特許第5874650号(P5874650)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5874650
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】ホイールクレーン
(51)【国際特許分類】
   B60R 3/00 20060101AFI20160218BHJP
   B66C 23/78 20060101ALI20160218BHJP
   B66C 23/36 20060101ALI20160218BHJP
【FI】
   B60R3/00
   B66C23/78 Z
   B66C23/36 A
【請求項の数】5
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-3103(P2013-3103)
(22)【出願日】2013年1月11日
(65)【公開番号】特開2014-133493(P2014-133493A)
(43)【公開日】2014年7月24日
【審査請求日】2013年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】304020362
【氏名又は名称】コベルコクレーン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(74)【代理人】
【識別番号】100155745
【弁理士】
【氏名又は名称】水尻 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100143465
【弁理士】
【氏名又は名称】竹尾 由重
(74)【代理人】
【識別番号】100155756
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 武
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136696
【弁理士】
【氏名又は名称】時岡 恭平
(74)【代理人】
【識別番号】100162248
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100100262
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 勉
(72)【発明者】
【氏名】小泉 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 恭平
(72)【発明者】
【氏名】岸 一大
【審査官】 岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−142217(JP,A)
【文献】 特開2012−197582(JP,A)
【文献】 特開2008−019007(JP,A)
【文献】 特開2008−248607(JP,A)
【文献】 実開平03−118136(JP,U)
【文献】 特開2001−063533(JP,A)
【文献】 実開昭60−005965(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 3/00, 7/00−11/00
B66C 23/36,23/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪及び後輪を有する下部走行体上に上部旋回体が旋回自在に搭載され、この上部旋回体にキャブが設けられたホイールクレーンにおいて、
上記下部走行体の前輪と後輪との間にはサイドフェンダの内側に収納室が設けられており、上記サイドフェンダには、上下方向に所定間隔毎に複数のステップ部が設けられているとともに、上記収納室に対応して出し入れ口が設けられ、この出し入れ口には上記サイドフェンダの一部を構成する開閉扉が開閉自在に取り付けられており、
上記複数のステップ部は、サイドフェンダの前後方向長さの略全長に亘って延びて設けられており、この複数のステップ部の一部は、上記収納室に対応する部分とそれ以外の部分とに分離され、収納室に対応する部分は、その一端側にヒンジが、他端側にロック機構がそれぞれ設けられて上記開閉扉を構成するようになっていることを特徴とするホイールクレーン。
【請求項2】
上記複数のステップ部の一部のうち、少なくとも上下方向に隣接する2つのステップ部でかつ収納室に対応する部分同士は、それらの前後両端を各々連結する部分とも一体に形成されて矩形枠状の開閉扉を構成するようになっており、この矩形枠状の開閉扉の互いに対向する二辺のうち、一方の辺にヒンジが、他方の辺にロック機構のラッチがそれぞれ設けられている請求項1記載のホイールクレーン。
【請求項3】
前輪及び後輪を有する下部走行体上に上部旋回体が旋回自在に搭載され、この上部旋回体にキャブが設けられたホイールクレーンにおいて、
上記下部走行体の前輪と後輪との間にはサイドフェンダの内側に収納室が設けられており、上記サイドフェンダには、上下方向に所定間隔毎に複数のステップ部が設けられているとともに、上記収納室に対応して出し入れ口が設けられ、この出し入れ口には上記サイドフェンダの一部を構成する開閉扉が開閉自在に取り付けられており、
上記収納室の底部外側には、アウトリガ装置のフロートを受け止めるための敷板を水平状態で保持する保持部材が設けられ、この保持部材は、その収納室奥寄りの一辺にヒンジが、収納室手前側の一辺にロック機構がそれぞれ設けられ、ロック機構によるロック状態を解除したとき保持部材がヒンジ回りに回動して保持部材の収納室手前側の一辺が地面に接するようになっていることを特徴とするホイールクレーン。
【請求項4】
前輪及び後輪を有する下部走行体上に上部旋回体が旋回自在に搭載され、この上部旋回体にキャブが設けられたホイールクレーンにおいて、
上記下部走行体の前輪と後輪との間にはサイドフェンダの内側に収納室が設けられており、上記サイドフェンダには、上下方向に所定間隔毎に複数のステップ部が設けられているとともに、上記収納室に対応して出し入れ口が設けられ、この出し入れ口には上記サイドフェンダの一部を構成する開閉扉が開閉自在に取り付けられており、
上記開閉扉は、出し入れ口を閉じた状態でその下端側にヒンジが、上端側にロック機構がそれぞれ設けられており、この開閉扉の内面側には、アウトリガ装置のフロートを受け止めるための敷板を開閉扉の内面に沿って垂直状態で保持する保持部が設けられ、開閉扉の開時開閉扉がヒンジ回りに回動して開閉扉のロック機構側端が地面に接するようになっていることを特徴とするホイールクレーン。
【請求項5】
上記敷板には、敷板の自重のみの負荷時に敷板の下面より突出して敷板を浮かせるようにバネで付勢されたキャスターが設けられている請求項3又は4記載のホイールクレーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械としてのホイールクレーンに関し、特に、下部走行体の前輪と後輪との間に設けられるサイドフェンダ及びその周辺の構造に係わる。
【背景技術】
【0002】
従来、ホイールクレーンとして、例えば特許文献1に開示されているように、前輪及び後輪を有する下部走行体(キャリアともいう)と、この下部走行体上に旋回自在に搭載された上部旋回体と、この上部旋回体に設けられたキャブ及び伸縮ブームとを備えたものは知られている。
【0003】
このようなホイールクレーンの下部走行体においては、前輪の前方位置及び後輪の後方位置にそれぞれアウトリガ装置が設けられているとともに、前輪と後輪との間にサイドフェンダが取り付けられている。このサイドフェンダは、走行時に周りの人や軽車両などを巻き込むのを防止しかつ内側に配置されるタンクや機器などを保護するためのものであるが、これ以外に、特許文献2に明示されているように、サイドフェンダに対し、上下方向に所定間隔毎に複数のステップ部を設け、キャブへの乗り降りが容易にできるステップ機能を持たせるようにすることが行われている。
【0004】
また、このようなホイールクレーンの下部走行体において、例えば特許文献3に開示されているように、後輪の後方位置などに、アウトリガ装置のフロートを受け止めるための敷板を収納する敷板収納部を設けたものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−220979号公報(第2−3頁、図2
【特許文献2】特開2001−71815号公報(第2頁、図6図7
【特許文献3】特開2008−19007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記敷板収納部は、敷板を収納できるだけの比較的小さなものであり、敷板以外のもの、例えば立入禁止用のコーンなどを収納することはできない。このため、敷板に限らず、立入禁止用コーンなども収納できる収納室の設置がユーザーから強く要望されている。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、特に、下部走行体の前輪と後輪との間に設けられるサイドフェンダの内側の空きスペースに着目し、サイドフェンダの本来の機能及びステップ機能を損なうことなく、この空きスペースを利用して立入禁止用コーンなどを収納できるようにし、ユーザーのニーズに応じた利便性の向上を実施上有効に図り得るホイールクレーンを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、前輪及び後輪を有する下部走行体上に上部旋回体が旋回自在に搭載され、この上部旋回体にキャブが設けられたホイールクレーンにおいて、上記下部走行体の前輪と後輪との間でサイドフェンダの内側に収納室を設け、上記サイドフェンダに、上下方向に所定間隔毎に複数のステップ部を設けるとともに、上記収納室に対応して出し入れ口を設け、この出し入れ口に、上記サイドフェンダの一部を構成する開閉扉を開閉自在に取り付ける構成にする。
【0009】
この構成では、サイドフェンダの出し入れ口に取り付けた開閉扉を開けたときには、出し入れ口を通してサイドフェンダ内側の収納室に対し立入禁止用コーンや敷板などの出し入れを容易に行うことができる。
【0010】
一方、上記開閉扉を閉じたときには、サイドフェンダの出し入れ口は開閉扉により閉じられているため、サイドフェンダの強度が問題となることはなく、サイドフェンダとしての本来の機能、つまり走行時に周りの人や軽車両などを巻き込むのを防止しかつ内側に配置されるタンクや機器などを保護する機能を十分に発揮することができる。また、サイドフェンダに、上下方向に所定間隔毎に複数のステップ部が設けられているため、このステップ部を利用してキャブへの乗り降りを容易に行うことができ、ステップ機能をも十分に発揮することができる。
【0011】
請求項に係る発明は、上述した構成に加えて、上記複数のステップ部を、サイドフェンダの前後方向長さの略全長に亘って延ばして設け、この複数のステップ部の一部を、上記収納室に対応する部分とそれ以外の部分とに分離し、収納室に対応する部分は、その一端側にヒンジを、他端側にロック機構をそれぞれ設けて上記開閉扉を構成するようにする。
【0012】
この構成では、サイドフェンダに設けた複数のステップ部がサイドフェンダの前後方向長さの略全長に亘って延びて設けられているため、サイドフェンダの前後方向のいずれの位置からでもステップ部を利用してキャブへの乗り降りを容易に行うことができ、ステップ機能をより高めることができる。また、上記複数のステップ部の一部は、収納室に対応する部分が出し入れ口を開閉する開閉扉を構成するようになっているが、開閉扉の閉時には上記収納室に対応する部分の両端は、それぞれヒンジ側又はロック機構側として収納室側に固定されるため、この収納室に対応する部分でステップ部を利用する場合でもステップ機能を安定して発揮することができる。
【0013】
請求項に係る発明は、請求項記載のホイールクレーンにおいて、上記複数のステップ部の一部のうち、少なくとも上下方向に隣接する2つのステップ部でかつ収納室に対応する部分同士を、それらの前後両端を各々連結する部分とも一体に形成して矩形枠状の開閉扉を構成するようにし、この矩形枠状の開閉扉の互いに対向する二辺のうち、一方の辺にヒンジを、他方の辺にロック機構のラッチをそれぞれ設ける構成にする。
【0014】
この構成では、開閉扉自体の強度が高くなる上、1つのステップ部毎に各々別々にヒンジ及びロック機構を設けた場合に比べて、特に開閉扉の閉時におけるステップ部の安定性が高くなるため、ステップ機能をより安定性良く発揮することができる。また、矩形枠状の開閉扉は、その一辺でヒンジを介して開閉回動可能に支持され、その支持強度が高くなっているため、開閉扉の閉時にロック機構のラッチを動作させる際その動作が滑らかに確実に行われる。
【0015】
請求項に係る発明は、請求項1に係る発明と同じく、前輪及び後輪を有する下部走行体上に上部旋回体が旋回自在に搭載され、この上部旋回体にキャブが設けられたホイールクレーンにおいて、上記下部走行体の前輪と後輪との間でサイドフェンダの内側に収納室を設け、上記サイドフェンダに、上下方向に所定間隔毎に複数のステップ部を設けるとともに、上記収納室に対応して出し入れ口を設け、この出し入れ口に、上記サイドフェンダの一部を構成する開閉扉を開閉自在に取り付ける構成にする。この構成に加えて、上記収納室の底部外側に、アウトリガ装置のフロートを受け止めるための敷板を水平状態で保持する保持部材を設け、この保持部材は、その収納室奥寄りの一辺にヒンジを、収納室手前側の一辺にロック機構をそれぞれ設け、ロック機構によるロック状態を解除したとき保持部材がヒンジ回りに回動して保持部材の収納室手前側の一辺が地面に接するようになる構成にする。
【0016】
この構成では、収納室の底部外側に設けた保持部材によってアウトリガ装置のフロートを受け止めるための敷板が水平状態に保持されるため、収納室内を立入禁止用コーンなど他の物の収納スペースとして利用することができる。その上、上記保持部材は、そのロック機構によるロック状態を解除したときヒンジ回りに回動して保持部材の収納室手前側の一辺が地面に接するようになるため、重量物である敷板を持ち上げことなく、保持部材に対する敷板の出し入れを容易に行うことができる。
【0017】
請求項に係る発明は、請求項1に係る発明と同じく、前輪及び後輪を有する下部走行体上に上部旋回体が旋回自在に搭載され、この上部旋回体にキャブが設けられたホイールクレーンにおいて、上記下部走行体の前輪と後輪との間でサイドフェンダの内側に収納室を設け、上記サイドフェンダに、上下方向に所定間隔毎に複数のステップ部を設けるとともに、上記収納室に対応して出し入れ口を設け、この出し入れ口に、上記サイドフェンダの一部を構成する開閉扉を開閉自在に取り付ける構成にする。この構成に加えて、上記開閉扉は、出し入れ口を閉じた状態でその下端側にヒンジを、上端側にロック機構をそれぞれ設けてなり、この開閉扉の内面側に、アウトリガ装置のフロートを受け止めるための敷板を開閉扉の内面に沿って垂直状態で保持する保持部を設け、開閉扉の開時開閉扉がヒンジ回りに回動して開閉扉のロック機構側端が地面に接するように構成する。
【0018】
この構成では、開閉扉の内面側に設けた保持部によってアウトリガ装置のフロートを受け止めるための敷板が開閉扉の内面に沿って垂直状態に保持されるため、収納室内が敷板により占められることはなく、収納室内を立入禁止用コーンなど他の物の収納スペースとして利用することができる。その上、上記開閉扉の開時には開閉扉がヒンジ回りに回動して開閉扉のロック機構側端が地面に接するようになるため、重量物である敷板を持ち上げことなく、この開閉扉の内面側の保持部に対する敷板の出し入れを容易に行うことができる。
【0019】
請求項に係る発明は、請求項3又は4記載のホイールクレーンにおいて、上記敷板に、敷板の自重のみの負荷時に敷板の下面より突出して敷板を浮かせるようにバネで付勢されたキャスターを設ける構成にする。
【0020】
この構成では、敷板にキャスターが設けられているため、敷板を保持部材又は保持部に対し出し入れする際及び敷板の設置位置まで運ぶ際に、敷板を持ち上げる必要が全くなく、その分作業が容易なものになる。しかも、キャスターは、敷板の自重のみの負荷時に敷板の下面より突出して敷板を浮かせるようにバネで付勢されたものであるため、アウトリガ装置のフロートを受け止めるように敷板を使用するとき、キャスターがこの使用態様に支障を来したり、キャスターが損傷したりすることはない。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明のホイールクレーンによれば、サイドフェンダの出し入れ口に取り付けた開閉扉を開けたときには、出し入れ口を通してサイドフェンダ内側の収納室に対し立入禁止用コーンや敷板などの出し入れを容易に行うことができ、ユーザーのニーズに応じた利便性の向上を図ることができる。しかも、開閉扉を閉じたときには、サイドフェンダの出し入れ口は開閉扉により閉じられているため、サイドフェンダの強度が問題となることはなく、サイドフェンダの本来の機能及びステップ機能を十分に発揮することができ、実施化を図る上で有効なものである。
【0022】
特に、請求項に係る発明では、サイドフェンダに設けた複数のステップ部がサイドフェンダの前後方向長さの略全長に亘って延びて設けられているため、サイドフェンダの前後方向のいずれの位置からでもステップ部を利用してキャブへの乗り降りを容易に行うことができ、ステップ機能をより高めることができる。また、上記複数のステップ部の一部は、収納室に対応する部分が出し入れ口を開閉する開閉扉を構成するようになっているが、開閉扉の閉時には上記収納室に対応する部分の両端は、それぞれヒンジ側又はロック機構側として収納室側に固定されるため、この収納室に対応する部分でステップ部を利用する場合でもステップ機能を安定して発揮することができる。
【0023】
請求項に係る発明では、開閉扉自体の強度が高くなる上、1つのステップ部毎に各々別々にヒンジ及びロック機構を設けた場合に比べて、特に開閉扉の閉時におけるステップ部の安定性が高くなるため、ステップ機能をより安定性良く発揮することができる。また、矩形枠状の開閉扉は、その一辺でヒンジを介して開閉回動可能に支持され、その支持強度が高くなっているため、開閉扉の閉時にロック機構のラッチを動作させる際その動作が滑らかに確実に行われることになり、信頼性の向上などに寄与することができる。
【0024】
請求項に係る発明では、収納室の底部外側に設けた保持部材によってアウトリガ装置のフロートを受け止めるための敷板が水平状態に保持されるため、収納室内を立入禁止用コーンなど他の物の収納スペースとして利用することができる。その上、上記保持部材は、そのロック機構によるロック状態を解除したときヒンジ回りに回動して保持部材の収納室手前側の一辺が地面に接するようになるため、重量物である敷板を持ち上げることなく、保持部材に対する敷板の出し入れを容易に行うことができ、作業効率の向上及び作業者の負担軽減に寄与することができる。
【0025】
請求項に係る発明では、開閉扉の内面側に設けた保持部によってアウトリガ装置のフロートを受け止めるための敷板が開閉扉の内面に沿って垂直状態に保持されるため、収納室内が敷板により占められることはなく、収納室内を立入禁止用コーンなど他の物の収納スペースとして利用することができる。その上、上記開閉扉の開時には開閉扉がヒンジ回りに回動して開閉扉のロック機構側端が地面に接するようになるため、重量物である敷板を持ち上げることなく、この開閉扉の内面側の保持部に対する敷板の出し入れを容易に行うことができ、作業効率の向上及び作業者の負担軽減に寄与することができる。
【0026】
さらに、請求項に係る発明では、敷板にキャスターが設けられているため、敷板を保持部材又は保持部に対し出し入れする際及び敷板の設置位置まで運ぶ際に、敷板を持ち上げる必要が全くなく、その分作業の容易化を図ることができる。しかも、キャスターは、敷板の自重のみの負荷時に敷板の下面より突出して敷板を浮かせるようにバネで付勢されたものであるため、アウトリガ装置のフロートを受け止めるように敷板を使用するとき、キャスターがこの使用態様に支障を来したり、キャスターが損傷したりすることはなく、実施化を図る上で有利である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は本発明の第1の実施形態に係るホイールクレーンの側面図である。
図2図2図1のサイドフェンダ付近の拡大図である。
図3図3図2のX−X線における拡大断面図である。
図4図4図2のY−Y線における拡大断面図である。
図5図5(a)は図3のZ方向から見た矢視図、図5(b)は図5(a)のE−E線における断面図である。
図6図6は本発明の第2の実施形態を示す図1相当図である。
図7図7図6のサイドフェンダ付近の拡大図である。
図8図8図7のF−F線における拡大断面図である。
図9図9図7のG−G線における拡大断面図である。
図10図10(a)は図8のH方向から見た矢視図、図10(b)は図10(a)のI−I線における断面図である。
図11図11は本発明の第3の実施形態を示す図1相当図である。
図12図12図11のサイドフェンダ付近の拡大図である。
図13図13図12のJ−J線における断面図である。
図14図14は敷板を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
図15図15図14(b)のK付近の拡大図である。
図16図16図15のM−M線における断面図である。
図17図17は本発明の第4の実施形態を示す図1相当図である。
図18図18図17のサイドフェンダ付近の拡大図である。
図19図19図18のN−N線における断面図である。
図20図20(a)は図19のR方向から見た矢視図、図20(b)は図20(a)のS−S線における断面図である。
図21図21図19のQ−Q線における拡大断面図である。
図22図22は敷板を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための形態である実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
図1は本発明の第1の実施形態に係るホイールクレーンAを示し、このホイールクレーンAは、左右にそれぞれ1輪ずつの前輪1及び後輪2を有する下部走行体3と、この下部走行体3上に旋回ベアリング4を介在して旋回自在に搭載された上部旋回体5とを備えている。
【0030】
上記上部旋回体5には、運転室を構成するキャブ6が設けられているとともに、複数段に伸縮可能な伸縮ブーム7が取り付けられている。この伸縮ブーム7は、図示していない起伏シリンダにより基端側の支持点であるブームフットピン回りに起伏自在に設けられている。伸縮ブーム7の先端にはブームヘッド8が取り付けられ、このブームヘッド8から吊り下げた吊りフック9によりクレーン作業を行うようになっている。
【0031】
上記下部走行体3の前輪1の前方位置及び後輪2の後方位置にはそれぞれ一対ずつ計4つのアウトリガ装置11,11,…が設けられている。この各アウトリガ装置11は、図に詳示していないが、伸縮ビームの先端にフロートが取り付けられ、クレーン作業時には伸縮ビームを伸長させかつ地面寄りに傾動させてフロートを地面に接地させることにより前輪1及び後輪2を地面より浮かせるようになっている。
【0032】
また、上記下部走行体3の前輪1と後輪2との間にはサイドフェンダ12が下部走行体3の外側面を構成するように設けられており、このサイドフェンダ12は、本来、走行時に周りの人や軽車両などを巻き込むのを防止しかつ内側に配置される機器21(図3参照)などを保護するためのものである。
【0033】
上記サイドフェンダ12は、図2及び図3に示すように、下部走行体3の強度部材であるキャリアフレーム14に対し、上縁部が上部ブラケット15などを介して、下縁部が下部ブラケット16などを介してそれぞれ取り付けられている。また、サイドフェンダ12の前縁部、中間部及び後縁部は、それぞれ上記上部ブラケット15と下部ブラケット16の間に各々架設した前部縦部材17、中間部縦部材18及び後部縦部材19に固定されている。このサイドフェンダ12の内側とキャリアフレーム14で囲まれた空間には、エアタンクや配管などの走行関連機器21が配置されているが、空いた空間、詳しくは前部縦部材17から中間部縦部材18の後方近傍までの空間には、下部ブラケット16上に底板22を敷設することにより立入禁止用コーン23などの物を収納する収納室24が設けられている。
【0034】
上記サイドフェンダ12には、上下方向に所定間隔毎に4つのステップ部25,26,27,28が設けられているとともに、上記収納室24に対応して出し入れ口29が設けられ、この出し入れ口29には矩形枠状の開閉扉30が開閉自在に取り付けられている。
【0035】
上記4つのステップ部25〜28は、サイドフェンダ12に補強プレートを接合して断面形状がコ字状又は矩形枠状に形成されており、これらのステップ部25〜28は、いずれもサイドフェンダ12の前後方向長さの略全長に亘って延びて設けられている。この4つのステップ部25〜28のうち、中間の2つのステップ部26,27は、共に上記収納室24に対応しかつ中間部縦部材18より前側の部分26a,27aと、中間部縦部材18より後側の部分26b,27bとに分離されている。前側部分26a,27a同士は、それらの前後両端を各々連結する部分とも一体に形成されて上記矩形枠状の開閉扉30を構成するようになっている。
【0036】
上記矩形枠状の開閉扉30の互いに対向する2つの短辺のうち、前側の短辺の上下2箇所にはそれぞれ、図4に詳示するようなヒンジ31が設けられ、このヒンジ31を介して開閉扉30が前部縦部材17に縦軸回りに開閉回動可能に取り付けられている。一方、後側の短辺には開閉扉30を閉状態にロックするためのロック機構32が設けられている。このロック機構32は、図4及び図5に詳示するように、開閉扉30の内面側(裏面側)の上部位置に水平方向に出没可能に設けられ、後向きに突出した状態で中間部縦部材18に設けたプレート33に係合する第1のラッチ34と、開閉扉30の内面側の下部位置に垂直方向に出没可能に設けられ、下向きに突出した状態で中間部縦部材18に設けたプレート35に係合する第2のラッチ36と、開閉扉30の外面側(表面側)の上部位置に取り付けられ、上記両ラッチ34,36にリンク37や連結棒38などを介して連動するように設けられた操作ハンドル39とを備えている。そして、開閉扉30の閉状態では上記両ラッチ34,36がそれぞれプレート33,35に係合して開閉扉30を閉状態にロックし、操作ハンドル39を操作すると上記両ラッチ34,36が没入方向に移動して開閉扉30のロックが解除されるようになっている。
【0037】
尚、図5(a)に明示するように、中間の2つのステップ部26,27の後側部分26b,27bの前端部は、共に中間部縦部材18にボルト止めにより固定されている。また、図4中、41及び42は開閉扉30の開時の回動位置を規制するためのストッパ及びストッパ受けである。
【0038】
次に、上記ホイールクレーンAの作用効果について説明するに、下部走行体3のサイドフェンダ12内側に設けた収納室24に対し立入禁止用コーン23などの物を出し入れするときには、サイドフェンダ12の出し入れ口29に取り付けた開閉扉30を開けると収納室24に対応して設けられた出し入れ口29が大きく開かれるため、この出し入れ口29を通して立入禁止用コーン23などの物の出し入れを容易に行うことができ、ユーザーのニーズに応じた利便性を高めることができる。
【0039】
一方、上記開閉扉30を閉じたときには、サイドフェンダ12の出し入れ口29は開閉扉30により閉じられているため、サイドフェンダ12の強度が問題となることはなく、サイドフェンダ12としての本来の機能、つまり走行時に周りの人や軽車両などを巻き込むのを防止しかつ内側に配置されるタンクや機器21などを保護する機能を十分に発揮することができる。また、サイドフェンダ12に、上下方向に所定間隔毎に4つのステップ部25〜28が設けられているため、このステップ部25〜28を利用してキャブ6への乗り降りを容易に行うことができ、ステップ機能をも十分に発揮することができる。
【0040】
特に、本実施形態の場合、上記4つのステップ部25〜28は、サイドフェンダ12の前後方向長さの略全長に亘って延びて設けられているため、サイドフェンダ12の前後方向のいずれの位置からでもステップ部25〜28を利用してキャブ6への乗り降りを容易に行うことができ、ステップ機能をより高めることができる。また、上記4つのステップ部25〜28のうちの中間の2つのステップ部26,27は、収納室24に対応する前側部分26a,27aが出し入れ口29を開閉する開閉扉30を構成するようになっているが、開閉扉30の閉時には上記前側部分26a,27aの前後両端は、それぞれヒンジ31又はロック機構32を介して収納室24側の前部縦部材17又は中間部縦部材18に固定されるため、この前側部分26a,27aをステップとして利用する場合でもステップ機能を安定して発揮することができる。
【0041】
その上、上記中間の2つのステップ部26,27の前側部分26a,27aは、その前後両端を各々結合する部分とも一体に形成されて矩形枠状の開閉扉30を構成するようになっているため、開閉扉30自体の強度が高くなる上、1つのステップ部26,27(詳しくはその前側部分26a,27a)毎に各々別々にヒンジ及びロック機構を設けた場合に比べて、特に開閉扉30の閉時におけるステップ部26,27の安定性が高くなり、ステップ機能をより安定性良く発揮することができる。また、矩形枠状の開閉扉30は、その前側の短辺の2箇所で各々ヒンジ31を介して開閉回動可能に支持され、その支持強度が高くなっているため、開閉扉30の閉時にロック機構32の2つのラッチ34,36を動作させる際その動作が滑らかに確実に行われることになり、信頼性の向上などに寄与することができる。
【0042】
さらに、ホイールクレーンAの走行時には上記矩形枠状の開閉扉30は、その前側の短辺の2箇所がそれぞれヒンジ31を介して収納室24側の前部縦部材17に固定され、後側の短辺の2箇所がそれぞれロック機構32のラッチ34,36を介して収納室24側の中間部縦部材18に固定されているため、仮に2箇所のラッチ34,36が走行中に外れたとしても開閉扉30は走行風により閉まり傾向にあって大きく開くことはなく、その分安全性を高めることができる。
【0043】
図6は本発明の第2の実施形態に係るホイールクレーンBを示す。このホイールクレーンBの構成は、基本的には上記第1の実施形態に係るホイールクレーンAの場合と同じであり、同一部材には同一符号を付してその説明は省略する。両者の相違点は、第1の実施形態に係るホイールクレーンAの場合、矩形枠状の開閉扉30がサイドフェンダ12に縦軸回りに開閉回動可能に取り付けられているのに対し、第2の実施形態に係るホイールクレーンBの場合、矩形枠状の開閉扉30がサイドフェンダ12に横軸回りに開閉回動可能に取り付けられていることである。以下、この構成について、図7ないし図10を用いて説明する。
【0044】
すなわち、図7ないし図9に示すように、矩形枠状の開閉扉30の互いに対向する2つの長辺のうち、上側の長辺の左右2箇所にはそれぞれヒンジ51が設けられ、このヒンジ51は、前部縦部材17と中間部縦部材18との間に架設された支持部材52に支持されており、よって、開閉扉30は、ヒンジ51及び支持部材52により横軸回りに開閉回動可能に支持されている。一方、開閉扉30の下側の長辺には開閉扉30を閉状態にロックするためのロック機構53が設けられている。このロック機構53は、図10に詳示するように、開閉扉30の内面側(裏面側)の前部位置に水平方向に出没可能に設けられ、前向きに突出した状態で前部縦部材17に係合する第1のラッチ55と、開閉扉30の内面側の後部位置に水平方向に出没可能に設けられ、後向きに突出した状態で中間部縦部材18に係合する第2のラッチ57と、開閉扉30の外面側(表面側)の中間位置に取り付けられ、上記両ラッチ55,57にリンク58や連結棒59などを介して連動するように設けられた操作ハンドル60とを備えている。そして、開閉扉30の閉状態では上記両ラッチ55,57がそれぞれ縦部材17,18に係合して開閉扉30を閉状態にロックし、操作ハンドル60を操作すると上記両ラッチ55,57が没入方向に移動して開閉扉30のロックが解除されるようになっている。
【0045】
尚、図9中、61及び62は開閉扉30の開時の回動位置を規制するためのストッパ及びストッパ受けである。また、サイドフェンダ12及びその内側に設けた収納室24などの構成は、第1の実施形態の場合と同じであり、同一部材には同一符号を付してその説明は省略する。
【0046】
そして、上記第2の実施形態においても、第1の実施形態の場合と同様に、下部走行体3のサイドフェンダ12内側に設けた収納室24に対し立入禁止用コーン23などの物を出し入れするときには、サイドフェンダ12の出し入れ口29に取り付けた開閉扉30を開けると収納室24に対応して設けられた出し入れ口29が大きく開かれるため、この出し入れ口29を通して立入禁止用コーン23などの物の出し入れを容易に行うことができるなどの効果を奏するのは勿論である。
【0047】
特に、第2の実施形態の場合、サイドフェンダ12の出し入れ口29に矩形枠状の開閉扉30を横軸回りに開閉回動可能に取り付ける当たり、矩形枠状の開閉扉30の互いに対向する2つの長辺のうち、上側の長辺の2箇所にヒンジ51,51が設けられ、下側の長辺の2箇所にロック機構53のラッチ55,57が設けられているため、仮にロック状態のロック機構53のラッチ55,57が外れたとしも開閉扉30が自重により開くことはなく、その分安全性を高めることができる。
【0048】
図11は本発明の第3の実施形態に係るホイールクレーンCを示す。このホイールクレーンCは、第2の実施形態に係るホイールクレーンBの構成に加えて、図12及び図13に詳示するように、サイドフェンダ12の内側に設けた収納室24の底部(下部ブラケット16及び底板22)外側に、アウトリガ装置11のフロートを受け止めるための敷板71を各々水平状態に保持する2つの保持部材72,72がホイールクレーンCの側方から見て横並びに設けている。
【0049】
上記保持部材72は、敷板71(図14参照)に対応して略正方形状の薄板からなり、この保持部材72の収納室24奥寄りの一辺にはヒンジ73が設けられ、このヒンジ73を介して保持部材72が下部ブラケット16に水平軸回りに回動可能に取り付けられている。一方、保持部材72の収納室24手前側の一辺には保持部材72を支持するためのロック機構74のラッチ係合部75が設けられている。このロック機構74は、ラッチ係合部75の外、サイドフェンダ12の裏面側下部に揺動可能に設けられ、ラッチ係合部75に係合可能なラッチ76と、サイドフェンダ12の外面側下部に設けられ、上記ラッチ76を揺動させる操作ハンドル77とを備えている。そして、ロック機構74のラッチ76がラッチ係合部75に係合して保持部材72を支持するロック状態から操作ハンドル77を操作するとラッチ76がラッチ係合部75との係合を解除する方向に揺動してロック状態が解除されるようになっている。また、このロック機構74によるロック状態を解除したとき保持部材72はヒンジ73回りに回動して保持部材72の収納室手前側の一辺が地面に接するようになっている。
【0050】
一方、上記敷板71は、図14に示すように、所定の厚みを有する略正方形状の鋼板からなり、この敷板71の互いに対向する2辺の中央部にはそれぞれハンドリング用取っ手81が取り付けられているとともに、敷板71の四隅部にはそれぞれキャスター82が設けられている。このキャスター82は、図15及び図16に拡大詳示するように、一対のローラ83,83と、この一対のローラ83,83を回転自在に支持する支軸84aを有するローラ支持部材84と、このローラ支持部材84の垂直ロッド部84bの外周を囲繞した状態で敷板71に固定されたバネケース85と、このバネケース85内でかつローラ支持部材84の垂直ロッド部84bの外周に配置され、かつローラ支持部材84の垂直ロッド部84bに装着した鍔部材86とバネケース85の天板部85aとの間に圧縮した状態で装着されたコイルバネ87と、上記バネケース85の天板部85aを貫通するローラ支持部材84の垂直ロッド部84bの上部外周に形成したネジ部84cにねじ嵌めされた調整ナット88とを備え、敷板71の自重のみの負荷時には敷板71の下面よりローラ83が突出して敷板71を浮かせるようになっている。
【0051】
尚、ホイールクレーンCのその他の構成は、第2の実施形態に係るホイールクレーンBの場合と同じであり、同一部材には同一符号を付してその説明は省略する。
【0052】
そして、上記第3の実施形態においては、第2の実施形態の場合と同様な作用効果を奏する以外に、以下のような作用効果をも奏することができる。
【0053】
すなわち、収納室24の底部外側に設けた保持部材72によってアウトリガ装置11のフロートを受け止めるための敷板71が水平状態に保持されるため、収納室24内を立入禁止用コーン23など他の物の収納スペースとして有効に利用することができ、その分ユーザーの利便性をより高めることができる。
【0054】
また、上記保持部材72は、そのロック機構74によるロック状態を操作ハンドル77により解除したときヒンジ73回りに回動して保持部材72の収納室手前側の一辺が地面に接するようになるため、重量物である敷板71を持ち上げことなく、保持部材72に対する敷板71の出し入れを容易に行うことができる。
【0055】
さらに、上記敷板71の四隅部にそれぞれキャスター82が設けられているため、敷板71を保持部材72に対し出し入れする際及び敷板71の設置位置まで運ぶ際に、敷板71を持ち上げる必要が全くなく、その分作業の容易化を図ることができる。しかも、キャスター82は、敷板71の自重のみの負荷時にローラ83が敷板71の下面より突出して敷板71を浮かせるようにコイルバネ87で付勢されたものであるため、クレーン作業に当たりアウトリガ装置11のフロートを受け止めるように敷板71を使用するとき、キャスター82がこの使用態様に支障を来したり、キャスター82が損傷したりすることはなく、実施化を容易に図ることができる。
【0056】
図17は本発明の第4の実施形態に係るホイールクレーンDを示す。このホイールクレーンDの構成は、基本的には上記第1の実施形態に係るホイールクレーンAの場合と同じであり、同一部材には同一符号を付してその説明は省略する。相違点は、下部走行体3の前輪1と後輪2との間に設けられるサイドフェンダ90及びその内側に設けられる収納室などの構成が異なる。
【0057】
すなわち、上記サイドフェンダ90は、図18及び図19に示すように、前側から順に第1のサイドフェンダ91と第2のサイドフェンダ92と第3のサイドフェンダ93とに分割されており、第1のサイドフェンダ91は、その上縁部が上部ブラケット15に、下縁部が下部ブラケット16に、前縁部が前部縦部材94に、後縁部が第1の中間部縦部材95にそれぞれ固定されている。サイドフェンダ90の内側には、少なくとも第1の中間部縦部材95から第2の中間部縦部材96を経て後部縦部材97までの間に底板(図示せず)を敷設することにより立入禁止用コーン(図示せず)などの物を収納する収納室98が設けられている。
【0058】
上記第1のサイドフェンダ91には、上下方向に所定間隔毎に3つのステップ部101,101,101が設けられており、この各ステップ部101は、図示していないが、第1のサイドフェンダ91に補強プレートを接合して断面形状がコ字状又は矩形枠状に形成されている。
【0059】
上記収納室98は、ホイールクレーンDの側方から見て第2の中間部縦部材96で仕切られた横並びに2つの出し入れ口102,103を通して外部に開放されており、この両出し入れ口102,103には第2のサイドフェンダ92及び第3のサイドフェンダ93を各々外側板とする2つの開閉扉104,105が開閉自在に取り付けられている。
【0060】
上記各開閉扉104,105は、共に出し入れ口102,103を閉じた状態でその下端側の2箇所にそれぞれヒンジ106が設けられ、このヒンジ106を介して下部ブラケット16に横軸回りに開閉回動可能に取り付けられている。一方、各開閉扉104,105の上端側には開閉扉104,105を閉状態にロックするためのロック機構107が設けられている。このロック機構107は、図20に詳示するように、開閉扉104,105の内面側(裏面側)の前部位置に水平方向に出没可能に設けられ、前向きに突出した状態で第1の中間部縦部材95又は第2の中間部縦部材96に係合する第1のラッチ108と、開閉扉104,105の内面側の後部位置に水平方向に出没可能に設けられ、後向きに突出した状態で第2の中間部縦部材96又は後部縦部材97に係合する第2のラッチ109と、開閉扉104,105の外面側(表面側)の中間位置に取り付けられ、上記両ラッチ108,109にリンク110や連結棒111などを介して連動するように設けられた操作ハンドル112とを備えている。そして、開閉扉104,105の閉状態では上記両ラッチ108,109がそれぞれ縦部材95,96又は96,97に係合して開閉扉104,105を閉状態にロックし、操作ハンドル112を操作すると上記両ラッチ108,109が没入方向に移動して開閉扉104,105のロックが解除され、開閉扉104,105がヒンジ106回りに回動して開閉扉104,105のロック機構側端部が地面に接するようになっている。
【0061】
上記各開閉扉104,105の内面側には、図19に示すように、アウトリガ装置11のフロートを受け止めるための敷板113を開閉扉104,105の内面に沿って垂直状態に保持する保持部114が設けられている。この保持部114は、矩形状の薄板からなり、その縦方向の寸法は敷板113の一辺の長さよりも小さく設定され、横方向の寸法は敷板113の一辺の長さよりも少し大きく設定されている。また、保持部114の幅方向の両端部は、それぞれ図21に示すように、敷板113の端部を拘束するように断面コ字状に折り曲げられているとともに、保持部114の下端部は、敷板113を受け止めるように内側に断面L字状に折り曲げられている。
【0062】
一方、上記敷板113は、図22に示すように、所定の厚みを有する略正方形状の鋼板からなり、この敷板113の互いに対向する2辺の中央部にはそれぞれハンドリング用取っ手115が取り付けられている。
【0063】
そして、上記第4の実施形態においては、サイドフェンダ90の横並びに2つの出し入れ口102,103に各々取り付けた開閉扉104,105を開けたときには、出し入れ口102,103を通してサイドフェンダ90内側の収納室98に対し立入禁止用コーンなどの出し入れを容易に行うことができ、ユーザーのニーズに応じた利便性を高めることができる。
【0064】
一方、上記両開閉扉104,105を閉じたときには、サイドフェンダ90の出し入れ口102,103は開閉扉104,105により閉じられているため、サイドフェンダ90の強度が問題となることはなく、サイドフェンダ90としての本来の機能、つまり走行時に周りの人や軽車両などを巻き込むのを防止しかつ内側に配置される機器21などを保護する機能を十分に発揮することができる。また、サイドフェンダ90(詳しくは第1のサイドフェンダ91)に、上下方向に所定間隔毎に3つのステップ部101,101,101が設けられているため、このステップ部101を利用してキャブ6への乗り降りを容易に行うことができ、ステップ機能をも十分に発揮することができる。
【0065】
その上、上記各開閉扉104,105の内面側に設けた保持部114によってアウトリガ装置11のフロートを受け止めるための敷板113が開閉扉104,105の内面に沿って垂直状態に保持されるため、収納室98内が敷板113により占められることはなく、収納室98内を立入禁止用コーンなど他の物の収納スペースとして利用することができ、その分ユーザーの利便性をより高めることができる。
【0066】
また、上記各開閉扉104,105の開時にロック機構107によるロック状態を操作ハンドル112により解除すると開閉扉104,105がヒンジ106回りに回動して開閉扉104,105のロック機構側端が地面に接するようになるため、重量物である敷板113を持ち上げことなく、開閉扉104,105の内面側の保持部114に対する敷板113の出し入れを容易に行うことができる。
【0067】
尚、本発明は上記第1ないし第4の実施形態に限定されるものではなく、その他種々の形態を包含するものである。例えば各実施形態では、いずれも下部走行体3が左右に1輪ずつの前輪1及び後輪2を有するホイールクレーンA〜Dについて述べたが、本発明は、これに限らず、前輪又は後輪として複数列の車輪を有するホイールクレーンなどにも広く適用することができる。
【0068】
また、上記第1ないし第3の実施形態では、いずれもサイドフェンダ12に上下方向に所定間隔毎に4つのステップ部25〜28をサイドフェンダ12の前後方向長さの略全長に亘って延ばして設け、この4つのステップ部25〜28のうち、中間の2つのステップ部26,27を前側部分26a,27bと後側部分26b,27bとに分離し、前側部分26a,27a同士を、それらの前後両端を各々連結する部分とも一体に形成して矩形枠状の開閉扉30を構成するようにしたが、本発明は、前側部分26a,27a同士を一体化せず、各前側部分26a,27aの一端側にヒンジを、他端側にロック機構をそれぞれ設けて、両前側部分で開閉扉を構成するようにしても良い。
【符号の説明】
【0069】
A,B,C,D ホイールクレーン
1 前輪
2 後輪
3 下部走行体
5 上部旋回体
6 キャブ
11 アウトリガ装置
12,90 サイドフェンダ
24,98 収納室
25〜28,101 ステップ部
29,102,103 出し入れ口
30,104,105 開閉扉
26a,27a 前側部分
26b,27b 後側部分
31,51,73,106 ヒンジ
32,53,74,107 ロック機構
34,55,108 第1のラッチ
36,57,109 第2のラッチ
71,113 敷板
72 保持部材
82 キャスター
87 コイルバネ
114 保持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22