(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような従来技術では、次のような問題があった。毛管を用いる方法では、異なる装置の測定精度を正確に比較することができるものの、取り扱いの面倒な毛管による測定をわざわざ行わなければならないという問題があった。
【0006】
一方、ファントムを用いる方法では、当該装置における測定の特徴を知って、測定画像に基づく診断に役立てることができるという大きなメリットがあるものの、異なる装置の測定精度を正確に比較することは難しいという問題があった。
【0007】
この発明は、上記の問題点を解決して、当該装置の測定の特徴を得るとともに、測定精度も併せて取得することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)(2)この発明に係る測定精度評価装置は、放射性同位元素を充填領域に充填したファントムにおける放射性同位元素の分布を測定装置によって測定した測定画像を取得する測定画像取得手段と、前記測定画像を三次元フーリエ変換し、三次元フーリエ変換測定画像を算出する測定画像フーリエ変換手段と、前記ファントムの充填領域の形状を表す実画像を三次元フーリエ変換して得た三次元フーリエ変換実画像を取得する三次元フーリエ変換実画像取得手段と、前記三次元フーリエ変換測定画像の各フーリエ変換値を、対応する三次元フーリエ変換実画像の対応する各フーリエ変換値によって除し、三次元フーリエ変換誤差画像を算出する誤差画像算出手段と、前記三次元フーリエ変換誤差画像を、逆フーリエ変換し、点広がり関数画像を算出する点広がり関数画像算出手段と、前記点広がり関数画像に基づいて、前記測定装置の測定精度を算出する測定精度処理手段とを備えている。
【0009】
したがって、所定の方向、所定の平面、全方向の平均などの測定精度を得ることができる。
【0010】
(3)(4)この発明に係る測定精度評価装置は、放射性同位元素を充填領域に充填したファントムにおける放射性同位元素の分布を測定装置によって測定した測定画像を取得する測定画像取得手段と、前記測定画像の少なくとも評価直線または評価平面について、フーリエ変換を行い、フーリエ変換測定画像を算出する測定画像フーリエ変換手段と、前記測定画像の評価直線または評価平面に対応する、前記ファントムの充填領域の形状を表す実画像の評価直線または評価平面について、当該実画像をフーリエ変換したフーリエ変換実画像を取得するフーリエ変換実画像取得手段と、前記フーリエ変換測定画像の各フーリエ変換値を、対応するフーリエ変換実画像の対応する各フーリエ変換値によって除し、フーリエ変換誤差画像を算出する誤差画像算出手段と、前記フーリエ変換誤差画像を、逆フーリエ変換し、点広がり関数画像を算出する点広がり関数画像算出手段と、前記点広がり関数画像に基づいて、前記測定装置の測定精度を算出する測定精度算出手段とを備えている。
【0011】
したがって、所定の方向または所定の平面に関しての測定精度を得ることができる。
【0012】
(5)この発明に係る測定精度評価装置は、測定装置がSPECT装置またはPET装置であることを特徴としている。
【0013】
したがって、SPECT装置またはPET装置の測定精度を得ることができる。
【0014】
(6)この発明に係る測定精度評価装置は、測定精度処理手段が、算出した測定精度に基づいて、測定精度に関連する処理を行うことを特徴としている。
【0015】
(7)この発明に係る測定精度評価装置は、測定画像取得手段が、ネットワークを介して測定精度評価装置に接続された端末装置から送信されてきた測定画像を取得し、測定精度処理手段が、算出した測定精度または測定精度に関連する処理の処理結果を前記端末装置に送信することを特徴としている。
【0016】
したがって、各施設に端末装置があれば、測定精度を得ることができる。
【0017】
(8)この発明に係る測定精度評価方法は、放射性同位元素の分布を測定する装置の精度を評価する方法であって、放射性同位元素を充填領域に充填したファントムにおける放射性同位元素の分布を測定装置によって測定した測定画像を三次元フーリエ変換して、三次元フーリエ変換測定画像を算出し、前記ファントムの充填領域の形状を表す実画像を三次元フーリエ変換して、三次元フーリエ変換実画像を算出し、前記三次元フーリエ変換測定画像の各フーリエ変換値を、対応する三次元フーリエ変換実画像の対応する各フーリエ変換値によって除し、三次元フーリエ変換誤差画像を算出し、前記三次元フーリエ変換誤差画像を、逆フーリエ変換し、点広がり関数画像を算出し、前記点広がり関数画像に基づいて、前記測定装置の測定精度を算出することを特徴としている。
【0018】
したがって、所定の方向、所定の平面、全方向の平均などの測定精度を得ることができる。
【0019】
(9)この発明に係る測定精度評価方法は、放射性同位元素の分布を測定する装置の精度を評価する方法であって、放射性同位元素を充填領域に充填したファントムにおける放射性同位元素の分布を測定装置によって測定した測定画像の少なくとも評価直線または評価平面について、フーリエ変換を行い、フーリエ変換測定画像を算出し、前記ファントムの充填領域の形状を表す実画像の評価直線または評価平面に対応する、前記実画像の評価直線または評価平面について、当該実画像をフーリエ変換し、フーリエ変換実画像を算出し、前記フーリエ変換測定画像の各フーリエ変換値を、対応するフーリエ変換実画像の対応する各フーリエ変換値によって除し、フーリエ変換誤差画像を算出し、前記フーリエ変換誤差画像を、逆フーリエ変換し、点広がり関数画像を算出し、前記点広がり関数画像に基づいて、前記測定装置の測定精度を算出することを特徴としている。
【0020】
したがって、所定の方向または所定の平面に関しての測定精度を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
1.測定精度評価の原理
この発明の一実施形態による測定精度評価の原理を、
図10を参照して説明する。
図10Aは、必要な部位に放射性物質を充填したファントムをSPECT装置などの測定装置にて測定した三次元測定画像の例である。なお、三次元測定画像は立体画像であるが、
図10Aにおいては、その一部の平面における画像のみを示している。以下の説明においても、
図6〜
図8、
図10の画像について、本来は立体画像であるが、その一部の平面における画像のみを示す。
【0023】
図10Bは、ファントムの放射性物質を充填した部位の三次元形状を示す立体画像である。これを三次元実画像と呼ぶ。測定装置の精度が高い場合、三次元実画像と三次元測定画像は一致することになる。測定装置の測定精度(いわゆる分解能)は、
図10Cに示すように、点広がり関数画像として示される。つまり、この点広がり関数画像が、ぼやけて広がりのある画像であれば測定精度が低く、はっきりしたシャープな画像であれば測定精度が高いことになる。ここで、三次元測定画像は、三次元実画像に点広がり関数をコンボリューション演算したものとなる。
【0024】
この実施形態では、三次元測定画像と三次元実画像に基づいて、点広がり関数を算出して、測定装置の測定精度を得るようにしている。まず、
図10Aの三次元測定画像を三次元空間的にフーリエ変換する。これにより、
図10Dに示す三次元フーリエ変換測定画像が得られる。次に、
図10Bの三次元実画像を三次元空間的にフーリエ変換する。これにより、
図10Eに示す三次元フーリエ変換実画像が得られる。ここで、三次元フーリエ変換測定画像は、三次元フーリエ変換実画像に誤差成分をフーリエ変換した値(三次元フーリエ変換誤差画像と呼ぶ)を乗じたものとなっている。そこで、
図10Dの三次元フーリエ変換測定画像の各ボクセルを、
図10Eの三次元フーリエ変換実画像の対応するボクセルにて除して、
図10Fの三次元フーリエ変換誤差画像を得る。
【0025】
図10Fの三次元フーリエ変換誤差画像は、
図10Cの点広がり関数画像をフーリエ変換したものに等しいものである。そこで、
図10Fの三次元フーリエ変換誤差画像を逆フーリエ変換し、点広がり関数を算出する。このようにして、点広がり関数を算出し、これに基づいて、測定装置の測定精度を得る。
【0026】
2.機能ブロック図
図1に、この発明の一実施形態による測定精度評価装置の機能ブロック図を示す。測定画像取得手段2は、必要な部位に放射性物質を充填したファントムをSPECT装置などの測定装置にて測定した三次元測定画像を取得する。この三次元測定画像は、測定装置から直接取得してもよいし、測定装置から予め取得し記録しておいたものを取得するようにしてもよい。測定画像フーリエ変換手段4は、上記のようにして取得した三次元測定画像を、三次元フーリエ変換する。
【0027】
実画像取得手段6は、前記ファントムの放射性物質を充填した部位の三次元形状を、三次元実画像として取得する。この実施形態では、三次元実画像は、予め記録されたものを取得するようにしている。実画像フーリエ変換手段8は、上記のようにして取得した三次元実画像を、三次元フーリエ変換する。
【0028】
なお、この実施形態では、実画像取得手段6と実画像フーリエ変換手段8とによって三次元フーリエ変換実画像取得手段7が構成されている。また、上記のようにして得た三次元フーリエ変換実画像を予め記録しておき、これを三次元フーリエ変換実画像取得手段7が取得するようにしてもよい。
【0029】
誤差画像算出手段10は、三次元フーリエ変換測定画像の各フーリエ変換値を、対応する三次元フーリエ変換実画像の各フーリエ変換値によって割る。これにより、三次元フーリエ変換誤差画像を得る。
【0030】
点広がり関数算出手段12は、三次元フーリエ変換誤差画像を逆フーリエ変換し、点広がり関数画像を算出する。測定精度処理手段14は、点広がり関数画像に基づいて、測定装置の測定精度を算出する。
【0031】
3.ハードウエア構成
図2に、この発明の一実施形態による測定精度評価装置のハードウエア構成を示す。CPU20には、メモリ22、ディスプレイ24、CD−ROMドライブ26、ハードディスク28、インターフェイス30が接続されている。メモリ22は、ワークエリアとして機能するものである。ハードディスク28には、オペレーティングシステム(たとえば、マイクロソフト社のWINDOWS(商標))34、測定精度評価プログラム36、三次元実画像38などが記録されている。
【0032】
測定精度評価プログラム36は、オペレーティングシステム34と協働してその機能を発揮するものである。三次元実画像38は、ファントムにおける放射性同位元素の充填領域の三次元画像データである。この実施形態では、予め三次元実画像38を記録しているが、その都度取り込むようにしてもよい。
【0033】
なお、オペレーティングシステム34、測定精度評価プログラム36は、いずれも、CD−ROM32に記録されていたものを、CD−ROMドライブ26を介してハードディスク28にインストールしたものである。
【0034】
インターフェイス30を介して、SPECT装置40が接続されている。したがって、SPECT装置40によって測定された三次元測定画像は、インターフェイス30を介して、直接取り込むことが可能となっている。なお、SPECT装置40によって測定された三次元測定画像を、CD−ROMに記録し、CD−ROMドライブ26を介して取り込むようにしてもよい。
【0035】
3.測定精度評価プログラムの処理
図3に、測定精度評価プログラム36のフローチャートを示す。CPU20は、まず、インターフェイス30を介して、SPECT装置40からファントムの三次元測定画像を取得し、ハードディスク28に記録する(ステップS1)。
【0036】
この実施形態において用いたファントム50を、
図5A、
図5Bに示す。
図5Bは、
図5Aの横断面図である。このファントム50においては、2つの空間が設けられている。灰白質に相当する部位の空間、骨に相当する部位の空間である。
【0037】
図5Bにおいて、空間52が灰白質に相当する空間、空間54が骨に相当する空間である。
図5Aに示す注入口55は空間52に試料を充填するための注入口であり、注入口53、57は空間54に試料を充填するための注入口である。
【0038】
この実施形態では、灰白質に対応する空間52に放射性同位元素(
123Iなど)を含有する試料を注入した。また、骨領域に対応する空間54には、骨と同様の吸収係数となるように濃度調整されたK
2HPO
4溶液(たとえば、100gのK
2HPO
4を水67gに溶解した液)を注入した。灰白質に対応する空間に放射性同位元素を含有した試料を注入したのは、実際の検査においては、灰白質に血管が集中しており、この部分に放射性医薬品が分布することになるからである。なお、骨領域は、放射性同位元素から放出されるガンマ線を吸収する性質を有する。そこで、これをシミュレートするため、骨と同等の吸収係数となるように調整されたK
2HPO
4溶液を空間54に注入している。
【0039】
上記のファントムをSPECT装置によって測定した三次元測定画像を、ステップS1において、取り込み記録する。三次元測定画像の例を、
図6Aに示す。三次元測定画像は、ボクセルによって構成される立体画像であるが、
図6Aでは、その一部の平面のみを示している。以下、
図6〜
図12において同様である。
【0040】
次に、CPU20は、ハードディスク28から三次元実画像38(ファントムにおける放射性同位元素の充填領域の三次元画像データ)を読み出す(ステップS2)。続いて、CPU20は、三次元測定画像を三次元実画像38(
図6B参照)と対応するように位置合わせを行う(ステップS3)。この実施形態では、三次元測定画像を僅かずつ移動・回転し、各位置における相互情報を算出して、両画像が最もよく重なっている位置を見いだすようにしている。相互情報を用いた位置あわせについては、F. Maes et al., "Multimodality Image Registration by Maximization of Mutual Information," IEEE Transactions on Medical Imaging, (USA), 1997, 16, 2, p187-198に詳しい説明がなされている。
【0041】
次に、CPU20は、取り込んだ三次元測定画像について、空間的に三次元フーリエ変換を行う(ステップS4)。この実施形態では、FFT処理によって三次元フーリエ変換を行っている。
【0042】
三次元測定画像は、SPECT装置の定める大きさボクセルによって構成されている。一般的には、2〜3mm角のボクセルによって構成されることが多い。このようにして得た三次元フーリエ変換測定画像は、ハードディスク28に記録される。
図7Aに三次元フーリエ変換測定画像を示す。
【0043】
次に、CPU20は、ハードディスク28から三次元実画像38を読み出し、空間的に三次元フーリエ変換を行う(ステップS5)。
図6Bに、三次元実画像の例を示す。なお、この実施形態では、三次元実画像38を構成するボクセルは、三次元測定画像のボクセルよりもかなり小さい。つまり、精度の高い画像を用いている。
【0044】
そこで、CPU20は、三次元実画像を三次元測定画像と同じ大きさのボクセルに変換した後(
図6C参照)、三次元フーリエ変換を行うようにしている。このようにして得た三次元フーリエ変換実画像は、ハードディスク28に記録される。
図7Bに三次元フーリエ変換実画像を示す。
【0045】
次に、CPU20は、三次元フーリエ変換画像の各ボクセルのフーリエ変換値を、当該ボクセルに対応する三次元フーリエ実画像のボクセルのフーリエ変換値で除する(ステップS6)。これにより、三次元フーリエ変換誤差画像を得る。
図8Aに三次元フーリエ変換誤差画像の例を示す。
【0046】
続いて、CPU20は、三次元フーリエ変換誤差画像を逆フーリエ変換し、点広がり関数画像を得る(ステップS7)。
図8Bに点広がり関数画像を示す。この点広がり関数画像が、ぼやけて広がっていると測定精度が低く、ハッキリとシャープであれば測定精度が高いことになる。
【0047】
そこで、この実施形態では、全方向における半値幅を平均して、平均半値幅を算出し、これを装置の測定精度としている(ステップS8)。
図9に、
図8Bに示す点広がり画像の直線IX-IXにおける濃度変化を示す。この時の濃度のピークPに対して半分の濃度P/2となる位置を特定し、その幅Wを半値幅として算出する。点広がり関数画像は立体画像であるから、これを全方向について行って半値幅Wを算出し、その平均値を算出する。
【0048】
4.実験例
0.8mmの内径のキャピラリーに放射能量約30MBq相当の塩酸N−イソプロピル−4−ヨードアンフェタミン(
123I)(日本メジフィジックス株式会社製)溶液を注入し、SPECT装置(株式会社東芝製、形式、GCA7200A)にて計測した画像を
図11Aに示す。この例では、5つのキャピラリーについて測定を行った。また、
図11Bは、
図11Aの画像について、直線上における濃度の変化を示したものである。
【0049】
脳ファントムの灰白質に対応する空間52に放射能量約30MBq相当の塩酸N−イソプロピル−4−ヨードアンフェタミン(
123I)(日本メジフィジックス株式会社製)を水で3リットルの容量に希釈した溶液を注入し、骨領域に対応する空間54に、100gのK
2HPO
4に対して水67gの割合で混合して調製した液を注入した。これを、上記SPECT装置にて計測を行い、算出した点広がり画像を
図11Cに示す。
【0050】
キャピラリーによって計測した画像の半値幅は、平均9.1mmであった。なお、0.8mmの内径は、SPECT装置の分解能からみて、十分に小さく無視できる大きさである(無限小の点と考えることができる)。
【0051】
一方、本発明の手法によって得た半値幅は、9.6mmであった。本発明では、無限小の点に放射性物質があるものとして、その測定画像の広がりを算出していることになる。
【0052】
以上のように、本発明の手法による測定精度の算出結果においても、従来のキャピラリーを用いた方法とほぼ同等の結果を得ることができた。
【0053】
5.その他
(1)上記実施形態では、測定精度を算出する処理について説明した。しかし、測定して得た三次元測定画像と、三次元実画像を比較し(対応するボクセルについて濃度値の差を算出し)、当該測定装置の特徴を得る処理を併せて行うこともできる。これにより、当該装置の特徴と測定精度を併せて得ることができる。
【0054】
たとえば、SPECT装置によって
図12Aに示すような三次元測定画像を得ることができたとする。また、この時のファントムにおける充填領域の画像(三次元実画像)を
図12Bに示す。
【0055】
三次元実画像のボクセルの大きさを、三次元測定画像のボクセルの大きさに揃える。このようにして得た三次元実画像を、
図12Dに示す。SPECT装置におけるボクセルは、三次元実画像のボクセルよりもかなり大きい。この大きさの違いだけ、SPECT装置の分解能が低いとになる。
【0056】
ここで、SPECT装置における測定において、局所的な測定の偏りがなければ、三次元測定画像は、上記のようにしてボクセルを大きくした三次元実画像と等しくなる筈である。両者に差が出るということは、当該SPECT装置において場所的に測定誤差が生じているということになる。これを当該装置の特徴と呼ぶ。
【0057】
図12Cの三次元測定画像と、
図12Dに示すボクセル変換済みの三次元実画像との差を算出することにより、当該装置の特徴を得ることができる。
図12Eにこれを示す。
【0058】
このように、当該装置の特徴を知ることにより、三次元測定画像を用いた判断をより正確に行うことができる。
【0059】
(2)上記実施形態では、SPECT装置を例に説明したが、PET装置など他の放射線分布を測定する装置にも適用することができる。
【0060】
(3)上記実施形態では、三次元実画像のボクセルを三次元測定画像のボクセルに合致させてからフーリエ変換を行うようにしている。しかし、三次元実画像における本来のボクセルのままで、フーリエ変換を行うようにしてもよい。
【0061】
(4)上記実施形態では、三次元測定画像および三次元実画像をフーリエ変換し、三次元フーリエ変換測定画像と三次元フーリエ変換実画像に基づいて三次元フーリエ変換誤差画像を算出し、これを逆フーリエ変換することによって点広がり関数画像を得ている。しかし、三次元測定画像と三次元実画像に基づいて、直接的に、点広がり関数を算出するようにしてもよい。
【0062】
(5)上記実施形態では、全方向に関しての測定精度の平均を算出するようにしている。しかし、特定方向についての測定精度、特定平面についての測定精度を算出するようにしてもよい。
【0063】
(6)上記実施形態では、三次元測定画像、三次元実画像を用いて測定精度を算出している。しかし、所定の平面における二次元測定画像、二次元実画像を用いて測定精度を算出するようにしてもよい。この場合には、二次元フーリエ変換を行い、二次元フーリエ変換測定画像と二次元フーリエ変換実画像に基づいて二次元フーリエ変換誤差画像を算出し、これを逆フーリエ変換することによって二次元の点広がり関数画像を得ることになる。
【0064】
さらに、所定の直線における一次元測定画像、一次元実画像を用いて測定精度を算出するようにしてもよい。この場合には、一次元フーリエ変換を行うことになる。
【0065】
(7)上記実施形態では、半値幅を測定精度として算出している。しかし、波形の急峻度などを測定精度としてもよい。
【0066】
(8)上記実施形態では、脳ファントムを例に説明を行ったが、他の部位のファントムを用いてもよい。
【0067】
(9)また、
図13に示すように、測定精度評価装置60をインターネット上のサーバとして構成してもよい。この場合、端末装置62から、三次元測定画像を、インターネット64を介して測定精度評価装置60に送信する。測定精度評価装置60の測定画像取得手段2は、これを受信する。以下の処理は、
図1と同様である。測定精度処理手段14によって算出された測定精度は、インターネット64を介して、端末装置62に返信される。
【0068】
このようにすることにより、各病院などの施設からの要求を受けて、測定精度を送り返すことができる。