特許第5874578号(P5874578)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5874578-転炉の高速吹錬方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5874578
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】転炉の高速吹錬方法
(51)【国際特許分類】
   C21C 5/36 20060101AFI20160218BHJP
   C21C 5/35 20060101ALI20160218BHJP
【FI】
   C21C5/36
   C21C5/35
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-179813(P2012-179813)
(22)【出願日】2012年8月14日
(65)【公開番号】特開2014-37570(P2014-37570A)
(43)【公開日】2014年2月27日
【審査請求日】2014年8月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】新日鐵住金株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】特許業務法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】上原 脩司
(72)【発明者】
【氏名】谷垣 武
(72)【発明者】
【氏名】大塚 正俊
(72)【発明者】
【氏名】加藤 亮
【審査官】 祢屋 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭54−163714(JP,A)
【文献】 特開平07−242922(JP,A)
【文献】 特開2006−274349(JP,A)
【文献】 特開2001−262215(JP,A)
【文献】 特開平02−232313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C21C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶銑予備脱燐処理を行っていない溶銑から溶鋼を製造する上底吹き転炉の吹錬方法であって、質量%で溶銑中[Si]濃度=0.40%以上0.60%以下の溶銑を対象として、式(I)により算出した装入塩基度=3.0以上4.0以下とし、かつ、炉内に投入するAl源にCaO−Al複酸化物を用いることによって、吹錬終了後スラグ中Al質量濃度=4.0%以上6.0%以下となるように調整すること、ホタル石を使用しないこと、ならびに、吹錬終了後の溶鋼中[C]濃度=0.05質量%以下、溶鋼温度=1630℃以上1690℃以下に調整することによって、吹錬時間が13分以下で、吹錬終了後の溶鋼中P濃度が0.020質量%以下の溶鋼を製造することを特徴とする転炉の高速吹錬方法。
装入塩基度=(炉内に投入するCaO質量)/(炉内に装入する溶銑中のSi質量×2.14+炉内に投入するSiO質量)
・・・(I)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
溶銑予備脱燐処理を行っていない溶銑から溶鋼を製造する上底吹き転炉の吹錬方法であって、より具体的には吹錬時間が13分以下という短時間で、吹錬終了後の溶鋼中P濃度が0.020質量%以下の溶鋼を効率良く製造することができる、転炉の高速吹錬方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、鉄鋼製造方法を高能率かつ高効率化するために、溶銑予備脱燐処理が多用されるようになってきた。その場合、溶銑から溶鋼を製造するために、溶銑を脱珪・脱燐するための溶銑予備処理炉とその溶銑予備処理された溶銑を脱炭するための脱炭炉との2炉が必要となる。但し、処理を2炉に分けることで反応効率は格段に向上し、溶銑予備処理炉も脱炭炉もその処理時間は13分間以下などの高速処理が普通に行われている。
【0003】
しかし、溶銑から溶鋼を製造するために、必ず2炉を使用しなければならない訳ではないし、操業上の都合によってそのように2炉を用いることができない場合もある。そのような場合においても、溶銑から溶鋼を製造するに際して、近年の高能率かつ高効率化に合わせるべく、転炉での処理時間(溶銑を脱珪・脱燐・脱炭処理するための上吹き酸素供給時間)を13分間以下などの短時間で行うことができる吹錬方法が望まれていた。
【0004】
溶銑予備脱燐処理を行っていない溶銑を用いた上底吹き転炉での吹錬を実施する場合、転炉では脱炭反応の進行と共に脱燐反応も進行させる必要がある。脱燐反応は、炉内に装入したCaOを融解・滓化させて形成される塩基性スラグと溶銑との反応によって進行する。
【0005】
しかし純粋なCaOは融点が2000℃以上であり、出鋼温度が大まかに1600〜1700℃程度である転炉では融解・滓化が困難である。CaOの滓化が不十分であれば要求される脱燐能を獲得できず成分外れとなる弊害が生じる。
【0006】
更に、転炉高能率化のために吹錬時間を短縮していくとCaOの融解・滓化にかける時間も短縮されてしまうため、脱燐率が低下してしまうという問題も発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−038156
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
I.CaO滓化を促進し、脱燐能を確保する目的でホタル石が使用されている。ホタル石の主成分であるCaFによってCaOの融点が低下し、滓化率が向上する。しかしこの方法では排出スラグ中にFが混入するため、環境保護の観点からスラグのリサイクルが困難となってしまう。
II. 特開2011−38156では、溶銑予備脱燐処理を行った溶銑を用いて、吹錬終了後のスラグ中Al濃度=3.5%以下、塩基度=4.0以上6.0以下にして転炉吹錬を高能率化する方法が示されている。但しこの方法は溶銑予備脱燐処理を行った溶銑を使用しており、溶銑中[Si]が0.01%以下となっている。そのためこの方法をそのまま予備溶銑脱燐を行っていない溶銑での転炉吹錬に適用すると、塩基度の確保に必要なCaO量が増大することや、スラグ量の増大による鉄歩留の悪化などによるコスト悪化が顕著となる。
【0009】
本発明は、従来滓化促進剤として使用されていたホタル石を使用せず滓化率を向上させ、さらに高能率化のための吹錬時間短縮にも対応して脱燐能を確保する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の要旨は、次の通りである。
(1)溶銑予備脱燐処理を行っていない溶銑から溶鋼を製造する上底吹き転炉の吹錬方法であって、質量%で溶銑中[Si]濃度=0.40%以上0.60%以下の溶銑を対象として、式(I)により算出した装入塩基度=3.0以上4.0以下とし、かつ、炉内に投入するAl源にCaO−Al複酸化物を用いることによって、吹錬終了後スラグ中Al質量濃度=4.0%以上6.0%以下となるように調整すること、ホタル石を使用しないこと、ならびに、吹錬終了後の溶鋼中[C]濃度=0.05質量%以下、溶鋼温度=1630℃以上1690℃以下に調整することによって、吹錬時間が13分以下で、吹錬終了後の溶鋼中P濃度が0.020質量%以下の溶鋼を製造することを特徴とする転炉の高速吹錬方法。
【0011】
装入塩基度=(炉内に投入するCaO質量)/(炉内に装入する溶銑中のSi質量×2.14+炉内に投入するSiO質量)
・・・(I)
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】吹錬時間と吹錬終了後[P]の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
転炉吹錬において吹錬を行う際に脱燐反応を起こす目的で、一般的に生石灰が使用されるが、前述したとおり純粋なCaOの融点は2000℃以上であり、吹錬中の最高温度が1700℃程度の転炉吹錬ではCaOの滓化は容易ではない。
【0014】
CaOの滓化が不十分となると脱燐反応に寄与するスラグ中CaO濃度の上昇が抑制されるため、脱燐能が確保できず成分外れとなる可能性が上昇し、操業に不具合が発生してしまう。
【0015】
また、転炉吹錬において吹錬時間の短縮を行うには、送酸速度を向上させれば良い。炉内への酸素供給、及び集塵設備さえ増強していけば送酸速度の上昇は可能となる。
【0016】
しかし、実際に吹錬時間を短縮していくとCaOの滓化に要する時間も短縮されてしまうため、CaO滓化率が低下し、脱燐能が低下してしまう。
【0017】
Alを添加すると、スラグ構成成分の多元化の観点からCaOの融点を降下させることが可能となるため、CaO滓化率の向上が可能となる。
【0018】
そこで吹錬時間の短縮によるCaO滓化率の低下を、Al添加によってCaOの融点を降下させることにより補い、短時間吹錬と脱燐能の両立を果たすための吹錬条件について調査を行った。以下、予備脱燐処理を行っていない溶銑を用いた、吹錬時間13分以下とする短時間転炉吹錬において、脱燐能を確保するための各吹錬条件について記す。
【0019】
1.溶銑中[Si]濃度
本発明では予備脱燐処理を行っていない溶銑を使用し、質量%で溶銑中のSi濃度=0.40%以上0.60%以下とする。
【0020】
後に述べる装入塩基度との兼ね合いもあるが、溶銑Si濃度が0.40%未満となるとスラグ量が確保できなくなるため、硅石や橄欖岩などを用いて溶銑Si濃度が0.40%相当になるようにSiO源を投入して調整する。SiO源を投入せずに吹錬を行うと所定の吹錬終了後溶鋼中P濃度(0.020質量%以下)を得るための装入塩基度が高くなりすぎ、CaO融点が著しく上昇するため滓化不良となり易くなってしまう。
【0021】
溶銑Si濃度が0.60%を超えると、所定の脱燐を進めるための塩基度を確保するに必要なCaO量が、所要塩基度の低下を考慮しても増大してしまうため、コスト悪化が顕著となってしまう。コスト悪化をさけるためにCaOを減らし、塩基度を下げ過ぎるとスロッピングなどの操業の弊害となる問題が発生してしまう。
【0022】
2.装入塩基度
安定的に所定の吹錬終了後溶鋼中P濃度(0.020質量%以下)を得るため、装入塩基度は3.0以上4.0以下とする。
【0023】
装入塩基度を3.0未満とするとCaO滓化率は上昇させやすくなるが、スラグ中CaO濃度が低くなるため脱燐能が低下してしまう。
【0024】
また、装入塩基度が4.0を超えると、塩基度上昇によってスラグの融点が上昇し、CaO滓化率が悪化し脱燐反応に寄与するCaO量が却って減少してしまうため結果的に脱燐能が低下してしまう。
【0025】
本発明における装入塩基度は、式(I)で求めることができる。
装入塩基度=(炉内に投入するCaO質量)/(炉内に装入する溶銑中のSi質量×2.14+炉内に投入するSiO質量)
・・・(I)
【0026】
3.吹錬終了後の溶鋼中[C]濃度
吹錬終了後の溶鋼中[C]濃度は0.05%以下とする。
【0027】
本発明においては吹錬時間(上吹き酸素の供給時間)を13分間以下とするため、上吹き酸素の供給速度を溶銑1トン当たり3.0〜5.0Nm/minとする必要があるが、このような高速吹錬において溶鋼およびスラグを撹拌して諸反応を促進するために、底吹きガスの供給速度を溶銑1トン当たり0.02〜0.20Nm/minとすることが適当である。
【0028】
このような条件において吹錬終了後の溶鋼中[C]濃度が0.05%を超えると、上吹き酸素と溶鋼中[C]との反応率が未だ比較的に高く、FeOの生成量が少なくなってしまう。スラグ中のFeOはCaOを多量に投入されたスラグの融点降下の他に、脱燐反応におけるPの酸化反応にも寄与しているため、吹錬終了後の溶鋼中[C]濃度が高くスラグ中FeO濃度が低い場合には、13分間以下の吹錬で安定的に所定の溶鋼中P濃度(0.020質量%以下)を得ることができない。
【0029】
4.出鋼(溶鋼)温度
出鋼温度は1630℃以上1690℃以下とする。
【0030】
出鋼温度が1630℃未満となると二次精錬工程に持ち越す熱源が少なく、二次精錬設備での昇熱コストや耐火物コストの悪化を招き、溶鋼処理時間も長くなるため好ましくない。
【0031】
出鋼温度が1690℃を超えると、脱燐反応の平衡定数が低下するため、脱燐能が低下してしまう。
本発明の特徴であるスラグ中Al濃度調整について記す。
【0032】
5.吹錬終了後スラグ中(Al)濃度
吹錬終了後スラグ中(Al)濃度は4.0%以上6.0%以下とする。
【0033】
吹錬終了後スラグ中(Al)濃度を4.0%未満とすると、13分以下という短時間吹錬においてCaOの滓化が確保できず、脱燐能が低下してしまう。
【0034】
吹錬終了後スラグ中(Al)濃度を4.0〜6.0%とすると、Al添加によるCaOの融点降下が顕著となるため、CaOの滓化が促進され脱燐反応に寄与するスラグ中CaO濃度が上昇し脱燐反応が促進される。
【0035】
ただし、転炉の炉形状や送酸速度、排ガスの空塔速度などの影響により変化するが、Al濃度が6.0%を超えるとスロッピングが発生してしまう危険性があるため、実際には吹錬終了後スラグ中(Al)濃度は4.0〜6.0%とする必要がある。
【0036】
また、本発明に係るスラグ中Al濃度調整にはCaO−Al複酸化物を使用することが肝要である。本発明においてCaO−Al複酸化物とは、CaOが30〜60%、Alが30〜60%であって、CaOとAlとの比(CaO/Al)が0.5〜2.0であるプリメルト化合物を70%以上含有し、その他の不純物成分としてMgOやSiO等を含有する物質である。
【0037】
Al単体では融点が約2000℃であるのに対して、CaO−Al複酸化物は融点が約1200℃であり吹錬初期(約1300℃)から容易に融解させることが出来る。これにより、確実に(%Al)を上昇させることが可能となる。
【0038】
また、低融点であることを活かし、吹錬開始時にCaO−Al複酸化物を投入することで吹錬初期からカバースラグの形成を促進し、ダスト及びスピッチングの防止にもつなげる事ができる。
【0039】
従来の知見においては、スラグ中Al濃度を含ませるとスロッピングを助長することが知られている。スロッピングは転炉からスラグ及び溶銑の流出をもたらし、操業の弊害となるため好ましくない。しかし、本発明ではスラグ中Al濃度を4.0〜6.0%程度としてもスロッピングを起こすことが無かった。スロッピングのメカニズムには様々な要因が絡んでいるが、基本的には脱炭反応に伴うCOガスの発生速度とスラグの粘度のバランスによってスロッピングが起こるか否かが決定されると考えられている。
【0040】
本発明では、Al源としてCaO−Al複酸化物を使うことでCaO−Al複酸化物が速やかに溶融し液相スラグを形成すること、更に送酸速度が比較的速くスラグ中T.Feが上昇し易い状況であることにより、CaOの滓化が従来知見よりも速く進行していると考えられる。これにより、スロッピングが起こり易いスラグの粘度となる実塩基度領域を従来より早く通過するためスロッピング発生を抑制できるものと考えられる。
【0041】
実塩基度は、式(II)で求めることができる。
実塩基度=(溶融スラグ中CaO重量)/(溶融スラグ中SiO質量)
・・・(II)
【0042】
以上に示す吹錬方法により、予備脱燐処理を行っていない溶銑を用いた、吹錬時間13分以下とする短時間転炉吹錬において、脱燐能を確保することが可能となる。この方法を用いれば、スラグ成分にFを含まないため、排出スラグのリサイクルが可能となる。また、本発明の装入塩基度は特開2011−38156に示される装入塩基度(吹錬終了後のスラグ成分での塩基度が4.0〜6.0であるため、装入塩基度はさらに高くなる。)よりも低いため、副原料コスト及び鉄歩留の悪化が抑制される。
【実施例】
【0043】
(1)溶銑条件
溶銑予備脱硫処理のため、機械撹拌式脱硫装置(KR)を通した溶銑を使用した。溶銑を上底吹き転炉に注銑する前にスクラップ30〜50tonを炉内投入し、その後KR後のカントバック分析に基づく主な成分が質量%で[C]=4.4〜4.8%、[Si]=0.4〜0.6%、[Mn]=0.1〜0.3%、[P]=0.11〜0.15%、溶銑温度=1300〜1400℃の溶銑240〜260tonを注銑した。ただし、スクラップと溶銑を合わせて270〜290tonとなるように調整している。
【0044】
(2)炉内投入副原料
スクラップ及び溶銑を装入後、上吹きランスから溶銑への酸素吹きつけを開始した。底吹きガスにCOを用いてその流量を0.04〜0.10Nm/min/tに調整し、酸素流量を3.5〜4.3Nm/min/tで吹きつけ開始した直後に少量のドロマイトを装入し、装入塩基度=3.0〜4.0となるように適量の生石灰を投入した。炉内への入熱と出熱のバランスはスケール(酸化鉄)を用いて調整した。
【0045】
(3)スラグ中Al濃度調整
スラグ中Al濃度調整にはCaO−Al複酸化物を使用した。CaO−Al複酸化物はスラグ中Al濃度が質量%で4.0%以上6.0%以下となるように計量し、吹錬開始直後に転炉内に投入した。
【0046】
(4)吹錬
溶鋼中[C]濃度が0.05%以下となるように酸素を吹き込み、出鋼温度1630℃以上1690℃以下として出鋼し、取鍋に溶鋼を移してから溶鋼をサンプリングし溶鋼成分を測定した。吹錬制御は、装入物質収支に基づくスタティック制御と、吹錬中にサブランスを用いて測定し修正するダイナミック制御とを併用して行った。
【0047】
上記処理の結果、溶鋼中成分が質量%で[C]=0.03〜0.05%、[Si]=0.01%以下、[Mn]=0.08〜0.15%となった。
【0048】
溶鋼成分中[P]については図1に示す。比較のために、転炉内にAl源を積極的には投入せず、それ以外の条件については本発明の要件を満たして、スラグ中Al濃度が1.0〜2.0%となった従来吹錬方法と、本発明に係る要件を全て満たして、スラグ中Al濃度を4.0〜6.0%に調整したものとをプロットしている。
【0049】
全体としての傾向は、吹錬時間が短縮されるにつれて吹錬終了後[P]が高くなっていることが分かる。しかし、例えば吹錬時間を約11分間とした例について、スラグ中Al濃度が1.0〜2.0%となった従来例が吹錬終了後[P]=0.020〜0.025%程度となっていたのに対して、本発明を適用してスラグ中Al濃度を4.0〜6.0%程度に調整した例では吹錬終了後[P]=0.015%程度まで低下していた。
【0050】
この調査例では、従来吹錬方法でも本発明方法でも、スロッピングやスピッティングが問題になることは無かった。
【0051】
この本発明例では、吹錬時間を13分以下としても吹錬後の溶鋼中P濃度は0.020%以下になっていて、吹錬時間が10分間程度まではスロッピングやスピッティングも問題とはならずに、高能率で高効率な吹錬を行うことができることが確認された。
図1