【文献】
STAHLY,P.,医薬品の塩選択,結晶多形のスクリーニングの重要性について,薬剤学,2006年,Vol.66,No.6,p.435−439
【文献】
黒田弘文,医薬品プロセス研究における原薬の粒子径・多形の制御,分離技術,2007年11月30日,Vol.37,No.6,p.20(388)−23(391)
【文献】
高田則幸,創薬段階における原薬Formスクリーニングと選択,PHARM STAGE,2007年,Vol.6,No.10,p.20−25
【文献】
小嶌隆史 外,医薬品開発における結晶形の効率的選択−塩・結晶多形スクリーニングへのラマン分光法の応用−,PHARM TECH JAPAN,2007年11月1日,Vol.23,No.12,p.173(2461)−181(2469)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【実施例】
【0067】
次の実施例は、単に例示するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。以下の手順では、各出発材料の後に、説明について一般に記載する。これは単に熟練した化学者への支援のために記載している。出発材料は、必ずしも記述したバッチから調製したものでなくてよい。
【0068】
実施例では、特に断りのない限り:
1Η核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、Bruker社製機器において400MHzまたは700MHzにより記録し、化学シフトは、内部標準として残留溶媒系またはテトラメチルシランを用いてppm(δ)により記録される。分裂パターンは、s,一重線、d,二重線、t,三重線、q,四重線、m,多重線、b,幅広線として示す。示差走査熱量測定(DSC)は、TA Q1000熱量計において実施した。走査速度10℃/分。サンプルサイズは1〜2mgである。
【0069】
本書に次の略語を用いる:
イソ−プロパノールについてはIPA、分についてはmin、メチルイソ−ブチルケトンについてはMIBK、核磁気共鳴についてはNMR、100万分の1についてはppm、粉末X線回折についてはXRD、重量/重量についてはw/w、ミリリットルについてはml、グラムについてはg、およそについてはca、キログラムについてはkgである。
【0070】
実施例1:マレイン酸オルブピタント(形態2)の製造
酢酸エチル(5.4リットル)および15%w/w炭酸ナトリウム溶液(5.4リットル)に、{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}メチルアミン−(2R)−2−ヒドロキシブタン二酸(1.8kg)を加え、総ての固体が溶解するまで攪拌した。有機相を分離し、水(5.4リットル)で洗浄した。新鮮な酢酸エチル(6.7リットル)を加え、この溶液を減圧下で5.4リットルまで蒸留した。この溶液を酢酸エチル(3.6リットル)で希釈した。この反応槽を二酸化炭素でパージし、連続した一定の二酸化炭素流を維持した。トリエチルアミン(810ml)を30分かけて加え、酢酸エチル(250ml)ですすいだ。この反応混合物を30分間攪拌した。クロロトリメチルシラン(850ml)を、温度を17℃〜23℃の間に保持するように冷却しながら30分かけて加え、酢酸エチル(250ml)ですすいだ。この反応混合物を30分間攪拌した。ピリジン(720ml)を加え、酢酸エチル(250ml)ですすいだ。塩化チオニル(480ml)を10分かけて加えた後、酢酸エチル(500ml)すすいだ。この反応混合物を二酸化炭素雰囲気下、20℃で16時間攪拌した。28%w/wラセミリンゴ酸溶液(5.3リットル)を加え、この混合物を15分間攪拌した。有機相を分離し、酢酸エチル(1.5リットル)で希釈し、水(2×2.7リットル)および20%w/w第二リン酸カリウム溶液(5.6リットル)で洗浄した。この溶液を減圧下で総容量2.5リットルまで蒸留した。酢酸エチル(5リットル)を加え、この溶液を3リットルまで再蒸留し、{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}メチルカルバミン酸クロリドの溶液を得た。
【0071】
15%w/w炭酸ナトリウム溶液(4.8リットル)および酢酸エチル(4.8リットル)に、(2R)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ピペリジノン−(2S)−ヒドロキシ(フェニル)エタン酸(1.2kg)を加え、この混合物を固体が溶解するまで攪拌した。有機相を分離し、20%w/w塩化ナトリウム溶液(4リットル)を洗浄した。新鮮な酢酸エチル(4.8リットル)を加え、この(2R)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ピペリジノン溶液を減圧下で容量3リットルまで蒸留した。
【0072】
{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}メチルカルバミン酸クロリド溶液に、(2R)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ピペリジノン溶液、次いで、酢酸エチル洗液(300ml)を投入した。トリエチルアミン(857g)、次いで酢酸エチル(300ml)を加え、この混合物を還流下で18時間煮沸した。このスラリーを20℃まで冷却し、N−アセチルピペラジン(240g)を加えた。この反応混合物を20℃で30分間攪拌した後、28%w/wラセミリンゴ酸溶液(3.6リットル)を投入した。有機相を分離し、20%w/w塩化ナトリウム溶液(4.8リットル)で洗浄した。酢酸エチル(4.8リットル)を加え、この(2R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−オキソ−1−ピペリジンカルボキサミド溶液を減圧蒸留下で総容量3リットルまで蒸留した。
【0073】
(8aS)−ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6(2H)−オン−(2S)−(アセチルオキシ)(フェニル)エタン酸(1.5kg)をアセトニトリル(11.4リットル)に加え、トリエチルアミン(450g)を加えた。アセトニトリル洗液(250ml)を加え、このスラリーを20℃で30分間攪拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(900g)を加え、この反応物を10℃まで冷却した。この混合物に、温度を15℃より低く保ちながら30分かけてギ酸(396ml)を加えた。アセトニトリル洗液(250ml)を加え、この反応物を20℃まで温めた。この反応混合物に、酢酸エチル中、(2R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−オキソ−1−ピペリジンカルボキサミドの溶液を加え、アセトニトリル(1リットル)ですすいだ。この反応物を16時間20℃で攪拌した。
【0074】
このスラリーを減圧下で5リットルまで蒸留した。この混合物を酢酸エチル(10リットル)で希釈し、13%w/wアンモニア溶液(2×4リットル)および10%w/w塩化ナトリウム溶液(4リットル)で洗浄した。有機溶液を減圧下で5リットルまで蒸留した。この溶液をIPA(8リットル)で希釈し、減圧下で5リットルまで蒸留した。IPA(8リットル)を追加し、この溶液を再び5リットルまで蒸留した。
【0075】
IPA(2.5リットル)中、マレイン酸(248.5g)の溶液を加えた。次に、この混合物にマレイン酸オルブピタントA(1g)を播種し、この混合物を1時間熟成させた。イソ−オクタン(10リットル)を30分かけて加え、この混合物をさらに1時間熟成させた。このスラリーを7℃まで冷却し、さらに90分熟成させた。生じた固体を濾過し、IPA/イソ−オクタン(2×3リットルの1:1混合物)で洗浄した。得られた固体を減圧下、40℃で乾燥させ、標題化合物を得た(1.095kg、44%)。
NMR (CD
3OD) δ (ppm) 1.52-1.53 (d, 3H), 1.68-1.78 (m, 1H), 1.82-1.91 (q, 1H), 1.95-2.05 (m, 1H), 2.16-2.37 (m, 3H), 2.38-2.50 (m, 2H), 2.44 (s, 3H), 2.81-2.87 (t, 1H), 2.83 (s, 3H), 2.90-2.99 (m, 2H), 3.11-3.18 (dt, 1H), 3.48-3.60 (m, 3H), 3.66-3.69 (d, 1H), 3.89-3.96 (m, 1H), 4.15-4.19 (dd, 1H), 4.33-4.36 (dd , 1H), 5.40-5.45 (q, 1H), 6.26 (s, 2H), 6.76-6.81 (dt, 1H), 6.85-6.88 (dd, 1H), 7.27-7.31 (dd, 1H), 7.70 (s, 2H), 7.88 (s, 1H).
(M+H)
+ C
31H
35F
7N
4Oの理論値629、実測値629。
【0076】
実施例1のXRDパターンを
図4に開示する。
実施例1のDSCサーモグラムを
図5に開示する。
【0077】
実施例1a 非晶質マレイン酸オルブピタントの製造
塩酸オルブピタント(1.00g)を酢酸エチル(20ml)に懸濁させ、水(10ml)および25%w/wアンモニア(10ml)を加えた。水層を分離し、有機層を10%w/w塩化ナトリウム溶液(2×10ml)で洗浄した。有機溶液を分離し、蒸発乾固させ、イソプロパノール(20ml)を加えた。この溶液を蒸発乾固させた。この材料をイソプロパノール(6ml)で希釈し、イソプロパノール(2.0ml)中マレイン酸(0.174g)の溶液を加えた。イソ−オクタン(総量8ml)を加え、この溶液を一晩攪拌した。この溶液を蒸発させて油状物とした。tert−ブチルメチルエーテル(10ml)を加え、この溶液を蒸発乾固させた。tert−ブチルメチルエーテルの添加と蒸発を計4回繰り返した。最後の蒸発の際に泡沫が生じ、これが固化させて標題化合物を得た。
NMR (CD
3OD) δ (ppm) 1.51-1.53 (d, 3H), 1.68-1.77 (m, 1H), 1.80-1.89 (q, 1H),1.93-2.02 (m, 1H), 2.14-2.37 (m, 3H), 2.38-2.50 (m, 2H), 2.44 (s, 3H), 2.77-2.83 (t, 1H), 2.83 (s, 3H), 2.90-2.96 (m, 2H), 3.09-3.15 (dt, 1H), 3.45-3.59 (m, 3H), 3.63-3.66 (d, 1H), 3.87-3.94 (m, 1H), 4.14-4.18 (dd, 1H), 4.32-4.36 (dd , 1H), 5.40-5.45 (q, 1H), 6.26 (s, 2H), 6.76-6.81 (dt, 1H), 6.85-6.89 (dd, 1H), 7.27-7.31 (dd, 1H), 7.69 (s, 2H), 7.88 (s, 1H).
【0078】
実施例1b マレイン酸オルブピタントAの製造
方法A
酢酸エチル(93ml)中、塩酸オルブピタント(6.65g)の攪拌スラリーを水(47ml)および880アンモニア水溶液(47ml)で処理した。室温で10分間攪拌した後、有機相を分離し、水(3×47ml)で洗浄した。有機相を蒸発させて白色泡沫(6.323g)とした。この泡沫をTHF(74ml)に溶解させ、この無色透明な溶液をマレイン酸(1.161g)で処理した。この溶液を還流下で1時間加熱した後、この溶液を二等分した。この一方にマレイン酸(290mg)を追加し、この混合物を還流下で加熱した。0.75時間後、イソ−オクタン(37ml)を加え、この混合物を室温まで冷却してやや曇りのある溶液を得た。マレイン酸オルブピタント非晶質実施例1aの少量のサンプルをホットプレート上の顕微鏡スライド上で加熱して褐色融解物を得た。これを冷却すると、結晶化が見られた。この固体をスライドから掻き取った。
【0079】
顕微鏡スライドから得られた固体を上記の曇りのある溶液に種結晶として用いたところ、すぐに結晶化して粘稠なスラリーが得られた。このスラリーを一晩攪拌した後、約70℃まで加熱した。1時間後、このスラリーを室温まで冷却した後、さらに2時間後に生成物を回収した。1:1 THF/イソ−オクタン(3×5ml)で洗浄し、軽く吸引乾燥した後、室温で真空乾燥させ、固体マレイン酸オルブピタントA(3.782g)を得た。
NMR (CDCl
3) δ (ppm) 1.42-1.44 (d, 3H), 1.60-1.70 (m, 1H), 1.84-1.93 (q, 1H), 1.93-2.01 (m, 1H), 2.12-2.15 (d, 1H), 2.21-2.25(d, 1H), 2.30-2.40 (m, 1H), 2.41 (s, 3H), 2.42-2.51 (m, 3H), 2.73 (s, 3H), 2.72-2.77 (m, 1H), 2.94-3.00 (t, 1H), 3.26-3.32 (t, 1H), 3.36-3.50 (m, 3H), 3.58-3.60 (d, 1H), 4.03-4.10 (m, 1H), 4.19-4.23 (dd, 1H), 4.31-4.34 (dd , 1H), 5.49-5.54 (q, 1H), 6.29 (s, 2H), 6.80-6.86 (m, 2H), 7.15-7.19 (dd, 1H), 7.55 (s, 2H), 7.78 (s, 1H).
【0080】
方法B
酢酸エチル(270リットル)および15%w/w炭酸ナトリウム溶液(310kg)に、{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}メチルアミン−(2R)−2−ヒドロキシブタン二酸(90kg)を加え、総ての固体が溶解するまで攪拌した。有機相を分離し、水(270リットル)で洗浄した。新鮮な酢酸エチル(336リットル)を加え、この溶液を減圧下でおよそ270リットルまで蒸留した。酢酸エチル(336リットル)を追加し、この溶液を減圧下でおよそ270リットルまで蒸留した。
【0081】
この溶液を酢酸エチル(180リットル)で希釈した。この反応槽を二酸化炭素でパージし、連続した一定の二酸化炭素流を維持した。トリエチルアミン(29.8kg)をおよそ30分かけて加え、酢酸エチル(15リットル)ですすいだ。この反応混合物をおよそ30分間攪拌した。クロロトリメチルシラン(36.2kg)を、温度をおよそ20℃に保持するように冷却しながらおよそ30分かけて加え、酢酸エチル(15リットル)ですすいだ。この反応混合物をおよそ30分間攪拌した。ピリジン(35.2kg)を加え、酢酸エチル(30リットル)ですすいだ。塩化チオニル(39.1kg)を加えた後、酢酸エチル(30リットル)ですすいだ。この反応混合物を、二酸化炭素雰囲気下、およそ20℃でおよそ16時間攪拌した。
【0082】
28%w/wラセミリンゴ酸溶液(302kg)を加え、この混合物をおよそ15分間攪拌した。有機相を分離し、酢酸エチル(90リットル)で希釈し、水(2×135リットル)および20%w/w第二リン酸カリウム溶液(316kg)で洗浄した。この溶液を減圧下で総容量およそ150リットルまで蒸留した。酢酸エチル(300リットル)を加え、この溶液をおよそ150リットルまで再蒸留し、{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}メチルカルバミン酸クロリドの溶液を得た。
【0083】
酢酸エチル(240リットル)をおよそ−10℃まで冷却し、(2R)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ピペリジノン−(2S)−ヒドロキシ(フェニル)エタン酸(60kg)を投入した。このスラリーをおよそ0℃まで温め、15%w/w炭酸ナトリウム溶液(275kg)を加えた。この混合物を総ての固体が溶解するまで攪拌した。有機相を分離し、20%w/w塩化ナトリウム溶液(274kg)で洗浄した。新鮮な酢酸エチル(240リットル)を加え、(2R)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ピペリジノン溶液を減圧下で容量およそ180リットルまで蒸留した。
【0084】
(2R)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ピペリジノン溶液に{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}メチルカルバミン酸クロリド溶液、次いで酢酸エチル洗液(60リットル)を投入した。トリエチルアミン(43kg)、次いで酢酸エチル(12リットル)を加え、この混合物を還流下で計およそ23時間煮沸した。このスラリーをおよそ20℃まで冷却し、N−アセチルピペラジン(12kg)および酢酸エチル(12リットル)を加えた。この反応混合物をおよそ30分攪拌した後、28%w/wラセミリンゴ酸溶液(202kg)を投入した。有機相を分離し、20%w/w塩化ナトリウム溶液(274リットル)で洗浄した。酢酸エチル(240リットル)を加え、(2R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−オキソ−1−ピペリジンカルボキサミド溶液を減圧蒸留下で総容量およそ180リットルまで蒸留した。
【0085】
(8aS)−ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6(2H)−オン−(2S)−(アセチルオキシ)(フェニル)エタン酸(75kg)をアセトニトリル(570リットル)に加え、トリエチルアミン(22.7kg)を加えた。アセトニトリル洗液(15リットル)を加え、このスラリーをおよそ20℃でおよそ30分間攪拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(45kg)を加え、この反応をおよそ20℃まで冷却した。この混合物にギ酸(24.2kg)を、温度を15℃より低く保ちながらおよそ2時間かけて加えた。アセトニトリル洗液(15リットル)を加え、この反応物をおよそ20℃まで温めた。この反応混合物に、酢酸エチル中、(2R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−オキソ−1−ピペリジンカルボキサミドの溶液を加え、アセトニトリル(60リットル)ですすいだ。この反応物をおよそ20℃でおよそ32時間攪拌した。
【0086】
このスラリーを減圧下でおよそ300リットルまで蒸留した。この混合物を酢酸エチル(600リットル)で希釈し、13%w/wアンモニア溶液(228kgおよび221kg)、次いで10%w/w塩化ナトリウム溶液(256kg)で洗浄した。
有機溶液を減圧下でおよそ300リットルまで蒸留した。この溶液をIPA(480リットル)で希釈し、減圧下でおよそ300リットルまで蒸留した。IPA(480リットル)を追加し、この溶液をおよそ300リットルまで再び蒸留した。この溶液をIPA(80リットル)で希釈した。IPA(150リットル)中、マレイン酸(16.4kg)の溶液を加え、さらにIPA(6リットル)ですすいだ。次いで、この混合物に形態2のマレイン酸オルブピタント(60g)を播種し、この混合物をおよそ2.5時間熟成させた。イソ−オクタン(510リットル)をおよそ50分かけて加え、この混合物をさらにおよそ1時間熟成させた。このスラリーをおよそ5〜10℃まで冷却し、さらにおよそ90分間熟成させた。生じた固体を濾過し、IPA/イソ−オクタン1:1混合物(2×180リットル)で洗浄した。得られた固体を減圧下50℃で乾燥させ、87.0kgの(2R,4S)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−[(8aS)−6−オキソヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−2(1H)−イル]−1−ピペリジンカルボキサミドマレーエートと(2R,4R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−[(8aS)−6−オキソヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−2(1H)−イル]−1−ピペリジンカルボキサミドマレエートの63.8:36.6混合物を得た。この固体1.00kgをMIBK(8L)でスラリーとし、20〜25℃で23時間30分攪拌した。次に、このスラリーを真空下で濾過した。濾液を容量およそ2.0リットルまで真空濃縮した(35mbar、温度<45℃に保持)。次に、2−メチルテトラヒドロフラン(9L)を、添加中、温度を45±5℃に保ちながら加えた。この溶液を完全に溶解するよう65〜70℃まで加熱した後、40〜45℃まで冷却し、その後、マレイン酸オルブピタントA(0.635g)を播種した。このスラリーをおよそ2時間かけて20〜25℃まで冷却した後、この温度でおよそ15.5時間攪拌した。この生成物を真空濾過により回収し、濾過ケーキを2Me−THF/MIBK(6:1、2×1.27L)で洗浄した後、真空下およそ50℃で乾燥させ、500gのマレイン酸オルブピタントAを得た。DSCによれば、112℃で融解開始。
NMR (CD
3OD) δ (ppm) 1.51-1.53 (d, 3H), 1.68-1.78 (m, 1H), 1.79-1.88 (q, 1H),1.92-2.02 (m, 1H), 2.14-2.37 (m, 3H), 2.40-2.50 (m, 2H), 2.44 (s, 3H), 2.76-2.84 (t, 1H), 2.83 (s, 3H), 2.88-2.96 (m, 2H), 3.08-3.15 (dt, 1H), 3.43-3.59 (m, 3H), 3.62-3.65 (d, 1H), 3.86-3.93 (m, 1H), 4.14-4.18 (dd, 1H), 4.32-4.36 (dd , 1H), 5.40-5.45 (q, 1H), 6.26 (s, 2H), 6.76-6.81 (dt, 1H), 6.85-6.88 (dd, 1H), 7.27-7.30 (dd, 1H), 7.69 (s, 2H), 7.88 (s, 1H).
【0087】
マレイン酸オルブピタントAは結晶度が中程度の生成物である。形態2のマレイン酸オルブピタントとマレイン酸オルブピタント溶媒和形の種々の混合物である。
【0088】
実施例2:形態1のマレイン酸オルブピタントの製造
酢酸エチル(200ml)中、{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}メチルアミンと(2R)−2−ヒドロキシブタン二酸(67.5g)の混合物を、水(200ml)中、炭酸ナトリウム(26g)の溶液で処理した。この混合物を総ての固体が溶解するまで攪拌した。有機層を分離し、水(200ml)で洗浄した。有機相をさらに酢酸エチル(250ml)で希釈した後、250mlまで真空濃縮した。次に、有機相をさらに酢酸エチル(250ml)で希釈した後、250mlまで再び真空濃縮した。
【0089】
この溶液をフラスコに移し、酢酸エチル(2×5ml)で洗浄した後、このフラスコを二酸化炭素流でフラッシュした。次に、このフラスコにトリエチルアミン(30.5ml)を6分かけて投入した。36分後、塩化トリメチルシリル(32ml)を29分かけて加えた。さらに50分後、ピリジン(27ml)を1分かけて加えた。さらに8分後、塩化チオニル(18ml)を4分かけて加えた。この混合物を二酸化炭素雰囲気下、周囲温度で一晩攪拌した。この反応混合物を、氷浴冷却しながら、水(100ml)中、リンゴ酸(28g)の溶液で10分かけて処理した。15分間攪拌した後、水相を分離した。有機相を水(100ml)、次いで水(150ml)中、炭酸ナトリウム(19.5g)の溶液で洗浄した。有機相をさらに酢酸エチル(150ml)で希釈し、125mlまで真空濃縮した。酢酸エチル(150ml)を追加した後、この溶液を125mlまで再濃縮した(溶液A)。
【0090】
酢酸エチル(200ml)、水(200ml)および炭酸ナトリウム(26g)の攪拌混合物に、(2R)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ピペリジノン−(2S)−ヒドロキシ(フェニル)エタン酸(50g)を加えた。透明な溶液が生じたところで有機相を分離し、水(200ml)中、塩化ナトリウム(40g)の溶液で洗浄した。有機相をさらに酢酸エチル(200ml)で希釈し、125mlまで真空濃縮した(溶液B)。
【0091】
溶液Bをトリエチルアミン(49ml)で処理した後、溶液Aを加え、酢酸エチル(2×2ml)で洗浄した。この混合物をおよそ76℃まで加熱した。およそ18時間後、この混合物をN−アセチルピペラジン(10g)で処理し、酢酸エチル(2×2ml)で洗浄した。20分間攪拌した後、水(150ml)中、リンゴ酸(42g)の溶液を加えた。5分間攪拌した後、有機相を分離し、水(200ml)中、塩化ナトリウム(40g)の溶液で洗浄した。有機相をアセトニトリル(200ml)で希釈し、125mlまで真空濃縮した。アセトニトリル(200ml)を追加し、この溶液を50mlまで真空濃縮した(溶液C)。
【0092】
窒素下、アセトニトリル(250ml)およびトリエチルアミン(13ml)中、(8aS)−ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6(2H)−オン−(2S)−(アセチルオキシ)(フェニル)エタン酸(31.25g)の攪拌スラリーに、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(18.75g)を加えた。この混合物を10℃より低く冷却し、15℃より低い温度にえギ酸(8.25ml)で処理した。溶液Cの一部(62g)を10分かけて加え、この混合物を周囲温度まで温めた。およそ24時間後、この反応混合物をおよそ150mlまで真空濃縮した。酢酸エチル(225ml)を加え、この溶液を13%w/vアンモニア水溶液(2×100ml)および10%w/v塩化ナトリウム水溶液(100ml)で洗浄した。有機相をおよそ125mlまで真空濃縮し、イソ−プロパノール(200ml)で希釈した。この混合物をおよそ120mlまで真空濃縮した。イソ−プロパノール(200ml)を追加し、濃縮を繰り返した。この濃縮物をイソ−プロパノールで希釈し、総容量125mlとした(溶液D)。
【0093】
溶液Dの一部(25ml)をフラスコに投入し、IPA(10.3ml)で希釈した。この溶液をIPA(9.1ml)中、マレイン酸(1.237g)の溶液で5分かけて処理し、IPA(1.2ml)で洗浄した。この溶液をおよそ60℃まで温め、イソ−オクタン(41.3ml)で処理した。この混合物をおよそ49℃まで冷却し、形態1のマレイン酸オルブピタント(実施例5に従って製造されたもの10mg)を播種した。この混合物をおよそ35℃まで冷却し、一晩攪拌した。このスラリーをおよそ7℃まで冷却した。さらに2.5時間後、生成物を真空濾過により回収した。ベッドを1:1のIPA/イソ−オクタン(2×10ml)で洗浄し、軽く吸引乾燥した後、固体をおよそ50℃で真空乾燥させ、形態1のマレイン酸オルブピタントを得た。収量:2.886g。融点183〜185℃(Electrothermal IA9000シリーズ融点装置を用いて測定。値は補正していない)。
NMR (CD
3OD) δ (ppm) 1.51-1.53 (d, 3H), 1.67-1.77 (m, 1H), 1.78-1.87 (q, 1H), 1.91-2.01 (m, 1H), 2.13-2.22 (m, 2H), 2.25-2.34 (m, 1H) 2.36-2.50 (m, 2H), 2.44 (s, 3H), 2.74-2.80 (t, 1H), 2.83 (s, 3H), 2.86-2.96 (m, 2H), 3.06-3.13 (dt, 1H), 3.41-3.59 (m, 3H), 3.61-3.64 (d, 1H), 3.84-3.91 (m, 1H), 4.13-4.18 (dd, 1H), 4.32-4.36 (dd , 1H), 5.40-5.45 (q, 1H), 6.26 (s, 2H), 6.76-6.81 (dt, 1H), 6.86-6.89 (dd, 1H), 7.27-7.30 (dd, 1H), 7.70 (s, 2H), 7.88 (s, 1H).
【0094】
実施例3:形態1のマレイン酸オルブピタントの製造
イソ−オクタン(10ml)中、マレイン酸オルブピタントA実施例1b方法A(500mgのスラリーを98〜99℃(還流)で一晩攪拌した。このスラリーを周囲温度まで冷却した。生成物を真空濾過により回収し、イソ−オクタンで洗浄し、軽く脱液し(deliquored)た後、およそ50℃で真空乾燥させ、形態1のマレイン酸オルブピタントを得た。収量:365mg。分解を伴った融解の開始=181℃(DSCによる)。
NMR (CD
3OD) δ (ppm) 1.51-1.53 (d, 3H), 1.67-1.77 (m, 1H), 1.78-1.87 (q, 1H), 1.91-2.01 (m, 1H), 2.13-2.22 (m, 2H), 2.25-2.34 (m, 1H) 2.36-2.50 (m, 2H), 2.44 (s, 3H), 2.74-2.80 (t, 1H), 2.83 (s, 3H), 2.86-2.96 (m, 2H), 3.06-3.13 (dt, 1H), 3.41-3.59 (m, 3H), 3.61-3.64 (d, 1H), 3.84-3.91 (m, 1H), 4.13-4.18 (dd, 1H), 4.32-4.36 (dd , 1H), 5.40-5.45 (q, 1H), 6.26 (s, 2H), 6.76-6.81 (dt, 1H), 6.86-6.89 (dd, 1H), 7.27-7.30 (dd, 1H), 7.70 (s, 2H), 7.88 (s, 1H).
【0095】
実施例4:形態1のマレイン酸オルブピタントの製造
実施例1(1.00kg)をメチルイソ−ブチルケトン(MIBK)(9.0L)に溶解させ、50〜55℃まで温めた。この溶液を清浄な温かい容器中へ濾過し、MIBK(1.0L)を通して洗浄した。この溶液を70〜75℃まで再加熱し、イソ−オクタン(5L)を40分かけて加えた。この溶液を55〜57℃まで冷却し、マレイン酸オルブピタント(形態1の種結晶、10g)を加えた。1.5時間攪拌した後、このスラリーを23〜27℃まで冷却し、イソ−オクタン(5.0L)を追加した。このスラリーを23〜27℃で16時間攪拌し、生成物を濾過により単離し、イソ−オクタン(1L)とMIBK(1L)の混合物で洗浄した。この固体を真空炉にて50℃で乾燥させ、形態1のマレイン酸オルブピタント(908g、90.8%th)を得た。分解を伴った融解の開始=186℃(DSCよる)。
NMR (CD
3OD) δ (ppm) 1.52 (d, 3H), 1.69-1.76 (m, 1H), 1.84 (q, 1H), 1.93-2.01 (m, 1H), 2.13-2.18 (m, 1H), 2.19-2.24 (m, 1H), 2.27-2.33(m, 1H), 2.37-2.49 (m, 2H), 2.44 (s, 3H), 2.77 (t, 1H), 2.83 (s, 3H), 2.87-2.97 (m, 2H), 3.11 (dt, 1H), 3.41-3.48 (m, 1H), 3.50 (d, 1H), 3.56 (dt, 1H), 3.62 (d, 1H), 3.86-3.92 (m, 1H), 4.15 (dd, 1H), 4.34 (dd , 1H), 5.42 (q, 1H), 6.26 (s, 2H), 6.78 (dt, 1H), 6.87 (dd, 1H), 7.28 (dd, 1H), 7.69 (s, 2H), 7.87 (s, 1H).
HRMS C
31H
35F
7N
4O
2の理論値629.2721、実測値629.2770。
C
31H
35F
7N
4O
2C
4H
4O
4の分析値:C、56.5、H、7.5、F、5.3、N、17.9、実測値:C,56.5、H,7.4、F,5.1、N,18.0。
【0096】
実施例5:形態1のマレイン酸オルブピタントの製造
(2R,4S)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−[(8aS)−6−オキソヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−2(1H)−イル]−1−ピペリジンカルボキサミド(10.01g)および(2R,4R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−[(8aS)−6−オキソヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−2(1H)−イル]−1−ピペリジンカルボキサミド(4.27g)を含有するIPA溶液(計70ml)をIPA(23.8ml)で希釈した。IPA(21ml)中、マレイン酸(2.85g)を加え、IPA(2.8ml)で洗浄し、マレイン酸オルブピタントA(10mg)を播種した。このスラリーを1時間攪拌し、イソオクタン(95ml)を15分かけて滴下し、このスラリーをさらに1時間攪拌した。この混合物を7〜10℃まで冷却し、濾過し、IPAとイソオクタンとの1:1混合物で洗浄し、約50℃で真空乾燥させた。収量10.88g。このうち2.0gをIPA(20ml)に溶解させ、加熱して無色透明な溶液を得、約50℃まで冷却し、播種し(10mgの実施例3 形態1の)、その後、冷却した。これにより極めて粘稠な攪拌できないスラリーが得られ、これを再加熱して溶液を得た。イソオクタン(20ml)を60℃で加え、約50℃まで冷却し、再播種した(10mg 実施例3 形態1の)。この曇りのある溶液を一晩約50℃で攪拌し、約20℃まで冷却した。5時間後、この固体を真空濾過により回収し、IPAとイソ−オクタンの1:1混合物(2×2ml、2×1ml)で洗浄し、50℃で真空乾燥させた。収量1.546g。分解を伴った融解の開始=183℃(DSCによる)
NMR (CD
3OD) δ (ppm) 1.51-1.53 (d, 3H), 1.67-1.77 (m, 1H), 1.79-1.87 (q, 1H), 1.91-2.01 (m, 1H), 2.14-2.37 (m, 3H), 2.39-2.50 (m, 2H), 2.44 (s, 3H), 2.73-2.79 (t, 1H), 2.83 (s, 3H), 2.86-2.96 (m, 2H), 3.06-3.13 (dt, 1H), 3.40-3.58 (m, 3H), 3.60-3.63 (d, 1H), 3.84-3.91 (m, 1H), 4.13-4.17 (dd, 1H), 4.32-4.36 (dd, 1H), 5.40-5.45 (q, 1H), 6.26 (s, 2H), 6.76-6.81 (dt, 1H), 6.86-6.89 (dd, 1H), 7.27-7.30 (dd, 1H), 7.70 (s, 2H), 7.88 (s, 1H).
【0097】
実施例6 形態1のマレイン酸オルブピタントの製造
マレイン酸オルブピタントA(25Kg)を、およそ70℃まで温めながらメチルイソ−ブチルケトン(MIBK)(100Kg)に溶解させた。この溶液を、フィルターを通して清浄な温かい容器に入れ、工程配管を温MIBK(20Kg)を通して洗浄した。得られたMIBK溶液をおよそ70℃まで再加熱した。濾過したイソ−オクタン(10.4Kg)をおよそ70℃で17分かけて加えた。この溶液をおよそ60℃まで冷却し、予め作製しておいた、イソ−オクタン(0.7Kg)中、形態1のマレイン酸オルブピタントのスラリー(実施例4に従って製造したもの0.158Kg)を用いて播種した後、その播種容器をイソ−オクタン(1.4Kg)で洗浄し、およそ60℃でおよそ1時間攪拌した。濾過したイソ−オクタン(17.2Kg)をおよそ80分かけて追加した後、およそ30分間攪拌した。濾過したイソ−オクタン(17.3Kg)をおよそ1.5時間かけて追加し、得られたスラリーをおよそ0.5時間攪拌した。濾過したイソ−オクタン(6.9Kg)を0.5時間かけて追加した。さらにおよそ15時間攪拌した後、イソ−オクタン(103.5Kg)をおよそ2時間かけて追加し、このスラリーをおよそ1時間およそ60℃で攪拌した。このスラリーをおよそ26℃まで2時間かけて冷却した。およそ26℃でおよそ11.5時間攪拌した後、生成物を真空濾過により回収した。濾過ケーキを濾過したMIBK−イソ−オクタン(洗浄ごとにMIBK 20Kgとイソ−オクタン25.9Kgから作製)で2回洗浄し、脱液した後、真空炉にておよそ50℃で乾燥させ、標題化合物(21.5Kg、86%)を得た。分解を伴った融解の開始=185℃(DSCによる)。
NMR (CD
3OD) δ(ppm) 1.51-1.53 (d, 3H), 1.68-1.78 (m, 1H), 1.85-1.93 (q, 1H), 1.97-2.07 (m, 1H), 2.18-2.37 (m, 3H), 2.40-2.48 (m, 2H), 2.46 (s, 3H), 2.83-2.88 (t, 1H), 2.83 (s, 3H), 2.91-3.01 (m, 2H), 3.13-3.21 (dt, 1H), 3.51-3.59 (m, 3H), 3.68-3.71 (d, 1H), 3.92-3.99 (m, 1H), 4.15-4.19 (dd, 1H), 4.34-4.37 (dd , 1H), 5.40-5.46 (q, 1H), 6.25 (s, 2H), 6.76-6.81 (dt, 1H), 6.85-6.88 (dd, 1H), 7.27-7.31 (dd, 1H), 7.69 (s, 2H), 7.87 (s, 1H).
【0098】
実施例7 形態1のマレイン酸オルブピタントの製造
実施例1b 方法B(12kg)を、メチルイソ−ブチルケトン(MIBK)(およそ60.4L)に、70〜75℃まで温めることにより溶解させた。この溶液を清浄な温かい容器中に濾過し、温MIBK(およそ12L)を通して洗浄した。この溶液を70〜75℃まで再加熱して結晶性物質を溶解させた。イソ−オクタン(およそ10kg)を、70〜75℃に保ちながらおよそ10分かけて加えた。この溶液をおよそ60℃まで冷却し、播種し(0.24L濾過済みイソ−オクタン中でスラリーとした形態1の種結晶およそ24g)、およそ60℃でおよそ0.5時間保持した。イソ−オクタン(64.8kg)を、温度をおよそ60℃に保ちながらおよそ3時間かけて加えた。およそ60℃でおよそ63分熟成させた後、このスラリーをおよそ2時間かけておよそ25℃まで冷却した。さらにおよそ1時間熟成させた後、生成物を濾過により回収した。ベッドをまず濾過した2:3のMIBK/イソ−オクタン(1×57L)、次に無希釈のイソ−オクタン(1×57L)で洗浄し、吸引乾燥した後、45〜55℃で乾燥させた。収量93.8%th。分解を伴った融解の開始=185℃(DSCによる)。
NMR (CD
3OD) δ(ppm) 1.52-1.54 (d, 3H), 1.72-1.78 (m, 1H), 1.83-1.90 (q, 1H), 1.96-2.03 (m, 1H), 2.17-2.19 (dd, 1H), 2.22-2.25 (d, 1H), 2.28-2.36 (m, 1H), 2.39-2.51 (m, 2H), 2.46 (s, 3H), 2.77-2.81 (t, 1H), 2.85 (s, 3H), 2.90-2.98 (m, 2H), 3.10-3.16 (dt, 1H), 3.44-3.48 (m, 1H), 3.52-3.55 (m, 1H), 3.57-3.61 (m, 1H), 3.64-3.66 (d, 1H), 3.89-3.94 (m, 1H), 4.16-4.19 (dd, 1H), 4.35-4.38 (dd , 1H), 5.43-5.46 (q, 1H), 6.28 (s, 2H), 6.79-6.82 (dt, 1H), 6.87-6.90 (dd, 1H), 7.29-7.32 (dd, 1H), 7.71 (s, 2H), 7.89 (s, 1H).
【0099】
実施例8 形態1のマレイン酸オルブピタントの製造
マレイン酸オルブピタントA(550g)をメチルイソ−ブチルケトン(MIBK)(2.76L)に溶解させ、70〜75℃まで温めた。この溶液を清浄な温かい容器中に濾過し、MIBK(0.55L)を通して洗浄した。この溶液を70〜75℃で再加熱し、イソオクタン(0.33L)を9分かけて加えた。この内容物を、完全な溶液となるよう70〜75℃で保持した。この溶液を60〜65℃まで冷却し、マレイン酸オルブピタント(形態1の種結晶、実施例4に従って製造したもの3.47g)を加え、この内容物を57〜63℃で1時間攪拌した。イソオクタン(1.32L)を、温度を57〜63℃に保ちながら3時間45分かけて追加した。このスラリーを57〜63℃で17.5時間攪拌した。このスラリーにイソオクタン(3.31L)を、温度を57〜63℃に保ちながら2時間かけて追加し、この混合物を1時間攪拌した。このスラリーを22〜28℃まで2時間かけて冷却し、1時間攪拌した。生成物を濾過により単離し、イソオクタン(0.83L)とMIBK(0.55L)の混合物で2回洗浄した。この固体を真空炉にて50℃で乾燥させ、形態1のマレイン酸オルブピタント(519g、94.3%th)を得た。分解を伴った融解の開始=185℃(DSCによる)。
NMR (CD
3OD) δ (ppm) 1.51-1.53 (d, 3H), 1.68-1.77 (m, 1 H), 1.80-1.89 (q, 1 H), 1.94-2.03 (m, 1 H), 2.15-2.37 (m, 3H), 2.38-2.51 (m, 2H), 2.44 (s, 3H), 2.78-2.84 (t, 1 H), 2.83 (s, 3H), 2.90-2.96 (m, 2H), 3.09-3.16 (dt, 1 H), 3.46-3.59 (m, 3H), 3.64-3.67 (d, 1 H), 3.87-3.95 (m, 1 H), 4.14-4.18 (dd, 1 H), 4.32-4.36 (dd , 1 H), 5.40-5.45 (q, 1 H), 6.26 (s, 2H), 6.76-6.81 (dt, 1 H), 6.85-6.88 (dd, 1 H), 7.27-7.31 (dd, 1 H), 7.70 (s, 2H), 7.88 (s, 1 H).
【0100】
粉末X線回折(XRD)
XRDパターンは、PANalytical社製X’−Pert Pro粉末回折計モデルPW3040/60においてモノクロメーターを備えたX’Celerator検出器を使用し、銅KαX線を用いて決定した。取得条件は以下であった:発生電圧:40kV、発生電流:45mA、開始角度:2.0°2θ、終了角度:40.0°2θ、ステップサイズ:0.0167°2θ、1ステップ当たりの時間:31.75秒。
数mgの実施例5をシリコンウエハー(ゼロバックグラウンド)プレート上に載せることによりサンプルを調製し、粉末の薄層とした。
【0101】
そのパターンを
図1に示している。
【0102】
形態1のマレイン酸オルブピタントは、7.3±0.1、7.5±0.1、10.9±0.1、12.7±0.1、16.5±0.1°における特徴的な2θ角度ピークによって同定することができ、そしてそれらの値はそれぞれd−格子面間隔12.2、11.8、8.1、7.0、および5.4オングストローム(Å)に対応する。
【0103】
形態1のマレイン酸オルブピタントは、一般に、本質的に次の位置7.3±0.1、7.5±0.1、10.7±0.1、10.9±0.1、12.7±0.1、15.0±0.1、15.3±0.1、16.5±0.1、17.0±0.1、17.5±0.1、19.3±0.1、19.6±0.1、20.1±0.1、20.3±0.1、20.9±0.1、21.1±0.1、21.8±0.1、22.6±0.1°に2θ角度ピークを示し、それらの値はそれぞれd−格子面間隔12.2、11.8、8.3、8.1、7.0、5.9、5.8、5.4、5.2、5.1、4.6、4.5、4.4、4.4、4.3、4.2、4.1、3.9オングストローム(Å)に対応する。
【0104】
熱分析
示差走査熱量測定(DSC)は、TA Q1000熱量計において実施した。実施例6のサンプルをアルミニウムパンに計量し、その上にパンの蓋を載せ、パンを密閉しないで軽く圧着した。走査速度10℃/分。サンプルサイズ1〜2mg。マレイン酸オルブピタント形態1のサーモグラムを
図2に示す。
【0105】
DSCデータを記録する場合には、事象の開始またはピークの温度を記録することができる。電流充電時には、開始温度だけを記録する。開始温度は、主要な事象の接線とベースラインとの交点である。
【0106】
開始温度185℃でのややシャープな非対称的融解吸熱は分解を伴った。
【0107】
融解が分解を伴う場合には、同じ材料の異なるバッチで開始融解温度に小さな変動が観測され得ることは当業者ならば十分に理解するであろう。
【0108】
固体核磁気共鳴
図3の
13C固体NMRデータは、
13C観測のために周波数90.55MHzで作動するBruker分光計を使用して取得した。4−mm Bruker HFX MAS(マジック角回転)プローブを使用した。実施例4をジルコニアローターにゆっくりと充填し、温度296Kで、10kHzで回転させた。ランプド交差分極およびTOSS(サイドバンド完全抑制)パルスシーケンスを用いてデータを得た。プロトンデカップリングは、RFパワー100kHzでSPINAL64デカップリングシーケンスを用いて行った。特徴的な
13C NMRピーク位置は、0ppmのテトラメチルシランと比較して100万分の1(ppm)周波数で記録しており、機器変動および較正により精度は+/−0.3ppmである。
【0109】
医薬組成物
マレイン酸オルブピタントの形態1は、必ずしもそうではないが、通常は、患者への投与の前に医薬組成物へと処方される。一つの態様において、本発明は、マレイン酸オルブピタント形態1を含んでなる医薬組成物を示す。
マレイン酸オルブピタントの形態1の錠剤を、経口投与する有効成分の即時放出を提供する、10mg、30mg、50mg、および60mgのオルブピタントを含有する白色〜灰白色の円形フィルムコート錠として処方した。賦形剤のリストと錠剤の定量組成を以下の表1に記録する。
【0110】
表1 錠剤マレイン酸オルブピタントの組成
【表2】
【0111】
マレイン酸オルブピタント錠剤、10mg、30mg、50mg、および60mgを、湿式造粒工程、乾式混合工程、打錠工程、およびフィルムコーティング工程を用いて製造した。原体、ラクトース一水和物、結晶セルロース、およびクロスカルメロースナトリウムをふるいにかけ、高剪断混合造粒機に入れておよそ5分間乾式混合した。乾式混合した原体、ラクトース一水和物、結晶セルロース、およびクロスカルメロースナトリウムに造粒水を噴霧した。湿った顆粒を流動層乾燥機に入れておよそ65℃でおよそ45分間(<2%LOD)乾燥させ、コニカルミル(ふるいサイズ813μm)を用いて粉砕し、ビン型混合機に入れてラクトース一水和物、結晶セルロース、およびクロスカルメロースナトリウムとおよそ20分間混合した。滑沢のためにステアリン酸マグネシウムをこのビン型混合機に添加し、この混合物をおよそ3分間混合した。
【0112】
この混合物を、好適な回転式打錠機を使用して圧縮してコーティングしない錠剤を得た。OpadryWhite OY−S−28876を精製水および調製したフィルムコーティング懸濁液とともに攪拌しながら混合容器に投入した。この錠剤を好適なパンコーティング機に入れてフィルムコーティングした(およそ3%の重量増加)。