特許第5875114号(P5875114)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5875114
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】噛合チェーン式進退作動装置
(51)【国際特許分類】
   B66F 7/14 20060101AFI20160218BHJP
   F16G 13/20 20060101ALI20160218BHJP
【FI】
   B66F7/14
   F16G13/20
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-94130(P2012-94130)
(22)【出願日】2012年4月17日
(65)【公開番号】特開2013-220907(P2013-220907A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2014年12月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003355
【氏名又は名称】株式会社椿本チエイン
(74)【代理人】
【識別番号】100111372
【弁理士】
【氏名又は名称】津野 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100112298
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100168538
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 来
(74)【代理人】
【識別番号】100169960
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴光
(72)【発明者】
【氏名】柴田 直人
(72)【発明者】
【氏名】庄司 龍太
(72)【発明者】
【氏名】酒井 克徳
【審査官】 藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−115106(JP,A)
【文献】 特開平11−240695(JP,A)
【文献】 特開2011−105505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 7/12
B66F 7/14
F16G 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に噛み合って一体のチェーン剛直化部分を形成する一対の噛合チェーンと、
前記チェーン剛直化部分を通す中空状チェーン通路を形成する内周面にらせん状のチェーン駆動用溝を形成したチェーン駆動用ナットと、
前記チェーン駆動用ナットの中心線と同心上に設けられてチェーン駆動用ナットを回転駆動する中空モータと、
前記噛合チェーンに形成されて前記チェーン駆動用溝に係合するチェーン駆動用突起部とを備えていることを特徴とする噛合チェーン式進退作動装置。
【請求項2】
前記噛合チェーンが、左右一対の内歯プレートで構成される内リンクユニットをチェーン幅方向に複数配置した多列チェーンであり、
前記チェーン駆動用突起部が、前記複数の内リンクユニットのうち前記チェーン幅方向に沿って隣り合う2つの内リンクユニットの間に配置された中間歯プレートの外側部分に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の噛合チェーン式進退作動装置。
【請求項3】
前記一対の噛合チェーンを噛み外した状態と前記一対の噛合チェーンを噛み合せてチェーン剛直化部分を形成する状態との間で前記一対の噛合チェーンをガイドするチェーンガイドユニットが、装置設置面に配置され、
前記中空モータが、前記チェーンガイドユニットに固定設置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の噛合チェーン式進退作動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種製造分野の製造設備、運輸分野の移送設備、医療福祉分野の介護設備、芸術分野の舞台設備などに用いて被駆動体を進退駆動する噛合チェーン式進退作動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、噛合チェーン式進退作動装置としては、フック状内歯プレート、フック状外歯プレート、連結ピンおよびブシュからなる噛合チェーンを備え、ブシュを駆動用スプロケットに係合して噛合チェーンを駆動するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、プッシュブルチェーンに装着した噛合体とこの噛合体に噛み合う巻き線とプッシュブルチェーンをガイドする回曲部とを備えて窓の開閉装置として用いる進退作動装置(例えば、特許文献2)や、プッシュブルチェーンに装着した噛合体とこの噛合体に噛み合う螺旋突条とプッシュブルチェーンを案内する直線案内部とを備えて窓の開閉装置として用いる進退作動装置がある(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−105505号公報(特許請求の範囲、図2及び図4参照。)
【特許文献2】特開平6−240944号公報(特許請求の範囲、図2参照。)
【特許文献3】特開平6−240945号公報(特許請求の範囲、図2参照。)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された噛合チェーン式進退作動装置では、駆動用スプロケットの歯先が噛合チェーンに噛み合う際に生じる衝撃に起因して噛合チェーンに振動が発生し、この振動が噛合チェーンのチェーン長手方向の先端部分に伝播して昇降テーブルなどを揺動させ、安定した昇降動作に支障を来す虞があるという問題点があった。
【0005】
加えて、上述の噛合チェーン式進退作動装置では、駆動用スプロケットを駆動させる減速機にモータ軸を直結した場合、モータの出力トルクを増大させようとすると減速機のサイズが大きくなり、モータや減速機の自由な配置が制限を受けるという問題点があった。
【0006】
また、特許文献2に記載された進退作動装置では、プッシュブルチェーンをガイドする円弧状の回曲部からプッシュブルチェーンに向かって一方向のみに押し付け力が作用するため、座屈しがちなプッシュブルチェーンとチェーン駆動時の回曲部との接触によって多大な機械損失(例えばエネルギー損失)が生じたり、プッシュブルチェーンに摩耗損傷が生じ易いという問題点があった。
【0007】
また、特許文献3に記載された進退駆動装置では、螺旋突条から直線案内部に向かってプッシュブルチェーンに押し付ける力が作用するため、座屈しがちなプッシュブルチェーンと直線案内部との接触に応じてプッシュブルチェーンに摩耗損傷が生じ易いという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、噛合チェーンの進退動作で生じがちなチェーン長手方向の振動を抑制するとともに駆動用スプロケットや減速機などの部品点数を削減して小型化、低床化、省スペース化を達成し、チェーンガイド部材との摩耗損傷や機械損失を回避して安定した進退動作を達成する噛合チェーン式進退作動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
まず、本請求項1に係る発明の噛合チェーン式進退作動装置は、相互に噛み合って一体のチェーン剛直化部分を形成する一対の噛合チェーンと、前記チェーン剛直化部分を通す中空状チェーン通路を形成する内周面にらせん状のチェーン駆動用溝を形成したチェーン駆動用ナットと、前記チェーン駆動用ナットの中心線と同心上に設けられてチェーン駆動用ナットを回転駆動する中空モータと、前記噛合チェーンに形成されて前記チェーン駆動用溝に係合するチェーン駆動用突起部とを備えていることにより、前述した課題を解決したものである。
【0010】
そして、本請求項2に係る発明は、請求項1に係る噛合チェーン式進退作動装置において、前記噛合チェーンが、左右一対の内歯プレートで構成される内リンクユニットをチェーン幅方向に複数配置した多列チェーンであり、前記チェーン駆動用突起部が、前記複数の内リンクユニットのうち前記チェーン幅方向に沿って隣り合う2つの内リンクユニットの間に配置された中間歯プレートの外側部分に形成されていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【0011】
そして、本請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係る噛合チェーン式進退作動装置において、前記一対の噛合チェーンを噛み外した状態と前記一対の噛合チェーンを噛み合せてチェーン剛直化部分を形成する状態との間で前記一対の噛合チェーンをガイドするチェーンガイドユニットが、装置設置面に配置され、前記中空モータが、前記チェーンガイドユニットに固定設置されていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1に係る噛合チェーン式進退作動装置は、相互に噛み合って一体のチェーン剛直化部分を形成する一対の噛合チェーンと、チェーン剛直化部分を通す中空状チェーン通路を形成する内周面にらせん状のチェーン駆動用溝を形成したチェーン駆動用ナットと、このチェーン駆動用ナットの中心線と同心上に設けられてチェーン駆動用ナットを回転駆動する中空モータと、噛合チェーンに形成されてチェーン駆動用溝に係合するチェーン駆動用突起部とを備えていることにより、中空モータの出力が回転トルクとしてチェーン駆動用ナットに伝達され、このチェーン駆動用ナットに伝達された回転トルクが、らせん状のチェーン駆動用溝と噛合チェーンのチェーン駆動用突起部との係合によって一対の噛合チェーンの直線作動状態を円滑に創生するため、従来のような噛合チェーンの進退動作で生じがちなチェーン長手方向の振動を抑制することができるとともに駆動用スプロケットや減速機などの部品点数を削減して小型化、低床化、省スペース化を達成することができ、しかも、チェーン駆動用溝から一対の噛合チェーンにそれぞれ作用する押し付け力が相互に相殺されるため、従来の進退作動装置で用いたチェーン剛直化部分を保持するためのチェーンガイド部材とプッシュブルチェーンとの間で生じたような摩耗損傷や機械損失を回避して安定した進退動作を達成することができる。
【0013】
そして、本請求項2に係る噛合チェーン式進退作動装置は、請求項1に係る噛合チェーン式進退作動装置が奏する効果に加えて、噛合チェーンが、左右一対の内歯プレートで構成される内リンクユニットをチェーン幅方向に複数配置した多列チェーンであり、チェーン駆動用突起部が、複数の内リンクユニットのうちチェーン幅方向に沿って隣り合う2つの内リンクユニットの間に配置された中間歯プレートの外側部分に形成されていることにより、らせん状のチェーン駆動用溝から相互に逆向きにそれぞれ作用する押し付け力がチェーン幅方向の中央で相殺されて剛直化されているため、チェーン剛直化部分に別途チェーンガイド部品を設けることなく一対の噛合チェーンを中空モータの中心線に沿ってチェーン長手方向に確実にガイドして進退動作させることができる。
【0014】
そして、本請求項3に係る噛合チェーン式進退作動装置は、請求項1または請求項2に係る噛合チェーン式進退作動装置が奏する効果に加えて、一対の噛合チェーンを噛み外した状態と一対の噛合チェーンを噛み合せてチェーン剛直化部分を形成する状態との間で一対の噛合チェーンをガイドするチェーンガイドユニットが装置設置面に配置され、中空モータがチェーンガイドユニットに固定設置されていることにより、一対の噛合チェーンが、装置設置面にチェーンガイドユニットを介して固定した中空モータによって駆動されるとともに、装置設置面に固定したチェーンガイドユニットによって噛み外した状態と噛み合せてチェーン剛直化部分を形成する状態との間で確実にガイドされるため、一対の噛合チェーンを安定して進退動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る噛合チェーン式進退作動装置の斜視図。
図2】本発明に係る噛合チェーン式進退作動装置の一部を拡大した斜視図。
図3】中空モータ及びチェーン駆動用ナットの斜視図。
図4】本発明に係る噛合チェーン式進退作動装置の一部を示す断面図。
図5】一対の噛合チェーンの組み立て及び分解斜視図。
図6】噛合チェーンを拡大した平面図。
図7】一対の噛合チェーンを上側から見た平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の噛合チェーン式進退作動装置は、相互に噛み合って一体のチェーン剛直化部分を形成する一対の噛合チェーンと、チェーン剛直化部分を通す中空状チェーン通路を形成する内周面にらせん状のチェーン駆動用溝を形成したチェーン駆動用ナットと、このチェーン駆動用ナットの中心線と同心上に設けられてチェーン駆動用ナットを回転駆動する中空モータと、噛合チェーンに形成されて前記チェーン駆動用溝に係合するチェーン駆動用突起部とを備え、噛合チェーンの進退動作で生じがちなチェーン長手方向の振動を抑制するとともに駆動用スプロケットや減速機などの部品点数を削減して小型化、低床化、省スペース化を達成し、チェーンガイド部材との摩耗損傷や機械損失を回避して安定した進退動作を達成するものであれば、その具体的な実施の態様は、如何なるものであっても何ら構わない。
【0017】
例えば、本発明で用いる噛合チェーンのチェーン幅方向に並列配置される内リンクユニットの列数は、3列以上であってもよい。
また、本発明の噛合チェーン式進退作動装置では、一対の噛合チェーンのチェーン剛直化方向が鉛直方向或いは水平方向であってもよいし、鉛直方向や水平方向に対する斜め方向であってもよい。
なお、本発明の噛合チェーン式進退作動装置における「中間歯プレートの外側部分」は、中間歯プレートの端部のうちチェーン剛直化部分を形成した状態でチェーン駆動用ナットの内周面に臨む側の部分を意味する。
【実施例】
【0018】
以下、本発明の一実施例である噛合チェーン式進退作動装置100を、図1乃至図7に基づいて説明する。
【0019】
ここで、図1は、本発明に係る噛合チェーン式進退作動装置の斜視図であり、図2は、本発明に係る噛合チェーン式進退作動装置の一部を拡大した斜視図であり、図3は、中空モータ及びチェーン駆動用ナットの斜視図であり、図4は、本発明に係る噛合チェーン式進退作動装置の一部を示す断面図であり、図5は、一対の噛合チェーンの組み立て及び分解斜視図であり、図6は、噛合チェーンを拡大した平面図であり、図7は、一対の噛合チェーンを上側から見た平面図である。
【0020】
図1に示すように、本実施例の噛合チェーン式進退作動装置100は、装置設置面Gに据え置き状態で設置されたベースフレームBを備え、重量物などの被駆動物(図示しない)を搭載する被駆動体Tを装置設置面Gに対して平行に維持したまま鉛直方向Yに進退駆動するものである。
【0021】
また、図2に示すように、本実施例の噛合チェーン式進退作動装置100は、一対の噛合チェーン110、110のうち相互に噛み外れたチェーン部分をガイドするとともに収納するチェーンガイドユニット150を備えている。
【0022】
図5に示すように、本実施例の噛合チェーン式進退作動装置100に用いた噛合チェーン110は、左右一対で配置される内歯プレート111、111からなる2つの内リンクユニット111Uと2つの内リンクユニット111Uの間に設けられた2つの中間歯プレート112と、チェーン幅方向Wに沿って2つの内リンクユニット111Uの外側に配置された外歯プレート113とを連結ピン114によりチェーン長手方向に多数連結して構成されている。
連結ピン114は、内歯プレート111に圧入嵌合されたブシュ115に挿嵌されている。
【0023】
図1乃至図7に示すように、本実施例の噛合チェーン式進退作動装置100は、相互に噛み合って一体のチェーン剛直化部分110Gを形成する一対の噛合チェーン110、110と、チェーン剛直化部分110Gを通す中空状チェーン通路HPを形成する内周面120Sにらせん状のチェーン駆動用溝121を形成したチェーン駆動用ナット120と、このチェーン駆動用ナット120の中心線Oと同心上に設けられてチェーン駆動用ナット120を回転駆動する中空モータ130と、前述した一対の噛合チェーン110にそれぞれ形成されてチェーン駆動用溝121に係合するチェーン駆動用突起部112aとを備えている。
なお、本実施例では、チェーン駆動用ナット120の中心線Oが、被駆動体Tを装置設置面Gに対して平行に維持したまま進退駆動する鉛直方向Yと同じ方向になるように配置されている。
【0024】
これにより、本実施例では、中空モータ130の出力が、回転トルクとしてチェーン駆動用ナット120に伝達され、このチェーン駆動用ナット120に伝達された回転トルクが、らせん状のチェーン駆動用溝121と噛合チェーン110のチェーン駆動用突起部112aとの係合によって一対の噛合チェーン110、110の直線作動状態を円滑に創生している。
【0025】
また、前述した噛合チェーン110としては、左右一対の内歯プレート111を備えて構成される内リンクユニット111Uをチェーン幅方向Wに2列に配置した多列チェーンを用いている。
また、前述したチェーン駆動用突起部112aは、チェーン幅方向Wに沿って隣り合う2つの内リンクユニット111U、111Uの間に配置された中間歯プレート112、112の外側部分に形成されている。
【0026】
これにより、一対の噛合チェーン110、110にらせん状のチェーン駆動用溝121から相互に逆向きにそれぞれ作用する押し付け力が、チェーン幅方向Wの中央で相殺されて、一対の噛合チェーン110、110がさらに剛直化されるようになっている。
【0027】
また、前述したチェーンガイドユニット150は、装置設置面Gに配置されており、一対の噛合チェーン110、110を噛み外した状態と一対の噛合チェーン110、110を噛み合せてチェーン剛直化部分110Gを形成する状態との間で一対の噛合チェーン110、110をガイドしている。
そして、前述した中空モータ130は、チェーンガイドユニット150に固定設置されており、チェーン駆動用ナット120の中心線Oと同心上に設けられている。
また、本実施例で用いる中空モータ130については、特開2007−288870号公報に開示されている中空モータ、株式会社安川電機の製品であるΣ―Vシリーズ(ダイレクトドライブ)の中空モータなどを採用することができる。
【0028】
これにより、一対の噛合チェーン110、110は、装置設置面Gにチェーンガイドユニット150を介して固定した中空モータ130によって駆動されるとともに、装置設置面Gに固定したチェーンガイドユニットに150よって噛み外した状態と噛み合せてチェーン剛直化部分110Gを形成する状態との間で確実にガイドされている。
【0029】
このようにして得られた本実施例の噛合チェーン式進退作動装置100は、一対の噛合チェーン110、110と、らせん状のチェーン駆動用溝121を形成したチェーン駆動用ナット120と、チェーン駆動用ナット120を回転駆動する中空モータ130と、噛合チェーン110の中間歯プレート112に形成されてチェーン駆動用溝121に係合するチェーン駆動用突起部112aとを備え、さらに、チェーンガイドユニット150が装置設置面Gに配置され、中空モータ130がチェーンガイドユニット150に固定設置されていることにより、従来のような噛合チェーンの進退動作で生じがちなチェーン長手方向、すなわち、鉛直方向Yの振動を抑制することができるとともに駆動用スプロケットや減速機などの部品点数を削減して小型化、低床化、省スペース化を達成することができ、しかも、従来の進退作動装置で用いたチェーン剛直化部分を保持するためのチェーンガイド部材とプッシュブルチェーンとの間で生じたような摩耗損傷や機械損失を回避して安定した進退動作を達成することができる。
【0030】
そして、チェーン駆動用突起部112aが、噛合チェーン110のチェーン幅方向に沿って隣り合う2つの内リンクユニット111U、111Uの間に配置された中間歯プレート112、112の外側部分に形成されていることにより、チェーン剛直化部分110Gに別途チェーンガイド部品を設けることなく一対の噛合チェーン110、110を中空モータ130の中心線Oに沿ってチェーン長手方向、すなわち、鉛直方向Yに確実にガイドして被駆動体Tを安定して進退動作させることができるなど、その効果は甚大である。
【符号の説明】
【0031】
100 ・・・ 噛合チェーン式進退作動装置
110 ・・・ 噛合チェーン
110G・・・ チェーン剛直化部分
111 ・・・ 内歯プレート
111U・・・ 内リンクユニット
112 ・・・ 中間歯プレート
112a・・・ チェーン駆動用突起部
113 ・・・ 外歯プレート
114 ・・・ 連結ピン
115 ・・・ ブシュ
120 ・・・ チェーン駆動用ナット
120S・・・ チェーン駆動用ナットの内周面
121 ・・・ チェーン駆動用溝
130 ・・・ 中空モータ
150 ・・・ チェーンガイドユニット
HP ・・・ 中空状チェーン通路
W ・・・ チェーン幅方向
Y ・・・ 鉛直方向
O ・・・ 中心線
T ・・・ 被駆動体
B ・・・ ベースフレーム
G ・・・ 装置設置面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7