(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
上記昇降式足場装置の中には、
図8(a)に示すように、例えば2本のタワー71,72を有し、これらのタワー71,72に作業床を有する足場部73が連結され、この足場部73が昇降するものが知られている。
【0004】
すなわち、この昇降式足場装置は、建築物が立設された地盤G上において例えば2本のタワー71,72が所定の間隔を隔てて並設され、各タワー71,72に沿って上下方向に昇降可能な2つの昇降部74,75がそれぞれ設けられている。昇降部74,75には、それらを掛け渡すように足場部73が連結されている。足場部73は、複数の枠組部材(図略)からなり、それらが側方方向に連設されている。
【0005】
また、各昇降部74,75には、モータ76,77がそれぞれ配設されている。モータ76,77は、それらが回転駆動することにより、各昇降部74,75をタワー71,72に沿って昇降移動させるものである。モータ76,77は、ほぼ同時に回転駆動され、これにより両昇降部74,75がほぼ同時に昇降される。そのため、足場部73は、ほぼ水平を維持したまま昇降される。
【0006】
ここで、両モータ76,77には通常同一仕様のものが用いられるが、例えば回転速度等にばらつきを有することがある。また、足場部73においては、荷物を右端又は左端に偏って積載したり、作業員が右端又は左端に偏って搭乗したりすることがある。そのため、これらが原因となって、
図8(b)に示すように、足場部73が昇降されるとき、足場部73に多少の傾きが生じることがある。昇降部74,75は、複数の枠組部材からなる足場部73に固定されており、昇降部74の昇降速度が昇降部75のそれより速いため、傾きが生じたまま両昇降部74,75が昇降されると、例えば昇降部75には矢印Aに示すような引っ張り力が加わる。したがって、昇降部75側のタワー72の起立状態に支障をきたし、タワー72を転倒させるおそれがある。
【0007】
また、足場部73が傾いたまま上昇すると、昇降部75側のモータ77の回転軸に対して負荷がかかるため、モータ77の製品寿命を縮めたり、モータ77が破損させたりするおそれがある。
【0008】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、2本のタワーの間に設けられる足場部が昇降移動する際、足場部が傾くことによる不具合を解消することのできる昇降式足場装置を提供することを、その課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によって提供される昇降式足場装置は、上下方向に延びた2つのタワー部と、前記各タワー部に沿って昇降自在に設けられた2つの昇降部と、前記両昇降部の間に設けられ、かつ前記両昇降部が昇降することにともなって昇降する足場部とを備え、前記足場部は、側方方向に連接された複数の枠組部材からなり、前記足場部には、前記足場部が昇降することにより傾いた場合に、その傾きによって生じる前記足場部からの前記タワー部に対する引っ張り力を除去するために、前記複数の枠組部材のうちいずれかの隣り合う枠組部材と、前記隣り合う枠組部材の間に介在され、前記側方方向に沿って伸縮自在な可動部材とによって構成される傾き緩衝機構が設けられ
ており、前記可動部材は、前記隣り合う枠組部材のうちいずれか一方の枠組部材に固定され、いずれか他方の枠組部材に係合しつつ当該枠組部材に沿って可動自在とされており、前記いずれか他方の枠組部材は、前記側方方向に延び、内部が中空とされた中空角部材を有し、前記可動部材は、棒状部と、その両端から前記側方方向に延びかつ前記中空角部材の中空内において進退自在とされた一対の延出部とからなることを特徴としている。
【0010】
本発明の昇降式足場装置において、前記傾き緩衝機構は、前記足場部であって少なくともいずれかの前記タワー部の近傍に設けられているとよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、足場部が昇降されることにより傾いた場合に、足場部の隣り合う枠組部材の間において可動部材が伸縮されるので、足場部の傾きによって生じる足場部のタワー部に対する引っ張り力を上記傾き緩衝機構によって除去することができる。そのため、タワー部の立設状態を良好に維持することができる。また、足場部の昇降動作に例えばモータが用いられている場合には、足場部が傾いたことによるモータに対する負荷を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る昇降式足場装置(以下、単に「足場装置」という)を示す正面図である。この足場装置は、例えば建築工事の仮設足場に用いられるものであり、特に作業床が昇降する昇降式のものである。
【0017】
足場装置は、
図1に示すように、2本のタワーを備えている。足場装置は、所定の高さを有する第1タワー1と、所定の間隔を隔てて並設された第2タワー2と、両タワー1,2に支持された昇降移動可能な足場部3とを備えている。第1タワー1及び第2タワー2は、ほぼ同様の構成とされている。なお、以下の説明では、構成が共通する部材については同符号で示す。
【0018】
各タワー1,2は、これを支持するためのベース部4をそれぞれ有している。ベース部4は略平板状に形成されており、ベース部4の角部には複数のジャッキ機構5が設けられている。ジャッキ機構5は、それぞれの高さを調整することにより、ベース部4を水平状態に維持するものである。
【0019】
ベース部4には、アウトリガー機構6が設けられている。アウトリガー機構6は、ベース部4から放射状に延びた複数の部材からなり、各タワー1,2を地盤Gに対して支持するためのものである。このアウトリガー機構6の各端部には、ジャッキ機構6aが設けられている。ベース部4には、図示しない移動用車輪が設けられている。移動用車輪は、各タワー1,2を建築現場の所定位置に移動させるためのものである。
【0020】
第1及び第2タワー1,2は、外形が略直方体の枠状に形成された枠部材7が複数個連接された構成とされている。具体的には、第1及び第2タワー1,2は、ベース部4の中央部において最下段の枠部材7が取付けられ、その枠部材7の上方に他の枠部材7が積み重ねられて構成される。
【0021】
第1タワー1の各枠部材7の内部空間には、上下方向に延びた第1ラック8が設けられている。第1ラック8は、長尺状に形成され、
図2(b)に示すように、その一方側端面に複数のピニオン10が歯合される歯合部8aが形成されている。同様に、第2タワー2の各枠部材7の内部空間には、上下方向に延びた第2ラック9が設けられている。第2ラック9は、第1ラック8と同様の構成とされている。
【0022】
第1タワー1には、それに沿って上下方向に昇降自在とされた第1昇降部11が設けられている。第1昇降部11は、高さ方向に延びた略直方体の枠状に形成されている。第1昇降部11は、図略のガイドローラを介して枠部材7の外表面に沿って昇降される。一方、第2タワー2には、それに沿って上下方向に昇降自在とされた第2昇降部12が設けられている。第2昇降部12は、第1昇降部11と同様の構成とされている。
【0023】
第1昇降部11には、
図1及び
図2に示すように、これを昇降させるための第1モータ13が取付けられている。第1モータ13は、誘導モータとされ、その回転を停止させるブレーキ機構が備えられている。なお、第1モータ13は、実際には並設された2つのモータによって構成され、一方のモータが故障した場合等に他方のモータを使用するといった非常時の安全性を考慮したものとされている。以下の説明では、2つのモータを総称して第1モータ13と呼称する。
【0024】
一方、第2昇降部12には、これを昇降させるための第2モータ14が取付けられている。第2モータ14は、第1モータ13と同様の構成とされている。
【0025】
第1昇降部11には、それを覆うように配置され、前後方向(
図1において紙面の手前又は奥行き方向)に水平移動自在な第1水平移動部15が設けられている。第1水平移動部15は、前後方向に延びた略直方体の枠状に形成されている。一方、第2昇降部12には、それを覆うように配置され、前後方向に水平移動自在な第2水平移動部16が設けられている。第2水平移動部16は、第1水平移動部15と同様に、前後方向に延びた略直方体の枠状に形成されている。第1及び第2水平移動部15,16は、第1及び第2昇降部11,12が昇降することにより昇降される。
【0026】
足場部3は、第1及び第2水平移動部15,16の間に設けられた中間足場部17と、第1水平移動部15の右方向に延びた右方足場部18と、第2水平移動部16の左方向に延びた左方足場部19とによって構成されている。なお、右方足場部18には、右方向に進退自在とされた右方進退部20が設けられている。一方、左方足場部19には、左方向に進退自在とされた左方進退部21が設けられている(
図1は、右方進退部20及び左方進退部21がそれぞれ進出した状態を示している。)。
【0027】
上記構成により、第1及び第2昇降部11,12が昇降することにより第1及び第2水平移動部15,16が昇降され、その結果、足場部3も昇降する。また、第1及び第2水平移動部15,16が前後方向に移動すると、足場部3も前後方向に移動する。
【0028】
右方足場部18は、第1水平移動部15を中心として扇状に旋回自在とされている。また、左方足場部19は、第2水平移動部16を中心として扇状に旋回自在とされている。
【0029】
なお、足場部3は、設置部位の違いにより上記の構成に分類されるが、共通する部材構成としては、略直方体の枠状に形成された複数の枠組部材(中間足場部17の枠組部材の詳細は後述)と、各枠組部材の上面に配され作業者の踏み床となる作業床(図略)と、各枠組部材に立設され、作業者の転落を防止するための複数の手摺22とを有する。
【0030】
第1水平移動部15の周囲には、中間足場部17と右方足場部18とを結ぶ第1補助通路23が設けられている。また、第2水平移動部16の周囲には、中間足場部17と左方足場部19とを結ぶ第2補助通路24が設けられている。これら第1及び第2補助通路23,24が設けられることにより、足場部3の作業床は、右端に配される右方進退部20から左端に配される左方進退部21にわたってその作業床がほぼ面一とされる。したがって、足場部3に搭乗した作業者は、右方進退部20から左方進退部21に一旦足場部3から降りることなく移動することができる。
【0031】
第1及び第2タワー1,2には、足場部3の中間足場部17、右方足場部18及び左方足場部19を担持支持するための担持機構25がそれぞれ設けられている。右方足場部18及び左方足場部19は、それらが旋回されるとき各担持機構25によってそれぞれ担持される。
【0032】
また、右方足場部18の手摺22には、第1タワー1の第1モータ13等を制御するための第1制御盤26が設けられている。一方、左方足場部19の手摺22には、第2タワー2の第2モータ14等を制御するための第2制御盤27が設けられている。
【0033】
ここで、本実施形態の特徴部分である傾き緩衝機構について説明する。
【0034】
傾き緩衝機構は、中間足場部17の所定部位において設けられている。第1及び第2水平移動部15,16の昇降時、すなわち足場部3の昇降時に中間足場部17に傾きが生じたとき、例えば第2水平移動部16には第1水平移動部15からの引っ張り力(
図8(b)の矢印A参照)が加わることがあるが、傾き緩衝機構は、それを除去するためのものである。傾き緩衝機構は、中間足場部17の枠組部材と手摺22とにそれぞれ設けられる。
【0035】
中間足場部17の枠組部材は、
図3に示すように、第1水平移動部15に連結される第1枠組部材31と、第2水平移動部16に連結される第2枠組部材32と、第1枠組部材31と第2枠組部材32との間に設けられた複数の中間枠組部材33とによって構成される。中間枠組部材33は、第1及び第2枠組部材31,32に比べ、左右方向の寸法が若干長く形成されている。
【0036】
傾き緩衝機構は、中間足場部17の第1水平移動部15側及び第2水平移動部16側にそれぞれ設けられる。第1水平移動部15側の傾き緩衝機構は、
図4に示すように、第1枠組部材31と、中間枠組部材33と、これらの間に介在され側方方向に沿って伸縮自在とされる一対の可動部材34とによって構成される。
【0037】
第1枠組部材31は、水平上下方向にかつ平行に並設され、左右方向に延びた4本の中空角部材35と、各中空角部材35の一端同士を上下方向及び奥行方向にそれぞれ結ぶ4本の一端側連接部材36と、各中空角部材35の他端同士を上下方向及び奥行方向にそれぞれ結ぶ4本の他端側連接部材37とによって構成されている。各中空角部材35は、内部がそれぞれ中空構造とされている。なお、
図4及び
図5では、枠組部材の内方に設けられる、各角部材を結ぶ筋交部材、作業床及び手摺22等を省略している。
【0038】
第1枠組部材31には、その一端側端面に第1水平移動部15と連結するための連結片38が4つ設けられている。各連結片38は、水平方向にかつ左右方向に延びて形成されており、その中央にはボルト(図略)が挿通される挿通孔38aが形成されている。第1枠組部材31の他端側(中空角部材35の他端)端面には、
図5に示すように、4つの開口39が形成され、これら開口39は各中空角部材35の中空内部とそれぞれ連通している。
【0039】
可動部材34は、平面視略コ字状に形成されている(
図5参照)。可動部材34は、奥行き方向に延びる棒状部41と、その両端から側方方向にかつ平行に延びた一対の延出部42とからなる。各延出部42が各中空角部材35の内部に開口39を通じて挿通されることにより、可動部材34は、第1枠組部材31に対して進退自在とされている。
【0040】
棒状部41の中間枠組部材33側の端面41a両端には、中間枠組部材33と連結するための連結片43が設けられている。連結片43は、上下方向にかつ左右方向に突出し、その中央にボルト44が挿着される挿着孔43aが形成されている。本実施形態の可動部材34では、棒状部41の一端に連結片43が一つ形成され、他端に連結片43が二つ形成されている。
【0041】
中間枠組部材33は、水平上下方向にかつ平行に並設され、左右方向に延びた4本の角柱部材46と、各角柱部材46の一端同士を上下方向及び奥行方向にそれぞれ結ぶ4本の一端側連接部材47と、各角柱部材46の他端同士を上下方向及び奥行方向にそれぞれ結ぶ4本の他端側連接部材48(
図4参照)とによって構成されている。
【0042】
中間枠組部材33の可動部材34側の端面には、可動部材34と連結するための4つの連結片49が形成されている。この連結片49は、上下方向にかつ左右方向に突出し、かつその中央にボルト44が挿着される挿着孔49aが形成されている。連結片49は、可動部材34の一つの連結片43と対向する位置において二つ設けられている。可動部材34と中間枠組部材33とが連結される場合には、二つの連結片49が一つの連結片43を挟み込むようにされる。また、連結片49は、可動部材34の二つの連結片43と対向する位置において一つ設けられている。可動部材34と中間枠組部材33とが連結される場合には、一つの連結片49が二つの連結片43に挟み込まれるようにされる。
【0043】
中間枠組部材33の他端(他の中間枠組部材33)側の端面には、他の中間枠組部材33と連結するための4つの連結片50が設けられている(
図4参照)。
【0044】
上記の構成により、一対の可動部材34は、第2枠組部材32にそれぞれ連結される一方、第1枠組部材31に対してそれぞれ進退自在とされる。すなわち、一対の可動部材34は、見かけ上、側方方向に伸縮自在とされる。
【0045】
なお、図示しないが、第2水平移動部16側の傾き緩衝機構は、第1水平移動部15側の傾き緩衝機構と略同様の構成とされる。また、第2枠組部材32と第2水平移動部16との連結構成は、第1枠組部材31と第1水平移動部15との連結構成と同様とされる。また、第2枠組部材32と中間枠組部材33との連結構成は、第1枠組部材31と中間枠組部材33との連結構成と同様とされる。
【0046】
次に、中間足場部17の手摺22における傾き緩衝機構について説明する。手摺22は、
図3に示すように、各枠組部材に対してそれぞれ設けられている。手摺22は、各枠組部材の左右両端から立設された一対の支柱51と、各支柱51を接続するように設けられた上部水平部材52及び下部水平部材53とを備えている。
【0047】
本実施形態によれば、第1枠組部材31の手摺22(以下、「第1枠組手摺54」という)と、中間枠組部材33の手摺22(以下、「中間枠組手摺55」という)との間において、傾き緩衝機構が設けられている。すなわち、第1枠組手摺54と中間枠組手摺55との間であって上部水平部材52及び下部水平部材53の延長線上に、傾き緩衝機構がそれぞれ設けられている。
【0048】
上部水平部材52の延長線上における傾き緩衝機構は、
図6に示すように中空角部材56と、角柱部材57とによって構成される。中空角部材56は、内部が中空構造とされ、一端に開口58が形成されている。中空角部材56の他端には、連結片59が形成され、連結片59は、第1枠組手摺54の支柱51に設けられた取付片60に連結されている。
【0049】
角柱部材57は、略角柱状に形成され、中空角部材56の内部に開口58を通じて挿通されることにより、角柱部材57は、中空角部材56に対して進退自在とされている。角柱部材57の他端には、連結片61が形成され、連結片61は、中間枠組手摺55の支柱51に設けられた取付片62に連結されている。
【0050】
上記の構成により、角柱部材57は、中間枠組手摺55側の支柱51に連結される一方で中空角部材56に対して進退自在とされる。下部水平部材53の延長線上における傾き緩衝機構は、上部水平部材52の延長線上における傾き緩衝機構と同様の構成とされる。なお、上記の手摺22における傾き緩衝機構は、第2枠組部材32の手摺22と中間枠組部材33の手摺22との間においても設けられている。
【0051】
次に、傾き緩衝機構の作用を説明する。
【0052】
作業者が例えば第1制御盤26において昇降指令を操作入力すると、第1及び第2モータ13,14がともに回転駆動される。これにより、第1及び第2昇降部11,12が昇降するとともに第1及び第2水平移動部15,16が昇降し、これにともない、足場部3が昇降される。
【0053】
ここで、例えば第1及び第2モータ13,14の回転速度等にばらつきがあったり、荷物等の積載位置に偏りがあったりすると、
図8(b)に示したように、足場部3が傾く場合がある。足場部3が傾斜したまま昇降されると、例えば第2水平移動部16には、足場部3からの引っ張り力(
図8(b)の矢印A参照)が加わり、第2タワー2の起立状態に支障をきたす。本実施形態では、足場部3において傾き緩衝機構が設けられているため、この引っ張り力を回避することができる。
【0054】
すなわち、足場部3(中間足場部17)において中間枠組部材33が第1枠組部材31より下方になるように傾きが生じると、中間足場部17における重心位置が左方向側に移動する。可動部材34は、第1水平移動部15に連結されている第1枠組部材31に対して進退自在に設けられているため、可動部材34の延出部42は、矢印B(
図7(b)参照)に示す方向に中空角部材35の中空内を移動し、可動部材34は、第1枠組部材31から退出する。また、同様に手摺22においても、足場部3に傾きが生じると、角柱部材57が中空角部材56内を退出するように移動する。
【0055】
そのため、本実施形態では、第2水平移動部16に対して引っ張り力を加えるようなことはない。したがって、第2タワー2の起立状態に支障をきたすことがなく、第2タワー2の起立状態は良好に維持される。また、第2モータ14の回転軸には、中間足場部17が傾くことによる負荷が加わるようなことがない。したがって、第2モータ14は、その製品寿命が短縮されたり損傷したりすることがない。
【0056】
また、上記の傾き方向とは逆に、中間枠組部材33が第2枠組部材32より下方になるように、中間足場部17が傾く場合には、第2水平移動部16側の傾き緩衝機構において可動部材(図略)が右方向側に移動する。そのため、第1タワー1の起立状態を良好に維持し、また第1モータ13の回転軸に負荷がかかるようなこともない。
【0057】
なお、本発明の範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。例えば上記実施形態においては、傾き緩衝機構は、中間足場部17の第1水平移動部15側及び第2水平移動部16側に一つずつ設けられていたが、これに代えて、傾き緩衝機構は、第1水平移動部15側の近傍又は第2水平移動部16側の近傍のいずれかに一つだけ設けられていてもよく、あるいは中間足場部17の中間部分に一つだけ設けられていてもよい。
【0058】
上記実施形態によれば、可動部材34は、第1枠組部材31に対して進退自在とされたが、これに代えて中間枠組部材33に対して進退自在とされていてもよい。この場合、中間枠組部材33の角柱部材46は中空構造とすればよい。また、この場合、可動部材34の一端(固定側)は、直接第1水平移動部15に連結されていてもよい。
【0059】
また、上記実施形態における傾き緩衝機構を構成する部材の数、形態、構成等は、上記実施形態に限るものではない。また、第1及び第2タワー1,2、足場部3、第1及び第2昇降部11,12、並びに第1及び第2モータ13,14等の構成は、適宜設計変更可能である。例えば傾き緩衝機構の可動部材43は、枠組構成ではなく、ゴムやばね等の弾性部材によって構成されてもよい。