特許第5874954号(P5874954)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5874954
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】ソレノイド
(51)【国際特許分類】
   H01F 7/16 20060101AFI20160218BHJP
   H01F 7/127 20060101ALI20160218BHJP
【FI】
   H01F7/16 Q
   H01F7/16 E
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-167599(P2011-167599)
(22)【出願日】2011年7月29日
(65)【公開番号】特開2013-30705(P2013-30705A)
(43)【公開日】2013年2月7日
【審査請求日】2014年6月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005197
【氏名又は名称】株式会社不二越
(74)【代理人】
【識別番号】100192614
【弁理士】
【氏名又は名称】梅本 幸作
(74)【代理人】
【識別番号】100158355
【弁理士】
【氏名又は名称】岡島 明子
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 大介
(72)【発明者】
【氏名】山口 正志
(72)【発明者】
【氏名】市川 和愛
(72)【発明者】
【氏名】原 脩
【審査官】 井上 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−221811(JP,A)
【文献】 実開昭59−109107(JP,U)
【文献】 特開平02−120524(JP,A)
【文献】 特開平02−114502(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 7/16
H01F 7/14
F16K 31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定鉄心と、前記固定鉄心の一端溶接された非磁性リングと、
前記非磁性リングの他端に溶接されたソレノイドガイドと、
前記ソレノイドガイドの他端に溶接又は一体的に形成されたふたと、
前記ソレノイドガイド及び非磁性リングに内接して軸方向に移動可能に内蔵されたプランジャと、を有し、前記固定鉄心の小径部の外周径と前記非磁性リングの内周径とが同一径であって、前記固定鉄心の小径部が前記非磁性リングの内側に圧入されて形成されたソレノイドにおいて、
前記固定鉄心の小径部の外周には、
前記小径部の外周径よりも小さい径で前記固定鉄心と前記非磁性リングとの溶接部分に連通した環状溝と、
前記環状溝から前記非磁性リングの内側まで連通した螺旋溝と、
が、前記溶接部分から近い順に設けられている
ことを特徴とするソレノイド。
【請求項2】
固定鉄心と、前記固定鉄心の一端に溶接された非磁性リングと、
前記非磁性リングの他端に溶接されたソレノイドガイドと、
前記ソレノイドガイドの他端に溶接又は一体的に形成されたふたと、
前記ソレノイドガイド及び非磁性リングに内接して軸方向に移動可能に内蔵されたプランジャと、を有し、前記固定鉄心の小径部の外周径と前記非磁性リングの内周径とが同一径であって、前記固定鉄心の小径部が前記非磁性リングの内側に圧入されて形成されたソレノイドにおいて、
前記固定鉄心の小径部の外周には、
前記小径部の外周径よりも小さい径で前記固定鉄心と前記非磁性リングとの溶接部分に連通した環状溝と、
前記環状溝から前記非磁性リングの内側まで前記ソレノイドの軸心方向に連通した複数の断面凹状溝と、
が、前記溶接部分から近い順に設けられている
ことを特徴とするソレノイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業機械等に使用される油圧電磁弁のソレノイドの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のソレノイドは、図5に示されるようなものあった。すなわち、ソレノイド20は固定鉄心21と、前記固定鉄心21の一端(図5で右端)に溶接された非磁性リング22と、前記非磁性リング22の他端(図5で左端)に溶接されたソレノイドガイド23、前記ソレノイドガイド23の他端に溶接又は一体的に形成されたふた24と、前記ソレノイドガイド23及び非磁性リング22に内接して軸方向に移動可能に内蔵されたプランジャ25、及びソレノイドガイド23及び非磁性リング22に嵌合された図示しないソレノイドコイルを有していた(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−221811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
係る構造のソレノイド20は、図6に示すように固定鉄心21の小径部27外周と非磁性リング22の内周との嵌合部径は例えば0.1mm前後のスキマを設けていたため、溶接する前にソレノイドを組み付けて非磁性リング22の部分を搬送用ロボットで把持しても、固定鉄心21が非磁性リング22から外れて搬送が困難であった。
このため、固定鉄心21の小径部27外周と非磁性リング22の内周との嵌合部径とのスキマをゼロにして圧入して固定鉄心21と非磁性リング22との脱落が解消されて、溶接前の段階でソレノイドを組付けて搬送用ロボットでの搬送が出来るようになった。
【0005】
しかし、固定鉄心の小径部外周と非磁性リングの内周との嵌合部を圧入する形状にしたため、圧入時に嵌合部に封じ込められる空気や溶接時に発生するガスの逃げ道が無くなることにより、溶接部に気泡が発生し溶接部に欠陥が頻発する問題があった。
本発明は係る課題を解決するためになされたもので、非磁性リングを圧入する固定鉄心の小径部外周に環状溝を設け、該環状溝に連通する螺旋溝を小径部外周に設けることにより固定鉄心と非磁性リングとの嵌合部を圧入して溶接した際に発生する溶接部の気泡を除去したソレノイドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するため請求項1記載の本発明は、固定鉄心と、前記固定鉄心の一端溶接された非磁性リングと、
前記非磁性リングの他端に溶接されたソレノイドガイドと、
前記ソレノイドガイドの他端に溶接又は一体的に形成されたふたと、
前記ソレノイドガイド及び非磁性リングに内接して軸方向に移動可能に内蔵されたプランジャと、を有し、前記固定鉄心の小径部の外周径と前記非磁性リングの内周径とが同一径であって、前記固定鉄心の小径部が前記非磁性リングの内側に圧入されて形成されたソレノイドにおいて、
前記固定鉄心の小径部の外周には、
前記小径部の外周径よりも小さい径で前記固定鉄心と前記非磁性リングとの溶接部分に連通した環状溝と、
前記環状溝から前記非磁性リングの内側まで連通した螺旋溝と、
が、前記溶接部分から近い順に設けられている
ことを特徴とするソレノイドとする。請求項2記載の本発明では、固定鉄心と、前記固定鉄心の一端に溶接された非磁性リングと、
前記非磁性リングの他端に溶接されたソレノイドガイドと、
前記ソレノイドガイドの他端に溶接又は一体的に形成されたふたと、
前記ソレノイドガイド及び非磁性リングに内接して軸方向に移動可能に内蔵されたプランジャと、を有し、前記固定鉄心の小径部の外周径と前記非磁性リングの内周径とが同一径であって、前記固定鉄心の小径部が前記非磁性リングの内側に圧入されて形成されたソレノイドにおいて、
前記固定鉄心の小径部の外周には、
前記小径部の外周径よりも小さい径で前記固定鉄心と前記非磁性リングとの溶接部分に連通した環状溝と、
前記環状溝から前記非磁性リングの内側まで前記ソレノイドの軸心方向に連通した複数の断面凹状溝と、
が、前記溶接部分から近い順に設けられている
ことを特徴とするソレノイドとする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は固定鉄心と非磁性リングとの嵌合部を圧入して溶接した際に発生する溶接部の気泡を除去することができるので、均一の溶接部のすることができ安定した品質を有する。
また、ソレノイドの生産性が向上し、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係るソレノイドのソレノイドコイルを除いた略縦断面図である。
図2図1の固定鉄心の小径部外周と非磁性リングとの嵌合部の拡大断面図である。
図3図1に示す螺旋溝20の変形例の外形図である。
図4図3の左側面図である。
図5】従来のソレノイドの概略構造を示す縦断面図である。
図6】従来の固定鉄心の小径部外周と非磁性リングとの嵌合部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態に係るソレノイドについて図面により詳細に説明する。図1は本発明の第一の実施の形態に係るソレノイド10の概略構造を示す縦断面図である。
図1に示すように、ソレノイド10は固定鉄心11と、前記固定鉄心11の一端(図1で左端)に溶接された非磁性リング12と、前記非磁性リング12の他端(図1で左端)に溶接されたソレノイドガイド14と、前記ソレノイドガイド14に溶接又は一体的に形成されたふた15と、前記ソレノイドガイド14及び非磁性リング12に内接して軸方向に移動可能に内蔵されたプランジャ16と、備える。参照符号17はふた15に摺動自在に支持された押出しピンを示す。
【0010】
図1及び図2に示すように、固定鉄心11の小径部13の外周径と非磁性リング12の内周径とが同一径であり、固定鉄心11の小径部が非磁性リング12の内側に圧入されている。また、固定鉄心11と非磁性リング12との嵌合部は溶接部21を介して一体化されている。さらに、固定鉄心11の小径部13の外周に小径部13の外周径よりも小さい径で溶接部21に連通する環状溝19と、この環状溝19から非磁性リング12の内側まで連通した螺旋溝20とを、固定鉄心11と非磁性リング12との溶接部21から近い順に設ける。なお、螺旋溝20は、例えば断面V字状溝(図示しない)、断面U字状溝(図示しない)でもよく、さらに断面凹状溝(図示しなし)でもよい。
【0011】
図3図1および図2に示す螺旋溝20の変形例で、固定鉄心11に形成した小径部13外周に設けた環状溝19から非磁性リング12の内側までソレノイド10の軸心方向に連通して断面凹状溝22を円周方向に複数個、例えば2箇所に対称に設けている。
【符号の説明】
【0012】
10 ソレノイド 11 固定鉄心
12 非磁性リング 13 他端
14 ソレノイドガイド 15 ふた
16 プランジャ 17 押しピン
19 環状溝 20 螺旋溝
21 溶接部 22 凹状溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6