(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1被表示部材は、固定情報が表示される透明及び/又は半透明のシートであり、該第1被表示部材が表示される面とは反対の面側から、前記出光面から出光される光に照射されることにより表示され、
前記第2被表示部材は、可変情報が表示される電子ペーパーであり、該第2被表示部材が表示される面側から、前記出光端部から出光される光に照射されることにより表示される
請求項1から3のいずれかに記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る第1表示装置2を備える避難誘導表示装置1の正面図である。
図2は、
図1におけるA−A線断面図であって、本発明の第1表示装置2を拡大した断面図である。
図3は、本実施形態における導光板22のドット形成面223に形成されるドットパターンDの概略を示す図である。
図4は、本実施形態における導光板22のドット形成面223に形成されるドットパターンDを示すグラフである。
【0013】
本実施形態に係る避難誘導表示装置1は、地面等に立設された自立式の表示装置であって、例えば、災害時等に避難を誘導するための情報を表示する表示装置として用いられる。
図1に示すように、本実施形態に係る避難誘導表示装置1は、表示装置としての第1表示装置2と、第2表示装置3と、ハウジング4と、支持台5と、を備える。ハウジング4は、底部において支持台5に支持される。第1表示装置2及び第2表示装置3は、ハウジング4に取り付けられている。第1表示装置2は、避難誘導表示装置1の上方側に配置される。第2表示装置3は、避難誘導表示装置1の下方側に配置される。
【0014】
第1表示装置2は、第1被表示部材としてのメディアシートM(後述)を照射すると共に、第2被表示部材としての電子ペーパーE(後述)を照射する装置である。
第1表示装置2は、
図1及び
図2に示すように、光源21と、導光板22と、拡散板23と、反射シート24と、光源ケース25と、弾性部材26と、背面板27と、内枠体31と、外枠体32と、を備える。
【0015】
光源21は、ライン状に配列された複数のLED(Light Emitting Diode)が取り付けられたLEDユニットから構成される。複数のLEDは、後述する導光板22の一方側の端部に形成される入光端部221に沿って水平方向に直線状に配列されている。光源21は、複数のLEDにより光を発する。なお、光源21としては、LEDを例示したが、冷陰極管などの発光ダイオード以外のものが使用されてもよい。
【0016】
光源21により発せられた光は、導光板22の入光端部221(後述)から導光板22の内部に入光される。光源21への電力の供給は、例えば、太陽光により発電する太陽光発電装置などを設け、この太陽光発電装置で発電された電力を蓄電池等に蓄電しておき、蓄電池等に蓄電された電力が光源21へ供給されることで行われる。
【0017】
導光板22は、
図2に示すように、光源21に近接又は当接して配置される。本実施形態においては、導光板22は、光源21の下方側に配置される。導光板22は、所定の厚みを有する略長方形状の板状に形成される。導光板22は、光源21から発せられて導光板22の内部に入光された光を一方側の端部(入光端部221(後述))から他方側の端部(出光端部222(後述))へ導く。本実施形態においては、導光板22は、上下方向に延びる板状に形成されている。導光板22は、アクリル等の透過性の高い部材から形成される。本実施形態においては、導光板22の大きさは、例えば、入光端部221から出光端部222までの長さが400mmであり、入光端部221及び出光端部222に沿う方向の長さが300mmである。
【0018】
導光板22は、入光端部221と、出光端部222と、ドット形成面223と、出光面224と、を有する。
【0019】
入光端部221は、導光板22における光源21側の一方の端面により構成される。本実施形態においては、入光端部221は、導光板22の上方側の端部において、水平方向に直線状に延びる導光板22の上端面により構成される。入光端部221は、光源21に対向して配置される。入光端部221には、光源21から出射された光が入光される。
【0020】
出光端部222は、導光板22における入光端部221とは反対側の他方の端面により構成される。本実施形態においては、出光端部222は、導光板22の下方側の端部において、水平方向に直線状に延びる導光板22の下端面により構成される。出光端部222からは、入光端部221から導光板22に入光された光源21からの光が出光される。出光端部222から出光される光源21からの光は、出光端部222から外部に向けて照射される。導光板22の出光端部222の下方側には、後述する電子ペーパーEが配置される。電子ペーパーEは、上下方向(鉛直方向)に延びるシート状に形成される。本実施形態においては、電子ペーパーEは、例えば、200mm(縦)×240mm(横)の長方形のシート状に形成されている。
【0021】
出光端部222から出光される光は、第2被表示部材としての電子ペーパーEを照射する。電子ペーパーEは、導光板22の出光端部222側に、出光端部222から、下方側に距離L2だけ離間して配置されている。本実施形態においては、
図2に示すように、例えば、距離L2は20mmである。電子ペーパーEは、出光端部222の下方側に、導光板22のドット形成面223(後述)と同一平面上の仮想平面と略平行に配置される。電子ペーパーEには、可変情報が表示される。
【0022】
電子ペーパーEは、
図2に示すように、導光板22のドット形成面223(後述)と同一平面上の仮想平面に対して、導光板22側とは反対側に、所定距離離間して配置される。本実施形態においては、ドット形成面223と同一平面上の仮想平面に対して、導光板22と反対側に、水平方向に距離L1だけ離間して配置されている。本実施形態においては、
図2に示すように、例えば、距離L1は20mmである。これにより、出光端部222から出射される光は、電子ペーパーEを表面側(電子ペーパーEが表示される面側)から照射する。このため、電子ペーパーEは、表面側(電子ペーパーEが表示される面側)から、出光端部222から出光される光に照射されることにより表示される。
【0023】
電子ペーパーEとしては、例えば、正及び/又は負に帯電した粒子を内蔵したマイクロカプセルを平面に配列させ、これを画素電極でサンドイッチ状に形成し、夫々の画素電極に正又は負の電圧を印加することによりマイクロカプセル内の粒子を電気泳動により移動させて画像を表示するマイクロカプセル型電気泳動方式、コレステリック液晶への電圧の印加により画像を表示する方式、電子粉流体を用いる方式、白部と黒部で帯電特性の異なる白黒に塗り分けられた帯電ビーズを用いてドライバ層の電荷によってこの粒子を回転させて表示を行う方式、有機エレクトロクロミック材料に電圧を印加して色を変化させて画像を形成する方式、濡れの強さをコントロールすることにより画像を形成するエレクトロウエッティング方式などが挙げられ、いずれの方式が用いられてもよい。電子ペーパーEは、必要な電圧を画素に印加することで画像を形成すれば、その後において電圧をかけなくても半永久的に画像を保持できることから、画像の形成、保持に電力をほとんど必要としない極めて省エネルギー型の表示装置となる。
【0024】
電子ペーパーEへの画像表示及びその書き換えの態様について説明する。まず、災害が発生し、災害情報を表示する必要が生じた際には、例えば市役所などの行政機関の編集端末で画像データを作成し、この画像データをPHSなどの無線通信手段を用いて送信する。画像データは、予め準備されているものであってもよい。各避難誘導表示装置には、無線受信装置、例えばPHSが設置されており、この受信装置により画像信号が受信され、制御装置(不図示)を介して電子ペーパーEへの画面書き込みが行われる。画面情報は、行政機関の編集端末からの情報の送信により随時書き換えられ、時々刻々変化する災害関連情報を適切に被災者に伝えることができる。災害関連情報は、特定の避難誘導表示装置への送信でもよいし、全避難誘導表示装置への一斉の送信でもよい。また、災害時に限らず、平時には行政機関からのお知らせなどが常時或いは必要に応じて表示されるように構成されてもよい。
【0025】
出光面224は、導光板22における2つの対向する略長方形状に広がる面のうち、面発光による光を出射する側の面である。出光面224は、導光板22におけるドット形成面223(後述)と反対側の面である。出光面224は、入光端部221と出光端部222とをつなぐ面に略平行に配置される。出光面224からは、光源21からの光がドット形成面223に形成されるドットパターンD(後述)に反射されて出光される。出光面224は、面状の光を出射することにより面発光する。出光面224側には、メディアシートMが配置される。メディアシートMは、上下方向(鉛直方向)に延びるシート状に形成される。
【0026】
出光面224から出光される光は、第1被表示部材としてのメディアシートMを照射する。メディアシートMは、導光板22の出光面224側に配置されている。メディアシートMは、拡散板23の前面に透明及び/又は半透明なシートに避難誘導マークや避難場所の方向を指し示す矢印マーク、文字などが印刷される。本実施形態においては、メディアシートMは、拡散板23(後述)に貼付されている。これにより、出光面224から出光される光は、メディアシートMを裏面側から照射する。このため、メディアシートMは、裏面側(メディアシートMが表示される面とは反対の面側)から、出光面224から出光される光に照射されることにより透過されて表示される。
【0027】
ドット形成面223は、導光板22における2つの対向する略長方形状に広がる面のうち、出光面224とは反対側の面である。ドット形成面223は、出光面224に平行に形成され、入光端部221と出光端部222とをつなぐ面に略平行に配置される。ドット形成面223には、複数のドットで構成されるドットパターンDが形成される。ドットパターンDは、導光板22の内部に入光された光源21からの光を出光面224側に反射させながら、導光板22の内部に入光された光源21からの光を入光端部221側から出光端部222側に導く。
【0028】
ドットパターンDは、例えば、シルク印刷方式、ドットパターンを形成した金型に樹脂を流し込む成形方式、プロッターで溝を削るV溝カット方式、レーザー波を照射してドットを形成するレーザー方式など任意の方式で形成することが出来る。本実施形態においては、ドットパターンDを形成する方式として、レーザー波をドット形成面223に照射して白色のドットを形成するレーザー方式を用いている。
【0029】
本実施形態においては、
図3に示すように、ドットパターンDのドット間の距離(ドット間のピッチ)Pa及びPbは、例えば、1.50mmである。
【0030】
ドットパターンDは、
図3及び
図4に示すように、導光板22における入光端部221から出光端部222までにおいて、最大ドット開始位置Sに向かうにしたがってドットの径の大きさが大きくなると共に、最大ドット開始位置Sから出光端部222まではドットの径の大きさが略一定である。
【0031】
具体的には、本実施形態においては、ドットパターンDの径の大きさは、次の通りである。ドットパターンDは、
図4に示すように、ドットパターンDのグラフにおいて、入光端部221から最大ドット開始位置Sまでの範囲においては、ドットの径が次第に大きくなるように傾斜して形成される。詳細には、
図3及び
図4に示すように、入光端部221から距離が0〜100mmまでの範囲においては、ドット径がR1からR2(0.62から0.70mm)に増大する傾斜した直線状に形成される。入光端部221から距離が100〜260mmまでの範囲においては、ドット径がR2からR3(0.70から0.76mm)に増大する傾斜した直線状に形成される。入光端部221から距離が260〜340mmまでの範囲においては、ドット径がR3からR4(0.76から0.80mm)に増大する傾斜した直線状に形成される。
【0032】
また、ドットパターンDは、最大ドット開始位置Sから出光端部222までの範囲においては、
図4に示すように、ドットパターンDのグラフにおいて、ドットの径が略同じとなる水平な直線状に形成される。詳細には、入光端部221から距離が340〜400mmまでの範囲においては、ドット径R4及びR5が0.80mmで略一定である。
【0033】
なお、
図4において、本実施形態においては、ドット径の大きさの分布について、K値(
図4における左側の目盛り)及びK値に対応するドット径(
図4における右側の目盛り)のグラフにより示している。本実施形態においては、K値とは、一定面積当たりに占めるドットの面積の割合を示している。K値は、ドットの径に対応している。K値が大きいほど、一定面積当たりに占めるドットの面積の割合が大きく、ドットの径が大きい。
【0034】
図4に示すように、最大ドット開始位置Sは、入光端部221から出光端部222までの距離(400mm)を100%としたときに、入光端部221からの距離が、入光端部221側から80〜85%の距離(320〜340mm)の位置であることが好ましい。本実施形態においては、
図4に示すように、最大ドット開始位置Sは、入光端部221側から85%の距離(340mm)の位置である。
【0035】
このように、ドットパターンDについて、ドットの径を次第に増加させると共に最大ドット開始位置Sから出光端部222の範囲においてはドットの径の大きさを略同じ径に形成することで、出光面224から出光される光の照度を高く且つ照度ムラを抑制しつつ、出光端部222から出光される光の照度を高くすることができる。
【0036】
拡散板23は、
図2に示すように、導光板22の出光面224側に、出光面224から水平方向に離間して、出光面224に平行に配置される。拡散板23は、出光面224に平行な板状に形成される。拡散板23は、出光面224から照射された光を散乱及び拡散させる。拡散板23は、出光面224から出光される光の全体を均一な明るさにすることができる。また、拡散板23の前面には、メディアシートMが配置されている。
【0037】
反射シート24は、
図2に示すように、導光板22に対してドット形成面223側に、水平方向に離間して、ドット形成面223に平行に配置される。反射シート24は、ドット形成面223に平行なシート状に形成される。反射シート24は、導光板22のドット形成面223を通過して外部へ出る光を導光板22の内部へ戻すように反射させて、光を出光面224側に向けて反射させる。これにより、反射シート24は、出光面224から出光される光の照度を大きくすることができる。
【0038】
光源21は、
図2に示すように、光源ケース25に取り付けられている。光源ケース25は、弾性部材26により導光板22側に付勢されている。光源21は、光源ケース25と共に、内枠体31及び反射シート24に沿ってスライド移動可能である。これにより、温度や湿度の変化による導光板22の伸縮があっても、導光板22の側面と光源21との間隔は一定に維持される。従って、導光板22の伸縮に起因する照度の変化を少なくすることができる。
【0039】
第2表示装置3は、
図1に示すように、避難誘導表示装置1の下方側に配置される。第2表示装置3は、面発光の表示部を備えて構成される。第2表示装置3により表示される被表示部材としては、例えば、広告等が印刷されたメディアシート等を挙げることができる。なお、第2表示装置3は、面発光の表示部により構成したが、これに制限されない。また、例えば、本実施形態において、第2表示装置3を備えていなくてもよい。
【0040】
次に、本発明に係る第1表示装置2の作用について説明する。
以上のように構成される第1表示装置2においては、
図2に示すように、光源21からの光が導光板22の入光端部221側から入光されることで、導光板22は、光源21から発せられて導光板22の内部に入光された光を、導光板22の内部における出光面224及びドット形成面223において反射させながら入光端部221から出光端部222へ導く。導光板22を導かれて出光端部222まで導かれた光は、出光端部222から下方側の外部に向けて出射される。出光端部222から出射される光は、電子ペーパーEを表面側(電子ペーパーEが表示される面側)から照射する。これにより、電子ペーパーEは、表面側(電子ペーパーEが表示される面側)から、出光端部222から出光される光に照射されることにより表示される。
【0041】
ここで、導光板22の内部を入光端部221から出光端部222へ導かれる光は、ドット形成面223に形成されたドットパターンDにより反射されながら、入光端部221側から出光端部222側へ導かれている。これにより、出光面224からは、面状の光が出光される。出光面224から出光される光は、メディアシートMを裏面側から照射する。このため、メディアシートMは、裏面側(メディアシートMが表示される面とは反対の面側)から、出光面224から出光される光に照射されることにより透過されて表示される。なお、導光板22により導かれる光の一部がドット形成面223を通過して外部に出射された場合には、外部に出射された光が反射シート24で反射されて、再度、導光板22の内部に入光されて、出光面224から出光される。
【0042】
ここで、ドットパターンDは、
図4に示すように、導光板22における入光端部221から出光端部222までにおいて、最大ドット開始位置Sに向かうにしたがってドットの径が大きくなると共に、最大ドット開始位置Sから出光端部222まではドットの径が略一定である。そのため、出光面224から出光される面状の光の照度を高くすることができると共に照度ムラを抑制しつつ、出光端部222から出光される光の照度を高くすることができる。
【0043】
更に、最大ドット開始位置Sは、入光端部221からの距離が、入光端部221から出光端部222までの距離の85%の距離の位置である。これにより、出光面224から出光される面状の光と、出光端部222から出光される光とのバランスを維持しながら、出光面224から出光される面状の光の照度を高くすることができると共に照度ムラを抑制しつつ、出光端部222から出光される光の照度を高くすることができる。
【0044】
本実施形態の第1表示装置2によれば、例えば、以下のような効果が奏される。
本実施形態においては、光源21と、光源21からの光を導く導光板22であって、入光端部221と、出光端部222と、ドットパターンDが形成されるドット形成面223と、光源21からの光がドットパターンDに反射されて出光される出光面224と、を有する導光板22と、を備え、出光面224から出光される光は、メディアシート(第1被表示部材)Mを照射しており、出光端部222から出光される光は、電子ペーパー(第2被表示部材)Eを照射しており、ドットパターンDは、入光端部221から出光端部222までにおいて、最大ドット開始位置Sに向かうにしたがってドットの径が大きくなると共に、最大ドット開始位置Sから出光端部222まではドットの径が略一定である。
そのため、第1表示装置2において、出光面224からの面発光によりメディアシートMを高い照度で且つ照度ムラを抑制した状態で照射することができると共に、出光端部222からの光の照射により電子ペーパーEを高い照度で照射することができる。
【0045】
また、最大ドット開始位置Sは、入光端部221からの距離が、入光端部221から出光端部222までの距離の85%の距離の位置である。これにより、より一層、出光面224からの面発光によりメディアシートMを高い照度で且つ照度ムラを抑制した状態で照射することができると共に、出光端部222からの光の照射により電子ペーパーEを高い照度で照射することができる。
【0046】
また、電子ペーパーEが表示される面は、ドット形成面223と同一平面上の仮想平面に対して、導光板22側とは反対側に、所定距離離間して配置される。そのため、出光端部222から出射される光は、電子ペーパーEが表示される面に照射されやすい。これにより、出光端部222から出射される光により電子ペーパーEを良好に照射することができる。
【0047】
以上、本発明の第1表示装置2の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態においては、避難誘導表示装置1に第1表示装置2を設けたが、これに制限されない。例えば、第1表示装置2をバス停の標識塔等に設けてもよい。
【0048】
また、前記実施形態においては、第1被表示部材をメディアシートMにより構成したが、これに制限されない。例えば、第1被表示部材として、拡散板23の前面に直接印刷することにより拡散板23に表示機能を持たせれば、メディアシートMを用いなくてもよい。また、メディアシートMでの表示に代えて、導光板22に避難誘導マークや避難場所の方向を指し示す矢印マーク、避難場所までの距離を示す文字などを微小ドットで刻設することにより散光されるように構成し、光源からの光によって前記マーク、文字などの微小凹凸により光を乱反射させて、マーク、文字などが浮かび上がるように構成することもできる。
【0049】
また、前記実施形態においては、第2被表示部材として、電子ペーパーEを例に説明したが、これに制限されない。例えば、第2被表示部材として、紙媒体に印刷が施されたものでもよい。
【0050】
また、前記実施形態においては、最大ドット開始位置Sを、入光端部221からの距離が、入光端部221から出光端部222までの距離の85%の距離の位置としたが、これに制限されない。例えば、後述する実施例の中で説明するが、最大ドット開始位置Sを、入光端部221からの距離が、入光端部221から出光端部222までの距離の80〜85%の距離の位置としてもよい。
【0051】
また、前記実施形態においては、電子ペーパーEを、ドット形成面223と同一平面上の仮想平面に対して、導光板22と反対側に、所定距離離間して配置したが、これに制限されない。例えば、電子ペーパーEを、ドット形成面223と同一平面上の仮想平面に対して、電子ペーパーEの前面が出光端部側に向くように所定角度傾けて配置してもよい。
【0052】
また、前記実施形態においては、光源21、導光板22及び電子ペーパーEを、上方側から下方側に向けてこの順に配置して構成しているが、並び順については、これに制限されない。例えば、光源21、導光板22及び電子ペーパーEを、下方側から上方側に向けて順にこの順に配置して構成してもよく、光源21、導光板22及び電子ペーパーEを、水平方向に並べて構成してもよい。
【実施例】
【0053】
次に、本発明の実施例及び比較例について、
図4〜
図6を参照して説明する。ただし、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものでない。
図5は、比較例のドットパターンDを示すグラフであって、(a)は比較例1のドットパターンDを示すグラフであり、(b)は比較例2のドットパターンDを示すグラフであり、(c)は比較例3のドットパターンDを示すグラフである。
図6は、実施例のドットパターンDを示すグラフであって、(a)は実施例2のドットパターンDを示すグラフであり、(b)は実施例3のドットパターンDを示すグラフである。
【0054】
図1及び
図2に示す構成の第1表示装置2を用いて、以下の条件において、試験を行った。
まず、導光板22の大きさ及び電子ペーパーEの大きさ等は、以下の通りである。
導光板22の出光面224及びドット形成面の大きさ:400mm(縦)×300mm(横)
電子ペーパーEの大きさ:200mm(縦)×240mm(横)
導光板22の出光端部222から電子ペーパーEまでの距離:垂直方向の下方側に20mm、ドット形成面223と同一平面上の仮想平面から水平方向の奥側に20mm
【0055】
次に、実施例1〜3、比較例1〜3における具体的なドットパターンDの構成について説明する。実施例1〜3、比較例1〜3の主なドットパターンDの構成について、表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
実施例1は、
図4に示すように、最大ドット開始位置Sから出光端部222までのドットの径について、ドットパターンDが傾斜しておらず水平である。また、実施例1は、
図4に示すように、入光端部221から出光端部222までの距離を100%とした場合に、入光端部221から最大ドット開始位置Sまでの距離が85%である。
【0058】
比較例1〜3は、
図5(a)〜(b)に示すように、最大ドット開始位置Sから出光端部222までのドットの径について、実施例1と比べて、ドットパターンDが傾斜している。なお、比較例1〜3は、入光端部221から出光端部222までの距離を100%とした場合に、実施例1と同様に、入光端部221から最大ドット開始位置Sまでの距離が85%である。
【0059】
詳細には、比較例1は、
図5(a)に示すように、最大ドット開始位置Sから出光端部222までのドットの径について、最大ドット開始位置Sから出光端部222に向かうにしたがって下方側に向かうように直線状に傾斜しており、傾斜の傾きが、水平方向に対してマイナスα1の角度で傾いている。
比較例2は、
図5(b)に示すように、最大ドット開始位置Sから出光端部222までのドットの径について、最大ドット開始位置Sから出光端部222に向かうにしたがって下方側に向かうように直線状に傾斜しており、傾斜の傾きが、水平方向に対してマイナスα2の角度で傾いている。比較例2の水平方向に対する傾き角度α2は、比較例1の水平方向に対する傾き角度α1よりも大きい(α2>α1)。
比較例3は、
図5(c)に示すように、最大ドット開始位置Sから出光端部222までのドットの径について、最大ドット開始位置Sから出光端部222に向かうにしたがって上方側に向かうように直線状に傾斜しており、傾斜の傾きが、水平方向に対してプラスβの角度で傾いている。
【0060】
実施例2及び3は、
図6(a)及び(b)に示すように、最大ドット開始位置Sの位置を、実施例1と比べて、入光端部221側又は出光端部222側に移動させた場合である。なお、実施例2及び3は、最大ドット開始位置Sから出光端部222までのドットの径について、実施例1と同様に、ドットパターンDが傾斜しておらず水平である。
【0061】
詳細には、実施例2は、
図6(a)に示すように、入光端部221から出光端部222までの距離を100%とした場合に、入光端部221から最大ドット開始位置Sまでの距離が90%である。
実施例3は、
図6(b)に示すように、入光端部221から出光端部222までの距離を100%とした場合に、入光端部221から最大ドット開始位置Sまでの距離が80%である。
【0062】
<評価項目、測定方法、評価方法>
実施例1〜3及び比較例1〜3について、次の(i)評価項目1、(ii)評価項目2及び(iii)評価項目3についての評価を行った。
【0063】
(i)評価項目1:メディアシートMに照射される光の平均照度
評価項目1について、平均照度の測定方法としては、まず、
図2に示す出光面224において、入光端部221からの距離が、50mm、100mm、150mm、200mm、250mm、300mm、350mmの7ポイントにおいて、照度を測定する。平均照度は、測定した7ポイントにおける照度について、平均値を算出することにより求める。平均照度が高いほど、出光面224から出射される光によりメディアシートMを明るく照らすことができると評価することができる。
(ii)評価項目2:メディアシートMに照射される光の照度均斉度(照度ムラの測定)
評価項目2について、照度均斉度の測定方法としては、まず、
図2に示す出光面224において、入光端部221からの距離が、50mm、100mm、150mm、200mm、250mm、300mm、350mmの7ポイントにおいて、照度を測定する。照度均斉度は、測定した7ポイントにおける照度について、(最大値/最小値)を算出することにより求める。照度均斉度が小さいほど、照度ムラが抑制されていると評価することができる。
(iii)評価項目3:電子ペーパーEに照射される光の照度
電子ペーパーEにおける上方側から100mmの位置(縦の長さ200mmに対して中央の位置)において、出光端部222からの光により電子ペーパーEに照射される照度を測定し、電子ペーパーEに照射される光の照度を求める。電子ペーパーEに照射される光の照度が高いほど、出光端部222から出射される光により電子ペーパーEを明るく照らすことができると評価することができる。
【0064】
表2〜表5に示す測定結果が得られた。表2及び3は、実施例1、比較例1〜3の測定結果である。表4及び5は、実施例2及び3の測定結果である。
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】
まず、表2及び表3の測定結果により、実施例1及び比較例1〜3について評価する。実施例1及び比較例1〜3の評価は、ドットパターンDについて、最大ドット開始位置Sから出光端部222までのドット径の傾きを変化させた場合において評価項目1〜3を評価するものである。
(i)評価項目1(メディアシートMに照射される光の平均照度)については、表2に示すように、比較例3は、平均照度が2992[lux]であり、実施例1及び比較例1〜3のうちで最も高い照度が確保されている。また、実施例1は、平均照度が2970[lux]であり、高い照度が確保されている。比較例1は、平均照度が2946[lux]であり、比較例2は、平均照度が2929[lux]である。比較例2は、実施例1及び比較例3よりも、メディアシートMに照射される光の平均照度が低い。
【0070】
(ii)評価項目2(メディアシートMに照射される光の照度均斉度)については、表3に示すように、比較例3は、照度均斉度が1.44であり、最も大きく、照度ムラが大きい。また、実施例1では1.42であり、比較例1では1.41であり、比較例2では1.40であり、いずれも、照度ムラが抑制されている。
【0071】
(iii)評価項目3(電子ペーパーEに照射される光の照度)については、表2に示すように、実施例1及び比較例1〜3において、実施例1では361[lux]であり、比較例1では419[lux]であり、比較例2では378[lux]であり、比較例3では416[lux]であり、いずれも良好であった。
【0072】
以上により、実施例1のドットパターンDは、比較例1及び2よりも(i)平均照度が高く、比較例3よりも(iii)照度均斉度が小さい。よって、比較例1〜3のドットパターンDを採用するよりも、実施例1のドットパターンDを採用する方が好ましいという結果が得られた。つまり、ドットパターンDについて、最大ドット開始位置Sから出光端部222までのドット径の傾きは、実施例1のように、水平(傾斜なし)であることが好ましいという結果が得られた。
【0073】
次に、表4及び表5の測定結果により、実施例1〜3について評価する。なお、実施例1の測定結果は、前述の通り、表2及び表3に示されている。実施例1〜3の評価は、ドットパターンDについて、入光端部221から最大ドット開始位置Sまでの距離を変化させた場合において評価項目1〜3を評価するものである。
(i)評価項目1(メディアシートMに照射される光の平均照度)については、前述のように、表2に示すように、実施例1では平均照度が2970[lux]であり、実施例1〜3のうちで最も高い照度が確保されている。また、表4に示すように、実施例3では平均照度が2966[lux]であり、高い照度が確保されている。実施例2では平均照度が2799[lux]であり、実施例1及び3よりも、メディアシートMに照射される光の平均照度が低い。
【0074】
(ii)評価項目2(メディアシートMに照射される光の照度均斉度)については、表5に示すように、実施例2では1.41であり、実施例3では1.42であり、実施例1では前述の通り1.42であり、いずれも、照度ムラが抑制されている。
【0075】
(iii)評価項目3(電子ペーパーEに照射される光の照度)については、表4に示すように、実施例2及び3において、実施例2では498[lux]であり、実施例3では418[lux]であり、実施例1では前述の通り361[lux]であり、いずれも良好であった。
【0076】
以上により、実施例2は、実施例1及び3よりも、メディアシートMに照射される光の(i)平均照度が低い。よって、実施例2のドットパターンDを採用するよりも、実施例1及び実施例3のドットパターンDを採用する方が好ましいという結果が得られた。つまり、ドットパターンDについて、入光端部221から最大ドット開始位置Sまでの距離は、実施例1の85%及び実施例3の80%が好ましく、80%〜85%が好ましいという結果が得られた。