特許第5875477号(P5875477)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5875477映像処理装置および異型サイズ画面での映像表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5875477
(24)【登録日】2016年1月29日
(45)【発行日】2016年3月2日
(54)【発明の名称】映像処理装置および異型サイズ画面での映像表示方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/26 20060101AFI20160218BHJP
   G09G 5/14 20060101ALI20160218BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20160218BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20160218BHJP
【FI】
   G09G5/26 E
   G09G5/14 A
   G09G5/36 520E
   G09G5/36 520P
   B60K35/00 Z
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-148666(P2012-148666)
(22)【出願日】2012年7月2日
(65)【公開番号】特開2014-10396(P2014-10396A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】角掛 康治
【審査官】 西村 直史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−018802(JP,A)
【文献】 特開2001−169199(JP,A)
【文献】 特開2003−198975(JP,A)
【文献】 特許第4507639(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/01,3/048−3/0489
G09G5/00 −5/42
H04N5/38 −5/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定サイズ画面とは異なる異型サイズ画面に映像を表示するか否かを判定する表示サイズ判定部と、
上記表示サイズ判定部により上記異型サイズ画面に映像を表示すると判定された場合、上記映像と共に表示される字幕の横幅を検出する字幕幅検出部と、
上記字幕幅検出部により検出された字幕の横幅と上記異型サイズ画面の横幅とに基づいて、上記異型サイズ画面の横幅に字幕幅が合うような拡大/縮小率を求め、当該拡大/縮小率に従って上記映像を幅方向に拡大または縮小させる拡大/縮小部とを備えたことを特徴とする映像処理装置。
【請求項2】
上記拡大/縮小部により上記映像が拡大または縮小された後も、上記字幕幅検出部による検出処理を実行し、
上記拡大/縮小部は、上記字幕幅検出部により以前検出された字幕の横幅よりも、後に検出された字幕の横幅の方が大きい場合には、当該後に検出された字幕の横幅と上記異型サイズ画面の横幅とに基づいて、上記異型サイズ画面の横幅に字幕幅が合うような拡大/縮小率を改めて求め、当該改めて求めた拡大/縮小率に従って上記映像を幅方向に拡大または縮小させることを特徴とする請求項1に記載の映像処理装置。
【請求項3】
上記拡大/縮小部は、上記以前検出された字幕の横幅よりも、上記後に検出された字幕の横幅の方が大きくない場合には、上記映像の拡大および縮小は改めて行わずサイズを維持することを特徴とする請求項2に記載の映像処理装置。
【請求項4】
上記拡大/縮小部は、上記求めた拡大/縮小率が所定の最大拡大/縮小率を超える場合は、当該最大拡大/縮小率に従って上記映像を幅方向に拡大または縮小させることを請求項1に記載の特徴とする映像処理装置。
【請求項5】
上記拡大/縮小部により上記映像が拡大または縮小された後も、上記表示サイズ判定部による判定処理を実行し、
上記拡大/縮小部は、上記表示サイズ判定部により上記所定サイズ画面に映像を表示すると判定された場合には、上記映像の拡大および縮小を解除することを特徴とする請求項1に記載の映像処理装置。
【請求項6】
映像処理装置の表示サイズ判定部が、所定サイズ画面とは異なる異型サイズ画面に映像を表示するか否かを判定する第1のステップと、
上記表示サイズ判定部により上記異型サイズ画面に映像を表示すると判定された場合、上記映像処理装置の字幕幅検出部が、上記映像と共に表示される字幕の横幅を検出する第2のステップと、
上記映像処理装置の拡大/縮小部が、上記字幕幅検出部により検出された字幕の横幅と上記異型サイズ画面の横幅とに基づいて、上記異型サイズ画面の横幅に字幕幅が合うような拡大/縮小率を求め、当該拡大/縮小率に従って上記映像を幅方向に拡大または縮小させる第3のステップとを有することを特徴とする異型サイズ画面での映像表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像処理装置および異型サイズ画面での映像表示方法に関し、特に、所定のアスペクト比から成る所定サイズの映像を異型サイズ画面に表示する機能を備えた映像処理装置および映像表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置においては、AVソースの映像を表示する際のモードとして、図4(a)に示すように所定のアスペクト比で映像を全画面表示させる全画面表示モード、図4(b)〜(d)のように2画面に分割して地図画像等と共に映像を表示させる2画面表示モードとが用意されている。2画面表示モードでは、全画面のサイズと比べて異型サイズとなる映像表示エリア(2画面のうちの一方)に映像が表示されることとなる。
【0003】
2画面表示モードには、映像表示エリアに元映像の全範囲がちょうど収まるようにサイジングするジャスト表示モード(図4(b))、ジャスト表示すると映像が縦長になってしまうことを改善するため左右方向に元映像を拡大させる固定値表示モード(図4(c))、元映像のアスペクト比を維持するように元映像を縮小し表示させるアスペクト比優先表示モード(図4(d))がある。
【0004】
ところが、ジャスト表示モードでは、映像表示エリアに表示される映像が縦伸びした状態になり見にくくなってしまうという問題があった。また、固定値表示モードでは、左右方向に映像が拡大されるため、元映像の左右領域の一部が欠けてしまう。そのため、映像上に字幕を表示させていた場合、字幕の左右端部分が切れて見えなくなってしまうことがあるという問題があった。また、アスペクト比優先表示モードでは、映像が全体として縮小されるため映像が小さくなって見にくくなってしまうという問題があった。
【0005】
なお、親子画面表示されている部分に字幕を移動表示する場合、子画面と重ならないように字幕の位置とサイズを制御するようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−214847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、2画面表示モード時などにおいて異型サイズ画面へ映像を表示する際における上述の問題を解決するために成されたものであり、異型サイズ画面に表示される映像の視認性を向上させることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するために、本発明では、所定サイズ画面とは異なる異型サイズ画面に映像を表示する際に、映像と共に表示される字幕の横幅と異型サイズ画面の横幅とに基づいて、異型サイズ画面の横幅に字幕幅が合うような拡大/縮小率を求め、当該拡大/縮小率に従って映像を幅方向に拡大または縮小させるようにしている。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成した本発明によれば、映像と共に表示されている字幕が異型サイズ画面内で最も大きく、かつ途切れることなく表示される。また、異型サイズ画面の横幅が字幕の横幅に比べてかなり小さくない限り、映像が幅方向に大きく縮小されることはなく、異型サイズ画面に表示される映像が縦伸びした状態になることを防止することができる。さらに、映像が全体として縮小されることもないので、異型サイズ画面に表示される映像が小さくなり過ぎることも防止することができる。これにより、例えば2画面表示モード時などにおいて異型サイズ画面へ映像を表示する際に、当該映像の視認性を従来よりも向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態による映像処理装置を備えた車載システムの構成例を示すブロック図である。
図2】本実施形態の表示画面例を示す図である。
図3】本実施形態による映像処理装置の動作例を示すフローチャートである。
図4】各種表示モードにおける画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による映像処理装置10を備えた車載システムの構成例を示すブロック図である。図2は、本実施形態の表示画面例を示す図である。図1に示すように、本実施形態の車載システムは、映像処理装置10の他に、ナビゲーション装置20、デジタル放送受信装置30およびディスプレイ40を備えて構成されている。
【0012】
ナビゲーション装置20は、自立航法センサやGPS(Global Positioning System)受信機などを用いて車両の現在位置を検出する。そして、現在位置近傍の地図データを記録媒体から読み出して地図画像を生成し、映像処理装置10に出力する。
【0013】
デジタル放送受信装置30は、デジタル放送の電波を受信し、復調処理、誤り訂正処理、トランスポートストリーム分離処理、デコード処理などを行う。これにより、デジタル放送の映像情報、音声情報、字幕情報、制御情報などを生成し、音声情報を除く他の情報を映像処理装置10に出力する。なお、音声情報については、図示しない音声処理装置に出力される。ここで、制御情報の中には、字幕の表示位置情報が含まれている。
【0014】
映像処理装置10は、ナビゲーション装置20から供給される地図画像と、デジタル放送受信装置30から供給される映像情報および字幕情報とをディスプレイ40に表示させるための制御を行う。そのための機能構成として、映像処理装置10は、表示制御部1、操作受付部2、システムメモリ3、表示サイズ判定部4、字幕幅検出部5および拡大/縮小部6を備えている。
【0015】
なお、表示制御部1、操作受付部2、表示サイズ判定部4、字幕幅検出部5および拡大/縮小部6の機能は、実際にはコンピュータのCPUあるいはMPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。
【0016】
表示制御部1は、ナビゲーション装置20から供給される地図画像、デジタル放送受信装置30から供給される映像情報および字幕情報のディスプレイ40に対する表示の制御を行う。例えば、表示制御部1は、全画面表示モードと2画面表示モードとの何れかに従って、以下に説明する表示制御を実行する。
【0017】
全画面表示モードにおいて、表示制御部1は、地図画像または映像情報(字幕表示機能がオンに設定されている場合は更に字幕情報)を所定のアスペクト比(例えば、16:9)でディスプレイ40に全画面表示させる。この全画面が、特許請求の範囲における「所定サイズ画面」に相当する。なお、以下では、映像情報および字幕表示設定されている場合の字幕情報を放送映像と総称する。
【0018】
2画面表示モードにおいて、表示制御部1は、ディスプレイ40を2画面に分割し、それぞれの画面(一方が地図画像表示エリア、他方が放送映像表示エリア)に対して地図画像および放送映像を表示させる。この場合の放送映像表示エリアが、特許請求の範囲における「異型サイズ画面」に相当する。
【0019】
操作受付部2は、図示しない操作部に対する各種の操作を受け付ける。操作部は、ディスプレイ40に設けられたタッチパネルであってもよいし、リモコンであってもよい。操作受付部2は、例えば、全画面表示モードと2画面表示モードの何れかに表示モードを設定するための操作を受け付ける。システムメモリ3は、操作受付部2が受け付けた表示モードの設定情報を記憶する。
【0020】
上述の表示制御部1は、システムメモリ3に記憶された表示モードの設定情報に基づいて、全画面表示モードと2画面表示モードとの何れかに従い、地図画像および放送映像のディスプレイ40に対する表示制御を実行する。
【0021】
表示サイズ判定部4は、システムメモリ3に記憶された表示モードの設定情報に基づいて、所定サイズ画面(全画面)とは異なる異型サイズ画面(放送映像表示エリア)に放送映像を表示するか否か、つまり2画面表示モードが設定されているか否かを判定する。
【0022】
字幕幅検出部5は、表示サイズ判定部4により異型サイズ画面に放送映像を表示すると判定された場合、デジタル放送受信装置30から供給される制御情報(具体的には、字幕の表示位置情報)に基づいて、放送映像の映像情報と共に表示される字幕の横幅を検出する。すなわち、図2(a)に示すように、字幕情報の左端から右端までの幅W1を検出する。
【0023】
拡大/縮小部6は、字幕幅検出部5により検出された字幕の横幅と放送映像表示エリアの横幅とに基づいて、放送映像表示エリアの横幅に字幕幅が合うような拡大/縮小率を求める。そして、当該拡大/縮小率に従って、デジタル放送受信装置30から供給される放送映像を幅方向に拡大または縮小し、拡大/縮小済みの放送映像を表示制御部1に出力する。
【0024】
例えば、図2(b)に示すように、字幕幅検出部5により検出された字幕の横幅W1より、放送映像表示エリアの横幅W2の方が大きい場合、拡大/縮小部6は、W2/W1の拡大率で放送映像を幅方向に拡大させる。一方、字幕幅検出部5により検出された字幕の横幅W1より、放送映像表示エリアの横幅W2の方が小さい場合、拡大/縮小部6は、W2/W1の縮小率で放送映像を幅方向に縮小させる。なお、拡大/縮小部6は、高さ方向には放送映像を拡大も縮小もしない。本実施形態では横方向の2画面表示としているため、放送映像表示エリアの高さは全画面の高さと変わらないからである。
【0025】
なお、拡大/縮小部6は、字幕の横幅W1と放送映像表示エリアの横幅W2とから求めた拡大/縮小率W2/W1が所定の最大拡大/縮小率を超える場合は、当該最大拡大/縮小率に従って放送映像を幅方向に拡大または縮小させる。例えば、字幕の横幅W1が放送映像表示エリアの横幅W2と比べてかなり小さい場合には、拡大率W2/W1が大きくなり、放送映像が極端に拡大して表示されるため、見にくくなってしまう。一方、字幕の横幅W1が放送映像表示エリアの横幅W2と比べてかなり大きい場合には、縮小率W2/W1が小さくなり、放送映像が極端に縮小して表示されるため、見にくくなってしまう。このような視認性の悪化を防止するために、極端な拡大や縮小が行われないよう所定の最大拡大/縮小率を設定しておくのが好ましい。
【0026】
ところで、放送映像の映像情報と共に表示される字幕の横幅は、常に固定であるとは限らない。そこで、字幕幅検出部5は、図2(b)のように拡大/縮小部6により放送映像が拡大または縮小された後も、映像情報と共に表示される字幕の横幅を検出する処理を実行する。ここで、以前検出された字幕の横幅(直近で放送映像の拡大/縮小が行われたときの横幅)をW1、後に検出された字幕の横幅をW1’とする。
【0027】
もし、以前検出された字幕の横幅W1より、後に検出された字幕の横幅W1’の方が大きい場合、以前の拡大/縮小率W2/W1で放送映像を表示し続けると、後に検出された字幕の一部が放送映像表示エリアの外側にはみ出して、字幕の左右端部分が切れて見えなくなってしまう。そこで、拡大/縮小部6は、字幕幅検出部5により以前検出された字幕の横幅W1よりも、後に検出された字幕の横幅W1’の方が大きい場合には、当該後に検出された字幕の横幅W1’と放送映像表示エリアの横幅W2とに基づいて、放送映像表示エリアの横幅W2に字幕幅が合うような拡大/縮小率W2/W1’を改めて求め、当該改めて求めた拡大/縮小率W2/W1’に従って放送映像を幅方向に拡大または縮小させる。
【0028】
一方、拡大/縮小部6は、以前検出された字幕の横幅W1よりも、後に検出された字幕の横幅W1’の方が大きくない場合には、放送映像の拡大および縮小は改めて行わず、放送映像のサイズを維持する。なお、以前検出された字幕の横幅W1よりも、後に検出された字幕の横幅W1’の方が小さくなった場合に、拡大/縮小率W2/W1’を改めて求めて放送映像の拡大または縮小を行ってもよいが、それを行わなくても字幕が欠けることはない。そこで、放送映像のサイズが字幕の横幅に応じて頻繁に変わることを避けるために、字幕が欠けることとなる場合にのみ放送映像の拡大/縮小を改めて行うようにするのが好ましい。
【0029】
また、放送映像の表示中に表示モードが常に2画面表示モードに固定されているとは限らない。そこで、表示サイズ判定部4は、図2(b)のように拡大/縮小部6により放送映像が拡大または縮小された後も、システムメモリ3に記憶された表示モードの設定情報に基づいて、2画面表示モードが設定されているか否かを判定する。ここで、表示サイズ判定部4により、表示モードが全画面表示モードに変更された(つまり、所定サイズ画面に映像を表示する)と判定された場合には、拡大/縮小部6は、放送映像の拡大および縮小を解除する。
【0030】
次に、上記のように構成した本実施形態による映像処理装置10の動作を説明する。図3は、本実施形態による映像処理装置10の動作例を示すフローチャートである。なお、図3に示すフローチャートは、映像処理装置10の電源がオンにされたときに開始する。
【0031】
まず、表示サイズ判定部4は、システムメモリ3に記憶された表示モードの設定情報に基づいて、2画面表示モードが設定されているか否かを判定する(ステップS1)。ここで、2画面表示モードが設定されていると判定された場合、字幕幅検出部5は、デジタル放送受信装置30から供給される字幕の表示位置情報に基づいて、放送映像の映像情報と共に表示される字幕の横幅W1を検出する(ステップS2)。
【0032】
次に、拡大/縮小部6は、字幕幅検出部5により検出された字幕の横幅W1と放送映像表示エリアの横幅W2とに基づいて、放送映像の拡大/縮小率W2/W1を求める(ステップS3)。そして、拡大/縮小部6は、当該拡大/縮小率W2/W1に従って放送映像を幅方向に拡大または縮小し、表示制御部1に出力する(ステップS4)。表示制御部1は、ナビゲーション装置20から供給される地図画像と、拡大/縮小部6から供給される拡大/縮小済みの放送映像とをディスプレイ40に2画面表示させる(ステップS5)。
【0033】
その後、字幕幅検出部5は、デジタル放送受信装置30から供給される字幕の表示位置情報に基づいて、放送映像の映像情報と共に表示される字幕の横幅W1’を改めて検出する(ステップS6)。そして、直近で放送映像の拡大/縮小が行われたときの横幅W1よりも、後にステップS6で検出された字幕の横幅W1’の方が大きいか否かを判定する(ステップS7)。
【0034】
ここで、W1<W1’であると字幕幅検出部5にて判定された場合、拡大/縮小部6は、ステップS6で検出された字幕の横幅W1’と放送映像表示エリアの横幅W2とに基づいて、放送映像の拡大/縮小率W2/W1’を改めて求める(ステップS8)。そして、拡大/縮小部6は、当該拡大/縮小率W2/W1’に従って放送映像を幅方向に拡大または縮小し、表示制御部1に出力する(ステップS9)。表示制御部1は、2画面の放送映像表示エリアに表示されている放送映像を、新たな拡大/縮小率W2/W1’に従って拡大/縮小された放送映像に更新して表示させる(ステップS10)。
【0035】
その後、字幕幅検出部5は、ステップS6で検出した字幕の横幅W1’を、直近で放送映像の拡大/縮小が行われたときの横幅W1として記憶する(ステップS11)。次に、表示サイズ判定部4は、システムメモリ3に記憶された表示モードの設定情報に基づいて、全画面表示モードが設定されているか否かを判定する(ステップS12)。ここで、全画面表示モードが設定されていないと判定された場合、処理はステップS6に戻る。
【0036】
なお、上記ステップS7においてW1<W1’ではないと字幕幅検出部5にて判定された場合、処理はステップS12に遷移する。すなわち、放送映像の拡大および縮小は改めて行わず、放送映像表示エリアに表示されている放送映像のサイズをそのまま維持する。
【0037】
ステップS12において全画面表示モードが設定されていると表示サイズ判定部4にて判定された場合、表示制御部1は、地図画像または放送映像の何れか一方をディスプレイ40に全画面表示させる(ステップS13)。その後、処理はステップS1に戻る。このステップS1において、2画面表示モードが設定されていないと表示サイズ判定部4にて判定された場合、処理はステップS13に遷移する。
【0038】
なお、ステップS13で地図画像と放送映像のどちらを全画面表示させるかについては、任意のルールで決めておくことが可能である。例えば、2画面の左側のエリアを主画面、右側のエリアを副画面とし、主画面の方を全画面表示するようにすることが考えられる。あるいは、2画面表示モードに切り替えられる前の全画面表示モードで表示されていた方を記憶しておき、2画面表示モードから全画面表示モードに戻したときに、その記憶しておいた方を全画面表示するようにしてもよい。
【0039】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、2画面表示モードの設定時に、所定サイズ画面(全画面)とは異なる異型サイズ画面(放送映像表示エリア)に放送映像を表示する際に、放送映像の映像情報と共に表示される字幕の横幅と放送映像表示エリアの横幅とに基づいて、放送映像表示エリアの横幅に字幕幅が合うような拡大/縮小率を求め、当該拡大/縮小率に従って放送映像を幅方向に拡大または縮小させるようにしている。
【0040】
このように構成した本実施形態の映像処理装置10によれば、映像情報と共に表示されている字幕が放送映像表示エリア内で最も大きく、かつ途切れることなく表示される。また、放送映像表示エリアの横幅が字幕の横幅に比べてかなり小さくない限り、映像情報が幅方向に大きく縮小されることはなく、放送映像表示エリアに表示される映像情報が縦伸びした状態になることを防止することができる。さらに、映像情報が全体として縮小されることもないので、放送映像表示エリアに表示される映像が小さくなり過ぎることも防止することができる。これにより、例えば2画面表示モード時などにおいて異型サイズ画面へ映像を表示する際に、当該映像の視認性を従来よりも向上させることができる。
【0041】
なお、上記実施形態では、異型サイズ画面へ映像情報を表示させる場合の一例として2画面表示モードを挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、テレビ受像機、パソコン、携帯電話機など画面サイズの異なる機器の何れか選択して放送映像を表示させることができるようにしたシステムにおいて、放送映像の出力先を切り替える場合などにも適用することが可能である。
【0042】
また、上記実施形態では、異型サイズ画面に表示する映像の一例として放送映像を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、DVD(Digital Versatile Disk)の再生映像など、映像情報と共に字幕が表示されるものであれば適用することが可能である。
【0043】
また、上記実施形態では、映像情報と共に字幕が表示されることを前提として説明をしたが、字幕表示機能がオフに設定されているときは、映像情報と共に字幕が表示されない。この場合でも、字幕をディスプレイ40には表示しないものの、デジタル放送受信装置30から供給される字幕の表示位置情報を用いて映像情報の拡大・縮小率を求めるようにしてもよい。
【0044】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 表示制御部
4 表示サイズ判定部
5 字幕幅検出部
6 拡大/縮小部
10 映像処理装置
図1
図2
図3
図4