特許第5874992号(P5874992)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5874992
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】風力発電装置用ブレード
(51)【国際特許分類】
   F03D 80/00 20160101AFI20160218BHJP
   F03D 1/06 20060101ALI20160218BHJP
   H05F 3/04 20060101ALI20160218BHJP
【FI】
   F03D11/00 A
   F03D1/06 A
   H05F3/04 F
【請求項の数】10
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-139974(P2015-139974)
(22)【出願日】2015年7月13日
【審査請求日】2015年7月15日
(31)【優先権主張番号】特願2015-101098(P2015-101098)
(32)【優先日】2015年5月18日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511019144
【氏名又は名称】株式会社落雷抑制システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】松本 敏男
【審査官】 所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0006312(US,A1)
【文献】 特開2008−010241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 1/00−11/04
H05F 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力発電装置に用いられるブレードであって、内部に、導電性材料によって形成された構造部材が挿着され、前記ブレードの表面に、導電性材料によって形成された第1電極が設けられ、前記構造部材が、前記第1電極と電気的に絶縁され、かつ、接地された第2電極となされていることを特徴とする風力発電装置用ブレード。
【請求項2】
前記第1電極を形成する導電性材料が金属箔であることを特徴とする請求項1に記載の風力発電装置用ブレード。
【請求項3】
前記第1電極を形成する導電性材料が導電性塗料からなる塗膜であることを特徴とする請求項1に記載の風力発電装置用ブレード。
【請求項4】
前記第1電極を形成する導電性材料が金属板であることを特徴とする請求項1に記載の風力発電装置用ブレード。
【請求項5】
前記第1電極と前記第2電極とが、前記ブレード内に形成された空気層によって電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の風力発電装置用ブレード。
【請求項6】
前記第1電極と前記第2電極とが、これらの電極間に介装された電気絶縁材料によって電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の風力発電装置用ブレード。
【請求項7】
前記ブレードが電気絶縁材料によって形成されていることにより、前記第1電極と前記第2電極が電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の風力発電装置用ブレード。
【請求項8】
前記第1電極と前記第2電極とが、無機焼成体によって筒状に形成されたスペーサーによって一定間隔に保持されているとともに、前記第1電極および前記第2電極には、前記スペーサー内にその各端部から挿入されて一定間隔で対峙させられる突起がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項7の何れかに記載の風力発電装置用ブレード。
【請求項9】
前記第1電極が、前記ブレードの風上側の面に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8の何れかに記載の風力発電装置用ブレード。
【請求項10】
前記第1電極が、前記ブレードの先端部全周にわたって形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8の何れかに記載の風力発電装置用ブレード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力発電装置に用いられるブレードに係わり、特に、落雷による損傷を抑制するようにした風力発電装置用ブレードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、再生可能エネルギーの一つとして風力発電エネルギーが知られている。
この風力発電エネルギーを生成する風力発電装置は、高い支柱と、この支柱の上部に装着され、発電機が内装されたナセルと、このナセルに装着されて前記発電機を回転駆動する多数のブレードとを備えている。
【0003】
この風力発電装置は、風によって前記ブレードが回転させられることにより、これらのブレードの回転によって前記発電機を駆動して発電を行なうようになっている。
【0004】
このような風力発電装置にあっては、風を効率よく受け止めるために、前記支柱を高くして、前記ブレードの設置位置を高くしている。
また、発電量を大きくするために、前記ブレードも長く大きくしている。
【0005】
ところで、このように高所に伸びるように設置される風力発電装置では、落雷が発生しやすい。
そして、前記ブレードへ落雷すると、その雷撃によってブレードが破損し、発電が行なえなくなってしまう。
【0006】
このような不具合に対し、従来では、たとえば、特許文献1に示されるような対処技術が提案されている。
【0007】
この技術は、ブレードの先端に金属製の受雷部を設け、この受電部に電気的に接続された接地線を、前記ブレードの内部を経て地面に接地した構成となっている。
【0008】
そして、前記風力発電装置へ向かう落雷が発生した場合、その落雷を、前記受雷部に誘導して受け、その雷撃を、前記接地線を介して前記受雷部から地面へ流すことにより、前記雷撃が前記ブレードを通過することを回避して、このブレード自体の損傷を防止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2012−246812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、前述した従来の技術にあっては、なお、つぎのような改善すべき問題点が残されている。
【0011】
すなわち、前記ブレードの回転が停止している状態では、前記受雷部が定位置にある。
この状態で前記ブレードへ向けて落雷が発生した場合、この落雷を、定位置にある前記受雷部に誘導して受け、その雷撃を、前記接地線を通して地面へ放出することができる。
【0012】
しかしながら、前記ブレードが回転していると、その先端の線速度、すなわち、前記受雷部の移動速度が速いために、前記ブレードへ向かう落雷を前記受雷部へ誘導することができないことが想定される。
【0013】
このように、前記ブレードへ向かう落雷を前記受雷部に誘導することができないと、前記落雷が、前記ブレードの、前記受雷部以外の部位において起こり、その雷撃が前記ブレード自体を通過して、前記ナセルや支柱を介して地面へ放出される。
【0014】
そして、前記ブレード内を通過する雷撃によって、このブレードに損傷を与えてしまうことが想定される。
【0015】
このような問題点は、落雷を、重要な施設若しくは設備等の非保護体以外の場所に誘導し、これによって、落雷の際に生じる雷撃から前述した非保護体を保護するという思想に基づいていることに起因している。
【0016】
そこで、本発明は、保護体近傍への落雷自体を抑制してこれらを保護するという思想に基づき、前記ブレードへの落雷を抑制することができる構造を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の風力発電装置用ブレードは、前述した課題を解決するために、内部に、導電性材料によって形成された構造部材が挿着され、前記ブレードの表面に、導電性材料によって形成された第1電極が設けられ、前記構造部材が、前記第1電極と電気的に絶縁され、かつ、接地された第2電極となされていることを特徴とする。
【0018】
ここで、落雷の現象を詳細に観察すると、夏季に起こる一般的な落雷(夏季雷)の場合、雷雲が成熟すると雷雲からステップトリーダが大気の放電しやすいところを選びながら大地に近づいてくる。
ステップトリーダが大地とある程度の距離になると大地または建築物(避雷針)、木などからステップトリーダに向かって、微弱電流の上向きストリーマ(お迎え放電)が伸びてくる。
このストリーマとステップトリーダが結合すると、その経路を通って、雷雲と大地間に大電流(帰還電流)が流れる。これが落雷現象である。
【0019】
本発明は、前記構成の前記ブレードにより、前述した上向きストリーマの発生を起こりにくくしたものである。
すなわち、前記ブレードは、電気的に絶縁された前記第1電極および前記第2電極を有し、前記第2電極のみが接地されている。
【0020】
したがって、例えばマイナス電荷が雲底に分布した雷雲が近づくと、それとは逆の電荷(プラス電荷)が大地の表面に分布し、雲底のマイナス電荷に引き寄せられて前記第2電極にもプラス電荷が集まるようになる。
【0021】
すると、絶縁体を介して配置されている第1電極は、コンデンサの作用でマイナス電荷を帯びる。
この作用により、前記ブレードとその周辺における上向きストリーマの発生を起こりにくくし、落雷の発生を抑制する。
【0022】
前記ブレードに被覆される導電性材料は金属箔を用いることができ、この金属箔を、前記ブレードの表面に貼着することによって前記第1電極を形成することができる。
【0023】
そして、前記金属箔としては、アルミ箔、ステンレス薄板等が用いられるが、蒸着技術を用いることができる環境であれば、これらの金属を蒸着させることによって前記第1電極を形成することもできる。
【0024】
また、前記導電性材料として導電性塗料を用い、この導電性塗料を前記ブレードの表面に塗布することによって、即ち、塗膜を形成することによって前記第1電極を形成してもよい。
【0025】
さらに、前記導電性材料として金属板を用い、この金属板を前記ブレードに止着することによって前記第1電極を形成することもできる。
【0026】
一方、前記第1電極と前記第2電極とを電気的に絶縁するために、前記ブレード内に、前記第1電極と前記第2電極とを非接触状態に保持する空気層を形成する。
【0027】
また、前記第1電極と前記第2電極との間に電気絶縁材料を介装するか、あるいは、前記ブレード自体を電気絶縁材料によって形成することにより、両電極間を電気的に絶縁することができる。
【0028】
ここで、前記ブレードが電気絶縁材料でない場合、このブレードを介して前記第1電極が接地されてしまうことが想定されることから、このブレードと前記第1電極間の電気的な絶縁を行なう必要がある。
この場合には、前記ブレードと前記第1電極との間に電気絶縁材料を介装することにより対応することができる。
【0029】
また、前記第1電極と前記第2電極とを、無機焼成体によって筒状に形成されたスペーサーによって一定間隔に保持して電気的な絶縁状態とし、前記第1電極および前記第2電極に、前記スペーサー内にその各端部から挿入されて一定間隔で対峙させられる突起をそれぞれ設けた構成とすることもできる。
【0030】
このような構成とすることにより、仮に、前記ブレードに落雷があった場合に、前記突起間で高温のアーク放電を行なわせ、これによって、前記ブレードの損傷を防止することができる。
【0031】
そして、前記第1電極は、前記ブレードの風上側の面に形成、あるいは、前記ブレードの先端部全周にわたって形成することができる。
このような構成とすることにより、落雷の生じやすい部分に、前述した落雷抑制作用を集中させることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の風力発電装置用ブレードによれば、前記ブレードに設けられた、絶縁された第1電極と第2電極により、風力発電装置回りにおけるストリーマの発生を抑えて、落雷の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の第1の実施形態が適用される風力発電装置を示す正面図である。
図2】本発明の第1の実施形態が適用される風力発電装置を示す側面図である。
図3】本発明の第1の実施形態を示すもので、ブレードを分解した状態を示す正面図である。
図4】本発明の第1の実施形態を示すもので、ブレードの拡大正面図である。
図5】本発明の第1の実施形態を示すもので、図4のV−V線断面図である。
図6】本発明の第2の実施形態が適用される風力発電装置を示す側面図である。
図7】本発明の第2の実施形態が適用される風力発電装置のブレード部分の正面図である。
図8】本発明の第2の実施形態を示すもので、ブレードの拡大正面図である。
図9】本発明の第2の実施形態を示すもので、図8のIX−IX線断面図である。
図10】本発明の第2の実施形態のブレードを制作するための手順を示すもので、既存のブレードの拡大正面図である。
図11】本発明の第2の実施形態のブレードを制作するための手順を示すもので、ブレードの拡大正面図である。
図12】本発明の第2の実施形態のブレードを制作するための手順を示すもので、ブレードの拡大正面図である。
図13】本発明の第2の実施形態のブレードを制作するための手順を示すもので、ブレードの拡大正面図である。
図14】本発明の第2の実施形態のブレードを制作するための手順を示すもので、ブレードの拡大正面図である。
図15】本発明の第2の実施形態のブレードを制作するための手順を示すもので、ブレードの拡大正面図である。
図16】本発明の第3の実施形態を示すもので、ブレードの要部の拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1において、符号1は、本実施形態が適用される風力発電装置を示し、この風力発電装置1は、地面Aに立設された支柱2と、この支柱2の上部に装着されたナセル3と、図3に示すように、このナセル3の内部に配置されたボス4に装着される、3本の本実施形態に係わるブレード5とを備えている。
【0035】
そして、前記各ブレード5は、前記ボス4を介して、前記ナセル3の内部に装着されている発電機(図示略)に接続されており、前記ブレード5が、風を受けて回転させられることにより、前記発電機を駆動して発電を行なうようになっている。
【0036】
本実施形態に係わる前記ブレード5は、非導電性材料によって形成されているとともに、図4および図5に示すように、その内部に、導電性材料によって形成された構造部材6が挿着されている。
【0037】
また、前記ブレード5の表面には、導電性材料を被覆することによって形成された第1電極7が設けられている。
【0038】
さらに、前記構造部材6は、風力発電装置1の他の構成部材を通して電気的に接地されることにより、前記第1電極7と絶縁された第2電極8となされている。
【0039】
前記第1電極7は、前記ブレード5のリーディングエッジおよびトレイリングエッジ、および、前記ブレード5の表面(風を受ける面)を覆うように設けられている。
【0040】
また、前記第1電極7は、前記ブレード5の基部側(前記ナセル3との接合部側)において、他の金属部品との距離が一定距離以上となるように形成されている。
【0041】
前記構造部材6は、前記ブレード5の全長にわたって挿着されており、前記ブレード5をその内部から支持して、このブレード5の強度を確保するようになっている。
【0042】
また、前記構造部材6は、前記ブレード5の基端部から突出させられて、前記ボス4との連結部となされている。
【0043】
そして、前記ボス4に連結された前記構造部材6(第2電極8)は、前記ボス4を介して、発電機や支柱2等の、前記風力発電装置1を構成する導電性部材を介して接地されている。
【0044】
このように構成された本実施形態のブレード5は、マイナス電荷が雲底に分布した雷雲が近づくと、それとは逆の電荷(プラス電荷)が大地の表面に分布し、雲底のマイナス電荷に引き寄せられて前記第2電極8にもプラス電荷が集まるようになる。
【0045】
一方、絶縁体を介して配置されている第1電極7は、コンデンサの作用でマイナス電荷を帯びる。
この作用により、前記ブレード5とその周辺における上向きストリーマの発生が起こりにくく、この結果、落雷の発生を抑制する。
【0046】
このような上向きストリーマの発生抑制作用は、前記ブレード5が回転している状態であっても保持される。
したがって、前記ブレード5が停止している状態であっても回転している状態であっても、前記ブレード5への落雷を抑制することができる。
【0047】
これによって、前記ブレード5の健全性、ひいては、風力発電装置1の健全性を大幅に高めることができる。
【0048】
なお、前記ブレード5に被覆される導電性材料に、たとえば、アルミやステンレス等の金属箔を用い、この金属箔を、前記ブレード5の表面に貼着することによって前記第1電極7を形成することもできる。
【0049】
若しくは、前記金属を蒸着によって前記ブレード5の表面に定着させて、前記第1電極7を形成することもできる。
【0050】
また、前記ブレード5に被覆される導電性材料に導電性塗料を用い、この導電性塗料を前記ブレード5の表面に塗布することによって導電性の塗膜とし、前記第1電極7を形成することもできる。
【0051】
図6ないし図15は、本発明の第2の実施形態を示すもので、図中符号10は本実施形態が適用された風力発電装置を示す。
【0052】
この風力発電装置10に用いられる本実施形態のブレード11は、その先端部外周を覆うようにして第1電極12を設けたものである。
【0053】
さらに詳述すれば、図8および図9に示すように、前記第1電極12は金属によってキャップ状に形成されており、その外形が、前記ブレード11の先端部形状となされている。
【0054】
前記ブレード11は、既存のブレードの先端部を切り取った形状となされ、内部に挿着されている第2電極13の先端部が、前記ブレード11の切り取られた位置において突出させられている。
【0055】
また、前記ブレード11の切り取られた部分には、前記第1電極12の外形と、相似的に縮小された外形を有する絶縁体14が配置されている。
【0056】
この絶縁体14の基端部には、前記ブレード11の先端の切り取られた部分に嵌合させられる嵌合段部14aが形成され、この嵌合段部14aを介して、前記ブレード11の先端に嵌着されるようになっている。
【0057】
また、前記絶縁体14の内部には、前記嵌合段部14aが形成された側の端面から内方へ向けて、前記第2電極13の突出端が嵌合させられる孔14bが形成されている。
【0058】
一方、前記第1電極12の内部は、前記絶縁体14の外形形状とほぼ等しい形状となされており、この絶縁体14に被嵌させられた際に、この絶縁体14に全体的に密着させられるようになっている。
【0059】
また、図8および図9において符号15は、無機焼成体(セラミック)によって形成されたボルトを示す。
このボルト15は、前記第1電極12、および、この第1電極12が被嵌されている前記絶縁体14を貫通し、この絶縁体14の内部に位置させられている前記第2電極13に螺着される。
これによって、前記第1電極12、および、前記第2電極13が前記絶縁体14を介して絶縁状態で固定される。
【0060】
さらに、前記第1電極12および前記絶縁体14が、前記第2電極13を介して前記ブレード11と一体化される。
【0061】
また、前記ブレード11と前記第1電極12との間にも前記絶縁体14が介在しているため、これらの間の電気的な絶縁も確保されている。
【0062】
このように構成された本実施形態のブレード11にあっても、前記第1電極12の表面に負の電荷を帯びさせて、上向きストリーマの発生抑制作用を生じさせ、これによって、前記ブレード11への落雷の発生を抑制することができる。
【0063】
ついで、本実施形態に係わるブレード11の制作手順について図10ないし図15を参照して説明する。
【0064】
まず、既存のブレード5の先端部L(図10参照)を切り取り、図11に示すように、内部に挿着されている前記第2電極13の先端を露出させる。
ここで、前記第2電極13の側面に、前記ボルト15の螺着用のねじ穴13aを穿設しておく。
【0065】
ついで、図12に示すように、前記絶縁体14に、前記ねじ穴13と合致する位置に貫通孔14cを形成した状態で、この絶縁体14を、図13に示すように、前記第2電極13に被嵌させつつ、前記嵌合段部14aを利用して、前記ブレード5の切り取られた先端部に挿着する。
【0066】
さらに、図14に示すように、前記絶縁体14に形成されている前記貫通孔14cと合致する貫通孔12aが形成された前記第1電極12を、前記絶縁体14に被嵌する。
【0067】
ついで、前記第1電極12の各貫通孔12aに前記ボルト15を挿入するとともに、これらのボルト15を前記第2電極13の各ねじ穴12aに螺着することにより、図8および図9に示すように、前記既存のブレード5に前記第2電極13を介して、前記絶縁体14および前記第1電極12を組み付けて、本実施形態に係わるブレード11を制作することができる。
【0068】
このような制作方法をとることにより、既存のブレード5に、極力少ない加工で適用することができる。
【0069】
図16は、本発明の第3の実施形態を示す。
この実施形態は、前述した第2の実施形態における絶縁体14に変更を加えて、前記第2電極13を前記第1電極12内において露出させた構成としたものである。
【0070】
このような構成とすることにより、前記第1電極12と前記第2電極13との間に空気層Kを形成し、この空気層Kによって前記第1電極12と前記第2電極13間を電気的に絶縁することができる。
【0071】
さらに、本実施形態においては、前記第1電極12と前記第2電極13との間に、無機焼成体(セラミック)によって筒状に形成されたスペーサー16を介装し、さらに、前記第1電極12と前記第2電極13のそれぞれに、前記スペーサー16内に、その各端部から突出する突起12b・13bを設けている。
【0072】
そして、前記各突起12b・13bは、前記スペーサー16によって一定のエアーギャップGを保持した状態で対峙させられる。
【0073】
このような構成とすることにより、仮に、前記ブレード11に落雷したとしても、前記突起12b・13b間に高温のアーク放電を生じさせて、前記ブレード内部の損傷を防止することができる。
【0074】
なお、前記各実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 風力発電装置
2 支柱
3 ナセル
4 ボス
5 ブレード
6 構造部材
7 第1電極
8 第2電極
10 風力発電装置
11 ブレード
12 第1電極
12a 貫通孔
13 第2電極
13a ねじ穴
14 絶縁体
14a 嵌合段部
14b 孔
14c 貫通孔
15 (セラミック)ボルト
16 スペーサー
A 地面
K 空気層
【要約】      (修正有)
【課題】ブレードへの落雷を抑制することができる構造を提供する。
【解決手段】風力発電装置に用いられるブレード5であって、内部に、導電性材料によって形成された構造部材6が挿着され、ブレード5の表面に、導電性材料によって形成された第1電極7が設けられ、構造部材が、第1電極7と電気的に絶縁され、かつ、接地された第2電極8となされていることを特徴とする。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16