特許第5874586号(P5874586)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5874586円筒状電子写真感光体の梱包方法、及び円筒状電子写真感光体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5874586
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】円筒状電子写真感光体の梱包方法、及び円筒状電子写真感光体
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20160218BHJP
   G03G 5/00 20060101ALI20160218BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20160218BHJP
【FI】
   G03G21/00
   G03G5/00 101
   G03G15/00 651
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-192014(P2012-192014)
(22)【出願日】2012年8月31日
(65)【公開番号】特開2014-48509(P2014-48509A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2015年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005968
【氏名又は名称】三菱化学株式会社
(72)【発明者】
【氏名】高村 寛昭
【審査官】 佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−105682(JP,A)
【文献】 特開2001−117418(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 5/00
G03G 15/00
G03G 21/00
G03G 21/16
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状電子写真感光体の外周長より長い保護シートを巻き付けてなる感光体の梱包方法に於いて、
感光体の外周方向の保護シート長さAから、巻き付けられた状態での保護シートの重なり部分の長さBを引いた長さをCとし、感光体の外周長をLとしたとき、
以下の関係式(1)を満たすことを特徴とする、感光体の梱包方法。
1.021≦C/L<1.07 ・・・・・・ (1)
【請求項2】
請求項1に記載された感光体の梱包方法であって、以下の関係式(2)を満たすことを特徴とする、感光体の梱包方法。
1.03<C/L<1.07 ・・・・・・ (2)
【請求項3】
円筒状電子写真感光体の外周長より長い保護シートを巻き付けてなる円筒状電子写真感光体に於いて、
感光体の外周方向の保護シート長さAから、巻き付けられた状態での保護シートの重なり部分の長さBを引いた長さをCとし、感光体の外周長をLとしたとき、
以下の関係式(1)を満たすことを特徴とする、円筒状電子写真感光体。
1.021≦C/L<1.07 ・・・・・・ (1)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンター等に用いられる電子写真感光体の梱包方法、及び梱包された電子写真感光体に関する。
【背景技術】
【0002】
C.F.カールソンの発明による電子写真技術は、即時性、高品質かつ保存性の高い画像が得られることなどから、複写機の分野にとどまらず、各種プリンターやファクシミリの分野に続き、最近はデジタル複合機としても広く普及し、大きな拡がりをみせている。
電子写真感光体は、円筒状基体の表面に有機系の光導電材料の感光層を形成されるのがもっともよく用いられる形態である。この感光層は電子写真プロセスに於いて光学像を静電潜像に変換するなどの重要な役割を持っているので、感光層が形成された感光体にあっては感光層を機械的な損傷、強光による劣化、汚染物質の付着などから保護するために、感光体の外表面を保護シートで被覆する梱包方法が一般に採用されている。
【0003】
保護シートの材質としては黒色の上質紙が多用され、非導電性あるいは導電性の合成樹脂フイルムなどの合成高分子化合物が使用されることもある。なお、巻き付けた保護シートの固定には片面に接着剤を有する粘着テープを使用することが一般的である。図1は電子写真用感光体の梱包方法の一例を示す斜視図である。
梱包方法について概要を説明する。まず、感光体1の外周長よりも長い周沿辺2aと、感光体1の外表面に形成された感光層の幅よりも長くかつ感光体1の円筒長よりも短い範囲にある幅員辺2bとを有する長方形の保護シート2を用意し、感光体1の軸方向と保護シート2の幅員辺2bとが平行になるように配置する。
【0004】
次に、感光体1の外表面に沿って保護シート2を弛みのないように巻き付け、巻端部2cの内面に巻合部2dの外面が重なり合うように配設する。最後に、片面に粘着剤3bを有し片端に粘着剤が付着しない剥離部3aを備えた所定の大きさの粘着テープ3を用いて、粘着テープ3が巻端部2cの外面と巻合部2dの外面にほぼ均等に橋架されるようにして、剥離部3aを備えない側を巻端部2cの外面側に貼着した後に剥離部3aを備えた側を巻合部2dの外面側に貼着して感光体1に巻き付けられた保護シート2を固定している。
このとき、粘着テープの粘着剤が感光体表面に付着する等の問題を解決する検討は行なわれてきた(例えば特許文献1及び特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−72075
【特許文献2】特開平10−167340
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
円筒状電子写真感光体を複写機やプリンターあるいはファクシミリなどの電子写真装置あるいは電子写真カートリッジに装着する場合に、保護シートを取り外す際には、保護シート表面の凹凸が原因で感光体の表面層に傷を付けてしまう場合があり、感光体の表面品質の低下、ひいては、該感光体を用いた場合の印字品質の低下を招く虞がある。
本発明は、前記の問題点を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、装着時に保護シートを取り外す際に感光体表面の品質を低下させない梱包方法、及び該方法で梱包された電子写真感光体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、感光体に保護シートを巻き付ける際に、保護シートを感光体表面に緩みのないように巻き付けるのではなく、多少の空隙を持って巻き付けることにより、感光層表面への傷の発生を防ぐことができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、円筒状電子写真感光体の外表面感光層を保護するために感光体の外周長より長い保護シートを巻き付けてなる感光体の梱包方法に於いて、感光体の外周方向の保護シート長さAから、巻き付けられた状態での保護シートの重なり部分の長さBを引いた長さをCとし、感光体の外周長をLとしたとき、以下の関係式(1)を満たすことを特徴とする、感光体の梱包方法に存する。
【0008】
1.021≦C/L<1.07 ・・・・・・ (1)
また、本発明の好ましい要旨は、以下の関係式(2)を満たすことを特徴とする、感光体の梱包方法に存する。
1.03<C/L<1.07 ・・・・・・ (2)
また、本発明の別の要旨は、前記梱包方法を用いて梱包された円筒状電子写真感光体に存する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の梱包方法の一実施様態を示す概略図である
図2】本発明の方法で梱包された感光体の概略断面図である
図3】本発明の方法で梱包された感光体の模式的な斜視図である
図4】長尺紙の模式的な斜視図である
図5】型に感光体を入れた状態の模式的な断面図である
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
背景技術で説明したとおり、感光体1の外表面に沿って保護シート2を巻き付けるが、ここで、従前公知技術(例えば特許文献1)のように、弛みのないように巻き付けるのではなく、敢えて空隙を設けて巻き付けるところに本発明の特徴がある。
【0011】
従来技術では、感光体が滑り落ちないようにする目的で弛みのないように巻き付けるが、本願で規定する方法によれば、弛みを持たせても滑り落ちの問題も起こらず、表面傷も抑制することができる。
ここで、空隙の大きさとしては、感光体が保護シートから自由に抜け出てしまうほど緩くはなく、一方で、保護シートが動いた場合に感光体表面層に傷がついたりするほど密着していないことが重要である。
【0012】
そのための管理値として、感光体の外周方向の保護シート長さAから、巻き付けられた状態での保護シートの重なり部分の長さBを引いた長さをCとし、感光体の外周長をLとしたとき、以下の関係式(1)を満たすことを特徴とする。
1.021≦C/L<1.07 ・・・・・・ (1)
特には、以下の関係式(2)を満たすことが好ましい。
【0013】
1.03<C/L<1.07 ・・・・・・ (2)
この関係式を満たす範囲で、感光体に保護シートを巻き付けることによって、感光体の表面層に傷が付くことを防止することができる。
ここで、C/Lの値が大きすぎると、感光体が保護シートから抜け出てしまう虞があり
、逆にC/Lの値が小さすぎると、保護シートが動いた場合に感光体表面層に傷がついてしまう。
【0014】
<梱包された円筒状電子写真感光体>
本実施形態に係る梱包された円筒状電子写真感光体は、図1に示すように、円筒状電子写真感光体としてのドラム1と、保護シート2と、留め部としての粘着テープ3とを備えている。より具体的には、本実施形態に係る紙巻き品は、ドラム1と、ドラム1の外周表面を覆うように巻装された保護シート2とを備え、巻装された保護シート2の巻き端の一部分を粘着テープ3によって内側の保護シート2に留めた構成となっている。
【0015】
円筒状電子写真感光体のドラム1は、複写機等の画像形成装置に用いられるもので、その外周表面に感光膜が形成されており、その軸方向の長さL0は通常200mm〜100
0mm、外径R0は通常15mm〜200mmに設定されている。
電子写真感光体の感光層は、導電性支持体上に設けられ、下引き層を有する場合は下引き層上に設けられる。感光層の型式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された、いわゆる単層型感光体、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層の二つに機能分離された複層構造の、いわゆる積層型感光体があげられるが、何れの構成であってもよい。また、感光層上に、帯電性の改善や、耐摩耗性改善を目的としてオーバーコート層を設けてもよい。
【0016】
積層型感光層としては、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して設ける順積層型感光層と、逆に電荷輸送層、電荷発生層の順に積層して設ける逆積層型感光層とがあり、いずれを採用することも可能であるが、最もバランスの取れた光導電性を発揮できる順積層型感光層が好ましい。
【0017】
<保護シート>
保護シート2は、ドラム1の感光膜を保護及び遮光するために用いられるものであり、ドラム1の外周表面を全て覆い得る大きさを有するものを用いる。保護シート2は、静電気によるメモリー画像を防止するために導電性を、太陽光や蛍光灯による劣化を抑制するために遮光性を付与することが望ましい。保護シート2に使用される材質としては、カーボンをドープした紙やポリエチレン、あるいはカーボン層をラミネートした紙等が挙げられ、コスト及び取り扱い易さの観点から、カーボンをドープした紙が好ましい。具体的には、図3に示すように、ドラム1の円周方向に対応した保護シート2の幅Wが、ドラム1の円周長に、通常10mmを加えた長さ以上であり、ドラム1の円周長の1.5倍の長さから、通常4mmを減した長さ未満である。保護シート2の幅Wが短すぎる場合、ドラム1の外周表面に保護シート2で覆われない部分が生じ、ドラム1の感光膜の露出及び/又は傷付き等の可能性がある。また、保護シート2の幅Wが長すぎる場合、ドラム1を後述する半円状のくぼみを有する型9(図5参照)に入れた時に、保護シート2の巻き端21が型9に当たってドラム1が浮き上がる可能性がある。
【0018】
一方、ドラム1の軸方向に対応した保護シート2の長さLは、通常、ドラム1の軸方向の長さL0と等しいが、ドラム1の端部の正確な位置合わせを簡略化できるため、わずか
に短いことが好ましく、より好ましくは2mm短くする。長さLが短すぎる場合、ドラム1の外周表面の露出部分が広くなり、露出部分に傷が付く等により、画像形成装置に装着して画像を形成する際に不具合が発生したり、感光体が外光に晒されることで劣化したりする可能性がある。また、長すぎる場合、箱等に紙巻き品を収納する際、保護シート2の巻き端が折れ曲がる可能性がある。
また、粘着テープ3は、巻装された保護シート2の巻き端の一部分を内側の保護シート2に留めるものである。粘着テープ3は、通常、ドラム1の軸方向の中央付近の1箇所で
、保護シート2の巻き端の一部分を保護シート2に留めているが、2箇所以上で保護シート2同士を留めていても良い。
【0019】
本実施形態において、保護シート2の留めていない部分の巻き端21(即ち、保護シート2の縁部21)は、はね上がっていないか、たとえはね上がっているとしても、この巻き端21と内側の保護シート2との最短距離(即ち、巻き端のはね上がり)が1mm未満となっていることが好ましく、0.5mm未満であることが更に好ましい。巻き端のはね上がりが1mm未満であることによって、紙巻き品を機械等により自動で箱等に梱包する際、紙巻き品の端部が機械等に引っかかり、紙の機械等への巻き込みの可能性を減少させることが出来る。特に重なり部分Bが短い場合には、重なり部分が少なくなるために、感光体が跳ね上がりの影響を受けやすい。梱包機械の故障、ドラム1の表面の露出若しくは傷付き等による感光膜の劣化等を、従来よりも確実に防止することが出来る。それに加えて、巻き端のはね上がりが1mm未満であると、紙巻き品を保管する際に太陽光、蛍光灯等の外光に感光体が晒されることを防ぎ、感光膜等の劣化を従来よりも確実に抑えることも可能となる。
【0020】
本過程において、保護シート2の巻き端の一部分を、粘着テープ3によって内側の保護シート2に留める。粘着テープ3を形成する手段としては、人手によっても良いし、装置によっても良い。また、重ね合わせ部の上側の保護シート2に粘着テープ3で先に留め、次に保護シート2を巻き方向に引張しながら下側の保護シート2に留めることで、保護シート2をより空隙を作りながらドラム1に巻装することが出来る。
【0021】
本実施形態においては、粘着テープ3の幅(ドラム1の軸方向長さ)は、ドラム1の長さL0の通常2%以上10%以下である。また、粘着テープ3の長さ(ドラム1の円周方
向の長さ)は、通常1cm以上5cm以下である。通常は、図2に示すように、上記の範囲の幅及び長さを有する粘着テープ3によって、保護シート2の長さL方向の中央付近で保護シート2同士を留めるが、留める位置に制限はない。
【実施例】
【0022】
以下実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<感光体の製造>
平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と該酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシシランをボールミルにて混合して得られたスラリーを乾燥後、更にメタノールで洗浄、乾燥して得られた疎水性処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとなし、該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエン(重量比7/1/2)の混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン/ヘキサメチレンジアミン/デカメチレンジカルボン酸/オクタデカメチレンジカルボン酸(組成モル%75/9.5/3/9.5/3)からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行うことにより、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する固形分濃度18.0%の分散液とした。
この分散液を、外径24mm、長さ255mm、厚さ0.75mmのアルミニウム製シリンダーに浸漬塗布し、乾燥後の膜厚が1.5μmとなるように下引き層を設けた。
【0023】
次に、電荷発生物質として、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3゜に強い回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン10重量部を1,2−ジメトキシエタン150重量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行ない顔料分散液を作製した。こうして得られた160重量部の顔料分散液をポリビ
ニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名#6000C)の5%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部に加え、1,2−ジメトキシエタンで希釈し、最終的に固形分濃度4.0%の分散液を作製した。
この分散液を、上述の下引き層上に乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように浸漬塗布した後、乾燥して電荷発生層を形成した。
次に、電荷輸送物質として、下記構造を有するジアミン化合物を60重量部と、
【0024】
【化1】
【0025】
バインダーとして下記構造を繰り返し単位として持つポリカーボネート100重量部、
【0026】
【化2】
【0027】
酸化防止剤として3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン2部、およびレベリング剤としてシリコーンオイル0.05重量部を、テトラヒドロフランとトルエンの混合溶媒(テトラヒドロフラン80重量%、トルエン20重量%)640重量部に溶解させた液を、上述の電荷発生層上に、乾燥後の膜厚が25μmとなるように浸漬塗布し、感光体ドラムを得た。
【0028】
<保護シートの巻き付け>
特種東海製紙製70g/m2の黒色導電性保護シートを252mm×100mmのサイ
ズに断裁し、感光体ドラムの長手方向(255mm)と保護シートの長手方向(252mm)が一致するように配置し、保護シートを巻き付け、粘着テープを用いて留めた。
そのとき、保護シートの周方向重なり長さBを変化させることで、様々な巻き付け状態の感光体ドラムを作製した。
そのときの保護シートを巻かれた感光体ドラム一覧と、後述する表面傷状態、及び保護シートの抜け落ち易さを、表−1にまとめた。
【0029】
<表面傷試験>
保護シートを巻き付けられた感光体ドラムを内側から水平に保持し、筒状となった保護シートを外面から掴み、保護シートのみを感光体ドラムから0.5秒/本の速度で抜き取った。
そのときに、感光体ドラムの表面についた傷の様子を調べ、表−1に記入した。傷がまったく見えないものを○、かすかに見えるものを△、はっきりと見えるものを×とした。
【0030】
<落下試験>
保護シートを巻き付けた感光体ドラムを平面台に立て、ドラムの内面を上から保持し、垂直方向に持ち上げた。このとき、保護シートが感光体ドラムから外れて滑り落ちてしま
ったものを×、感光体ドラムと一体となって保持されたものを○として評価した。
筒状となった保護シートの内径は、感光体ドラムの外径よりも大きいが、空隙が大きくない場合には保護シートが感光体ドラムと一体となって保持された。
【0031】
【表1】
【0032】
表−1の結果から、保護シートを感光体ドラムに巻き付けるときの空隙の大きさを限定することによって、感光体の表面に傷をつけず、かつ自重で抜けてしまうことのない梱包を行うことが可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5