(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5875107
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】電池接続体
(51)【国際特許分類】
H01M 2/20 20060101AFI20160218BHJP
【FI】
H01M2/20 Z
H01M2/20 A
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-267759(P2011-267759)
(22)【出願日】2011年12月7日
(65)【公開番号】特開2013-120675(P2013-120675A)
(43)【公開日】2013年6月17日
【審査請求日】2014年12月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100108017
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 貞男
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】池田 智洋
(72)【発明者】
【氏名】井上 知愛
【審査官】
小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/043261(WO,A1)
【文献】
国際公開第2011/021614(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0231640(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0015550(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各電極が直線上に並ぶように配列された複数の電池のうち互いに隣り合う電池の電極同士を接続することでこれら複数の電池を直列に接続する複数のバスバと、前記各バスバに重ねられた端子と、前記各端子に接続された電線と、前記複数のバスバと複数の前記端子と複数の前記電線とを収容したケースと、を有する電池接続体において、
前記端子に、板状に形成され、前記電池の電極が通される貫通孔が形成されたバスバ接続部と、前記バスバ接続部と離隔して配置され、前記電線が接続される電線接続部と、前記バスバ接続部と前記電線接続部とを連結した連結板部と、が設けられ、
前記連結板部は、一端が前記バスバ接続部に連なり、他端が前記電線接続部における前記バスバ接続部と同一平面上に配置された底板に連なり、かつ、前記バスバ接続部における当該バスバ接続部と前記電線接続部との離隔方向に直交する方向の端部及び前記底板の前記離隔方向に直交する方向の端部から垂直に立設している
ことを特徴とする電池接続体。
【請求項2】
前記連結板部に止水材が塗布された状態である
ことを特徴とする請求項1に記載の電池接続体。
【請求項3】
前記電線接続部に、前記底板に連なり、表面に前記電線を位置付ける電線載置部と、互いの間に前記電線が圧入されると前記電線の絶縁被覆を突き破って当該電線の芯線に接触する少なくとも一対の圧接刃と、前記電線をかしめるかしめ片と、が設けられている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電池接続体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド自動車や電気自動車などに用いられる電源装置を構成する電池接続体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電動モータを用いて走行する電気自動車や、エンジンと電動モータとを併用して走行するハイブリッド自動車などには、前記電動モータの駆動源として上記電源装置が搭載されている。この電源装置は、例えば、一方の側面に正の電極(以下、正極と呼ぶ。)、他方の側面に負の電極(以下、負極と呼ぶ。)がそれぞれ設けられた複数の電池が交互に逆向きに重ね合わされて構成された電池集合体と、この電池集合体の両側面に取り付けられる一対の電池接続体と、で構成されている(特許文献1を参照。)。また、
図6は、本願出願人が特許出願中である電池接続体の一部を示す平面図である(特許文献2を参照。)。
【0003】
図6に示す電池接続体201は、前記電池集合体の互いに隣り合う電池の正極12と負極13とを接続することで複数の電池を直列に接続する複数のバスバ203と、各バスバ203に重ねられて各電池の電圧を検出する端子204と、各端子204に接続された電線205と、これらを収容した合成樹脂製のケース206と、を有している。前記電池は、箱型の筐体の一方の側面から円柱状の正極12が突出し、前記筐体の他方の側面から円柱状の負極13が突出した構成となっている。また、
図6中の矢印Xは、複数の電池の重なり方向、及び、電池集合体の長手方向を示している。
【0004】
上記バスバ203は、金属板により板状に形成されており、互いに隣り合う電池の正極12及び負極13が通される一対の貫通孔が形成されている。
【0005】
上記端子204は、金属板にプレス加工等が施されて得られるものである。
図7に示すように端子204には、前記電池の正極12または負極13が通される貫通孔240が形成された板状のバスバ接続部241と、バスバ接続部241と間隔をあけて配置され、電線205が接続される電線接続部242と、バスバ接続部241と電線接続部242とを連結した連結板部243と、バスバ接続部241と電線接続部242との間に形成された回り止め用開口部245と、が設けられている。
【0006】
上記電線接続部242には、連結板部243に連なり、表面に電線205を位置付ける電線載置部242aと、互いの間に電線205を位置付ける一対の側壁242cと、一対の側壁242cから内側に向かって突出し、電線205の絶縁被覆を突き破って当該電線205の芯線に接触する二対の圧接刃242dと、電線205の一端をかしめる一対のかしめ片242bと、が設けられている。また、電線205の他端は、図示しない電圧検出回路に接続されている。
【0007】
また、前述したバスバ接続部241と連結板部243と電線載置部242aとは同一平面上に面一に配置されている。
【0008】
上記ケース206には、1つのバスバ203及びこのバスバ203に重ねられる1つの端子204を収容するバスバ収容部261と、各端子204に接続された電線205を電池接続体201の端部に導く電線収容部262と、各端子204に接続された電線205を各バスバ収容部261から電線収容部262に導く電線導出部263と、が設けられている。各バスバ収容部261は、バスバ203を表面上に位置付ける底壁261aと、この底壁261aの外縁から立設した周壁261bと、によって箱型に形成されている。また、底壁261aには、電池の正極12及び負極13が通される一対の貫通孔が形成されているとともに、端子204の回り止め用開口部245の内側に位置付けられる凸部265が設けられている。
【0009】
続いて、上記構成の電池接続体201の組み立て手順を説明する。まず、バスバ203、端子204、ケース206などを別々に製造しておく。そして、各バスバ3と各端子204とをケース206の各バスバ収容部261に嵌め込む。次に、各電線205を電線収容部262内及び各電線導出部263内に配索し、この電線205の一端を各端子204の電線接続部242に接続する。こうして電池接続体201の組み立てが完了する。
【0010】
また、上述した手順で組み立てられた一対の電池接続体201は、電池集合体の両側面に重ねられ、ケース206の貫通孔、バスバ203の貫通孔、端子204の貫通孔240を通された正極12及び負極13にナット8が螺合されて電池集合体に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2006−269104号公報
【特許文献2】国際公開第2011/043261号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述した電池集合体及び電池接続体201を有する電源装置においては、バスバ収容部261の内部で結露した水分が、バスバ接続部241の表面、連結板部243の表面を
図6中の矢印V,W方向に伝って電線接続部242に到達し、電線接続部242及び電線205に付着することがあるという問題があった。
【0013】
この問題に対し、本願発明者は、電極12,13と電線接続部242との間に位置する連結板部243近傍に止水材を塗布することで前記水分が電線接続部242に到達するのを防ぐことを考え、実験を行った。しかし、実験の結果、電池接続体201の形状では、連結板部243近傍に止水材を塗布したとしても、十分な止水効果が得られないことがわかった。その理由を
図8を参照して以下に説明する。
【0014】
図8は、
図6に示された端子204の連結板部243に止水材7を塗布した場合における、
図6中のT−T線に沿った断面図である。また、連結板部243近傍に止水材7を塗布する際は、
図8中に点線で示すように、未硬化液状の止水材7を連結板部243の上方からスポイト9で滴下した。そして所定の時間を置いて前記止水材7を硬化させた。
【0015】
図8から明らかなように、電池接続体201において連結板部243に止水材7を塗布した場合、止水材7が連結板部243の裏側に回り難いため、連結板部243とケース206の底壁261aとの間に隙間Sが生じてしまう。このように連結板部243と底壁261aとの間に隙間Sが生じていると、電極12,13の部分から前記水分が毛細管現象により隙間Sを通って電線接続部242に到達し易くなる。また、連結板部243の裏側は止水材7によって覆われていないので、前記水分が連結板部243の裏側を伝って電線接続部242に到達してしまう。このような理由から、電池接続体201の形状では、連結板部243近傍に止水材を塗布したとしても、十分な止水効果が得られない。
【0016】
なお、止水材7が連結板部243の裏側に回り難い理由は、連結板部243とケース206の底壁261aとが、面と面が重なる向きで配置されていることによると考えられる。
【0017】
そこで、本発明は、上記のような問題点に着目し、ケース内部で結露した水分が端子と電線との接続部分に到達することを防止できる電池接続体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために請求項1に記載された発明は、各電極が直線上に並ぶように配列された複数の電池のうち互いに隣り合う電池の電極同士を接続することでこれら複数の電池を直列に接続する複数のバスバと、前記各バスバに重ねられた端子と、前記各端子に接続された電線と、前記複数のバスバと複数の前記端子と複数の前記電線とを収容したケースと、を有する電池接続体において、前記端子に、板状に形成され、前記電池の電極が通される貫通孔が形成されたバスバ接続部と、前記バスバ接続部と
離隔して配置され、前記電線が接続される電線接続部と、前記バスバ接続部と前記電線接続部とを連結した連結板部と、が設けられ、前記連結板部は、一端が前記バスバ接続部に連なり、他端が前記電線接続部における前記バスバ接続部と同一平面上に配置された底板に連なり、かつ、前記バスバ接続部
における当該バスバ接続部と前記電線接続部との離隔方向に直交する方向の端部及び前記底板の
前記離隔方向に直交する方向の端部から垂直に立設していることを特徴とする電池接続体である。
【0019】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記連結板部に止水材が塗布され
た状態であることを特徴とするものである。
【0020】
請求項3に記載された発明は、請求項1または請求項2に記載された発明において、前記電線接続部に、前記底板に連なり、表面に前記電線を位置付ける電線載置部と、互いの間に前記電線が圧入されると前記電線の絶縁被覆を突き破って当該電線の芯線に接触する少なくとも一対の圧接刃と、前記電線をかしめるかしめ片と、が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1,3に記載された発明によれば、前記連結板部は、一端が前記バスバ接続部に連なり、他端が前記電線接続部における前記バスバ接続部と同一平面上に配置された底板に連なり、かつ、前記バスバ接続部の端部及び前記底板の端部から垂直に立設しているので、バスバ接続部と連結板部と底板とが同一平面上に面一に形成されている場合と比較して、連結板部が垂直に立設している分、液体が当該端子の表面を伝い難くなる
。よって、ケース内部で結露した水分が、端子と電線との接続部分に到達することを防止できる電池接続体を提供することができる。
【0022】
請求項2に記載された発明によれば、前記連結板部に止水材が塗布されているので、ケース内部で結露した水分が、端子と電線との接続部分に到達することをさらに防止できる電池接続体を提供することができる。
また、連結板部に止水材を塗布する場合、連結板部が垂直に立設していることから止水材が連結板部の裏側まで回り易く、止水材を連結板部近傍に隙間無く充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施の形態にかかる電池接続体とこの電池接続体が取り付けられる電池集合体とを示す斜視図である。
【
図2】
図1に示された電池接続体の一部の平面図である。
【
図3】
図2に示された端子の連結板部に止水材が塗布される様子を示す説明図である。
【
図6】先行技術文献に記載された電池接続体の一部を示す平面図である。
【
図8】
図6に示された端子の連結板部に止水材を塗布した場合における、
図6中のT−T線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の一実施の形態にかかる電池接続体を、
図1ないし
図5を参照して説明する。
【0025】
図1に示すように、本発明の電池接続体1は、同図に示す電池集合体2の側面に取り付けられて電源装置を構成するものである。すなわち、前記電源装置は、電池集合体2と、この電池集合体2の両側面に取り付けられる一対の電池接続体1と、で構成されている。また、この電源装置は、電動モータを用いて走行する電気自動車や、エンジンと電動モータとを併用して走行するハイブリッド自動車などに搭載され、前記電動モータに電力を供給するものである。
【0026】
図1に示すように、上記電池集合体2は、複数の電池10と、これら複数の電池10を互いに重ねて固定する固定部材と、を有している。また、各電池10は、箱型の筐体内に電解液が充填された電池本体11と、この電池本体11の一方の側面及び他方の側面からそれぞれ突出した正極(特許請求の範囲の「電極」に相当)12及び負極(特許請求の範囲の「電極」に相当)13と、を有している。これら正極12及び負極13は、それぞれ、導電性の金属により円柱状に形成されており、その外周面にはナット8と螺合するためのネジ溝が設けられている。
【0027】
さらに、複数の電池10は、これら電池10の重なり方向に沿って正極12及び負極13が直線上に交互に並ぶように配列されている。また、
図1中の矢印Xは、複数の電池10の重なり方向、及び、電池集合体2の長手方向を示し、矢印Zは、各電池10の幅方向すなわち電池集合体2の幅方向を示し、矢印Yは、各電池10の高さ方向すなわち電池集合体2の高さ方向を示している。
【0028】
上記電池接続体1は、主に前述した複数の電池10を直列接続するものであり、互いに隣り合う電池10の正極12と負極13とを接続することで複数の電池10を直列に接続する複数のバスバ3と、各電池10の電圧を検出するために各バスバ3に重ねられて該バスバ3に接続された端子4と、各端子4に接続された電線5と、これら複数のバスバ3と複数の端子4と複数の電線5とを収容した合成樹脂製のケース6と、を有している。
【0029】
上記バスバ3は、金属板にプレス加工等が施されて得られるものであり、
図2に示すように、板状の金属板に、互いに隣り合う電池10の正極12及び負極13が通される一対の貫通孔3aが設けられた構成である。このバスバ3は、一対の貫通孔3aに通された正極12及び負極13にナット8が螺合されることで、これら正極12及び負極13に固定されるとともに電気的に接続される。
【0030】
上記端子4は、金属板にプレス加工等が施されて得られるものである。
図2ないし
図4に示すように端子4には、板状に形成され、電池10の正極12または負極13が通される貫通孔40と、回り止め用開口部44と、が形成されたバスバ接続部41と、バスバ接続部41と間隔をあけて配置され、電線5が接続される電線接続部42と、バスバ接続部41と電線接続部42とを連結した一対の連結板部43と、バスバ接続部41と電線接続部42との間に形成された回り止め用開口部45と、が設けられている。
【0031】
上記バスバ接続部41は、貫通孔40に正極12または負極13を通した状態でバスバ3に重ねられてバスバ3と電気的に接続される。
【0032】
上記電線接続部42には、表面に電線5を位置付ける長方形板状の電線載置部42aと、電線載置部42aの幅方向の両端部からそれぞれ立設し、互いの間に電線5を位置付ける一対の側壁42cと、一対の側壁42cから内側に向かって突出し、互いの間に電線5が圧入されると当該電線5の絶縁被覆を突き破って当該電線5の芯線に接触する二対の圧接刃42dと、電線載置部42aの幅方向の両端部からそれぞれ立設し、電線5の一端をかしめて当該電線5を固定する一対のかしめ片42bと、電線載置部42aの両端部からバスバ接続部41側に延長された一対の底板42eと、が設けられている。また、電線載置部42aと一対の底板42eとは、同一平面上に面一に配置されている。また、一対の底板42eと前記バスバ接続部41とは、互いの間に間隔をあけて同一平面上に配置されている。
【0033】
上記一対の連結板部43は、長方形板状に形成されている。各連結板部43は、一端がバスバ接続部41に連なり、他端が電線接続部42の各底板42eに連なっている。また、各連結板部43は、バスバ接続部41の端部及び各底板42eの端部から垂直に立設している。
【0034】
上記回り止め用開口部44,45は、端子4の貫通孔40を通された正極12または負極13にナット8を螺合させる際に、端子4が貫通孔40を中心に回転することを防止するために形成された開口部である。これら回り止め用開口部44,45の内側には、後述するケース6の凸部64,65が位置付けられる。
【0035】
上記電線5は、導電性の芯線が絶縁被覆で覆われた周知の被覆電線である。この電線5は、一端が端子4の電線接続部42に接続され、他端が図示しない電圧検出回路に接続されている。
【0036】
上記ケース6は、
図1に示すように、1つのバスバ3及びこのバスバ3に重ねられる1つの端子4を収容するバスバ収容部61と、各端子4に接続された電線5を電池接続体1の端部に導く電線収容部62と、各端子4に接続された電線5を各バスバ収容部61から電線収容部62に導く電線導出部63と、が設けられている。また、バスバ収容部61及び電線導出部63はバスバ3と同数設けられており、電線収容部62は共通で1つ設けられている。また、複数のバスバ収容部61は、複数の電池10の重なり方向、すなわち矢印X、に沿って互いに間隔をあけて並べられている。
【0037】
上記各バスバ収容部61は、バスバ3を表面上に位置付ける底壁61aと、この底壁61aの外縁から立設した周壁61bと、によって箱型に形成されている。また、底壁61aには、電池10の正極12及び負極13が通される一対の貫通孔60が形成されている。さらに、底壁61aには、端子4に形成された回り止め用開口部44,45の内側に位置付けられる凸部64,65が設けられている。
【0038】
上記電線収容部62には、
図1に示すように、複数のバスバ収容部61と間隔をあけるとともに、複数のバスバ収容部61の並び方向、すなわち矢印X、に沿って樋状に延び、各端子4に接続された電線5を収容する収容部本体62aと、この収容部本体62aの開口部を覆う蓋体62bと、が設けられている。
【0039】
上記各電線導出部63は、樋状に形成されており、互いに間隔をあけて配置された各バスバ収容部61と電線収容部62とを連結している。
【0040】
続いて、上記構成の電池接続体1の組み立て手順を説明する。まず、バスバ3、端子4、ケース6などを別々に製造しておく。そして、各バスバ3をケース6の各バスバ収容部61に嵌め込む。バスバ収容部61にバスバ3を嵌め込むと、バスバ収容部61に設けられた貫通孔60とバスバ3に設けられた貫通孔3aとが重なる。次に、バスバ収容部61に設けられた凸部64,65が端子4に設けられた回り止め用開口部44,45の内側に位置付けられるように各バスバ3の上に各端子4を重ねる。次に、各電線5を電線収容部62内及び電線導出部63内に配索し、この電線5の一端を一対の側壁42c間に圧入する。これにより、圧接刃42dが電線5の絶縁被覆を突き破って電線5の芯線に接触する。その後、一対のかしめ片42bをかしめて電線5を固定し、電池接続体1の組み立てが完了する。
【0041】
また、上述した手順で組み立てられた一対の電池接続体1は、電池集合体2の両側面に重ねられ、ケース6の貫通孔60、バスバ3の貫通孔3a、端子4の貫通孔40を通された正極12及び負極13にナット8が螺合されて電池集合体2に取り付けられる。
【0042】
このように、本発明の電池接続体1によれば、連結板部43がバスバ接続部41の端部及び底板42eの端部から垂直に立設しているので、バスバ接続部41と連結板部43と底板42eとが同一平面上に面一に形成されている場合(
図6,7を参照。)と比較して、連結板部43が垂直に立設している分、液体が当該端子4の表面を伝い難くなる。よって、バスバ収容部61の内部で結露した水分が端子4と電線5との接続部分、すなわち電線接続部42、に到達することを防止できる。
【0043】
また、本発明の電池接続体1によれば、連結板部43がバスバ接続部41の端部及び底板42eの端部から垂直に立設しているので、電線5が引っ張られた際に連結板部43が撓むことで、すなわち電線接続部42が電線5と共に引っ張られることで、電線5と圧接刃42dとが位置ずれすることを防止でき、そのために、電線5と電線接続部42との接続信頼性を向上させることができる。
【0044】
また、本発明では、一対の連結板部43近傍に止水材等を塗布することによって、バスバ収容部61の内部で結露した水分が電線接続部42に到達することをより確実に防止することができる。上述した電池接続体1の一対の連結板部43近傍に止水材を塗布する場合は、例えば、
図3に示すように、未硬化液状の止水材7を連結板部43の上方からスポイト9等で滴下し、所定の時間を置いて前記止水材7を硬化させるようにする。
【0045】
上述したように連結板部43に止水材7を塗布した場合、本発明では連結板部43がケース6の底壁61aに対して垂直に配置されていることから、
図5に示すように、止水材7が連結板部43の裏側(連結板部43と底壁61aとの間)まで回り易く、止水材7を連結板部43近傍に隙間無く充填することができる。よって、バスバ収容部61の内部で結露した水分が電線接続部42に到達することをより確実に防止することができる。
【0046】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 電池接続体
3 バスバ
4 端子
5 電線
6 ケース
10 電池
12 正極(電極)
13 負極(電極)
41 バスバ接続部
42 電線接続部
42e 底板
43 連結板部