの時定数を切替えて調整する。
電圧検出部4は、調整された時定数の電源入力回路3aに入力され出力された電源電圧値を検出し、デューティ比演算手段5に与える。
デューティ比演算手段5は、与えられた電源電圧値に基づき、(1)式を演算してデューティ比を補正し、補正したデューティ比をデューティ出力部9に与える。
デューティ出力部9は、与えられたデューティ比により、スイッチング素子S1,S2,S3をPWM制御する。
【0084】
電源入力回路3aは、抵抗素子、コンデンサ及びコイルからなる複数種類の時定数回路を有しており、これらの時定数は、デューティ比比較手段6の比較結果に対応させて、実測又は計算に基づき定めてある。
テーブル記憶手段8cが記憶するテーブルは、時定数調整手段13が、電源入力回路3aの時定数回路をデューティ比比較手段6の比較結果に応じて切替える為のパラメータを、比較結果に対応させて記憶している。
【0085】
ランプ負荷L1,L2,L3の基準の消費電力
(定格電力)が例えば35Wより小さい場合、電源入力回路3aの各時定数は、ランプ負荷L1,L2,L3に与えられる電圧の
平均値が12.0Vより高め(例えば12.5V)となるように定められている。
ランプ負荷L1,L2,L3の基準の消費電力が例えば35Wより大きい場合、電源入力回路3aの時定数は、ランプ負荷L1,L2,L3に与えられる電圧の
平均値が12.0Vより低め(例えば11.6V)となるように定められている。
【0086】
デューティ比演算手段5は、厳密式でデューティ比を演算している場合、(1)式によりデューティ比を補正演算する。デューティ出力部9は、デューティ比演算手段5が演算したデューティ比により、スイッチング素子S1,S2,S3をPWM制御する。
デューティ比演算手段5は、1次近似式でデューティ比を演算している場合、(2)式によりデューティ比を演算する。折線近似式でデューティ比を演算している場合は、(3)式によりデューティ比を演算する。
【0087】
デューティ比演算手段5は、2次多項式近似でデューティ比を演算している場合は、(4)式によりデューティ比を演算する。
本実施の形態4の車両用電源制御装置のその他の構成は、実施の形態1で説明した車両用電源制御装置の構成(
図1)と同様であるので、説明を省略する。但し、本実施の形態4では、
図1のデューティ比補正手段7及びテーブル記憶手段8は存在せず、時定数調整手段13及びテーブル記憶手段8cが追加され、電源入力回路3は電源入力回路3aに置換されている。
【0088】
以下に、このような構成の車両用電源制御装置の動作の例を説明する。
この車両用電源制御装置は、電圧検出部4が、オルタネータ1及びバッテリ2が出力する電源電圧値を、電源入力回路3aを通じて検出し、検出した電源電圧値をA/D変換して、デューティ比演算手段5に与える。
デューティ比演算手段5は、与えられた電源電圧値及び所定電圧値12.0Vを用いて、例えば、厳密式(1)の1次近似式
a×(電源電圧値)+b (%) (2)
により、デューティ比を演算し、デューティ出力部9に与える。
【0089】
デューティ出力部9は、与えられたデューティ比により、スイッチング素子(PWM制御回路)S1,S2,S3をPWM制御する。これにより、PWM制御された電源電圧が、ランプ負荷L1,L2,L3に与えられる。
デューティ比検出部10は、スイッチング素子S1,S2,S3によりPWM制御された電源電圧の電圧変化(所定閾値との高低関係の変化点)、及びその電圧変化間の時間を検出し、デューティ比算出部11に与える。
【0090】
デューティ比算出部11は、デューティ比検出部10が検出した電圧変化、電圧変化間の時間、及びPWM制御の周期に基づき、PWM制御された電源電圧のデューティ比を算出し、デューティ比比較手段6に与える。
デューティ比比較手段6は、デューティ比算出部11が算出したデューティ比、及びデューティ比演算手段5から与えられたデューティ比を比較し、その比較結果を時定数調整手段13に与える。
【0091】
時定数調整手段13は、与えられた比較結果に基づき、テーブル記憶手段8cが記憶するテーブルを参照してパラメータを求め、求めたパラメータに基づき、電源入力回路3aの時定数回路を切替える。
電圧検出部4は、電源入力回路3aの切替えられた時定数回路を通じて電源電圧値を検出し、検出した電源電圧値をデューティ比演算手段5に与える。
【0092】
デューティ比演算手段5は、与えられた電源電圧値により(2)式、
a×電源電圧値+b (%)
を演算して、デューティ比を求め、デューティ出力部9に与える。
デューティ出力部9は、与えられたデューティ比により、スイッチング素子S1,S2,S3をPWM制御し、PWM制御した電源電圧をランプ負荷L1,L2,L3に与える。
本実施の形態4では、デューティ出力部9のPWM制御の周波数による電圧変動への影響、過敏なデューティ比の変動、及び発振現象を抑制することができる。
【0093】
(実施の形態5)
図11は、本発明に係る車両用電源制御装置の実施の形態5の概略構成を示すブロック図である。
この車両用電源制御装置は、オルタネータ1及びバッテリ2が出力する電源電圧値が、電源入力回路3を通じて電圧検出部(電圧値を検出する手段)4により検出されA/D変換されて、デューティ比演算手段5に与えられる。
デューティ比演算手段5は、与えられた電源電圧値及び所定電圧値(ここでは12.0Vとする)を用いて、理論式(厳密式)、
(12.0/電源電圧値)
2 ×100 (%) (1)
により、デューティ比を演算し、デューティ出力部(スイッチング回路)9へ与える。
【0094】
尚、デューティ比演算手段5は、演算量を低減する為に、厳密式(1)に代えて、最小二乗法等により予め求めてある厳密式(1)の1次近似式、折線近似式又は2次多項式近似により、デューティ比を演算し、デューティ出力部9に与えることも可能である。
厳密式(1)の1次近似式
a×(電源電圧値)+b (%) (2)
(a,bは任意の実数)
により、デューティ比yを演算する場合、(2)式は、例えば、y=−8.976x+201.4となり、グラフ化すると、
図2に示すようになる。比較の為に、厳密式(1)もグラフ化して示してある。
【0095】
厳密式(1)の折線近似式
a×(電源電圧値)+b (%) (3)
(a,bは、所定の電圧区間毎に定められた任意の実数)
により、デューティ比を演算する場合、(3)式は、例えば、0.1V毎に係数a、bが定められた折線となり、
図3に示すようになる。比較の為に、厳密式(1)もグラフ化して示してある。
【0096】
厳密式(1)の2次多項式近似
a×(電源電圧値)
2 +b×(電源電圧値)+c (%) (4)
(a,b,cは任意の実数)
により、デューティ比yを演算する場合、(4)式は、例えば、y=0.9062x
2 −36.162x+402.49となり、グラフ化すると、
図4に示すようになる。比較の為に、厳密式(1)もグラフ化して示してある。
【0097】
デューティ出力部9は、与えられたデューティ比により、スイッチング素子(PWM制御回路)S1,S2,S3をPWM制御し、PWM制御された電源電圧がランプ負荷L1,L2,L3に与えられる。
ここで、デューティ出力部9は、後述するタイミング変更手段15から与えられた、オン時点及び/又はオフ時点の各変更時間が0でない場合は、与えられたデューティ比に基づき、与えられたオン時点及び/又はオフ時点の変更時間により、スイッチング素子S1,S2,S3のオン時点及び/又はオフ時点を変更してPWM制御する。
【0098】
出力電圧検出部(立上がり時間検出手段、立下がり時間検出手段)10aは、スイッチング素子S1,S2,S3がPWM制御して、ランプ負荷L1,L2,L3に与えられる電圧値を検出し、タイミング検出部(立上がり時間検出手段、立下がり時間検出手段)16に与える。
タイミング検出部16は、与えられた電圧値が、電圧検出部4が検出した電圧値の例えば90%(第1電圧値)を上回ったタイミング、及び電圧検出部4が検出した電圧値の例えば10%(第2電圧値)を下回ったタイミングを検出し、タイミング比較手段(立上がり時間検出手段、立下がり時間検出手段)14に伝達する。
【0099】
タイミング比較手段14は、伝達された上回ったタイミング及び下回ったタイミング(
図12B)と、デューティ出力部9から与えられたPWM制御周期に基づくスイッチング素子S1,S2,S3をオンにしたタイミング及びオフにしたタイミング(
図12A)とを比較し、それらの差からパルスの立上がり時間tr及び立ち下がり時間tfを算出する。
【0100】
尚、
図12は、この車両用電源制御装置の動作の例を説明する為の波形図であり、パルスの立上がり時間tr及び立ち下がり時間tfを模式的に示しているが、実際には、立上がり及び立ち下がりのエッジを検出するのは困難であるので、電圧検出部4が検出した電圧値の90%及び10%を検出する。
また、電源電圧の電圧変化は、スイッチング素子S1,S2,S3毎に異なることも有り得るが、ここでは、その中間の値を求めて使用する。
【0101】
タイミング比較手段14は、算出した立上がり時間tr及び立ち下がり時間tfをタイミング変更手段(オン時点変更手段、オフ時点変更手段)15に与える。
タイミング変更手段15は、与えられた立上がり時間trに基づき、テーブル記憶手段(オン時点変更手段)8dが記憶する立上がり時間テーブル(第1テーブル)8eを参照し、スイッチング素子S1,S2,S3がオンする時点を変更する為のオン時点変更時間Atrを求める。
タイミング変更手段15は、与えられた立ち下がり時間tfに基づき、テーブル記憶手段(オフ時点変更手段)8dが記憶する立下がり時間テーブル(第2テーブル)8fを参照し、スイッチング素子S1,S2,S3がオフする時点を変更する為のオフ時点変更時間Atfを求める。
【0102】
ランプ負荷L1,L2,L3の基準の消費電力
(定格電力)が例えば35Wより小さい場合、オン時点変更時間Atr及びオフ時点変更時間Atf(
図12C)は、以下のように定められる。
オン時点変更時間Atrは、ランプ負荷L1,L2,L3に与えられる電圧が、電圧検出部4が検出した電圧値に達する時点(
図12D)が、スイッチング素子S1,S2,S3がオンする時点(
図12A)より早くなるように、立上がり時間trに応じて、実測又は計算(例えば、tr/0.9等)により定められる。
【0103】
オフ時点変更時間Atfは、
ランプ負荷L1,L2,L3に与えられる電圧が0Vに達する時点(
図12D)が、スイッチング素子S1,S2,S3がオフする時点(
図12A)より遅くなるように、立ち下がり時間tfに応じて、実測又は計算(例えば、tf/0.9等)により定められる。
これにより、オン時点変更時間Atr及びオフ時点変更時間Atfは、ランプ負荷L1,L2,L3に与えられる電圧の
平均値が12.0Vより高め(例えば12.5V)となるように定められる。
【0104】
ランプ負荷L1,L2,L3の基準の消費電力が例えば35Wより大きい場合、オン時点変更時間Atr及びオフ時点変更時間Atf(
図12C)は、以下のように定められる。
オン時点変更時間Atrは、ランプ負荷L1,L2,L3に与えられる電圧が、電圧検出部4が検出した電圧値に達する時点(
図12D)が、スイッチング素子S1,S2,S3がオンする時点(
図12A)より遅くなるように、立上がり時間trに応じて、実測又は計算(例えば、tr/0.9等)により定められる。
【0105】
オフ時点変更時間Atfは、
ランプ負荷L1,L2,L3に与えられる電圧が0Vに達する時点(
図12D)が、スイッチング素子S1,S2,S3がオフする時点(
図12A)より早くなるように、立ち下がり時間tfに応じて、実測又は計算(例えば、tf/0.9等)により定められる。
これにより、オン時点変更時間Atr及びオフ時点変更時間Atfは、ランプ負荷L1,L2,L3に与えられる電圧の
平均値が12.0Vより低め(例えば11.6V)となるように定められる。
【0106】
タイミング変更手段15は、求めたオン時点変更時間Atr及びオフ時点変更時間Atfをデューティ出力部9に与える。
デューティ出力部9は、デューティ比演算手段5から与えられたデューティ比に基づき、オンにする時点及びオフにする時点を時点変更時間Atr及びオフ時点変更時間Atf分早めて、スイッチング素子S1,S2,S3をPWM制御する。
【0107】
以下に、このような構成の車両用電源制御装置の動作の例を説明する。
この車両用電源制御装置は、電圧検出部4が、オルタネータ1及びバッテリ2が出力する電源電圧値を、電源入力回路3を通じて検出し、検出した電源電圧値をA/D変換して、デューティ比演算手段5に与える。
デューティ比演算手段5は、与えられた電源電圧値及び所定電圧値12.0Vを用いて、例えば、厳密式(1)の1次近似式
a×(電源電圧値)+b (%) (2)
により、デューティ比を演算し、デューティ出力部9に与える。
【0108】
デューティ出力部9は、与えられたデューティ比により、スイッチング素子(PWM制御回路)S1,S2,S3をPWM制御する。これにより、PWM制御された電源電圧が、ランプ負荷L1,L2,L3に与えられる。
出力電圧検出部10aは、スイッチング素子S1,S2,S3がPWM制御して、ランプ負荷L1,L2,L3に与えられる電圧値を検出し、タイミング検出部16に与える。
タイミング検出部16は、与えられた電圧値が、電圧検出部4が検出した電圧値の例えば90%を上回ったタイミング、及び電圧検出部4が検出した電圧値の例えば10%を下回ったタイミングを検出し、タイミング比較手段14に伝達する。
【0109】
タイミング比較手段14は、伝達された上回ったタイミング及び下回ったタイミング(
図12B)と、デューティ出力部9から与えられたPWM制御周期に基づくスイッチング素子S1,S2,S3をオンにしたタイミング及びオフにしたタイミング(
図12A)とを比較し、それらの差からパルスの立上がり時間tr及び立ち下がり時間tfを算出する。
【0110】
タイミング比較手段14は、算出した立上がり時間tr及び立下がり時間tfをタイミング変更手段15に与える。
タイミング変更手段15は、与えられた立上がり時間trに基づき、立上がり時間テーブル8eを参照して、スイッチング素子S1,S2,S3がオンする時点を変更する為のオン時点変更時間Atrを求める。
タイミング変更手段15は、与えられた立下がり時間tfに基づき、立下がり時間テーブル8fを参照して、スイッチング素子S1,S2,S3がオフする時点を変更する為のオフ時点変更時間Atfを求める。
【0111】
タイミング変更手段15は、求めたオン時点変更時間Atr及びオフ時点変更時間Atfをデューティ出力部9に与える。
デューティ出力部9は、デューティ比演算手段5から与えられたデューティ比に基づき、オンにする時点及びオフにする時点(
図12A)をオン時点変更時間Atr及びオフ時点変更時間Atf分早めて(
図12C)、スイッチング素子S1,S2,S3をPWM制御する(
図12D)。
【0112】
尚、本実施の形態では、オン時点変更時間Atr及びオフ時点変更時間Atfにより、スイッチング素子S1,S2,S3がオンする時点及びオフする時点を変更しているが、オン時点変更時間Atrにより、スイッチング素子S1,S2,S3がオンする時点のみを変更することも可能である。また、オフ時点変更時間Atfにより、スイッチング素子S1,S2,S3がオフする時点のみを変更することも可能である。
【0113】
また、上述した実施の形態1〜5では、ランプ負荷L1,L2,L3の基準の消費電力が例えば35Wより小さい/大きいで場合分けしているが、これに代えて、ランプ負荷L1,L2,L3の基準の消費電力が例えば55Wより小さい/90Wより大きい、のように中間部を設けて場合分けすることも可能である。
また、上述した実施の形態1〜5において、ランプ負荷L1,L2,L3の基準の消費電力がそれぞれ異なる場合、ランプ負荷L1,L2,L3それぞれについて、上述した車両用電源制御装置を用いるか、又はランプ負荷L1,L2,L3それぞれについて、上述した車両用電源制御装置を用いて、可能な部分のみ、その一部を共用すれば良い。