特許第5874927号(P5874927)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5874927
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】スタイリング剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/86 20060101AFI20160218BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20160218BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20160218BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20160218BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20160218BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20160218BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20160218BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20160218BHJP
【FI】
   A61K8/86
   A61K8/37
   A61K8/34
   A61K8/39
   A61K8/92
   A61K8/891
   A61Q5/06
   A61Q5/12
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2012-222525(P2012-222525)
(22)【出願日】2012年9月18日
(65)【公開番号】特開2014-58492(P2014-58492A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2013年12月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】591028980
【氏名又は名称】山栄化学株式会社
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 裕美
【審査官】 山本 吾一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−182611(JP,A)
【文献】 特開2004−067622(JP,A)
【文献】 特開2010−024177(JP,A)
【文献】 特開2005−213240(JP,A)
【文献】 特開平10−194939(JP,A)
【文献】 特開2003−160448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00
A61Q
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
POE(50〜70EO)(硬化)ヒマシ油0.50重量%以上及びPOE(5〜15EO)(硬化)ヒマシ油0.36重量%以上(但し、これらの合量は3重量%以下)、モノC12〜22高級脂肪酸モノグリセリル0.1〜3重量%、モノC12〜22高級脂肪酸ポリグリセリル1〜6重量%、C12〜22高級アルコール0.5〜5重量%、1,3−ブチレングリコール5.60重量%、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル5.00重量%、マカダミアナッツ油4.00重量%、メチルポリシロキサン(20cs)0.20重量%、及び水を含有するスタイリング剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、スタイリング剤に関する。
【背景技術】
【0002】
スタイリング剤(特に、損傷毛やクセ毛用のもの)としては、パサつかず、纏(まと)まりに優れ、ベタッと重たくなく、ボリューム感があり、更に艶・ハリ・弾力等に優れた毛髪に仕上がるような、コンディショニング効果を持ったものが求められている。
【0003】
従来、そのようなコンディショニング効果は、各種カチオン界面活性剤を配合することにより発現させていた(例えば、特許文献1等)。
しかし、カチオン界面活性剤を配合した場合、皮膚(とりわけ、毛髪が触れる顔周り部における皮膚)に対し刺激がある、という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2001−524103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記事情に鑑み、本願発明は、カチオン界面活性剤を配合しなくとも(健常毛は勿論、損傷毛やクセ毛等に対しても)パサつかず、纏まり、艶、ハリ・弾力等に優れた毛髪に仕上げることができ、且つ皮膚刺激の無いスタイリング剤、を提供することを目的とする。更に、本願発明は、上記基本特性に加え、ベタッと重たくなく、ボリューム感がある毛髪に仕上げることができるスタイリング剤、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願発明者が鋭意、検討した結果、本願発明を成すに到った。
即ち、本願発明は、POE(50〜70EO)(硬化)ヒマシ油0.50重量%以上及びPOE(5〜15EO)(硬化)ヒマシ油0.36重量%以上(但し、これらの合量は3重量%以下)、モノC12〜22高級脂肪酸モノグリセリル0.1〜3重量%、モノC12〜22高級脂肪酸ポリグリセリル1〜6重量%、C12〜22高級アルコール0.5〜5重量%、1,3−ブチレングリコール5.60重量%、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル5.00重量%、マカダミアナッツ油4.00重量%、メチルポリシロキサン(20cs)0.20重量%、及び水を含有するスタイリング剤、を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本願発明により、カチオン界面活性剤を配合しなくとも(健常毛は勿論、損傷毛やクセ毛等に対しても)パサつかず、纏まり、艶、ハリ・弾力等に優れた毛髪に仕上げることができ、且つ皮膚刺激の無いスタイリング剤、を提供することができる。更に、本願発明により、上記基本特性に加え、ベタッと重たくなく、ボリューム感がある毛髪に仕上げることができるスタイリング剤、を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本願発明を、最良の実施形態に基づいて、詳述する。
本願発明に係るスタイリング剤には、POE(硬化)ヒマシ油(即ち、POE硬化ヒマシ油及び/又はPOEヒマシ油)を含有する。POE(硬化)ヒマシ油としては、50〜70EO重合度のものと、5〜15EO重合度のものを併用する。
【0009】
本願発明に係るスタイリング剤には、モノ高級脂肪酸モノグリセリルを含有する。モノ高級脂肪酸モノグリセリルにおける「高級脂肪酸」は、C12〜22のものである。具体的には、モノステアリン酸モノグリセリル、モノラウリン酸モノグリセリル、モノオレイン酸モノグリセリル、モノベヘニン酸モノグリセリル、モノミリスチン酸モノグリセリル等が挙げられる。
【0010】
本願発明に係るスタイリング剤には、モノ高級脂肪酸ポリグリセリルを含有する。モノ高級脂肪酸ポリグリセリルにおける「高級脂肪酸」は、C12〜22のものである。グリセリン重合度は、例えば5〜15(就中、8〜12)である。具体的には、モノステアリン酸ポリグリセリル、モノオレイン酸ポリグリセリル、モノラウリン酸ポリグリセリル、モノミリスチン酸ポリグリセリル、モノパルミチン酸ポリグリセリル等が挙げられる。
【0011】
本願発明に係るスタイリング剤には、高級アルコールを含有する。高級アルコールは、C12〜22のものである。具体的には、セトステアリルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。
【0012】
本願発明に係るスタイリング剤には、1,3−ブチレングリコール5.60重量%、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル5.00重量%、マカダミアナッツ油4.00重量%、メチルポリシロキサン(20cs)0.20重量%を含有する。
本願発明に係るスタイリング剤には、更に添加材として、上記成分以外の、多価アルコール、エモリエント剤、動植物油、シリコーン油等を加えてよい。
【0013】
本願発明に係るスタイリング剤の組成において、POE(50〜70EO)(硬化)ヒマシ油の含有量は、0.50重量%以上である。POE(5〜15EO)(硬化)ヒマシ油の含有量は、0.36重量%以上である。これらの合量は3重量%以下である。
モノ高級脂肪酸モノグリセリルは0.1〜3重量%、モノ高級脂肪酸ポリグリセリルは1〜6重量%、並びに高級アルコールは0.5〜5重量%を含有する。
本願発明に係るスタイリング剤は、水が含有され、剤型は乳液状、クリーム状等が好ましい。
【実施例】
【0014】
以下、本願発明を、実施例に基づいて、具体的に説明する。
<スタイリング剤の調製>
・実施例1〜3、並びに比較例2〜6
表1に示す配合組成に従って、各配合成分を均一混合して、スタイリング剤(各実施例1〜3、並びに比較例2〜6)を調製した。
尚、比較例5及び6においては、2層分離し、乳化物にならず、スタイリング剤を調製することができなかった。
【0015】
<スタイリング剤の効能・効果評価試験>
ウィッグ(ミディアムヘアー)を水でウェット状にし、ワインディング(ロッド巻き)後、パーマ液I剤(システアミン4%+モノエタノールアミン3.2g/100mL)を塗布、放置(12分間)、そして水洗(1分間)した。次いで、このウィッグに、パーマ液II剤(臭素酸ナトリウム6%)を塗布、放置(7分間)後、再度、この操作を繰り返した。次いで、ウィッグから、ロッドを外し、濯ぎ、シャンプー処理後、ハーフウェット状とした。
スタイリング剤を、手(掌)に延ばし、上記ハーフウェット状のウィッグに付着・馴染ませた後、ウィッグを乾燥した。
【0016】
そして、スタイリング剤の手への残らなさ、及びウィッグ(毛髪)の外観・感触等について、下記4段階評価基準に沿って官能評価した。
「毛髪のパサつきの無さ」において、「◎」は「パサつきが無い」、「○」は「殆どパサつきが無い」、「△」は「ややパサつきが際立つ」、「×」は「非常にパサつく」。「毛髪の纏まり」において、「◎」は「非常に纏まりが良い」、「○」は「纏まりが良い」、「△」は「あまり纏まりが無い」、「×」は「纏まりが無く、広がる」。「毛髪の艶」において、「◎」は「非常に艶に優れる」、「○」は「艶に優れる」、「△」は「あまり艶が無い」、「×」は「全く艶が無い」。「スタイリング剤の手への残らなさ」において、「◎」は「全く残らない」、「○」は「殆ど残らない」、「△」は「残る」、「×」は「かなり残る」。「毛髪のハリ・弾力」において、「◎」は「非常にハリ・弾力に優れる」、「○」は「ハリ・弾力に優れる」、「△」は「ハリ・弾力があまり無い」、「×」は「ハリ・弾力が全く無い」。「毛髪の軽さ」において、「◎」は「非常に軽い」、「○」は「軽い」、「△」は「やや重い」、「×」は「ベタッとして非常に重い」。「毛髪のボリューム感」において、「◎」は「非常にボリューム感に優れる、「○」は「ボリューム感に優れる」、「△」は「ボリューム感が変わらない」、「×」は「ボリュームダウンした」。
【0017】
【表1】