特許第5874750号(P5874750)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5874750
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/00 20060101AFI20160218BHJP
   B62D 25/10 20060101ALI20160218BHJP
【FI】
   E02F9/00 N
   B62D25/10 H
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-7055(P2014-7055)
(22)【出願日】2014年1月17日
(65)【公開番号】特開2015-135021(P2015-135021A)
(43)【公開日】2015年7月27日
【審査請求日】2015年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100109058
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 敏郎
(72)【発明者】
【氏名】塚本 大徳
(72)【発明者】
【氏名】野田 剛
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 正和
【審査官】 須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−111255(JP,A)
【文献】 特開2000−159150(JP,A)
【文献】 特開2006−312863(JP,A)
【文献】 特開2003−184670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00
B62D 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部旋回体に設けられたエンジンルームと、このエンジンルームを上から覆うエンジンフードを具備し、上記エンジンフードは、外縁に下向きに延びる側面部を備えた箱状に形成され、前後左右いずれか一側に設けられたヒンジを中心として開閉する状態で上記上部旋回体に取付けられた建設機械において、上記エンジンルーム外で機器類を覆う機器カバーを、上記エンジンフードの、上記ヒンジが設けられた側部以外の一側部に近接して上記上部旋回体に設け、上記エンジンフード及び機器カバーの相対向する面に開口部を設け、上記エンジンフード及び機器カバーは、
(i) 上記エンジンフードの閉じ姿勢で、互いの内側空間が上記開口部を介して連通する状態で接合され、
(ii) 上記接合状態で、上記エンジンルーム内に収容された特定の機器類を分担して覆う
ように構成し、かつ、上記エンジンルームを区画形成するための隔壁の上方延長部分として上記エンジンフードと機器カバーの内側空間を仕切る仕切り壁を上記機器カバーの内側に設けたことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
上記エンジンルーム内の左右いずれか一端側にラジエータを設置するとともに、このラジエータ位置に合わせて上記機器カバーとしてのエアクリーナカバーをエンジンルームの前方に設け、上記ラジエータを上記エンジンフードとエアクリーナカバーとで分担して覆うように構成したことを特徴とする請求項1記載の建設機械。
【請求項3】
上記機器カバーを、カバー本体と、このカバー本体から上記エンジンフード側に突出して先端が開口する接続部とによって構成し、上記接続部を上記エンジンフードに接合するように構成したことを特徴とする請求項1または2記載の建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はボンネット構成を改良したショベル等の建設機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ショベルを例にとって背景技術を説明する。
【0003】
ショベルは、クローラ式の下部走行体上に作業アタッチメントを備えた上部旋回体を旋回自在に搭載して構成される。
【0004】
図13〜15は従来のボンネット構成を備えた上部旋回体を示す。
【0005】
この上部旋回体のベースとなるアッパーフレーム1上にキャビン2を含む各種設備、機器が搭載されるとともに、同フレーム1の前部に図示しない作業アタッチメントが装着される。
【0006】
なお、この明細書においては、キャビン2の位置を左側前部とし、これを基準に上部旋回体全体及び各部についての「前後」「左右」の方向性をいうものとする。
【0007】
また、図及び説明の簡潔化のために本発明と直接関係のないアッパーフレーム各部の細かな図示、説明を省略する。
【0008】
アッパーフレーム1の後部には、エンジン3とその関連機器類(ラジエータ4、冷却ファン5等)が収容されるエンジンルーム6が設けられる。
【0009】
エンジンルーム6は、たとえば後端下部に設けられたヒンジ7を中心として開閉する状態でアッパーフレーム1上に取付けられたエンジンフード8によって覆われる (特許文献1参照)。
【0010】
なお、エンジンフード8の右側に、安全のために上方空間を閉じておくのが望ましい機器類(マフラー等の排気系の機器類)を覆う固定フードを隣接して設ける2フード式のボンネット構成がとられる場合もある(特許文献2参照)。
【0011】
エンジンフード8は、前後及び左右の外縁に下向きに延びる側面部を備えた扁平な箱状に形成される。
【0012】
各図中、9はアッパーフレーム後端部(エンジンルーム6のさらに後方)に設けられたカウンタウェイトである。
【0013】
また、エンジンフード8の左右両側面(2フード式の場合はエンジンフード左側面及び固定フード右側面)には、冷却用の空気を導入または排出する多数の空気穴10,11が設けられる。
【0014】
一方、エンジンルーム6とは別の場所に他の機器類(たとえばエアクリーナ)を防護状態で設置する必要が生じた場合、本来のボンネットとは別の独立した機器カバーで覆うのが通例である(特許文献3参照)。
【0015】
図15には、エアクリーナ12をエンジンフード8の左前方に設置し、独立したエアクリーナカバー13で覆った場合を例示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2000−159150号公報
【特許文献2】特開2010−144378号公報
【特許文献3】特開2003−184670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
エンジンルーム6内に収容された機器類には、ラジエータ4のように機種に応じて前後サイズが変わるものがある(以下、実施形態を含めて、ラジエータ4を例にとって説明する)。
【0018】
この場合、ラジエータ4の前後サイズに応じてエンジンフード8の前後サイズを変えるとすると、複数種類のエンジンフードを製作し、使い分けなければならないため、コストアップとなる。
【0019】
そこで本発明は、エンジンフードを、エンジンルーム内の機器類サイズの増減にかかわらず共通化することができる建設機械を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決する手段として、本発明においては、上部旋回体に設けられたエンジンルームと、このエンジンルームを上から覆うエンジンフードを具備し、上記エンジンフードは、外縁に下向きに延びる側面部を備えた箱状に形成され、前後左右いずれか一側に設けられたヒンジを中心として開閉する状態で上記上部旋回体に取付けられた建設機械において、上記エンジンルーム外で機器類を覆う機器カバーを、上記エンジンフードの、上記ヒンジが設けられた側部以外の一側部に近接して上記上部旋回体に設け、上記エンジンフード及び機器カバーの相対向する面に開口部を設け、上記エンジンフード及び機器カバーは、
(i) 上記エンジンフードの閉じ姿勢で、互いの内側空間が上記開口部を介して連通する状態で接合され、
(ii) 上記接合状態で、上記エンジンルーム内に収容された特定の機器類を分担して覆う
ように構成し、かつ、上記エンジンルームを区画形成するための隔壁の上方延長部分として上記エンジンフードと機器カバーの内側空間を仕切る仕切り壁を上記機器カバーの内側に設けたものである。
【0021】
この構成によれば、サイズが増減するエンジンルーム内の機器類(請求項2ではラジエータ)をエンジンフードと機器カバーで分担して覆うため、機器カバーの分担代を変えることによってサイズの増減を吸収することができる。
【0022】
但し、これだけでは、エンジンルーム内と機器カバー内が連通するため、エンジンルーム内の冷却空気が機器カバー側に流れて漏洩し、冷却効率が低下するおそれがある。これではエンジンフードの共通化は、実際上、実現できない。
【0023】
これに対し本発明によると、エンジンルームを区画形成するための隔壁の上方延長部分としての仕切り壁を機器カバーの内側に設けることにより、エンジンルーム内と機器カバー内の連通を遮断してエンジンルーム内の空気の漏れを防止し、必要な冷却作用を確保することができる。すなわち、エンジンフードの共通化が、実際上、可能となる。
【0024】
この場合、機器類サイズの増加を見越して機器カバーの寸法に余裕を持たせておき、この余裕の範囲でサイズ増減を吸収する構成をとってもよいし、請求項3のように、上記機器カバーを、カバー本体と、このカバー本体から上記エンジンフード側に突出して先端が開口する接続部とによって構成し、上記接続部を上記エンジンフードに接合するように構成してもよい。
【0025】
請求項3の構成によれば、機器類サイズの増減に対する吸収幅が大きくなる。
【0026】
また、本発明によれば、次の効果を得ることができる。
【0027】
(i) エンジンフードの閉じ状態で、エンジンフードと機器カバーが一連一体に連続する、平面視L字形の新規なボンネットが構成されるため、エンジンフードと機器カバーが谷間を挟んで独立した二つの山として現れる場合と比較してデザイン性に富み、上部旋回体の美観を向上させることができる。
【0028】
(ii) エンジンフードと機器カバーの間に谷間が形成されないため、谷間に土砂や砕石が堆積するおそれがない。
【0029】
また、請求項2の構成によれば、エンジンフードの左右いずれか一端側でエンジンフードと機器カバーが前後方向に連続することで、エンジンフードの一側面部の前後サイズを実質的に拡張できるため、エンジンフードの側面に設けられる空気穴の総開口面積、つまり空気の導入量または排出量を増加させることが可能となる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によると、エンジンフードを、エンジンルーム内の機器類サイズの増減にかかわらず共通化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の第1実施形態に係るショベルの上部旋回体の概略斜視図である。
図2】同、平面図である。
図3】同、一部切欠拡大側面図である。
図4】ボンネットの斜視図である。
図5】同、平面図である。
図6図5のVI−VI線拡大断面図である。
図7】ボンネットの一部としてのエンジンフード単独の斜視図である。
図8】本発明の第2実施形態を示す図3相当図である。
図9】第2実施形態に係るボンネットの斜視図である。
図10】同ボンネットの分解斜視図である。
図11】同ボンネットの平面図である。
図12図11のXII−XII線拡大断面図である。
図13】従来技術を説明するための上部旋回体の概略斜視図である。
図14】同、平面図である。
図15】同、一部切欠拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の実施形態を図1図12によって説明する。
【0033】
実施形態は1フード式のボンネット構成を備えたショベルを適用対象としている。
【0034】
図1図7に示す第1実施形態、及び図8図12に示す第2実施形態に係るショベルの基本構成は図13図15に示す従来技術と同じである。
【0035】
すなわち、図1図3図8に示すように、上部旋回体のベースとなるアッパーフレーム21上にキャビン22を含む各種設備、機器が搭載されるとともに、同フレーム前部に図示しない作業アタッチメントが装着される。
【0036】
また、アッパーフレーム21の後部に左右方向に長いエンジンルーム23が設けられ、このエンジンルーム23に、左端から順にラジエータ24、冷却ファン25、エンジン26等が収容される。
【0037】
このエンジンルーム23を覆うエンジンフード27は、四周外縁に下向きに延びる側面部を備えた扁平な箱状に形成され、たとえば後端下部に設けられたヒンジ28を中心に開閉する状態でアッパーフレーム21上に取付けられる。
【0038】
また、エンジンフード27の左右両側面部には、冷却用の空気を導入または排出する多数の空気穴29,30が設けられている。
【0039】
図1図3及び図8中、31はアッパーフレーム後端部(エンジンルーム23の後方)に設けられたカウンタウェイトである。
【0040】
第1実施形態(図1図7参照)
エンジンルーム23の左前方、すなわち、エンジンルーム23とキャビン22の間において、下部に燃料タンク32が設置されるとともに、この燃料タンク32の上面にエンジン吸気を濾過するエアクリーナ33がエンジンフード27と近接して設置され、このエアクリーナ33が機器カバーとしてのエアクリーナカバー34によって覆われている。
【0041】
図1図3中、33aはエアクリーナ33の吸気筒、図3図6中、34aは吸気筒33aを取付けるためにエアクリーナカバー34の上面に突設された円筒状の吸気筒接続部である。
【0042】
エンジンフード27とエアクリーナカバー34を接続するための構造として、エンジンフード27の前側面部の左側、及びエアクリーナカバー34の背面にそれぞれ開口部35,36が設けられ、エンジンフード27の閉じ姿勢で、互いの開口部35,36を介して内側空間同士が連通し、かつ、互いの開口縁部同士がエンジンフード側を外側にして内外に重なる状態で接合される。
【0043】
この状態で、エンジンルーム23内の左側端部に収容されたラジエータ24の前端部分がエアクリーナカバー34で覆われる。
【0044】
すなわち、ラジエータ24は、エンジンフード27とエアクリーナカバー34で分担して覆われる。
【0045】
いいかえれば、エアクリーナカバー34は、この分担被覆状態が得られるように、エアクリーナ33を覆うのに必要最小限の前後寸法に、ラジエータ前後サイズW(図6参照)の増加を見越した一定の余裕代を加えた前後寸法をもって形成されている。
【0046】
そして、この、余裕代分が燃料タンク32の上面から後方(エンジンフード27側)にはみ出す状態で設けられ、このはみ出し部分でラジエータ前端部を覆うように設定されている。
【0047】
但し、これだけでは、エンジンルーム23内とエアクリーナカバー34内が互いの開口部35,36を介して連通するため、エンジンルーム23内の冷却空気がエアクリーナカバー34側に流れて漏洩し、冷却効率が低下するおそれがある。
【0048】
そこで、アクリーナカバー34の後部内側に仕切り壁38が、同カバー34内を前後に仕切る状態で設けられている。
【0049】
この仕切り壁38は、エンジンルーム23を区画形成するための隔壁、正確には隔壁のうちラジエータ24が設置された左側端部の隔壁37と同じ前後方向位置でその上方に位置する状態で設けられ、隔壁37と、その上方延長部分としての仕切り壁38とによって上下方向に連続した壁が形成される。
【0050】
この仕切り壁38及び隔壁37により、エンジンルーム23内とエアクリーナカバー34内の連通を遮断して空気の漏れを防止し、必要な冷却作用を確保することができる。
【0051】
なお、ラジエータ設置部分以外の隔壁(図示しない)は、エンジンフード27の前後サイズに合わせて上記隔壁37よりも後方位置に設けられる。
【0052】
また、エンジンフード27とエアクリーナカバー34の接合部分には、雨水等の浸入を防止するためのウェザーストリップ(図示省略)が設けられる。
【0053】
この構成によると、次の効果を得ることができる。
【0054】
(I) 機種に応じて前後サイズWが増減するラジエータ24を、エンジンフード27とエアクリーナカバー34で分担して覆うため、エアクリーナカバー34の分担代(前後寸法)を変えることによって前後サイズWの増減を吸収することができる。
【0055】
これにより、ラジエータ前後サイズWの増減に関係なくエンジンフード27を各機種を通じて共通化することが可能となる。
【0056】
(II) エンジンルーム23を区画形成するための隔壁37の上方延長部分としての仕切り壁38をエアクリーナカバー34の内側に設けているため、エンジンルーム23内とエアクリーナカバー34内の連通を遮断してエンジンルーム23内の空気の漏れを防止し、必要な冷却作用を確保することができる。
【0057】
(III) エンジンフード27の閉じ状態で、エンジンフード27とエアクリーナカバー34が一連一体に連続する、平面視L字形の新規なボンネットが構成されるため、エンジンフード27とエアクリーナカバー34が谷間を挟んで独立した二つの山として現れる場合と比較してデザイン性に富み、上部旋回体の美観を向上させることができる。
【0058】
(IV) エンジンフード27とエアクリーナカバー34の間に谷間が形成されないため、谷間に土砂や砕石が堆積するおそれがない。
【0059】
(V) エンジンフード27の左端側でエンジンフード27とエアクリーナカバー34が前後方向に連続することで、エンジンフード27の左側面部の前後サイズを実質的に拡張できるため、エンジンフード27の左側面に設けられる空気穴29の総開口面積、つまり空気の導入量または排出量を増加させることが可能となる。
【0060】
第2実施形態(図8図12参照)
第2実施形態において、エアクリーナカバー39以外の各部の構成は第1実施形態と同じであり、第1実施形態との相違点のみを説明する。
【0061】
エアクリーナカバー39は、エアクリーナ33を覆うのに必要最小限の前後寸法を備えたカバー本体40(第1実施形態のエアクリーナカバー34に相当する)と、このカバー本体40から背面側(エンジンフード27側)に突出する接続部41とによって構成されている。
【0062】
カバー本体40と接続部41は一体物として成形してもよいし、別体に成形して溶接等によって一体化してもよい。
【0063】
接続部41は、後端に開口部42を備えた断面ほぼ逆U字形に形成され、エンジンフード27の閉じ姿勢で、エンジンフード27と接続部41が、互いの開口部を介して内側空間同士が連通し、かつ、開口縁部同士が内外に重なる状態で接合される。
【0064】
また、エンジンフード27内とエアクリーナカバー39内の連通を遮断するための仕切り壁38は、エンジンルーム23の左側端部に設けられた隔壁37の上方延長部分として接続部41の内側に設けられている。
【0065】
この第2実施形態によると、接続部41を設けたことによって、エアクリーナカバー39のラジエータ被覆の分担代を大きくとることができるため、ラジエータ前後サイズW(図12参照)の増加に対する吸収幅が大きくなる。
【0066】
従って、小型機種から大型機種まで広い範囲でエンジンフード27を共通化することが可能となる。
【0067】
あるいは、第1実施形態のエアクリーナカバー34と第2実施形態のエアクリーナカバー39についてエンジンフード27に対する接合構成(開口部35,36,42の形状とサイズ)を共通とし、両カバー34,39を機種(ラジエータサイズ)に応じて使い分けることもできる。
【0068】
なお、第2実施形態においては、ラジエータ24の高さサイズの増加に対する吸収幅を広げる手段として、エンジンフード27及びエアクリーナカバー39の各下面に跨って枠状の嵩上げ部材43が敷設されている。
【0069】
他の実施形態
(1) 上記実施形態では、1フード式においてエンジンフード27を後ヒンジで開閉し、左前方に設けたエアクリーナカバー34,39と接合するボンネット構成を例示したが、本発明は次のボンネット構成をとる場合にも適用することができる。
【0070】
−1 エンジンフード27を左ヒンジで開閉するボンネット構成。
【0071】
−2 エンジンルームを開閉式のエンジンフードと固定フードで覆う2フード式のボンネット構成。
【0072】
−3 1フード式においてエンジンフード27を右ヒンジで開閉するボンネット構成。
【0073】
−4 1フード式または2フード式で、かつ、ラジエータ24がエンジンルーム23の右側端部に設置されるショベルにおいて、エンジンフード27を後ヒンジまたは左ヒンジで開閉し、右前方に設けたエアクリーナまたはそれ以外の機器類を覆う機器カバーと接合するボンネット構成。
【0074】
−5 1フード式または2フード式において、エンジンルーム23のラジエータ設置側の端部の後方、つまりカウンタウェイト31上に機器類とこれを覆う機器カバーを設け、エンジンフード27を前ヒンジで開閉して機器カバーと接合するボンネット構成。
【0075】
(2) 上記両実施形態では、ラジエータの前後サイズの変化を吸収する構成としたが、ラジエータと同様のサイズ変化がある他の機器類に対しても適用することができる。
【0076】
(3) エンジンルーム23の左右いずれか一側に、機種によって左右方向のサイズが変化する機器類が収容される場合に、エンジンフード27の左右一側(機器類設置側)に機器類とこれを覆う機器カバーを設置し、エンジンフード27と機器カバーで上記エンジンルーム内機器類を分担して覆う構成をとることもできる。
【符号の説明】
【0077】
21 アッパーフレーム
23 エンジンルーム
24 ラジエータ
26 エンジン
27 エンジンフード
28 ヒンジ
33 エアクリーナ
34 アクリーナカバー(機器カバー)
35 エンジンフードの開口部
37 エンジンルームの隔壁
38 仕切り壁
39 エアクリーナカバー
40 カバー本体
41 接続部
42 開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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