(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記移行候補データ記憶部に基づいて、前記クライアントコンピュータに、電子記録債権に移行可能な支払先を提示する移行提案画面を提供し、前記移行提案画面において移行を検討しない指示が設定された支払先企業コードを含むレコードを、前記移行候補データ記憶部から削除する移行提案提示手段
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
前記移行候補データ記憶部は、支払先企業が、当該支払データ処理システムを管理する金融機関との間で、前記電子債権記録機関システムを管理する電子債権記録機関の利用契約を結んでいるか否かを示す当行契約フラグをさらに格納し、
前記移行候補データ作成手段は、前記照会結果データの決済口座情報に当行の口座が含まれる支払先について、対応する移行候補データの当行契約フラグをセットし、
前記移行候補データ加工手段は、前記当行契約フラグがセットされた移行候補データの利用者番号について、前記電子債権記録機関連携システムに問い合わせを行って決済口座情報を取得し、取得した決済口座情報を用いて支払データを作成することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
手形発行システム、電子債権記録機関連携システム、および電子債権記録機関システムにネットワークを介して接続され、利用者番号、支払先企業コード、支払先企業名、記録請求日、および債権金額を格納する移行候補データ記憶部を備えた支払データ処理システムにおいて、
前記支払データ処理システムの支払データ受付手段が、クライアントコンピュータから電子債権記録機関標準フォーマットで作成された支払データを受信するステップと、
前記支払データ受付手段が、受信した支払データから、手形システム用識別子を含む前記手形発行システム用の手形発行請求データを抽出するステップと、
前記支払データ受付手段が、前記電子債権記録機関連携システム用の電子記録債権発生記録請求データである残りの支払データを前記電子債権記録機関連携システムに送信するステップと、
前記支払データ処理システムの移行候補データ作成手段が、前記支払データ受付手段が抽出した手形発行請求データに含まれる支払先企業コードについて、前記手形発行システムに支払先企業名を問い合わせるステップと、
前記移行候補データ作成手段が、前記電子債権記録機関システムに対して、取得した支払先企業名に基づく利用者情報照会要求を送信するステップと、
前記電子債権記録機関システムから受信した照会結果データに利用者情報が存在する場合、前記移行候補データ作成手段が、当該照会結果データに基づいて、前記支払先企業コードに対応する利用者番号を特定するステップと、
前記移行候補データ作成手段が、前記利用者番号が特定された支払先企業コードを含む手形発行請求データおよび前記取得した支払先企業名に基づいて、前記移行候補データ記憶部に移行候補データの登録を行うステップと、
前記支払データ処理システムの手形発行請求データ処理手段が、前記支払データ受付手段が抽出した手形発行請求データから、前記移行候補データ記憶部に格納された支払先企業コードを含むレコードを削除し、前記手形発行システムが受け入れ可能なデータフォーマットに変換するステップと、
前記手形発行請求データ処理手段が、変換したデータを前記手形発行システムに送信するステップと、
前記支払データ処理システムの移行候補データ加工手段が、前記移行候補データ記憶部に基づいて、電子債権記録機関標準フォーマットで支払データを作成するステップと
を実行することを特徴とする方法。
前記移行候補データ記憶部は、支払先企業が、当該支払データ処理システムを管理する金融機関との間で、前記電子債権記録機関システムを管理する電子債権記録機関の利用契約を結んでいるか否かを示す当行契約フラグをさらに格納し、
前記移行候補データ作成手段は、移行候補データの登録を行う際に、前記照会結果データの決済口座情報に当行の口座が含まれる支払先について、対応する移行候補データの当行契約フラグをセットし、
移行候補データ加工手段が、支払データを作成するステップの前に、
前記移行候補データ加工手段が、前記当行契約フラグがセットされた移行候補データの利用者番号について、前記電子債権記録機関連携システムに問い合わせを行って決済口座情報を取得するステップをさらに実行し、
移行候補データ加工手段は、取得した決済口座情報を用いて支払データを作成することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態に係る支払データ処理システムおよび支払データ処理方法を詳細に説明する。
【0013】
(システム構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る全体ネットワーク構成を示す図である。
図1において、銀行1に設置された支払データ処理システム101は、銀行1の顧客である支払企業2に設置されたクライアントコンピュータ102、銀行1に設置された手形発行システム103、および銀行1に設置された電子債権記録機関連携システム104と、インターネットなどのネットワーク105を介して通信を行うよう構成されている。また、支払データ処理システム101および電子債権記録機関連携システム104は、電子債権記録機関3に設置された電子債権記録機関システム106と、専用回線などのネットワーク107を介して通信を行うよう構成されている。
【0014】
支払データ処理システム101は、クライアントコンピュータ102から、手形発行システム103用の手形発行請求データと、電子債権記録機関連携システム104用の電子記録債権発生記録請求データとを含む支払データを受信する。支払データ処理システム101は、受信した支払データを手形発行請求データと電子記録債権発生記録請求データとに振り分け、各システムが受け入れ可能なデータフォーマットに適宜変換して、送信することができる。
【0015】
また、支払データ処理システム101は、手形発行請求データの支払先の名称に基づいて、電子債権記録機関システム106に利用者情報照会を行い、利用者情報照会の結果、支払先に対応する利用者番号が特定される場合、クライアントコンピュータ102に、電子記録債権に移行可能な支払先として提示することができる。
【0016】
手形発行システム103は、受信した手形発行請求データと、予め支払企業2から入手して管理している印影データとに基づいて所定様式で支払手形を印刷し、支払先企業に郵送するものである。手形発行システム103は、
図2に示されるような、支払企業コード、支払先企業コード、支払先企業名、および住所を含む、支払企業毎に支払先に関する情報を格納する支払先マスタ記憶部を備える。
【0017】
電子債権記録機関連携システム104は、電子債権記録機関システム106が提供するサービスを利用可能にするものであって、本実施形態では、支払データ処理システム101から電子記録債権発生記録請求データを受信して、電子債権記録機関システム106に送信することで、電子債権記録機関の記録原簿への電子記録債権の記録を可能にする。電子債権記録機関連携システム104は、
図3に示されるような、利用者番号、利用者名、決済口座情報(支店番号、預金種別(普通預金の場合は「1」、当座預金の場合は「2」)、口座番号)を含む、電子債権記録機関に登録された利用者に関する情報を格納する利用者マスタ記憶部を備える。
【0018】
次に、
図4のブロック図を参照して、上記した支払データ処理システム101の構成を詳細に説明する。なお、
図4では、単一のコンピュータシステムを想定し、必要な機能構成だけを示しているが、支払データ処理システム101を、複数のコンピュータシステムによる多機能の分散システムの一部として構成することもできる。
【0019】
支払データ処理システム101は、CPU401に、システムバス402を介してRAM403、入力装置404、出力装置405、通信制御装置406および不揮発性記憶媒体(ROMやHDDなど)で構成される記憶装置407が接続された構成を有する。記憶装置407は、上記した機能を奏するためのソフトウェアプログラムを格納するプログラム格納領域と、随時取得するデータや処理結果としてのデータ等を格納するデータ格納領域とを備えている。以下に説明するプログラム格納領域の各手段は、実際は独立したソフトウェアプログラム、そのルーチンやコンポーネントなどであり、CPU401によって記憶装置407から呼び出されRAM403のワークエリアに展開されて、データベース等を適宜参照しながら順次実行されることで、各機能を奏するものである。
【0020】
データ格納領域は、移行候補データ記憶部408を備える。
【0021】
移行候補データ記憶部408は、手形から電子記録債権へ移行可能な支払データを格納する。一実施形態では、
図5に示されるように、移行候補データ記憶部408は、請求者_利用者番号、支払企業コード、請求者_請求者名、取引相手_利用者番号、支払先企業コード、支払先企業名、当行契約フラグ、記録請求日、および債権金額を格納する。
【0022】
当行契約フラグは、支払先企業が、支払データ処理システム101を管理する銀行1との間で電子債権記録機関3の利用契約を結んでいるか否かを示す(利用契約なしの場合は「0」、利用契約ありの場合は「1」)。
【0023】
本実施形態では、支払データ処理システム101は、クライアントコンピュータ102から
図6に示される電子債権記録機関標準フォーマットで作成された支払データを受信して、移行可能なデータレコードを含む支払データのヘッダーレコードの請求者_利用者番号を移行候補データ記憶部408の請求者_利用者番号に、ヘッダーレコードのダミー項目に含まれる支払企業コードを移行候補データ記憶部408の支払企業コードに、ヘッダーレコードの請求者_請求者名を移行候補データ記憶部408の請求者_請求者名に、データレコードのダミー項目に含まれる支払先企業コードを移行候補データ記憶部408の支払先企業コードに、ヘッダーレコードに含まれる記録請求日を移行候補データ記憶部408の記録請求日に、およびデータレコードの債権金額を移行候補データ記憶部408の債権金額にそれぞれ格納する。
【0024】
また、支払データ処理システム101は、支払先企業コードに基づいて、手形発行システム103から取得した支払先企業名を、移行候補データ記憶部408の支払先企業名に格納する。
【0025】
さらに、支払データ処理システム101は、支払先企業名に基づいて、電子債権記録機関システム106から取得した利用者番号を、移行候補データ記憶部408の取引相手_利用者番号に格納する。
【0026】
プログラム格納領域に格納されているソフトウェアプログラムは、本発明に関連するものだけを列挙すると、支払データ受付手段409、移行候補データ作成手段410、移行提案提示手段411、手形発行請求データ処理手段412、および移行候補データ加工手段413を備えている。
【0027】
支払データ受付手段409は、クライアントコンピュータ102から電子債権記録機関標準フォーマットで作成された支払データを受信すると、受信した支払データを、手形発行システム103用の手形発行請求データと、電子債権記録機関連携システム104用の電子記録債権発生記録請求データとに振り分け、電子記録債権発生記録請求データを電子債権記録機関連携システム104に送信する。本実施形態では、支払データ受付手段409は、取引相手_利用者番号に手形システム用識別子を含むデータレコードを抽出して、残りの支払データを電子債権記録機関連携システム104に送信する。
【0028】
移行候補データ作成手段410は、支払データ受付手段409が抽出した支払データのデータレコードのダミー項目に含まれる支払先企業コードについて、手形発行システム103に支払先企業名および住所を問い合わせる。次に、移行候補データ作成手段410は、電子債権記録機関システム106に対して、取得した支払先企業名に基づく利用者情報照会要求を送信する。電子債権記録機関システム106は、利用者情報照会要求を受信すると、記録原簿から照会対象の支払先企業名を含む利用者情報を取得して、照会結果データを返す。
【0029】
照会結果データに利用者情報が存在する場合、移行候補データ作成手段410は、照会結果データおよび手形発行システム103から取得した住所に基づいて、支払先に対応する利用者番号を特定する。一実施形態では、移行候補データ作成手段410は、照会結果データに含まれる住所と手形発行システム103から取得した住所とを比較して、一致する利用者情報の利用者番号を特定する。
【0030】
続いて、移行候補データ作成手段410は、利用者番号が特定された支払先に対する支払データに基づいて、移行候補データ記憶部408に移行候補データの登録を行う。移行候補データの登録に際し、移行候補データ作成手段410は、照会結果データの決済口座情報に当行の口座が含まれる支払先に対する支払データについて、対応する移行候補データの当行契約フラグに「1」をセットする。
【0031】
移行提案提示手段411は、移行候補データ記憶部408に基づいて、クライアントコンピュータ102に、電子記録債権に移行可能な支払先を提示することができる。一実施形態では、移行提案提示手段411は、
図14に示されるように、移行可能な支払先企業コード、支払先企業名、および移行フラグを含む移行提案画面をクライアントコンピュータ102に表示することができる。本実施形態の移行フラグは、「移行を検討しない」または「移行を検討する」のいずれかを選択可能な入力項目であり、移行可能な各支払先について設定することができる。
【0032】
移行提案画面においてOKボタンが押下されると、移行提案提示手段411は、クライアントコンピュータ102から、移行提案画面において設定された情報を取得する。一実施形態では、取得した情報に基づいて、「移行を検討しない」指示が設定された支払先企業コードを含むレコードを、移行候補データ記憶部408から削除する。
【0033】
手形発行請求データ処理手段412は、手形発行システム103用の手形発行請求データとして振り分けられた支払データから、移行候補データ記憶部408に格納された支払先企業コードを含むレコードを削除し、手形発行システム103が受け入れ可能なデータフォーマットに変換して、変換したデータを手形発行システム103に送信する。
【0034】
移行候補データ加工手段413は、当行契約ありの移行候補データが存在するか否か判定する。本実施形態では、移行候補データ記憶部408に「当行契約フラグ:1」のレコードが存在するか否か判定する。当行契約ありの移行候補データが存在する場合、移行候補データ加工手段413は、当行契約ありの移行候補データ記憶部408の取引相手_利用者番号について、電子債権記録機関連携システム104に問い合わせを行い、決済口座情報を取得する。
【0035】
最後に、移行候補データ加工手段413は、移行候補データ記憶部408(および取得した決済口座情報)に基づいて、電子債権記録機関標準フォーマットで支払データを作成し、クライアントコンピュータ102に送信する。
【0036】
本実施形態では、移行候補データ加工手段413は、電子債権記録機関連携システム104の利用者マスタ記憶部から決済口座情報を取得しているが、別の実施形態では、電子債権記録機関システム106が提供する利用者情報照会サービスを利用することもできる。
【0037】
また、本実施形態では、移行候補データ加工手段413は、電子債権記録機関標準フォーマットで作成した支払データをクライアントコンピュータ102に送信しているが、別の実施形態では、作成した支払データを電子債権記録機関連携システム104に送信することもできる。
【0038】
(実施形態)
次に、
図12のフローチャートおよび
図13のメッセージシーケンス図を参照して、第1〜第4の実施形態に係る支払データの処理工程を説明する。支払企業Aは、銀行1との間で電子債権記録機関3の利用契約を事前に結び、電子債権記録機関3から利用者番号(000000001)が付与されているものとする。銀行1は、当該銀行1との間で電子債権記録機関3の利用契約を結んだ利用者について、電子債権記録機関連携システム104の利用者マスタ記憶部に登録を行うものとし、
図3に示されるレコードが格納されているものとする。また、支払企業Aは、銀行1が提供する支払手形発行代行サービスを利用する契約を事前に結び、支払企業A(支払企業コード:1111)の支払先として、
図2に示される企業が手形発行システム103の支払先マスタ記憶部に格納されているものとする。
【0039】
(第1の実施形態)
支払企業Aの担当者Xが、クライアントコンピュータ102を介して、電子債権記録機関標準フォーマットで支払データを作成し、支払データ処理システム101に送信する(S1201)。本実施形態では、
図7に示される支払データを作成したものとする。ヘッダーレコードには、請求者の情報(利用者識別番号:000000001、請求者名:支払企業A)、請求者の決済口座情報(銀行番号:0009、支店番号:200、預金種別:2、口座番号:1111111など)、債権(電子記録債権および支払手形)の発生日となる記録請求日(2014/9/30)に加えて、手形発行システム103において支払企業を一意に識別するための支払企業コード(1111)がダミー項目に格納されている。
【0040】
データレコード1は、電子債権記録機関連携システム104用の電子記録債権発生記録請求データであり、取引相手の情報(利用者識別番号:111111111)、取引相手の決済口座情報(銀行番号:0009、支店番号:200、預金種別:2、口座番号:4234567など)、および債権金額(3,000,000円)などが格納されている。
【0041】
データレコード2は、手形発行システム103用の手形発行請求データであり、取引相手_利用者番号には、当該データが手形発行システム103用の手形発行請求データであることを示す手形システム用識別子(tegata)が格納されている。また、データレコード2には、債権金額(1,000,000円)に加えて、手形発行システム103において支払先企業を一意に識別するための支払先企業コード(5555)がダミー項目に格納されている。
【0042】
データレコード3も、手形発行システム103用の手形発行請求データであり、取引相手_利用者番号には、手形システム用識別子(tegata)が格納されている。また、データレコード3には、債権金額(5,000,000円)に加えて、支払先企業コード(6666)がダミー項目に格納されている。
【0043】
利用者Xが作成した支払データには、その他追加のデータレコード、トレーラレコード、およびエンドレコードが含まれるが、詳細な説明は省略する。
【0044】
支払データ処理システム101の支払データ受付手段409は、クライアントコンピュータ102から電子債権記録機関標準フォーマットで作成された支払データを受信すると、受信した支払データを、手形発行システム103用の手形発行請求データと、電子債権記録機関連携システム104用の電子記録債権発生記録請求データとに振り分け(S1202)、電子記録債権発生記録請求データを電子債権記録機関連携システム104に送信する(S1203)。
【0045】
本実施形態では、支払データ受付手段409は、取引相手_利用者番号に手形システム用識別子(tegata)を含むデータレコード2およびデータレコード3を抽出して、データレコード1を含む残りの支払データを電子債権記録機関連携システム104に送信したものとする。
【0046】
S1204において、支払データ処理システム101の移行候補データ作成手段410は、支払データ受付手段409が抽出した支払データのデータレコードのダミー項目に含まれる支払先企業コードについて、手形発行システム103に支払先企業名および住所を問い合わせる。手形発行システム103が支払先マスタ記憶部から支払先企業名および住所を検索して送信すると(S1205)、移行候補データ作成手段410は、電子債権記録機関システム106に対して、取得した支払先企業名に基づく利用者情報照会要求を送信する(S1206)。
【0047】
本実施形態では、移行候補データ作成手段410は、支払先企業コード(5555、6666)について問い合わせを行い、手形発行システム103から、支払先企業コード(5555)に対する支払先企業名(関東商店)および住所(東京都港区・・・)と、支払先企業コード(6666)に対する支払先企業名(日本商店)および住所(東京都中央区・・・)とを取得したものとする。
【0048】
電子債権記録機関システム106は、利用者情報照会要求を受信すると、記録原簿から照会対象の支払先企業名を含む利用者情報を取得して、照会結果データを返す(S1207)。一実施形態では、電子債権記録機関システム106は、社名をキーとする利用者情報照会要求に対して、対象の社名を含む利用者情報が存在する場合、利用者番号および住所に加えて、1または複数の決済口座情報(銀行番号、支店番号のみ)を含む照会結果データを返す。
【0049】
本実施形態では、電子債権記録機関システム106は、社名(関東商店)をキーとする利用者情報照会要求に対して、利用者番号(000000100)、住所(東京都港区・・・)、および決済口座情報(銀行番号:0009、支店番号:200)を含む照会結果データを返し、社名(日本商店)をキーとする利用者情報照会要求に対して、利用者番号(000000101)、住所(東京都中央区・・・)、ならびに決済口座情報1(銀行番号:0009、支店番号:200)および決済口座情報2(銀行番号:0009、支店番号:300)を含む照会結果データを返したものとする。
【0050】
S1208の分岐において、利用者情報が存在する場合、移行候補データ作成手段410は、照会結果データおよび手形発行システム103から取得した住所に基づいて、支払先に対応する利用者番号を特定する(S1209)。一実施形態では、移行候補データ作成手段410は、照会結果データに含まれる住所と手形発行システム103から取得した住所とを比較して、一致する利用者情報の利用者番号を特定する。
【0051】
本実施形態では、支払先1(支払先企業名:関東商店)、支払先2(支払先企業名:日本商店)いずれについても利用者番号が特定されたものとする。
【0052】
S1210において、移行候補データ作成手段410は、利用者番号が特定された支払先に対する支払データに基づいて、移行候補データ記憶部408に移行候補データの登録を行う。移行候補データの登録に際し、移行候補データ作成手段410は、照会結果データの決済口座情報に当行の口座が含まれる支払先に対する支払データについて、対応する移行候補データの当行契約フラグに「1」をセットする。
【0053】
本実施形態では、いずれの支払先も決済口座情報に当行の口座(銀行番号:0009)を有するので、
図5(a)に示されるように、移行候補データ記憶部408に移行候補データの登録が行われたものとする。
【0054】
続いて、支払データ処理システム101の移行提案提示手段411は、移行候補データ記憶部408に基づいて、クライアントコンピュータ102に、電子記録債権に移行可能な支払先を提示する(S1211)。
【0055】
本実施形態では、移行提案提示手段411は、
図14に示されるような、移行可能な支払先として支払先1(関東商店)および支払先2(日本商店)を含む移行提案画面をクライアントコンピュータ102に表示したものとする。
【0056】
クライアントコンピュータ102上の移行提案画面において利用者Xが移行意思について入力を行い、OKボタンを押下すると(S1212)、移行提案提示手段411は、クライアントコンピュータ102から、移行提案画面において設定された移行意思情報を取得して、「移行を検討しない」指示が設定された支払先企業コードを含むレコードを、移行候補データ記憶部408から削除する(S1213)。
【0057】
本実施形態では、支払先1および支払先2について「移行を検討する」指示が設定され、移行候補データ記憶部408には、依然としてレコードが存在するものとする。
【0058】
S1214において、支払データ処理システム101の手形発行請求データ処理手段412は、S1202において手形発行システム103用の手形発行請求データとして振り分けられた支払データから、移行候補データ記憶部408に格納された支払先企業コードを含むレコードを削除する。本実施形態では、移行候補データ記憶部408に格納された支払先企業コード(5555、6666)を含むデータレコード2、およびデータレコード3を削除する。
【0059】
その後、手形発行請求データ処理手段412は、手形発行請求データを手形発行システム103が受け入れ可能なデータフォーマットに変換し、変換したデータを手形発行システム103に送信する(S1215)。
【0060】
S1216において、支払データ処理システム101の移行候補データ加工手段413は、当行契約ありの移行候補データが存在するか否か判定する。本実施形態では、移行候補データ記憶部408に「当行契約フラグ:1」のレコードが存在するので、S1217に進み、移行候補データ加工手段413は、当行契約ありの移行候補データの取引相手_利用者番号について、電子債権記録機関連携システム104に決済口座情報を問い合わせる(S1217)。電子債権記録機関連携システム104が利用者マスタ記憶部から決済口座情報を検索して送信すると(S1218)、移行候補データ加工手段413は、移行候補データ記憶部408および取得した決済口座情報に基づいて、電子債権記録機関標準フォーマットで支払データを作成し、クライアントコンピュータ102に送信する(S1219)。
【0061】
本実施形態では、移行候補データ加工手段413は、移行候補データ記憶部408の取引相手_利用者番号(000000100、000000101)について、電子債権記録機関連携システム104に問い合わせを行い、取引相手_利用者番号(000000100)に対する決済口座情報(支店番号:200、預金種別:2、口座番号:1234567)および取引相手_利用者番号(000000101)に対する決済口座情報1(支店番号:200、預金種別:2、口座番号:2234567)と決済口座情報2(支店番号:300、預金種別:2、口座番号:3234567)とを取得して、
図8に示されるような支払データをクライアントコンピュータ102に送信することができる。
【0062】
なお、取引相手_利用者番号に対して複数の決済口座情報が取得される場合、移行候補データ加工手段413は、例えば、「預金種別が2:当座預金の口座を優先する」、「支店番号の小さい口座を優先する」など、任意の手法を用いて1の決済口座情報を選択して、支払データの作成に用いることができる。
【0063】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、第1の実施形態と同様の支払データ(
図7)を作成した支払企業Aの担当者Xが、手形から電子記録債権への移行を検討しないケースについて説明する。S1201からS1210まで第1の実施形態と同様の処理が行われ、S1211において、移行提案提示手段411が、
図14に示されるような、移行可能な支払先として支払先1(関東商店)および支払先2(日本商店)を含む移行提案画面をクライアントコンピュータ102に表示したものとする。
【0064】
クライアントコンピュータ102上の移行提案画面において利用者Xが移行意思について入力を行い、OKボタンを押下すると(S1212)、移行提案提示手段411は、クライアントコンピュータ102から、移行提案画面において設定された移行意思情報を取得して、「移行を検討しない」指示が設定された支払先企業コードを含むレコードを、移行候補データ記憶部408から削除する(S1213)。
【0065】
本実施形態では、支払先1および支払先2について「移行を検討しない」指示が設定され、移行候補データ記憶部408から支払先企業コード(5555、6666)を含むレコードが削除されたものとする。
【0066】
S1214において、手形発行請求データ処理手段412は、S1202において手形発行システム103用の手形発行請求データとして振り分けられた支払データから、移行候補データ記憶部408に格納された支払先企業コードを含むレコードを削除する。本実施形態では、移行候補データ記憶部408にレコードが存在しないので、S1215に進み、手形発行請求データ処理手段412は、手形発行請求データを手形発行システム103が受け入れ可能なデータフォーマットに変換し、変換したデータを手形発行システム103に送信する(S1215)。
【0067】
本実施形態では、S1202において、手形発行請求データとして振り分けられたデータレコード2およびデータレコード3を含む支払データを、手形発行システム103が受け入れ可能なデータフォーマットに変換し、変換したデータを手形発行システム103に送信したものとする。
【0068】
S1216において、移行候補データ加工手段413は、当行契約ありの移行候補データが存在するか否か判定し、本実施形態では、移行候補データ記憶部408にレコードが存在しないので、S1219に進み、ここでも、移行候補データ記憶部408にレコードが存在しないので処理を終了する。
【0069】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、第1の実施形態、第2の実施形態と異なる支払データ(
図9)を支払企業Aの担当者Xが作成したものとし、手形から電子記録債権への移行を検討する支払先が存在しないケースについて説明する。
【0070】
支払企業Aの担当者Xが、クライアントコンピュータ102を介して、電子債権記録機関標準フォーマットで支払データを作成し、支払データ処理システム101に送信する(S1201)。
図9に示されるように、ヘッダーレコードには、請求者の情報(利用者識別番号:000000001、請求者名:支払企業A)、請求者の決済口座情報(銀行番号:0009、支店番号:200、預金種別:2、口座番号:1111111など)、債権(電子記録債権および支払手形)の発生日となる記録請求日(2014/10/31)に加えて、手形発行システム103において支払企業を一意に識別するための支払企業コード(1111)がダミー項目に格納されている。
【0071】
データレコード1は、電子債権記録機関連携システム104用の電子記録債権発生記録請求データであり、取引相手の情報(利用者識別番号:111111111)、取引相手の決済口座情報(銀行番号:0009、支店番号:200、預金種別:2、口座番号:4234567など)、および債権金額(3,000,000円)などが格納されている。
【0072】
データレコード2は、手形発行システム103用の手形発行請求データであり、取引相手_利用者番号には、当該データが手形発行システム103用の手形発行請求データであることを示す手形システム用識別子(tegata)が格納されている。また、データレコード2には、債権金額(1,000,000円)に加えて、手形発行システム103において支払先企業を一意に識別するための支払先企業コード(3333)がダミー項目に格納されている。
【0073】
データレコード3も、手形発行システム103用の手形発行請求データであり、取引相手_利用者番号には、手形システム用識別子(tegata)が格納されている。また、データレコード3には、債権金額(1,000,000円)に加えて、支払先企業コード(4444)がダミー項目に格納されている。
【0074】
利用者Xが作成した支払データには、その他追加のデータレコード、トレーラレコード、およびエンドレコードが含まれるが、詳細な説明は省略する。
【0075】
支払データ受付手段409は、クライアントコンピュータ102から電子債権記録機関標準フォーマットで作成された支払データを受信すると、受信した支払データを、手形発行システム103用の手形発行請求データと、電子債権記録機関連携システム104用の電子記録債権発生記録請求データとに振り分け(S1202)、電子記録債権発生記録請求データを電子債権記録機関連携システム104に送信する(S1203)。
【0076】
本実施形態では、支払データ受付手段409は、取引相手_利用者番号に手形システム用識別子(tegata)を含むデータレコード2およびデータレコード3を抽出して、データレコード1を含む残りの支払データを電子債権記録機関連携システム104に送信したものとする。
【0077】
S1204において、支払データ処理システム101の移行候補データ作成手段410は、支払データ受付手段409が抽出した支払データのデータレコードのダミー項目に含まれる支払先企業コードについて、手形発行システム103に支払先企業名および住所を問い合わせる。手形発行システム103が支払先マスタ記憶部から支払先企業名および住所を検索して送信すると(S1205)、移行候補データ作成手段410は、電子債権記録機関システム106に対して、取得した支払先企業名に基づく利用者情報照会要求を送信する(S1206)。
【0078】
本実施形態では、移行候補データ作成手段410は、支払先企業コード(3333、4444)について問い合わせを行い、手形発行システム103から、支払先企業コード(3333)に対する支払先企業名(埼玉商店)および住所(埼玉県・・・)と、支払先企業コード(4444)に対する支払先企業名(横浜商店)および住所(神奈川県・・・)とを取得したものとする。
【0079】
電子債権記録機関システム106は、利用者情報照会要求を受信すると、記録原簿から照会対象の支払先企業名を含む利用者情報を取得して、照会結果データを返す(S1207)。
【0080】
本実施形態では、電子債権記録機関システム106は、社名(埼玉商店)をキーとする利用者情報照会要求、および、社名(横浜商店)をキーとする利用者情報照会要求に対して、いずれも該当する利用者情報なしとする照会結果データを返したものとする。
【0081】
S1208の分岐において、利用者情報が存在しない場合、S1215に進み、手形発行請求データ処理手段412は、手形発行請求データを手形発行システム103が受け入れ可能なデータフォーマットに変換し、変換したデータを手形発行システム103に送信する。
【0082】
本実施形態では、S1202において、手形発行請求データとして振り分けられたデータレコード2およびデータレコード3を含む支払データを、手形発行システム103が受け入れ可能なデータフォーマットに変換し、変換したデータを手形発行システム103に送信したものとする。
【0083】
S1216において、移行候補データ加工手段413は、当行契約ありの移行候補データが存在するか否か判定し、本実施形態では、移行候補データ記憶部408にレコードが存在しないので、S1219に進み、ここでも、移行候補データ記憶部408にレコードが存在しないので処理を終了する。
【0084】
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、第1〜第3の実施形態と異なる支払データ(
図10)を支払企業Aの担当者Xが作成したものとし、手形から電子記録債権への移行を検討する一部の支払先が、当行との間で電子債権記録機関3の利用契約を結んでいないケースについて説明する。
【0085】
支払企業Aの担当者Xが、クライアントコンピュータ102を介して、電子債権記録機関標準フォーマットで支払データを作成し、支払データ処理システム101に送信する(S1201)。
図10に示されるように、ヘッダーレコードには、請求者の情報(利用者識別番号:000000001、請求者名:支払企業A)、請求者の決済口座情報(銀行番号:0009、支店番号:200、預金種別:2、口座番号:1111111など)、債権(電子記録債権および支払手形)の発生日となる記録請求日(2014/11/30)に加えて、手形発行システム103において支払企業を一意に識別するための支払企業コード(1111)がダミー項目に格納されている。
【0086】
データレコード1は、電子債権記録機関連携システム104用の電子記録債権発生記録請求データであり、取引相手の情報(利用者識別番号:111111111)、取引相手の決済口座情報(銀行番号:0009、支店番号:200、預金種別:2、口座番号:4234567など)、および債権金額(3,000,000円)などが格納されている。
【0087】
データレコード2は、手形発行システム103用の手形発行請求データであり、取引相手_利用者番号には、当該データが手形発行システム103用の手形発行請求データであることを示す手形システム用識別子(tegata)が格納されている。また、データレコード2には、債権金額(1,000,000円)に加えて、手形発行システム103において支払先企業を一意に識別するための支払先企業コード(5555)がダミー項目に格納されている。
【0088】
データレコード3も、手形発行システム103用の手形発行請求データであり、取引相手_利用者番号には、手形システム用識別子(tegata)が格納されている。また、データレコード3には、債権金額(2,000,000円)に加えて、支払先企業コード(7777)がダミー項目に格納されている。
【0089】
利用者Xが作成した支払データには、その他追加のデータレコード、トレーラレコード、およびエンドレコードが含まれるが、詳細な説明は省略する。
【0090】
支払データ処理システム101の支払データ受付手段409は、クライアントコンピュータ102から電子債権記録機関標準フォーマットで作成された支払データを受信すると、受信した支払データを、手形発行システム103用の手形発行請求データと、電子債権記録機関連携システム104用の電子記録債権発生記録請求データとに振り分け(S1202)、電子記録債権発生記録請求データを電子債権記録機関連携システム104に送信する(S1203)。
【0091】
本実施形態では、支払データ受付手段409は、取引相手_利用者番号に手形システム用識別子(tegata)を含むデータレコード2およびデータレコード3を抽出して、データレコード1を含む残りの支払データを電子債権記録機関連携システム104に送信したものとする。
【0092】
S1204において、支払データ処理システム101の移行候補データ作成手段410は、支払データ受付手段409が抽出した支払データのデータレコードのダミー項目に含まれる支払先企業コードについて、手形発行システム103に支払先企業名および住所を問い合わせる。手形発行システム103が支払先マスタ記憶部から支払先企業名および住所を検索して送信すると(S1205)、移行候補データ作成手段410は、電子債権記録機関システム106に対して、取得した支払先企業名に基づく利用者情報照会要求を送信する(S1206)。
【0093】
本実施形態では、移行候補データ作成手段410は、支払先企業コード(5555、7777)について問い合わせを行い、手形発行システム103から、支払先企業コード(5555)に対する支払先企業名(関東商店)および住所(東京都港区・・・)と、支払先企業コード(7777)に対する支払先企業名(大阪商店)および住所(大阪府・・・)とを取得したものとする。
【0094】
電子債権記録機関システム106は、利用者情報照会要求を受信すると、記録原簿から照会対象の支払先企業名を含む利用者情報を取得して、照会結果データを返す(S1207)。
【0095】
本実施形態では、電子債権記録機関システム106は、社名(関東商店)をキーとする利用者情報照会要求に対して、利用者番号(000000100)、住所(東京都港区・・・)、および決済口座情報(銀行番号:0009、支店番号:200)を含む照会結果データを返し、社名(大阪商店)をキーとする利用者情報照会要求に対して、利用者番号(777777777)、住所(大阪府・・・)、および決済口座情報(銀行番号:7777、支店番号:777)を含む照会結果データを返したものとする。
【0096】
S1208の分岐において、利用者情報が存在する場合、移行候補データ作成手段410は、照会結果データおよび手形発行システム103から取得した住所に基づいて、支払先に対応する利用者番号を特定する(S1209)。
【0097】
本実施形態では、支払先1(支払先企業名:関東商店)、支払先2(支払先企業名:大阪商店)いずれについても利用者番号が特定されたものとする。
【0098】
S1210において、移行候補データ作成手段410は、利用者番号が特定された支払先に対する支払データに基づいて、移行候補データ記憶部408に移行候補データの登録を行う。移行候補データの登録に際し、移行候補データ作成手段410は、照会結果データの決済口座情報に当行の口座が含まれる支払先に対する支払データについて、対応する移行候補データの当行契約フラグに「1」をセットする。
【0099】
本実施形態では、決済口座情報に当行の口座(銀行番号:0009)を有する支払先1(支払先企業名:関東商店)に対する支払データについて、対応する移行候補データの当行契約フラグに「1」をセットし、
図5(b)に示されるように、移行候補データ記憶部408に移行候補データの登録が行われたものとする。
【0100】
続いて、支払データ処理システム101の移行提案提示手段411は、移行候補データ記憶部408に基づいて、クライアントコンピュータ102に、電子記録債権に移行可能な支払先を提示する(S1211)。
【0101】
本実施形態では、移行提案提示手段411は、移行可能な支払先として支払先1(関東商店)および支払先2(大阪商店)を含む移行提案画面をクライアントコンピュータ102に表示したものとする。
【0102】
クライアントコンピュータ102上の移行提案画面において利用者Xが移行意思について入力を行い、OKボタンを押下すると(S1212)、移行提案提示手段411は、クライアントコンピュータ102から、移行提案画面において設定された移行意思情報を取得して、「移行を検討しない」指示が設定された支払先企業コードを含むレコードを、移行候補データ記憶部408から削除する(S1213)。
【0103】
本実施形態では、支払先1および支払先2について「移行を検討する」指示が設定され、移行候補データ記憶部408には、依然としてレコードが存在するものとする。
【0104】
S1214において、支払データ処理システム101の手形発行請求データ処理手段412は、S1202において手形発行システム103用の手形発行請求データとして振り分けられた支払データから、移行候補データ記憶部408に格納された支払先企業コードを含むレコードを削除する。本実施形態では、移行候補データ記憶部408に格納された支払先企業コード(5555、7777)を含むデータレコード2、およびデータレコード3を削除する。
【0105】
その後、手形発行請求データ処理手段412は、手形発行請求データを手形発行システム103が受け入れ可能なデータフォーマットに変換し、変換したデータを手形発行システム103に送信する(S1215)。
【0106】
S1216において、支払データ処理システム101の移行候補データ加工手段413は、当行契約ありの移行候補データが存在するか否か判定する。本実施形態では、移行候補データ記憶部408に「当行契約フラグ:1」のレコードが存在するので、S1217に進み、移行候補データ加工手段413は、当行契約ありの移行候補データの取引相手_利用者番号について、電子債権記録機関連携システム104に決済口座情報を問い合わせる(S1217)。電子債権記録機関連携システム104が利用者マスタ記憶部から決済口座情報を検索して送信すると(S1218)、移行候補データ加工手段413は、移行候補データ記憶部408および取得した決済口座情報に基づいて、電子債権記録機関標準フォーマットで支払データを作成し、クライアントコンピュータ102に送信する(S1219)。
【0107】
本実施形態では、移行候補データ加工手段413は、移行候補データ記憶部408の取引相手_利用者番号(000000100)について、電子債権記録機関連携システム104に問い合わせを行い、取引相手_利用者番号(000000100)に対する決済口座情報(支店番号:200、預金種別:2、口座番号:1234567)を取得して、
図11に示されるような支払データをクライアントコンピュータ102に送信することができる。
【0108】
図11に示されるように、当行との間で電子債権記録機関3の利用契約を結んでいない支払先(大阪商店)については、取引相手_利用者番号(777777777)の設定に留まる。従って、支払データを受信した担当者Xは、決済口座情報を支払先(大阪商店)に確認して支払データの決済口座情報を設定することで、電子債権記録機関連携システム104用の電子記録債権発生記録請求データとして用いることができる。
【0109】
なお、電子債権記録機関の1つである、でんさいネット(登録商標)のシステムが提供する利用者情報照会サービスでは、出願日時点において、利用者情報照会を行う金融機関との間で、でんさいネットの利用契約を結んでいない利用者については、口座番号を含む詳細な決済口座情報を取得することができない仕様となっている。今後、電子債権記録機関システム106のサービス内容変更等により、他行との間でのみ電子債権記録機関3の利用契約を結んでいる利用者についても詳細な決済口座情報を取得する処理が確立される場合、当行との間で電子債権記録機関3の利用契約を結んでいない利用者についても、決済口座情報を設定した支払データをクライアントコンピュータ102に送信することができる。
【0110】
以上、本発明によれば、決済手段として支払手形と電子記録債権とを併用する支払企業は、手形発行請求データと電子記録債権発生記録請求データとを含む支払データを一括で作成して、金融機関に処理を委託することができる。
【0111】
また、本発明の支払データ処理システムは、電子債権記録機関において利用者番号を取得している企業を支払先とする手形発行請求データを抽出して、支払手形から電子記録債権へ移行可能な支払先として提示する構成を有し、これにより、支払企業は、潜在的に電子記録債権への移行を許容する支払先を認識し、支払手形から電子記録債権への移行を促進することができる。
【解決手段】支払データから手形発行請求データを抽出する支払データ受付手段409と、抽出した手形発行請求データに含まれる支払先について、電子債権記録機関システムに利用者情報照会要求を送信し、照会結果データに基づいて、支払先に対応する利用者番号を特定し、移行候補データ記憶部に移行候補データの登録を行う移行候補データ作成手段410と、手形発行請求データから、移行候補データを削除し、手形発行システムが受け入れ可能なデータフォーマットに変換して送信する手形発行請求データ処理手段412と、移行候補データ記憶部408に基づいて、電子債権記録機関標準フォーマットで支払データを作成する移行候補データ加工手段413とを備えた。