特許第5874967号(P5874967)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5874967
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】ブラインドリベット締結工具
(51)【国際特許分類】
   B21J 15/10 20060101AFI20160218BHJP
   B21J 15/36 20060101ALI20160218BHJP
【FI】
   B21J15/10 A
   B21J15/36 L
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-268837(P2011-268837)
(22)【出願日】2011年12月8日
(65)【公開番号】特開2014-223631(P2014-223631A)
(43)【公開日】2014年12月4日
【審査請求日】2014年7月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】390025243
【氏名又は名称】ポップリベット・ファスナー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100103849
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 誠
(72)【発明者】
【氏名】升形 廣之
【審査官】 石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭53−023552(JP,B1)
【文献】 特開2006−130567(JP,A)
【文献】 米国特許第03446509(US,A)
【文献】 特開昭61−144415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21J 15/10
B21J 15/36
B21J 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リベットボディとマンドレルとからなるブラインドリベットの前記マンドレルを受け入れるための中空のノーズハウジングと、
前記ノーズハウジングの前端に設けられ、開口部を有するノーズピースと、
前記ノーズピースの先端部の内側に隣接して前記ノーズピース内で前後に移動可能に設けられ、前記マンドレルを挿入するための貫通孔を有するフローティングピースと、
前記フローティングピースの後方に隣接して、前記ノーズピースと前記ノーズハウジング内に前後に移動可能に配置され、前端に向かって内径が小さくなるように形成された内周面を有するジョーガイドと、
前記開口部から前記ノーズピース内へ挿入された前記マンドレルを把持するように前記ジョーガイド内に設けられ、前記ジョーガイドの内周面に摺動可能に接触する外周面を有するジョーと、
前記ジョーガイドに一体に連結され、前記ジョーガイドを前記開口部に対して後方に向かって引っ張るプリングヘッドと、
前記ジョーの後方に隣接して前記ノーズハウジング内に設けられ、前記ジョーを前方へ押圧するジョープッシャーとを備え、
前記ジョーガイドを前記開口部に対して後方へ移動させることにより、前記ジョーの内径を狭めて、前記ジョーに前記マンドレルを把持させ、さらに前記マンドレルを把持させた状態で前記ジョーガイド及び前記ジョーを後方へ移動させることにより、前記リベットボディのスリーブの一部を拡径させ、前記リベットボディのリベット頭部を絞り込み、前記マンドレルを破断して、前記ブラインドリベットで被締結部材を締結し、
前記フローティングピースは、中心軸の周りに対称であり、
円筒形の第1円筒部と、
前記第1円筒部の後端部から半径方向外側に延びるフランジ部と、
前記フランジ部から第1円筒部と反対側に延びる円筒形の第2円筒部とを有し、
前記第1円筒部の先端部から前記第2円筒部の後端部まで貫通する貫通孔が形成され、
前記ブラインドリベット締結工具の原位置において、
前記フローティングピースの第1円筒部は、前記ノーズピースの前記開口部内に配置され、
前記フランジ部の外周部と前記ノーズハウジングの先端部との間に設けられたフローティングピーススプリングにより、前記フランジ部は、前方に押圧されて前記ノーズピースの先端部の内側に当接し、
前記第2円筒部の後端部は、前記ジョーの前端部に当接し、前記ジョーを後方へ押圧して、前記ジョーが開いた状態に保持していることを特徴とするブラインドリベット締結工具。
【請求項2】
請求項に記載のブラインドリベット締結工具であって、
締結工程で、前記リベットボディのリベット頭部が、前記ノーズピースの前記開口部内に引き込まれるとき、前記フローティングピースの前記第1円筒部は、前記開口部内の位置から前記ノーズピースの内部に押し込まれ、
締結作業が終了した後の復帰工程で、前記ジョーガイドが前記フローティングピースの前記フランジ部を前方へ押圧し、前記フローティングピースの前記第1円筒部が前記開口部内にある前記リベットボディのリベット頭部を前方へ押し出し、前記第1円筒部は前記開口部内に入り、前記原位置に戻るブラインドリベット締結工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラインドリベット締結工具に関する。特に、リベットボディの一部を拡径変形させ、リベット頭部を絞り込んで変形させ、締結するブラインドリベットを締結する締結工具に関する。
【背景技術】
【0002】
スリーブ及びスリーブの一端のリベット頭部からなる中空の金属製リベットボディと、リベットボディの貫通孔を通って軸部が延び出る金属製マンドレルからなるブラインドリベットは良く知られている。ブラインドリベットは、複数の被取付部材を一方の側からだけの作業で連結できるという利点がある。
【0003】
ブラインドリベットにより被取付部材を締結するには、ブラインドリベット締結工具を用いる。ブラインドリベット締結工具は、ブラインドリベットを受け入れるための中空のノーズハウジングと、ノーズハウジングの前端に設けられ、ブラインドリベットのマンドレルを挿入するための開口部を有するノーズピースと、ノーズピースの後方に隣接してノーズハウジング内に前後に移動可能に設けられ、前端に向かって内径が小さくなるように形成された内周面を有するジョーガイドと、ノーズピースの開口部に挿入されたブラインドリベットのマンドレルを把持するようにジョーガイド内に設けられ、ジョーガイドの内周面に摺動可能に接触する外周面を有するジョーと、ジョーの後方に隣接してノーズハウジング内に設けられ、ジョーを前方へ押圧するジョープッシャーとを備える。
【0004】
ブラインドリベットをブラインドリベット締結工具で被取付部材に締結するには、締結工具のノーズピースの開口部にブラインドリベットのマンドレルを挿入してリベットボディをノーズピースから突き出した状態に装着し、その状態で、リベットボディを被取付部材の取付穴に挿入するように締結工具を位置決めし、次に、締結工具を動作させてマンドレルを破断する程に強く引き抜き、リベットボディのスリーブを拡径変形させて、被取付部材にブラインドリベットを締結する。破断したマンドレルは、ブラインドリベット締結工具の後方に排出されてコレクタに収集される。その後、次のブラインドリベットを装着するために、ジョーガイドが原位置へ復帰する。
【0005】
ブラインドリベットには多くの種類がある。マンドレルを引き抜いて、リベットボディのスリーブの一端部を拡径させた後、締結工具のノーズピースによりリベット頭部を外周から絞り込んで、リベット頭部の内周をマンドレルの軸部に係合させて、固定するブラインドリベットが知られている。この種類のブラインドリベットを締結する締結工具は、リベット頭部をノーズピースにより絞り込むので、リベット頭部の外径を大きくすることができない。そのため、ワッシャを併用することが多い。また、締結後、リベット頭部はノーズピースの開口部に把持されているため、ノーズピースの開口部から押し出す機構が必要となる。
【0006】
特許文献1は、拡大突出頭部と細長軸部を有するピン部材と、管状カラーを含む2部材留め金具及びこの留め金具による固定方法を開示する。特許文献1の2部材留め金具は、ピン部材の細長軸部が工作物の開口を貫通して延び、カラーをピン部材の止めみぞにすえ込み加工し、ピン部材の軸部を破断首部みぞで切断し、固定する。工具は、鉄床ハウジング内に摺動可能に支持される管状コレット組立体内に、ピンの引張り溝をつかむあご部を有する。
特許文献1は、工具のカラー放出部材が、すえ込み加工されたカラーを放出することを開示する。しかし、2部材留め金具を工具にセットするときは、工具のあご部を開いて、ピン部材の引張り溝をつかむようにする必要がある。
【0007】
特許文献2は、2枚のプレートの同心孔を貫通するピンと、ピンの外側に勘合するスリーブとからなる2部品構造のファスナーを据込みセットするための工具を開示する。この工具は、ファスナーのスリーブのつば部に係合する外側アンビル体を、ファスナーのピンを把持し引張る機構を有するガン体に取付けてある。アンビル体の先端部のアンビル部は中心孔を有しスエージ加工を行う。
特許文献2は、ハウジング内で移動可能なエゼクター体によりピン部材を中心孔から排出することを開示する。しかし、ファスナーを工具にセットするときは、工具のチャックを後面のキャップに接触させ、チャックを開いてセットする必要がある。
【0008】
特許文献1、2は、リベットボディ部の一部を拡径させて変形し、リベット頭部を絞り込んで変形させ、リベットを締結する。リベット頭部をノーズピースにより絞り込むので、締結後、リベット頭部をノーズピースから蹴り出す機構を有している。
従来のブラインドリベット締結工具は、ノーズピース内側の先端部にジョーガイドが配置され、ジョーガイドの前端に向かって細くなる内周にジョーが配置されている。ジョーは前方に押されているため、原位置で締結工具のジョーは閉じている。そのため、ブラインドリベット締結工具のジョーを開いてリベットをセットする必要があった。
【0009】
原位置でジョーが開いていれば、そのままでリベットをセットすることが出来便利である。そのため、原位置でジョーが開いているブラインドリベット締結工具が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭61−144415号公報
【特許文献2】特公昭53−23552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の目的は、原位置でジョーが開いていて、ブラインドリベット締結後の復帰工程で、締結したブラインドリベットを押し出して原位置に戻るブラインドリベットの締結工具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的を達成するため、本発明のリベット締結工具は、ジョーを開閉する機構と、締結後の変形させたリベット頭部をノーズピースから押し出す機構とを1つの部品であるフローティングピースに持たせ、このフローティングピースをノーズピースの内側先端部に配置し、軸方向に可動とし、フローティングピースの先端部でジョーを後方へ押圧することにより、原位置でジョーが開いている機構を可能とした。
【0013】
本発明の第1の態様は、リベットボディとマンドレルとからなるブラインドリベットの前記マンドレルを受け入れるための中空のノーズハウジングと、
前記ノーズハウジングの前端に設けられ、開口部を有するノーズピースと、
前記ノーズピースの先端部の内側に隣接して前記ノーズピース内で前後に移動可能に設けられ、前記マンドレルを挿入するための貫通孔を有するフローティングピースと、
前記フローティングピースの後方に隣接して、前記ノーズピースと前記ノーズハウジング内に前後に移動可能に配置され、前端に向かって内径が小さくなるように形成された内周面を有するジョーガイドと、
前記開口部から前記ノーズピース内へ挿入された前記マンドレルを把持するように前記ジョーガイド内に設けられ、前記ジョーガイドの内周面に摺動可能に接触する外周面を有するジョーと、
前記ジョーガイドに一体に連結され、前記ジョーガイドを前記開口部に対して後方に向かって引っ張るプリングヘッドと、
前記ジョーの後方に隣接して前記ノーズハウジング内に設けられ、前記ジョーを前方へ押圧するジョープッシャーとを備え、
前記ジョーガイドを前記開口部に対して後方へ移動させることにより、前記ジョーの内径を狭めて、前記ジョーに前記マンドレルを把持させ、さらに前記マンドレルを把持させた状態で前記ジョーガイド及び前記ジョーを後方へ移動させることにより、前記リベットボディのスリーブの一部を拡径させ、前記リベットボディのリベット頭部を絞り込み、前記マンドレルを破断して、前記ブラインドリベットで被締結部材を締結することを特徴とするブラインドリベット締結工具である。
【0014】
これにより、リベット締結工具は、軸方向に可動なフローティングピースにより、原位置でジョーを開いて保持することが出来、また締結後のリベット頭部をノーズピースから押し出すことができる。そのため、締結作業が容易になる。
【0015】
前記フローティングピースは、中心軸の周りに対称であり、
円筒形の第1円筒部と、
前記第1円筒部の後端部から半径方向外側に延びるフランジ部と、
前記フランジ部から第1円筒部と反対側に延びる円筒形の第2円筒部とを有し、
前記第1円筒部の先端部から前記第2円筒部の後端部まで貫通する貫通孔が形成されていることが好ましい。
これにより、第1円筒部は締結後のリベットボディを押し出し、フランジ部はノーズピースの内側先端部に当接し、第2円筒部はジョーを後方へ押して開き、貫通孔はマンドレルを相通させ、各部分はそれぞれの機能を果たすことが出来る。
【0016】
前記ブラインドリベット締結工具の原位置において、
前記フローティングピースの第1円筒部は、前記ノーズピースの前記開口部内に配置され、
前記フランジ部の外周部と前記ノーズハウジングの先端部との間の設けられたフローティングピーススプリングにより、前記フランジ部は、前方に押圧されて前記ノーズピースの先端部の内側に当接し、
前記第2円筒部の後端部は、前記ジョーの前端部に当接し、前記ジョーを後方へ押圧して、前記ジョーが開いた状態に保持していることが好ましい。
これにより、原位置でマンドレルをノーズピース内に挿入することが出来る。
【0017】
締結工程で、前記リベットボディのリベット頭部が、前記ノーズピースの前記開口部内に引き込まれるとき、前記フローティングピースの前記第1円筒部は、前記開口部内の位置から前記ノーズピースの内部に押し込まれ、
締結作業が終了した後の復帰工程で、前記ジョーガイドが前記フローティングピースの前記フランジ部を前方へ押圧し、前記フローティングピースの前記第1円筒部が前記開口部内にある前記リベットボディのリベット頭部を前方へ押し出し、前記第1円筒部は前記開口部内に入り、前記原位置に戻ることが好ましい。
これにより、フローティングピースは、原位置に戻るとき、リベットボディのリベット頭部を押し出すことができる。
【0018】
本発明の第2の態様は、中空のノーズハウジングと、前記ノーズハウジングの前端に設けられ、開口部を有するノーズピースと、前端に向かって内径が小さくなるように形成された内周面を有するジョーガイドと、前記ジョーガイドの内周面に摺動可能に接触する外周面を有するジョーと、前記ジョーガイドを後方に向かって引っ張るプリングヘッドと、前記ジョーを前方へ押圧するジョープッシャーとを備えるブラインドリベット締結工具に使用するため、前記ノーズピースの先端部の内側に隣接して前記ノーズピース内で前後に移動可能に設けられたフローティングピースであって、
前記フローティングピースは、中心軸の周りに対称であり、
円筒形の第1円筒部と、
前記第1円筒部の後端部から半径方向外側に延びるフランジ部と、
前記フランジ部から第1円筒部と反対側に延びる円筒形の第2円筒部とを有し、
前記第1円筒部のせ先端部から前記第2円筒部の後端部まで貫通する貫通孔が形成されたことを特徴とするフローティングピースである。
【0019】
これにより、ブラインドリベット締結工具に使用する部品であって、原位置でジョーを開いて保持する機能と、締結後のリベット頭部をノーズピースから押し出すという2つの機能を行う部品を得ることができる。
【0020】
前記第2円筒部の後端部は、前記ジョーの先端部の斜面と当接するように斜面が形成されていることが好ましい。
これにより、フローティングピースは、ジョーを円滑に外方に押し広げることが出来る。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、原位置でジョーが開いていて、ブラインドリベット締結後の復帰工程で、締結したブラインドリベットを押し出して原位置に戻るブラインドリベットの締結工具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態のブラインドリベット締結工具により締結する前のブラインドリベットの一部を断面とした正面図である。
図2】本発明の実施形態のブラインドリベット締結工具の正面図である。
図3】ブラインドリベット締結工具のノーズ部分の拡大断面図である。
図4図3のノーズ内のフローティングピースの一部を破断した斜視図である。
図5図3の締結工具によりブラインドリベットを締結工具にセットする前の状態を示す断面図である。
図6図3の締結工具によりブラインドリベットを締結工具にセットした状態を示す断面図である。
図7】ブラインドリベットの締結を開始する段階を示す断面図である。
図8】ブラインドリベットを締結する中間段階を示す断面図である。
図9】ブラインドリベットの締結動作が更に進んだ段階を示す断面図である。
図10】マンドレルを破断した段階を示す断面図である。
図11】ブラインドリベット締結後の復帰段階を示す断面図である。
図12】ブラインドリベット締結後に更に復帰した段階を示す断面図である。
図13】締結工具が原位置に復帰した状態を示す断面図である。
図14】ブラインドリベット締結後の締結部の一部を断面とした正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態によるについて説明する。本発明の実施形態の締結工具を説明する前に、締結するブラインドリベットについて説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態のブラインドリベット締結工具(以下、「締結工具」という。)により締結する前のブラインドリベットの一部を断面とした正面図である。ブラインドリベットは、リベットボディ10と、マンドレル20とを含む。更に、ワッシャ30を組み合わせて用いる。リベットボディ10のスリーブ側端部から、リベットボディ10の貫通孔13に、マンドレル20を挿入し、マンドレル20の頭部23が、リベットボディ10のスリーブ側端部に隣接して配置される。更に、リベットボディ10のスリーブ側端部から、スリーブ11の外周にワッシャ30が挿入され、リベット頭部12に隣接して配置される。
【0025】
まず、リベットボディ10について説明する。リベットボディ10は、円筒状のスリーブ11と、スリーブ11の一端に形成され、スリーブ11より大径のリベット頭部12とを含む。リベット頭部12の先端部は、テーパ状に外径が小さくなる斜面部19となり、リベット頭部側端部14で終わる。斜面部19は、ブラインドリベットを締結するとき、締結工具のノーズピース51により外周から絞り込まれ、外径と内径が小さくなる。
【0026】
リベットボディ10のリベット頭部側端部14と、スリーブ側端部との間に貫通孔13が延びる。貫通孔13の内径は、マンドレル20の軸部21を挿入できる大きさであるが、マンドレル20の頭部23の外径より小さく、頭部23がスリーブ側端部に当接して止まるようになっている。
スリーブ11の外径は、被取付部材の取付孔の内径より小さく、取付孔を通ることができる大きさである。
【0027】
次に、マンドレル20について説明する。マンドレル20は、細長い軸部21と、軸部21の一端部の頭部23とを備える。頭部23の外径は、リベットボディ10の貫通孔13の内径より大きい。頭部23の外径は、被取付部材41,42の取付孔の内径より小さく、取付孔を通ることができる。軸部21は円柱状で、リベットボディ10の貫通孔13の内径より小さい外径を有し、貫通孔13内に挿入することができる。軸部21の長さは、リベットボディ10の貫通孔13の長さより長く、マンドレル20の軸部21をリベットボディ10の貫通孔13に挿入すると、軸部21の先端は、リベットボディ10のリベット頭部側端部14から突き出す。
【0028】
マンドレル20の軸部21は、頭部23の側から、円柱部24と、係止部28と、破断可能部25と、把持部26と、先端部27とを含む。頭部23に隣接して、円柱状の円柱部24がある。
円柱部24に隣接して、係止部28がある。係止部28には周上に離間した周溝が形成され、周溝の間は係止山となっている。ブラインドリベットを締結するとき、リベット頭部12の部分が締結工具のノーズピース51により外周より絞られて内径が小さくなり、内径が小さくなった貫通孔13の内周に係止山が係合し、強い圧着力を発生し、被取付部材41,42を強く締結するようにする。
【0029】
係止部28に隣接して、係止部28より外径の小さい、破断可能部25がある。破断可能部25は、ブラインドリベットを組み立てた状態で、リベットボディ10の貫通孔13に収容される部分にある。破断可能部25は、締結工具でマンドレル20の軸部21を引き抜くとき、ある引抜力を超えると破断する部分である。
破断可能部25に隣接して、破断可能部25より径の大きい把持部26がある。把持部26には締結工具のジョー54で把持する場合スリップしないように多段の係止溝が形成されている。軸部21の先端部27は先が細くなり、締結工具に挿入しやすいように、先が細くなっている。
【0030】
ブラインドリベットは、被取付部材の大きい取付孔に対応するように、ワッシャ30を併用する場合が多い。ワッシャ30は、本発明に必須の要素ではなく、なくても良い。ワッシャ30について説明する。ワッシャ30は、中心部分に軸方向に断面が円形の中心孔31が開いた円板状の部材である。中心孔31の内径は、マンドレル20の頭部23の外径より少し大きく、スリーブ11の外径より少し大きく、リベット頭部の外径より小さく、マンドレル20とリベットボディ10を組み合わせたブラインドリベットに、マンドレル20の頭部23の側から、ワッシャ30をスリーブ11の外周に挿入することができる。
【0031】
次に、本発明の実施形態による締結工具について説明する。図2は、本発明に使用する締結工具45の一例の全体を示す斜視図である。締結工具45は、圧縮エアーを駆動源とする。締結工具45は、ツールハウジング46と、作業者が握るハンドル部47と、圧縮エアーを発生するための空気圧発生装置49と、破断したマンドレルを収容する回収容器48と、ノーズ50とを備える。ハンドル部47には、締結工具を作動させるためのトリガレバーが取付けられている。
本発明の実施形態では圧縮エアーにより駆動する例を示すが、マンドレル20を把持したジョー54をノーズ50の後方に強く引込むことができれば、油圧、又は電動モータ等他の駆動手段を用いることも出来る。ツールハウジング46、空気圧発生装置49、回収容器48等の位置と形状は、色々のものがある。本発明はノーズ50の部分に関するものであり、締結工具の全体の構成は図2に示すものに限定されない。締結工具の全体構造はよく知られているので、ここでは詳述しない。
【0032】
図3は、締結工具45の先端のノーズ50の拡大断面図である。図3は、ブラインドリベットを装着する前の原位置にあるノーズ50の部分を示している。
締結工具45の先端部には、ブラインドリベットを受け入れるための中空のノーズ50が設けられている。ノーズ50は、中空のノーズハウジング52と、ノーズハウジング52の前端部に一体に接続されたノーズピース51とからなる。ノーズハウジング52は円筒形である。ノーズピース51は、円筒形であり、一端部にはブラインドリベットのマンドレル20を挿入するための開口部59を有する。
本明細書では、ノーズピース51の先端の方向(図3の左方)を前方、ノーズハウジング52の方向(図3の右方)を後方という。又、各構成部品について、図3の左側を先端部、右側を後端部という。
【0033】
ノーズピース51の前方部分の内側には、フローティングピース60が配置されている。図4は、フローティングピース60の一部を破断した斜視図である。フローティングピース60は、本発明独自の部品である。フローティングピース60は、円筒状の第1円筒部61と、第1円筒部61の終端部から半径方向外側に延びるフランジ部63と、フランジ部63から第1円筒部61とは反対方向に延びる第2円筒部62とを備える。第1円筒部61の外径は、ノーズピース51の開口部59の内径より若干小さく開口部59に挿入できる。第1円筒部61と、第2円筒部62と、フランジ部63とを貫通する貫通孔64が形成されている。貫通孔64の内径は、マンドレル20の軸部の外径より若干大きく、マンドレル20の軸部を受け入れることが出来る。フランジ部63の外径は、ノーズピース51の円筒部の内径より若干小さく、ノーズピース51内に受け入れることができる。
図4では、第2円筒部62の後端部は、斜面となり、ジョー54の先端部の斜面と当接するようになっているのが望ましいが、斜面ではなく平面とすることもできる。
【0034】
フローティングピース60のフランジ部63の外周部と、ノーズハウジング52の前端部との間には、コイルスプリングからなるフローティングピーススプリング57が設けられ、フローティングピース60を前方に押圧している。これにより、フローティングピース60のフランジ部63の一方の面は、ノーズピース51の端部の内面に当接する。
締結工具45の原位置では、フランジ部63の一方の面が、ノーズピース51の端部の内面に当接し、第1円筒部61がノーズピース51の開口部59内に位置し、第2円筒部62は、ノーズピース51内に軸方向に延び、ジョー54の端面に当接している。フローティングピース60は、ノーズピース51内で軸方向にスライド可能である。
【0035】
ノーズピース51の内側には、フローティングピース60のフランジ部63の一方の面に当接して、筒状のジョーガイド53が、ノーズピース51に対して軸方向にスライド可能に収容されている。
ジョーガイド53の内側にジョー54がジョーガイド53に対して軸方向にスライド可能に収容されている。ジョー54は、その先端がフローティングピース60の第2円筒部62の後端に当接するように配置されており、フローティングピース60に向けて先細の形状に形成されている。ジョー54は、筒状のジョーガイド53の中で周方向に2個〜4個に分割され、ジョーガイド53の中で筒状体となるように組合わされている。各ジョー54は、組合された筒状体の内側にブラインドリベットのマンドレル20を受入れる空間を形成する。
【0036】
ジョーガイド53は、先細形状のジョー54に合わせて内径が前方(図3の左方向)に向けて小さくなるテーパのついた空洞を有するように形成され、そのテーパのついた空洞に、先細の筒状体を形成するように組合されたジョー54を軸方向にスライド可能に受入れている。従って、ジョーガイド53がジョー54に対して軸方向前方(図3の左側)にあるとき、複数のジョー54が形成する筒状体の内側の空間の直径を大きくでき、これによって、ブラインドリベットのマンドレル20を容易に受入れることが出来る。逆に、ジョーガイド53がジョー54に対して軸方向後方(図3の右側)にあるとき、複数のジョー54が形成する筒状体の内側の空間の直径が小さくなり、これによって、空間に受入れたブラインドリベットのマンドレル20を保持する。
原位置では、ジョー54の先端は、フローティングピース60の第2円筒部62の後端により後方に押されているので、ジョー54は開いた状態である。
【0037】
ジョーガイド53の後方には、筒状のプリングヘッド55がねじ連結によって一体的に連結されている。プリングヘッド55(及びジョーガイド53)は、ツールハウジング46の中で軸方向にスライド可能であるが軸回りの回転ができないようになっている。プリングヘッド55の後端には、筒状の駆動シャフトが結合されている。
【0038】
ジョーガイド53及びプリングヘッド55の内側であって、ジョー54の後方には、中空の筒状体で成るジョープッシャー56が配置され、ジョー54を前方に押圧している。ジョープッシャー56がジョー54を前方に押圧するため、ジョープッシャー56の後端と、プリングヘッド55の前方部分の内側との間に、コイルスプリングからなるジョープッシャースプリング58が配置されている。ジョープッシャースプリング58は、ジョープッシャー56を常時前方に押圧するように付勢して、ジョー54を前方側に押圧している。これによって、ジョー54は、常時ノーズピース51内のフローティングピース60に向けて押圧されており、ジョー54の先細形状の外面は、ジョーガイド53の内側のテーパのある内面に当接させられる。ジョープッシャー56の先端部は、斜面となり、ジョー54の後端部の斜面と当接するようになっている。第2円筒部62の後端部の斜面とジョープッシャー56の先端部の斜面は、ジョー54を共同して押圧してジョー54を外方へ押し広げ、複数のジョー54が形成する筒状体の内側の空間の直径を大きくしている。
【0039】
ジョーガイド53がジョー54に対して軸方向前方側にあるとき、複数のジョー54が形成する筒状体の内側の空間の直径が大きくなり、ブラインドリベットのマンドレル20の受入れを容易にする。逆に、ジョーガイド53がジョー54に対して軸方向後方側にあるとき、複数のジョー54が形成する筒状体の内側の空間の直径が小さくなり、空間に受入れたブラインドリベットのマンドレル20を、ジョープッシャースプリング58の弾性により保持する。
【0040】
図5〜13を参照して、図2、3の本発明の実施形態の締結工具を使用して、ブラインドリベットにより、被取付部材41,42を締結する動作について説明する。
図5は、図1のブラインドリベットを被取付部材41,42の取付孔43,44にセットし、締結工具にセットする前の原位置の状態を示す断面図である。図5の左側がブラインド側であり、右側の作業側からブラインドリベットを取り付ける作業をする。
【0041】
図5に示す原位置では、フローティングピース60はノーズピース51の端部の内側に当接し、ジョーガイド53はノーズハウジング52の前方にあり、ジョー54は、フローティングピース60の第2円筒部62により、後方へ押されている。そのため、ジョー54は開いた状態で、ジョー54の内径は大きくなっているので、原位置でブラインドリベットのマンドレル20を挿入することができる。
【0042】
図6は、締結工具にブラインドリベットのマンドレル20を挿入した段階を示す断面図である。図6において、ブラインドリベットのマンドレル20をノーズピース51の開口部59内にあるフローティングピース60の貫通孔64を通って、開いているジョー54の間に挿入する。挿入されたマンドレル20は空気圧により吸引されフローティングピース60の貫通孔64内に保持される。
ノーズピース51は、リベットボディ10のリベット頭部12をノーズピース51の先端で受け止め、マンドレル20だけをフローティングピース60の貫通孔64に受け入れるように構成されている。
【0043】
図7は、締結工具にブラインドリベットの締結を開始した段階を示す断面図である。トリガをオンにすると、ジョーガイド53とプリングヘッド55とが一体となって後方向に移動する。フローティングピース60は、フローティングピーススプリング57により押圧されて原位置に留まる。ジョーガイド53が後方向に移動すると、ジョー54はジョーガイド53により外周を押されて閉じ、マンドレル20の軸部21を掴む。
【0044】
図8は、締結工具にブラインドリベットを締結する中間段階を示す断面図である。図8に示すように、ジョーガイド53が後方へ移動すると、ノーズピース51でリベットボディ10のリベット頭部12の先端に近い斜面部19を保持しながら、マンドレル20の把持部26をジョー54で把持して後方向に引き抜いていく。このとき、マンドレル20の頭部23は、リベットボディ10のスリーブ11のスリーブ側端部を押し潰し、拡径部18を形成する。ノーズピース51は、リベット頭部12の斜面部19を外周から押し、リベット頭部12は外周を外径が小さくなるように変形させ、リベット頭部12はノーズピース51の開口部59に入っていく。このとき、リベット頭部12はフローティングピース60の第1円筒部61の端面を押し、この力はフローティングピーススプリング57の押圧力に打ち勝ち、フローティングピース60のフランジ63の面は、ノーズピース51の面から離れ始める。
【0045】
図9はマンドレル20の把持部26を更に引き抜き、締結動作が更に進行した段階を示す断面図である。ノーズピース51は、リベット頭部12の斜面部19を更に外周から押しながら、リベット頭部12の外周を外径が小さくなるように変形させていく。このとき、リベット頭部12の内側の貫通孔13の内周は、内径が小さくなるように変形し、マンドレル20の係止部28に係合する。
ノーズピース51先端の開口部59の周りの面がワッシャ30の表面に当接すると、リベット頭部12は、それ以上ノーズピース51内に引き込まれなくなる。ブラインドリベットは、拡径した拡径部18と、ワッシャ30との間に被取付部材41,42を挟む。こうして、ブラインドリベットにより、被取付部材41,42は固定される。このとき、フローティングピース60の第1円筒部61は、リベット頭部12により押されて、開口部59からノーズピース51内に押し込まれている。
【0046】
図10はマンドレル20の把持部26をジョー54で把持して更に引き抜き、マンドレル20を破断した段階を示す断面図である。被取付部材41,42にブラインドリベットが締結され、マンドレル20は、破断可能部25で破断して、破断可能部25から頭部23の側は締結された部分に残る。フローティングピース60は、フローティングピーススプリング57の押圧力により前方に押され、リベットボディ10のリベット頭部側端部14に、フローティングピース60の第1円筒部61の端面が当接している。マンドレル20の破断可能部25から先端部側の軸部21は、ジョー54に掴れたまま後方へ移動し、フローティングピース60の貫通孔64から後方に出る。
【0047】
図11は復帰段階を示す断面図である。図11において、マンドレル20が破断したため、トリガをオフにすると、ジョーガイド53、プリングヘッド55は、一体となって前方(図の左側)へ移動する。このとき、マンドレル20の破断可能部25から先端部側の軸部21は、ジョー54に掴れて一緒に移動する。
【0048】
図12は更に復帰した段階を示す断面図である。図12において、フローティングピース60は、リベットボディ10のリベット頭部側端部14に当接しているが、ジョー54を押しているジョープッシャースプリング58の力より、リベットボディ10のリベット頭部12を押し出すのに必要な力のほうが高い。そのため、フローティングピース60は、リベット頭部12を押し出すことなく、ジョーガイド53が前方へ移動しても、フローティングピース60は静止した状態で、第2円筒部62がジョーガイド53内に入り込む。このとき、第2円筒部62の端面がジョー54を押して、ジョーガイド53に対して後方へ移動させ、ジョー54を開く。ジョー54が開くことにより、マンドレル20の破断可能部25から先端部側の軸部21は開放され、空気圧により吸引されて、回収容器48へ向かう。
【0049】
図13は原位置に復帰した状態を示す断面図である。図13において、フローティングピース60のフランジ部63に、ジョーガイド53の端面が当接し、ジョーガイド53の高いリターン力により、フローティングピース60がリベットボディ10のリベット頭部側端部14を押し、締結されたブラインドリベットは、ノーズピース51から押し出される。図13では、被取付部材41,42とブラインドリベットが落ちるように描かれているが、被取付部材41,42が固定されている場合は、締結工具を後退させながら、ブラインドリベットを押し出す。
このとき、ジョー54は、フローティングピース60の第2円筒部62の端面により後方に押され、開いている。こうして、原位置に戻って、締結動作は終了する。原位置では、ジョー54は開いているので、原位置で次のブラインドリベットの締結作業を行うことが出来る。
【0050】
本発明の実施形態によるフローティングピース60は、ジョー54を開閉する作用と、変形させたリベット頭部12をノーズピース51の開口部59から押し出す作用とを行う。
即ち、第2円筒部62は、原位置において、ジョープッシャースプリング58によるジョー54を前方に押す力に打ち勝ち、ジョー54を後方へ押して、ジョーガイド53内でジョー54を開く。その後、ジョーガイド53が後方へ引かれることにより、ジョー54は閉じてマンドレル20を把持する。
ブラインドリベット締結後、原位置に復帰するとき、第2円筒部62はジョー54を後方へ押して、ジョー54を開く。また、フローティングピース60の第1円筒部61は、ジョーガイド53により押され、締結したブラインドリベットのリベットボディ10のリベット頭部12をノーズピース51の開口部59から押し出す。
【0051】
図14は、ノーズピース51から押し出されたリベットボディ10の一部を断面とした正面図である。リベットボディ10の拡径部18とワッシャ30との間に、被取付部材41,42が締結されている。
マンドレル20は、破断可能部25から頭部23の側は締結した部分に残る。マンドレル20の頭部23により、リベットボディ10のスリーブ側端部が拡径し、リベットボディ10のリベット頭部12がノーズピース51により絞られリベット頭部12の内周が、マンドレル20の係止部28に係合するので、しっかり締結することができる。
【0052】
本発明の実施形態によれば、リベット締結工具は、ノーズピース51内の前端部にフローティングピース60を有する。フローティングピース60は、原位置で開口部59内にフローティングピース60の一部が位置し、フローティングピース60の他の部分がジョー54を後方へ押すことにより、ジョー54を開き、マンドレル20をジョー54内に受け入れることが出来る。
また、締結終了後の原位置への復帰工程で、フローティングピース60の他の部分は再度ジョー54を開き、フローティングピース60の一部は、リベットボディ10のリベット頭部12をノーズピース51の開口部59から押し出し、開口部59内にフローティングピース60の一部が入り、原位置に戻る。
このように、フローティングピースは、ジョーを開閉する作用と、締結されたリベット頭部をノーズピースから押し出す作用とを1つの部品で行う。
原位置でジョーが開いているので、原位置のままでリベットをセットすることが出来る。
【符号の説明】
【0053】
10 リベットボディ
11 スリーブ
12 リベット頭部
13 貫通孔
14 リベット頭部側端部
18 拡径部
19 斜面部
20 マンドレル
21 軸部
23 頭部
24 円柱部
25 破断可能部
26 把持部
27 先端部
28 係止部
30 ワッシャ
31 中心孔
41 被取付部材
42 被取付部材
43 取付孔
44 取付孔
45 締結工具
46 ツールハウジング
47 ハンドル部
48 回収容器
49 空気圧発生装置
50 ノーズ
51 ノーズピース
52 ノーズハウジング
53 ジョーガイド
54 ジョー
55 プリングヘッド
56 ジョープッシャー
57 フローティングピーススプリング
58 ジョープッシャースプリング
59 開口部
60 フローティングピース
61 第1円筒部
62 第2円筒部
63 フランジ部
64 貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14