【文献】
I. M. Mahafeno et al.,Peak-to-average power ratio reduction using second order cone programming based tone reservation for terrestrial digital video broadcasting systems,IET Communications,2009年, Volume 3, Issue 7,p.1250-1261
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
一般に、放送通信システムは、ユーザの要求に応じて高速の転送速度及び様々なサービス品質(QoS:Quality of Service)を有する放送通信サービスを提供している。例えば、前記放送通信システムは、高速の転送速度及び様々なサービス品質を提供するために、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を使用する。ここで、前記直交周波数分割多重方式は、直交性(orthorgonality)を維持するように配列された複数の副搬送波を介してデータを送信するマルチキャリア(multi carrier)伝送方式を意味する。よって、前記直交周波数分割多重方式は、周波数の使用効率が高く、マルチパスフェージング(multi path fading)に強い利点がある。
【0003】
上記の利点によって、前記直交周波数分割多重方式は、ヨーロッパのデジタルオーディオ放送(DAB:Digital Audio Broadcasting)、デジタルビデオ放送(DVB:Digital Video Broadcasting)等のような大容量の放送システム及びLTE(Long Term Evolution)等の通信システムの規格に採用されている。この場合、前記放送通信システムは、マルチキャリア変調における高いPAPRを除去するためにトーンリザベーション(tone reservation)技法及びACE(Active Constellation Extension)技法のようなPAPR低減技術を使用する。
【0004】
前記放送通信システムは、データスライシング(data slicing)方式を用いて下記
図1に示すように放送信号を送信することができる。
【0005】
図1は、通常の放送通信システムにおけるデータスライシングによる放送信号を示している。
【0006】
前記
図1に示すように、データスライシング技法を使用する場合、送信区間は全体放送帯域を少なくとも2つのチャネル帯域に分割し、それぞれのチャネルを介して放送サービスを提供する。例えば、全体放送帯域が8MHzの場合、前記送信区間は、前記全体放送帯域を4MHzの2つのチャネル帯域に分割する。この時、前記送信区間は、チャネル1及びチャネル2を介して互いに異なる放送サービスを提供できる。
【0007】
前記送信区間で放送信号を送信する場合、前記送信区間は、それぞれのチャネル帯域の放送信号を1つの統合放送信号に結合して受信区間に送信する。
【0008】
受信区間は、RF(Radio Frequency)チューニングを介してサービスを提供された放送サービスの帯域の信号のみを受信する。例えば、受信区間a100は、4MHzのチャネル1を介して提供された放送データを復元し、受信区間b110は、4MHzのチャネル2を介して提供された放送データを復元する。
【0009】
前記データスライシング技法を使用する放送通信システムで、直交周波数分割多重方式を使用する場合、前記放送通信システムにおける放送サービスを提供するチャネル単位にPAPRを減少させるための方法が必要である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
上記図面において、符号は同一又は類似の要素、特徴、構造を説明するために用いられる。
【0020】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付された図面とともに詳しく説明する。以下の説明において、関連する公知の機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明確にすると判断された場合、その詳細な説明は省略する。
【0021】
以下、本発明は放送通信システムにおけるピーク対平均電力比(PAPR:Peak to Average Power Ratio)を減少させるための技術について説明する。
【0022】
以下の説明で、放送通信システムは、前記
図1に示すように全体放送帯域を少なくとも2つのチャネル帯域に分割してそれぞれのチャネル帯域を介して放送サービスを提供するデータスライシング技法を使用するものであると仮定する。しかし、複数のチャネル帯域を用いる放送通信システムにも同様に適用できる。
【0023】
以下の説明で、放送通信システムは、PAPRを減少させるためにトーンリザベーション(tone reservation)技法を使用するものであると仮定する。例えば、前記放送通信システムの送信区間は、PAPRを減少させるためにトーンリザベーション技法を用いて下記
図2に示すように動作する。
【0024】
図2は、本発明の実施形態による放送通信システムにおけるPAPRを減少させるための手順を示している。
【0025】
前記
図2に示すように、送信区間は、ステップ201で放送サービスを提供するかを決定する。もし、放送サービスを提供しない場合、送信区間は、本アルゴリズムを終了する。一方、放送サービスを提供する場合、送信区間は、ステップ203に進んでそれぞれのチャネル帯域を介して提供する放送サービスに対する放送データを生成する。例えば、放送帯域が2つのチャネル帯域で構成され、それぞれのチャネル帯域が互いに異なる放送サービスを提供する場合、前記送信区間は、チャネル帯域1を介して送信する放送データ及びチャネル帯域2を介して送信する放送データを生成する。
【0026】
以降、前記送信区間は、ステップ205に進んでPAPRを減少させるためにそれぞれのチャネル帯域に対するトーンリザベーションの位置及び大きさを決定する。ここで、トーンリザベーションは第1トーンリザベーションを意味する。例えば、前記送信区間は、それぞれのチャネル帯域でパイロットとトーンリザベーションの位置が重ならないようにトーンリザベーションの位置を決定する。
【0027】
また、前記送信区間は、ステップ207に進んでPAPRを減少させるために全体放送帯域に対するトーンリザベーションの位置及び大きさを決定する。ここで、トーンリザベーションは第2トーンリザベーションを意味する。前記チャネル帯域のトーンリザベーション及び全体放送帯域のトーンリザベーションは、互いに異なる位置で互いに異なる大きさを有するか、互いに異なる位置で同じ大きさを有するか、または同じ位置で互いに異なる大きさを有するように決定される。
【0028】
前記トーンリザベーションの位置及び大きさを決定した後、前記送信区間は、ステップ209に進んでそれぞれのチャネル帯域にトーンリザベーション及び放送データを挿入して各チャネル帯域の放送信号を生成する。すなわち、前記送信区間は、前記トーンリザベーションの位置及びパイロットの位置を除いた部分に放送データを挿入し、前記トーンリザベーションの位置に前記決定した大きさのトーンリザベーションを挿入して各チャネル帯域を介して送信する放送信号を生成する。例えば、前記送信区間は、当該領域に放送データを挿入してIFFT演算を行う。以降、前記送信区間は、IFFT演算を介して生成された時間領域の信号にトーンリザベーションを挿入して各チャネル帯域の放送信号を生成する。
【0029】
前記チャネル帯域に対する放送信号を生成した後、前記送信区間は、ステップ211に進んで各チャネル帯域の放送信号を結合して1つの統合放送データを生成する。例えば、前記送信区間は、各チャネル帯域の放送信号を周波数分割で多重化して1つの統合放送データを生成する。
【0030】
統合放送データを生成した後、前記送信区間は、ステップ213に進んで前記決定した全体放送帯域のトーンリザベーションの位置及び大きさを考慮して統合放送信号を生成する。例えば、前記送信区間は、前記ステップ207で決定したトーンリザベーションの位置に当該大きさのトーンリザベーションを挿入して統合放送信号を生成する。
【0031】
以降、前記送信区間は、215ステップに進んで前記統合放送信号をサービス領域に送信する。
【0032】
図に示していないが、前記送信区間は、チャネル帯域及び全体放送帯域に対するトーンリザベーションの位置及び大きさ情報を制御情報を用いて受信区間に送信できる。
【0033】
上記の実施形態で、送信区間は、各チャネル帯域の放送データを生成した後、チャネル帯域及び全体放送帯域に対するトーンリザベーションの位置及び大きさを決定する。この時、前記チャネル帯域及び全体放送帯域のトーンリザベーションの位置及び大きさを決定する動作は、並列的に行われるか、または全体放送帯域のトーンリザベーションの位置及び大きさを先に決定することもできる。
【0034】
別の実施形態で、送信区間は、チャネル帯域及び全体放送帯域のトーンリザベーションの位置及び大きさを決定した後、各チャネル帯域の放送データを生成することもできる。この時、前記チャネル帯域及び全体放送帯域のトーンリザベーションの位置及び大きさは、前記チャネル帯域のトーンリザベーションの位置及び大きさを先に決定するか、または前記全体放送帯域のトーンリザベーションの位置及び大きさを先に決定するか、前記チャネル帯域及び全体放送帯域のトーンリザベーションの位置及び大きさを並列的に生成することもできる。
【0035】
さらに別の実施形態で、送信区間は、各チャネル帯域の放送データを生成した後、チャネル帯域のトーンリザベーションの位置及び大きさを決定し、統合放送データを生成した後、全体放送帯域のトーンリザベーションの位置及び大きさを決定することもできる。
【0036】
上記のように、送信区間は、PAPRを減少させるために、放送信号にトーンリザベーションを挿入する。この時、前記トーンリザベーションの位置が予め設定された場合、前記送信区間は、下記
図3に示すように動作できる。
【0037】
図3は、本発明の別の実施形態による放送通信システムにおけるPAPRを減少させるための手順を示している。
【0038】
前記
図3に示すように、送信区間は、ステップ301で放送サービスを提供するかを確認することができる。もし、放送サービスを提供しない場合、送信区間は、本アルゴリズムを終了する。一方、放送サービスを提供する場合、送信区間は、ステップ303に進んでPAPRを減少させるために放送信号に挿入する予め設定されたトーンリザベーションの位置を確認する。例えば、前記送信区間は、それぞれのチャネル帯域の放送信号にトーンリザベーションを挿入する位置及び全体放送帯域の放送信号にトーンリザベーションを挿入する位置を確認する。
【0039】
以降、前記送信区間は、ステップ305に進んでそれぞれのチャネル帯域を介して提供する放送サービスに対する放送データを生成する。例えば、放送帯域が2つのチャネル帯域で構成され、それぞれのチャネル帯域が互いに異なる放送サービスを提供する場合、前記送信区間は、チャネル帯域1を介して送信する放送データ及びチャネル帯域2を介して送信する放送データを生成する。
【0040】
以降、前記送信区間は、ステップ307に進んでPAPRを減少させるために、それぞれのチャネル帯域に対するトーンリザベーションの大きさを決定する。
【0041】
また、前記送信区間は、ステップ309に進んでPAPRを減少させるために全体放送帯域に対するトーンリザベーションの大きさを決定する。ここで、前記チャネル帯域のトーンリザベーション及び全体放送帯域のトーンリザベーションの大きさは同じであっても良く、異なっていても良い。よって、前記チャネル帯域のトーンリザベーション及び全体放送帯域のトーンリザベーションは、互いに異なる位置で互いに異なる大きさを有するか、互いに異なる位置で同じ大きさを有するか、または同じ位置で互いに異なる大きさを有する。
【0042】
前記トーンリザベーションの大きさを決定した後、前記送信区間は、ステップ311に進んでそれぞれのチャネル帯域にトーンリザベーション及び放送データを挿入して各チャネル帯域の放送信号を生成する。すなわち、前記送信区間は、前記トーンリザベーションの位置及びパイロットの位置を除いた部分に放送データを挿入し、前記トーンリザベーションの位置に前記決定した大きさのトーンリザベーションを挿入して各チャネル帯域を介して送信する放送信号を生成する。例えば、前記送信区間は、当該領域に放送データを挿入してIFFT演算を行う。以降、前記送信区間は、IFFT演算を介して生成された時間領域の信号にトーンリザベーションを挿入して各チャネル帯域の放送信号を生成する。
【0043】
前記チャネル帯域に対する放送信号を生成した後、前記送信区間は、ステップ313に進んで各チャネル帯域の放送信号を結合して1つの統合放送データを生成する。例えば、前記送信区間は、各チャネル帯域の放送信号を周波数分割で多重化して1つの統合放送データを生成する。
【0044】
統合放送データを生成した後、前記送信区間は、ステップ315に進んで前記決定した全体放送帯域のトーンリザベーションの位置及び大きさを考慮して統合放送信号を生成する。例えば、前記送信区間は、予め設定されたトーンリザベーションの位置に前記ステップ309で決定した大きさのトーンリザベーションを挿入して統合放送信号を生成する。
【0045】
以降、前記送信区間は、ステップ317に進んで前記統合放送信号をサービス領域に送信する。
【0046】
図に示していないが、上記のように前記送信区間及び受信区間がチャネル帯域及び全体放送帯域に対するトーンリザベーションの位置を互いに共有する場合、前記送信区間は、チャネル帯域及び全体放送帯域に対するトーンリザベーションの大きさ情報を制御情報を用いて受信区間に送信することもできる。
【0047】
上記の実施形態で、送信区間は、各チャネル帯域の放送データを生成した後、チャネル帯域及び全体放送帯域に対するトーンリザベーションの大きさを決定する。この時、前記チャネル帯域及び全体放送帯域のトーンリザベーションの大きさを決定する動作は並列的に行われるか、または全体放送帯域のトーンリザベーションの大きさを先に決定することもできる。
【0048】
別の実施形態で、送信区間は、チャネル帯域及び全体放送帯域のトーンリザベーションの大きさを決定した後、各チャネル帯域の放送データを生成することもできる。この時、前記チャネル帯域及び全体放送帯域のトーンリザベーションの大きさは、前記チャネル帯域のトーンリザベーションの大きさを先に決定するか、前記全体放送帯域のトーンリザベーションの大きさを先に決定するか、または前記チャネル帯域及び全体放送帯域のトーンリザベーションの大きさを並列的に生成することもできる。
【0049】
さらに別の実施形態で、送信区間は、各チャネル帯域の放送データを生成した後、チャネル帯域のトーンリザベーションの大きさを決定し、統合放送データを生成した後、全体放送帯域のトーンリザベーションの大きさを決定することもできる。
【0050】
また、前記
図2及び
図3に示す実施形態のように、送信区間は、チャネル帯域のトーンリザベーションを用いて各チャネル帯域の放送信号を生成し、各チャネル帯域の放送信号を統合して生成した統合放送データに全体放送帯域のトーンリザベーションを挿入して統合放送信号を生成する。
【0051】
別の実施形態で、前記送信区間は、チャネル帯域のトーンリザベーション及び全体放送帯域のトーンリザベーションを用いて各チャネル帯域の放送信号を生成し、各チャネル帯域の放送信号を統合して統合放送信号を生成することもできる。
【0052】
さらに別の実施形態で、前記送信区間は、各チャネル帯域の放送信号を生成し、各チャネル帯域の放送信号を統合して統合放送信号を生成する。以降、前記送信区間は、チャネル帯域のトーンリザベーション及び全体放送帯域のトーンリザベーションを前記統合放送信号に挿入して最終放送信号を生成することもできる。この時、前記送信区間は、トーンリザベーションの位置に存在する放送データを削除してトーンリザベーションを挿入することもできる。
【0053】
図4は、本発明の実施形態による放送通信システムにおける放送信号を受信するための手順を示している。
【0054】
前記
図4に示すように、受信区間は、ステップ401で全体放送帯域からユーザに提供する放送サービスのチャネル帯域を確認する。例えば、前記受信区間は、予め決定された放送サービスに対するチャネル帯域情報に応じてユーザに提供する放送サービスのチャネル帯域を確認する。別の例として、前記受信区間は、送信区間から提供された制御情報を介してユーザに提供する放送サービスのチャネル帯域を確認することができる。
【0055】
以降、前記受信区間は、ステップ403に進んで前記確認したチャネル帯域を介して放送信号が受信されるかを確認する。例えば、前記受信区間は、前記確認したチャネル帯域の信号のみを受信するようにRF処理部をチューニングし、当該チャネルを介して放送信号が受信されるかを確認する。
【0056】
放送信号が受信された場合、前記受信区間は、ステップ405に進んで前記放送信号に含まれたトーンリザベーションを除去する。例えば、前記受信区間は、前記放送信号に対するFFT演算を行った後、トーンリザベーションを除去する。この時、前記受信区間は予め設定された位置でトーンリザベーションを除去するか、または送信区間から提供された制御情報から確認した位置でトーンリザベーションを除去する。ここで、前記受信区間が除去するトーンリザベーションは、チャネル帯域のトーンリザベーションであるか、受信可能な全体帯域のトーンリザベーションであるか、またはチャネル帯域のトーンリザベーションと全体放送帯域のトーンリザベーションとが結合された形態であり得る。
【0057】
以降、前記受信区間は、ステップ407に進んで放送データを検出する。この時、前記受信区間は前記検出した放送データを再生できる。
【0058】
以下の説明は、放送信号のPAPRを減少させるための送信区間の構成について説明する。
【0059】
図5は、本発明による放送通信システムにおける送信区間のブロック構成を示している。
【0060】
前記
図5に示すように、送信区間は、複数の送信機500−1乃至500−N、多重化器(MUX:Multiplexer)510、第2PAPR除去器520及びトーンリザベーション制御機530を含んで構成される。
【0061】
前記送信機500−1乃至500−Nは、各チャネル帯域を介して送信する放送信号を構成する。この時、前記送信機500−1乃至500−Nは、細部のブロック構成が同じである。したがって、前記送信機500−1乃至500−Nのうち第1送信機500−1を代表として説明する。
【0062】
前記第1送信機500−1は、符号化器501−1、トーン割り当て器503−1、OFDM変調器505−1、第1PAPR除去器507−1及び電力増幅器509−1を含んで構成される。
前記符号化器501−1は、当該チャネル帯域を介して送信する放送データをチャネル符号化(channel encoding)及び変調(modulation)してデータシンボルを生成する。
【0063】
前記トーン割り当て器503−1は、前記OFDM変調器505−1に入力される信号のうち前記トーンリザベーション制御機530で決定したトーンリザベーションの位置に情報がないトーンが位置するように信号を構成する。この時、前記トーン割り当て器503−1で構成した信号で、前記トーンリザベーションの位置を除いた位置のトーンには放送データ又はパイロットが割り当てられる。
【0064】
前記OFDM変調器505−1は、前記トーン割り当て器503−1から提供された信号に対するIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)演算を行う。
【0065】
前記第1PAPR除去器507−1は、前記OFDM変調器505−1から提供された時間領域信号にPAPRを減少させるためのトーンリザベーションを挿入する。この時、前記第1PAPR除去器507−1は、前記トーンリザベーション制御機530で決定したトーンリザベーションの位置に前記トーンリザベーション制御機530で決定した大きさのトーンリザベーションを挿入する。
【0066】
前記電力増幅器509−1は、前記第1PAPR除去器507−1から提供された放送信号が無線リソースを介して受信区間まで送信され得るように前記放送信号の電力を増幅して出力する。
【0067】
前記トーンリザベーション制御機530は、PAPRを減少させるために前記送信区間で送信する放送信号に挿入するトーンリザベーションの位置及び大きさを決定する。この時、前記トーンリザベーション制御機530は、各チャネル帯域の放送信号及び全体放送帯域の統合放送信号に挿入するトーンリザベーションの位置及び大きさを決定する。別の例として、各チャネル帯域の放送信号及び全体放送帯域の統合放送信号に挿入するトーンリザベーションの位置が予め設定された場合、前記トーンリザベーション制御機530は、各チャネル帯域の放送信号及び全体放送帯域の統合放送信号に挿入するトーンリザベーションの大きさのみを決定することもできる。
【0068】
前記多重化器510は、複数の送信機500−1乃至500−Nから提供された各チャネル帯域の放送信号を多重化して1つの統合放送信号を生成する。この時、前記多重化器510は、各チャネル帯域の放送信号を周波数分割して多重化できる。
【0069】
前記第2PAPR除去器520は、前記多重化器510から提供された統合放送信号にPAPRを減少させるためのトーンリザベーションを挿入する。この時、前記第2PAPR除去器520は、前記トーンリザベーション制御機530で決定したトーンリザベーションの位置に前記トーンリザベーション制御機530で決定した大きさのトーンリザベーションを挿入する。
【0070】
上記の実施形態で、送信区間は、それぞれの周波数を介して信号を送信する複数の送信機500−1乃至500−Nを含んで構成される。
【0071】
別の実施形態で、前記送信区間は、広帯域信号を処理する1つの送信機のみを含んで構成されることもできる。例えば、前記送信区間は、第1送信機500−1、多重化器(MUX)510、第2PAPR除去器520及びトーンリザベーション制御機530を含んで構成される。この場合、前記送信区間は、図に示していないが、チャネル帯域毎に放送信号を生成するために周波数帯域を区分するためのRF処理器を含んで構成される。ここで、前記RF処理器は、基底帯域信号をRF帯域の信号にアップコンバートする。
【0072】
さらに別の実施形態で、前記送信区間は、1つの送信機にRF処理器のみを複数含むように構成されることもできる。この場合、前記第1送信機500−1は、符号化器501−1、トーン割り当て器503−1、OFDM変調器505−1、第1PAPR除去器507−1及び電力増幅器509−1をそれぞれ1つずつ含み、RF処理器のみをチャネル帯域毎に複数含んで構成されることもできる。この時、前記第1送信機500−1は、図に示していないが、前記電力増幅器509−1と複数のRF処理器とを接続するスイッチを含んで構成される。
【0073】
また、上記の実施形態で、送信区間は、第1PAPR除去器507−1を用いてチャネル帯域の放送信号にチャネル帯域のトーンリザベーションを挿入し、第2PAPR除去器520を用いて全体放送帯域の放送信号に全体放送帯域のトーンリザベーションを挿入する。
【0074】
別の実施形態で、送信区間は、第1PAPR除去器507−1を用いてチャネル帯域の放送信号にチャネル帯域のトーンリザベーション及び全体放送帯域のトーンリザベーションを挿入することもできる。この場合、前記送信区間は、前記第2PAPR除去器520を含まない。
【0075】
さらに別の実施形態で、前記送信区間は、第2PAPR除去器520を用いて前記多重化器510から提供された統合放送信号にチャネル帯域のトーンリザベーション及び全体放送帯域のトーンリザベーションを挿入することもできる。この場合、前記送信区間の送信機500−1乃至500−Nは、前記第1PAPR除去器507−1乃至507−Nを含まない。
【0076】
上記のように構成される送信区間は、それぞれの送信機ごとに別途の電力増幅器を含むように構成される。別の例として、前記送信区間は、下記
図6に示すように1つの電力増幅器のみを含むように構成されることもできる。
【0077】
図6は、本発明の別の実施形態による放送通信システムにおける送信区間のブロック構成を示している。
【0078】
前記
図6に示すように、送信区間は、複数の送信機600−1乃至600−N、多重化器(MUX:Multiplexer)610、第2PAPR除去器620、電力増幅器630及びトーンリザベーション制御機640を含んで構成される。
【0079】
前記送信機600−1乃至600−Nは、各チャネル帯域を介して送信する放送信号を構成する。この時、前記送信機600−1乃至600−Nは細部のブロック構成が同じである。したがって、前記送信機600−1乃至600−Nのうち第1送信機600−1を代表として説明する。
【0080】
前記第1送信機600−1は、符号化器601−1、トーン割り当て器603−1、OFDM変調器605−1及び第1PAPR除去器607−1を含んで構成される。
【0081】
前記符号化器601−1は、当該チャネル帯域を介して送信する放送データをチャネル符号化及び変調してデータシンボルを生成する。
【0082】
前記トーン割り当て器603−1は、前記OFDM変調器605−1に入力される信号のうち前記トーンリザベーション制御機640で決定したトーンリザベーションの位置に情報がないトーンが位置するように信号を構成する。この時、前記トーン割り当て器603−1で構成した信号で、前記トーンリザベーションの位置を除いた位置のトーンには放送データ又はパイロットが割り当てられる。
【0083】
前記OFDM変調器605−1は、前記トーン割り当て器603−1から提供された信号に対するIFFT演算を行う。
【0084】
前記第1PAPR除去器607−1は、前記OFDM変調器605−1から提供された時間領域信号にPAPRを減少させるためのトーンリザベーションを挿入する。この時、前記第1PAPR除去器607−1は、前記トーンリザベーション制御機640で決定したトーンリザベーションの位置に前記トーンリザベーション制御機640で決定した大きさのトーンリザベーションを挿入する。
【0085】
前記トーンリザベーション制御機640は、PAPRを減少させるために前記送信区間で送信する放送信号に挿入するトーンリザベーションの位置及び大きさを決定する。この時、前記トーンリザベーション制御機640は、各チャネル帯域の放送信号及び全体放送帯域の統合放送信号に挿入するトーンリザベーションの位置及び大きさを決定する。別の例として、各チャネル帯域の放送信号及び全体放送帯域の統合放送信号に挿入するトーンリザベーションの位置が予め設定された場合、前記トーンリザベーション制御機640は、各チャネル帯域の放送信号及び全体放送帯域の統合放送信号に挿入するトーンリザベーションの大きさのみを決定することもできる。
【0086】
前記多重化器610は、複数の送信機600−1乃至600−Nから提供された各チャネル帯域の放送信号を多重化して1つの統合放送信号を生成する。この時、前記多重化器610は、各チャネル帯域の放送信号を周波数分割して多重化できる。
【0087】
前記第2PAPR除去器620は、前記多重化器610から提供された統合放送信号にPAPRを減少させるためのトーンリザベーションを挿入する。この時、前記第2PAPR除去器620は、前記トーンリザベーション制御機640で決定したトーンリザベーションの位置に前記トーンリザベーション制御機640で決定した大きさのトーンリザベーションを挿入する。
【0088】
前記電力増幅器630は、前記第2PAPR除去器620から提供された放送信号が無線リソースを介して受信区間まで送信され得るように前記放送信号の電力を増幅して出力する。
【0089】
上記の実施形態で、送信区間は、それぞれの周波数を介して信号を送信する複数の送信機600−1乃至600−Nを含んで構成される。
【0090】
別の実施形態で、前記送信区間は、広帯域信号を処理する1つの送信機のみを含んで構成されることもできる。例えば、前記送信区間は、第1送信機600−1、多重化器(MUX)610、第2PAPR除去器620、電力増幅器630及びトーンリザベーション制御機640を含んで構成される。この場合、前記送信区間は、図に示していないが、チャネル帯域毎に放送信号を生成するために周波数帯域を区分するためのRF処理器を含んで構成される。ここで、前記RF処理器は、基底帯域信号をRF帯域の信号にアップコンバートする。
【0091】
さらに別の実施形態で、前記送信区間は、1つの送信機にRF処理器のみを複数含むように構成されることもできる。この場合、前記送信区間は、図に示していないが、前記電力増幅器630と複数のRF処理器とを接続するスイッチを含んで構成される。
【0092】
以下の説明は、放送信号を受信するための受信区間の構成について説明する。
【0093】
図7は、本発明による放送通信システムにおける受信区間のブロック構成を示している。
【0094】
前記
図7に示すように、前記受信区間は、RF処理器700、OFDM復調器710、トーンリザベーション除去器720、復号化器730、チャネル制御機740及びトーンリザベーション制御機750を含んで構成される。
【0095】
前記RF処理器700は、アンテナを介して受信されるRF帯域信号を基底帯域信号にダウンコンバートする。この時、前記RF処理器700は、前記チャネル制御機740の制御に応じて放送サービスを提供されるための周波数帯域の信号を受信する。例えば、前記RF処理器700はチューナ、増幅器、ミキサ(mixer)、オシレータ(oscillator)、ADC(Analog to Digital Convertor)などを含んで構成される。ここで、前記チューナは、前記チャネル制御機740の制御に応じて全体放送帯域から前記受信区間のユーザに提供するチャネルの信号のみを受信するように受信周波数帯駅をチューニングする。
【0096】
前記チャネル制御機740は、前記受信区間のユーザにサービスを提供するための放送サービスのチャネル帯域に対する信号を受信するように前記RF処理器700を制御する。例えば、前記チャネル制御機740は、予め設定された放送サービス別チャネル帯域情報に応じてユーザに提供する放送サービスのチャネル帯域を確認する。別の例として、前記チャネル制御機740は、送信区間から提供された制御情報を介してユーザに提供する放送サービスのチャネル帯域を確認することができる。
【0097】
前記OFDM復調器710は、前記RF処理器700から提供された信号に対するFFT(Fast Fourier Transform)演算を介して周波数領域にマッピングされたシンボルを復元する。
【0098】
前記トーンリザベーション除去器720は、前記トーンリザベーション制御機750の制御に応じて前記OFDM復調器710から提供された周波数領域の信号に含まれたトーンリザベーションを除去する。
【0099】
前記トーンリザベーション制御機750は、送信区間でPAPRを除去するために挿入したトーンリザベーションの位置を確認して当該位置のトーンリザベーションを除去するように前記トーンリザベーション除去器720を制御する。例えば、トーンリザベーションの位置が予め設定された場合、前記トーンリザベーション制御機750は予め設定された位置でトーンリザベーションを除去するように前記トーンリザベーション除去器720を制御する。別の例として、トーンリザベーションの位置を送信区間で決定する場合、前記トーンリザベーション制御機750は、前記送信区間から提供された制御情報から確認した位置でトーンリザベーションを除去するように前記トーンリザベーション除去器720を制御することもできる。この時、前記トーンリザベーション制御機750は、チャネル帯域のトーンリザベーション、受信可能な全体帯域のトーンリザベーション、及びチャネル帯域のトーンリザベーションと全体放送帯域のトーンリザベーションとが結合されたトーンリザベーションのうちいずれか1つの形態のトーンリザベーションを除去するように制御する。
【0100】
前記復号化器730は、前記トーンリザベーション除去器720から提供されたデータシンボルの歪みを補償し、前記データシンボルを復調及びチャネル復号化して放送データを含むパケットを復元する。
【0101】
以下の説明は、本願発明によってチャネル帯域毎に最適化されたトーンリザベーションを挿入する場合の性能変化について説明する。
【0102】
図8は、本発明の実施形態による性能変化グラフを示している。
【0103】
前記
図8は、4MHzの帯域を使用する第1システム800のPAPR性能、8MHzの帯域を使用する第2システム810のPAPR性能及び16MHzの帯域を使用する第3システム820のPAPR性能を比較する。この時、前記第1システム800は、1MHzを有する4個のチャネル帯域を含み、前記第2システム810は、2MHzを有する4個のチャネル帯域を含み、前記第3システム820は、4MHzを有する4個のチャネル帯域を含むものであると仮定する。
【0104】
チャネル帯域及び全体放送帯域にトーンリザベーションを挿入した場合830、トーンリザベーション技法を使用しない方式840に比べて3dBのPAPR減少利得(PAPR reduction gain)が得られる。
【0105】
上記のように放送通信システムの送信区間で放送サービスのためのチャネル帯域単位にPAPRを減少させることによって、データスライシング技法によるチャネル帯域のPAPRを減少させることができる利点がある。
【0106】
一方、本発明を実施するための形態では具体的な実施形態について説明したが、本発明の範囲から逸脱しない限度内で様々な変形が可能であることは勿論である。したがって、本発明の範囲は説明された実施形態に限定されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲のみでなくこの特許請求の範囲と均等なものによって定められるべきである。