(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで、種々の実施形態が示される添付の図面を参照して、異なる実施形態を以下でより完全に説明する。多くの異なる形態を記載することができ、説明された実施形態は、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全となり、当業者に範囲を完全に伝えるように、提供される。同様の番号は、その全体において、同様の要素を指す。
【0010】
NFCおよび/またはBluetooth(登録商標)回路を組み込む、いくつかのデバイスおよびシステムの欠点は、NFCおよび/またはBluetooth(登録商標)回路が常時オンであるという要件である。これは、電力排出回路を作成する。さらに、場合によっては、これは、不要な接続をもたらし得る。
【0011】
通信デバイスは、1つの非限定的実施例では、通信デバイス間の無線通信およびデバイス間通信を確立する。それぞれの磁石および磁気センサが整列され、それぞれは、第1の通信デバイス上の磁石が第2の通信デバイス上の磁気センサと整列され、第2の通信デバイス上の磁石が第1の通信デバイス上の磁気センサと整列されるように、第1および第2の通信デバイス上に位置する。第1および第2の通信デバイスのそれぞれおよび少なくとも1つに含まれる、近距離通信(NFC)回路は、それぞれの他方の通信デバイス上の磁石を感知することに応じて起動される。データは、NFC通信プロトコルを使用して、第1および第2の通信デバイスの間で交換される。
【0012】
別の側面によれば、2つの通信デバイスは、それぞれの通信デバイス内のNFC回路を起動するために物理的に接触している。別の側面では、2つの通信デバイスは、それぞれの通信デバイス内のNFC回路を起動するために数ミリメートル以内にある。別の側面では、無線通信接続は、第1および第2の通信デバイス間で交換されるデータに基づいて、第1および第2の通信デバイス間のNFCとは異なって確立される。
【0013】
個人識別番号(PIN)およびセキュリティキーが、別の非限定的側面で無線通信接続を確立するためにNFCを使用して、第1および第2の通信デバイス間で交換される。無線通信接続は、Bluetooth(登録商標)通信プロトコルまたはWiFi通信プロトコルを使用して確立することができる。
【0014】
別の側面では、磁気センサは、それぞれの通信デバイス内に位置するホール効果センサを使用する。プロセッサは、NFC回路が起動されるべきであると判定するように、ホール効果によって生成される電圧変動を感知することができる。
【0015】
通信デバイスは、筺体と、筺体によって保持される回路基板とを含む。無線周波数(RF)回路およびプロセッサは、筺体によって保持され、かつ相互に動作可能である。近距離通信(NFC)回路は、回路基板上に位置付けられ、NFC通信プロトコルを使用して通信するためにプロセッサに接続される。ホール効果センサ等の磁気センサは、筐体によって支持され、磁界を感知し、プロセッサへの信号を生成するためにプロセッサに接続され、それに応じて、プロセッサは、NFC通信プロトコルを使用してデータを伝送または受信するためにNFCを起動する。
【0017】
図1は、単純インターフェースを提供し、無線接続を開始するように、非常に接近するか、または実際に物理的に接触するよう相互に向かった物理的移動としての「ジェスチャー」で引き合わせられる、2つの同様の携帯用無線通信デバイス20、22の実施例を示す。他のデバイスと接触するようにデバイスを移動させる、この物理的ジェスチャーは、Bluetooth(登録商標)またはWiFi無線接続をトリガすることができる、近距離通信(NFC)をトリガする、ホール効果をトリガすること等の、無線接続を確立する、より単純で低電力のシステムおよび方法を提供する。1つの非限定的実施例では、各デバイス20、22には、磁石24およびホール効果センサ等の環境センサ26が提供される。それぞれは、2つのデバイス20、22が、典型的には、相互に触れるか、または「キスする」、あるいは非常に近く、隣接して接近しているため、「キス」ジェスチャーとも称される、単一接触またはジェスチャーで合致される。実施例は、磁石の強度に応じて、約10または20mm未満の範囲内、および一実施例では、タグまたはデバイスから約7mm以下にある時となり得る。各デバイス上のセンサ26は、
図1に図示されるように、それぞれの他方のデバイス上の磁石に整列される。一方のデバイスは、ホール効果を介して他方の磁石を感知(「見る」)し、センサからの信号または電圧変動は、近距離通信(NFC)回路を起動し、NFC通信回路を使用して他方のデバイスと通信する、プロセッサに伝送される。次いで、デバイスは、NFCを使用して、相互からのデータを読み取ることができる。Bluetooth(登録商標)接続等の無線接続用の通信プロトコルデータは、NFC接続を使用して受信されたデータに基づいて取得することができる。例えば、PIN番号およびセキュリティキーは、Bluetooth(登録商標)接続を確立するように、NFCを使用して交換することができる。
【0018】
以下で詳細に説明されるように、デバイスを受動磁気タグ(この実施例ではNFCタグ)に触れさせ、したがって、周辺機器とのNFC接続を開始することによって、1つの通信デバイス20が受動周辺機器との通信を確立することが可能である。受動磁気タグは、NFCタグまたは名刺ホルダ、あるいは限定された伝送能力を伴う他のデータ記憶デバイスを含む、異なるデバイスを指すことができる。タグが空白である場合(例えば、名刺ホルダ)、場合によっては、タグをプログラムすることができる。タグがすでにプログラムされている場合、通信デバイスは、タグから情報を読み取ることができ、それがさらなる動作につながってもよい。例えば、タグがプリンタと関連付けられる場合、通信デバイスは、以下でさらに論議されるように、プリンタ上でプリンタジョブを実行することができる。そのようなシステムの利点は、ホール効果が完全に受動的であることであり、移動無線通信デバイスがNFCまたはBluetooth(登録商標)回路を常時「オン」にし、したがって、電力を引き出すための要件を回避する。通信デバイス20が、別の通信デバイス22上等にあるの別の磁石または受動タグの存在を判定する(「見る」)時のみ、デバイス20は、無線NFCまたはBluetooth(登録商標)接続の開始をトリガする。付加的な便益性は、ホール効果がNFC回路よりも近い接触を必要とすることがであり、2つの通信デバイスを一緒に触れさせること等の慎重な「ジェスチャー」が必要とされることを意味する。これは、他のBluetooth(登録商標)対応デバイスが領域中にある時に偶発的または侵襲的接続を回避する。以上で使用されるようなタグという用語は、通信デバイス20、22と同様に能動モードで動作する代わりに、典型的には受動的に動作する、種々のデバイスを含むことができる。
【0019】
図示されるように、
図1〜7に示されるようなデバイス間通信のためのこの実施例での各通信デバイス20、22は、筐体30と、キーボード32と、一実施例ではタッチディスプレイとして動作することができるディスプレイ34を含む。上述のように、各デバイスは、磁気センサ26、例えば、この非限定的実施例ではホール効果センサと、磁石24とを含む。センサ26および磁石24は、データを交換するために各デバイス内のNFC回路を起動するように連携する。
【0020】
近距離通信(NFC)技術は、非接触型カードとしてのISO14443近接型カード規格、スマートカードおよびリーダのインターフェースを1つのデバイスに組み込むRFID規格の拡張である。携帯電話または移動無線通信デバイス等のNFCデバイスは、典型的には、既存のISO14443スマートカードおよびリーダ等のデバイスと通信するNFC集積回路(IC)チップ、および既存の非接触型インフラストラクチャと互換性のある他のNFCデバイスを含む。NFC ICチップは、2つのループアンテナが相互の付近に位置する磁界誘導を使用し、空芯変圧器を形成する。該技術は、約13.56MHzの無認可の無線周波数ISMバンドで動作し、約2MHzの帯域幅を有する。作動距離は通常、約0〜20センチメートルである。NFCデバイスのユーザは、1つのNFC対応デバイスを別のNFC対応デバイスまたはタグに近づけて、106〜約424kbit/sに及ぶデータ転送速度でNFC通信を開始する。
【0021】
異なる動作モードがある。ほとんどの移動無線通信デバイスは、ManchesterおよびASK符号が使用される受動モードが使用されない限り、修正Millerおよび100%振幅偏移変調(ASK)符号を使用して、能動通信モードで動作する。さらなる詳細が、GSMAによる2007年11月のMobile NFC Technical
Guidelines,Version2.0に記載されて
いる。
【0022】
「近距離通信インターフェースおよびプロトコル」または「NFCIP−1」または「NFCプロトコル」はまた、開始デバイスおよび標的デバイスが近づけられた時に、開始デバイスと標的デバイスとの間の通信を可能にする。上記の実施例では、通信デバイス20が開始デバイスとなり得て、プリンタまたは名刺ホルダが標的デバイスとなり、受動デバイスとして動作することができる。磁石は、起動されたデバイス20内のセンサ26およびNFC回路を使用して感知することができる。NFCIP−1に関する詳細な情報は、www.ecma−international.orgにおいてEcma Internationalから入手可能である、ECMA−340と呼ばれる公表規格で入手可能である。
【0023】
NFCプロトコルは、13.56MHzの大域的に利用可能な未規制無線周波数帯域内で動作し、最大20センチメートルの作動距離を有する。106キロビット毎秒(kbit/s)、212kbit/s、および424kbit/sといった、3つのデータ転送速度が典型的に利用可能である。上述のように、複数の通信モードが現在利用可能である。受動通信モードでは、開始デバイスは、電磁キャリア磁界を提供し、標的デバイスは、キャリア磁界を変調することによって開始デバイスに答える。受動通信モードでは、標的デバイスは、開始デバイスによって提供されるキャリア磁界から動作電力を引き出してもよい。有利に、開始デバイスのみが電力供給を有する必要がある。標的デバイスによって生成される変調磁界は、限定された量のデータを伝達するために使用することができる。
【0024】
能動通信モードでは、開始デバイスおよび標的デバイスの両方が、通信デバイス20、22を使用する実施例等で、独自の電磁場を生成する。開始デバイスは、NFCIP−1通信を開始する。標的デバイスは、標的デバイスによって生成される電磁場を変調することによって、能動通信モードで開始デバイスから受信されたコマンドに応答することができる。典型的には、能動通信モードでは、両方のデバイスが電力供給を必要とする。
【0025】
顕著に、能動通信モードでは、両方のデバイスが開始または標的の役割を果たすことができるが、これは受動通信モードでは当てはまらず、電磁キャリア磁界を作成する能力がないデバイスは、開始デバイスとなることができず、代わりに標的デバイスになる。
【0026】
NFCIP−1によれば、標的デバイスによる開始電磁キャリア磁界の変調の感知に応答して、開始デバイスは、ATR_REQ(属性要求)コマンドを標的デバイスに伝送することによって、初期衝突回避シーケンスを行う。ATR_REQ(属性要求)コマンドの受信に応答して、標的デバイスは、ATR_RES(属性応答)と呼ばれる応答を伝送する。
【0027】
図1、より具体的には、
図1〜7に示されるデバイス間シーケンスを再び参照すると、デバイス間通信は、図示されるような携帯用無線通信デバイス20のユーザが、容易かつ安全に通信デバイス22とメディアまたはデータコンテンツを共有することを可能にする。そのようなメディアおよびデータは、非限定的実施例として、写真、アドレス帳交換、インスタントメッセージ、音楽または他のオーディオ、ビデオ、食料雑貨店、チケット、映画館データ、またはクーポンに関係するもの等の記憶された情報を含むことができる。このオーディオは、実施例として、着信音にする場合がある、音声または個人録音を含むことができる。
【0028】
図1に示されるように、各携帯用無線通信デバイス20、22は、1つの非限定的実施形態では、磁気24および磁気センサ26を支持する最上または上部36と、デバイスの最上部に組み込まれる関連感知回路とを含む。2つの通信デバイス20、22が相互に接近する(典型的には相互に触れる)につれて、それぞれの磁界がホール効果センサとしての磁気センサを通して検出され、各通信デバイス内の関連回路および近距離通信(NFC)回路が、後続のより複雑なデータ交換を可能にするように起動される。NFC/磁石をデバイスのスキン/バッテリドアに組み込むことが可能である。例えば、より古いデバイスは依然として、Bluetooth(登録商標)名/セキュリティコードを別のデバイスに送るが、ユーザは依然として、情報を手動で入力する必要がある。NFC部分とホストプロセッサとの間に何らかの種類の通信がなければ、この機能が限定される場合がある。スキンがUSBを介してホスト(またはUSBオンザゴーが実装される場合はスレーブ)として接続され、NFCが接続される場合、全機能を獲得することが可能である。しかしながら、この実施例では、独自の別個の電力供給を必要としてもよい。
図2は、相互に接近する両方のデバイス、および動作中の整列された磁石およびホール効果センサからのそれぞれの磁界を示す。
【0029】
図3は、ホール効果センサ26が動作可能であり、2つのデバイスを一緒に触れさせることによってNFC回路を起動させるように整列される、「キス」ジェスチャーとも呼ばれるものにおいて相互に触れる、両方のデバイス20、22を示す。したがって、
図3の示されるように、NFC回路が起動され、BT(Bluetooth(登録商標))対合が進行中であることを通信デバイスのディスプレイの一方または両方の上のポップアップ画面34aが提示する、
図4に示されるようなBluetooth(登録商標)無線接続を開始すること等の、2つのデバイス間で高次通信プロトコルを確立するように、セキュリティコード、ID、またはPIN等のデータが、デバイス間で交換される。いったんBluetooth(登録商標)接続が確立されると、デバイスは、
図5に示されるように分離することができ、Bluetooth(登録商標)接続を開始するためにNFCによって転送される限定されたデータの代わりに、Bluetooth(登録商標)接続を使用して、より多量のさらなるデータ転送を可能にする。
図6は、デバイスのうちの一方の上のディスプレイ34が、デバイスが他方のデバイスにBluetooth(登録商標)接続されていることを示すインジケータロゴ34bを有することを示す。
図7に示されるように、デバイス20、22がBluetooth(登録商標)接続を介して接続されると、ユーザ(U1およびU2)は、自由にデバイスコンテンツを共有し、所望に応じてデータまたは他のコンテンツを転送することができ、例えば、アドレス、写真、ビデオ、または他の情報を交換することができる。
【0030】
動作中、ホール効果センサは、磁界の変化に応じて、その出力電圧を変化させる変換器と同様に動作し、したがって、受動センサの役割を果たす。この種類のセンサは、
図3に示されるデバイス20、22等の2つのデバイスが引き合わせられた時に、近接性感知に使用することができる。磁界が、電流とともに変化する回路内で生成される。ホール効果センサは、回路を遮断することなく電流を測定する。一実施例では、センサは、デジタルオン/オフモードとして動作する、測定される導体を包囲する巻装コアまたは永久磁石と一体化している。それは、NFC回路をオンにするように、デバイス内のデバイスを介してNFC回路に接続される。例えば、無線デバイス内のプロセッサは、「キス」ジェスチャー、すなわち、デバイスが触れることを示す電圧変動を判定し、したがって、NFC回路を起動する信号をその回路に送信する。
【0031】
他方で、Bluetooth(登録商標)は、固定およびモバイルデバイスから短距離(しかしNFCよりも長い)にわたってデータを交換し、本質的にパーソナルエリアネットワーク(PAN)であるものを作成する、開放無線プロトコルである。無線Bluetooth(登録商標)接続は、典型的には、周波数ホッピングスペクトラム拡散信号および最大79の異なる周波数を使用して通信する。1つの変調では、最大1Mb/sの総データ転送速度を達成することができるのは、ガウス型周波数偏移変調(GFSK)システムである。これは、短距離であり、通信デバイスで使用される送受信機マイクロチップの種類に応じて、最大1メートル、10メートル、または100メートルの電力分類依存性である。典型的には、現代の通信デバイスは、非限定的実施例では、最大100メートルのBluetooth(登録商標)通信を可能にする。
【0032】
例示的な移動無線通信デバイス20で使用することができる、種々の機能的構成要素の非制限的実施例を、
図8を参照して以下の実施例でさらに説明する。新しい参照数字が使用される。デバイス100は、デバイス20、22の例示的実施形態である。デバイス100は、例証的に、筐体120と、キーパッド140と、出力デバイス160とを含む。示された出力デバイス160は、フルグラフィックLCDを備えてもよく、入力デバイスとしてタッチセンサ式であってもよい、ディスプレイを備えてもよい。他の種類の出力デバイスが代替的に使用されてもよい。処理デバイス180が筐体120内に含有され、キーパッド140とディスプレイ160との間に連結される。このデバイス180は、典型的には、筐体120内の回路基板上に含まれるマイクロプロセッサチップである。ディスプレイがタッチ起動型ディスプレイである場合、キーパッド140は必要でなくてもよい。処理デバイス180は、ユーザによるキーパッド140上のキーの作動に応じて、ディスプレイ160の動作、ならびにモバイルデバイス100の全体的な動作を制御する。
【0033】
筺体120は、垂直に細長くてもよく、または、他のサイズおよび形状(2つ折り筺体構造を含む)を成してもよい。キーパッドは、モード選択キーを含んでもよく、またはデバイスは、テキスト入力と電話入力とを切り替えるために、他のハードウェアまたはソフトウェアを含んでもよい。
【0034】
処理デバイス180に加えて、モバイルデバイス100の他の部品が、
図8に概略的に示されている。これらは、通信サブシステム101、短距離通信サブシステム102、他の入力/出力デバイス106、108、110および112とともにキーパッド140およびディスプレイ160、ならびにメモリデバイス116、118および種々の他のデバイスサブシステム121を含む。 モバイルデバイス100は、この実施例では、RF回路を使用する音声およびデータ通信機能を有する、双方向RF通信デバイスである。加えて、モバイルデバイス100は、インターネットを介して他のコンピュータシステムと通信する能力を有する。短距離通信サブシステム102は、Bluetooth(登録商標)無線接続を確立するためのBluetooth(登録商標)(BT)通信モジュールと、赤外線モジュールまたはデバイス、WiFi回路およびモジュール、ならびにRF回路の一部としての関連構成要素および回路等の、他の通信モジュールとを含む。
【0035】
処理デバイス180によって実行されるオペレーティングシステムソフトウェアは、フラッシュメモリ116等の持続記憶部に記憶されてもよく、または、読み出し専用メモリ(ROM)あるいは同様の記憶要素等の他の種類のメモリデバイスに記憶されてもよい。加えて、システムソフトウェア、特定のデバイスアプリケーション、またはその部品は、ランダムアクセスメモリ(RAM)118等の揮発性記憶部に一時的にロードされてもよい。モバイルデバイスによって受信される通信信号も、RAM118に記憶されてもよい。
【0036】
そのオペレーティングシステム機能に加えて、処理デバイス180は、デバイス100上のソフトウェアアプリケーション130a〜130nの実行を可能にする。 データおよび音声通信130aおよび130b等の基本的なデバイス動作を制御する、所定の一式のアプリケーションが、製造中にデバイス100上にインストールされてもよい。 近距離通信モジュール130Cも、図示されるようにインストールされる。
【0037】
ソフトウェアモジュールとしてのNFC通信モジュール130cは、フラッシュメモリ116を通してマイクロプロセッサ180と協働する。マイクロプロセッサ180はまた、NFCチップ132aと、
図1〜7に示される種類等の別のデバイス/タグ133と通信するアンテナ132bとを含む、NFCサブシステム132とともに動作する。NFC通信モジュール130cは、マイクロプロセッサが、NFCチップ132aと、典型的には13.56MHzに同調されるアンテナ132bとを含む、NFCサブシステム132を制御することを可能にする。NFCチップ132aは、例えば、Koninklijke Phillips Electronics N.V.のPhillips Semiconductor BranchからのPN531マイクロコントローラベースの伝送モジュールとなり得る。NFCチップがPN531モジュールである時、NFCチップ132aは、アナログ回路と、コンタクトリスト汎用非同期送受信機(UART)と、コアと、一式のホストインターフェースとを含むことができる。アナログ回路は、出力ドライバと、統合復調器と、ビットデコーダと、モード検出器と、RFレベル検出器とを含むことができる。コンタクトリストUARTは、データ処理、巡回冗長検査(CFC)、パリティ生成、フレーミング生成、ならびにチェックビット符号化および復号のための要素を含むことができる。コアは、典型的には、80C51マイクロコントローラと、32KbyteのROMと、1KbyteのRAMとを含む。一式のホストインターフェースは、I2C、シリアルUART、SPI、およびUSB等の既知の規格に従って、マイクロプロセッサおよびインターフェースと連動することができる。
【0038】
ホール効果センサとして形成することができ、マイクロプロセッサ180に接続される、磁気センサ134も図示されている。これは、あらゆる必要なコイルまたは他の回路を含む、ホール効果センサとして動作する種々の構成要素を含む。一実施例では、電磁石として形成され、変更データに対応するように変更される電磁エネルギーを使用して、異なる通信経路を可能にするように、マイクロプロセッサとともに動作する、磁石135も図示されている。電磁石135は、
図1〜7の移動無線通信デバイスで示されるような磁石24と同様に動作するが、一実施例では、別の通信プロトコル経路を形成するように動作する。この電磁石135は、図示されるようなデバイス100の他の構成要素と関連して能動または
受動デバイスとして稼働することを含む、異なる機能を含む。例えば、電磁石135が、
図1のデバイス内の設置された磁石(非電磁)の代わりに使用される時、エネルギーのパルスが、他方のデバイス内のホール効果センサに送達される。他方のデバイスは、パルスを受信し、NFC回路の起動を体験することなく、Bluetooth(登録商標)接続を確立する。Bluetooth(登録商標)接続が確立されない場合、代替案では、例えば、WiFi接続が確立される。他のソフトウェアモジュール130nは、磁気センサ134および任意の磁石または電磁石135、あるいは全体的な電磁石135内に含まれる他の磁気回路と相互動作する、ソフトウェアを含む。
【0039】
加速度計137およびアナログ/デジタル変換器138が、図示されるようにマイクロプロセッサ180に接続され、NFC自動タグ検出(および自動ピアツーピア検出)の別の実装を可能にする。加速度計137は、タグまたは別のデバイスに対する通信デバイスのタッピングを認識し、すなわち、振動を認識する。NFC回路を起動するためにホール効果センサおよび磁石を使用する代わりに、回路は、この実施例では、例えば、振動センサおよび加速度計として、タップ認識を使用する。デバイスが、別のオブジェクト、例えば、NFCタグに対してタップされると、ある加速度計パラメータを満たしている、または超えている事項として、プロファイルが生成されることを理解されたい。プロファイルが既知のタッププロファイルと比較された場合、NFC回路を起動し、通信を開始する。他の実施形態では、加速度計は、運動センサシステムの一部となり得て、歩調センサまたは歩調検出システム等の加速度計以外の他の運動センサシステムを使用することができる。
【0040】
当業者によって理解されるように、加速度計は、感知要素によって検出される運動(例えば、衝打力による通信デバイスまたはその一部分の移動)および重力からの加速度を、電気信号(出力の対応する変化を生成する)に変換し、1、2、または3軸構成で利用可能である、センサである。加速度計は、加速度計の種類の応じて、デジタルまたはアナログ出力信号を生成してもよい。概して、アナログまたはデジタル加速度計が使用されるかどうかに応じて、(1)バッファリングおよびアナログ・デジタル(A/D)変換を必要とするアナログ出力、および(2)典型的にはSPI(シリアルペリフェラルインターフェース)またはI2C(集積回路間)インターフェース等の業界標準インターフェースで利用可能なデジタル出力といった、2種類の出力が利用可能である。
図8に示される実施形態は、A/D変換器138へのアナログ出力を図示する。加速度計の出力は、典型的には、標準平均として約9.81m/s
2(32.2ft/s
2)である、gで表される地球表面での重力加速度定数に関して測定される。加速度計は、容量、圧電、ピエゾ抵抗、またはガスベースの加速度計を含むが、それらに限定されない、ほぼあらゆる種類であってもよい。加速度計の範囲は、最大で数千ものgに変化するが、携帯用電子デバイスには、「低g」加速度計が使用されてもよい。使用されてもよい低g加速度計は、Analog Devices,Inc.(ADI)、Freescale Semiconductor,Inc.(Freescale)、およびSTMicroelectronics N.V.(Geneva,Switzerland)からのMEMSデジタル加速度計である。
【0041】
加速度計の動作設定は、一実施例では、シリアルインターフェースを介して加速度計に送信される、制御信号を使用して制御される。1つの図示された実施例では、マイクロプロセッサは、加速度計によって測定される加速度に従って運動検出を判定する。加速度計によって測定される未加工の加速度データは、別の実施例では、運動検出がオペレーティングシステムまたは他のソフトウェアモジュールによって判定される、シリアルインターフェースを介してマイクロプロセッサに送信される。他の実施形態では、異なるデジタル加速度計構成を使用することができ、または好適なアナログ加速度計および制御回路を使用することができる。
【0042】
加えて、個人情報マネージャ(PIM)アプリケーションが、製造中にインストールされてもよい。PIMは、電子メール、カレンダーイベント、音声メール、約束、およびタスク項目等のデータ項目の整理および管理が可能である。PIMアプリケーションはまた、無線ネットワーク141を介してデータ項目を送受信することも可能である。PIMデータ項目は、ホストコンピュータシステムに記憶された、または関連付けられたデバイスユーザの対応データ項目とともに、ワイヤレスネットワーク141を介して、シームレスに統合、同期化、および更新される。
【0043】
データおよび音声通信を含む通信機能は、典型的には輪郭によって示される、回路基板上に含まれるRF回路の一部である、通信サブシステム101を通して、およびおそらく短距離通信サブシステムを通して行われる。
実行される。通信サブシステム101は、受信機150と、伝送機152と、1つ以上のアンテナ154および156とを含む。加えて、通信サブシステム101はまた、デジタル信号プロセッサ(DSP)158等の処理モジュールと、この実施例ではRF回路の一部として、局部発振器(LO)161とを含む。通信サブシステム101の具体的設計および実装は、モバイルデバイス100が動作するように意図される通信ネットワークに依存する。例えば、モバイルデバイス100は、Mobitex
TM、Data TAC
TM、または汎用パケット無線サービス(GPRS)モバイルデータ通信ネットワークとともに動作するように設計され、また、AMPS、TDMA、CDMA、PCS、GSM(登録商標)等の種々の音声通信ネットワークのうちのいずれかとともに動作するように設計されている、通信サブシステム101を含んでもよい。別個および統合の両方である、他の種類のデータおよび音声ネットワークも、モバイルデバイス100とともに使用されてもよい。
【0044】
ネットワークアクセス要件は、通信システムの種類に応じて変化する。例えば、MobitexおよびDataTACネットワークでは、モバイルデバイスは、各デバイスに関連付けられた一意の個人識別番号またはPINを使用して、ネットワークに登録される。しかしながら、GPRSネットワークでは、ネットワークアクセスは、加入者またはデバイスのユーザに関連付けられる。したがって、GPRSデバイスは、GPRSネットワーク上で動作するために、一般的にSIMカードと呼ばれる、加入者識別モジュールを利用する。
【0045】
必要なネットワーク登録または起動手順が完了すると、モバイルデバイス100は、通信ネットワーク141上で通信信号を送受信する。 アンテナ154によって通信ネットワーク141から受信される信号は、信号増幅、周波数下方変換、フィルタリング、チャネル選択等を提供し、また、アナログ・デジタル変換を提供してもよい、受信機150に経路指定される。受信した信号のアナログ・デジタル変換は、DSP158が、復調および復号等のより複雑な通信機能を果たすことを可能にする。同様に、ネットワーク141に伝送される信号は、DSP158によって処理(例えば、変調および符号化)され、次いで、デジタル・アナログ変換、周波数上方変換、フィルタリング、増幅、およびアンテナ156を介した通信ネットワーク141(または複数のネットワーク)への伝送のために、伝送機152に提供される。
【0046】
通信信号を処理することに加えて、DSP158は、受信機150および伝送機152の制御を提供する。例えば、受信機150および伝送機152において通信信号に適用される利得は、DSP158において実装される自動利得制御アルゴリズムを通して、適応的に制御されてもよい。
【0047】
データ通信モードでは、テキストメッセージまたはダウンロードされたウェブページ等の受信した信号は、通信サブシステム101によって処理され、処理デバイス180に入力される。次いで、受信した信号は、ディスプレイ160へ、または代替として何らかの他の補助I/Oデバイス106への出力のために、処理デバイス180によってさらに処理される。デバイスユーザはまた、キーパッド140、および/またはタッチパッド、トラックボール、トラックパッド、ロッカースイッチ、サムホイール、あるいは何らかの他の種類の入力デバイス等の何らかの他の補助I/Oデバイス106を使用して、Eメールメッセージ等のデータ項目を作成してもよい。次いで、構成されたデータ項目は、通信サブシステム101を介して、通信ネットワーク141上で伝送されてもよい。
【0048】
音声通信モードでは、受信した信号がスピーカ110に出力され、伝送のための信号がマイクロホン112によって生成されることを除いて、デバイスの全体的動作は、データ通信モードと実質的に同様である。音声メッセージ録音サブシステム等の代替音声またはオーディオI/Oサブシステムも、デバイス100上に実装されてもよい。加えて、ディスプレイ160も、例えば、発呼者の身元、音声通話の持続時間、または他の音声通話関連情報、およびNFC通信またはBluetooth(登録商標)接続があるかどうかを表示するために、音声通信モードで使用されてもよい。
【0049】
任意の短距離通信サブシステムが、モバイルデバイス100と、必ずしも同様のデバイスである必要のない他の近接システムまたはデバイスとの間の通信を可能にする。例えば、短距離通信サブシステムは、赤外線デバイスならびに上記で説明されるような関連回路および構成要素、または、同様に使用可能なシステムおよびデバイスとの通信ならびにNFC通信を提供するBluetooth(登録商標)通信モジュールを含んでもよい。
【0050】
種々の実施形態によれば、GSM(登録商標)は、例示的な通信システムであり、典型的には、124のキャリア周波数チャネルに細分割され、それぞれ非限定的実施例として約200KHz離間している、約25MHzの帯域幅を有する、アップリンク周波数帯およびダウンリンク周波数帯を有することができる無線インターフェースを使用する。時分割多重化方式が通常、無線周波数チャネルにつき約8つの音声チャネルを可能にするために使用され、8つの無線の時間スロットおよびTDMAフレームと呼ばれるものにグループ化される8つのバースト期間を生じさせる。例えば、チャンネルデータ転送速度は、1つの非制限的実施例では、約270.833Kbps、および約4.615ミリ秒(MS)のフレーム持続時間である。電力出力は通常、約1ワットから約2ワットまで様々である。
【0051】
典型的には、線形予測符号化(LPC)が、ビットレートを低減し、約13Kbpsにおいて符号化された音声を伴う音声トラックを模倣するためのフィルタのパラメータを提供するために、使用される。マクロ、マイクロ、ピコおよびアンブレラセルを含む、4つの異なるセルサイズは、GSM(登録商標)ネットワークにおいて使用可能である。基地局アンテナが、典型的には、マクロセルにおける平均屋上階を上回るマスタ建造物上に設置される。マイクロセルにおいて、アンテナの高さは、典型的には、平均屋上階以下であり、都市部で使用される。マイクロセルは、典型的には、約数10メートルの直径を有し、室内で使用される。アンブレラセルが、通常、影付きの領域またはより小さいセルをカバーする。典型的には、アンテナによってカバーされるGSM(登録商標)仕様の最長距離は、アンテナ高さ、利得および伝搬条件に応じて、約22マイルである。
【0052】
GSM(登録商標)システムは、典型的には、基地局サブシステム、ネットワークおよび切替サブシステム、および汎用パケット無線サービス(GPRS)コアネットワークを含む。加入者識別モジュール(SIM)は通常、通信デバイス、例えば、ユーザの加入情報および電話帳を含むスマートカードと同様である、周知のSIMカードにおいて実装される。ユーザは、典型的には、ハンドセットを切り替える、またはSIMを変更することによってオペレータを変更することができる。USIM、RUIM、またはCSIM、および他の同様の技術を、UMTSまたはCDMAネットワークで使用することができる。
【0053】
GSM(登録商標)信号プロトコルは、3つの汎用レイヤを有する。レイヤ1は、エアインターフェースの上のチャンネル構造を使用する、物理的レイヤである。レイヤ2は、データリンクレイヤである。レイヤ3は、3つのサブレイヤを含む、信号プロトコルである。これらは、ハンドオーバーを含む、無線および固定チャンネルのセットアップ、メンテナンス、および終端を制御するように、無線リソース管理サブレイヤを含む。移動性管理サブレイヤは、位置更新および登録手順を管理し、認証を保証する。接続管理サブレイヤは汎用通話制御を処理し、補完サービスおよびショートメッセージサービスを管理する。ホームロケーションレジスタ(HLR)および在圏ロケーションレジスタ(VLR)等の異なるエンティティの間の信号伝達は、第7信号方式の最上レイヤのトランザクション機能応用部(TCAP)上に構築されるモバイルアプリケーション部(MAP)によって実施できる。
【0054】
無線リソース管理(RRM)サブレイヤは、典型的には、移動局とMSEとの間の無線および固定リンク確立を監視する。
【0055】
また、汎用パケット無線サービス(GPRS)ネットワークへの機能強化として、GSM(登録商標)エボリューション(EDGE)のための拡張データ転送速度を使用することも可能である。EDGEは、典型的には、異なる変調および符号化スキームのために、8位相偏移キーイング(8PSK)およびガウス型最小偏移キーイング(GMSK)を使用する。3ビットの言葉が通常、それぞれの変化する搬送波位相のために生成される。速度適応アルゴリズムが、典型的には、無線チャンネルの品質ならびにデータ伝送のビットレートおよびロバスト性に従って、変調および符号化方式(MCS)を適合させる。基地局は、典型的には、EDGEの使用のために修正される。
【0056】
図9〜19は、非限定的実施例として
図1〜7に示されるもの等の通信デバイス20が、上記で説明されるような受動磁気タグ(またはNFCタグ)と同様に、この実施例で受動デバイスとして動作する互換名刺ホルダ50等を用いて、連絡先情報を電子的に転送する時の詳細を示す。図示されるような名刺ホルダ50は、非限定的実施例として、後部においてデバイス20に接触するためのインターフェース52と、名刺をスキャンすることができる、または情報をキーパッド上で入力することができる、ヒンジ連結カバー54およびデータ入力点56とを含む。プロセッサ回路57は、名刺ホルダの操作のための一般的機能およびその関連機能、例えば、NFC回路、スキャン回路、またはキーボードを提供する。
【0057】
図10に示されるように、少なくとも1つの磁石58が名刺ホルダに組み込まれ、携帯用無線通信デバイス20内のホール効果センサ26(または他のセンサ)によって感知される。この実施例でのホール効果または他のセンサ59は、インターフェース52に位置付けられる。ホール効果センサ26は、非限定的実施例では、
図8に示されるもの等の近距離通信(NFC)回路(またはサブシステム132)を起動するように、磁石58を感知する。一側面では、受動NFCタグ60がカードホルダに組み込まれ、デバイス20によって読み取られる。この実施例では、デバイス20は、Bluetooth(登録商標)接続と比較して、限定された量のデータを転送および交換するために近距離通信が確立されている、
図11に示されるようにタグが空白であることを判定する。
【0058】
図12は、プリケーションによって駆動されたポップアップウィンドウ34aが、タグが空白であることを提示し、ユーザがそれをプログラムすることを所望するかどうかを尋ねる、携帯用無線通信デバイス20のディスプレイ34を示す。携帯用無線通信デバイス20は、
図13に示されるように、名刺ホルダ50から分離することができ、その時に、デバイスは、書き込まれる名刺データに関して、ディスプレイ34上に表示される情報の例(
図14)によって示されるもの等の名刺データをカードホルダ50にプログラムすることを希望する場合にユーザに指示している。名刺ホルダ50(NFCタグとも呼ばれる)は、図示されるように2つのデバイスを一緒に接触させることによって再スキャンされ、データが
図15に示されるように書き込まれる。
図16では、アプリケーションは、データが(NFCタグとしての)名刺ホルダに書き込まれ、名刺ホルダ(NFCタグ)からデバイスを除去するためには「ok」をクリックするようにユーザに知らせるインターフェースとして、ポップアップ画面134aをディスプレイ134上に表示する。カードホルダ50およびデバイス20の分離を伴う
図17に示されるように、タグとしてのプログラムされた名刺ホルダが再スキャンされる場合(
図18)、記憶された名刺データが、ディスプレイ134上に示され、
図19に描写されるように表示される。
【0059】
カードホルダがBluetooth(登録商標)通信モジュールを含む場合、Bluetooth(登録商標)接続を非限定的実施例として使用することができる。一方のデバイス内の固定磁石が、他方のデバイス内のNFC回路を「起動」するために使用され、その後に、Bluetooth(登録商標)接続を確立するための近距離通信を使用する、通信プロトコルのためのデータ交換が続く、
図1〜7に示されるデバイス20、22間通信の実施例でのBluetooth(登録商標)通信と比較して、
図9〜19のデバイス20と名刺ホルダ50との間に近距離通信を実装するため等、別の種類の無線接続を「起動」するために、ホール効果の磁気誘導が依然として使用される。NFC通信は、通信プロトコルに関する必要なデータを交換するため、例えば、必要に応じて、個人識別番号(PIN)またはセキュリティコードを交換するために使用することができる。また、場合によっては、近距離通信を確立することなくBluetooth(登録商標)通信を接続するために、PINを伝送するようにホール効果スイッチを使用することも可能である。しかしながら、ほとんどの場合、ホール効果センサ26は、ホール効果を介して他方のデバイスを感知する(「見る」)ために使用され、デバイスが相互に接触した、または相互に接近した(あるいは「キス」ジェスチャー)後に、NFC回路が、他方のデバイス上のデータを読み取るように一方または両方のデバイス上で起動される。次いで、NFC通信を使用して、読み取られたデータに基づいてBluetooth(登録商標)を使用すること等により、無線接続を確立することができる。結果として、無線接続を開始するように単純インターフェースが確立され、NFC回路またはBluetooth(登録商標)回路を常時オンに維持するよりも、単純で低電力の方法およびシステムが使用されることを可能にする。
【0060】
磁気誘導は、近距離通信回路を「起動する」ために初期短距離通信として使用することができる。永久磁石の代わりに、以下で詳細に説明されるように、デバイス20または他の受動デバイスで、
図8に示される実施例135として電磁石を使用することができる。そのようなデバイスの使用は、別の通信アプローチを確立するのに役立つことができる。
【0061】
(「キス」ジェスチャーを使用して)ホール効果センサを伴う
図1〜7に対して説明されるように、いったん無線対合が確立されると、接続されたデバイス間の機能的相互作用が開始されることを理解されたい。一実施例での機能的相互作用は、デバイスの一方または両方で作動している現在のアプリケーション、または対合デバイスのうちのいずれか1つによって利用可能なアプリケーションサービスのうちのいずれかに基づいて判定される。例えば、一方のデバイスが、デバイス間のアドレスの交換を可能にするインスタントメッセンジャー(IM)アプリケーションである時に、デバイス間対合に基づいて、アドレス帳交換が示唆される。別の実施例では、カレンダーアプリケーションである時のデバイス間対合に応じて、会議のスケジューリングが提案される。さらに別の実施例では、プリンタが
図9〜19の名刺ホルダに関して説明される種類と同様なもの等の記憶データタグを伴うNFCを含む時に、プリンタデバイスとの対合に応じて、ユーザが何を印刷するか尋ねられる。限定された量のデータが、この実施例で伝送される。
【0062】
しかしながら、潜在的な対立が存在する、いくつかの場合があり、例えば、デバイス間対合の一部としての第1のデバイスがインスタントメッセンジャーアプリケーションであり、他方のデバイスがカレンダーアプリケーションである場合である。アドレス帳交換が最初に生じるかどうか、または予定された会議が最初に提案されるべきかどうかといった、問題が発生する。デバイスにプログラムされる優先規則がある。例えば、アプリケーションソフトウェアは、インスタントメッセンジャーアプリケーションに、カレンダーアプリケーションが後に続く優先権を持たせ、したがって、アドレス帳交換が最初に生じ、その後に予定された会議の提案が続く。
【0063】
また、無線対合に基づいて、デバイスモードまたはアプリケーションが自動的に選択されることも可能である。例えば、携帯用無線通信デバイス20が提示を実行するコンピュータと対合する場合、デバイスは自動的に「遠隔制御」モードになってもよい。別の実施例では、例えば、記憶データを有し、コーヒーメーカーのプロセッサとともに動作可能である、コーヒーメーカー上のタグとの対合に応じて、ユーザには、コーヒーメーカーに対する構成オプションが提示される。他のオプションは、車両との対合に応じて、車のドアを開くオプションおよび車を始動させるオプションをユーザに提示すること、または遠隔場所からのWiFi上のIPベースの接続であるPVRとの接続に応じて、パーソナルビデオレコーダ(PVR)を制御および/または使用するオプションをユーザに自動的に提示することを含む。当然ながら、それぞれの場合において、制御されるデバイスは、制御のためにデバイスに応答するための適切なプロセッサを含む。通信デバイス20はまた、一実施例では、例えば、地下鉄に入る時に地下鉄の運賃を支払う、または以下で説明されるように店で品物の支払いを済ませる時に仮想領収書を受領する、受動付属品の役割も果たす。
【0064】
また、特定のシステムとの対合に応じて入力されるソースに関する情報を中継するために、デバイスモードになることも可能である。例えば、ユーザが店でタグまたは他のデバイスと相互作用すると、小売店に関係するデータが提供される。一実施例でのチケットおよび映画情報が、映画館の外のタグに触れると、映画館で提示され、またはクーポン等の割引価格が、タグに触れると、ある場所で提示される。別の実施例では、ステレオまたはテレビとの対合に応じて、音楽、ビデオ、または写真がデバイスを通して提示または共有される。一実施例では、「現在の番組」の通知等の通知をユーザがクリックすることを介して、開始が生じ、またはおそらく、ユーザがどの画像を見たいかを選択するコンテンツが記録に取られる。現在選択されている画像が初期設定により示されるものであることが可能である。
【0065】
別の実施例では、万歩計(登録商標)を含む靴との対合に応じて、ユーザの歩行に関する情報が提示され、靴の記憶スペースがさらなるデータのために解放される。上述のように、別の実施例では、PIN番号および暗号キーが確立され、前述のようにBluetooth(登録商標)接続(またはWiFi)を実装するための設定通信として近距離通信を使用して伝送される。一実施例では、分割されるトリッドが作成され、モジュールがBluetooth(登録商標)チップを通して駆動され、GNSSから位置付ける際にミリメートル精度でAuto−BAHN信号として使用される。充電チップの制御により、いくらかの情報が返信される。接続し、「触覚動作」として自動対合および接続を確立するためのトリガを用いて、視覚インターフェースが利用可能である。また、両方のデバイスが「伝送および受信」を行うように、磁石または内蔵RFIDモジュールを有することも可能である。
【0066】
一実施形態によれば、磁気ステッカーは、IPアドレス、プリンタ名、Bluetooth(登録商標)サービスセット識別子(SSID)、またはセキュリティキーに関するデータ等の、知的システムに関する情報または他のデータを含む。ホール効果は、一実施例では、両方のデバイス間の通信をオンにし、それぞれがどのような接続を確立しようとしているかを判定するように「伝送および受信」を達成する。デバイスは、それぞれがどのようなプロトコルおよび技術を使用しているかを判定し、交渉して所望の接続を確立する。例えば、別のデバイスに触れ、写真の自動ダウンロードが生じる、写真アプリケーションにおいて、論理規則または通信プロトコルが共有される。
【0067】
一実施例では、磁気タグは、記憶データを伴う場所ステッカーとして動作し、オフィスの全体を通して位置付けられ、それぞれ、以下で詳細に説明されるようにデバイスで実装される異なる機能を有する。そのようなタグは、概して、RFCタグと呼ばれている。これらの場所ステッカーは、磁気タグと同様であり、おそらく接着剤またはテープあるいは他の永久または半永久手段によって、異なる場所で「貼り付けられる」ため、ステッカーと称される。個人が会議室に入る場合、個人がデバイスをタグに触れさせ、タグまたは場所ステッカーがどのようにプログラムされているかに応じて、おそらく1時間にわたって携帯用無線通信デバイスプロファイルを「サイレント」モードに切り替えることができる。ユーザのデバイスがオフィスに入ると、場所ステッカーに触れ、デバイスから卓上電話に転送するインスタントメッセンジャーアプリケーションインターフェースまたは通話を取得することが可能である。したがって、誰かがジェスチャーを実装し、デバイス20をステッカーに触れさせることによって、典型的には手動で実施されるユーザインターフェースアプリケーションのうちのいくつかが、単一の「ジェスチャー」で自動的に達成され、デバイスが設定される。ユーザは、画面を視覚的に見る必要がないが、ジェスチャーを行い、デバイスで場所ステッカーまたは他の磁気タグに触れる。「触れる」ジェスチャーを使用する他のアプリケーションは、信号強度を判定し、通信デバイスを調整し、通信のための費用制御を実装する。
【0068】
図20は、種々の磁気タグ230または前述のような「ステッカー」が異なる領域に位置する、オフィス環境200を示す。オフィス環境200は、図示されるように2つの小個室202、204を含むが、多くの小個室およびオフィスがオフィス環境200内に位置すると理解されたい。オフィスの入口206が片側に図示され、会議室の入口208が反対側に図示されている。プリンタ210が小個室1の外に位置し、フォトイメージャ212が小個室2の外に位置する。各小個室は、それぞれのコンピュータ214、216を含む。スピーカ220が小個室の上に位置する。図示されるように、タグがオフィスの入口206および会議室の入口208に位置する。タグ230は、プリンタ上に位置する。一実施例では、タグは、プリンタ内の処理回路ともに動作する。タグ230は、フォトイメージャ212の上に位置する。一実施例では、タグはフォトイメージャ処理データとともに動作する。タグ230は、小個室1および2の間の小個室壁にも位置する。タグ230は、スピーカ220の上に位置する。タグ230は、各小個室202、204内に位置し、また、各コンピュータ214、216の上にも位置し、処理回路とともに動作する。これらのタグは、以前に説明されたように、NFC回路を含む通信デバイスに対する機能性を有する。例えば、ユーザがオフィスの入口206を通って入り、ある機能が通信デバイスにおいて起動される。
【0069】
例えば、ユーザが小個室の中にいて、通信デバイスが呼出モードになる必要がないため、電話が「サイレント」モードになることが可能である。誰かが会議室に入り、デバイスで会議室の入口にあるタグ230に触れた場合に同じことが起こる。また、小個室を使用しな誰かが、2つの小個室の間の小個室空間に位置するタグ230に触れた場合には、場所と、小個室壁上に図示および印刷されるようなデザインセンター等の、どのような種類のオフィスを通って歩いているかを伝える。一実施例では、スピーカ220が図示され、ユーザは、通信デバイスでタグ230に触れ、音楽をダウンロードまたはアップロードして、音楽をスピーカで再生させる。小個室のそれぞれにおけるタグ230は、例えば、カレンダープログラムを起動するにように触れられる。コンピュータにおけるタグ230が触れられた場合には、一実施例では、コンピュータが操作されて提示を実行し始めるか、またはデバイスがBluetooth(登録商標)またはWiFiを使用する等して、通信デバイスを通してコンピュータを制御するための「遠隔制御」モードになる。
【0070】
小個室内のタグ230に触れることによって、例えば、コーヒーメーカーとの対合に応じて、デスクにあるコーヒーメーカーを操作するための構成オプションがユーザに提示されることが可能である。プリンタ210におけるタグ230が触れられた場合には、一実施例では、プリンタ210は、デバイスとプリンタとの間にBluetooth(登録商標)またはWiFi接続を引き起こすこと等によって、ある文書を印刷するように命令される。フォトイメージャタグ230が触れられた場合、フォトイメージャ212は、通信デバイスから写真を受信し、写真を印刷し始めることができる。これらは、NFC回路を起動すること、プロトコル情報または他のデータを交換すること、およびデバイスにBluetooth(登録商標)、WiFi、サイレント、または他の機能を行わせること等の機能を確立するために、どのようにタグ230が使用されるかという非限定的実施例にすぎない。
【0071】
一実施例では、デバイス上の形状およびステッカーまたはタグ230の形状は、同様に構成され、磁石は、機能性を促進するように適切な場所で触れられると理解されたい。1つのデバイスがインスタントマネージャアプリケーションにある時に、デバイス間対合に基づくアドレス帳交換等の他の機能が可能である。別の実施例では、カレンダーアプリケーションにある時、または会議室に入る時に、デバイス間対合に応じて、会議のスケジューリングが提案される。会議スケジュールおよびカレンダーアプリケーションは、会議で話し合うために自動的に提起される。他の可能性は、タグが車両上に位置する場合に、車両との対合に応じて、車のドアを開くオプションおよび車を始動させるオプションがあるユーザ、またはパーソナルビデオレコーダとの接続に応じて、パーソナルビデオレコーダ(PVR)を制御および/または使用するオプションをユーザに自動的に提示することを含む。これは、一実施例では、遠隔場所からのWiFi上のIPベースの接続である。デバイスはまた、別の実施例では、地下鉄に入る時に地下鉄の運賃を支払う、または店で支払いを済ませる時に仮想領収書を受領する等の、受動付属品の役割も果たす。
【0072】
場所モードは、一実施例では、
図20のオフィス環境に該当する。ユーザが小個室領域を通過し、小個室1および2の間の空間上のタグ230に触れると、このNFC対応タグが場所およびオフィスの種類を伝える。したがって、ユーザが文脈上重要な場所に近接しているとして「検出」されると、システムおよびデバイスが動作をトリガする。例えば、検出されたユーザは、そのユーザの企業カレンダーアプリケーションの中にあってもよい、会議のための正しい場所にすでにいてもよい。ユーザは、自分がすでに会議にいるはずであることを知っているため、警告インジケータを受信しない。ユーザがモバイルデバイスの改良された有用性/挙動に気付くことによる、何らかの「暗示的」検出能があってもよい。これは、状況または地理的場所にかかわらず、無線デバイスが典型的には同じように挙動する時の不利点を克服する。例えば、たとえユーザがすでに会議にいても、会議のリマインダ等のカレンダーイベントがトリガされてもよい。
【0073】
電話またはコンピュータ等のオフィス内の一般的デバイスは、ユーザがオフィスにいる時をデバイスが「知る」ように、
図20に示されるようにタグ付けされるか、またはデバイス上で別様に識別される。これは、デバイスの挙動またはオフィス内の他のデバイスを変更するために使用することができる。例えば、ユーザのデバイスが「同僚と会う」という午前9時のカレンダー項目を有し、会議がユーザのオフィスまたは小個室である場合には、ユーザのデバイスは、ユーザの卓上電話と通信して、会議中に着信音をオフにしてもよい。デバイスはまた、ユーザが近くにいる時にタイムレコーダ等の他のデバイスを起動するように事前タグ付けすることもできる。Bluetooth(登録商標)またはWiFi等の無線プロトコルが使用されてもよい。ユーザの場所に関するデータをデバイスに提供するために、GPS、磁気場所および同様の機能等の地理および近接性信号が使用されてもよい。
【0074】
図21は、
図20のオフィス環境で使用されるようなプリンタ310を図示する。プリンタは、前述の種類の受動磁気タグ330を含む。タグは、種々の技法によってプリンタ上に貼り付けることができる。それは、デバイス内のNFC回路を起動することに関して
図9〜19内の名刺ホルダに対して説明されるような基本タグ機能を含む。プリンタ310は、プロセッサ340と、Bluetooth(登録商標)またはWiFi通信モジュール350とを含む。この特定の実施例では、小個室1または小個室2内のユーザは、
図1に示されるような通信デバイス20を取り、磁気タグ330に触れることができる。これは、確立されるNFC回路およびNFC通信プロトコルが交渉し、Bluetooth(登録商標)またはWiFiモジュール350とのBluetooth(登録商標)またはWiFi接続を起動することを可能にする。通信デバイスは、データをプリンタプロセッサ340にダウンロードし、ページが印刷されることを可能にする。代替として、タグ330は、プロセッサに接続され、印刷するためにプロセッサに送信される記憶データを有するか、またはプリンタに転送するために通信デバイスからデータを受信する。別の実施例では、このタグ330は、通信デバイス20から転送される情報を用いて受動タグとしてプログラム可能である。このタグ330はまた、一実施例で前述のように、IPアドレス等の識別子を有する。ユーザがオフィス空間を去り、戻って再びタグに触れると、通信デバイスは、自動的にIPアドレスを知り、そのプリンタ310と連動するように構成される。
【0075】
タグはまた、磁気タグおよびステッカーとも呼ばれ、図示されるように載置部材332を含む。この載置部材332は、粘着テープ、マジックテープ(登録商標)取付部、または他の粘着あるいは磁気取付部(支持表面が金属である場合)となり得る。異なる実施例で実装される、機能性を伴う1型、2型、3型、および4型タグがある。いくつかのタグは、使用される際に読み取り専用であり、他のタグは、読み書きである。ある実施例では、タグのうちのいくつかは、単一状態であり、読み取り専用である。タグは、いくつかの実施例では、96バイトプラス6バイトOTPプラス2バイト金属ROMのメモリ能力を有する。他は48バイトであり、いくつかは1Kbyteであり、他は可変である。タグの他の実施例は、読取専用にロック可能であり、いくつかは、別の実施例で16または32バイトデジタル署名のためのセキュリティを含む。磁石334は、相互との「キス」構成で配置された時に通信デバイス内のNFC回路を起動するように図示および構成される。データ記憶部336が図示されている。筐体338は、磁石334を支持し、磁石を保持する。磁石は、通信デバイス内のNFC回路を起動し、NFC通信プロトコルを使用して通信するよう、通信デバイスによって保持される磁気センサによって自動的に感知されるように構成される。データ記憶部336は、磁石によって磁気的に連結される通信デバイスの機能に関するデータを記憶する。データ記憶部は、NFC回路が起動された後に、NFC通信プロトコルを使用して通信デバイスによって読み取られるように構成される。タグは、通信デバイスの機能に関してデータ記憶部内に記憶された命令に基づいて相互作用するように、作業空間内に載置される。データ記憶部336は、いくつかの実施例では、ROMまたは公知であるような他の記憶装置として形成され、他の回路または他のプログラム可能デバイスと協働することができる。磁石は、通信デバイスによってデータ記憶部を読み取り、使用することができるように、通信デバイス上の磁気センサに係合し、通信デバイス内のNFC回路を起動するよう動作するように異なる場所に位置付け、構成することができる。
【0076】
タグまたはステッカーは、一実施例では、通信デバイスによって認識可能である形状として形成される。例えば、タグは、幾何学形状として形成され、磁石は、幾何学形状に基づいてタグまたはステッカー上の所定の位置に構成されるか、または位置付けられる。通信デバイスは、タグまたはステッカー上の磁石が通信デバイス上の磁気センサと整列するように、その磁気センサを配向させる。タグまたはステッカーは、NFC回路を有効にするように、通信デバイスがある配向でタグまたはステッカーに対して位置付けられるように構成される。別の実施例では、NFC回路を有効にするために、参照マークを使用して、通信デバイスがタグまたはステッカーと整列されるように、タグまたはステッカーおよび通信デバイスの両方の上に参照マークが含まれる。
図21では、参照マークが参照339で示されている。この実施例では、参照マーク339は、小突起として形成される。
【0077】
図22は、別の実施形態を示し、ホール効果センサ等の磁気センサ426を使用し、永久磁石の代わりに電磁石424と併せて動作する、通信デバイス420、430を示す。筐体430、キーボード432、およびディスプレイ434等の他の詳細が図示されている。電磁石424おとびセンサ426は、この実施例では、デバイスの最上部436に位置する。使用される電磁石は、例えば、
図8では、参照数字135で示された電磁石として図示されている。この電磁石424は、通信信号としてエネルギーのパルスを伝送する。この限定されたデータは、ホール効果センサ等のそのセンサ426を通して受信し、Bluetooth(登録商標)接続を起動するための他方のデバイスへの十分な通信データとなり得るため、NFC回路の起動を必要としない。他方のデバイス422の代わりに同じデバイス420上のセンサ426によって、電磁石からのエネルギーが不注意に受信され得るため、ホール効果センサ等のセンサと一方のデバイス内の電磁石424との間で、間隔が十分にされるべきである。電磁石によって使用されるエネルギーの量は、パルスがキスジェスチャーでセンサ426に伝送されることを可能にするように十分であるが、この磁石が位置付けられる同じデバイス上のセンサを起動するほど十分なエネルギーではない。間隔および距離は、必然的に、電磁石から伝送されるパルスにおけるエネルギーの量に依存する。
【0078】
図23は、通信デバイス500の斜視図であり、上端部キャップが除去されており、デバイスの最上部に載置された磁気センサ502、磁石504、およびミニ近距離通信(NFC)アンテナ
506を示す。ホール集積回路(IC)が、この最上部に位置する(図示せず)。NFCコントローラ集積回路(IC)も、この一般領域の中にある(図示せず)。1つのユニットとして置換されるように、これらの異なる構成要素を形成することが可能である。端部キャップは、通信デバイスの最上部を覆い、取り除くことができ、構成要素は、交換を促進するように、1つの回路ユニットとして取り除くことができる。
【0079】
図24は、ユーザが移動する際にプロジェクタ520または他の周辺機器とシームレスに接続され、研究パートナー、会議、および重役会議にデバイス500からのプレゼンテーションを行う、通信デバイス500を示す。前述のようなタグ530は、図示されるようなプロジェクタ等の既存のハードウェア上に設置され、パーソナルコンピュータとプロジェクタとの間の接続を単純化するか、または通信デバイスに指図する。タグ530は、この実施例では、プロジェクタの後部付近に位置する。一実施例では、ヘッドセット等の付属品が、識別タグとともに事前設置され、デバイスとのキスジェスチャーを使用してBluetooth(登録商標)対合を可能にする。別の実施例でのタグは、本明細書の上記で説明されるようなプリンタ上に設置され、利用可能なWiFiネットワークを通して、通信デバイスから印刷するために必要な関連データを提供するネットワーク経路を記憶する。
図24の説明図では、ユーザは、通信デバイスから近距離通信を立ち上げることに専心する必要なく、会話中にプロジェクタタグ530をスキャンする。
【0080】
同様の実施例が、事前プログラムされた伝導性データを伴うタグである、製造業者または第三者のBluetooth(登録商標)カーキットにおいてカーステレオに組み込まれたタグ530を用いて達成される。タグは、既存のBluetooth(登録商標)ステレオに追加され、キスジェスチャーで通信デバイス500を使用して、伝導性データをタグに書き込む。例えば、スピーカ220(
図20)では、通信デバイスを使用して、伝導性データをそのタグに書き込むことが可能である。これは、カーシステムへの接続および断絶のユーザ制御を与える。場合によっては、自動伝導性が所望されない。Bluetooth(登録商標)は、通信デバイス上で動作中である必要はない。キスジェスチャーでタグをスキャンする行為が、Bluetooth(登録商標)を立ち上げ、接続を確立する。キスタグは、一実施例では、ユーザプロファイルを変更し、ステレオスピーカを通してメディアプレーヤを接続し、能動ハンズフリー電話機能性を達成するようにスキャンされる。
【0081】
図25は、ユーザを予定到着および出発時間情報にリンクするように、タグ532が地下鉄端末540に取り付けられる、地下鉄駅におけるタグ532へのキスジェスチャーにより最初に接続された通信デバイス500を示す。タグは、別の実施例では、バスターミナルで使用される。データ計画が必要とされない場合は、スケジュール全体がタグのオンボードメモリ上に記憶される。ユーザが混んだ地下鉄を通って歩く際に、単一のジェスチャーで更新された電車スケジュールをとらえることが可能である。これは、デバイスを見ることなく動作が行われ、上記で説明される自動車の実施例で道路を走る時にNFCを起動するために、ソフトウェアメニューに眼を通す必要がない、利点と同様である。
【0082】
図26は、ユーザが、私生活およびレジャー活動から職業的生活を分離するように、通信デバイスを自動的に調整する、パーソナルコンピュータ550に通信して接続された通信デバイス500を示す。他の実施例がたくさんある。タグ534は、職場で、またはオフィス内で設置され、ユーザが作業環境に入ったことを通信デバイス500に通知するように迅速にスキャンされる。リンガープロファイルが自動的に切り替えられ、カレンダーイベントが変更される。自宅に到着すると、ユーザが自宅に戻り、それに応じて設定を調整することを通信デバイス500に知らせるように、入口に、またはドッキングベイの一部としてタグが設置される。仕事をオフィスに残して、家庭およびレジャー活動用のカレンダーイベントが優先する。加えて、一実施例でのタグは、車内に配置され、ステレオとのBluetooth(登録商標)伝導性を自動的に開始し、ハンズフリー運転モードになる。再度、通信デバイス500とのキスジェスチャーは、ユーザが移動する度にメニューを通して推移する必要を排除し、場所の把握および利便性を煩わしくなくする。
【0083】
図27は、ユーザがメディアにアクセスするようにBluetooth(登録商標)対合およびグループを有する、メディア中心の代替案を示す。例えば、父親が自分または息子の通信デバイス500を使用し、通信接続を介してマルチプレーヤゲームに従事する。空港で待っている間に近日公開予定映画のポスター上のタグ536をスキャンすることによって、人気のカルチャーおよびメディアに関する情報に追い着いていくことが可能である。デバイス500は、放映時間、論評、および地元のチケット販売を提供するウェブサイトを即座に立ち上げる。チケットは、他のグループを介して息子とイベントを共有するように、デバイスから直接注文される。したがって、ユーザがシームレスにデータをとらえる。
【0084】
図28は、キスジェスチャー、その後に続くNFCの起動、磁気検出およびBluetooth(登録商標)中に発生する活動のT0、T1、T2、T3、T4、およびT5としての時間に対するタイミング図を示す。Bluetooth(登録商標)接続は、通信セッションが終了する時に終了するため、終了が示されていない。
【0085】
図29は、互換名刺ホルダ650等を用いて連絡先情報を転送し、この実施例では、前述のような受動磁気タグ(または受動NFCタグ)と同様の受動デバイスとして動作することができる、通信デバイス620を示す、別の実施形態を図示する。それはまた、説明されるように能動的に動作することもできる。しかしながら、
図9〜19に対する実施形態で図示されるような磁気検出を使用する代わりに、
図8の加速度計137に関して説明される種類等の振動センサとしての加速度計621が使用される。図示されるような名刺ホルダ650は、非限定的実施例として、後部においてデバイス620に接触するためのインターフェース652と、名刺をスキャンすることができる、または情報をキーパッド上で入力することができる、ヒンジ連結カバー654およびデータ入力点656とを含む。プロセッサ回路657は、名刺ホルダの操作のための一般的機能およびその関連機能、例えば、NFC回路、スキャン回路、またはキーボードを提供する。以前に説明されたような種類のNFCタグ660が含まれる。通信デバイス620は、筐体630、キーパッド632、およびディスプレイ634等の、以前の図に対して説明されるような同様の構成要素を含む。
【0086】
加速度計621は、NFC自動タグ検出(および自動ピアツーピア検出)を実装する。加速度計621は、カードホルダ650のタグ660または同様の受動デバイスに対するデバイスのタッピングを認識し、すなわち、振動を認識する。NFC回路を起動するためにホール効果センサおよび磁石を使用する代わりに、回路は、この実施例では、振動センサおよび加速度計として、タップ認識を使用する。デバイスが、別のオブジェクト、例えば、NFCタグ660に対してタップされると、ある加速度計パラメータを満たしている、または超えている事項として、プロファイルが生成されることを理解されたい。プロファイルが既知のタッププロファイルと比較された場合、NFC回路を起動し、通信を開始する。
【0087】
上述のように、通信デバイス620は、加速度計621を含む。加速度計621は、圧電要素に基づくセンサとして形成することができる。一実施例での加速度計621は、容量加速度計等の微小電気機械システム(MEMS)を含む。圧電、ピエゾ抵抗、およびガスベースの加速度計を含む、他の加速度計が使用される。一例として、一実施形態では、加速度計は、STMicroelectronics(Geneva, Switzerland)からのLIS3L02AQ3軸アナログ加速度計である。いくつかの実施形態では、単一の統合デバイス、例えば、STMicroelectronicsからのI2CまたはSPIインターフェースを伴うLIS3L02DQ3軸加速度計が使用される。振動センサとしての適切な加速度計の選択は、一実施例では、周波数応答範囲およびタッピング中の通信デバイスの感度応答に基づく。
【0088】
一実施例では、2軸加速度計が使用され、x軸信号およびy軸信号を出力する。3軸デバイスは、一実施例では、直交するx、y、およびz軸に対する信号を出力する。出力信号は、軸方向の加速力に比例するアナログ電圧である。例えば、少なくとも1つの3軸加速度計は、1.7gの正および負の直線加速度の範囲に対応する電圧を出力する。実施形態例での加速度計は、出力信号を調節するための種々のフィルタ、信号調節器等を含む。
【0089】
前述の説明および関連図面において提示される教示の便益性を有する、本発明の多くの修正および他の実施形態が、当業者に想起されるであろう。したがって、本発明は、開示される具体的実施形態に限定されるものではなく、修正および実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれるように意図されていることを理解されたい。