(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ネブライザ(1)は、出口側端部又はマウスピース(13)を有し、前記アクチュエータ(50)は、前記出荷状態では前記出口側端部又は前記マウスピース(50)に隣接して配置されている、請求項1〜7のうちいずれか1項に記載のネブライザ。
前記ネブライザ(1)は、マウスピースカバー(42)を有し、前記アクチュエータ(50)は、前記出荷状態では、前記マウスピースカバー(42)に隣接し又はこの下に若しくは上に少なくとも部分的に配置されている、請求項1〜8のうちいずれか1項に記載のネブライザ。
前記ネブライザ(1)は、前記流体(2)の一回投与分を噴霧化するよう作動されるようになった解除要素(8)を有し、前記アクチュエータ(50)又はその取っ手(53)は、ユーザが通常、前記解除要素(8)を押す前に前記アクチュエータ(50)を作動させるよう前記解除要素(8)の上方に少なくとも部分的に配置され又は前記解除要素(8)に少なくとも部分的に取り付けられている、請求項1記載のネブライザ。
前記ネブライザ(1)は、前記出荷状態では部分的にしか閉じられず、前記ネブライザ(1)を使用する前又は前記ネブライザ(1)を使用するために完全に閉じられるハウジングを有する、請求項1〜12のうちいずれか1項に記載のネブライザ。
前記ネブライザ(1)は、前記出荷状態では互いに押し付けられないよう前記固定部材(30)によって固定される2つのハウジング部品(16,18)を有し、前記固定部材(30)は、前記2つのハウジング部品(16,18)のための軸方向停止部(52)を形成し又は前記出荷状態では前記2つのハウジング部品(16,18)相互間に延びる内側半径方向突起又はリブを有する、請求項1〜17のうちいずれか1項に記載のネブライザ。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図中、同一の参照符号は、同一又は類似の部品について用いられ、対応の又は同等な性質及び利点は、たとえ説明を繰り返さないでも達成される。
【0020】
図1及び
図2は、流体2、特に、効能の高い医薬組成物、薬剤等を噴霧化する公知のネブライザ1を示しており、このネブライザは、非引張り操作状態(
図1)及び引張り操作状態(
図2)で概略的に示されている。ネブライザ1は、特に、携帯用吸入器として構成され、好ましくは、機械的にのみ且つ/或いは推進ガスなしで動作する。
【0021】
流体2、好ましくは液体、特に医薬組成物を噴霧化すると、エーロゾル14(
図1)が生じ、かかるエーロゾルは、ユーザ(図示せず)により吸息又は吸入可能である。通常、吸入は、患者の苦しんでいる病気又は病訴に応じて、1日に少なくとも1回、特に1日に数回、好ましくは定められた間隔で行われる。
【0022】
ネブライザ1は、流体2を収容した挿入可能な容器3を有する。かくして、この容器3は、噴霧化されるべき流体2のリザーバを形成している。好ましくは、容器3は、最高200回の投与単位をもたらし、即ち、最高200回のスプレー又は塗布を可能にするのに十分な量の流体2又は有効物質を収容している。国際公開第96/06011(A1)号パンフレットに開示されているような典型的な容器3は、約2〜10mlの量を収容する。
【0023】
容器3は、実質的に円筒形又はカートリッジの形状をしており、ネブライザ1をいったん開けると、容器を吸入器内に下から挿入でき、所望ならば交換することができる。この容器は、好ましくは硬質又は剛性構造のものであり、流体2は、特に、容器3内の折り畳み式袋4内に保持される。
【0024】
ネブライザ1は、流体2を特にあらかじめ設定され、オプションとして調節可能な投与量で運搬して噴霧化する圧力発生器5を有する。圧力発生器5は、好ましくは、容器3のためのホルダ6、駆動ばね7(一部しか示さず)、ばね7を解除するよう手動で操作できる解除要素8、運搬要素、例えば運搬管9、逆止弁10、圧力チャンバ11及び/又は流体2をマウスピース中に噴霧化するノズル12を有している。容器3は、ホルダ6によりネブライザ1内に取り付けられ又は保持されていて、運搬管9が、容器3内に入り込むようになっている。ホルダ6は、容器3を交換することができるよう構成されたものであるのが良い。
【0025】
駆動ばね7を軸方向に引っ張ると、ホルダ6は、容器3及び運搬管9と共に図面において下方に移動し、流体2は、容器3から吸い出され、逆止弁10を通って圧力発生器5の圧力チャンバ11内に吸い込まれる。そして、ネブライザ1は作動状態又は引張り状態と呼ばれる状態となる。
【0026】
解除要素8の作動後における次の弛緩中、圧力チャンバ11内の流体2は、今や閉鎖状態にある逆止弁10を備えた運搬管9が駆動ばね7の弛緩により上方に戻され、今や加圧ラム又はピストンとして働いているときに加圧下に置かれる。この圧力により、流体2は、ノズル12中に送り込まれ、次に、
図1に示されているようにエーロゾル14の状態に噴霧化される。粒子の好ましい液滴サイズについては、本明細書の導入部において上述してある。
【0027】
一般に、ネブライザ1は、流体2に加わるばね圧力が5〜200MPa、好ましくは10〜100MPaであり、一ストローク当たりの送り出し流体量が10〜50μl、好ましくは10〜20μl、最も好ましくは約15μlの状態で動作する。流体2は、エーロゾル14に変換され又はエーロゾル14として噴霧化され、かかるエーロゾルの液滴の空気力学径は、最大20μm、好ましくは3〜10μmである。好ましくは、発生するジェットスプレーの角度は、20°〜160°、好ましくは80°〜100°である。これらの値は、特に好ましい値として本発明の教示に従って構成されるネブライザ1にも当てはまる。
【0028】
ユーザ(図示せず)は、エーロゾル14を吸入することができ、その間、少なくとも1つの空気供給開口部15を通って供給空気をマウスピース13内に吸い込むことができる。
【0029】
好ましくは、ネブライザ1又は駆動ばね7を手動で作動させ又は引張り操作することができる。ネブライザ1は、好ましくは、上側ハウジング部品16及びこの上側ハウジング部品に対して回転可能な内側部品17を有し(
図2)、内側部品は、上側部分17a及び下側部分17bを有し(
図1)、他方、特に手動操作可能なハウジング部品(下側ハウジング部品)18が、好ましくは保持要素19によってこの内側部品17に解除自在に取り付けられ、特にこれに装着されている。好ましくは、ハウジング部品16,18は、ネブライザ1のハウジングを形成する。容器3を挿入すると共に(或いは)交換するために、ハウジング部分18をネブライザ1又はそのハウジングから取り外すことができる。
【0030】
ハウジング部品18を上側ハウジング部品16に対して回転させることができ、これに伴って、内側部品17の部分17bが回転する。その結果、駆動ばね7は、ホルダ6に作用する歯車又は伝動装置(図示せず)によって軸方向に引っ張られる。引張り中、容器3は、容器3が
図2に示すような端位置を取るまで軸方向下方に動かされる。この作動又は引張り操作状態では、駆動ばね7は、張力下にある。噴霧化プロセスの際、容器3を駆動ばね7によってその元の位置(
図1に示されている非引張り操作位置又は状態)に戻す。かくして、容器3は、引張り操作中及び噴霧化プロセス中、持ち上げ又はストローク運動を行う。
【0031】
ハウジング部分18は、好ましくは、キャップ状の下側ハウジング部品を形成し、容器3の下方自由端部周りに又はこの上に嵌まっている。駆動ばね7を引っ張ると、容器3は、その端部分と共にハウジング部品18内へ(更に)動き又はその端面に向かって動き、他方、ハウジング部品18内に設けられた通気手段、軸方向に作用するばね20が、容器のベース(底)21に接触し、容器3が最初に穿刺要素19に接触すると、このばねは、穿刺要素22により容器3又はこれに設けられたベースシールを穿孔し、空気を取り込み又は通気させることができる。
【0032】
ネブライザ1は、好ましくはハウジングの上側部品16に対する内側部品17の回転を検出することにより、ネブライザ1の作動を計数するモニタ装置23を有するのが良い。好ましくは、モニタ装置23は、作動又は放出投与分の或る特定の回数に達し又はこれを超えると、ネブライザ1の作動又は使用を阻止し、例えば、解除要素8の作動を阻止する。
【0033】
次に、
図3〜
図5を参照して提案対象の吸入器又はネブライザ1の好ましい構成及び作動モードについて説明するが、
図1及び
図2のネブライザ1との本質的な差についてのみ強調する。かくして、
図1及び
図2に関する説明は、好ましくはそのまま又は類似した仕方で当てはまり、これに対し、
図1及び
図2のネブライザ1と以下に説明するネブライザ1の特徴の任意所望の組み合わせが可能である。
【0034】
好ましくは、容器3は、あらかじめ収納されている。これは、特に、国際公開第2006/125577(A2)号パンフレットに示され又は以下に説明するように実現できる。
【0035】
図3〜
図5は、本発明の好ましい実施形態としてのネブライザ1を概略断面図で示している。
図3は、ネブライザ1を出荷状態で、即ち、依然として密閉された予備収納状態の容器3を備えた状態で示している。この状態では、ネブライザ1のハウジングは、完全には密閉されておらず、特に、ハウジング部品18は、内側部品17に完全には嵌められていない。
図4及び
図5は、ネブライザ1をハウジングが完全に密閉されると共に容器3が開封された作動及び/又は引張り操作状態で示されている。
図4では、ネブライザ1又は駆動ばね7が引張り操作され、即ち、容器3は、その下方位置にある。
図5は、ネブライザ1を非引張り状態で、例えば、流体2の1回投与分の送り出し又は放出後の状態で示しており、容器3は、その上方位置にある。
【0036】
容器3は、
図3に示されているように出荷状態ではネブライザ1内に既に設けられ又はあらかじめ収納されている。この状態では、容器3は、依然として密閉されており、即ち、一方において容器3又はその袋4と他方においてネブライザ1若しくはその圧力発生器5又は運搬要素との間には流体結合が存在しない。
【0037】
容器3は、小出しされるべき流体2を出力する流体出口24を有している。特に、流体出口24により、一方において容器3又はその袋4と他方においてネブライザ1、その圧力発生器5又は運搬要素との間の流体結合が可能である。
【0038】
容器3の非収納状態では、即ち、ネブライザ1内への容器3の取り付け又は予備収納前においては、流体出口24は、第1又は内側のクロージャ25により、オプションとして、第2又は外側のクロージャ26によって閉鎖される。特に、第2のクロージャ26は、第1のクロージャ25を覆う。
【0039】
第1又は内側のクロージャ25は、好ましくは、隔膜、メンブレン、プラスチックシール等で形成されると共に/或いは容器3の内側に設けられる。
【0040】
好ましい実施形態では、第2のクロージャ26は、好ましくは、シール、箔、キャップ等により、特に、金属製及び/又は複合箔等によって形成され、これは、好ましくは、容器3のヘッド側端部又は軸方向端部にホットシールされ又は任意他の適当な仕方で取り付けられる。図示の実施形態では、第2のクロージャ26は、好ましくはアルミニウム層を備えたホットシール箔によって形成される。
【0041】
好ましくは、クロージャ25,26は、別々の開放が可能であるよう設計され、特に、第2のクロージャ26を第1のクロージャ25とは別個独立に開放することができると共に/或いは第1のクロージャ25の前に開放しなければならないよう設計される。
【0042】
好ましくは、クロージャ25,26は、1つの共通の要素、特に運搬要素又は運搬管9等によって且つ/或いは穿刺によって連続開放が可能であるように設計されている。
【0043】
好ましい実施形態では、第1のクロージャ25と第2のクロージャ26は、軸方向若しくは容器3のストローク運動の方向又は流体2の主出口方向に対して次々に且つ/或いは間隔を置いて配置されている。
【0044】
好ましくは、第1の又は内側のクロージャ25は、容器3の出口又はヘッド側端部から容器3又は袋4中に延びるクロージャ部分27によって形成され又は支持される。第2の又は外側のクロージャ26は、好ましくは、容器3のヘッド側又は軸方向端部に隣接して配置されると共に/或いはフランジ28に対して保持され又はこれに連結され、フランジ28は、クロージャ部分27又は任意他の適当な部分により形成されるのが良い。しかしながら、他の構成上の手段が採用可能である。
【0045】
図3に示すような出荷状態では、容器3は予備収納されており、すなわち、ネブライザ1に挿入されている。しかしながら、容器3又はその流体出口24はまだ開放されていない。具体的には、第2のクロージャ26は既に開放されているが、第1のクロージャ25は開放されていない。これは特にネブライザ1のハウジングが部分的にのみ閉鎖されている、即ち不完全であることにより得られ、図示の実施形態において出荷状態で、好ましくは不完全に閉鎖することや、ハウジング部品18に不完全に押し嵌めることにより得られる。好ましくは、出荷状態においてハウジング部品18は部分的にのみスナップ装着され又は挿入される。
【0046】
一般に、容器3、流体出口24、クロージャ25又は26は、特に、運搬要素、例えば運搬管9等によると共に/或いは穿刺又は任意他の適当な仕方で開放される。特に、開放は、容器3をネブライザ1、運搬要素又は管9等に対して動かすことによると共に/或いは長手方向又は軸方向運動によって達成される。
【0047】
本発明によれば、第2のクロージャ26は、出荷状態では、好ましくはネブライザ1によって自動的に既に開放されている。特に、第2のクロージャ26は、容器3の挿入中、挿入により、又は挿入時及び/又はネブライザ1のハウジング又はハウジング部品18の少なくとも部分的閉鎖中、閉鎖により又は閉鎖時に開放される。好ましくは、第1のクロージャ25は、運搬要素が第1のクロージャ25、例えば隔膜を穿刺し又は開いたときに、流体2中に物質が全く落下することがないよう設計されているが、クロージャ部品27等に連結されたままの状態であると共に/或いはわきに回動される。
【0048】
具体的に説明すると、容器3は、特に輸送ロック29によってハウジング部品18に取り付けられ又はこれによって保持され、或いはこの中に固定され、輸送ロック29は、好ましくは、ハウジング部品18内に又はハウジング部品18のところに配置される。輸送ロック29は、容器3を好ましくは一時的に、特にハウジング部品18をネブライザ1に取り付ける前に且つ/或いは出荷状態において保持する。具体的に言えば、輸送ロック29は、容器3の流体結合中及び/又は容器3の機械的動作中、この場合ホルダ6により固定状態に保持する。
【0049】
好ましくは、第2のクロージャ26は、容器3を予備収納する際及び/又はハウジング部品18をネブライザ1に取り付ける際、特に、ハウジング部品18をネブライザ1に部分的にスナップ装着し又は押し嵌めする(押して嵌める)際、自動的に開放され、特に穿孔される。この場合、開放又は穿孔は、好ましい実施形態では、運搬要素又は運搬管9が出荷状態では第2のクロージャ26を貫通し、特にクロージャ部品27中に延び、即ち、容器3内に部分的に延びることによって行なわれる。かくして、ネブライザ1の非常にコンパクトな構成及び小さなサイズ若しくは軸方向広がりを出荷状態において達成することができる。特に、ハウジング部品18を穿孔技術の場合よりも出荷状態においてネブライザ1又はそのハウジングに顕著に更にスナップ装着でき又は押し嵌めすることができる。
【0050】
出荷状態では、第1のクロージャ25並びにかくして容器3及び流体出口24は、閉鎖状態のままである。
【0051】
出荷状態では、ネブライザ1又はハウジング部品18は、好ましくは、特に固定手段又は固定部材30によって固定され、容器3及び/又はハウジング部品18は、ネブライザ1又は上側ハウジング部品16から十分に間隔を置いた状態に保持されると共に/或いは運搬要素若しくは管9、ハウジング又は内側ハウジング部品17等に完全に挿入され又はこれに嵌められることがないように且つ/或いは容器3、即ち、第1のクロージャ25の開放(完全な開放)が阻止されるようになっている。
【0052】
図示の実施形態では、固定部材30は、好ましくは、ハウジング部品18と上側ハウジング部品16との間に設けられ、好ましくは、ハウジング部品16,18に係合し又はこれらの間に嵌まり、その結果、ハウジング部品又は下側部品18が上側ハウジング部品16に対して軸方向に固定され又はこれから十分に遠ざかって又はこれから間隔を置いて維持され若しくは保たれ、それにより密閉された(依然として密閉された)容器3又は第1のクロージャ25を運搬管9から遠ざかって保持することができるようになっている。
【0053】
好ましい実施形態では、固定手段又は固定部材30は、少なくとも実質的に中空であると共に/或いは円筒形であり、ハウジング部品(下側ハウジング部品)18と上側ハウジング部品16との間に軸方向に配置される。ネブライザ1を作動させ又はこれを使用可能な状態に準備し、即ち、ハウジング部品18を十分に軸方向に押し、それにより容器3を開くためには、先ず最初に、固定部材30を取り外し若しくは解除し又は開かなければならない。
【0054】
図示の好ましい実施形態では、固定部材30は、例えばプラスチックで作られた小旗のように構成されると共に/或いは手動で開かれ、取り除かれ又は破壊されるのが良い。固定部材30は、これに変わって又は同時に、出所証印(seal of origin)を形成し又は構成することができる。しかしながら、例えばセキュリティタブ等の形態をした固定部材30の他の実施形態も又、採用可能である。
【0055】
固定部材30は、任意適当な材料、特にプラスチック、任意の複合材等で構成できる。さらに、固定手段30を特に
図6に示されているような紙スリーブのような紙で作ることができる。代替的に又は追加的に、固定部材31をラベル、タップ、タグ又はテープで形成できると共に/或いは粘着性であるのが良い。この場合、
図3に示すようにスリーブも又形成できる。
【0056】
さらに、以下において実施例について説明する。
【0057】
好ましくは、容器3及び/又はハウジング部品18は、出荷状態では確実に又は圧力嵌め若しくはインターロック状態で保持される。これは、好ましい実施形態では、特に容器3とハウジング部品18との間で働く輸送ロック29及びハウジング部品18とネブライザ1のハウジング又は上側ハウジング部品16との間で働く固定手段又は固定部材30等によって達成される。しかしながら、輸送ロック29又は固定部材30は、一方において容器3と他方においてネブライザ1、そのハウジング、上側ハウジング部品16、内側ハウジング部品17又はホルダ6との間で直接働いても良い。
【0058】
予備収納容器3、即ちその第1のクロージャ25は、出荷状態では、即ち、容器3があらかじめ収納された状態の非作動状態では依然として閉じられている。この非作動位置では、ハウジング部品18は、好ましくは、これがなくなることがないよう、特に、解除することができないよう固定される。この場合、ネブライザ1のハウジング部品又は下側部品18をこれが最初に軸方向に(部分的に)押し嵌めされた後、ネブライザ1からもはや取り外すことはできず、即ち、ネブライザ1をもはや開くことができず、その結果、容器3を交換することができず、即ち、再び取り外すことができない。
【0059】
ハウジング部品18を固定するため、ハウジング部品は、好ましくは、確実に又はインターロック若しくは圧力嵌め状態で保持され又はラッチ止めされる。好ましくは、ハウジング部品18は、特に少なくとも1つのラッチ止めラグ31、突出部、ノーズ等がハウジング部品18等に設けられた関連のラッチ止め凹部32に嵌まり込むラッチ止め手段43を有し、それによりハウジング部品18をインターロック係合により軸方向に取り外すことができないようにすることによって固定される。本実施形態では、ラッチ止めラグ31は、好ましくは屈曲可能なラッチ止めアーム33により形成され又はかかるラッチ止めアーム33のところに形成されるのが良い。かくして、ハウジング部品18をネブライザ1又はそのハウジング若しくは上側ハウジング部品16に固定するラチェット状の(又は逆の)ラッチ止め手段43が形成される。しかしながら、他の構成上の手段も又、採用可能である。
【0060】
固定部材30をいったん取り外すと、ユーザ(図示せず)は、ハウジング部品18を軸方向に十分に押すことができ、それにより、運搬要素又は運搬管9を挿入して容器3、即ち第1のクロージャ25を開けることができる。
図4及び
図5は、ハウジング部品18が十分に押されると共に/或いは容器3が開いた(ネブライザ1若しくはその圧力発生器5又は運搬要素若しくは管9に流体結合された)この作動状態を示している。この押し込み又は作動状態では、ハウジング部品18はこの場合も又、好ましくは、インターロック係合により、即ち、軸方向圧力嵌め方式により、特にラッチ止め手段43により又は他の何らかの機械的固定器具によって固定され又は軸方向に取り付けられる。
【0061】
図4は、ネブライザ1又は容器3を作動状態で示しており、容器3、即ち第1のクロージャ25が開いており、即ち、容器3又はその流体2は、ネブライザ1又はその圧力発生器5に流体結合され、ハウジング部品18は、軸方向に完全に押し込められている。ホルダ6を容器3のヘッド端部と係合(完全係合)関係にして、吸引/引張り及び押し込みストロークのために容器3を後及び/又は前に動かすことができるようにするため、最初にネブライザ1又は管ばね7を引張り操作することが必要な場合がある。この引張り操作プロセス中、ホルダ6を運搬管9と一緒にハウジング部品18に向かって又はこの中に軸方向に動かし、かくしてホルダ6を容器3と係合(完全係合)関係にすると共に好ましくは容器3をハウジング部品18のベースの付近で穿刺要素22に動かして当て又は押し付け、それにより容器ベース21に設けられているガス抜き穴34を穿刺し又は開く。
図4は、ネブライザ1をこの引張り操作且つ作動状態で示している。ホルダ6は、容器3に係合し、運搬管9は、容器3内に完全に挿入されている。
【0062】
図5は、ネブライザ1を弛緩且つ非引張り状態で、即ち、流体2の1回投与分の噴霧化又は放出後の状態で示している。ホルダ6及び容器3は、上方位置にある。ホルダ6は、容器3と依然として係合しており、ネブライザ1の次の使用中、係合状態のままである。さらに、容器3は、依然として開くと共に流体結合されており、即ち、ネブライザ1は、作動状態のままである。
【0063】
図3に示されている出荷状態では、即ち、容器3、即ち第1のクロージャ25が閉鎖された(依然として閉鎖された)状態では、ネブライザ1をユーザの元に輸送し又は送り届けることができる。すると、ユーザは、容器3があらかじめ収納された状態でネブライザ1を保管することができる。容器3は、ネブライザ1の最初の使用前に又は使用中に、即ち、固定部材30を取り外し、ネブライザ1又はハウジング若しくはハウジング部品18を完全に閉鎖したときに後で開放される。
【0064】
容器3の開放は、好ましくは、もっぱら機械的手段及び/又は手動による作動によって実施される。しかしながら、追加的に又は代替的に、容器3を他の仕方で、例えば、化学的手段、電気的手段、磁気的手段、空気圧手段、油圧手段又は類似の手段によって開放することが可能である。
【0065】
提案対象のネブライザ1は、固定部材30の取り外し及びハウジング部品18の軸方向押し嵌め(完全軸方向押し嵌め)後に作動され、かかるネブライザ1を
図1及び
図2に示されたネブライザ1と同じ仕方で使用することができる。容器3の予備収納は、誤った容器3又は使用済みの容器3がユーザによりネブライザ1内に挿入されるのを阻止する。加うるに、それにより、別々に供給される容器3がネブライザ1への挿入前に偶発的に開かれることがないようになる。加うるに、提案した手段は、ネブライザ1が開かれ、容器3が不適切に使用された場合の、ネブライザ1、例えば運搬管9等に対する汚れ又は損傷の恐れを阻止する。
【0066】
この場合、好ましくは容器3を取り外すことができないので、特に、ネブライザ1を開くことができず、しかもハウジング部品18を再び取り外すことができないので、ユーザによる容器3の望ましくない交換及び特にユーザによるネブライザ1の望ましくない臨時の又は次の開放を阻止することができる。
【0067】
ネブライザ1の出荷状態での容器3、特に第1のクロージャ25の望ましくない開放を阻止するため、好ましくは輸送ロック29が設けられる。例えば摩擦係合、強制係合又はインターロック係合により、輸送ロック29は、例えば輸送中、ネブライザ1の偶発的な落下等が起こった場合に容器3が望ましくないことにネブライザ1内で軸方向に動くのを阻止する。
【0068】
以下において、輸送ロック29の好ましい具体化について説明する。注目されなければならないこととして、輸送ロック29は、出荷状態では、容器3の好ましい部分的な開放又は穿孔、特に、即ち、第2のクロージャ26の開放とは別個独立に実現できる。特に、輸送ロック29の提案されている機能及び構成を特許請求の範囲に記載された特徴とは別個独立に実現できる。
【0069】
好ましい実施形態では、輸送ロック29は、出荷状態では、特に
図3に示されているようにその好ましくは半径方向に拡張されたベース21又は縁部36周りに係合する(半径方向に係合する)ことにより容器3を軸方向に保持する少なくとも1本の把持アーム35、好ましくは複数本の把持アーム35を有する。
【0070】
把持アーム35は、好ましくは、ハウジング部品18の底部、ベース又は端面を形成することができる部材37によって保持され、形成され又はこれに取り付けられ或いはこれと一体に成形される。好ましくは、部材37又は底部は、把持アーム35が屈曲し又は回動することができるよう把持アーム35を保持する。
【0071】
好ましくは、穿刺要素22も又、部材37によって形成され又はこれによって保持される。
【0072】
注目されなければならないこととして、部材37及び/又は輸送ロック29をハウジング部品18内に挿入することができる。輸送ロック29又はその一部も又、ハウジング部品18により形成され又はこの中に形成されても良い。
【0073】
好ましくは、輸送ロック29は、多数の又は2つだけの互いに異なる部品、この場合、把持アーム35及び以下に説明する制御部材39により形成される。
【0074】
輸送ロック29、特に把持アーム35は、好ましくは容器ベース21又はガス抜き開口部34が
図3に示されているように穿刺要素22から軸方向に間隔を置いて位置するように容器3を出荷状態で(輸送ロック29が閉じられた状態で)保持する。
【0075】
輸送ロック29を開くため、把持アーム35を半径方向外方向に屈曲させるのが良い。好ましくは、輸送ロック29の開放又は把持アーム35の屈曲は、ネブライザ1又はそのハウジングを完全に閉じると、即ち、ハウジング部品18を上側ハウジング部品16に完全にスナップ装着し又は押し嵌めすると、自動的に起こる。この(軸方向又は入れ子状の)閉鎖運動中、輸送ロック29が開かれ、容器3が好ましくはこの運動の最後の一部分にのみに且つ/或いは最後の完全に閉じられた位置に達するほんの直前に又は最初の完全に閉じられた位置にちょうど達したときに軸方向に解除される。
【0076】
ネブライザ1の閉鎖運動により輸送ロック29が好ましくは自動的に開かれる。特に、輸送ロック29は、ネブライザ1のハウジング、内側部品17若しくはその下側部分17b、ばね7を支持した保持リング38等との直接的若しくは間接的相互作用又はこれによる作動によって開かれる。好ましくは、容器3及び/又は第1のクロージャ25は、輸送ロック29と共に、共通作動手段によって、この場合、ネブライザ1若しくはそのハウジング又は下側部品18によって開かれる。
【0077】
好ましい実施形態では、輸送ロック29は、好ましくは全ての把持アーム35を同時に作動させ、開放し、これらに係合し又はこれらを回動させる制御部材39、特にリング等を有する。特に、制御部材39又は輸送ロック29は、直線又は軸方向運動を把持アーム35の回動又は半径方向運動に変換することができる。
【0078】
制御部材39は、輸送ロック29を閉じたときに
図3において上方位置で示されている。この位置では、制御部材39は、例えば制御部材39等の半径方向外方に当接する部分(図示せず)によって把持アーム35を閉鎖位置に、特に圧力嵌め状態で固定することができる。
【0079】
制御部材39は、輸送ロック29を開放するために軸方向に動くことができ又はずれることができる。特に、制御部材39は、ネブライザ1又はそのハウジングを完全に閉じ又はハウジング部品18に完全に押し嵌めし又はスナップ装着したときに下方に移動可能である。好ましくは、内側部品17又はリング38は、制御部材39を下方に又は把持アーム35に対して相対的に押して、把持アーム35が解除され、特に、能動的又は確実に開かれ、回動され又は屈曲されて輸送ロック29を開くと共に/或いは容器3を解除するようになっている。図示の実施形態では、制御部材39は、その軸方向端部又は軸方向カラー若しくは環状リング部分40が把持アーム35の作動部分41と相互作用して作動部分41の軸方向下方運動の結果として、把持アーム35が回動すると共に把持アーム35が半径方向外方に撓む。把持アーム35の撓み特性は、用いられる材料、部材37との連結具合等で決まる。
【0080】
制御部材39は、好ましくは、輸送ロック29又は把持アーム35を確実に開く。
【0081】
図4及び
図5は、輸送ロック29及び把持アーム35を開放位置で、即ち、容器3が自由に軸方向に動くことができる状態で示している。特に、制御部材39がその下方端位置で示されている。この位置では、制御部材39は、好ましくは、特に圧力嵌め又は押し込み嵌め若しくはスナップ連結により下側部品18内にロックされ又は固定され、その結果、輸送ロック29及び把持アーム35が永続的に開いた状態に保持されるようになっている。
【0082】
しかしながら、輸送ロック29の他の構成上の手段が採用可能である。この点に関して、特に国際公開第2006/125577(A2)号パンフレットを参照されたい。なお、この国際公開パンフレットは、これ又実現可能な他の幾つかの構成上の手段を示している。
【0083】
好ましくは、非作動状態では、即ち、ハウジング部品18が完全に押し嵌めされていないとき、ネブライザ1は、圧力発生器5の引張り操作を阻止し、即ち、具体的には上側ハウジング部品16に対する内側部品17の回転を阻止するようロックされるのが良い。これは、圧力発生器5が引張り操作状態下にはない出荷状態でネブライザ1を供給する場合に重要であると言える。したがって、吸入器1は、ハウジング部品18を完全に押し嵌めしたときに内側部品17を上側ハウジング部品16に対してだけ回転することができるようバリヤを有するのが良い。代替的に又は追加的に、固定部材30は、出荷状態での下側部品18の押し嵌めを阻止するだけでなく、固定部材30が開かれ、解除され又は取り外されるまで内側部品17の回転を阻止することができる。
【0084】
図3〜
図5は、マウスピース13を覆うマウスピースカバー42を備えたネブライザ1を示している。
【0085】
一般的に言って、提案対象のネブライザ1では、容器3は、好ましくは、ネブライザ1内に挿入可能であり、即ち、組み込み可能であることは指摘されるべきである。その結果、容器3は、好ましくは、別個のコンポーネントである。しかしながら、容器3は、理論的には、ネブライザ1又はネブライザ1の一部によって直接形成されても良く、或いは、違ったやり方でネブライザ1に組み込まれても良い。
【0086】
図示の実施形態では、ラッチ止め手段43は、多数の、この場合2つのラッチ止めラグ31を有し、これらラッチ止めラグは、関連のラッチ止め凹部32内に嵌まり込んでいる。
【0087】
ラッチ止めアーム33及び/又はラッチ止めラグ31は、好ましくは、内側部品17、特に下側部品17bのところに形成され又はこれによって形成されている。ラッチ止め凹部32は、好ましくは、ハウジング部品18のところに又はこれによって形成されており、ハウジング部品18は、挿入状態の容器3を覆うよう閉鎖可能である。しかしながら、かかる構成を逆にしても良く又は任意他の適当な仕方で実現できる。
【0088】
図示の実施形態では、ラッチ止め手段43又はハウジング部品18は、第1のアンダーカット又は肩44を有し、肩44は、係合又は当接状態のラッチ止めラグ31が
図3に示されているような出荷状態ではハウジング部品18を取り外すことができず又は分離することができない仕方で保持するようそれぞれのラッチ止め凹部32に関連付けられている。これは、第1の押込み嵌め係合又は保持を生じさせる。
【0089】
ラッチ止め手段43は、作動状態ではハウジング部品18の好ましくは第2の押込み嵌め係合又は保持を生じさせ又は可能にする。これは、図示の実施形態では、ラッチ止めラグ31が
図4及び
図5に示されているように別のラッチ止め凹部45内に嵌まり込むと共に/或いは第2のアンダーカット又は肩46の背後に係合するという点で実現される。ラッチ止め手段43の第2の係合は、好ましくは、ネブライザ1のハウジング又はハウジング部品18を完全に閉じることによって達成される。
【0090】
注目されなければならないこととして、ラッチ止め手段43は、例えば所望ならばたった1つのラッチ止めラグ31、突起、ノーズ、解除要素等で実現できる。この場合、上述の説明は、好ましくは同様に又は類似の仕方で当てはまる。
【0091】
好ましい観点によれば、ハウジング部品18は、容器3なしでネブライザ1、そのハウジング又は内側部品17にあらかじめ取り付けられるのが良く、したがって、ネブライザ1、そのハウジング又はハウジング部品18を再び開くことができ、即ち、ラッチ止め手段43は、特に別の工場又は調剤店等で後で容器3を挿入し又は予備収納するために開放を阻止することがないようになっている。ハウジング部品18のこの予備取り付けは、好ましくはハウジング部品18がネブライザ1、特に内側部品17の下側部分17bに別の位置に、好ましくは別の回転位置に取り付けられるという点で達成される。
【0092】
図6は、予備取り付け状態のハウジング部品18を備えたネブライザ1を概略断面図で示している。内側部品17に対するハウジング部品18の他の(回転)位置に起因して、各ラッチ止めラグ31は、別の又は追加の凹部、溝47等の中に嵌まり込む。図示の実施形態では、溝47は、ハウジング部品18に形成されている。溝47は、関連のラッチ止めラグ31を溝47から軸方向に引き出すことができるよう軸方向に開いている。かくして、ラッチ止め手段43は、ハウジング部品18の予備取り付け状態においてラッチ止め又は押込み嵌め保持等をもたらさない。それにもかかわらず、好ましくは半径方向可撓性の且つ/或いは付勢ラッチ止めラグ31又はラッチ止め手段43は、ハウジング部品18が不用意になくならないようにするよう摩擦又は押込み嵌めによってハウジング部品18を保持することができる。
【0093】
図7は、ネブライザ1を概略分解組立て図で示している。この図では、以下の部品、即ち、マウスピースカバー42、上側ハウジング部品16及び内側部品17を有するハウジング、固定部材30、制御部材39、ハウジング部品18、容器3及びハウジング部品18のベース部材37は、互いに分離されている。
【0094】
図7は、少なくとも1つのラッチ止めラグ31及びその関連のラッチ止めアーム33が例えば内側部品17/下側部分17bの貫通穴48内に形成されるのが良いことを示している。この貫通穴48、特に多数の貫通穴48は、リング38の保持部分の係合のために使用されるのが良い。
【0095】
ネブライザ1のハウジング部品18及びハウジング又は内側部品17/17bは、ハウジング部品18を2つの互いに異なる回転位置で、この実施形態では、180°だけオフセットした2つの位置で部品17/17bに嵌めることができるように互いに対して構成されている。この目的のため、ハウジング部品18は、少なくとも1つの窪み48又は任意他の変形又は非円形内側断面部を有し、図示の実施形態では、ハウジング部品18は、互いに反対側の側に設けられた2つの窪み49を有し、これら窪みは、それぞれの相補形状部、図示の実施形態では、内側部品17/下側部分17bのモニタ装置23に対応し又はこれと協働する。しかしながら、他の構成上の手段が採用可能である。
【0096】
一方において少なくとも1つのラッチ止めラグ31並びに他方において少なくとも1つのラッチ止め凹部32及び少なくとも1つの溝47は、少なくとも1つのラッチ止めラグ31がハウジング部品18の予備取り付け状態ではそれぞれの溝47内にのみ嵌まり込み、そしてハウジング部品18の他の/回転状態(出荷状態又は作動状態)、即ち、通常の取り付け位置では、それぞれのラッチ止め凹部32/45内にのみ嵌まり込むよう周囲全体にわたって分布して配置されている。好ましくは、2つのラッチ止めラグ31は、部品17/17bの周囲に互いに正反対のところには位置決めされておらず、オフセットしている。したがって、
図3〜
図6の概略断面は、1つの平坦な平面内にはなく、長手方向若しくは回転軸線又は運搬管9に沿って折り畳まれた平面に沿って位置する。
【0097】
組み立て及び容器3の予備収納のため、固定部材30は、内側部品17/下側部分17bに取り付けられ、予備収納容器3(容器3は、閉鎖状態の閉じられた輸送ロック29によってハウジング部品18内に保持されている)を含むハウジング部品18は、特に固定部材30に達すると共に/或いはラッチ止め手段43の第1の係合部に達するまで内側部品17/下側部分17b上に押される。かくして、ハウジング部品18は、ネブライザ1若しくはそのハウジング又は内側部品17又はハウジング部品16に取り外すことができない仕方で連結されている。換言すると、ネブライザ1をこれ以上は開くことができず、容器3をこれ以上取り外すことができず又は交換することができない。
【0098】
固定部材30を手動で開き、取り外し、解除し又は壊すことができ、それによりハウジング又はネブライザ1の完全な閉鎖を可能にし、即ち、ハウジング部品18を内側部品17上に完全に押し、それにより作動状態に達することができ即ち容器3の流体結合又は開放を可能にする。
【0099】
好ましくは、固定部材30は、固定部材30を開き、取り外し、解除し又は壊すアクチュエータ50を有している。アクチュエータ50は、好ましくは、固定部材30から取り外すことができない。好ましくは、固定部材30は、一体品として、特にアクチュエータ50と一体に形成されている。
【0100】
好ましくは、固定部材30は、プラスチックで作られる。しかしながら、固定部材30は、任意他の適当な材料又は互いに異なる材料で作ることができる。特に、固定部材30は、成形される。
【0101】
固定部材30は、好ましくは、本体51を有する。固定部材30又は本体51は、好ましくは、中空であると共に/或いは好ましくはスリーブ、リング、ループ、小旗状部材等を形成する。特に、固定部材30又は本体51は、閉鎖スリーブ又はリングを形成する。
【0102】
図示の実施形態では、アクチュエータ50は、本体51により形成される周方向壁、リング又はスリーブの一部をなすのが良い。
【0103】
アクチュエータ50は、好ましくは、容器3の流体結合又は開放を可能にすると共に/或いは作動状態にすることができるよう固定部材30を開き、取り外し、解除し又は破壊した場合であっても、固定部材30又は本体51から分離できない。
【0104】
固定部材30又は本体51は、好ましくは、係合手段、例えば少なくとも1つの停止部52を有し、かかる係合手段は、特に出荷状態において作動状態にならないようにハウジング部品18のための軸方向停止部又は当接部を形成するよう半径方向内方に突き出ていると共に/或いは一方においてハウジング部品18と他方においてネブライザ1、そのハウジング、上側ハウジング部品16又はリング38との間に嵌まり込む。この実施形態では、係合手段は、好ましくは、特に軸方向に延びると共に半径方向内方に突き出たリブ又は突起によって形成される。好ましくは、係合手段は、本体51であると共に/或いは本体51によって覆われると共に/或いは本体51によって形成される。しかしながら、他の構成上の手段も又、採用可能である。
【0105】
以下において、「固定部材を開く(開放する)」という表現又はこれに類似した表現は、固定部材30が取り外され、解除され、壊される等することを含むものである。
【0106】
固定部材30を開くために、ユーザ(図示せず)は、アクチュエータ50を引き、引き裂き、回動させ、傾け、押し、加圧すると共に/或いは取り外す。この目的のため、アクチュエータ50は、次の図に幾つかの例として示されているように取っ手53、掴み部、レバー、タグ、フラップ、リング、クリップ等を形成するのが良く又はこれらによって形成されるのが良い。
【0107】
固定部材30又は本体51は、好ましくは、開放を容易にすると共に/或いは規定された開放を保証するために少なくとも1本の所定の破断線54を有する。例えば、破断線54は、アクチュエータ50に沿って延びると共に/或いはアクチュエータ50に隣接して延びると共に/或いはアクチュエータ50の両側又は互いに反対側で延びるのが良い。
【0108】
破断線54は、特に、本体51の材料を薄くすることにより、本体51の小穴等によって定められ又はあらかじめ形成されるのが良い。
【0109】
図示の実施形態では、破断線54は、少なくとも本質的に軸方向に延びる(「軸方向」という用語は、一般に、ネブライザ1の長手方向軸線、中心軸線又は回転軸線に且つ/或いはエーロゾル14/ネブライザ1の主小出し方向に少なくとも本質的に平行であることを意味している)。
【0110】
好ましくは、固定部材30は、ハウジング部品18を回転しないようロックする。これは、固定部材30がネブライザ1又は上側ハウジング部品16及び下側ハウジング部品18とそれぞれ押込み嵌め方式で、例えば、軸方向係合により且つ/或いは部品16/18の好ましくは非円形の外側輪郭を少なくとも部分的に覆うことによって係合するので達成できる。しかしながら、他の構成上の手段も又採用可能である。
【0111】
アクチュエータ50を引いた後、固定部材30又は本体51は、好ましくは少なくとも1本の破断線54に沿って開き、その結果、固定部材30/本体51の閉鎖状態のリング、スリーブ又は小旗状部材が開かれて特に本体51の自由端部を互いに遠ざけ又はたわめることによってネブライザ1から取り外し可能である。かくして、固定部材30をネブライザ1から取り外すことができる。これにより、ハウジング部品18を内側部品17上に、即ち上側ハウジング部品16に向かって押すことができ、その結果、容器3は、流体的に開かれ又は流体結合され、ネブライザ1のハウジングは、完全に閉じられる。
【0112】
注目されなければならないこととして、固定部材30又は本体51は、好ましくは、アクチュエータ50を引いて固定手段30を開くと、本体51をネブライザ1から取り外すことができるほど十分可撓性である。
【0113】
この実施形態では、アクチュエータ50は、ハウジング部品18に向かって且つ/或いはマウスピース13から遠ざかると共に/或いは本質的に軸方向に差し向けられ又は向く。
【0114】
以下において、固定部材30の別の実施形態を別の図を参照して説明するが、主要な相違点のみ説明し又は強調する。先の実施形態及び別の実施形態についての先の解釈及び説明は、たとえ繰り返されない場合であっても、好ましくは追加的に又は同様に当てはまる。
【0115】
図8Aは、別の固定部材30を備えたネブライザ1の側面図(前面)であり、
図8Bは、このネブライザ1を横方向から見た図(側面図)で示している。この実施形態では、アクチュエータ50は、取っ手53が解除要素8を覆うマウスピースカバー42の少なくとも前に延びるよう上方に延びている。好ましくは、アクチュエータ50又はその取っ手53は、マウスピースカバー42に係合し又はマウスピースカバー42を部分的に覆い又はマウスピースカバー42を開くことができる前にアクチュエータ50/取っ手53を引っ張らなければならない(
図8Bに矢印で概略的に示されている)ようにマウスピースカバー42と係合する。これにより、ネブライザ1の直感的な取り扱いが容易になる。
【0116】
アクチュエータ50は、本質的に軸方向に且つ/或いはネブライザ1の小出し及び/又はマウスピース13の方へ延びている。
【0117】
固定手段30は、この実施形態では、好ましくは、破断線54を1本だけ有する。
【0118】
破断線54は、本質的に連続的に湾曲しており、例えば少なくとも、本体51の上側周囲のところの本質的に軸方向延長部から、本体51の下側周囲のところの少なくとも本質的に周方向まで延びている。
【0119】
アクチュエータ50は、好ましくは、取っ手53、掴み部、レバー、タグ、フラッグ、リング、クリップ等を本体51に連結した部分55を有している。この部分55は、好ましくは、ステム状であると共に/或いは可撓性である。
【0120】
図9Aは、別の固定部材30を備えたネブライザ1の側面図(前面)であり、
図9Bは、このネブライザ1を横方向から見た図(側面図)で示している。この実施形態は、本質的に、アクチュエータ50又はその取っ手53が解除要素8を覆っているマウスピースカバー42の部分の下に延びているという点で
図8の実施形態とは異なっている。かくして、マウスピースカバー42を開いて初めて、アクチュエータ50又はその取っ手53を作動させることができ、特に掴み又は引くことができる。また、これにより、直感的な取り扱いが可能である。即ち、アクチュエータ50又はその取っ手53は、少なくとも部分的に解除要素8の上に配置され又はこれに取り付けられており、したがって、ユーザは、通常、解除要素8を押す前にアクチュエータ50を作動させることになる。
【0121】
この実施形態では、破断線54は、本体51の周りに多少螺旋状に延びている。
【0122】
図10Aは、別の固定部材30を備えたネブライザ1の側面図(前面)であり、
図10Bは、このネブライザ1を横方向から見た図(側面図)で示している。この実施形態では、アクチュエータ50は、解除要素8とは別の側に配置されている(解除要素は、これがマウスピースカバー42によって覆われているので見えない)。特に、アクチュエータ50又はその取っ手53は、ネブライザ1の作動ボタン、即ち解除要素8を備えた側(前面)に対して横方向側部又は側面に設けられている。
【0123】
この実施形態では、破断線54は、少なくとも本質的に軸方向に延びている。
【0124】
図11Aは、別の固定部材30を備えたネブライザ1の側面図(前面)であり、
図11Bは、このネブライザ1を横方向から見た図(側面図)で示している。この実施形態は、
図9の実施形態に非常に似ている。この場合、ネブライザ1は、開放状態のマウスピースカバー42を備えた状態で示されている。さらに、取っ手53は、僅かに異なる形に作られている。半円形の形は、実質的に水平の連結部によって閉じられている。
図9に示されている実施形態では、取っ手53は、本質的に半円形又はU字形であるが、
図8及び
図11の実施形態に示されているように閉じられたループ又はリング状構造を形成していない。
【0125】
図12Aは、別の固定部材30を備えたネブライザ1の側面図(前面)であり、
図12Bは、このネブライザ1を横方向から見た図(側面図)で示している。この実施形態では、アクチュエータ50は、
図10の実施形態と同様、ネブライザ1の側面に設けられている。さらに、アクチュエータ50又はその部分55は、湾曲しており、解除要素8(
図12Aに示されている)を備えた前面から側面(
図12Bに示されている)まで幾分延びている。
【0126】
この実施形態では、アクチュエータ50は、本質的にストリップ状であると共に/或いはその自由端部に向かって広がっている。
【0127】
さらに、アクチュエータ50は、破断線54の湾曲に続いている。アクチュエータ50又はその部分55及び破断線54は、本質的に半円に沿って延びている。
【0128】
固定部材30又はアクチュエータ50の開放状態が
図12Bに示されている矢印により概略的に指示されている。
【0129】
図13Aは、別の固定部材30を備えたネブライザ1の側面図(前面)であり、
図13Bは、このネブライザ1を横方向から見た図(側面図)で示している。この実施形態では、
図12の実施形態に類似している。この実施形態では、アクチュエータ50は、異なる湾曲状態になっており、このアクチュエータは、少なくとも本質的に、その自由端部までテーパし又は幅が細くなっている。この場合、アクチュエータ50又はその部分54及び破断線54は、穏やかな曲線を形成し又は螺旋の一部を形成している。
【0130】
図14Aは、別の固定部材30を備えたネブライザ1の側面図(前面)であり、
図14Bは、このネブライザ1を横方向から見た図(側面図)で示している。
図14Cは、ネブライザ1が省かれた状態で固定部材30の横断面を示している。この実施形態では、アクチュエータ50は、一体ヒンジ56(本体51の下端部のところで
図14A及び
図14Bに示されている)を介して連結され、これが本体51内を通り又はこの中を延び、そしてマウスピース13に向かって且つ/或いは軸方向に延びるよう上方に傾けられている。アクチュエータ50は、ネブライザ1の側面のところに配置されている。固定部材30を開くため、アクチュエータ50を一体ヒンジ56回りに傾け又は半径方向外方に回動させ、すると、部分55は、本体51を開く。この目的のため、アクチュエータ50又は部分55は、好ましくは、
図14Bの断面図に概略的に示されているようにリブ又は切れ刃57を形成する。
【0131】
本体51は、好ましくは一体品の状態に形成される。本体51は、回動継手又はヒンジ51c、例えば一体ヒンジを介して連結可能な2つの部分又は半部51a,51bから成るのが良く又はこれらを形成するのが良い。この場合、部分又は半部51a,51bは、比較的剛性又は硬質であるのが良い。本体51を開くため、2つの部分又は半部51a,51bをヒンジ51c回りに互いに回動させて互いに離す。これは、アクチュエータ50の作動後、特に本体51を破断線54に沿って開き又は破断した後に可能である。
【0132】
注目されなければならないこととして、回動連結部又はヒンジ51cにより互いに連結される2つの部分又は半部51a,51bについての技術的思想は、任意他の実施形態でも利用できる。さらに、2つの部分又は半部51a,51bは、別個の部品として形成されて任意他形式の継手又はヒンジ51cを介して互いに連結可能である。
【0133】
注目されなければならないこととして、本体51は、周囲全体にわたって好ましくは少なくとも本質的に閉じられると共に/或いは滑らかな表面を形成し又はこれを有する。しかしながら、他の設計及び構成も又、採用可能である。
【0134】
図15Aは、別の固定部材30を備えたネブライザ1の側面図(前面)であり、
図15Bは、このネブライザ1を横方向から見た図(側面図)で示している。この場合、アクチュエータ50は、多少、軸方向に垂直な接線方向に作動されなければならない。先の実施形態では、アクチュエータ50は、少なくとも本質的に半径方向外方に、特に、下方運動又は下方回動及び/又は周方向運動と組み合わせることができる半径方向引っ張りによって作動されなければならない。
【0135】
この実施形態では、アクチュエータ50は、本体51の上側領域における一方の周方向側部上に第1の連結部又は支承体58により支持されると共に本体51の下側領域内の他方の周方向側部上に第2の連結部又は支承体59によって支持されるレバーとして働く。連結部又は支承体58,59は、軸方向にオフセットしている。アクチュエータ50を作動させ又は傾けると、本体51の隣接の部分は、互いに遠ざけられる。かくして、本体51の直径は、増大し、固定部材30を外してハウジング部品18上で動かすことができ、その目的は、固定部材30をネブライザ1から取り外すことにある。
【0136】
図16Aは、別の固定部材30を備えたネブライザ1の側面図(前面)であり、
図16Bは、このネブライザ1を横方向から見た図(側面図)で示している。この実施形態では、アクチュエータ50は、本体51又は本体51の一部により形成されている。特に、アクチュエータ50は、取っ手53等及び/又は本体51から延び又は突き出た部分55を備えていない。取っ手53は、好ましくは破断線54に隣接して位置するフラップ又は端部分を形成する本体51の一部分により好ましくは形成される。固定部材30又はその本体51を開くためにこの端部分を手で掴むことができる。変形例として、好ましくは、固定部材30又はその本体51は、ハウジング部品18をネブライザ1/上側ハウジング部品16に対して回すことにより特に破断線54に沿って開かれる。この場合、固定部材30又はその本体51は、捩じりによって開かれる。ハウジング部品18の回転を可能にするためには、内側部品17をネブライザ1又は上側ハウジング部品16に対して回すことができるようにすることが必要な場合がある。しかしながら、ネブライザ1は、それぞれ異なる仕方で構成されても良い。ハウジング部品18を回して固定部材30又は本体51を開く操作は、
図16に矢印で概略的に示されている。
【0137】
破断線54は、好ましくは少なくとも本質的に本体51の螺旋に沿って延びる。しかしながら、破断線54は、他の道筋又は経路を辿ることができる。
【0138】
図17Aは、別の固定部材30を備えたネブライザ1の側面図(前面)であり、
図17Bは、このネブライザ1を横方向から見た図(側面図)で示している。この実施形態では、アクチュエータ50は、
図16の実施形態の場合と同様本体51によって形成され又は本体51中に組み込まれる。特に、アクチュエータ50は、本体51から特に軸方向に延びる又は突き出た取っ手53及び/又は部分55を備えていない。この実施形態では、アクチュエータ50は、少なくとも本質的に周方向に且つ/或いは本体51の周りに又はこれに沿って延びている。好ましくは、アクチュエータ50又はその取っ手53は、
図17に概略的に示されているようにフラップ、ハンガ、クリップ、ストラップ又は耳部を形成し、有し又はこれによって形成される。
【0139】
この実施形態では、アクチュエータ50又はその取っ手53は、固定部材30を開くために、少なくとも本質的に周方向に又は接線方向に且つ/或いは本体51の周りに引かれる。
【0140】
固定部材30は、1本又は2本以上の破断線54を有し、これら破断線は、少なくとも本質的に、軸方向に湾曲した端又は開始部分54aを備えた本体51の周囲に沿って延びている。
【0141】
図18Aは、別の固定部材30を備えたネブライザ1の側面図(前面)であり、
図18Bは、このネブライザ1を横方向から見た図(側面図)で示している。この実施形態では、固定部材30又は本体51は、先の実施形態の場合のように、当初閉じられたループ、小旗状部材、リング又はスリーブ(ハウジング部品16,18相互間に位置する)を備えておらず又は形成していない。これとは異なり、本体51は、
図18に示されている連結手段60、例えばリベット又はピン連結具によって閉じられている。特に、連結手段60は、本体51の開放及び固定手段30の取り外しを可能にするよう本体51のオーバーラップ部分又は端部を連結すると共に/或いは解除可能な連結部を提供している。
【0142】
アクチュエータ50は、ネブライザ1の側面のところに配置されている。取っ手53は、好ましくは
図14の実施形態に示されているリング状の取っ手と同様にリング状である。固定部材30又は本体51を開くためには、アクチュエータ50又はその取っ手53は、
図18に矢印で概略的に示されているように半径方向外方に、下方に且つ/或いは側方に引かれなければならない。かくして、連結手段60が開かれ又は解除される。
【0143】
図19Aは、別の固定部材30を備えたネブライザ1の側面図(前面)であり、
図19Bは、このネブライザ1を横方向から見た図(側面図)で示している。固定部材30又は本体51は、
図18の実施形態と同様に連結手段60を有している。アクチュエータ50は、
図8の実施形態に示されているアクチュエータと少なくとも本質的に同じである。アクチュエータ50は、ネブライザ1の前面のところに配置されている。
【0144】
固定部材30又は本体51は、
図18の実施形態の場合と同様な仕方で且つ/或いはアクチュエータ50又はその取っ手53を少なくとも本質的に
図19Bに示されている矢印の方向に動かすことによって開かれる。
【0145】
図20Aは、別の固定部材30を備えたネブライザ1の側面図(前面)であり、
図20Bは、このネブライザ1を横方向から見た図(側面図)で示している。この実施形態では、固定部材30又はその本体51は、同様に、即ち、
図18及び
図19の実施形態に示されている連結手段と同様の連結手段60を有している。
【0146】
この実施形態では、アクチュエータ50は、
図17の実施形態に示されているアクチュエータと基本的に同じであり、即ち、このアクチュエータは、少なくとも本質的に周方向に且つ/或いは本体51に沿って又はこの上に延びている。好ましくは、アクチュエータ50は、ストラップ又はフラップ状である。アクチュエータ50又はその取っ手53は、連結手段60を開くため、かくして、本体51/固定部材30を開くためには半径方向に引かれなければならない。
【0147】
図21Aは、別の固定部材30を備えたネブライザ1の側面図(前面)であり、
図21Bは、このネブライザ1を横方向から見た図(側面図)で示している。この実施形態は、
図20の実施形態とほぼ同じである。しかしながら、固定部材30又は本体51は、連結手段60を備えていない。これとは異なり、固定部材30、本体51又はアクチュエータ50は、これがそれ自体、
図21に示されているように出荷状態で固定状態のままであるよう十分に剛性又は硬質である。固定部材30または本体51を開くためには、アクチュエータ50又はその取っ手53は、半径方向外方に且つ/或いは接線方向に且つ/或いは周方向に引かれなければならず、それによりアクチュエータ及び/又は固定手段50/本体51を曲げて開き、その結果、固定部材30又は本体51をネブライザ1から取り外すことができるようになる。アクチュエータ50又はその取っ手53の掴みを容易にするため、本体51は、アクチュエータ50/取っ手53を僅かに高くした位置に保持するためにリブ又は突起61を有するのが良い。
【0148】
図22Aは、別の固定部材30を備えたネブライザ1の側面図(前面)であり、
図22Bは、このネブライザ1を横方向から見た図(側面図)で示している。この実施形態は、
図21に示されている実施形態と極めて良く似ている。この実施形態では、アクチュエータ50は、一体ヒンジ56を介して本体51に連結されると共に/或いは連結手段60を介して本体に連結可能である。好ましくは、連結手段60をこの場合も又は開くことができると共に/或いはかかる連結手段は、アクチュエータ50又はその取っ手53のフック状固定を可能にする。
【0149】
図23Aは、別の固定部材30を備えたネブライザ1の側面図(前面)であり、
図23Bは、このネブライザ1を横方向から見た図(側面図)で示している。この実施形態は、
図21及び
図22に示されている実施形態とほぼ同じである。この場合、アクチュエータ50又はその取っ手53は、接着連結手段によって、例えば
図27Bに示されているように接着箇所62によって又は
図23Aに示されている好ましくは粘着性テープ63等によって閉鎖又は取り付け位置に解除可能に固定されるのが良い。接着部又はテープ63を壊し又は解除し又は取り外してアクチュエータ50又はその取っ手53を作動させると共に/或いは引くことができる。
【0150】
図24Aは、別の固定部材30を備えたネブライザ1の側面図(前面)であり、
図24Bは、このネブライザ1を横方向から見た図(側面図)で示している。この実施形態では、固定部材30は、単一品ではなく、特に先の実施形態とは対照的に、多数の又は少なくとも2つの部分から成る。この実施形態並びに
図25及び
図26に示されている実施形態では、アクチュエータ50は、一体品の状態に形成されておらず又は本体51と一体ではなく、本体51とは別個の部品として構成されている。
【0151】
図24の実施形態では、アクチュエータ50は、本体51の自由端部が挿入される貫通穴又は凹部64を有している。自由端部は、アクチュエータ50が圧力嵌め又は押込み嵌めによって本体51により保持され又は本体51に連結されるよう曲げられ、折り畳まれ又は厚くされるのが良い。アクチュエータ50を特に
図24の矢印で示されているように傾け、回動させ又は引くと、アクチュエータ50は、本体50の自由端部から引き出され、かくして、本体51から取り外される。次に、本体51を開いてこれをネブライザ1から取り外すことができる。
【0152】
図示の実施形態では、アクチュエータ50は、
図14の実施形態の場合と同様に設計されると共に/或いは配置されている。特に、アクチュエータ50は、軸方向に延びると共に/或いは側面上に配置されている。代替的に又は追加的に、本体51は、2つの部分又は半部51a,51bにより形成されても良く、これら半部は、特に
図14Cと関連して説明したように本体51を開くよう互いに対して回動可能である。
【0153】
図25Aは、別の固定部材30を備えたネブライザ1の側面図(前面)であり、
図25Bは、このネブライザ1を横方向から見た図(側面図)で示している。この実施形態は、
図24の実施形態と極めて良く似ている。しかしながら、アクチュエータ50は、本体51の自由端部に軸方向にクリップ装着され又は半径方向に押されると共に/或いは
図25の実施形態のクランプのように本体51の自由端部を一緒に保持する。アクチュエータ50は、好ましくは半径方向に引くと共に/或いは軸方向に押すことによって開放又は取り外し可能である。
【0154】
図26Aは、別の固定部材30を備えたネブライザ1の側面図(前面)であり、
図26Bは、このネブライザ1を横方向から見た図(側面図)で示している。この実施形態は、
図25の実施形態と極めて良く似ている。しかしながら、アクチュエータ50は、本体51を閉鎖し又は結合する周方向クランプを形成する。固定部材30又は本体51を開くために、アクチュエータ50は、半径方向外方に引かれると共に/或いは特に周方向又は任意他の適当な方向にシフトされ、かくして解除され又は取り外される。
【0155】
図27Aは、別の固定部材30を備えたネブライザ1の側面図(前面)であり、
図27Bは、このネブライザ1を横方向から見た図(側面図)で示している。この実施形態では、アクチュエータ50は、先の実施形態とは対照的に、本体51とは異なる材料で作られる。好ましくは、アクチュエータ50は、好ましくは粘着性テープ66、タグ、ラベル又はテープで形成されると共に/或いは任意他の適当な、好ましくは柔軟性又は箔状の材料で作られる。アクチュエータ50は、好ましくは周方向に延び、特にアクチュエータ50を本体51の半径方向隙間又はスリット65を覆ってくっつけることによって本体51を閉鎖する。固定部材30又は本体51を開くため、アクチュエータ50は、壊され、引き裂かれ又は本体51から引き出される。すると、本体51をネブライザ1から取り外すことができる。
【0156】
図28Aは、別の固定部材30を備えたネブライザ1の側面図(前面)であり、
図28Bは、このネブライザ1を横方向から見た図(側面図)で示している。この実施形態は、
図27の実施形態に極めて良く似ている。この実施形態では、アクチュエータ50は、
図27の本体51及び/又はアクチュエータ50よりも特に軸方向に大きい。さらに、固定部材30、本体51又はアクチュエータ50は、タップ66を有し又は支持し又は形成するのが良く、このタップは、粘着性であるのが良く又はその任意の部分にくっつけられるのが良く且つ/或いはタップ66は、その任意の部分、例えばアクチュエータ50又はその部分55を少なくとも部分的に覆うのが良い。
【0157】
一般に、注目されなければならないこととして、固定部材30又はアクチュエータ50又はその部分55は、特に取り扱い又は開放と関連すると共に/或いはネブライザ1、その薬剤又は流体2と関連した記号67、特に例えば数値、文字、色、コード、標識及び/又は説明文を備えるのが良い。これは、アクチュエータ50に加えて使用される場合があり又はアクチュエータ50若しくは固定部材30の任意他の部分を形成する好ましくは粘着性プレート、タグ66又はタップ等を用いることによって実現できる。代替的に又は追加的に、かかる記号、標識、説明文等は、特に固定部材30の任意のコンポーネントの任意適当な表面上への成形、印刷等によって形成されても良い。
【0158】
上述したように、説明した実施形態の個々の特徴、観点及び/又は原理は又、所望に応じて互いに組み合わせることができ、しかも
図1及び
図2の公知のネブライザ1に部分的に用いることができるが、類似の又は異なるネブライザにも使用できる。
【0159】
自立型機器等とは異なり、提案対象のネブライザ1は、好ましくは、携帯可能であるように設計されており、特に、可搬式の手動操作型装置である。
【0160】
しかしながら、提案対象の手段を本明細書において具体的に説明したネブライザ1だけでなく、他のネブライザ又は吸入器、例えば粉末吸入器又はいわゆる計量投与型吸入器にも使用できる。
【0161】
好ましくは、流体2は、上述したように液体、特に水性調合薬である。しかしながら、流体は、他の何らかの調合薬、懸濁液等であっても良い。
【0162】
変形実施形態によれば、流体2は、粒子又は粉末を含んでいても良い。この場合、放出ノズル12ではなく、流体をマウスピース13に供給し又は粉末等をマウスピース13内に供給する他の何らかの形式の供給器具、特に噴出開口部(図示せず)又は供給チャネル(図示せず)が提供されるのが良い。オプションとしての給気開口部15は、この場合、マウスピース13を介する吸息又は吸入に十分な量で空気流を発生させ又は生じさせることができるよう周囲空気を好ましくは並行に供給するのに役立つ。
【0163】
必要ならば、流体2は、推進ガスによって霧状にされても良い。
【0164】
好ましい医薬流体2の好ましい成分及び/又は処方は、特に国際公開第2009/047173(A2)号パンフレットに列挙されており、この国際公開を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。上述したように、これらは、水性又は非水性溶液、混合物、エタノールを含み又は溶剤の入っていない調合薬等であって良い。
【0165】
以下において、
図29〜
図32を参照して本発明の吸入器又はネブライザ1の別の好ましい実施形態について詳細に説明し、この場合、本質的な際についてのみ強調して説明し、したがって、上述の注意事項及び説明は、好ましくは、対応し又は類似の仕方で当てはまる。このネブライザ1は、出荷状態では、上述したように予備収納容器及び固定部材130を有している。ただし、これは、以下の図では示されていない。
【0166】
図29は、ネブライザ1を極めて概略的な部分断面図で示している。ネブライザ1は、出荷状態から作動状態への移行状態で示されており、ハウジング又はハウジング部品18は完全には閉じられていない。ハウジング部18は、例えば
図3に示された出荷状態では当初設けられている以上に内側部品17上に既に押されている。したがって、容器3は、
図29に示されている状態では既に開かれている。さらに、好ましくはハウジング部品18を内側部品17を押さないよう出荷状態では固定する固定部材30が
図29に示されている状態では既に解除され又は開かれ又は取り外されている。
【0167】
ネブライザ1又はそのハウジングは、容器3が流体2の運搬、圧力発生及び/又は噴霧化のために前後に動くことができるが、ハウジング又はハウジング部品18から分離できないようにすると共に/或いは容器3がネブライザ1の出荷状態では動くことができない状態で保持されるよう容器3を保持する固定手段135を有している。
【0168】
固定手段135は、好ましくは
図29に示されているようにハウジング部品18のところ又はこの中に収納され又は配置される。
【0169】
図30は、固定手段135の好ましい実施形態を斜視図で示している。
図31は、容器3に連結された固定手段135を示している。
【0170】
好ましくは、固定手段135は、金属及び/又は打ち抜き部品を有し又はこれから成ると共に/或いは
図30に示されているように単一の一体形部品から成る。
【0171】
好ましくは、固定手段135は、鋼、特にばね鋼で作られる。
【0172】
好ましくは、固定手段135は、切断、打ち抜き加工等及び/又は曲げ加工によって板材から作られる。
【0173】
好ましくは、固定手段135又はその一部は、ケージを形成し、特に容器3又はその端部を包囲する。
【0174】
好ましくは、固定手段135は、保持要素136及び/又はロック要素137を有する。要素136,37は、好ましくは、アーム、フィンガ、葉のように設計されている。特に、要素136,37は、変形例として、容器3の周囲全体にわたって分布して配置されると共に/或いは少なくとも本質的に軸方向に又は容器3の前後運動方向に延びる。
【0175】
好ましくは、要素136,37は、固定手段135のベース138によって保持され又はこれに連結される。
【0176】
好ましくは、固定手段135又はベース138は、作動及び引っ張り操作状態において、即ち、容器3がその下端位置に達したとき、容器3を穿刺し、即ち容器ベース21又はその通気穴134を開く穿刺要素22を有し又は保持する。図示の実施形態では、穿刺要素22は、固定手段135又はそのベース138のばね部分139を曲げることによって形成される。ばね部分139は、ホルダ6への容器3の連結(完全な又は最終的な連結)を支援し又は容易にすることができる。
【0177】
固定手段135又はベース138は、好ましくは、固定手段135をネブライザ1又はハウジング又はハウジング部品18のところ又はこの中に固定する少なくとも1つの又は多数の固定部分140を有する。特に、固定部分140は、固定手段135をハウジング部品18の側壁との協働によってハウジング部品18内に押し込むと、固定手段135を固定することができる。しかしながら、固定手段135、そのベース138、固定部分140等を複合成形することも又可能である。さらに、固定手段135は、ハウジング部品18等に任意他の適当な仕方で連結されても良い。
【0178】
好ましくは、固定手段135は、ネブライザ1、そのハウジング又はハウジング部品18からの容器3の分離を阻止するだけでなく、容器3をネブライザ1の出荷状態においてハウジング内に動くことができないよう保持する輸送ロック129を形成する。
図29及び
図31は、容器3が固定手段135によって動くことができないよう(軸方向に動くことができないよう)保持されたときの、即ち、輸送ロック129が閉じられたときのこの状態又は状況を示している。この状況では、容器3又はその好ましくは半径方向に突き出た端部又は縁部141は、保持要素136とロック要素137との間、要素136,37のそれぞれ形成された又は曲げられた端部相互間に保持される。
【0179】
図示の実施形態では、容器端部又は縁部141は、要素136,37の端部分136a,37a相互間に捕捉される。保持要素136は、縁部141上を掴み又はこれらの上に延び或いは、ロック要素137又はその端部分37aが縁部141又は容器ベース21を掴み又はこの下に延び、その結果、縁部141及び容器3は、しっかりと保持され、それにより、この状態では、即ち、固定手段135/輸送ロック129がロックされた状態では固定手段135及び関連のハウジング部品18に対する容器3の軸方向運動を阻止する。
【0180】
保持要素136及びロック要素137は、容器3又は縁部141の周りに交互に分布して配置される。
【0181】
好ましくは、保持要素136の端部分136aは、第1の半径方向平面内で終わり、ロック要素137の端部分137aは、別の第2の半径方向平面で終わり、この場合、2つの平面は、縁部141を間に保持するよう軸方向にオフセットしていると共に/或いは第2の平面は、第1の平面と容器3の下側端位置又はハウジング部品18の下端部又は穿刺要素22との間に軸方向に配置される。追加的に又は代替的に、端部分136aは、端部分137aとは別の半径(外側半径)上で終わると共に/或いはこれから軸方向に間隔を置いて位置している
【0182】
端部分136a及び/又は137aは、好ましくは、爪等のように形成されると共に/或いは好ましくは半径方向内方に延びる。
【0183】
好ましくは、要素136及び/又は37は、その自由端部が半径方向外方に撓むことができる。
【0184】
例えば、端部分136aの端部は、容器3を軸方向力により固定手段135中に挿入することができ又はこれに連結することができ、その結果保持要素136が外方に撓んで縁部141の通過を可能にするよう傾けられるのが良い。しかしながら、保持要素136を容器3、特にその縁部141を固定手段135中に挿入する場合に適当なツール(図示せず)等により外方に撓めることも可能である。
【0185】
好ましくは、保持要素136は、固定手段135及びかくして関連のハウジング部品18等からの容器3の分離を阻止する。
【0186】
軸方向保持又は輸送ロック129を開くためにロック要素137又はその端部分137aを半径方向外方に撓めることができる(これは、以下において
図32を参照して詳細に説明する)。次に、容器3は、軸方向に、特に前後に動くことができると共に/或いはその縁部141がこの実施形態では第1の平面と穿刺要素22との間で動く。
【0187】
この実施形態では、ロック要素137は、作動部分137b(好ましくは、自由端部のところ及び/又は隣り合う端部分137a相互間に形成される)を有する。好ましくは、作動部分137bは、半径方向にオフセットしているのが良い軸方向延長部を形成する。作動部分137bは、輸送ロック129(この場合、主として、ロック要素137又はその端部分137aにより形成される)を開くためにハウジングを閉鎖したとき(完全に閉鎖したとき)ロック要素137を半径方向外方に撓めるようネブライザ1の関連の制御部材142又は多数の制御部材142と協働する。
【0188】
図29は、ハウジングがまだ閉じられていないときの(完全には閉じられていないときの)関連の作動部分137bから軸方向に間隔を置いて位置した制御部材142を概略的に示している。
【0189】
図32は、輸送ロック129が開かれた状態の、即ち、ロック要素137が半径方向外方に撓められた状態の完全に閉鎖されたネブライザ1の下側部分を示している。
図32は、制御部材142が軸方向閉鎖運動を作動部分137b及びかくして関連のロック要素137の半径方向開放運動に変換して特にハウジングが完全に閉鎖されているとき又はハウジング部品18がネブライザ1上に押されて完全に嵌められているときに輸送ロック129を開放するよう傾斜案内面等を有する。
【0190】
制御部材142は、好ましくは軸方向突起として形成される。制御部材142は、駆動ばね7を内側部品17内に対抗支持するネブライザ1のリング143又は任意他の支承手段により又はこのところに又はネブライザ1の任意他の特定のコンポーネント、例えば内側部品17によって又はこのところに形成されても良い。
【0191】
制御部材142は、リング143に沿って延びる軸方向突出リング又は肩又は隆起部のように形成されても良い。
【0192】
制御部材142は、更に、ハウジングが
図32に概略的に示されているように完全に閉じられているときに保持要素136を軸方向に開くことがないよう固定することができる。この場合、制御部材142は、外方への撓みを阻止するよう保持要素136又はその端部分136aの外方側部に周辺方向に接する。この場合、固定手段135又はその保持要素136は、開かないよう固定され、その結果、容器3は、固定手段135内又は固定手段135若しくは保持要素136により形成されたケージ内にしっかりと保持される。
【0193】
図32は、穿刺要素22が通気穴134又は容器ベース21に取り付けられた関連のシールを穿刺することができるときに容器3をその下側位置で示している。
【0194】
この実施形態では、固定手段135は、多くの機能を有する。固定手段135は、容器3が特に流体2の運搬中、圧力発生中及び/又は噴霧化中、前後に動くことができるよう容器3を保持し(作動状態/ハウジングが完全に閉じられた状態で)、この場合、容器3は、ハウジング又はハウジング部品18から分離できない。さらに、固定手段135は、輸送ロック129を形成すると共に/或いは容器3をネブライザ1の出荷状態では動くことができないよう保持する。追加的に又は代替的に、固定手段135は、容器3の通気穴134を開く開放又は開封手段、この場合穿刺要素22を有する。
【0195】
好ましくは、固定手段135は、これを容器3に連結した後では容器3から分離することができないケージを形成する。
【0196】
輸送ロック129及びロック要素137は、ネブライザ1の通常の使用中、特にハウジングが閉じられている(完全に閉じられている)限り、開放状態に保たれる。ハウジングが開かれると、即ち、ハウジング部品18が取り外されると、制御部材142は、作動部分137bから外れることができ、その結果、ロック要素137は、閉じることができ又は再び内方に撓むことができる。すると、ロック要素137は、その端部分137aで容器3の縁部141を掴むことができ、その結果、容器3を固定手段135/ハウジング部品18から分離することができないようにする追加のロックが形成されるようになっている。
【0197】
固定手段135は、ハウジング部品18からの容器3の分離を阻止する。したがって、ハウジング部品18をネブライザ1又は内側部品17から完全に取り外すことができる場合にのみ容器3をハウジング部品18と一緒に戻し又は交換することができる。しかしながら、ネブライザ1を開くことができないようにすることも可能である。この場合、容器3を交換することができない。