【実施例】
【0034】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定さない。なお、各表において各成分の配合割合は、重量部で示した。
【0035】
各実施例及び比較例で使用した各成分は次の通りである。
<(a)低分子ポリオール>
a−1;トリメチロールプロパン(固形分100%、水酸基数3、分子量135、水酸基価1,254mg・KOH/g)
a−2;シクロヘキシルジメタノール(固形分100%、水酸基数2、分子量144、水酸基価778mg・KOH/g)
a−3;グリセリン(固形分100%、水酸基数3、分子量92、水酸基価1,800mg・KOH/g)
a−4;ポリカプロラクトンテトラオール(固形分100%、水酸基数4、分子量426、水酸基価525mg・KOH/g、Perstorp社製Polyol4525)
<(b)セルロースアセテートブチレート>
b−1; セルロースアセテートブチレート(固形分100%、数平均分子量(Mn)57,000、理論水酸基価33mg・KOH/g、イーストマン社製CAB−500−5)
b−2; セルロースアセテートブチレート(固形分100%、数平均分子量(Mn)70,000、理論水酸基価59mg・KOH/g、イーストマン社製CAB−381−20)
<(c)シリカ粒子>
c−1;メチルイソブチルケトン分散シリカゾル(固形分30%、平均粒子径10〜20nm、日産化学社製MIBK−ST)
c−2;酢酸エチル分散シリカゾル(固形分30%、平均粒子径10〜20nm、日産化学社製EAC−ST)
<(d)ポリイソシアネート>
d−1;ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(固形分100%、NCO基含有率23.0%、旭化成ケミカル社製デュラネートTPA−100)
d−2;ヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート体(固形分80%、有効NCO基含有率15.5%、住化バイエルウレタン社製デスモジュールXP2679)
<(e)紫外線吸収剤>
e−1;ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(BASF社製TINUVIN479)
e−2;ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(BASF社製TINUVIN384−2)
<(A)水酸基価または/および分子量基準を満たさない低分子ポリオール>
A−1;ポリカーボネートポリオール(固形分100%、水酸基数2、数平均分子量(Mn)500、水酸基価224mg・KOH/g、旭化成ケミカルズ社製T5650E)
A−2;ポリエステルポリオール(固形分100%、水酸基数2、数平均分子量(Mn)387、水酸基価290mg・KOH/g、日本ポリウレタン工業社製ニッポラン800)
A−3;ポリカプロラクトントリオール(固形分100%、水酸基数2、分子量795、水酸基価215mg・KOH/g、Perstorp社製PolyolR3215)
<希釈溶剤>
メチルイソブチルケトン/ジアセトンアルコール=1/1(重量比)
【0036】
(実施例1〜19、比較例1〜13)
上記(a)〜(e)成分、(A)成分および希釈溶剤を表1〜4に示す割合で配合し、さらにそれぞれ添加剤として硬化触媒のジラウリル酸ジ−n−ブチルスズ0.06g(成分(d)の0.6重量%)、光安定化剤(BASF社製TINUVIN152)0.5g、およびレベリング剤(ビックケミー社製BYK375)0.8gを加えて実施例1〜19、比較例1〜13の塗料組成物を調整した。各塗料組成物を、ポリカーボネート樹脂板(三菱ガス化学社製ユーピロン)上に、硬化後の膜厚が10μmになるようにバーコーターを用いて塗布し、115℃に設定したオーブンにて20分間熱硬化した。作製した試験片を室温下で数日放置し、下記の試験方法にて評価を行った。それぞれの評価結果を表5〜8に示す。
【0037】
(1)透明性;ヘーズメーター(日本電色工業株式会社製NDH5000)により測定したヘイズ(%)により透明性の評価基準とした。
(2)密着性;JIS K 5400 8.5.2に準じ、碁盤目テープ法にて試験片の塗膜を貫通して素地面に達する切り傷を間隔1mmで碁盤目状につけて、ます目の数100とし、この碁盤目の上に粘着テープを貼り、次いでこのテープを剥がした後の塗膜の密着状態を目視により観察し、塗膜が剥離せずに残存しているます目の数で密着性の評価基準とした。
(3)耐擦傷性;荷重13.7KPaを載せたスチールウール(#000)を試験片の塗膜面上に置き、ラビングテスターで11往復させる試験条件で試験した後、上記(1)の透明性試験と同様にヘイズ(%)を測定すると共に、下記の評価基準で外観を評価した。
○;試験前のヘーズから試験後のヘーズを引いた値が3以下
×;試験前のヘーズから試験後のヘーズを引いた値が3よりも大きい
(4)耐摩耗性;テーバー磨耗試験機を用い、磨耗輪にCS10F、500回転×500g荷重の条件で磨耗試験を行い、上記(1)の透明性試験と同様にヘイズ(%)を測定した。
(5)鉛筆硬度;JISK5400に基づき、鉛筆引っかき硬度試験機(安田製作所製No.553)を用い、荷重1kgをかけて塗膜面に鉛筆をスライドさせ、塗膜に傷が付かない一番硬い鉛筆の硬度を調べた。尚、膜が裂けた場合は傷と判断し、それ以外の凹みや線跡は傷ではないと判断した。
(6)耐熱性;試験片を120℃の雰囲気中に240時間放置し、塗膜クラックの有無を目視により観察し、下記の評価基準で評価した。また、観察終了後の試験片の塗膜について、上記(2)塗膜の密着性試験法により試験し、密着性を評価した。
○;クラックが認められない ×;クラックが認められる
(7)耐薬品性;試験片の塗膜面上に、耐酸性試験用試薬(0.1mol/lのHCl水溶液)および耐アルカリ性試験用試薬(0.1mol/lのNaOH水溶液)のそれぞれを滴下し、25℃の雰囲気中で24時間放置した後塗膜の外観変化を目視により観察し、下記の評価基準で評価した。試験片の塗膜表面上に、ハイオクガソリンを滴下し、50℃の雰囲気中で1時間放置した後塗膜の外観変化を目視により観察し、下記の評価基準で評価した。試験片の塗膜表面上に、ブレーキ油(ブレーキフルード2500H,TOYOTA)を滴下し、25℃の雰囲気中で24時間放置した後塗膜の外観変化を目視により観察し、下記の評価基準で評価した。
○;塗膜に変化が認められない ×;塗膜にふくれ、曇り等の変化がみられる
(8)耐候性;促進耐候性試験機(スガ試験機社製、メタリングウエザーメーターM6T型)を用い、照射強度1kW/m2、ブラックパネル温度63±3℃、湿度50%RH、60分中に降雨9分を含む条件で試験し、塗膜およびプラスチック樹脂板の外観、および塗膜クラックの有無を下記の評価基準で評価した。
外観:○;塗膜およびポリカーボネート樹脂板に黄変等の異常が認められない
×;塗膜およびポリカーボネート樹脂板に黄変等の異常が認められる
クラック:○;塗膜クラックが認められない ×;塗膜クラックが認められる
また、評価終了後の試験片について、MINOLTAスペクトロフォトメーターCM3500dを用いて試験片のYI値(黄色度)を測定し、黄色度の変化を評価した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】
【表7】
【0045】
【表8】
【0046】
表5〜8の結果から、セルロースアセテートブチレート、シリカ粒子、ポリイソシアネートおよび特定の低分子ポリオールとを特定量組み合わせたウレタン塗料組成物によって、従来のウレタン塗料よりも、耐擦傷性、鉛筆硬度、耐磨耗性および耐薬品性などの各種特性におけるバランスに優れた硬化膜を提供できることがいえる。さらに、塗膜形成成分と所定量の紫外線吸収剤の配合により、人工的に材料劣化を促進させる耐侯性試験機を用いた場合においても、良好な外観や透明性が維持されており、適用対象である樹脂成形体の劣化を長期かつ屋外での使用環境下においても防止できることが確認された。